JP3946977B2 - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルターの製造方法に関するものであり、特に感光性転写材料を用いた転写法によるカラーフィルターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー画像を表示する液晶表示装置は、液晶表示装置に備えられた2枚の透明基板の一方の面にカラーフィルターを設けた構成からなる。カラーフィルターは、透明基板の上に、微小の間隙を介して縦横両方向に整然と展開配列された多数の着色画素からなる層が設けられた構成を有するものである。多数の着色画素は通常、それぞれ、R(レッド)、G(グリーン)、そしてB(ブルー)の三色のうちいずれかに着色されていて、RGBの各着色画素が一定のパターンに組み合わさって着色画素を構成している。
【0003】
かかるカラーフィルターの製造方法としては、各種の方法が知られているが、近年、感光性樹脂シート(感光性転写材料)を用いた転写法が、精度の高いカラーフィルターを簡便に製造することができるなどの理由で注目を浴びている。例えば、カラーフィルターの製造方法において、この感光性樹脂シートを用いる転写法では、まず、所定の色の着色材料(顔料または染料)と感光性樹脂とからなる感光性着色樹脂層(感光性樹脂層)を可撓性の支持体シート(仮支持体)の上に設けた感光性樹脂シートを所定の枚数(通常は、R、G、Bの三枚)製造する。つぎに、この感光性樹脂シートの1枚を、その感光性着色樹脂層を下に向け、加熱ロールを用いて加熱しながら透明基板(ガラス板など)の上に貼り合わせたのち、支持体シートを剥がして透明基板上に感光性着色層を転写する。
【0004】
次いで、その状態で、感光性着色樹脂層の表面に、画素パターン部分が開口されたシート状のフォトマスクを介して光を照射して感光性着色樹脂層をパターン状に露光し、そののち現像処理して、透明基板上に1色の着色画素パターンを形成する。さらに、着色画素パターンが形成された基板表面に、別の色の感光性着色樹脂層を有する感光性樹脂シートを用いて、同様にして転写、露光および現像を順次行うことによって、多色の着色画素パターンを形成することができる。なお、RGBなどの多色の着色画素間の色分離を向上させるために、最近では各画素間に間隙を設け、感光性黒色樹脂を埋め込むこと(いわゆる、ブラックマトリックスの形成)が一般的に行われている。
また、転写時の気泡混入を防止する目的で、上記感光性樹脂シートには、感光性樹脂層と支持体シートとの間にクッション層として熱可塑性樹脂層を設ける場合が多い。
【0005】
以上のような転写法によるカラーフィルターの製造時においては、通常、感光性樹脂シートを透明基板上にラミネートした後、自然冷却し、その後支持体シート(仮支持体)の剥離をおこなう。上記自然冷却は、透明基板の温度が20〜25℃程度になるまでおこなうため、通常2〜5分程度の時間が必要である。しかし、このように感光性樹脂シートを転写した透明基板を時間をかけて冷却すると、感光性転写シートの支持体シートが収縮してしまうといった問題がある。該支持体シートの収縮は、支持体シートを剥離する際、感光性樹脂層と支持体シートとの間に設けられた熱可塑性樹脂層までも支持体シートと伴に剥離してしまう、いわゆる「熱可塑性樹脂層剥離」の原因となるため、できるだけ低く抑えることが望まれる。上記熱可塑性樹脂層剥離は熱可塑性樹脂層の応力破断によっておこり、該熱可塑性樹脂層剥離が生じると、パターン露光時に剥離部に露光ムラが起こり、画素の形状に悪影響をおよぼしてしまう。
【0006】
また、近年、生産性の向上を図る目的で、ラミネート速度の高速化が求められており、これに伴ってラミネート後の基板冷却時間を短縮する必要性が生じてきている。しかし、透明基板等を、クーリングプレート等を用いて常温程度にまで急冷し、支持体シートを剥離すると、この場合にも熱可塑性樹脂層剥離が発生し、基板冷却時間短縮の弊害となってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、感光性転写材料(感光性樹脂シート)を用いた転写法によるカラーフィルターの製造において、基板の表面に感光性樹脂材料を密着させて得られる積層体から、上記感光性樹脂材料の仮支持体(支持体シート)を剥離する際に熱可塑性樹脂層剥離の発生を防止し、基板冷却時間の短縮が可能なカラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 仮支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とがこの順に設けられた感光性転写材料を、基板の表面に、該基板の表面と前記感光性樹脂層とが接するように密着させ積層体を得る積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する剥離工程と、前記感光性樹脂層を露光および現像することによって、前記基板の表面にカラーフィルターを形成する露光・現像工程と、を含むカラーフィルターの製造方法であって、前記剥離工程は、前記積層体形成工程によって得られた前記積層体を冷却速度3〜50℃/sで30〜40℃の範囲内まで急冷し、該急冷した前記積層体を30〜40℃の範囲内で保持し、その後前記積層体から前記仮支持体を剥離することを特徴とするカラーフィルターの製造方法である。
【0011】
> 前記剥離工程は、前記積層体を冷却速度3〜50℃/sで急冷することを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法である。
【0012】
> 前記剥離工程は、急冷した前記積層体を30〜40℃の範囲内で30秒以上保持することを特徴とする<1>に記載のカラーフィルターの製造方法である。
> 前記剥離工程において前記積層体から前記仮支持体を剥離する方向は、前記積層体の略対角線方向であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のカラーフィルターの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、まず上記感光性転写材料および上記基板について説明し、さらにカラーフィルターの製造方法を詳細に説明する。
【0014】
[感光性転写材料]
本発明における感光性転写材料について説明する。本発明における、感光性転写材料は、仮支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とがこの順に設けられたものであり、必要に応じて、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間に酸素遮断層等の中間層が積層されてなる構造を有する。本発明における感光性転写材料の構成について図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明における感光性転写材料の構成を示す概略的断面図である。また、図2は、本発明における積層体の構成を示す概略的断面図である。
図1において本発明における感光性転写材料1は、仮支持体2上に、熱可塑性樹脂層3、中間層4および感光性樹脂層5がこの順に積層されてなる構造を有する。また、感光性樹脂層5の上には、保存時に該感光性樹脂層5を保護する目的で、保護層が形成されていてもよい。
