JP3945219B2 - ディスク装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク装置及びその制御方法に係り、特に、情報読取位置でのディスクの移動速度を略一定として情報の記録及び/又は再生を行うディスク装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は光ディスク装置のブロック構成図を示す。
【0003】
光ディスク装置1は、ターンテーブル11、スピンドルモータ12、ピックアップ13、ガイドレール14、スレッドモータ15、ウォブル検出部16、サーボ制御部17、FG(frequency generator)センサ18、ドライバ19〜21、RF(radio frequency;高周波)アンプ22、エンコード/デコード部23、CPU24、ROM25を含む構成とされている。
【0004】
ターンテーブル11には、ディスク10が装着される。ターンテーブル11は、スピンドルモータ12の回転軸に固定されており、スピンドルモータ12の回転に応じてディスク10を回転させる。ディスク10には、ピックアップ13が対向した配置されている。ピックアップ13は、ガイドレール14によりディスク10の半径方向、矢印A方向にガイドされており、スレッドモータ15により矢印A方向に移動可能とされている。
【0005】
ピックアップ13は、ドライバ21からのレーザ駆動信号に基づいてレーザ光Lを出射する。ピックアップ13から出射されたレーザ光Lは、ディスク10に照射される。ディスク10に照射されたレーザ光Lは、ディスク10で反射されてピックアップ13に供給される。ピックアップ13は、ディスク10からの反射光を多分割光検出器により電気信号に変換する。多分割光検出器での検出信号は、ウォブル信号検出回路16及びRFアンプ22に供給される。
【0006】
ウォブル信号検出回路16は、ピックアップ13からの検出信号からウォブル信号を検出し、サーボ制御部17に供給する。RFアンプ22は、ピックアップ13からの検出信号から再生信号及びトラッキングエラー信号並びにフォーカスエラー信号を検出する。
【0007】
サーボ制御部17は、ウォブル信号検出回路16からのウォブル信号又はE/D回路23からのEFM信号から時間情報などを検出し、ドライバ19を介してスピンドルモータ12の回転目標値を決定する。FGセンサ18は、スピンドルモータ12の回転に応じた信号を検出しており、サーボ制御部17はFGセンサ18からの検出信号が回転目標値となるようにドライバ19を介してスピンドルモータ12を制御する。
【0008】
また、サーボ制御部17は、RFアンプ22からトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいてドライバ20を介してスレッドモータ15及びピックアップ13に内蔵されたトラッキングアクチュエータ及びフォーカスアクチュエータを制御して、トラッキング制御及びフォーカス制御を行う。
【0009】
RFアンプ22で検出された再生信号は、E/D回路23に供給される。E/D回路23は、RFアンプ22からの再生信号を元の情報にデコードする。
【0010】
また、E/D回路23は、ライトデータをエンコードしてドライバ21を介してピックアップ13に内蔵されたレーザダイオードを駆動する。外部からのコマンド受信し、CPU24に供給する。
【0011】
CPU24は、ROM25に記憶されたファームウェアに基づいて装置全体の制御を行う。
【0012】
なお、スピンドルモータ12は、FGセンサ18の検出信号及びウォブル信号検出回路16からのウォブル信号又はE/D回路23からのEFM信号に基づいてサーボ制御部17によりフィードバック制御が行われている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の光ディスク装置では、ディスクの回転の偏差を小さくするためにスピンドルモータ制御系のゲインを大きくすると、ディスクの偏心など影響で消費電力が増加したり、スピンドルモータの回転や制御系が不安定になったりするなどの問題点があった。例えば、スピンドルモータ制御系の比例ゲインを大きくすると、サーボ系が不安定になりディスクの偏心などに対して敏感に反応して消費電力が増加するなどの問題点があった。