JP3942795B2 - カメラの誤撮影防止装置および誤撮影防止装置を備えたカメラ - Google Patents

カメラの誤撮影防止装置および誤撮影防止装置を備えたカメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラにおける誤った設定状態での誤った撮影の防止技術に係り、特に、カメラにおける不用意な操作による誤った設定状態での誤った撮影の防止を図ったカメラの誤撮影防止装置および誤撮影防止装置を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラは、いわゆる銀塩フィルムを用いる在来のカメラ、いわゆる銀塩カメラ、であっても、撮影画像を電子記録媒体に記録する、いわゆるディジタルカメラ等の電子カメラであっても、種々の撮影モードおよび撮影条件等の設定を行ない、該設定内容に従って撮影を行なう。撮影モードには、撮影条件の全部または一部の設定を自動的に行なうオートモード、マニュアル操作により撮影条件を設定するマニュアルモード、ストロボの発光制御を設定するストロボモード、および特殊な撮影を行なう特殊モード等がある。オートモードには、一般的なノーマルモード、遠景に適する遠景モード、ポートレートに適するポートレートモード、スナップ撮影に適するスナップモード、TV(テレビジョン)の画面撮影に適するTVモードおよび多重露光撮影のための多重露光モードなどがある。
【0003】
さらに、ストロボモードには、ストロボを自動的に発光させるオート発光モード、ストロボを強制的に発光させる強制発光モード(例えば日中シンクロモード)およびストロボの発光を禁止するストロボ不使用モード等がある。マニュアルモードでは、シャッタスピードおよび絞り値(いわゆるF値)のような露出条件、自動測距またはマニュアル操作による被写体距離等の撮影条件、フィルム感度等の撮影感度、その他の設定を行なう。上述した撮影に係る各種条件の設定または変更は、操作ボタン、操作ダイヤルまたは操作レバー等の操作部を、撮影者が操作することによって行なわれる。操作ボタンによる設定内容を保持したい場合には、設定内容を電気的に記憶させることになる。操作ダイヤルまたは操作レバー等のように機械的な位置で設定内容を変更する操作部においては、操作位置が変化しない限り、設定内容が保持される代わりに、操作ダイヤルまたは操作レバー等の機械的な位置が変化すると、設定内容が変化する。
【0004】
これらの撮影に係る設定条件は、天候および時刻等の撮影状況、撮影場所等の撮影環境、被写体を含む撮影視野、並びに撮影者の作画意図などに応じて設定する。このため、これら撮影状況、撮影環境、撮影視野、および作画意図等が大きく変化する場合には、設定条件を大きく変更することが少なくないが、逆に撮影状況、撮影環境、撮影視野、および作画意図等があまり変らないときは、同一の設定条件のままで撮影を行なうことが多い。カメラは、一般に撮影者が携行する携帯式機器であるため、肩や首からストラップにより吊下げたり、バッグ等に収納して搬送される。このため、携行時に上述した操作部が、不用意に身体や他のものにぶつかって押圧されたり、こすれあったりして、設定条件が変動してしまうことがある。
【0005】
一方、操作ダイヤルまたは操作レバー等の機械的操作部の不用意な変動を防止するため、この種の機械的操作部を機械的にロックする機構を付設することが考えられる。
しかしながら、小型化および低コストが要求されるカメラにおいて、機械的操作部を機械的にロックする機構を付設することは、困難である。すなわち、機械的操作部を機械的にロックする機構を付設しようとするとカメラが大型化したり、高コスト化を招いたりすることになる。
従来、操作部の不用意な変動を防止する技術としては、特開平8−328078号公報および特開平9−33978号公報等に示されたものがある。前者の特開平8−328078号公報に開示された技術は、電源をオフとした直後の所定時間、従前の設定モードを保持するものである。
【0006】
すなわち、電源をオフとした後も所定時間は、電源をオフとする前の各種設定状態を保持し、所定時間が経過したら設定をリセットして標準的な設定状態に戻すようにしている。この特開平8−328078号公報に開示された技術によれば、電源をオフとした場合にも従前の操作設定状態を所定時間保持するので、その所定時間内に電源を再投入した場合には従前の設定状態のまま撮影を行なうことができる。これは、何も操作をしない状態で一定時間を経過すると自動的に電源スイッチをオフとして電源の消耗を防止する、いわゆるオートパワーオフ機構を備えたカメラに特に好適な技術である。つまり、共通の状況下で、連続的に撮影を行なっている場合には、設定状態を大きく変更することなくほぼ同様の設定状態で撮影を行なうのが一般的である。このような状況では、撮影途中に、例えばたまたまレリーズ等を何も操作しない状態が前記一定時間以上継続し、オートパワーオフ機構が作動して電源がオフとなってしまうことがある。このような場合に、直ちに再度電源をオンとしても、各種設定状態が標準状態に戻ってしまうと、従前と同様の適正な設定状態にすることが容易ではなく、またそのための操作も煩雑である。
【0007】
そこで、この前者の特開平8−328078号公報では、所定時間以内の短時間で、電源が再度オンとなったときには、従前の設定状態のままで撮影ができるようにしている。