図2において本発明における積層体6は、後述する積層体形成工程で、透明基板7の表面と感光性樹脂層5とが接するように、透明基板7の表面に感光性転写材料1をラミネート等によって密着させることで得られる。
【0015】
<仮支持体>
上記仮支持体としては、可撓性であって、感光性樹脂層等と良好な剥離性を有し、化学的および熱的に安定である物質で構成されることが好ましい。具体的には、テフロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート等のフィルム若しくはこれらの積層物が好ましい。仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、特に20〜150μmが好ましい。仮支持体の厚みが上記範囲よりも小さいと、感光性転写材料を転写すべき基板と貼り合わせる際にシワが発生しやすく、また、厚みが上記範囲よりも大きいと感光性転写材料のシートカッティング時にゴミを発生しやすい。
【0016】
また、上記仮支持体の表面電気抵抗値は1013Ω/cm2以下であることが好ましく、1012Ω/cm2以下であることがより好ましい。表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下である仮支持体としては、導電性を有する材料を含有する合成樹脂から形成された仮支持体、表面近傍の部分のみに導電性を有する材料が含有されている仮支持体、1013Ω/cm2より大きい表面電気抵抗値を有する仮支持体本体の少なくとも一方の面に導電性を有する層(導電性層)が積層されている仮支持体、これらの構成が組み合わせられた仮支持体等の何れの態様のものであってもよい。
【0017】
仮支持体を形成するための上記合成樹脂としては、従来感光性転写材料の仮支持体材料として使用されている化学的および熱的に安定な合成樹脂、好ましくは熱可塑性樹脂を使用することができ、特に好ましいものはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等である。また、仮支持体材料として使用する樹脂としては、ガラス転移温度が50〜150℃、好ましくは60〜120℃の樹脂を用いるのが好ましい。
【0018】
仮支持体に含有させる上記導電性を有する材料としては、特に限定することなくそれ自体公知のものでよいが、特に好ましいものは導電性金属酸化物の微粒子および帯電防止剤である。導電性金属酸化物の微粒子および帯電防止剤はそれぞれ単一成分であってもよく混合物であってもよい。また導電性金属酸化物の微粒子と帯電防止剤とを併用してもよい。
【0019】
上記導電性金属酸化物の好ましい例としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン等の中から選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、および/または、その複合酸化物を主体とする微粒子を挙げることができる。該導電性金属酸化物の微粒子は、107Ω・cm以下、特に105Ω・cm以下の体積抵抗値を有するものであることが好ましく、また、その粒子サイズは、0.01〜0.7μm、特に0.02〜0.5μmであることが好ましい。
【0020】
導電性金属酸化物の微粒子の製造方法については、例えば、特開昭56−143430号公報に詳細に記載されている。略述すれば、第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上させる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等がある。
【0021】
導電性金属酸化物に含まれる異種原子の例としては、例えば、ZnOに対してはAl、In等、TiO2に対してはNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。異種原子の添加量は0.01〜30モル%の範囲が好ましく、0.1〜10モル%の範囲が特に好ましい。
【0022】
上記帯電防止剤の好ましい例としては、アニオン界面活性剤としてアルキル燐酸塩系(例えば、花王(株)のエレクトロストリッパーA、第一工業製薬(株)のエレノンNo19等)、両性界面活性剤としてベタイン系(例えば、第一工業製薬(株)のアモーゲンK、等)、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル系(例えば、日本油脂(株)のニツサンノニオンL、等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(例えば、花王(株)のエマルゲン106、120、147、420、220、905、910、日本油脂(株)のニツサンノニオンE、等)を挙げることができる。その他、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等の界面活性剤も有用である。
【0023】
さらに、剥離性の観点から仮支持体に対し種々の公知の離型処理を行ってもよい。また、滑り性を良化するため、または感光性樹脂層の仮支持体裏面との不都合な接着を防止するため、仮支持体の裏面に公知の微粒子含有滑り性組成物や、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することも有用である。
【0024】
また、上述の通り、導電性層を設けてなる仮支持体を用いてもよい。この場合、仮支持体本体(仮支持体の導電性層を除く部材)の表面電気抵抗値については特に考慮する必要は無く、1013Ω/cm2以下であっても、それより大きくてもよい。
上記導電性層は、導電性を有する材料とバインダーまたはポリマーとを含む層である。この導電性を有する材料としては、特に限定されないが、上記の仮支持体に含有させることができる導電性金属酸化物の微粒子が特に好ましい。
【0025】
導電性層中における導電性金属酸化物の微粒子の含有量は、導電性層を含む仮支持体の表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下になるようにすることが好ましく、導電性金属酸化物、バインダーまたはポリマー、仮支持体本体等の電気抵抗値、導電性層および仮支持体本体の厚み等によって変わるが、一般に0.05g/m2〜20g/m2であることが好ましく、0.1g/m2〜10g/m2であることが特に好ましい。
【0026】
導電性層に含有させるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のようなセルロースエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アルキル(炭素数1〜4のアルキル基が好ましい)アクリレート、ビニルピロリドン等を含むモノマーのホモポリマー若しくはコポリマー;可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
【0027】
導電性層に含有させるポリマーとしては、仮支持体本体の材料として使用できる熱可塑性樹脂、上記のバインダー、およびその他の熱可塑性樹脂の中から任意に選択されるポリマーを使用することができる。
