JP3908550B2 - 感光性転写材料及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタの製作に使用可能な感光性転写材料及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層(クッション層)、中間層及び感光性樹脂層を有してなる。これを用いて永久支持体上に画像形成するには、感光性転写材料と永久支持体とをラミネートし、仮支持体のみを剥離した後、露光、現像することにより永久支持体上に画像(例えば、カラーフィルタの画素)を形成する。
現状の感光性転写材料によるカラーフィルタの作製における現像においては、熱可塑性樹脂層の現像、感光性樹脂層の現像、残さ取りのための現像と3段階にわたってそれぞれ専用の現像液、現像機を用いて処理し、熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層を均一に現像除去している。この3段階にわたる現像方法によれば、むらなく現像を行うことが可能であるが、複数の現像液や現像機が必要であり工程も煩雑となる。
【0003】
そこで、感光性転写材料をKOH現像システムにみられるようなシャワー方式(噴霧方式)に用いた現像が行われているが、この方式によると現像むらを生じる場合がある。即ち、シャワー方式においては、熱可塑性樹脂層が現像液シャワーの当たりむらにより不均一に溶解するため、場所によってその下の感光性樹脂層が現像液に曝される時間に差が生じ、感光性樹脂層の線幅差が発生する。特に、シャワー部(噴霧部)が揺動する場合には、揺動方向の切替え時の一次停止時に、現像液が同じ場所に長時間あたるため、熱可塑性樹脂層の現像が進行しやすく、この部分の感光性樹脂層は他の部分に比べて過現像になり、線幅が細くなりやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂層の現像液溶解性を向上させて熱可塑性樹脂層の現像時間の短縮化を図ることにより、現像むらを抑制することのできる感光性転写材料及びこれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 仮支持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性ポリマーを含有する軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂層と、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解する中間層と、感光性樹脂層と、を仮支持体側から順次有する感光性転写材料であって、前記熱可塑性樹脂層に含有されるすべてのアルカリ可溶な熱可塑性ポリマーの酸価が200以上であって、かつ重量平均分子量が20000以下であることを特徴とする感光性転写材料である。
【0007】
<2> <1>に記載の感光性転写材料の感光性樹脂層の表面と永久支持体の表面とを少なくとも加熱しながら密着させて貼り合わせるラミネート工程と、前記感光性転写材料の仮支持体を剥離する剥離工程と、前記永久支持体上の感光性樹脂層を露光する露光工程と、現像液で現像し、前記永久支持体上に画像を形成する現像工程と、を有することを特徴とする画像形成方法である。
<3> 現像液を噴霧して現像を行う<2>に記載の画像形成方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性ポリマーを含有する軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂層と、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解する中間層と、感光性樹脂層と、を仮支持体側から順次有し、前記熱可塑性樹脂層に含有されるすべてのアルカリ可溶な熱可塑性ポリマーの酸価が200以上であって、かつ重量平均分子量が20000以下であることを特徴とする。
【0009】
熱可塑性樹脂層に含有されるすべてのアルカリ可溶な熱可塑性ポリマーの酸価が200以上であって、かつ重量平均分子量が20000以下であることにより、熱可塑性樹脂層の現像時間が短縮されて感光性樹脂層の現像むらを抑制することができる。
具体的には、熱可塑性樹脂層の現像時間が、感光性樹脂層の現像時間の1/2以下であることが好ましく、2/5以下であることがより好ましい。
なお、本発明の感光性転写材料及びこれを用いた画像形成方法は、液晶表示体等に使用するカラーフィルターの作製や、プリント配線永久支持体の作製に好適に用いられる。
【0010】
以下、本発明の感光性転写材料について詳しく説明する。
[感光性転写材料]
本発明の感光性転写材料は、上記のように、仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層と感光性樹脂層とを仮支持体側から順次有するが、その他の層を有していてもよく、例えば、感光性樹脂層の上に保存時に該感光性樹脂層を保護する目的で保護層が形成されていてもよい。
【0011】
〈仮支持体〉
上記仮支持体としては、可撓性であって、感光性樹脂層等と良好な剥離性を有し、化学的及び熱的に安定である物質で構成されることが好ましい。具体的には、テフロン(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルム若しくはこれらの積層物が好ましい。仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、特に20〜150μmが好ましい。仮支持体の厚みが上記範囲にあることにより、有効に感光性転写材料と永久支持体とのラミネートの際のシワの発生を防止することができる。
【0012】
また、本発明の効果をさらに向上させるためには、前記仮支持体の表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下であることが好ましく、1012Ω/cm2以下であることがより好ましい。表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下である仮支持体としては、導電性を有する材料を含有する合成樹脂から形成された仮支持体、表面近傍の部分のみに導電性を有する材料が含有されている仮支持体、1013Ω/cm2より大きい表面電気抵抗値を有する仮支持体本体の少なくとも一方の面に導電性を有する層(導電性層)が積層されている仮支持体、これらの構成が組み合わせられた仮支持体等の何れの態様のものであってもよい。前記表面電気抵抗値が1013Ω/cm2以下である仮支持体の具体的態様ならびに好ましい態様については、特願2000−369103号の記載を参照できる。
