JP2003330198A - 感光性転写材料およびカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

感光性転写材料およびカラーフィルターの製造方法

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JP2003330198A
JP2003330198A JP2002134071A JP2002134071A JP2003330198A JP 2003330198 A JP2003330198 A JP 2003330198A JP 2002134071 A JP2002134071 A JP 2002134071A JP 2002134071 A JP2002134071 A JP 2002134071A JP 2003330198 A JP2003330198 A JP 2003330198A
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resin layer
photosensitive
thermoplastic resin
layer
treatment
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JP2002134071A
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English (en)
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Hidenori Goto
英範 後藤
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂層と中間層の密着が良好で、か
つ仮支持体と感光性記録層と剥離する際に確実に剥離を
行なうことができ、解像度を向上させることができる感
光性転写材料、及び該感光性転写材料を用いたカラーフ
ィルターの製造方法の提供。 【解決手段】 仮支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂
層、中間層及び感光性記録層をこの順に有してなる感光
性転写材料において、前記熱可塑性樹脂層が少なくとも
コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、UV処理のい
ずれかにより表面活性化処理されていることを特徴とす
る感光性転写材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性転写材料、
及びそれを用いたカラーフィルターに関し,特に本発明
に成る感光性転写材料及びカラーフィルターは、液晶表
示体等に使用するカラーフィルターに好適に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】基板に、感光性樹脂層を転写するための
感光性多層シート(感光性転写材料)は、プリント配
線、凹版凸版印刷、ネームプレート、多色試し刷り印刷
見本、オフセット印刷版、カラーフィルターの作製等に
用いられる。感光性多層シートは通常、支持体、中間層
(分離層)あるいは中間層と熱可塑性樹脂層及び感光性
樹脂層からなり、基板上に画像を形成する場合、別に用
意した基板と、感光性多層シートの感光性樹脂層を重ね
合わせ、その後仮支持体のみを剥離し、中間層を通して
感光性樹脂層を画像様に露光、現像することにより行な
われる。上記中間層は、酸素を遮断する機能を有する層
で、感光性樹脂層の露光による重合を、空気中であって
も酸素の重合阻害を受けず、進めることができる。中間
層は、膜厚も薄いので(0.5〜5μm程度)、解像力
に悪影響を与えない。また、上記熱可塑性樹脂層によ
り、下地の凹凸(即ち、既に形成されている画素による
凹凸)を吸収することができる。これらの層は、アルカ
リ可溶性なので、現像時に除去することができる。
【0003】例えば、カラー液晶ディスプレー等に用い
られるカラーフィルターは、一般に、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の各画素と、その間隙に表示コント
ラスト向上等の目的でブラックマトリックス(K)が形
成された基本構成を有する。カラーフィルターのこれら
のR、G、B、各画素及びKは、上記転写材料を用い
て、カラーフィルター用基板表面に感光性樹脂層を転写
して、画像(画素)を形成する。
【0004】その具体的方法として、例えば、特公平9
−2694400号公報では、転写法でカラーフィルタ
ーを作製する方法が提案されている。しかしながら、前
記公報に記載の方法は、転写フィルムをラミネートした
あと、仮支持体と熱可塑性樹脂層間で剥離させるため、
仮支持体として下塗りのない未処理ポリエステルフィル
ムを使用し、その上に熱可塑性樹脂層を塗布乾燥し、次
に中間層液を塗布乾燥し、さらに感光層を塗布乾燥し
て、転写フィルムを製造している。
【0005】前記未処理ポリエステルフィルムの仮支持
体上に、前記熱可塑性樹脂層の安定な塗布を行うため、
前記熱可塑性樹脂の調製には多量のフッ素系界面活性剤
を使用しており、このため熱可塑性樹脂層と中間層との
密着を低下させ、熱可塑性樹脂層と中間層の間で剥がれ
る等の製造上の故障を来していた。また、これを改善す
る目的で、熱可塑性樹脂層が塗布される支持体面の全て
の領域をコロナ放電処理する方法が知られている。しか
しながら、この方法では転写後、仮支持体と熱可塑性樹
脂層の間が均一に剥がれないため、熱可塑性樹脂層に剥
離跡が残り、この層を介して、露光すると解像度が低下
するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の技術上の問題点を解消し、転写材料を被転写材に
転写した後、仮支持体を剥がす際に所定の界面で均一に
剥がすことができ、解像度を向上させることができる感
光性転写材料と、該感光性転写材料を用いる解像度の高
いカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の発明
によって解決される。 <1> 仮支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂層、中
間層及び感光性記録層をこの順に有してなる感光性転写
材料において、前記熱可塑性樹脂層が少なくともコロナ
放電処理、プラズマ処理、火炎処理、UV処理のいずれか
による表面活性化処理がされていることを特徴とする感
光性転写材料である。
【0008】<2> 前記熱可塑性樹脂層が、アルカリ
溶解性である前記<1>に記載の転写材料である。
【0009】<3> 前記<1>又は<2>のいずれか
に記載の感光性転写材料を用いるカラーフィルターの製
造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】−感光性転写材料− 本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂
層、中間層、及び感光性記録層を有してなり、前記熱可
塑性樹脂層がコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処
理、UV処理のいずれかにより表面活性化処理されている
ことを特徴とし、好ましくは前記熱可塑性樹脂層がアル
カリ溶解性である感光性転写材料である。以下本発明に
ついて説明する。
【0011】<熱可塑性樹脂層>前記熱可塑性樹脂層