導電性層の形成は、例えば、導電性微粒子を必要に応じて溶剤中でバインダーに分散させた導電性層形成用塗布液を、仮支持体本体の表面に例えば、ローラーコート、エアーナイフコート、グラビアコート、バーコート、カーテンコート等の方法によって塗布した後乾燥する方法;仮支持体本体の表面に後記のような下塗層を設けその上に導電性微粒子を被着させる方法;導電性微粒子およびポリマーの組成物を、仮支持体本体を押出成形する際に共押し出しすることにより仮支持体本体上に導電性層を設ける方法;等の方法によって行うことができる。特に導電性層を共押し出しにより設ける方法によれば、接着性、耐傷性が優れた導電性層を形成することができ、後述するような疎水性重合体層を設ける必要がなくなるので好ましい。
【0028】
導電性層形成用塗布液を調製するためにバインダー中へ導電性粒子を分散させるに際しては、チタン系分散剤またはシラン系分散剤のような分散剤をこの塗布液に添加してもよい。また必要に応じてバインダー架橋剤等を加えてもよい。
チタン系分散剤としては、米国特許第4,069,192号明細書、同第4,080,353号明細書等に記載されているチタネート系カップリング剤、およびプレンアクト(商品名:味の素(株)製)等を挙げることができる。また、シラン系分散剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、「シランカップリング剤」として信越化学工業(株)等から市販されているものも使用することができる。
バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤等を挙げることができる。
【0029】
また、導電性層が、熱可塑性樹脂層等が設けられる面とは反対側の面に設けられている場合には、耐傷性を良好なものとするために、導電性層の上に更に疎水性重合体層を設けることが好ましい。この場合、疎水性重合体層は、疎水性重合体の有機溶剤溶液または水性ラテックスを塗布し乾燥することによって形成することができる。この疎水性重合体の塗布量は、乾燥質量にして0.05g/m2〜1g/m2程度であることが好ましい。
【0030】
上記疎水性重合体としては、セルロースエステル(例えばニトロセルロース、セルロースアセテート)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むモノマーから製造されたビニル系ポリマーや有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。
疎水性重合体層には、滑り性を付与するための滑り剤、例えば特開昭55−79435号公報に記載されるような有機カルボン酸アミド等を添加しても差し支えないし、またマット剤等を加えることも何ら支障はない。このような疎水性重合体層を設けても、導電性層が奏する作用効果は実質的に影響を受けない。
【0031】
本発明における感光性転写材料においては、また、特開昭56−82504号公報、特開昭56−143443号公報、特開昭57−104931号公報、特開昭57−118242号公報、特開昭58−62647号公報、特開昭60−258541号公報等に示されている導電性層を設けた仮支持体も適宜用いることができる。
【0032】
仮支持体を仮支持体本体と導電性層とから構成する場合は、導電性層の厚みを0.01〜10μmにすることが好ましい。また、導電性層は、仮支持体の熱可塑性樹脂層等が設けられる側の表面に設けてもよく、仮支持体本体の両面に設けてもよい。
【0033】
<感光性樹脂層>
上記感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物と着色剤とを少なくとも含んでなる塗布液(感光性樹脂層用塗布液)を公知の塗布方法により仮支持体上に塗布して形成される。
上記感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物と着色剤とを含む着色層であり、熱または圧力によって軟化若しくは流動化する樹脂層であることが好ましい。具体的には、少なくとも150℃以下の温度で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性を示す転写適性を持つことが好ましく、光が照射されると硬化する一方、未照射部はアルカリ溶液に対して易溶性でレジスト性を備えることが好ましい。公知の光重合性組成物からなる層の大部分はこの性質を有する。また、これらの層は、熱可塑性樹脂の添加や、相溶性のある可塑剤の添加により更に改質が可能である。
【0034】
上記感光性樹脂組成物としては、例えば特開平3−282404号公報に記載のものを全て使用することができ、例えば、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物が挙げられる。
中でも、アルカリ可溶性バインダーポリマー、光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤を含んでなる感光性樹脂組成物が好ましく、本発明においては、該感光性樹脂組成物と着色剤とを含有してなる感光性樹脂層が特に好ましい。
【0035】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、および特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体が挙げられる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。
【0036】
上記のほかに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好適である。特に、米国特許第4139391号明細書に記載の、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。
【0037】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーを用いる場合、上記の中から、50〜300mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の質量平均分子量を有するものを選択して使用することが好ましい。
【0038】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーの他、種々の性能、例えば硬化膜の強度を改良する目的で、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶性のポリマーを添加することができる。そのようなポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロンまたはエポキシ樹脂が挙げられる。
【0039】
感光性樹脂組成物の全固形分に対する、アルカリ可溶性のポリマーと必要に応じてアルカリ不溶性のポリマーとの総含有量としては、10〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましい。上記含有量が、10質量%未満であると、感光性樹脂層の粘着性が高すぎてしまうことがあり、95質量%を超えると、形成される画像の強度および光感度の点で劣ることがある。
