JP2000230070A - フェノール樹脂発泡体 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体

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JP2000230070A
JP2000230070A JP3114299A JP3114299A JP2000230070A JP 2000230070 A JP2000230070 A JP 2000230070A JP 3114299 A JP3114299 A JP 3114299A JP 3114299 A JP3114299 A JP 3114299A JP 2000230070 A JP2000230070 A JP 2000230070A
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resin foam
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phenol resin
phenolic resin
foam
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Yuichi Arito
裕一 有戸
Kenji Takasa
健治 高佐
Tsumoru Kuwabara
積 桑原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤がフルオロ炭化水素で、優れた断熱性
能を有し、かつ、圧縮強度等の機械的強度に優れ、脆性
が改善され、地球環境により適合したフェノール樹脂発
泡体を提供すること。 【解決手段】 発泡剤が炭素数2のフルオロ炭化水素で
あり、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が10μm
以上400μm以下、熱伝導率が0.022kcal/
mhr℃以下のフェノール樹脂発泡体であって、該フェ
ノール樹脂発泡体が下記一般式(1)で示されるフルオ
ロアミンの少なくとも1種をフェノール樹脂発泡体に対
して0.005から5重量%含有することを特徴とする
フェノール樹脂発泡体。 N(Cn 2n+13 (nは3以上の整数)・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築材料とし
て好適な断熱用フェノール樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂発泡体は、有機樹脂発泡
体のなかでも、特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安
定性、耐溶剤性、加工性に優れているため、各種建築材
料として広く使用されている。一般的にフェノール樹脂
発泡体は、フェノールとホルマリンをアルカリ性触媒に
より縮合したレゾール樹脂と、発泡剤、界面活性剤、硬
化触媒、その他添加剤を均一に混合し発泡させることに
よって製造される。従来のフェノール樹脂発泡体は、発
泡剤としてトリクロロトリフルオロエタン(CFC−1
13)、トリクロロモノフルオロメタン(CFC−1
1)、ジクロロトリフルオロエタン(HCFC−12
3)、ジクロロフルオロエタン(HCFC−141b)
等のハロゲン化炭化水素やその誘導体が用いられてき
た。発泡剤としての、これらハロゲン化炭化水素やその
誘導体は製造時の安全性に優れ、更にガス自体の熱伝導
度が低いことから、得られた発泡体の熱伝導度をも低く
できると言う利点を有していた。しかしながら、現在に
おいては、CFC−113、CFC−11等、塩素原子
を含む物質は成層圏のオゾンを分解しオゾン層の破壊を
引き起こすことが明らかにされるに至り、これらの物質
は地球レベルでの環境破壊の原因として世界的に問題と
されるようになり、それらの製造及び使用量が世界的に
規制されるようになってきた。そこで、代替の発泡剤と
して塩素原子を含まない為にオゾン層を破壊することが
無いフルオロ炭化水素が発泡剤として注目されるように
なった。
【0003】これに対し、特表平4−503829号公
報では、特定のフルオロアルカンを水素化フルオロカー
ボンと混合して発泡剤として使用することにより低い熱
伝導率のフェノール樹脂発泡体を製造している。特表平
4−503829号公報の提案によるフェノール樹脂発
泡体は、0.020kcal/mhr℃以下の熱伝導率
を達成しているものの、本発明によるフェノール樹脂発
泡体と比較して圧縮強度が劣り、実使用上の問題を有す
る。
【0004】また、特開平3−231940号公報で
は、窒素を含むポリフルオロ化合物を発泡剤としてパー
フルオロトリアルキルアミンを提案している。しかしな