は、下地の凹凸(即ち、既に形成されている画素による
凹凸)を吸収することができるように、クッション性を
有し、アルカリ現像液で除去できるように、アルカリ可
溶性であることが好ましい。熱可塑性樹脂層に含まれる
樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体
のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共
重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル
酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル
酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニ
ル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン
化物から少なくとも1つを選んで使用することが好まし
い。さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラスチッ
ク工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、
工業調査会発行、1968年10月25日発行)による
有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用す
ることができ、またこれらの熱可塑性樹脂は軟化点が8
0℃以下のものが好ましい。
【0012】熱可塑性樹脂層の厚みは6〜100μmが
好ましく、6〜50μmがより好ましい。熱可塑性樹脂
層の厚みが6〜100μmの範囲では、下地の凹凸を完
全に吸収することができ、現像性、製造適性の面からも
問題がない。
【0013】前記有機高分子物質中には、仮支持体との
接着力を調節するために、可塑剤、各種ポリマー、界面
活性剤、離型剤等を加えることが可能である。これによ
り熱可塑性樹脂のTgの調整も可能である。
【0014】好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオク
チルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エ
ポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートと
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの
付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生
成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物等を挙げるこ
とができる。熱可塑性樹脂層層中の、可塑剤の量は熱可
塑性樹脂に対して200質量%以下が一般的で、20〜
100質量%の範囲が好ましい。
【0015】前記各種ポリマーとしては、前記「プラス
チック性能便覧」に掲載されているもので、質量平均分
子量8000以下のポリエステルオリゴマー、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、およびそれらの共重合体を
挙げることができる。また前記界面活性剤としては、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン系、ポリ
エチレン誘導体等のノニオン系、およびベタイン系等の
両性界面活性剤を挙げることができる。前記離型剤とし
ては、金属石鹸、シリコーンポリマー、フッ素ポリマー
を挙げることができる。
【0016】熱可塑性樹脂のTgは、前記可塑材を添加
することにより調整することができる。
【0017】<表面活性処理>本発明は熱可塑性樹脂層
がコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、及びUV処
理のいずれかの処理により表面活性化されていることを
特徴とする。前記コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎
処理、及びUV処理のいずれかは、熱可塑性樹脂の材質等
に応じて適宜選定することができる。表面活性処理は熱
可塑性樹脂層の表面に対し行ない、処理程度としては処
理後の純水の熱可塑性樹脂層への接触角が、70度以下
となるような処理が好ましく、より好ましくは65度以
下である。
【0018】前記コロナ放電処理は市販のコロナ処理
機、例えばピラー社製のソリッドステートコロナ処理
機、SOFTAL社製Treating Generator、及びVETAPHONE高
周波インパルス表面処理機(例えばT-2000,T-4000)等
を用いて行なうことができる。処理量は単位面積当りの
エネルギー(J/m2)で表すことができ、本発明の場合の
処理量は30〜3000J/m2が好ましく、40〜200
0J/m2が特に好ましい。
【0019】前記プラズマ処理は東芝メカトロニクス
(株)製、マイクロプラズマ処理装置TMP-7048A、TMW-740
7、TMZ-9602-A,IPC社製200S高周波プラズマ処理装置を
用いて行なうことができる。処理量は単位面積当りのエ
ネルギー(J/m2)で表すことができ、本発明の場合の処
理量は30〜3000J/m2が好ましく、40〜2000
J/m2が特に好ましい。
【0020】前記火炎処理はLPガスを用いたリボンバ
ーナーを用いて行なうことができる。処理量としては、
深さ方向のエッチング量Åで表すことができ、本発明の
場合の処理量は10〜100Åが好ましく、30〜70
Åが特に好ましい。
【0021】前記UV処理はエキシマレーザー、高圧水
銀灯、アーク灯等の光源を用いて行なうことができる。
処理量としては、深さ方向のエッチング量Åで表すこと
ができ、本発明の場合の処理量は10〜100Åが好ま
しく、30〜70Åが特に好ましい。
【0022】表面活性処理をすることにより、熱可塑性
樹脂の表面は酸化等により、カルボキシル基等の親水基
が発生し、中間層との接着性を高め、仮支持体を剥離す
る際に仮支持体と熱可塑性樹脂層との間で均一に剥すこ
とができる。処理条件としては前記の通り、処理後の純
水の熱可塑性樹脂層への接触角が、70度以下となるよ
うな処理が好ましく、より好ましくは65度以下であ
る。接触角が70度以下となることにより、親水性が向
上し、上記中間層との接着性を高めることができる。
【0023】<支持体>上記感光性多層シートの支持体
としては、熱可塑性樹脂層と良好な剥離性を有し、化学
的および熱的に安定であって、また可撓性の物質で構成
されることが好ましい。具体的にはテフロン(R)、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の薄いシートもしくはこれら
の積層物が好ましい。良好な剥離性を得るためには、グ
ロー放電等の表面処理はせず、またゼラチン等の下塗も
設けないのが一般的である。支持体の厚みは5〜300
μmが適当であり、特に20〜150μmが好ましい。
【0024】<中間層>中間層は、酸素を遮断する機能
を有する層で、感光性樹脂層の露光による重合を、空気
中であっても酸素の重合阻害なく進めることができ、膜
厚も薄いので解像力に悪影響を与えない。上記中間層
は、また上記熱可塑性樹脂層の形成により生じる、下地
の凹凸(即ち、既に形成されている画素による凹凸)を