【0040】
上記光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;
【0041】
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
【0042】
更に、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報および特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報および特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートも挙げられる。
上記の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0043】
光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する該モノマーの含有量としては、5〜50質量%が一般的であり、特に10〜40質量%が好ましい。上記含有量が、5質量%未満であると、光感度や画像の強度が低下することがあり、50質量%を超えると、感光性樹脂層の粘着性が過剰になることがあり好ましくない。
【0044】
上記光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に記載のビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載の、α−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載の、トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンとの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。
【0045】
中でも特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
感光性樹脂組成物の全固形分に対する上記光重合開始剤の含有量としては、0.5〜20質量%が一般的であり、特に1〜15質量%が好ましい。上記含有量が0.5質量%未満であると、光感度や画像の強度が低くなることがあり、また20質量%を超えて添加しても性能向上への効果が認められない。
【0046】
上記着色剤(着色材料)としては、カラーフィルターを構成する色である赤色、緑色および青色の顔料が一般に使用される。その好ましい例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)等が挙げられる。
【0047】
感光性樹脂層中における着色剤の具体的な含有量としては、目標とする色度等により異なるが、感光性樹脂層の固形分の2〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましい。
【0048】
感光性樹脂層には、上記成分以外に下記の他の成分を含有することができる。
感光性樹脂層は、特に熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
更に、感光性樹脂層には、公知の添加剤として、例えば可塑剤、界面活性剤、溶剤等を添加することもできる。
【0049】
上記感光性樹脂層は、仮支持体上に、上記感光性樹脂組成物と着色剤とを溶剤に溶解若しくは分散し調製された溶液若しくは分散液(感光性樹脂層用塗布液)を塗布した後、乾燥することにより形成することができる。上記感光性樹脂層の層厚としては、一般には0.5〜3μmが好ましく、通常は約2μmである。
【0050】
更に、熱可塑性樹脂層や中間層(酸素遮断層等)を設ける場合には、まず熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解してなる塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を仮支持体上に塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を形成し、続いて該熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いてなる塗布液(中間層用塗布液)を調製し、塗布乾燥して中間層を積層する。次いで、この中間層を溶解しない有機溶剤を用いてなる感光性樹脂層用塗布液を調製し、上記中間層上に更に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成する。上記感光性樹脂層の表面には、更にポリプロピレン等からなるフィルム状等の保護層を設けてもよい。上記保護層は、感光性転写材料が基板上にラミネートされる前の工程で剥離される。
【0051】
<熱可塑性樹脂層>
上記熱可塑性樹脂層は、転写時の気泡混入を防止する目的で設けられ、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂を主に含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、実質的な軟化点が80℃以下であるものが好ましい。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物等が挙げられる。該熱可塑性樹脂は、一種単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
【0052】
また、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
【0053】
更に、軟化点が80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的な軟化点を80℃以下に下げて使用することも可能である。
上記有機高分子物質中には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を加えることができる。
【0054】
上記可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等が好適に挙げられる。
【0055】
上記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂および必要に応じて他の成分を有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
【0056】
上記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6μm以上が好ましい。該層厚が6μm未満であると、1μm以上の下地の凹凸を完全に吸収することが困難となることがある。また、上限としては、現像性、製造適性の点から、約100μm以下が一般的であり、約50μm以下が好ましい。
【0057】
<中間層>
上記中間層として、酸素遮断層等を設けることが好ましい。
上記中間層は、パターン露光する際に感光性樹脂層中での光硬化反応を阻害する空気中からの酸素の拡散を防止する目的と、上記熱可塑性樹脂層を設けた場合に該層と上記感光性樹脂層とが互いに混ざり合わないようにする目的で設けられる。