後者の特開平9−33978号公報に開示された技術は、モード設定スイッチ等の操作部に、操作の選択肢として設定値をロックする選択肢を設け、このロック状態が選択された場合には、例えばレリーズボタン等の所定操作以外の操作を無効とするものである。すなわち、設定状態をロックする状態を選択できるようにして、設定状態が意図に反して不用意に変動するのを防止する。このようにすれば、共通の状況下で、連続的に撮影を行なうような場合に、容易に、一定の設定状態で撮影を行なうことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前者の特開平8−328078号公報に開示された技術は、設定状態が所定時間保存されるというものであるが、該所定時間を過ぎると、設定状態が標準状態に戻ってしまう。また、前者の特開平8−328078号公報では、ダイヤル等の機構的に設定状態が変化する設定条件については考慮されておらず、電源がオフになっている状態で、このような設定操作部が変動した場合にどうするかについては、明確にされていない。また、後者の特開平9−33978号公報に開示された技術は、設定状態をロックすることを可能とするものであるが、設定状態の一部を少しだけ変更したいという場合には、その前にロック状態の選択を解除する操作をしなければ、変更することができない。ロック状態でレリーズしか操作することができない場合には、ロック状態で電源をオフとすることができず、一方、ロック状態で電源をオフとすることができるようにした場合には、再度、電源をオンとした後、ロック状態を解除するまで、設定操作を行うことができない。
【0009】
そこで、電源のオフ時に、撮影者が気付かないうちに、設定のためのダイヤルおよびレバー類等が、誤って撮影者の身体または他の物体に接触するなどして、作動してしまい、撮影者の意図に反する撮影結果となることを防止することが必要となる。ダイヤルまたはレバー等の誤操作を確実に防止するには、一般的には、これらを機械的に係止するストッパ機構を設けて、これらが、他の物体と接触してもこれらの設定状態が変動することがないようにすることが、考えられる。しかしながら、ダイヤルまたはレバー等のストッパ機構は、製造コストが嵩みしかもこれらの機構を配置するために必要なスペースを充分に確保することができないことが多い。もしも、コスト上またはスペース上の制約から、これらのようなストッパ機構を装備しない場合には、バッグ等への収納時などのように、撮影者が意図しないときに動いてしまうことがある。そのような場合、それに気付かずに撮影してしまって、撮影を失敗してしまうことがあった。
【0010】
例えば、プログラム撮影モード(被写体の明るさを測光し、被写体光量(被写体輝度)に対応して予め設定した絞り値(F値)と露光時間(シャッタ速度)の組合せプログラムに従って撮影条件を設定する)にて撮影を行なっていた状態で、一旦電源をオフとした場合を考える。この場合、電源オフの状態で、モード設定用の、例えばレバーが動いてしまい、絞り値をF2.8とする絞り優先撮影モードとなってしまった場合には、再度、電源をオンとして撮影を行なったときに、露光時間の下限値、つまり最高速シャッタスピードでも適正露出を得ることができずに露出オーバとなってしまうことがある。また、絞り値をF2.8として撮影を行なっていた状態で電源をオフとし、絞り値の、例えばダイヤルがF22となってしまった場合、再度、電源をオンとして撮影を行なった場合に露出アンダーとなってしまうことがある。
【0011】
これに対して、各種設定操作用のダイヤルおよびレバーが、小さな力では不用意に作動することがないようにするため、作動に対する抵抗力を高め、大きな力を加えなければ、それらが作動しないようにすると、通常の操作時の操作性が劣化し、操作によって指が痛くなるなどの不具合も生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、特に、請求項1の目的は、機械的な位置を変更することで動作条件を設定変更して電源を一旦オフとした後に、当該機械的位置が不用意に変更され、その後電源をオンとした際に、意図せずに電源オフ時の設定状態と異なった状態で誤って撮影されてしまうことを確実に且つ効果的に防止し、しかも、電源オフ時の設定状態と異なった条件に意図的に設定することも容易なカメラの誤撮影防止装置を提供することにある。
【0012】
発明の請求項2の目的は、特に、設定状態の変動を検出した際に、警報と同時に撮影を抑止して、効果的に失敗撮影を防止し得るカメラの誤撮影防止装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、設定状態の変動を検出した際に、ダイヤルまたはレバーによる設定状態にかかわらず従前の状態での撮影を可能とし、効果的に失敗撮影を防止し得るカメラの誤撮影防止装置を提供することにある。
【0013】
本発明の請求項4〜9の目的は、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、確実な撮影者への警告を可能とするカメラの誤撮影防止装置を提供することにある。
本発明の請求項10〜12の目的は、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することを可能とするカメラの誤撮影防止装置を提供することにある。
本発明の請求項13の目的は、特に、機械的な位置を変更することで動作条件を設定変更して電源を一旦オフとした後に、当該機械的位置が不用意に変更され、その後電源とオンとした際に、意図せずに電源オフ時の設定状態と異なった状態で誤って撮影されてしまうことを確実に且つ効果的に防止し、しかも電源オフ時の設定状態と異なった条件に意図的に設定することも容易なカメラを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、上述した目的を達成するために、被写体を撮影して被写体像を記録媒体に記録するとともに、該被写体の撮影に係る動作条件を制御設定し得るカメラにおいて、