吸収することができる。これらの層は、アルカリ可溶性
なので、現像時に除去することができる。
【0025】中間層の形成材料としては水またはアルカ
リ水溶液に分散または溶解し、低い酸素透過性を示すも
のであれば良く、公知のものが使用できる。例えば、特
開昭46−2121号公報や特公昭56−40824号
公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合
体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性
セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶
性塩、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル(カルボキシル基、末端アルキル基、アミノ基、スル
ホン酸基、末端チオール基、シラノール基、及びアミド
基またはそれらの組み合わせ)、
【0026】ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリ
ルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸
の水溶性塩、ゼラチン類、エチレンオキサイド重合体、
各種の澱粉およびその類似物のいずれかの水溶性塩、ス
チレン/マレイン酸の共重合体(スチレン−マレイン酸
共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハ
ーフエステル加水分解物)、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体加水分解物、マレイネート樹脂、アラビア
ゴム、カゼインスチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリスチレンスルホン酸ソーダ及びアルギン酸ソ
ーダ、さらにこれらの2種以上の組合わせを挙げること
ができる。
【0027】酸素遮断性等が要求され中間層塗布液の調
製には、結晶性の高いバインダーを主バインダーとして
用いるのが好ましい。水溶性樹脂の結晶性は、樹脂の重
合度や鹸化度等によって変化するので、これらの値を適
当な値にすることにより樹脂の結晶性を調整すればよ
い。例えば、ポリビニルアルコールの場合は、鹸化度、
およびエチレン変性度によって、結晶性を制御できる。
鹸化度が80モル%以上のものが、結晶性が高く、好ま
しい。また、ポリビニルアルコールは、他の官能基でさ
らに変性されていてもよい。前記他の官能基の具体例と
しては、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸などのカ
ルボキシル基、シラノール基、末端アルキル基、末端チ
オール基4、アミノ基、エチレン基などが挙げられる。
【0028】また、隣接した層間密着を高めるには、特
に、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの組
み合わせが好ましい。ポリビニルアルコールは鹸化率が
80%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリド
ンの含有率は中間層固形物の1〜75質量%が一般的で
あり、1〜60質量%が好ましく、特に好ましくは、1
0〜50質量%である。1〜75質量%の範囲では、感
光性樹脂層との充分な接着性が得られ、且つ酸素遮断能
が低下することもない。中間層の厚みは非常に薄く、約
0.1〜5μm、特に0.5〜2μmが好ましい。約
0.1〜5μmの範囲では酸素遮断能が低下することも
なく、現像時または中間層除去時に時間がかかりすぎる
こともない。中間層の溶媒としては水の他メタノール、
エタノールなど熱可塑性樹脂層を膨潤させ、ゲル化剤を
抽出しやすい溶媒の併用が有効である。この中間層上
に、感光性着色樹脂層が形成される。
【0029】<感光性着色樹脂層>感光性樹脂層は、ア
ルカリ可溶性バインダーポリマー、光の照射によって付
加重合することができるエチレン性不飽和二重結合含有
モノマー、光重合開始剤そして着色剤からなる感光性樹
脂組成物より形成される層である。
【0030】アルカリ可溶性バインダーポリマーとして
は、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特
開昭59−44615号公報、特公昭54−34327
号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−
25957号公報、特開昭59−53836号公報、及
び特開昭59−71048号公報に記載されているよう
なメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコ
ン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合
体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げること
ができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルローズ
誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有する
ポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用
することができる。特に、米国特許第4139391号
明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メ
タ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレ
ートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重
合体を挙げることができる。
【0031】アルカリ可溶性バインダーポリマーは、3
0〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜3
00000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択
して使用される。以上の他に、種々の性能、例えば硬化
膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えな
い範囲で、アルカリ不溶性のポリマーを添加することが
できる。これらのポリマーとしてはアルコール可溶性ナ
イロンあるいはエポキシ樹脂が挙げることができる。感
光性樹脂組成物の全固形分に対するバインダーの含有量
は、10〜95質量%で、さらに20〜90質量%が好
ましい。10〜95質量%の範囲では感光性着色樹脂層
の粘着性が高すぎず、形成される層の強度及び光感度の
点で劣ることもない。
【0032】上記光重合開始剤としては、米国特許第2
367660号明細書に開示されているビシナルポリケ
タルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書
に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許
第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換
された芳香族アシロイン化合物、米国特許第30461