がら本発明者らによると、パーフルオロトリアルキルア
ミンはガス自体の熱伝導率が低く、地球温暖化係数も比
較的小さい点で発泡剤として優れているものの、例え
ば、分子内のフルオロカーボンがメチル、エチルの場合
のパーフルオロトリアルキルアミンを発泡剤としてフェ
ノール樹脂発泡体を試作すると、得られるフェノール樹
脂発泡体はセル径が大きくなり良好な断熱性能を有して
いなかった。また、フェノール樹脂発泡体の剛性にも不
足し圧縮強度等の機械的強度も不十分であった。さら
に、分子内のフルオロカーボンがブチル以上の沸点が高
いパーフルオロトリアルキルアミンを発泡剤としてフェ
ノールフォームを試作しようとしたが、十分に発泡させ
得ず、発泡体を得ることが出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノール樹脂発泡体が有する前記諸問題を解決しうるもの
である。即ち本発明は、発泡剤がフルオロ炭化水素で、
優れた断熱性能を有し、かつ、圧縮強度等の機械的強度
に優れ、脆性が改善され、地球環境により適合したフェ
ノール樹脂発泡体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、前記本発明の課題を達成しうるフェノー
ル樹脂発泡体の存在を見出し、本発明を完成させるに至
った。即ち本発明は、 1.発泡剤が炭素数2のフルオロ炭化水素であり、独立
気泡率が80%以上、平均気泡径が10μm以上400
μm以下、熱伝導率が0.022kcal/mhr℃以
下のフェノール樹脂発泡体であって、該フェノール樹脂
発泡体が下記一般式(1)で示されるフルオロアミンの
少なくとも1種をフェノール樹脂発泡体に対して0.0
05から5重量%含有することを特徴とするフェノール
樹脂発泡体、 N(Cn 2n+13 (nは3以上の整数)・・(1)
【0007】2.フェノール樹脂発泡体の密度が10k
g/m3以上70kg/m3以下であって、脆性が30
%以下であり、圧縮強度が密度に対する下記式(2)の
関係を満足することを特徴とする前記1記載のフェノー
ル樹脂発泡体、 圧縮強度[kg/cm2 ]≧密度[kg/m3 ]×0.1164 −2.5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 3.フルオロアミンが下記一般式(3)で示される、前
記1又は前記2記載のフェノール樹脂発泡体、である。 N(Cm 2m+13 (mは6以上の整数)・・(3) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明のフェノール樹脂発泡体は、独立気
泡率が80%以上である必要がある。より好ましくは8
5%以上、更に好ましくは、90%以上である。独立気
泡率が80%未満であると、フェノール樹脂発泡体の発
泡剤が空気と置換して断熱性能の経時低下が著しくなる
恐れがあるばかりではなく、発泡体の表面脆性が増加し
て機械的実用性能を満足しなくなる懸念がある。本発明
におけるフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は10μm
以上400μm以下であり、より好ましくは20μm以
上200μm以下である。平均気泡径が10μm未満で
あると、気泡壁の厚さに限界が有ることから、必然的に
発泡体密度が上昇し、その結果発泡体における樹脂部の
伝熱割合が増加しフェノール樹脂発泡体の断熱性能は不
十分となる恐れがある。また、逆に気泡径が400μm
を越えると、輻射による熱伝導が増加するようになり、
発泡体の断熱性能が低下する懸念がある。
【0009】本発明のフェノール樹脂発泡体は、発泡剤
として炭素数2のフルオロ炭化水素を使用する。具体的
には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1
−ジフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフル
オロエタン等がある。その中でも、更に好ましくは1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(例えば、ダイキン
工業株式会社製のHFC−134a)である。これら、
フルオロ炭化水素は2種類以上混合して使用することも
できる。また、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの
低沸点物質を発泡核として発泡剤に添加させて使用する
こともできる。本発明における発泡剤の使用量は、所望
する発泡体の密度、発泡条件等によって適宜決めて差し
支えないが、通常、樹脂100重量部に対して、2から
40重量部とすることが好ましく、より好ましくは3か
ら30重量部である。本発明のパーフルオロアミンは、
炭素数3以上のフルオロカーボン鎖を3本持つパーフル