【0013】
さらに、剥離性の観点から仮支持体に対し種々の公知の離型処理を行ってもよい。また、滑り性を良化するため、又は感光性樹脂層の仮支持体裏面との不都合な接着を防止するため、仮支持体の裏面に公知の微粒子含有滑り性組成物や、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することも有用である。
【0014】
〈熱可塑性樹脂層〉
熱可塑性樹脂層は、凹凸段差を吸収し転写時の気泡混入を防止する目的で設けられる。この熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性の熱可塑性ポリマーを主に含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよく、軟化点が80℃以下である。
【0015】
上記熱可塑性ポリマーは、その酸価(mgKOH/g)が200以上であり、好ましくは210以上であり、より好ましくは220以上である。酸価が上記範囲にあることにより、熱可塑性樹脂層の現像時間を短縮することができる。また、酸価の上限はとくに制限はないが、高すぎると熱可塑性樹脂層が硬くなりすぎるので、300以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましい。
【0016】
また、上記熱可塑性ポリマーは、その重量平均分子量が20000以下であり、好ましくは15000以下である。重量平均分子量が上記範囲にあることにより熱可塑性樹脂層の現像時間を短縮することができ、上記酸価の範囲との組み合わせによってより一層その効果を発揮できる。なお、重量平均分子量の下限としては特に制限はないが、分子量低下に伴う膜の脆弱化を考慮して、例えば、8000以上であることが好ましい。
【0017】
なお、酸価が200以上かつ重量平均分子量が20000以下の熱可塑性ポリマーの熱可塑性樹脂層中の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定することができ、例えば、熱可塑性樹脂層の全固形分に対して、50質量%以上含有されていることが好ましく、70質量%以上含有されていることがより好ましい。
【0018】
上記熱可塑性ポリマーとしては、熱可塑性樹脂層の軟化点が80℃以下となるように、実質的な軟化点が80℃以下であるものが好ましい。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性ポリマーとしては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物等が挙げられる。
【0019】
また、カルボン酸含有モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体も用いることができる。
カルボン酸含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0020】
共重合体としては、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルモノマーとの2元重合体でも、多元重合体でもよく、メタクリル酸に対してメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートを1種以上共重合させたものが好ましく、メタクリル酸/メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体が特に好ましい。
【0021】
また、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
【0022】
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、軟化点を80℃以下に下げて使用することも可能である。
上記有機高分子物質中には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を加えることができる。
【0023】
上記可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等が好適に挙げられる。
【0024】
上記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂及び必要に応じて他の成分を有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。上記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
【0025】
上記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6μm以上が好ましい。該層厚が6μm以上であることにより、効果的に永久支持体の凹凸、及び先行して作製したパターンの凹凸を吸収することができる。また、上限としては、現像性、製造適性の点から、100μm以下が一般的であり、50μm以下が好ましい。なお、ほぼ平滑な永久支持体上への単色の画像又は一色目の画像を形成する感光性転写材料の熱可塑性樹脂層の層厚は、0〜5μmであってもよい。これにより、熱可塑性樹脂層の現像時間をより短縮可能となる。
【0026】
〈中間層〉
中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解する層であって、低い酸素透過性を示すものが好ましい。
前記中間層は、パターン露光する際に感光性樹脂層中での光硬化反応を阻害する空気中からの酸素の拡散を防止する目的(酸素遮断能が低下すると、感光性樹脂層の重合感度が低下して露光時の光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずるばかりか、解像度も低下することになる)と、前記熱可塑性樹脂層を設けた場合に熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とが互いに混ざり合わないようにする目的で設けられる。