27号明細書及び同第2951758号明細書に記載の
多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書
に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノ
ケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載
のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリ
アジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記
載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、
米国特許第4212976号明細書に記載されているト
リハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることが
できる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリ
ハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾ
ール二量体が好ましい。感光性樹脂組成物は、全固形分
に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%
が一般的で、1〜15質量%が好ましい。0.5〜20
質量%の範囲では光感度や画像の強度が維持され、性能
向上への効果が認められる。
【0033】上記光の照射によって付加重合することの
できるエチレン性不飽和二重結合含有モノマーとして
は、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン
性不飽和基を有し沸点が常圧で100℃以上の化合物を
挙げることができる。ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリ
レートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレー
ト、
【0034】ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシ
プロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能ア
ルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付
加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能ア
クリレートや多官能メタクリレートを挙げることができ
る。
【0035】さらに特公昭48−41708号公報、特
公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193
号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開
昭48−64183号公報、特公昭49−43191号
公報及び特公昭52−30490号公報に記載されてい
るポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレー
ト類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げる
ことができる。これらの中で、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレートが好ましい。エチレン性不飽和
二重結合を有する光の照射によって付加重合するモノマ
ーは単独でも、2種類以上を混合して用いても良く、そ
の遮光性の感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量
は5〜50質量%が一般的で、10〜40質量%が好ま
しい。5〜50質量%の範囲では光感度や画像の強度が
低下することもなく、感光性樹脂層の粘着性が過剰にな
り過ぎることもない。
【0036】上記着色剤としては、赤色、緑色、青色、
黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色の公知の顔料
および染料を使用することができる。これらの好ましい
例としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.
I.42595)、オーラミン(C.I.4100
0)、ファット・ブラックHB(C.I.2615
0)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・
エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピ
グメント・エロー17)、パーマネント・エローHR
(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・
カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド14
6)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメン
ト・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH
(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピ
ンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モ
ナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント
・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB
(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボンブラ
ックを挙げることができる。
【0037】更にカラーフィルターの作成に特に好適な
顔料として、C.I.ピグメント・レッド97、C.
I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・
レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、
C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメン
ト・レッド180、C.I.ピグメント・レッド19
2、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグ
メント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン3
6、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピ
グメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブル
ー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.
I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブ
ルー64、C.I.ピグメントイエロー139、C.