オロトリアルキルアミンであって、例えば、住友スリー
エム株式会社のフロリナートFC−40、FC−43、
FC−70、FC−71等を好ましく用いることができ
る。特に、パーフルオロアミンのフルオロカーボン部分
の炭素数が6以上になると効果が大きくなりより好まし
い。
【0010】本発明のパーフルオロアミンの使用量は、
フェノール樹脂発泡体に対して0.005重量%から5
重量%であり、より好ましくは、0.02重量%から3
重量%である。パーフルオロアミンの量が0.005重
量%未満であると微細なセルが得られない。また、パー
フルオロアミンの量が5重量%を越えると、製造コスト
が嵩み経済的に不利になるばかりではなく、気泡中でパ
ーフルオロアミンが液化して断熱性能が低下したり、樹
脂の剛性が低下する事が懸念される。また、パーフルオ
ロアミンをフェノール樹脂発泡体に導入する方法は、レ
ゾール樹脂、界面活性剤、発泡剤、硬化触媒を混合機に
導入して発泡性組成物とする際に、単独で混合機に導入
しても良いし、予めレゾール樹脂、界面活性剤、発泡
剤、硬化触媒に混合して導入しても良い。特に、予め発
泡剤に混合すると、小量でも期待する効果が発現するの
でより好ましい。
【0011】本発明において、パーフルオロアミンを発
泡剤として見なし、パーフルオロアミン以外に発泡剤を
用いないで発泡を試みると、パーフルオロアミンが発泡
の際に急激に樹脂相から分離してしまったり、発泡が起
こる前に樹脂が硬化してしまい、発泡体は得られなかっ
た。これは、本発明におけるパーフルオロアミンの沸点
が高いためフェノール樹脂発泡体の発泡剤として機能し
ないためである。本発明では、発泡剤としてフルオロ炭
化水素を用いて、発泡時にパーフルオロアミンを共存さ
せることによって、フェノール樹脂発泡体の気泡径を小
さくし、同時に高い独立気泡率を得て、それによって断
熱性能を著しく改善するものである。本発明によるフェ
ノール樹脂発泡体は、発泡剤がフルオロ炭化水素であり
ながら、熱伝導率は0.022kcal/mhr℃以下
であり、優れた断熱性能を有する。より好ましい熱伝導
率では0.018kcal/mhr℃以下である。
【0012】本発明のフェノール樹脂発泡体の密度は、
発泡剤の割合、硬化時のオーブン温度等の発泡条件によ
り所望の値を選択できるが、好ましくは10kg/m3
以上70kg/m3 以下であり、より好ましくは20k
g/m3 以上50kg/m3以下である。密度が10k
g/m3 未満だと圧縮強度等の機械的強度が小さくな
り、取り扱い時に破損しやすくなり、表面脆性も増加す
る。逆に密度が70kg/m3 をこえると樹脂部の伝熱
が増加し断熱性能が低下する恐れがある。本発明による
フェノール樹脂発泡体は、従来のフェノール樹脂発泡体
と比べると脆性及び圧縮強度も改善される。この理由は
明らかではないが、パーフルオロアミンが発泡時に発泡
剤と共存することによって発泡がより均一により好まし
いタイミングで起生し、その結果得られるフェノール樹
脂発泡体の気泡径が小さくなると共に、これらの化合物
が気泡を形成する樹脂組織自体をより強固なものにする
為と推定される。本発明のフェノール樹脂発泡体は上記
密度範囲において、後述する測定法による脆性が30%
以下であり、より好ましくは20%以下である。脆性が
30%を越えると、発泡体表面が削れた樹脂粉が多くな
り施工時の作業性が低下するばかりでなく、運搬、施工
などの取り扱い時に製品が破損し易くなるなどの問題が
あり、実用性を欠く。
【0013】本発明のフェノール樹脂発泡体の圧縮強度
は、密度に対する前記式(2)の関係を満足することが
好ましい。本発明によるフェノール樹脂発泡体は、特表
平4−503829号公報記載の発泡体と比較すると密
度に対する圧縮強度が大きい点でも著しく改善されてい
る。脆性及び圧縮強度は、フェノール樹脂発泡体の独立
気泡率、平均気泡径、密度及び樹脂自体の強度と密接に
関わっており、特に密度に対する依存性が大きい。本発
明のごとくフルオロ炭化水素を発泡剤に使用したフェノ
ール樹脂発泡体においては、パーフルオロアミンの存在
が、従来のフェノール樹脂発泡体に比べ平均気泡径を小
さくし、さらに樹脂の強度を向上させ、密度に対する圧
縮強度や脆性のバランスが優れたフェノール樹脂発泡体
を形成せしめる根源となっていると考えられる。
【0014】次に、本発明によるフェノール樹脂発泡体
の製造法について説明する。
【0015】樹脂原料であるレゾール樹脂は、フェノー
ルとホルマリンを原料としてアルカリ触媒により40℃
から100℃の温度範囲で加熱して重合させて得る。こ
の、レゾール樹脂には、尿素、アミン類、アミド類、エ
ポキシ化合物、単糖類、でんぷん類、ポバール樹脂、フ
ラン樹脂、ポリビニルアルコール、ラクトン類等の各種
改質剤を添加して使用してもよい。また、尿素変性する
