JP3947576B2 - 近接スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック部分を有する近接スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
用途に応じて、様々な技術(誘導性、容量性、超音波、磁性その他)の近接スイッチには環境の影響で高い応力が作用する。含まれる構造部材の保護のために結果的に必要なことは重要な要求である。したがって、現在利用できる装置は金属または高品質プラスチックで作られたケーシングを有してほとんどが完成されており、このケーシングは一般にキャスト樹脂を更に充填されている。
【0003】
しかしながら、例えば侵食性の化学物質、高温および高圧の存在の下では、また食品工業においては、実際にはこれらの対策は不十分である。このような場合、特殊鋼製のハウジングが使用される。本明細書では、作用面に特に関心が持たれる。何故ならば、作用面は電気的な絶縁材料で作られねばならないからである。このために選択された材料は、セラミック材料である。
【0004】
困難を伴う問題点はセラミックの作用面とハウジングとの間の気密および液密接合にあり、これは高い要求を満たさねばならない。緊密であるだけでなく、耐圧、耐振で、広い温度範囲に使用できねばならない。更に、温度サイクルに対して非常に高い耐久性が要求される。優れた化学的安定性が不可欠である。これらの性質は、典型的に10年を超える製品の寿命全体を通じて保持されねばならない。更に、その製造方法は簡単、安全で、第1に経済的でなければならない。
【0005】
他の問題は、作用面ができるだけ薄くされるべきである。何故ならば、センサーの有効スイッチ距離はこの厚さによって減少されることが普通だからである。装置が高い内部圧力を意図されるならば、これは特に重要である。
【0006】
上述した問題に対して多くの解決法が知られているが、それらの全ては本質的な不都合を有している。最も安全な方法は連結面の領域においてセラミック部分に金属を付与し、その後セラミック部分をハウジングに緊密に半田付けすることである。得られた結果は非常に良好であるが、製造工程は複雑であり、したがって高価となる。他の方法は、部品を適当な接着剤で接着することである。この方法は経済的であるが、特に高温下において、および侵食性環境の下で安全でない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
本発明は、説明した問題を簡単且つ経済的に解決するものであり、本発明により、以下の構成を有する近接スイッチが提供される。
金属製のハウジング筒体とセラミック部分とを含み、セラミック部分が、ハウジング筒体の収縮によって、該ハウジング筒体内に保持されており、ハウジング筒体およびセラミック部分の互いに対向する接触面のうちの少なくとも一方が密封材料で被覆されている近接スイッチであり、ハウジング筒体とセラミック部分の前記接触面間の面圧が、接合部の領域で、ハウジング筒体の弾性限界を超えており、もって、ハウジング筒体とセラミック部分の間に気体および液体を透過させないシールが形成されている近接スイッチ。この近接スイッチの一実施形態として、大気温度の下でハウジング筒体における対応する座の直径よりも大きい直径を有するセラミック部分を、ハウジング筒体を加熱した後、該ハウジング筒体内に挿入することにより、ハウジング筒体が冷却したときに該ハウジング筒体が収縮して、接合部領域におけるハウジング筒体の表面被覆によってハウジング筒体とセラミック部分との間に気密および液密シールが得られるように、前記セラミック部分が保持される。
この近接スイッチの一実施形態では、ハウジング筒体の前記接触面、または、セラミック部分の前記接触面に、前記密封材料に対する圧力を高めるための環状溝が形成される。
この近接スイッチのその他の一実施形態では、密封材料として延性金属材料(例えば、銅)が用いられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は図示された具体例を参照して以下に詳細に説明される。
【0009】