【0058】
上記中間層としては、水またはアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。
上記中間層を構成する樹脂成分としては、公知のものの中から適宜選択でき、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、およびこれらを2種以上組合せたもの等が挙げられる。
【0059】
中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましい。更に、上記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が80%以上のものが好ましい。また、上記ポリビニルピロリドンの含有量としては、中間層の固形体積の1〜75%であることが好ましく、1〜60%であることがより好ましく、10〜50%であることが最も好ましい。
上記固形体積が、1%未満であると、感光性樹脂層との十分な密着性が得られないことがあり、75%を超えると、酸素遮断能が低下することがある。
【0060】
上記中間層は、その酸素遮断能が低下すると、感光性樹脂層の重合感度が低下して、露光時の光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずるばかりか、解像度も低下することになるため、酸素透過率の小さいことが好ましい。
【0061】
上記中間層は、樹脂成分等を水系溶媒に溶解、分散して塗布液(中間層用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。上記水系溶媒としては、蒸留水等の水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添加した溶媒が挙げられる。
【0062】
上記中間層の層厚としては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。上記層厚が、約0.1μm未満であると、酸素透過性が高すぎて中間層の重合感度が低下することがあり、約5μmを超えると、現像や中間層除去時に長時間を要することがある。
【0063】
<保護層>
感光性樹脂層の上には、感光性転写材料を貯蔵する際に感光性樹脂層を汚染や損傷から保護するための保護層を設けることが好ましい。保護層は仮支持体を構成する合成樹脂と同じかまたは類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離できるものであることが必要である。保護層としては、例えばシリコーン被覆紙、ポリオレフィンまたはポリテトラフルオロエチレンのシートまたはフィルムが適当である。保護層の厚みは約5〜100μmであるのが好ましい。保護層として特に好ましくは、10〜30μm厚のポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムである。本発明における感光性転写材料に於いて、保護層は無くてもよいが、感光性転写材料の取り扱い、輸送、貯蔵の際の安全のために設けることが好ましい。
【0064】
[基板]
本発明において、カラーフィルターが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
【0065】
また、本発明の構成は、特に上記基板が、TFTアレイ基板である場合に好適である。TFTアレイは、比較的小さな帯電量による放電によっても、放電破壊が生じる可能性があるため、帯電量を低く抑えることが極めて有効である。
【0066】
なお、TFTアレイ基板においては、各画素ごとにゲートおよびソース配線が施してあり、ゲート−ソース間で電気力線が閉じてしまうため、この間に発生する帯電荷を除電することが困難であった。TFTアレイ配線のうち、全てのゲートおよびソース配線をそれぞれのコモン配線に接続して、1つの回路に束ねた上で、ゲートおよびソース配線のコモン配線をさらに接続することで、全てのゲートおよびソース配線を一つに接続すると、TFTアレイ基板が帯電した場合でも、ゲート−ソース間に電力差は生じないので、この間にあるパシベーション膜での絶縁破壊を防止することができる。
【0067】
すなわち、TFTアレイ基板にカラーフィルターを形成する際には、上記のように、予め全てのゲートおよびソース配線を一つに接続しておくことが望ましい。また、この接続された配線については、さらにアースに落とすことで、上記積層体から仮支持体を剥離する際にTFTアレイ基板に発生する帯電量をより低く抑えることができる。なお、これら接続は、カラーフィルターの形成後は、対象部分を切断および/または除去することで、それぞれの配線として利用することができる。
【0068】
本発明に適用されるTFTアレイ基板としては、従来公知のTFTアレイの基板が挙げられるが、なかでも米国特許第5641974号明細書に記載された、HA方式の液晶ディスプレイを実現するため、TFTアレイ基板上にさらに絶縁性の透明樹脂の構造体が形成されたものや、米国特許第5994721号明細書に記載された、高開口率を実現するCOA方式の液晶ディスプレイに用いられるTFTアレイ基板に本発明を適用することが、特に有効である。
【0069】
[カラーフィルターの製造方法]
本発明のカラーフィルターの製造方法は、積層体形成工程、剥離工程、および露光・現像工程を含み、必要に応じて、積層体形成工程に先立って保護層剥離工程が施される。以下、各工程ごとに分けて本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。
【0070】
<積層体形成工程>
先ず、保護層が設けられている感光性転写材料を使用する場合は予め保護層剥離工程において保護層を取除き、感光性樹脂層を加熱下、必要により加圧を併用して、転写すべき基板の表面に、該基板の表面と上記感光性樹脂層とが接するように貼り合わせて密着させ、積層体を形成する。上記保護層剥離工程については後述する。上記貼り合わせには、従来公知のラミネート装置や、真空ラミネート装置を使用することができる。また、より生産性を高めるためにオートカットラミネータ装置を使用することも可能である。
【0071】
<剥離工程>
次に、上記積層体形成工程により得られた積層体から、仮支持体を剥離する。本発明においては、当該剥離工程において、上記積層体形成工程によって得られた積層体を冷却速度3〜50℃/sで30〜40℃の範囲内まで急冷し、該急冷した積層体を30〜40℃の範囲内で保持し、その後積層体から仮支持体を剥離することが重要である。以下、上記積層体形成工程によって得られた積層体を冷却速度3〜50℃/sで30〜40℃の範囲内まで急冷する工程を「急冷工程」、該急冷した積層体を30〜40℃の範囲内で保持する工程を「保持工程」という場合がある。
【0072】
(急冷工程)