また、積分ゲインを大きくすると、ディスクの回転が不安定になる等の問題点があった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、ディスクの回転を安定化し、情報の記録及び/又は再生が可能とできるディスク装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、情報読取位置でのディスクの移動速度が所定の範囲になるようにスピンドルモータを回転させつつ、情報の記録及び/又は再生を行うディスク装置で、情報読取位置でのディスクの移動速度を検出し、移動速度を所定の範囲にするための速度制御信号を生成し、生成された速度制御信にディスクの最外周位置におけるスピンドルモータの駆動電圧に応じた直流電圧、又は、情報読取位置に応じたレベルの直流電圧を加算した加算信号によりスピンドルモータを駆動することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、速度制御信に、ディスクの最外周位置におけるスピンドルモータの駆動電圧に応じた直流電圧、又は、情報読取位置に応じたレベルの直流電圧を加算した加算信号によりスピンドルモータを駆動することにより、速度制御系のゲインを小さく設定でき、スピンドルモータの回転を安定化することができるため、偏心などの影響を小さくでき、かつ、消費電力が抑えられる。
【0017】
また、本発明は、情報読取位置とディスクとの相対速度が一定になるようにスピンドルモータを回転させつつ、記録及び/又は再生を行うディスク装置で、
情報読取位置でのディスクの移動速度を検出し、移動速度を一定にするための速度制御信号及び情報読取位置に応じた直流信号を生成し、速度制御信号と直流信号とを加算した加算信号によりスピンドルモータを駆動することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、情報読取位置に応じた直流信号を生成し、速度制御信号と直流信号とを加算した加算信号によりスピンドルモータを駆動することにより、速度制御信号のゲインを小さく設定でき、よって、スピンドルモータの回転を安定化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の情報記録及び/又は再生装置として、光ディスク装置を例にとって説明する。
【0020】
図1は本発明の第1実施例のブロック構成図を示す。同図中、図8と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0021】
本実施例の光ディスク装置100は、サーボ制御部102の動作が図8は相違する。
【0022】
図2は本発明の第1実施例のサーボ制御部の処理フローチャートを示す。
【0023】
本実施例のサーボ制御部102は、CPU101は、スピンドルモータの駆動が指示されると、ステップS1−1で直流電圧Vff1を生成し、生成された直流電圧Vff1にキック電圧Vkickを加算し、スピンドルモータを駆動する。
【0024】
このとき直流電圧Vff1は、ディスクの外周径側でスピンドルモータを駆動するときの基準電圧に相当する。
【0025】
ステップS1−2でスピンドルモータが駆動され、FGセンサからFG信号が得られると、ステップS1−2でFGサーボ制御が実行される。
【0026】
ステップS1−3でFGサーボがロックすると、ステップS1−4でウォブル信号又はE/D回路23からのEFM信号に基づいてよりCLVサーボ制御が実行され、通常の再生、あるいは記録動作が行われる。
【0027】
このとき、直流電圧Vff1によりサーボ制御信号が増加されているので、回転速度制御信号のゲインを大きくとる必要がない。よって、スピンドルモータの回転を安定にすることができる。
【0028】
ステップS1−5で再生又は記録動作の停止指示があると、ステップS1−6で直流電圧Vff1を「0」にするとともに、ブレーキ電圧Vbreakを発生し、スピンドルモータに供給する。ステップS1−7でスピンドルモータが停止して処理が終了する。
【0029】
図3に本発明の第1実施例の動作説明図を示す。
【0030】
図3において横軸は時間情報、すなわち、ディスク10の半径方向の位置に相当し、縦軸はスピンドルモータ12の駆動電圧を示す。
【0031】
図3に示すように、直流電圧Vff1は、ディスク10の最外周位置におけるスピンドルモータ12の駆動電圧に相当する。このように直流電圧Vff1をスピンドルモータ12の駆動時に、印加することによりサーボ制御部101のゲインを小さく設定することができる。
【0032】
なお、本実施例では、一定の直流電圧Vff1を印加したが、情報読取位置を検出して、情報読取位置に応じたレベルの直流電圧Vff2を印加するようにしてもよい。
【0033】
図4は本発明の第1実施例の変形例のサーボ制御部の処理フローチャートを示す。同図中、図2と同一処理部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
ステップS1−4でディスクの記録又は再生が行われると、ステップS2−1で時間情報が取得される。ステップS2−1で時間情報が取得されると、ステップS2−2で時間情報に応じた直流電圧Vff2が取得され、サーボ制御信号に加算され、ドライバを介してスピンドルモータに供給される。ディスクの記録又は再生中にはステップS2−1、S2−2の時間情報の取得及び時間情報に応じた直流電圧Vff2の取得が行われ、常に最適、すなわち、サーボ制御信号のゲインが最小の状態で、スピンドルモータを駆動できる直流電圧Vff2が印加される。