当該カメラの動作電源をオン/オフする電源操作手段と、
前記動作条件設定内容を、機械的な位置を変更することで変更する設定操作手段と、
前記電源操作手段による前記動作電源のオフ操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を取得して記憶し、且つ前記電源操作手段による前記動作電源のオン操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を新たに取得して、先に記憶した前記動作電源のオフ時の設定状態と比較照合する状態照合手段と、
前記状態照合手段により、前記動作電源のオフ時とその後のオン時との設定状態が不一致であると判定した場合に、前記設定操作手段の機械的な位置が変更されたと判断し、操作状態変動を警告する警告手段と
を具備することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、
前記警告手段による警告がなされている間は、前記カメラの撮影動作を禁止する撮影制御手段をさらに具備することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、
前記警告手段による警告がなされている間に撮影操作がなされたときには、前記状態照合手段により記憶された前記動作電源オフ操作時における前記設定操作手段による設定状態の情報に従って前記カメラの撮影動作を制御する撮影制御手段をさらにを具備することを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段が、他の情報表示用に設けられた表示手段を兼用して警告を表示させる手段を含むことを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段が、警告表示のみを行うための専用の警告表示手段を含むことを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発光表示手段を含むことを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発光表示手段を含むことを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発音手段を含むことを特徴としている。
請求項9に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発音手段を含むことを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、前記設定操作手段による前記動作条件の設定変更の再操作によって終了させる手段をさらに具備することを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、当該カメラの撮影操作によって終了させる手段をさらに具備することを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係るカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、前記電源操作手段による前記動作電源のオフ動作および当該カメラの裏蓋の開閉動作のうちの少なくとも一方によって終了させる手段をさらに具備することを特徴としている。
請求項13に記載した本発明に係るカメラは、請求項1〜12のいずれか1項に記載された誤撮影防止装置を備えたことを特徴としている。
【0018】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1によるカメラの誤撮影防止装置は、被写体を撮影して被写体像を記録媒体に記録するとともに、該被写体の撮影に係る動作条件を制御設定し得るカメラにおいて、当該カメラの動作電源をオン/オフする電源操作手段による前記動作電源のオフ操作時に、前記動作条件を機械的な位置を変更することで設定変更する設定操作手段の位置に基づく設定状態を取得して記憶し、且つ前記電源操作手段による前記動作電源のオン操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を新たに取得して、先に記憶した前記動作電源のオフ時の設定状態と比較照合する状態照合手段を設け、前記状態照合手段により、前記動作電源のオフ時とその後のオン時と設定状態が不一致であると判定した場合に、前記設定操作手段の機械的位置が変更されたと判断し、警告手段により操作状態変動を警告する。
このような構成により、例えば、ダイヤル式、レバー式、スライド式等からなる設定操作手段でもって機械的な位置を変更することで、動作条件の設定変更をして、電源を一旦オフとしてから再度電源をオンとするまでの間に、例えば、ケースからのカメラの出し入れ、ポケットやバッグの中におけるカメラと他の物体との接触等により不用意にダイヤル等の設定操作手段の機械的位置が動いてしまった場合に、撮影者がそのことに気付かずに電源をオンとして撮影者の意に反して直前の電源オフ時の設定状態と異なった設定状態で誤って撮影されてしまうことを事前に警告することで、撮影の失敗を未然に且つ効果的に防止することができる。
【0019】