本発明は、その他の目的に使用されていてそれ自体は周知の、且つまたセラミック材料製の対応する内側部分の上に金属部分を収縮させて成る方法から説明を始める。この例はDE−A−4032803、DE−A−4021259、EP−A−0197890およびDE−C−3545135に見出される。このために、セラミック部分2の直径はハウジング筒体1における対応する座3よりも多少大きくされている。ハウジング筒体1の中にセラミック部分2を挿入するために、ハウジング筒体1の座3の領域では例えば800°Cの温度まで加熱される。加熱は誘導手段による周知の方法で簡単且つすばやく行うことができる。これにより、ハウジング筒体1は膨張する(例えばV2Aの場合には線膨張係数は約12×10-6/°Cである)。加熱されない、したがって膨張しないセラミック部分2はこの時点で挿入されるのであり、ハウジング筒体1における対応する座3へ嵌入させる力を全く必要としない。その後エネルギー付与が中断され、これにより構造全体が冷却される。このようにして生じるハウジング筒体1の収縮により、他の何れの作業もせずにハウジング筒体1とセラミック部分2との間の強固な連結が得られる。
【0010】
このようにして達成された連結は強力な圧縮力を特徴とするが、一般には気密および液密でない。本発明によれば、金属製のハウジング筒体1はそれ故に既に説明したように処理される、すなわち接合部4(図3)の領域において、典型的に延性金属材料(例えば、銅)から成る、厚さ数十μm程度の適当な層7(図5)が付与される。したがって、被覆の厚さおよび面圧が適切に定められるならば、優れたシールが形成される。ハウジング筒体全体を先ず第1に処理し、接合が達成された後にもはや必要でない被覆部分を所望により除去することが最も有利であり、この被覆は気密および液密のシールにより接合部の領域においては保存される。
【0011】
材料の選択、および座3の領域におけるハウジング筒体1の壁厚5の選択によって、所望される面圧は広い範囲で調整される。更に、前記範囲は接触面6の相応の設計によって更に拡大することができる。この例が図4に示されており、環状溝がハウジング筒体1の接触面6部分に形成されている。
【0012】
他の利点はセラミック部分2の予応力から得られる。この予応力は、それが存在しない場合に比べて、与えられた形状の下でより高い外圧Pを支持することができる(図6)。これは、セラミック材料が張力に比して実質的に高い圧力に耐えるという事実を利用したものである。金属製のハウジング筒体1の収縮によって発生する圧力で生じる予応力は、セラミック部分2に圧力F0を発生させる(図6)。外圧Pは「圧力および張力」F1を発生させる。外圧Pによって発生する「圧力(圧縮力)および張力F1」と、圧力F0(予応力による圧力)とを合成すると、外圧Pによって生じる圧力(圧縮力)と圧力F0とは互いに力を増大させる関係にあり、外圧Pによって生じる張力と圧力F0とは互いに力が相殺される関係にある。したがって、外圧Pによって生じる張力の効果は、前記力の相殺分だけ小さな値の張力がセラミック部分2に働いたものと同等であり、結果的に、予応力が働くセラミック部分2は、予応力のない場合に比して高い外圧Pに耐えることができる。好適には、加熱状態のハウジング筒体1が冷却された後、ハウジング筒体1を形成する材料の弾性限界を超える予応力が接合部4の領域に作用するように、ハウジング筒体1の設計が行なわれる。このことは、機械公差と無関係な予応力を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハウジング筒体に連結される部品の側面図。
【図2】 ハウジング筒体に連結される部品の前面図。
【図3】 収縮により連結された部品の部分的断面図。
【図4】 接触圧力を高める面構造を有する代替実施例の部分的断面図。
【図5】 密封材料の層を示す部分的断面図。
【図6】 挿入したセラミック部分に作用する力を示す説明図。
【符号の説明】
1 ハウジング筒体
2 セラミック部分
3 座
4 接合部
5 壁厚
6 接触面
7 層
Claims (3)
- 金属製のハウジング筒体(1)とセラミック部分(2)とを含み、
前記セラミック部分(2)が、前記ハウジング筒体(1)の収縮によって、該ハウジング筒体(1)内に保持されており、
前記ハウジング筒体(1)および前記セラミック部分(2)の互いに対向する接触面のうちの少なくとも一方が密封材料で被覆されている近接スイッチにおいて、
前記ハウジング筒体(1)と前記セラミック部分(2)の前記接触面間の面圧が、接合部(4)の領域で、前記ハウジング筒体(1)の弾性限界を超えており、もって、前記ハウジング筒体(1)と前記セラミック部分(2)の間に気体および液体を透過させないシールが形成されている近接スイッチ。 - 前記ハウジング筒体(1)の前記接触面、または、前記セラミック部分(2)の前記接触面に、前記密封材料に対する圧力を高めるための環状溝が形成されている請求項1に記載された近接スイッチ。
- 前記密封材料(7)として延性金属材料が用いられている請求項1または請求項2に記載された近接スイッチ。
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