【0035】
なお、ステップS1−5で演奏が停止されると、ステップS2−3で直流電圧Vff2が「0」にするとともに、ブレーキ電圧Vbreakを発生し、スピンドルモータに供給する。ステップS1−7でスピンドルモータが停止して処理が終了する。
【0036】
本変形例によれば、図3に示すように時間情報に応じた直流電圧Vff2が取得されるため、ディスク10の内外周全てに亘って最小のゲインでスピンドルモータを駆動できる。よって、安定してスピンドルモータを駆動することができる。
【0037】
なお、本実施例では、サーボ制御部で直流電圧Vff1、Vff2を取得する処理を行ったが、CPU101を用いるようにしてもよい。
【0038】
図5は本発明の第2実施例のブロック構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
本実施例のディスク装置200は、サーボ制御部201及びCPU202の構成が図1と相違するとともに、直流電圧生成部203及び加算回路204を含む構成とされている。
【0040】
本実施例のサーボ制御部201は、ウォブル検出回路からのサーボ情報に基づいてサーボ制御信号を生成する。サーボ制御部で生成されたサーボ制御信号は、加算回路204に供給される。CPU202は、ROM25に記憶されたファームウェアにより制御されており、直流電圧Vff1に対応したディジタルデータDff1を生成して直流電圧生成部203に供給する。
【0041】
図6は本発明の第2実施例のCPUの処理フローチャートを示す。
【0042】
CPU202は、ステップS3−1で外部からの記録/再生コマンドが供給されると、ステップS3−2でサーボ制御部201にスピンドルモータ12を駆動させる指令を行う。次に、ステップS3−3で直流電圧Vff1に対応したディジタルデータDff1を生成し、汎用ポートから直流電圧生成部203に供給する。
CPU202は、ステップS3−4で外部から記録/再生停止コマンドが供給されると、ステップS3−5でディジタルデータDff1を「0」にする。ステップS3−6でサーボ制御部201にスピンドルモータの駆動を停止する指示を供給する。
【0043】
直流電圧生成部203は、ディジタル−アナログ変換回路211及びフィルタ212を含む構成とされている。CPU202からのディジタルデータDff1、又はD0は、ディジタル−アナログ変換回路211に供給される。ディジタル−アナログ変換回路211は、ディジタルデータ「0」を直流電圧「0」に変換し、ディジタルデータDff1を直流電圧Vff1に変換する。ディジタル−アナログ変換回路211で変換された直流電圧「0」及びVff1は、加算回路204に供給される。
【0044】
加算回路204は、サーボ制御部201からのサーボ制御信号に直流電圧生成部203からの直流電圧「0」又はVff1を加算してドライバを介してスピンドルモータを駆動する。
【0045】
本実施例によれば、サーボ制御部201のスピンドルモータ制御系のゲインを小さく設定することが可能となる。
【0046】
なお、本実施例では、情報読取位置によらず一定の直流電圧Vff1を生成するようにしたが、情報読取位置に応じて直流電圧を可変するようにして、さらにスピンドルモータ制御系のゲインを低下させるようにしてもよい。
【0047】
図7は本発明の第2実施例のCPUの処理の変形例のフローチャートである。同図中、図6と同一処理部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
本変形例では、CPU202はステップS3−2でサーボ制御部にスピンドルモータを駆動させる指令を行うと、ステップS4−1でサーボ制御部201から情報取得位置の時間情報を取得する。次にステップS4−2で取得した時間情報から時間情報に対応したディジタルデータDff2を生成し、汎用ポートから直流電圧生成部203に供給する。ステップS3−4で外部から記録/再生停止コマンドが供給されるまで、ステップS4−1及びステップS4−2が実行され、常に情報取得位置に応じたディジタルデータDff2を汎用ポートから出力する。
【0049】
CPU202から出力されたディジタルデータDff2は、直流電圧生成部203に供給される。直流電圧生成部203は、CPU202からのディジタルデータDff2に応じた直流電圧Vff2を生成して加算回路204に供給する。
【0050】
本実施例によれば、ディスク10の内外周全てに亘ってサーボ制御部201のスピンドルモータ制御系のゲインを最小限にできる。