本発明の請求項2によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告がなされている間は、前記カメラの撮影動作を禁止する撮影制御手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、警報と同時に撮影を抑止して、効果的に失敗撮影を防止することができる。
本発明の請求項3によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告がなされている間に撮影操作がなされたときには、前記状態照合手段により記憶された前記動作電源オフ操作時における前記設定操作手段による設定状態の情報に従って前記カメラの撮影動作を制御する撮影制御手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、ダイヤルまたはレバーによる設定状態にかかわらず従前の状態での撮影を可能とし、効果的に失敗撮影を防止することができる。
【0020】
本発明の請求項4によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段が、他の情報表示用に設けられた表示手段を兼用して警告を表示させる手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項5によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段が、警告表示のみを行うための専用の警告表示手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項6によるカメラの誤撮影防止装置は、前記表示手段が、発光表示手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
【0021】
本発明の請求項7によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発光表示手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項8によるカメラの誤撮影防止装置は、前記表示手段が、発音手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項9によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告表示手段が、発音手段を含む。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
【0022】
本発明の請求項10によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、前記設定操作手段による前記動作条件の設定変更の再操作によって終了させる手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
本発明の請求項11によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、当該カメラの撮影操作によって終了させる手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
【0023】
本発明の請求項12によるカメラの誤撮影防止装置は、前記警告手段による警告動作を、前記電源操作手段による前記動作電源のオフ動作および当該カメラの裏蓋の開閉動作のうちの少なくとも一方によって終了させる手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
本発明の請求項13によるカメラは、請求項1〜12のいずれか1項に記載された誤撮影防止装置を備える。
このような構成により、機械的な位置を変更することで動作条件を設定変更して電源を一旦オフとした後に、当該機械的位置が不用意に変更され、その後電源をオンとした際に、意図せずに電源オフ時の設定状態と異なった状態で誤って撮影されてしまうことを確実に且つ効果的に防止し、しかも、電源オフ時の設定状態と異なった条件に意図的に設定することも容易なカメラを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係るカメラの誤撮影防止装置を説明するための図である。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る誤撮影防止装置を組み込んだカメラの構成を示すブロック図、図2は、図1のカメラにおけるモードスイッチによるモード切換え動作を模式的に示す図、図3は、図1のカメラにおける休止時の絞りダイヤル値の記憶動作を説明するためのフローチャート、図4は、図1のカメラにおける休止状態からの復帰時の動作を説明するためのフローチャート、図5は、図1のカメラにおける状態遷移を模式的に示す図、そして図6は、図1のカメラにおける外部液晶表示装置のフィルムカウンタ表示を利用した警告表示を説明するための模式図である。
【0025】
図1に示すカメラは、制御装置1、メモリ2、外部液晶表示装置(以下、「外部LCD」と称する)3、ファインダ内液晶表示装置(以下、「ファインダ内LCD」と称する)4、レリーズスイッチ5、絞りダイヤル(以下、「Fダイヤル」と称する)6、裏蓋スイッチ7、モードスイッチ8、メインスイッチ9、発音体10、および表示用発光ダイオード(以下、「表示用LED」と称する)11を具備している。この場合、カメラは、在来の銀塩フィルムを用いる銀塩カメラとしているが、メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク等の記録媒体に電子的に記録するディジタルカメラ等と称される電子カメラの場合にもほぼ同様にして構成することができる。