場合には、レゾール樹脂重合時に尿素を添加してもよい
し、予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をレゾー
ル樹脂に混合してもよい。レゾール樹脂組成物は、水分
量を調整することにより適正な粘度にして使用される。
樹脂組成物の好適粘度は発泡条件により異なるが、40
℃における粘度が1000から50000cpsである
ことが好ましく、2000から30000cpsである
ことがより好ましい。
【0016】適正な粘度に調整されたレゾール樹脂組成
物と、発泡剤、パーフルオロアミン、界面活性剤、硬化
触媒を混合機に導入し、均一に混合して、発泡性組成物
を得ることが出来る。その際、界面活性剤を予め樹脂に
混合しておいて混合機に導入しても良いし、これらを別
々に混合機に導入しても良い。また、本発明ではパーフ
ルオロアミンの導入の仕方は特に制限されず、例えば予
めパーフルオロアミンを樹脂に混合しておいて、樹脂と
共に混合機に導入する方法や、硬化触媒と共に混合機に
導入する方法や、発泡剤と共に導入する方法や、単独で
混合機に導入する方法などのいずれでも差し支えない。
しかしながら、予め発泡剤に本発明におけるパーフルオ
ロアミンを混合して発泡剤と共に混合機へ導入する方法
は、比較的少量でも期待する効果が発現するのでより好
ましい。予めパーフルオロアミンを発泡剤に混合する場
合、パーフルオロアミンの発泡剤に対する割合は、0.
2重量%から20重量%とすればよい。発泡剤と混合す
る場合、パーフルオロアミンの量が発泡剤に対し0.2
重量%未満だと効果を発揮しないし、20重量%を越え
る場合には、フェノール樹脂発泡体の断熱性能や機械的
強度を低下させる懸念がある。より好ましくは0.5重
量%から15重量%、特に好ましくは1重量%から10
重量%である。混合機で混合して得られた発泡性組成物
を、型枠などに流し込み、加熱処理により発泡硬化を完
了させ、本発明のフェノール樹脂発泡体を得ることがで
きる。
【0017】本発明においては発泡硬化させる際の硬化
触媒として、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族ス
ルホン酸を単独又は2種類以上混合して使用できる。ま
た硬化助剤としてレゾルシノール、クレゾール、サリゲ
ニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロールフ
ェノールなどを添加しても良い。また、これら硬化触媒
を、ジエチレングリコール、エチレングリコールなどの
溶媒で希釈してもよい。
【0018】本発明で使用する界面活性剤は、フェノー
ル樹脂発泡体製造に使用される通常の物を使用して差し
支えない。中でも、ノニオン系の界面活性剤が効果的で
あり、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキ
レンオキサイドとヒマシ油の縮合物、又はアルキレンオ
キサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのよ
うなアルキルフェノールとの縮合生成物、更にはポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポ
リジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリア
ルコール類等を具体的に挙げることが出来る。これらの
界面活性剤は一種類で用いても良いし、二種類以上を組
み合わせて用いても良い。また、その使用量についても
特に制限はないが、本発明ではレゾール樹脂100重量
部当たり0.3から10重量部の範囲で使用するとより
効果的である。
【0019】次に本発明におけるフェノール樹脂発泡体
の組織、構造、特性の評価方法について説明する。独立
気泡率は、次のようにして測定した。フェノール樹脂発
泡体からコルクボーラーでくり貫いた直径35から36
mmの円筒試料を、高さ30から40mmに切りそろ
え、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社
製)の標準使用方法により試料容積を測定する。その試
料容積から、試料重量と樹脂密度から計算した気泡壁の
容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけ
の容積で割った値であり、ASTM D2856に従い
測定した。本発明では、フェノール樹脂の密度は1.2
7g/cm3 とした。
【0020】本発明におけるフェノール樹脂発泡断熱材
の平均気泡径とは、発泡体断面の50倍拡大写真上に9
cmの長さの直線を4本引き、各直線が横切った気泡の
数の平均値で1800μmを割った値であり、JIS