上記急冷工程は、仮支持体の収縮を防止するため、積層体形成工程によって、感光性樹脂層と基板とが接するよう感光性転写材料と基板とが貼り合わされた積層体を冷却速度3〜50℃/sで30〜40℃の範囲内(以下「急冷温度」という場合がある。)にまで急冷する工程である。積層体の冷却は、熱可塑性樹脂層を仮支持体と十分に剥離できる程度にまで硬化させる目的でおこなわれるが、これに伴う仮支持体の収縮を十分に防止するためには、上記急冷温度を上記仮支持体に用いる樹脂のガラス転移温度以下に設定するのが好ましい。上記積層体形成工程を経た直後の積層体の温度(基板表面の温度)は通常80〜120℃程度である。急冷工程においては、冷却速度3〜50℃/sで積層体の温度を30〜40℃にまで急冷する。本発明において、急冷工程における積層体の冷却速度としては、5〜35℃/sが好ましい。また、急冷工程における総急冷時間は、基板冷却時間の短縮やタクトアップの観点から、3〜110秒であることが好ましく、5〜60秒であることがさらに好ましい。ここで、本発明における「積層体の温度」とは積層体の基板表面の温度を意味する。
【0073】
上記積層体の急冷方法としては、上記条件内で積層体を急冷できる手段であれば適宜選定して用いることができる。上記急冷方法の具体例としては、SUSやアルミ等の金属からなるプレート内に液体が内包されており、表面温度が一定に保たれている。また、当該急冷工程においてクーリングプレートは、一枚のみを用いて急冷してもよいが、二枚以上を併用するのが好ましい。例えば、該クーリングプレートを用いて100℃の積層体を35℃にまで冷却する場合、まず50℃に設定したクーリングプレート上に積層体を基板面がクーリングプレート表面と接するように1〜2秒程度(若しくは60℃程度になるまで)載置し、次いで35℃に設定したクーリングプレート上に2〜60秒程度載置して、積層体の温度を35℃程度にまで急冷することができる。
【0074】
(保持工程)
上記保持工程は、上記急冷工程によって急冷された積層体を、その基板表面温度が30〜40℃となるように一定時間(以下「保持時間」という場合がある。)保持する工程である。上記積層体を急冷し、そのまま仮支持体を積層体から剥離すると、仮支持体の収縮は防止できるものの、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面にまで移動する、熱可塑性樹脂層に含まれる界面活性剤等の添加剤量が不足するため、熱可塑性樹脂層剥離を生じてしまう。本発明においては保持工程によって、急冷後の積層体を基板表面温度が30〜40℃の範囲内で保持するため、十分な量の上記添加剤が仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面にまで移動し、上記添加剤量不足による熱可塑性樹脂層剥離を防止することができる。これにより、積層体の急冷に伴う弊害を防止し、基板冷却時間を短縮することができる。
【0075】
上記保持工程は、30〜40℃(以下「保持温度」という場合がある。)となるように保持する。上記保持温度としては、30〜35℃程度が好ましい。上記保持温度が、30℃未満であると上記添加剤が十分な量移動するために要する時間が増大し、基板冷却時間の短縮が図れず、さらに熱可塑性樹脂層剥離を十分に防止することができない。また、上記保持温度が40℃を超えると、熱可塑性樹脂層が軟化してしまい仮支持体と熱可塑性樹脂層とを剥離することができない。
【0076】
十分な量の上記添加剤の移動を確保するためには上記保持時間は30秒以上であることが好ましく、基板冷却時間の短縮という点で、具体的には30〜110秒がさらに好ましく、30〜60秒が特に好ましい。
保持工程において、積層体の基板表面温度が30〜40℃となるように一定時間保持する方法としては、該温度範囲内で積層体を保持できる手段であれば適宜選定して用いることができ、具体的には上述のクーリングプレートを用いる方法が挙げられる。例えば積層体の基板表面温度を35℃程度で保持する場合、上記急冷工程において使用した、35℃に設定したクーリングプレート上にそのまま積層体を一定時間載置しておけば、その間約35℃に積層体の表面温度を保持することができる。
【0077】
次に、仮支持体の剥離について説明する。まず、仮支持体表面に感光性樹脂層等が設けられた感光性転写材料を、基板の表面に、基板表面と感光性樹脂層とが接するように密着させて得られた積層体は、絶縁台の上に、基板側が絶縁台に接するように載置される。積層体は絶縁台以外のものに載置してもよい。しかし、、積層体を導電性の台の上に載置すると、積層体から導電性の台への電位の移動により、見かけ上の帯電は防止されるが、仮支持体剥離後の積層体を、導電性の台から取り出す際に帯電が生じ、TFTアレイ基板等に悪影響を及ぼす場合がある。このため剥離時に起きる帯電を防止する観点からは絶縁台を用いるのが好ましい。
【0078】
上記絶縁台の材質としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されず、あらゆる材質の物を使用することができる。また、それ自体導電性のものであっても、表面に絶縁性の被膜を設けることにより、絶縁台として使用することができる。それ自体絶縁性の絶縁台の材質、および、絶縁性の被膜の材質としては、従来公知のあらゆるプラスチック材料が挙げられ、その他、ガラス、ゴム、セラミックス、大理石、SiN膜等が挙げられ、絶縁台の体積抵抗としては、1×109Ω以上とすることが望ましく、1×1013Ω以上とすることがさらに望ましい。
【0079】
そして積層体の一辺から仮支持体を剥離する。該剥離手段としては、仮支持体の背面を吸盤等で捉えてめくるようにしてもよいし、剥離ロールに巻きつけるようにしてめくってもよい。
【0080】
なお、積層体には、ラミネート方向と平行な方向に応力がかかっているため、積層体から仮支持体を剥離する際、特に4面取り以上等の多面取りパターン基板においては、絶縁台の上に載置された基板のいずれの辺に対しても斜めまたはラミネート方向に対して垂直に剥離することが望ましい。仮支持体の剥離を、ラミネート方向と平行な方向でおこなうと、熱可塑性樹脂層が応力破断しやすく、熱可塑性樹脂層剥離を生じやすい。さらに、絶縁台の上に載置された基板のいずれの辺に対しても斜めに剥離すると、帯電荷の蓄積ピークが局所的にしか起こらないことから、剥離時の帯電荷を防止する観点から、基板の略対角線となるように剥離方向を設定することが、特に好ましい。
【0081】
本発明においては、熱可塑性樹脂層と仮支持体とのピール部(積層体から上記仮支持体を剥離している過程で、熱可塑樹脂層と仮支持体とが引き離される直前の点)乃至その周辺部に、除電器によりイオン風を当てながら仮支持体を剥離することで、剥離時におこる帯電を低減させ、帯電による不具合を解消することができる。尚、「イオン風」とは、正または負に帯電させたイオンを含むエアー(空気に限らず、種々の気体が挙げられる)の流れのことを指す。
【0082】
本発明に使用可能な除電器としては、イオン風を発生し得る除電器であることばよく、主として、コロナ放電タイプと軟X線タイプとが挙げられる。特に軟X線タイプのものが除電効果が大きく好ましい。
【0083】
かかる除電器の具体例としては、例えば、シムコジャパン(株)製のStatic Bar SIB、シシド静電気(株)製のACイオナイザ APZ II、(株)キーエンス製のマルチタイプ増設型除電器SJ−B、高砂熱学工業(株)製のスーパークリーンイオナイザ TSCI−SN(以上、コロナ放電タイプ)、高砂熱学工業(株)製のスーパークリーンイオナイザ IRISYS−SX(軟X線タイプ)等が挙げられる。