【0026】
制御装置1は、いわゆるマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ等を用いて構成されたCPU(中央処理部)であり、この制御装置1が当該カメラの全機能を制御する。メモリ2は、例えばEEPROM(電子的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ)のような不揮発性メモリを用いて構成され、調整データ、演算データ、およびカスタマイズ設定データ等のデータを格納するための調整用メモリとして用いられる。このメモリ2は、制御装置1により、前記各データの書込みおよび読出しを行なうことができる。Fダイヤル6は、撮影時の絞りを設定するためのダイヤルであり、このFダイヤル6の操作により、プログラムモード(Pモード)、および絞り値(F値)を選択的に設定することができる。なお、絞り値としては、例えば、F2.8〜F22の範囲の絞り値を0.5EVステップで設定することができる。
【0027】
外部LCD3およびファインダ内LCD4は、カメラの撮影カウンタ情報およびモード情報等を表示する表示器である。これら外部LCD3およびファインダ内LCD4の表示内容は、制御装置1によって制御することができる。外部LCD3は、例えば、図6に示すような撮影カウンタ(フィルムカウンタ〜ディジタルカメラ等と称される電子カメラの場合には、撮影コマカウンタ)、動作モード、ストロボ状態、および電池残量等を表示する。ファインダ内LCD4は、例えば設定されているシャッタ速度、絞り値および測距結果等を表示する。
レリーズスイッチ5は、撮影を行なうためのスイッチであり、例えば、押し込み深さによる2段動作とし、1段目の半押し状態で測距を行ない、2段目の全押し状態で撮影を行なう。裏蓋スイッチ7は、フイルムの装填部の裏蓋の開閉によりオン/オフ動作して、フィルムの交換を検出する。モードスイッチ8は、当該カメラの撮影動作モード等のの設定を行なう。
【0028】
この場合、例えば図2に示すように、ノーマルモードにあるときに、モードスイッチ8を1回押すと、ダイヤルリカバリーモードとなり、もう1回押すとノーマルモードに戻る。すなわち、モードスイッチ8を操作する毎にダイヤルリカバリーモードとノーマルモードとを交互に繰り返すトグル動作となる。このモードスイッチ8により設定されたモードは、例えば電池交換するまでの間保存される。
メインスイッチ9は、カメラの全電源を制御するためのスイッチである。このメインスイッチ9がオンの時は、撮影が可能となる。そして、メインスイッチ9がオフの時は、撮影を禁止し、消費電流を下げて、当該カメラ全体を電源オフの休止状態とする。発音体10は、電気信号を音響信号に変換する電子ブザーまたは小型スピーカ等の電気−音響変換器であり、制御装置1に制御されて警報音等を発生する。
【0029】
表示用発光ダイオード(以下、「表示用LED」と称する)11は、制御装置1により制御されて、測距状況、ストロボ情報および状態変動の警告等のために発光または点滅する。表示用LED11は、1個または複数個設けられ、所定の状況を個別にまたは連続点灯と点滅、あるいは点滅周期を変動させることにより、表示内容を識別可能として表示する。これら発音体10および表示用LED11は、セルフタイマー表示用としても用いる。
制御装置1は、レリーズスイッチ5、Fダイヤル6、裏蓋スイッチ7,モードスイッチ8およびメインスイッチ9等の操作部が操作されないままで、予め設定した所定の時間を経過するか、または、メインスイッチ9をオフとするかのいずれかにより電源をオフとして休止状態とする。その場合は、制御装置1の内部メモリの内容は保存される。上述した前記所定時間の経過を監視するタイマー動作による休止の場合には、操作部のいずれかのスイッチ等の操作によって、撮影待機状態に復帰する(図5参照)。また、メインスイッチ9のオフ操作による休止の場合には、メインスイッチ9のオンへの再操作で、撮影待機状態に復帰する(図5参照)。
【0030】
今、モードスイッチ8の設定により、ダイヤルリカバリーモードに設定されているとすると、上述した休止状態になる直前の、例えばFダイヤル6の設定値を、制御装置1の内部のメモリ、または調整用の不揮発性のメモリ2に保存しておく。
すなわち、ダイヤルリカバリーモードに設定されているときは、図3に示すように、操作部が何ら操作されないままで、所定時間、例えば3分、を経過するか(ステップS11)、または、メインスイッチ9がオフに操作されるかすると(ステップS12)、制御装置1は、Fダイヤル6の設定内容を読み込み、制御装置1の内部のメモリまたは調整用の不揮発性のメモリ2に保存して(ステップS13)から、電源をオフとして休止状態とする(ステップS14)。
【0031】
カメラが電源オフの状態、すなわち休止状態にあるときに、レリーズスイッチ5、Fダイヤル6、裏蓋スイッチ7,モードスイッチ8およびメインスイッチ9等の操作部のいずれかの操作により、撮影待機状態に復帰した場合には、制御装置1は、まず、Fダイヤル6の状態をチェックして、メモリ2等に格納した休止前の状態との比較を行い、比較の結果、両者が一致せず互いに相違していれば、状態が変動した旨の警告を行なう(請求項1に対応する)。この状態が変動した旨の警告は、予め設定した所定時間の間、例えば外部LCD3によって、特定のセグメント、例えば図6のようにフィルムカウンタ表示用のセグメント31、を特別な周期で点滅させるなどして行なう(請求項4に対応する)。