【0027】
中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。
中間層を構成する樹脂成分としては、公知のものの中から適宜選択でき、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらを2種以上組合せたもの等が挙げられる。
【0028】
中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましい。更に、上記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が80%以上のものが好ましい。また、上記ポリビニルピロリドンの含有量としては、中間層の固形体積の1〜75%であることが好ましく、1〜60%であることがより好ましく、10〜50%であることが最も好ましい。
ポリビニルピロリドンの固形体積が上記範囲にあることにより、感光性樹脂層との十分な密着性が得られ、かつ有効に酸素遮断能を発揮する。
【0029】
中間層は、樹脂成分等を水系溶媒に溶解、分散して塗布液(中間層用塗布液)を調製し、公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。上記水系溶媒としては、蒸留水等の水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添加した溶媒が挙げられる。
【0030】
中間層の層厚としては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。中間層の層厚が上記範囲にあることにより、酸素の透過を抑制して感光性樹脂層の重合感度を高めることができるとともに、現像時間(中間層除去時間)が長期化することを防止することができる。
【0031】
〈感光性樹脂層〉
上記感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物と必要に応じて着色剤とを含んでなる塗布液(感光性樹脂層用塗布液)を公知の塗布方法により仮支持体上に塗布して形成される。
上記感光性樹脂層は、熱又は圧力によって軟化若しくは流動化する樹脂層であることが好ましい。具体的には、少なくとも150℃以下の温度で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性を示す転写適性を持つことが好ましく、光が照射されると硬化する一方、未照射部はアルカリ溶液に対して易溶性でレジスト性を備えることが好ましい。公知の光重合性組成物からなる層の大部分はこの性質を有する。また、これらの層は、熱可塑性樹脂の添加や、相溶性のある可塑剤の添加により更に改質が可能である。
【0032】
上記感光性樹脂組成物としては、例えば特開平3−282404号公報に記載のものを全て使用することができ、例えば、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物が挙げられる。
中でも、アルカリ可溶性バインダーポリマー、光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤を含んでなる感光性樹脂組成物が好ましい。
【0033】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載の、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体が挙げられる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。
【0034】
上記のほかに、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好適である。特に、米国特許第4139391号明細書に記載の、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。
【0035】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーを用いる場合、上記の中から、酸価が50〜300(mgKOH/g)であり、重量平均分子量が1000〜300000の範囲のものを選択して使用することが好ましい。
【0036】
上記アルカリ可溶性バインダーポリマーの他、種々の性能、例えば硬化膜の強度を改良する目的で、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶性のポリマーを添加することができる。そのようなポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロン又はエポキシ樹脂が挙げられる。
【0037】
感光性樹脂組成物の全固形分に対する、アルカリ可溶性のポリマーと必要に応じて添加するアルカリ不溶性のポリマーの総含有量としては、10〜95質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましい。上記含有量が、10質量%以上であることにより、感光性樹脂層の粘着性が過剰になることがなく、95質量%以下であることにより、形成される画像の強度及び光感度を保持できる。
【0038】
上記光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;
【0039】
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
【0040】
更に、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートも挙げられる。
上記の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0041】
光の照射によって付加重合するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する該モノマーの含有量としては、5〜50質量%が一般的であり、特に10〜40質量%が好ましい。前記含有量が、5質量%以上であることにより、光感度や画像の強度の低下を抑制することができ、50質量%以下であることにより、感光性樹脂層の粘着性が過剰になることがない。