【0084】
<保護層剥離工程>
感光性転写材料として、上記感光性樹脂層のさらに上層に保護層が設けられているものを使用する場合には、上記積層体形成工程に先立ち、上記積層体から上記保護層を剥離する保護層剥離工程が含まれる。保護層剥離工程による保護層の剥離は、例えば特開平9−174797号公報の図2〜図4に記載の保護フィルム除去装置16の如き構成の剥離装置を用い、上記感光性樹脂層の上層に設けられた保護層を剥離ロールで巻き取るようにして行うことができる。
【0085】
なお、保護層を除去する際にも、上記感光性樹脂層と上記保護層とのピール部乃至その周辺部に、除電器によりイオン風を当てながら行うことが、帯電量の低減の観点から好ましい。このとき用いることが可能な除電器は、剥離工程の項で説明したものと同様である。
【0086】
<露光・現像工程>
上記剥離工程で仮支持体が剥離された積層体は、上記感光性樹脂層を露光(露光工程)、および現像(現像工程)される。そして、上記基板の表面にカラーフィルターが形成される。
露光工程において、基板表面の感光性樹脂層に所定のフォトマスクを介して光を照射する。これにより、感光性樹脂層の露光部分が硬化する。露光工程に使用する光源は、感光性樹脂層の感光性に応じて選択されるが、例えば超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザ等の公知の光源を使用することができる。特開平6−59119号公報に記載のように、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用してもよい。
【0087】
なお、二色目以降の感光性樹脂材料の転写時において、隣接する画素間の間隙に空気が残留するのを防止する目的で、フォトマスクとして画素パターン部分の矩形の開口部が面取りされたものを用いてもよい。面取りの位置および形状については、本出願人による特願平9−44644号明細書に記載されている。
【0088】
続いて、現像工程において、透明基板上の感光性樹脂層を現像処理する。これにより、感光性樹脂層の非露光部分(未硬化部分)が除去されて、多数の微小の着色画素からなる層を形成することができる。感光性樹脂層の現像液としてはアルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いてもよい。適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)および燐酸三ナトリウムを挙げることができる。アルカリ性物質の濃度は0.01〜30質量%であり、pHは8〜14が好ましい。
【0089】
遮光性の感光性黒色樹脂層以外の通常の感光性樹脂層の場合には、例えばpHの比較的低い現像液を用いることにより、膜状脱離による現像を好適に行うことができる。
【0090】
水と混和性のある適当な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタムおよびN−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が一般的である。現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01〜10質量%が好ましい。
【0091】
現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。感光性樹脂層の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去するには、現像液中で回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧した際の噴霧圧を利用する方法が好ましい。現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が好ましい。現像処理の後に水洗工程を加えてもよい。
【0092】
さらに、現像工程の後、着色画素層の硬化を充分にし、耐薬品性を高めるために加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理は、着色画素層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱するか、あるいは着色画素層に赤外線ランプを照射して加熱することにより行う。加熱の温度および時間は、感光性樹脂の組成や着色画素層の厚みにも依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性を獲得するには約120〜250℃の温度および約10〜300分間である。
【0093】
このようにして一色の着色画素層(着色画素パターン)を有するカラーフィルターが得られる。さらに、他色の感光性樹脂材料を用いて上述の工程を必要な色数だけ繰り返すことにより、多色のカラーフィルターを得ることができる。なお、カラーフィルターは一色のみ(全て同じ色)であってもよいし、あるいは二色以上から構成されていてもよい。また、たとえば赤、緑、青の三色の画素を配置する場合に、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、四画素配置型などどのような配置であってもよい。
【0094】
さらに、感光性黒色樹脂層を有する感光性黒色樹脂材料(ブラックマトリックス形成用シート)を用いて、上述と同様にしてこの感光性樹脂材料を加熱処理した後、カラーフィルターの着色画素層表面に転写し、次いでカラーフィルターを基板の下面(画素層を有しない面)側より露光(背面露光)し、現像し、加熱処理することにより、画素間の隙間を埋めるように黒色樹脂層を設けて、ブラックマトリックス(遮光性画像)を形成してもよい。これにより、ブラックマトリックス付きカラーフィルターが得られる。
【0095】
背面露光は、一般に紫外線(UV)の照射により行われるが、感光性黒色樹脂層の感光性に応じて光の種類は適宜選択される。また、形成される黒色樹脂層の厚みは0.5〜3μmが好ましい。遮光性画像部が突起を形成しないで、得られるカラーフィルターが良好な平坦性を示すためには、黒色樹脂層は、着色画素層と同じ厚みか、もしくはそれ以下であることが望ましい。
【0096】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0097】
<感光性転写材料の作製>
仮支持体として、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、該PETフィルムに下記処方H、Pからなる塗布液を塗布し、各PETフィルム上に熱可塑性樹脂層、酸素遮断膜をこの順に形成した。
【0098】
〔熱可塑性樹脂層処方H〕
・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 300質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体 80質量部
・フタル酸ジブチル 80質量部
前記調製に際し、メチルエチルケトンを適宜添加した。
【0099】
〔酸素遮断膜処方P〕
・ポリビニルアルコール 200質量部
前記調製に際し水を適宜添加した。