なお、上述の警告表示中は、例えばレリーズスイッチ5を無効とするなどして、当該カメラの撮影動作を禁止する(請求項2に対応する)。
【0032】
あるいは、撮影を禁止する代わりに、警告表示中に撮影操作を行った場合には、Fダイヤル6等の操作部の状態にかかわらず、休止状態となる直前にメモリ2等に格納された設定値にて、撮影動作を行う構成としてもよい。この場合には、撮影動作後も所定の時間警告表示を残しておくなどして、休止前の状態に従って撮影が行なわれる警告状態にあることをユーザに認識させるようにする(請求項3に対応する)。また、警告表示期間中に、Fダイヤル6が、再操作された場合には、ユーザが絞り値(F値)を再認識していると考えられるため、警告表示を中止し、通常の動作状態とする(請求項10に対応する)。さらに、1度撮影を行った後や、フィルム交換等のために裏蓋等を再操作した後も、警告表示が残っていると違和感があるため、警告を中止し設定内容を新規のFダイヤル6の設定値に更新する(請求項11および12に対応する)。
【0033】
すなわち、図4に示すように、メインスイッチ9のオン操作または操作部の操作により、休止状態が解除されると(ステップS21)、制御装置1は、Fダイヤル6の設定値を再度読み込み(ステップS22)、制御装置1の内部のメモリまたは調整用の不揮発性のメモリ2に格納された設定値があれば(ダイヤルリカバリーモードであれば)、格納された設定値と比較する(ステップS23)。両者が一致していれば、そのままの設定値に基づいて従来通りの処理を行なう(ステップS24)。
ステップS23において、両者が相違していれば、Fダイヤル6の設定値が休止直前の設定状態から変動しているので、設定状態が変動した旨の警告表示を行なう(ステップS25)。そして、Fダイヤル6または裏蓋スイッチ7が変化し、あるいは予め設定した所定時間を経過しているか否かを判定し(ステップS26)、いずれかに該当する場合にはステップS24に進み従来通りの動作となる。
【0034】
ステップS26において、いずれにも該当しない場合には、レリーズスイッチ5が操作されたか否かを調べ(ステップS27)、操作されていなければ、ステップS25に戻り、上述の動作を繰り返す。ステップS27において、レリーズスイッチ5がオンとなったときには、警告表示時に撮影禁止とする場合と休止前の設定値を復帰させる場合とで異なる処理となる。警告表示時に撮影禁止とする場合には、ステップS27において、レリーズスイッチ5がオンとなっても撮影禁止であるので、ステップS25に戻り警告表示状態を維持して、従前の処理を繰り返す(ステップS28)。休止前の設定値を復帰させる場合には、ステップS27において、レリーズスイッチ5がオンとなると、ステップS28において、休止前のFダイヤル値に復帰させて通常の撮影動作を行なう。
【0035】
このようにして、機械的なストッパ等を設けていないFダイヤル6等のダイヤル操作部により、絞り値(F値)またはその他の撮影情報を設定するタイプのカメラにおいて、メインスイッチ9のオフ操作や所定時間何も操作しない場合のタイマーによるオートパワーオフによる電源の休止中(オフ状態)に、ケースからのカメラの出し入れ、ポケットやバックの中におけるカメラと他の物体との接触等により、不用意にダイヤル等の操作部が動いてしまった場合に、撮影者がそれに気付かずに、その後の撮影を行なって、撮影に失敗することを防止することができる。
【0036】
なお、上述においては、警告手段として、フィルムカウンタ等の表示を行なう外部LCD3のいずれかの表示セグメントの特定の周期の点滅により、警告表示を行なうようにしたが、本発明の第2の実施の形態においては、図7に示すように、外部LCD3Aにフィルムカウンタ表示用のセグメント31Aの他に警告表示のみを行うための専用のセグメント32(例えば「F dial move」と表示される)を設けて、その点灯または点滅により、警告表示を行なうようにする。また、外部LCD3または3Aに限らず、ファインダ内LCD4等の表示セグメントの点滅等のように既存の表示部を利用してもよいし、設定変動の警告表示専用の表示用LCDを設けて、設定変動の警告表示をおこなうようにしてもよい(請求項5に対応する)。
【0037】
同様に、ファインダ横に配置されるAE(自動露出)警告用、測距情報用またはストロボ情報用のLEDおよびセルフタイマー用のLED等の表示用LED11、あるいは警告表示またはセルフタイマー用の発音体10を警告手段として用いてもよいし、警告表示専用のLEDおよび発音体の少なくとも一方を設けるようにしてもよい(請求項6〜9)。例えば、図8に示すように、ファインダ窓の側方に配置される表示用LED11には、例えば自動露出による撮影が不能の時に点灯または点滅させるAE警告用のLED11aおよび測距結果またはストロボ状態表示用のLED11b等がある。例えば、本発明の第3の実施の形態では、例えば、図8に示すAE警告用のLED11aを、通常のAE警告時とは異なる周波数にて点滅させるようにする。その他、ダイヤル操作部にダイヤル照明用のEL(エレクトロルミネセンス)表示装置等が設けられている場合には、それを点滅させるなどして警告表示を行なってもよい。
【0038】
さらに、本発明の第4の実施の形態では、Fダイヤル6Aの中央部またはその近傍に警告表示専用LED11Aを設け、この専用LED11Aを点滅させるようにする。