K6402に準じて測定したセル数より計算した平均値
である。熱伝導率は200mm角のフェノール樹脂発泡
体サンプルを用いて、低温板5℃、高温板35℃でJI
S A1412の平板熱流計法に従い測定した。密度
は、20cm角のフェノール樹脂発泡体を試料とし、こ
の試料の面材、サイディング材を取り除いて重量と見か
け容積を測定して求めた値であり、JISK7222に
従い測定した。
【0021】脆性試験の試験片は、一つの面に成形スキ
ン又は面材を含むように一辺25±1.5mmの立方体
12個を切り出して試料とした。ただし、発泡体の厚さ
が25mmに満たない場合の試験片の厚さは発泡体の厚
さとした。室温乾燥した比重0.65、一辺19±0.
8mmの樫製の立方体24個と試験片12個を、埃が箱
の外へ出ないように密閉できる内寸191×197×1
97mmの樫製の木箱に入れ、毎分60±2回転の速度
で600±3回転させる。回転終了後、箱の中身を呼び
寸法9.5mmの網に移し、ふるい分けをして小片を取
り除き、残った試験片の重量を測定し、試験前の試験片
重量からの減少率を計算した値が脆性であり、JIS
A9511に従い測定した。
【0022】圧縮強さはJIS K7220に従い規定
ひずみを0.05として測定した。フェノール樹脂発泡
体中の発泡剤及び、パーフルオロアミンの含有量の確認
は、以下のように行える。50×50×厚みmmの試験
片をJIS K 7100に規定する標準温度状態3級
(温度23±5℃)及び標準湿度状態3級(相対湿度4
0から70%)に16時間以上保持したのち、面材を取
り除き重量を精秤する。その試験片を気密性の容器中で
ピリジンまたはトルエンまたはDMF等から選んだ溶媒
と粉砕し、発泡剤及びパーフルオロアミンを抽出し、ガ
スクロマトグラフィー又は、液体クロマトグラフィーに
より定量する。必要に応じて、ガスクロマトグラフィー
により分離した成分を質量分析機に導入して分子構造を
確認してもよい。あるいは、LC−IR(液体クロマト
グラフィー−赤外吸収スペクトルメーター)により連続
的に抽出成分を同定してもよい。
【0023】
【実施例】次に実施例および比較例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。 (A) レゾール樹脂の合成 反応器に、37%ホルマリン(和光純薬社製、試薬特
級)5000gと99%フェノール(和光純薬社製、試
薬特級)3000gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機
により撹拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃
に調整する。次いで、50%水酸化ナトリウム水溶液を
60g加え、反応液を40℃から85℃に上昇させ11
0分間保持した。その後、反応液を5℃まで冷却する。
これを、レゾール樹脂A−1とする。一方、別の反応器
に37%ホルマリン1080gと水1000gと50%
水酸化ナトリウム水溶液78gを加え、尿素(和光純薬
社製、試薬特級)1600gを仕込み、プロペラ回転式
の撹拌機により撹拌し、温調機により反応器内部液温度
を40℃に調整する。次いで、反応液を40℃から70
℃に上昇させ60分間保持した。これを、メチロール尿
素Uとする。
【0024】次に、レゾール樹脂A−1にメチロール尿
素Uを1350g混合して液温度を60℃に上昇させ1
時間保持した。次いで反応液を30℃まで冷却し、パラ
トルエンスルホン酸一水和物の50%水溶液でpHが6
になるまで中和した。この反応液を、60℃で脱水処理
して、粘度を測定したところ40℃における粘度は67
00cpsであった。これを、レゾール樹脂Aとする。 (B) レゾール樹脂の合成 反応器に、37%ホルマリン4350gと99%フェノ
ール3000gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機によ
り撹拌し、温調機により反応器内部液温度を50℃に調
整する。次いで、50%水酸化ナトリウム水溶液を60
g加え、反応液を50℃から55℃に20分間保持し
た。その後温度を85℃に上げ、温度が85℃に達して
から115分間保持した。その後、反応液を30℃まで
冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶
液でpHが6になるまで中和した。この反応液を、60
℃で脱水処理して、粘度を測定したところ40℃におけ
る粘度は5800cpsであった。これを、レゾール樹
脂Bとする。
【0025】(実施例1)レゾール樹脂A100重量部
に界面活性剤としてポリオルガノシロキサン(ダウコー
ニングアジア(株)製、ペインタッド32)を3.5重
量部添加し、レゾール樹脂組成物を作製した。発泡剤と