I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントバイ
オレット23等を挙げることができる。上記顔料および
染料は、一般に5μm以下の平均粒径を有しており、1
μm以下が好ましい。カラーフィルターを作成する場合
は、0.5μm以下の平均粒径のものを使用することが
好ましい。
【0038】上記成分の他に、更に熱重合防止剤を含む
ことが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロ
キノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p
−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、
ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプ
トベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられ
る。
【0039】さらに必要に応じて公知の添加剤、例えば
可塑剤、界面活性剤、溶剤等を添加することができる。
感光性樹脂組成物より形成される感光性着色樹脂層の層
厚は、0.5〜10μmの範囲が好ましく、特に1〜5
μmの範囲が好ましい。
【0040】<感光性転写材料の形成>仮支持体上に熱
可塑性樹脂層を塗布した後に、該熱可塑性樹脂層の表面
に活性処理を施し、表面活性処理が施された領域面に、
中間層及び感光性樹脂層が設けられる。例えば、仮支持
体上に、熱可塑性樹脂層形成用塗布液を塗布乾燥して、
熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂層の表面に活性
処理を施し、その上に熱可塑性樹脂層と溶解しない中間
層形成用塗布液を塗布して乾燥し、その後中間層と溶解
しない感光性着色樹脂層形成用塗布液を塗布、乾燥して
感光性着色樹脂層を設けることにより得ることができ
る。また、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を形成し、該熱
可塑性樹脂層の表面に活性処理を施し、この上に、被覆
シート上に感光性着色樹脂層と中間層を形成したシート
を張り合せることにより作製しても良い。
【0041】本発明の熱可塑性樹脂層、中間層、及び感
光性樹脂層は各組成物の塗布液を、公知の方法で設ける
ことができる。例えば、スピナー、ホワイラー、ローラ
ーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイ
ヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用い
て、それらの塗布液を塗布し、乾燥させることにより形
成することができる。
【0042】次に、感光性着色樹脂層の上には、貯蔵の
際の汚染や損傷から保護するため、薄い被覆シートを設
けることが好ましい。被覆シートは、仮支持体と同種か
又は類似の材料からなるものでも良いが、感光性着色樹
脂層から容易に分離できるものであることが要求され
る。その好ましい被覆シートの例としては、シリコーン
紙、ポリオレフィンシートあるいはポリテトラフルオロ
エチレンのシートを挙げることができる。被覆シートの
厚さは、一般に5〜100μmであり、10〜30μm
が好ましい。
【0043】ガラス基板等の永久支持体上に、感光性多
層シートの感光性着色樹脂層を貼り合わせ、仮支持体を
剥離する場合に、帯電した支持体(フィルム)と人体と
が不快な電気ショックを受けることがあり、あるいは帯
電した支持体に塵埃が付着する等の問題がある。このた
め、支持体上に導電層を設けたり、支持体自体に導電性
を付与する処理を施すことが好ましい。また、導電層
を、支持体の反対側に(感光性着色樹脂層を持たない
側)設けた場合は、耐傷性を向上させるために疎水性重
合体層を設けることが好ましい。
【0044】本発明の感光性転写材料は、各層を形成す
る際、熱可塑性樹脂層の幅方向端部付近にも表面活性処
理が施されているので、感光性転写材料の耳部付近の塗
布性も良好であり、ほぼ均一な厚みを形成している。
【0045】上記感光性多層シートを用いてカラーフィ
ルター等の多色画像シートの製造は、例えば下記のよう
に行なうことができる。上記赤、緑、青の各画素の形成
は、赤画素用の感光性赤色樹脂層を有する感光性多層シ
ート(転写シート)を用いて、感光性赤色樹脂層を基板
表面に転写し、画像様露光、現像して赤の画素を形成
し、緑、青の画素についても同様にして各画素を形成す
ることにより行なわれる。赤、緑、青の三種の画素を配
置する場合は、モザイク型、トライアングル型、4画素
配置型等どのような配置であっても良い。
【0046】上記画素シートの各画素の上面、そして各
画素間の隙間領域を感光性黒色樹脂層を有する感光性多
層シートを用いて、感光性黒色樹脂層を基板表面に転写
し、背面露光(画素を持たない側から)、現像してブラ
ックマトリックスを形成する。画像シートを加熱するこ
とにより、未硬化部分を硬化させる(各画素についてそ
れぞれ行なう)。
【0047】上記感光性多層シートの基板表面への貼り
合わせは、一般に、感光性多層シートの感光性着色樹脂
層上の被覆シートを除去した後、感光性多層シートを基
板表面に重ね、加圧、加熱下に行なわれる。貼り合わせ
には、ラミネーター、真空ラミネーター、およびより生
産性を高めることができるオートカットラミネーター等
の公知のラミネーターを使用することができる。その
後、仮支持体を剥し取った後、所定のマスク、熱可塑性
樹脂及び中間層を介して感光性着色樹脂層を露光し、次
いで未露光領域を除去する(現像)。上記露光に使用さ
れる光源は、感光性着色樹脂層の感光性に応じて選択さ
れる。例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンア
ーク灯、アルゴンレーザー等の公知の光源を使用するこ
とができる。特開平6−59119号公報に記載のよう