【0042】
上記光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に記載のビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載の、α−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載の、トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンとの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。
【0043】
中でも特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
感光性樹脂組成物の全固形分に対する上記光重合開始剤の含有量としては、0.5〜20質量%が一般的であり、特に1〜15質量%が好ましい。上記含有量が0.5質量%以上であることにより光感度や画像の強度が低下を抑制することができ、また20質量%以下で十分にその性能を発揮する。
【0044】
例えば、カラーフィルタを作製する場合、前記着色剤(着色材料)としては、カラーフィルタを構成する色である赤色、緑色及び青色の顔料が一般に使用される。その好ましい例としては、カーミン6B(C.I.12490)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)等が挙げられる。
【0045】
感光性樹脂層中における着色剤の具体的な含有量としては、目標とする色度等により異なるが、感光性樹脂層の固形分の2〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましい。
【0046】
感光性樹脂層には、上記成分以外に以下の他の成分を含有することができる。感光性樹脂層は、特に熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
更に、感光性樹脂層には、公知の添加剤として、例えば可塑剤、界面活性剤、溶剤等を添加することもできる。
【0047】
上記感光性樹脂層は、仮支持体上に、上記感光性樹脂組成物と必要に応じて着色剤とを溶剤に溶解若しくは分散し調製された溶液若しくは分散液(感光性樹脂層用塗布液)を塗布した後、乾燥することにより形成することができる。上記感光性樹脂層の層厚としては、一般には0.5〜3μmが好ましく、通常は約2μmである。
【0048】
更に、熱可塑性樹脂層や中間層を設ける場合には、まず熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解してなる塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を仮支持体上に塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を形成し、続いて該熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いてなる塗布液(中間層用塗布液)を調製し、塗布乾燥して中間層を積層する。次いで、この中間層を溶解しない有機溶剤を用いてなる感光性樹脂層用塗布液を調製し、前記中間層上に更に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成する。上記感光性樹脂層の表面には、更に後述する保護層を設けてもよい。上記保護層は、感光性転写材料が永久支持体上にラミネートされる前の工程で剥離される。
【0049】
〈保護層〉
感光性樹脂層の上には、感光性転写材料を保存する際に感光性樹脂層を汚染や損傷から保護するための保護層を設けることが好ましい。保護層は仮支持体を構成する合成樹脂と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離できるものであることが必要である。保護層としては、例えばシリコーン被覆紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンのシート又はフィルムが適当である。保護層の厚みは約5〜100μmであるのが好ましい。保護層として特に好ましくは、10〜30μm厚のポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムである。本発明における感光性転写材料に於いて、保護層は無くてもよいが、感光性転写材料の取り扱い、輸送、貯蔵の際の安全のために設けることが好ましい。
【0050】
[永久支持体]
本発明の感光性転写材料を用いてカラーフィルタを作製する場合、カラーフィルタが形成される永久支持体としては、例えば、透明永久支持体が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
【0051】
−画像形成方法−
本発明の画像形成方法は、上記感光性転写材料の感光性樹脂層の表面と永久支持体の表面とを少なくとも加熱しながら密着させて貼り合わせるラミネート工程と、前記感光性転写材料の仮支持体を剥離する剥離工程と、前記永久支持体上の感光性樹脂層を露光する露光工程と、現像液で現像し、前記永久支持体上に画像を形成する現像工程と、を有する。また、感光性転写材料が保護層を有する場合には、ラミネート工程に先立って保護層剥離処理が施される(保護層剥離工程)。
以下、各工程ごとに分けて本発明の画像形成方法の一例について説明する。
【0052】
<保護層剥離工程>
感光性転写材料として、感光性樹脂層のさらに上層に保護層が設けられているものを使用する場合には、ラミネート工程に先立ち、感光性転写材料から保護層を剥離する保護層剥離処理を施す(保護層剥離工程)。保護層剥離工程による保護層の剥離は、例えば特開平9−174797号公報の図2〜図4に記載の保護フィルム除去装置16の如き構成の剥離装置を用い、前記感光性樹脂層の上層に設けられた保護層を剥離ロールで巻き取るようにして行うことができる。
【0053】
<ラミネート工程>
保護層を取除いた後、加熱及び必要により加圧を併用して、感光性転写材料の感光性樹脂層の表面を転写すべき永久支持体の表面に密着させて貼り合わせる。
【0054】