して窒素を0.3重量%添加した1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(ダイキン工業(株)製 HFC−1
34a)を用い、フルオロアミンとしてトリパーフルオ
ロヘキシルアミン(住友スリーエム(株)製 フロリナ
ートFC−71)を用い、予め、窒素0.3重量%、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン96.7重量
%、フルオロアミン3重量%の発泡剤組成物を作製し
た。硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸一水和物6
0重量%(和光純薬社製、純度95%以上)とジエチレ
ングリコール40重量%(和光純薬社製、純度98%以
上)の混合物を用いた。次にレゾール樹脂組成物100
重量部、発泡剤組成物13重量部、硬化触媒13重量部
の割合で温調ジャケット付きピンミキサーに供給した。
ミキサーから出てきた混合物を不織布(旭化成工業
(株)製 スパンボンドE1040)を敷いた型枠に流
し込み、80℃のオーブンに入れ5時間保持してフェノ
ール樹脂発泡体を製造した。
【0026】(実施例2)発泡剤組成物をトリパーフル
オロペンチルアミン(住友スリーエム(株)製フロリナ
ートFC−70)を3重量%と、窒素を0.3重量%添
加したHFC−134aに変更した以外は、実施例1と
全く同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。 (実施例3)発泡剤組成物をトリパーフルオロブチルア
ミン(住友スリーエム(株)製 フロリナートFC−4
3)を3重量%と、窒素を0.3重量%添加したHFC
−134aに変更した以外は、実施例1と全く同様にし
てフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0027】(実施例4)発泡剤組成物をトリパーフル
オロプロピルアミン、トリパーフルオロブチルアミン、
ジパーフルオロブチルパーフルオロプロピルアミン、パ
ーフルオロブチルジパーフルオロプロピルアミンの混合
物(住友スリーエム(株)製 フロリナートFC−4
0)を3重量%と、窒素を0.3重量%添加したHFC
−134aに変更した以外は実施例1と全く同様にして
フェノール樹脂発泡体を製造した。 (実施例5)レゾール樹脂組成物を該樹脂組成物に対し
フロリナートFC−71を5重量%混合したものに変更
し、発泡剤組成物を、窒素を0.3重量%添加したHF
C−134aに変更した以外は実施例1と全く同様にし
てフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0028】(実施例6)レゾール樹脂Aをレゾール樹
脂Bに変更した以外は、実施例1と全く同様にしてフェ
ノール樹脂発泡体を製造した。 (実施例7)発泡剤組成物をフロリナートFC−71を
0.5重量%と、窒素を0.3重量%添加したHFC−
134aに変更した以外は、実施例1と全く同様にして
フェノール樹脂発泡体を製造した。 (実施例8)ピンミキサーに供給する発泡剤組成物量を
9重量部に変更した以外は、実施例1と全く同様にして
フェノール樹脂発泡体を製造した。 (実施例9)ピンミキサーに供給する発泡剤組成物量を
25重量部に変更した以外は、実施例1と全く同様にし
てフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0029】(比較例1)発泡剤組成物として、窒素を
0.3重量%添加したフロリナートFC−70を使用し
た以外は実施例1と全く同様にしてフェノール樹脂発泡
体の製造を試みたが、発泡体は得られず、樹脂の塊にな
った。 (比較例2)発泡剤組成物を、窒素を0.3重量%添加
したHFC−134aに変更した以外は実施例1と全く
同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。 (比較例3)発泡剤組成物としてフロリナートFC−7
1を0.02重量%と、窒素を0.3重量%を添加した
HFC−134aを用いた以外は実施例1と全く同様に
してフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0030】(比較例4)レゾール樹脂Aをレゾール樹
脂Bに変更し、発泡剤組成物として窒素を0.3重量%
添加したHFC−134aを用いた以外は実施例1と全
く同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。 (比較例5)レゾール樹脂組成物として、レゾール樹脂
Aにペインタッド32を3.5重量部添加した組成物
に、フロリナートFC−71を20重量%添加した物を
用い、発泡剤組成物として窒素を0.3重量%添加した