に、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である
光学フィルター等を併用しても良い。
【0048】通常、安定な塗布をおこなうため多量のフ
ッ素界面活性剤を熱可塑性樹脂層に用いると、熱可塑性
樹脂層の表面エネルギーが低下する。そのため、熱可塑
性樹脂層上に中間層液を塗布する際、その塗布性が悪化
する。また、熱可塑性樹脂層と中間層との密着が低下し
て、仮支持体を剥がす際に、熱可塑性樹脂層と中間層と
の間で剥離され易くなる。しかしながら、本発明の感光
性転写材料を用いる場合、熱可塑性樹脂層を表面処理す
るため、上記弊害が解消される。
【0049】上記の感光性着色樹脂層の現像液として
は、アルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さら
に、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いて
も良い。適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属
水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸
塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アル
カリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、
メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テ
トラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えばテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド)または燐酸三ナ
トリウムを挙げることができる。アルカリ性物質の濃度
は、0.01質量%〜30質量%であり、pHは8〜1
4が好ましい。
【0050】上記水と混和性のある適当な有機溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1
−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラ
クトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、
乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メ
チルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有
機溶剤の濃度は、0.1〜40質量%が一般的である。
【0051】現像液は浴液としても、あるいは噴霧液と
しても用いることができる。感光性着色樹脂層の未硬化
部分を除去は、現像液中で回転ブラシにて擦るか湿潤ス
ポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴霧した際
の噴霧圧を利用する方法等を適宜利用することができ
る。現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が
好ましい。現像処理の後に水洗工程を入れることも可能
である。また現像は、熱可塑性樹脂層、中間層及び感光
性着色樹脂層を一度に行なっても良いが、現像ムラや感
光性着色樹脂層の現像時の現像液による層の劣化を少な
くするため、熱可塑性樹脂層及び中間層を先に溶解除去
した後感光性着色樹脂層の現像を行なうことが好まし
い。後で感光性着色樹脂層の現像を行なう場合、熱可塑
性樹脂層及び中間層の除去に使用する現像液は、感光性
着色樹脂層を劣化させないようなものを選択することが
好ましい。この方法は、熱可塑性樹脂層及び中間層と、
感光性着色樹脂層との溶解速度の差を考慮して現像液を
選ぶことにより、あるいは液温、スプレー圧、擦る際の
圧力等の現像処理条件の適宜組み合わせることにより行
なうことができる。この方法により、現像ムラの発生を
抑制できる。
【0052】現像工程の後、加熱処理が行なわれる。即
ち、露光により光硬化した着色樹脂層(以下、光硬化層
と称する)を有する支持体を、電気炉、乾燥器等の中で
加熱するか、または光硬化層に赤外線ランプを照射して
加熱する。加熱の温度及び時間は、使用した重合性組成
物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に、
充分な耐溶剤性、耐アルカリ性を獲得するのに、約12
0℃から約250℃の範囲で約10分から約300分間
加熱することが好ましい。
【0053】本発明の感光性転写材料は、上記のカラー
フィルターの作製の他、プリント配線基板、多色画像の
作成に有利に使用することができる。プリント配線基板
の作製には、基板として公知の銅張り積層板が通常用い
られる。
【0054】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、以下において特に断りがない限り、「部」は「質量
部」を、「%」は「質量%」を意味する。
【0055】<実施例1>厚さ75μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム仮支持体上に、下記の処方Cu
1からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μ