ラミネートにあたっては、従来公知のラミネート装置や、真空ラミネート装置を使用することができる。また、より生産性を高めるためにオートカットラミネータ装置を使用することも可能である。いずれの装置を使用する場合も、ラミローラーの温度は125℃〜150℃が好ましく、130℃〜150℃がより好ましい。
また、ラミネートにあたっては、ラミローラーの圧力は7kg・cm2〜20kg・cm2が好ましい。ラミローラーの圧力を7kg・cm2〜20kg・cm2とすることにより、感熱性樹脂層の端部へのシミだしを防止できる。
【0055】
<剥離工程>
剥離工程においては、前記ラミネート工程において永久支持体上に貼り合わせられた感光性転写材料の仮支持体を剥離する。剥離手段としては、仮支持体の背面(感光性樹脂層が設けられた側と反対側の面)をマジックバンドや吸盤等で捉えてめくるようにしてもよいし、剥離ロールに巻きつけるようにしてめくるようにしてもよい。
【0056】
このとき、前記仮支持体の剥離による帯電を低く抑えることが好ましく、例えば、その永久支持体が接するように絶縁台の上に載置したり、感光性樹脂層と仮支持体とが剥がされる剥離部位(ピール部)ないしその周辺部に除電器等によりイオン風を当てる等しながら剥離することが好ましい。前記イオン風を当てる等しながら剥離する具体的態様については特願2000−369103号の記載を参照できる。
【0057】
前記マジックバンドや吸盤等で捉えてめくる場合は、熱可塑性樹脂層層の剥離防止のため局所的に力がかからないように留意する必要がある。また前記剥離ロールに巻きつけるようにしてめくる場合は、同じく剥離速度に留意する必要がある。本発明においては熱可塑性樹脂層の剥離防止のために、マジックバンドや吸盤による方法が好ましい。
【0058】
<露光工程>
前記剥離工程で仮支持体が剥離された感光性転写材料の感光性樹脂層を、熱可塑性樹脂層及び中間層を介して露光する。
露光工程において、永久支持体上の感光性樹脂層に所定のフォトマスクを介して光を照射する。これにより、感光性樹脂層の露光部分が硬化する。
露光に使用する光源は、感光性樹脂層の感光性に応じて選択されるが、例えば超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザ等の公知の光源を使用することができる。特開平6−59119号公報に記載のように、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用してもよい。
【0059】
<現像工程>
続いて、現像工程において、透明永久支持体上の感光性樹脂層を現像処理する。これにより、感光性樹脂層の非露光部分(未硬化部分)が除去されて画像を形成することができる。
現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いてもよい。適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)及び燐酸三ナトリウムを挙げることができる。アルカリ性物質の濃度は0.01〜30質量%であることが好ましく、pHは8〜14であることが好ましい。
【0060】
遮光性の感光性黒色樹脂層以外の通常の感光性樹脂層の場合には、例えばpHの比較的低い現像液を用いることにより、膜状脱離による現像を好適に行うことができる。
【0061】
水と混和性のある適当な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム及びN−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が一般的である。現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01〜10質量%であることが好ましい。
【0062】
現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去するには、現像液中で回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧する方法が好ましい。
【0063】
現像液を噴霧する方法により現像する場合においても、本発明の感光性転写材料を用いれば、熱可塑性樹脂層の現像を短時間で行うことができるので、現像液の噴霧むらによって生じる現像むらが減少し、現像むらのない画像を形成することが可能となる。即ち、同一の現像液を噴霧することによって簡便に現像むらのない画像を形成することが可能となる。
【0064】
現像液を噴霧して現像する方法としては、揺動可能な若しくは不動のシャワー部が複数設けられた現像機にて現像を行う。噴射圧力としては0.05〜0.5MPaであることが好ましい。また、現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が好ましい。
この現像処理の後には、水洗処理を行うことが好ましい。
【0065】
さらに、感光性樹脂層の硬化を充分にし、耐薬品性を高めるために加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理は、画像が形成された永久支持体を電気炉、乾燥器等の中で加熱するか、あるいは画像に赤外線ランプを照射して加熱することにより行う。加熱の温度及び時間は、感光性樹脂の組成や画像(感光性樹脂層)の厚みにも依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性を獲得するには約120℃〜250℃の温度及び約10〜300分間である。
【0066】
以上のように画像を形成した後、さらに、他色の感光性転写材料を用いて上述の工程を必要な色数だけ繰り返すことにより、多色の画像(例えば、カラーフィルタの画素)を得ることができる。
なお、カラーフィルタの作製においては、カラーフィルタは一色のみ(全て同じ色)であってもよいし、あるいは二色以上から構成されていてもよい。また、たとえば赤、緑、青の三色の画素を配置する場合に、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、四画素配置型などどのような配置であってもよい。
更に、ブラックマトリックスの作製においても本発明を適用することができる。この場合、画像(画素)形成面側からパターン露光することもでき、画像形成面の反対面から(透明基板を通して)全面露光することも可能である。
【0067】
【実施例】