なお、本発明は、既存の表示器を用いるようにすれば、制御装置1等のソフトウエアの変更だけで実施することができ、ストッパ機構を設ける等のコスト的、機構的および空間的な検討および変更を行わずに実施することが可能であり、安価で、しかも手軽に実施することができる。また、本発明は、ダイヤル操作部のみならず、レバー式の操作部や、スライド式の操作部等、その操作位置により、設定内容が変化する操作部について応用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、被写体を撮影して被写体像を記録媒体に記録するとともに、該被写体の撮影に係る動作条件を制御設定し得るカメラにおいて、
当該カメラの動作電源をオン/オフする電源操作手段と、
前記動作条件設定内容を、機械的な位置を変更することで変更する設定操作手段と、
前記電源操作手段による前記動作電源のオフ操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を取得して記憶し、且つ前記電源操作手段による前記動作電源のオン操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を新たに取得して、先に記憶した前記動作電源のオフ時の設定状態と比較照合する状態照合手段と、
前記状態照合手段により、前記動作電源のオフ時とその後のオン時との設定状態が不一致であると判定した場合に、前記設定操作手段の機械的な位置が変更されたと判断し、操作状態変動を警告する警告手段とを、具備する構成としたので、例えば、ダイヤル式、レバー式、スライド式等からなる設定操作手段でもって機械的な位置を変更することで、動作条件の設定変更をして、電源を一旦オフとしてから再度電源をオンとするまでの間に、例えば、ケースからのカメラの出し入れ、ポケットやバッグの中におけるカメラと他の物体との接触あるいは携行中における他の物体との接触等により不用意にダイヤル等の設定操作手段の機械的位置が動いてしまった場合に、撮影者がそのことに気付かずに電源をオンとして撮影者の意に反して直前の電源オフ時の設定状態と異なった設定状態で誤って撮影されてしまうことを事前に警告することで、撮影の失敗を未然に且つ効果的に防止し得るカメラの誤撮影防止装置を提供することができる。
また、請求項1の発明によれば、設定操作手段の機械的位置が不用意に動いて動作条件が電源オフ直前の設定状態と変わってしまったことを状態照合手段が判断し、操作状態変動を警告手段で警告するように構成してあるので、例えば、操作ダイヤルや操作レバー等の機械的操作部の不用意な変動を防止するために機械的操作部を機械的にロックする機構を付設する必要がなく、従って構成の複雑化、製造コストの高騰化、スペースの増大化を回避することができ、
さらには、小さな力では不用意に作動することがないようにするために、作動に対する抵抗力を高め、大きな力を加えなければ、それらが作動しないようにする必要がなく、従って、操作が重くなり操作性が劣化したり、操作によって指が痛くなるなどの不具合を一掃し得るカメラの誤撮影防止装置を提供することができる。
【0040】
本発明の請求項2のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段による警告がなされている間は、前記カメラの撮影動作を禁止する撮影制御手段をさらに具備する構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、警報と同時に撮影を抑止して、効果的に失敗撮影を防止することができる。
本発明の請求項3のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段による警告がなされている間に撮影操作がなされたときには、前記状態照合手段により記憶された前記動作電源オフ操作時における前記設定操作手段による設定状態の情報に従って前記カメラの撮影動作を制御する撮影制御手段をさらに具備する構成により、特に、設定状態の変動を検出した際に、ダイヤルまたはレバーによる設定状態にかかわらず従前の状態での撮影を可能とし、効果的に失敗撮影を防止することができる。
【0041】
本発明の請求項4のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段が、他の情報表示用に設けられた表示手段を兼用して警告を表示させる手段を含むことにより、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単且つ安価な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項5のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段が、警告表示のみを行うための専用の警告表示手段を含むことにより、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し容易且つ確実に設定状態の変動を警告することができる。
本発明の請求項6のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記表示手段が、他の情報表示用に設けられた発光表示手段を兼用できるので、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単且つ安価な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を視覚に訴えて警告することができる。
【0042】