mの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0056】 熱可塑性樹脂層処方Cu1: ・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、 重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) 7部 ・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比) =65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13部 ・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタ クリレートを2当量脱水縮合した化合物 (新中村化学(株)製BPE−500) 8部 ・メチルエチルケトン 63部 ・メタノール 15部 ・弗素系ポリマー* (メチルイソブチルケトン20重量%溶液) 1.6部 尚、* 弗素系ポリマーは;C6F13CH2CH2OCOCH=CH2 40部、 H(O(CH3)CHCH2)6OCOCH=CH2 60部及びの共重合体で、重量平均分子量が3 万のものである。
【0057】次に上記熱可塑性樹脂層上にピラー社製ソ
リッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、室温下
において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み
取り値から、支持体には1600J/m2の処理がなされて
いることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電
極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであ
った。次に下記処方PC1から成る塗布液を調製し、塗
布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層を設け
た。
【0058】 中間層処方PC1: ・ PVA205 (クラレ(株)製ポリビニルアルコール、 鹸化度=88%、重合度550) 100部 ・ポリビニルピロリドン (GAFコーポレーション社製PVP、K−30) 50部 ・蒸留水 1850部 ・メタノール 1000部
【0059】[中間層処方PC塗布性の評価]中間層処
方PC液を塗布し、その状態を目視で観察し、下記のよ
うに評価した。得られた結果を表3に示す。実用レベル
はCC以上である。 AA:耳部が均一に塗られ、塗布性極めて良好。 BB:耳部が微かに厚塗りとなるが、問題なく、塗布性
良好。 CC:耳部が微かに厚塗りとなり、微かに蛇行が見られ
るも問題なく、塗布性普通。 DD:耳部が厚く、耳部が蛇行し、塗布性は悪い。 EE:耳部が全く塗りつかず、塗布性は極め、悪い。
【0060】[中間層剥がれの評価]上記熱可塑性樹脂
層及び中間層を有する仮支持体表面を、目視または顕微
鏡で観察し、下記のように評価した。得られた結果を表
3に示す。実用レベルはCC以上である。 AA:中間層表面が均一で、剥がれが全く見られず、中
間層剥がれ極めて良好。 BB:中間層表面に微か押し跡が見られるが、剥がれは
起こらず、中間層剥がれ良好。 CC:耳部のみ僅かに剥がれが見られるが、その他の部
分は問題なく、中間層剥がれ普通。 DD:耳部のみならず、その他の部分に僅かに剥がれが
生じ、中間層剥がれ悪い。 EE:剥がれが全面に見られ、中間層剥がれ極めて悪
い。
【0061】上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する4
枚の仮支持体の上に、それぞれ下記感光性層処方のR、
G、B、Kの3色の感光性溶液を塗布、乾燥させ、乾燥
膜厚が2μmの着色感光性樹脂層を形成した。
【0062】
【表1】
【0063】さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピ
レン(厚さ12μm)の被覆シートを圧着し、赤色、青
色、緑色および黒色感光性転写材料を作成した。
【0064】この感光性転写材料を用いて、以下の方法
でカラーフィルターを作成した。赤色感光性転写材料の
被覆シートを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板
(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネータ
(株)製VP−II)を用いて加圧(10kg/c
m)、加熱(130℃)して貼り合わせた。(速度0.
7m/min)
【0065】[仮支持体の剥離性の評価]貼り合わされ
た感光性転写材料を仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面
で剥離し、仮支持体を除去した。その仮支持体及び転写
された最上層の表面を、目視または顕微鏡で観察し、下
記のように評価した。得られた結果を表3に示す。実用
レベルはCC以上である。 AA:剥離表面が均一で、跡が全く見られず、剥離性極
めて良好。 BB:仮支持体のエッジ部に点状の剥がれが微か見られ
るが、他の部分に剥がれは起こらず、剥離性良好。 CC:仮支持体のエッジ部に線状の剥がれが見られる
が、他の部分に剥がれは起こらず、剥離性普通。 DD:エッジ部のみならず、その他の部分に僅かに剥が
れが生じ、剥離性悪い。 EE:剥がれが全面に見られ、剥離性極めて悪い。
【0066】次に所定のフォトマスクを介して露光し、
1%トリエタノールアミン水溶液で熱可塑性樹脂層およ
び中間層を溶解除去した。これらの層を完全に除去でき
る最短除去時間は30秒であった。次いで、1%炭酸ナ
トリウム水溶液で感光性樹脂層を現像して不要部を除去
し、ガラス基板上に赤色画素パターンを形成した。次い
で、赤色画素パターンが形成されたガラス基板上に、緑
色感光性転写材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥
離、露光、現像を行ない、緑色画素パターンを形成し
た。同様な工程を青色、黒色感光性転写材料で繰り返
し、透明ガラス基板上にカラーフィルターを形成した。
得られたカラーフィルターのムラ、及び感度・解像度を
下記評価法により評価した。結果を表3に示す。
【0067】[カラーフィルターのムラの評価]赤色感光
性転写材料の被覆シートを剥離し、感光性樹脂層の面を
透明ガラス基板(厚さ1.1mm)にラミネーター(大成ラミネ