HFC−134aを用いた以外は実施例1と全く同様に
してフェノール樹脂発泡体を製造した。
【0031】(比較例6)発泡剤組成物として窒素を
0.3重量%添加したHFC−134aを用いて、発泡
剤組成物量を24重量部に変更した以外は実施例1と全
く同様にしてフェノール樹脂発泡体を製造した。なお、
以上の実施例、比較例で得たフェノール樹脂発泡体サン
プルの原料樹脂、独立気泡率、平均気泡径、熱伝導率、
発泡体中のパーフルオロアミン含有量(フォーム中フル
オロ化合物量(%)と表記)、密度、脆性、圧縮強度を
表1にまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によるフェノール樹脂発泡体は、
優れた断熱性能を有し、圧縮強度等の機械的強度に優
れ、表面脆性が著しく改善されている。本発明による発
泡体は、オゾン層破壊の恐れがないため、地球環境によ
り適合した建築用断熱材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 積 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA59 AA60 AD13 BA28 BA29 BA53 BB01 BB06 BB08 BC02 CA23 DA02 DA03 DA07 DA08 DA12 DA32 4J002 CC031 EB066 EN027 FD140 FD207 FD310 FD326 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が炭素数2のフルオロ炭化水素で
    あり、独立気泡率が80%以上、平均気泡径が10μm
    以上400μm以下、熱伝導率が0.022kcal/
    mhr℃以下のフェノール樹脂発泡体であって、該フェ
    ノール樹脂発泡体が下記一般式(1)で示されるフルオ
    ロアミンの少なくとも1種をフェノール樹脂発泡体に対
    して0.005から5重量%含有することを特徴とする
    フェノール樹脂発泡体。 N(Cn 2n+13 (nは3以上の整数)・・(1)
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂発泡体の密度が10kg
    /m3以上70kg/m3以下であって、脆性が30%
    以下であり、圧縮強度が密度に対する下記式(2)の関
    係を満足することを特徴とする請求項1記載のフェノー
    ル樹脂発泡体。 圧縮強度[kg/cm2 ]≧密度[kg/m3 ]×0.1164 −2.5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
  3. 【請求項3】 フルオロアミンが下記一般式(3)で示
    される、請求項1又は請求項2記載のフェノール樹脂発
    泡体。 N(Cm 2m+13 (mは6以上の整数)・・(3)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347157A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Comany Inc 断熱芯材及び、これを用いた断熱不燃パネル
WO2007029855A1 (ja) * 2005-09-08 2007-03-15 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. 発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびフェノール樹脂発泡体
WO2010082646A1 (ja) * 2009-01-19 2010-07-22 旭有機材工業株式会社 発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびその製造方法ならびにフェノール樹脂発泡体

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WO2007029855A1 (ja) * 2005-09-08 2007-03-15 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. 発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびフェノール樹脂発泡体
WO2010082646A1 (ja) * 2009-01-19 2010-07-22 旭有機材工業株式会社 発泡性レゾール型フェノール樹脂成形材料およびその製造方法ならびにフェノール樹脂発泡体

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