【0100】
その後、PETフィルムの酸素遮断膜上に、下記組成からなる、R(赤色)画素形成用の感光性樹脂層塗布液を塗布、乾燥して、感光性樹脂層を設け、該層表面を更に保護フィルムでカバーした。
以上のようにして、仮支持体上に、乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層、乾燥層厚1.6μmの酸素遮断膜、および乾燥層厚2.0μm感光性樹脂層および保護フィルムが積層された感光性転写材料(a)を得た。
【0101】
〔感光性樹脂層塗布液R〕
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 32質量部
・ペンタエリスリトールヘキサアクリレート 31質量部
・光重合開始剤 2.5質量部
(2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール)
・UV吸収剤 12質量部
(7−(2−(4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)−6−ジエチルアミノ)トリアジニルアミノ)−3−フェニルクマリン)
・フェノチアジン 0.1質量部
・PR254 9.6質量部
前記調製に際し、メチルエチルケトンを適宜添加した。
【0102】
[実施例1]
上記のようにして得られた感光性転写材料(a)から保護層を剥離して(保護層剥離工程)、露出させた感光性樹脂層面を、感光性樹脂層を転写すべき基板であるTFTアレイ基板の表面に、ラミネーター(大成ラミネータ(株)製、VP−II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)下に、加熱(130℃)して貼り合わせて積層体を形成した(積層体形成工程)。
【0103】
なお、用いたTFTアレイ基板は、日刊工業新聞社発行、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」の418〜419頁に記載されているアモルファスシリコン(a−Si)TFT(同書中の図6.36に記載の構成のもの)を用いた。
【0104】
次いで、この積層体を多段クーリングプレート(ヒューグル製)のプレート1(設定温度:50℃)上に1秒間載置し、次いでプレート2(設定温度:35℃)上に3秒間載置して、該積層体の基板表面温度が35℃になるまで急冷した(急冷工程:急冷速度20℃/s)。引き続き上記積層体を上記プレート2上で30秒間保持した後(保持工程)仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離することによって、積層体から仮支持体を除去した(剥離工程)。ただし、仮支持体を剥離する向きが、上記積層体の対角線方向となるようにした。このとき、熱可塑性樹脂層剥離の発生は認められなかった。
また、上記熱可塑性樹脂層と上記仮支持体とのピール部乃至その周辺部に、除電器によりイオン風を当てながら上記仮支持体を剥離したところ、剥離時に帯電による放電は確認されず、また、中間層表面への異物の付着も観察されなかった。なお、剥離工程の詳細な条件は、以下の通りである。
【0105】
次に所定のフォトマスクを介して露光し(光源:超高圧水銀灯、露光条件:100mj/cm2)、0.24mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で現像して不要部を除去し、TFTアレイ基板の表面にレジストパターンを形成した(露光・現像工程)。該レジストパターンは均一で良好であった。
【0106】
得られたカラーフィルター付きのTFTアレイについて、特開昭64−9375号公報に記載のように、各絵素容量にTFTアレイを通じて信号を書き込み、一定時間後にそれを読み出すことにより、TFTアレイとしての動作を確認したところ、その動作は良好であった。
【0107】
[比較例1]
実施例1において、上記積層形成工程から得られた積層体を、多段クーリングプレート(ヒューグル製)のプレート1(設定温度:50℃)上に1秒間載置し、次いでプレート2(設定温度:35℃)上に3秒間載置して急冷した(急冷工程:急冷速度20℃/s)。積層体の基板表面温度は35℃であった。その後仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離することによって、積層体から仮支持体を除去した(比較用剥離工程)以外は実施例1と同様にしてTFTアレイ基板の表面にカラーフィルターを形成した。尚、仮支持体を剥離する際、剥離する向きをラミネート方向と同一の方向になるようにした。
保持工程を含まなかった比較例1においては、仮支持体剥離時に熱可塑性樹脂層剥離の発生が認められ、パターン露光時に熱可塑性樹脂剥離部で露光ムラがおこり、形成されたレジストパターンが均一でなかった。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、感光性転写材料(感光性樹脂シート)を用いた転写法によるカラーフィルターの製造において、基板の表面に感光性樹脂材料を密着させて得られる積層体から、上記感光性樹脂材料の仮支持体(支持体シート)を剥離する際に熱可塑性樹脂層剥離の発生を防止し、基板冷却時間の短縮が可能なカラーフィルターの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における感光性転写材料の構成を示す概略的断面図である。
【図2】 本発明における積層体の構成を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
1 感光性転写材料
2 仮支持体
3 熱可塑性樹脂層
4 中間層
5 感光性樹脂層
6 積層体
7 透明基板

Claims (3)

  1. 仮支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とがこの順に設けられた感光性転写材料を、基板の表面に、該基板の表面と前記感光性樹脂層とが接するように密着させ積層体を得る積層体形成工程と、前記積層体から前記仮支持体を剥離する剥離工程と、前記感光性樹脂層を露光および現像することによって、前記基板の表面にカラーフィルターを形成する露光・現像工程と、を含むカラーフィルターの製造方法であって、
    前記剥離工程は、前記積層体形成工程によって得られた前記積層体を冷却速度3〜50℃/sで30〜40℃の範囲内まで急冷し、該急冷した前記積層体を30〜40℃の範囲内で保持し、その後前記積層体から前記仮支持体を剥離することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 前記剥離工程は、急冷した前記積層体を30〜40℃の範囲内で30秒以上保持することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 前記剥離工程において前記積層体から前記仮支持体を剥離する方向は、前記積層体の略対角線方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルターの製造方法。
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