ーター(株)製VP−11)を用いて加圧(10kg/cm)、加熱(13
0℃)して貼り合わせ(速度0.7m/min)、続いて仮支持体
とアルカリ可溶性熱可塑性樹脂層の界面で剥離した。次
に、フォトマスク(一辺20〜60μmのネガ型正方形
画素)を通して超高圧水銀灯を用いて感光性赤色樹脂層
を露光した。露光量は20mJ/cm2であった。その
後、1%トリエタノールアミン水溶液を用いてアルカリ
可溶性熱可塑性樹脂層を30秒で溶解除去した。次いで
1%炭酸ナトリウム水溶液で感光性赤色樹脂層を現像し
て未露光部を除去し、赤色画素(R)のパターンを形成
した。赤色画素を有するガラス基板を220℃で130
分間加熱し、画素部分を充分に硬化させ、赤色画素のみ
のカラーフィルターを作製した。目視及び顕微鏡観察に
て5段階で評価した。AA〜EEの意は以下の通りであ
る。なお、CC以上が実用レベルである。 AA:色ムラが全く見られない。 BB:色ムラが微かに見られる。 CC:色ムラが少し見られる。 DD:色ムラが多く見られる。 EE:色ムラが全面に見られる。
【0068】[カラーフィルターの感度の評価]上記カラ
ーフィルターのムラの評価において、20mJ/cm2
で露光する代わりに、露光量を変化させて露光した後
に、同様に現像し、残膜の膜厚を測定した。膜厚が処理
前の90%時の露光量(mJ/cm2)を感度として評
価した。露光量の少ない方が感度が高い。得られた結果
を5段階で評価した。AA〜EEの意は以下の通りであ
る。なお、CC以上が実用レベルである。 AA:12mJ/cm2未満で極めて感度が高い。 BB:12以上17mJ/cm2未満で感度が高い。 CC:17以上25mJ/cm2未満で感度は普通。 DD:25以上50mJ/cm2未満で感度が低い。 EE:50mJ/cm2以上で極めて感度が低い。
【0069】[カラーフィルターの解像度の評価]上記カ
ラーフィルターのムラの評価において、一辺20〜60
μmのネガ型正方形画素のフォトマスクを使用する代わ
りに、線幅をかえたパターンを有するフォトマスクを使
用して露光後、同様に現像し、フォトマスクの再現した
線幅を解像度として評価した。線幅が狭いほうが解像度
が高い。得られた結果を5段階で評価した。AA〜EE
の意は以下の通りである。CC以上が実用レベルであ
る。 AA:5μm未満で極めて解像度が高い。 BB:5以上8μm未満で解像度が高い。 CC:8以上14μm未満で解像度は普通。 DD:14以上30μm未満で解像度は低い。 EE:30μm以上で解像度は極めて低い。
【0070】<実施例2>実施例1においてコロナ処理
の代わりに、下記条件により、LPガスによる火炎処理し
た以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製
した。
【0071】<火炎処理条件> 燃焼ガス:LPガス(メタンガス含有量83.4〜99.6%) 空気/ガス混合比:酸素0.3±0.2% excess 処理深度:40〜50オングストローム 処理時間:0.04秒 バーナー種:リボンバーナー <実施例3〜7>実施例1においてコロナ処理の代わり
に、表2に示す条件でプラズマ処理した以外は実施例1
と同様にして感光性転写材料を作製した。
【0072】
【表2】
【0073】<実施例8>実施例1においてコロナ処理
の代わりに、下記条件により、エキシマレーザーによる
UV処理した以外は実施例1と同様にして感光性転写材料
を作製した。 活性媒体:フッ素化クリプトン 波長:248nm 処理深度:40〜50オングストローム
【0074】<比較例1>実施例1においてコロナ処理
をしない以外は実施例1と同様にして感光性転写材料を
作製した。
【0075】
【表3】
【0076】表3の結果により、表面処理を行なった場
合、中間層剥れ、及び中間層処方PC液の塗布性は実用レ
ベルであった。
【0077】
【発明の効果】本発明の感光性転写材料によれば、仮支
持体上の各層の表面性状がよく、かつほぼ均一な厚みを
有し、各層間の密着力を所望の相対的関係に保持するこ
とが可能である。また、本発明の感光性転写材料を用い
たカラーフィルターは解像度の高いカラーフィルターで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA02 AA14 AA16 AB13 DA33 FA35 2H048 BA02 BA11 BA45 BA48 BB02 BB14 BB22 BB42 2H091 FA02Y FB02 FB12 FC27 GA01 LA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮支持体上に、少なくとも熱可塑性樹脂
    層、中間層及び感光性記録層をこの順に有してなる感光
    性転写材料において、前記熱可塑性樹脂層が少なくとも
    コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、UV処理のい
    ずれかによる表面活性化処理がされていることを特徴と
    する感光性転写材料。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂層が、アルカリ溶解性
    である請求項1に記載の感光性転写材料。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2のいずれかに記載
    の感光性転写材料を用いるカラーフィルターの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006527402A (ja) * 2003-06-13 2006-11-30 エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック 皮膜付き光学レンズの仮の最外皮膜層上に別の皮膜層を成膜もしくはそれにより該最外皮膜層を置換する方法
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