【0051】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、情報読取位置に応じた直流信号を生成し、速度制御信号と直流信号とを加算した加算信号によりスピンドルモータを駆動することにより、速度制御系のゲインを小さく設定でき、よって、スピンドルモータの回転を安定化でき、消費電力を抑えることができるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロック構成図である。
【図2】本発明の第1実施例のサーボ制御部の処理フローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例の動作説明図である。
【図4】本発明の第1実施例の変形例のサーボ制御部の処理フローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例のブロック構成図である。
【図6】本発明の第2実施例のCPUの処理フローチャートである。
【図7】本発明の第2実施例のCPUの処理の変形例のフローチャートである。
【図8】光ディスク装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
10 ディスク
11 ターンテーブル
12 スピンドルモータ
13 ピックアップ
14 ガイドレール
15 スレッドモータ
16 ウォブル信号検出回路
18 FGセンサ
19、20、21 ドライバ
22 RFアンプ
23 エンコード/デコード回路
24、202 CPU
25 ROM
100、200 ディスク装置
101、201 サーボ制御部
203 直流電圧生成部
204 加算回路
211 ディジタル−アナログ変換回路
212 フィルタ
Claims (6)
- 情報読取位置でのディスクの移動速度が所定の範囲になるようにスピンドルモータを回転させつつ、情報の記録及び/又は再生を行うディスク装置であって、
前記情報読取位置での前記ディスクの移動速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動速度検出手段で検出された移動速度を所定の範囲にするための速度制御信号を生成する速度制御信号生成手段と、
前記ディスクの最外周位置における前記スピンドルモータの駆動電圧に応じた直流電圧を生成する直流電圧生成手段と、
前記速度制御信号生成手段で生成された前記速度制御信号と前記直流電圧生成手段で生成された前記直流電圧とを加算した加算信号により前記スピンドルモータを駆動する駆動手段とを有することを特徴とするディスク装置。 - 前記直流信号は、前記ディスクの最低回転数に対応したレベルであることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
- 情報読取位置でのディスクの移動速度を所定の範囲になるようにスピンドルモータを回転させつつ、記録及び/又は再生を行うディスク装置であって、
前記情報読取位置を検出する位置検出手段と、
前記情報読取位置での前記ディスクの移動速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動速度検出手段で検出された移動速度を所定の範囲にするための速度制御信号を生成する速度制御信号生成手段と、
前記位置検出手段で検出された前記情報読取位置に応じたレベルの直流電圧を生成する直流電圧生成手段と、
前記制御信号と前記直流電圧とを加算した信号により前記スピンドルモータを駆動する駆動手段とを有することを特徴とするディスク装置。 - 前記直流信号は、系のゲインが最小になるように設定されることを特徴とする請求項3記載のディスク装置。
- 情報読取位置でのディスクの移動速度が所定の範囲になるようにスピンドルモータを回転させつつ、情報の記録及び/又は再生を行うディスク装置の制御方法であって、
前記情報読取位置での前記ディスクの移動速度を検出し、
前記移動速度を所定の範囲にするための速度制御信号を生成し、
前記速度制御信号に前記ディスクの最外周位置における前記スピンドルモータの駆動電圧に応じた直流電圧を加算した加算信号により前記スピンドルモータを駆動することを特徴とするディスク装置の制御方法。 - 情報読取位置でのディスクの移動速度が所定の範囲になるようにスピンドルモータを回転させつつ、情報の記録及び/又は再生を行うディスク装置の制御方法であって、
前記情報読取位置での前記ディスクの移動速度を検出し、
前記移動速度を所定の範囲にするための速度制御信号及び前記情報読取位置に応じたレベルの直流電圧を生成し、
前記速度制御信号に前記直流電圧を加算した加算信号により前記スピンドルモータを駆動することを特徴とするディスク装置の制御方法。
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