<実施例1>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に下記の処方からなる塗布液を乾燥膜厚15μmなるように、塗布、乾燥させ、熱可塑性樹脂層を設けた。
【0068】
【0069】
次に、上記熱可塑性樹脂層上に下記処方B1から成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
【0070】
上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する仮支持体の上に、下記処方からなる塗布液を乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布、乾燥させ、(黒色)感光性樹脂層を形成した。
【0071】
【0072】
さらに、上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)の被覆シー卜(保護層)を圧着し、黒色感光性転写材料を作成した。
【0073】
<最短現像時間の測定>
感光性転写材料の被覆シートを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネー夕(株)製VP−II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。
このサンプルをKOH現像液(富士フイルムアーチ(株)製、CD−K1をイオン交換水にて100倍に希釈)を用いて、現像液シャワー部が揺動可能な小型現像機にて現像シャワー部を揺動させながら現像処理をした。現像時間を変化させながら、表面状態を観察して、熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層が除去される現像時間をそれぞれ求め、これを各層の最短現像時間とした。なお、現像温度は30℃、現像ノズルはフラット型で圧力0.1MPaで現像し、直後に水洗処理を施した。
【0074】
<現像ムラの評価>
感光性転写材料の被覆シートを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネー夕(株)製VP−II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。次に、所定のフォトマスクを介して露光した。
このサンプルをKOH現像液(富士フイルムアーチ(株)製、CD−K1をイオン交換水にて100倍に希釈)を用いて、現像液シャワー部が揺動可能な小型現像機にて現像シャワー部を揺動させながら現像処理をした。現像時間は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層の最短現像時間の合計の時間、及びさらに+10秒、+20秒追加した現像時間とした。それぞれの現像処理後のサンプルの現像ムラを目視により官能評価した。なお、現像温度は30℃、現像ノズルはフラット型で圧力0.1MPaで現像し、直後に水洗処理を施した。
【0075】
<実施例2>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=41.8/11.7/4.5/42、重量平均分子量=10000)
【0076】
<実施例3>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=44.8/11.7/4.5/39、重量平均分子量=20000)
【0077】
<比較例1>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=90000)
【0078】
<比較例2>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/37、重量平均分子量=90000)
【0079】
<比較例3>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=20000)
【0080】
<比較例4>
熱可塑性樹脂層の樹脂を下記に変更する以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。これを用いて実施例1と同様の方法で画像形成を行い、同様の評価を行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=44.8/11.7/4.5/39、重量平均分子量=30000)
【0081】
以上の結果を以下に示す。
【表1】
【0082】
表1に示すように、本発明によれば熱可塑性樹脂層の現像時間を短縮でき、熱可塑性樹脂層の現像時間を短くすることにより、むらのない現像を行うことができることが判明した。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂層の現像液溶解性を向上させて熱可塑性樹脂層の現像時間の短縮化を図ることにより、現像むらを抑制することのできる感光性転写材料及びこれを用いた画像形成方法を提供できる。
Claims (3)
- 仮支持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性ポリマーを含有する軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂層と、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解する中間層と、感光性樹脂層と、を仮支持体側から順次有する感光性転写材料であって、
前記熱可塑性樹脂層に含有されるすべてのアルカリ可溶な熱可塑性ポリマーの酸価が200以上であって、かつ重量平均分子量が20000以下であることを特徴とする感光性転写材料。 - 請求項1に記載の感光性転写材料の感光性樹脂層の表面と永久支持体の表面とを少なくとも加熱しながら密着させて貼り合わせるラミネート工程と、
前記感光性転写材料の仮支持体を剥離する剥離工程と、
前記永久支持体上の感光性樹脂層を露光する露光工程と、
現像液で現像し、前記永久支持体上に画像を形成する現像工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。 - 現像液を噴霧して現像を行う請求項2に記載の画像形成方法。
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