本発明の請求項7のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告表示手段が、専用の発光表示手段を含むことにより、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し容易且つ確実に設定状態の変動を視覚に訴えて警告することができる。
本発明の請求項8のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記表示手段が、他の情報表示用に設けられた発音手段を兼用できるので、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単且つ安価な構成で、撮影者に対し確実に設定状態の変動を聴覚に訴えて警告することができる。
本発明の請求項9のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告表示手段が、専用の発音手段を含むことにより、特に、設定状態の変動を検出した際に、簡単な構成で、撮影者に対し容易且つ確実に設定状態の変動を聴覚に訴えて警告することができる。
【0043】
本発明の請求項10のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段による警告動作を、前記設定操作手段による前記動作条件の設定変更の再操作によって終了させる手段をさらに具備する構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
本発明の請求項11のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段による警告動作を、当該カメラの撮影操作によって終了させる手段をさらに具備する構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
本発明の請求項12のカメラの誤撮影防止装置によれば、前記警告手段による警告動作を、前記電源操作手段による前記動作電源のオフ動作および当該カメラの裏蓋の開閉動作のうちの少なくとも一方によって終了させる手段をさらに具備する構成により、特に、設定状態の変動を検出した際の撮影者への警告を適正に解除することができる。
本発明の請求項13のカメラによれば、請求項1〜12のいずれか1項に記載された誤撮影防止装置を備える構成としたので、例えば、ダイヤル式、レバー式、スライド式等からなる設定操作手段でもって機械的な位置を変更することで、動作条件の設定変更をして、電源を一旦オフとしてから再度電源をオンとするまでの間に、例えば、ケースからのカメラの出し入れ、ポケットやバッグの中におけるカメラと他の物体との接触あるいは携行中における他の物体との接触等により不用意にダイヤル等の設定操作手段の機械的位置が動いてしまった場合に、撮影者がそのことに気付かずに電源をオンとして撮影者の意に反して直前の電源オフ時の設定状態と異なった設定状態で誤って撮影されてしまうことを事前に警告することで、撮影の失敗を未然に且つ効果的に防止し得るカメラの誤撮影防止装置を提供することができる。
また、請求項1の発明によれば、設定操作手段の機械的位置が不用意に動いて動作条件が電源オフ直前の設定状態と変わってしまったことを状態照合手段が判断し、操作状態変動を警告手段で警告するように構成してあるので、例えば、操作ダイヤルや操作レバー等の機械的操作部の不用意な変動を防止するために機械的操作部を機械的にロックする機構を付設する必要がなく、従って構成の複雑化、製造コストの高騰化、スペースの増大化を回避することができ、
さらには、小さな力では不用意に作動することがないようにするために、作動に対する抵抗力を高め、大きな力を加えなければ、それらが作動しないようにする必要がなく、従って、操作が重くなり操作性が劣化したり、操作によって指が痛くなるなどの不具合を一掃し得るカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの誤撮影防止装置を組み込んだカメラの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】図1のカメラにおけるモードスイッチによるモード切換え動作を説明するための模式図である。
【図3】図1のカメラにおける休止時の絞りダイヤル値の記憶動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1のカメラにおける休止状態からの復帰時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1のカメラにおける状態遷移を説明するための模式図である。
【図6】図1のカメラにおける外部液晶表示装置のフィルムカウンタ表示を利用した状態変動の警告表示を説明するための模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るカメラの誤撮影防止装置を組み込んだカメラにおける外部液晶表示装置の警告表示専用セグメントを用いた状態変動の警告表示を説明するための模式図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るカメラの誤撮影防止装置を組み込んだカメラにおけるファインダ内の自動露出警告用の発光ダイオードを用いた状態変動の警告表示を説明するための模式図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るカメラの誤撮影防止装置を組み込んだカメラにおける絞り値ダイヤル部に警告表示専用の発光ダイオードを用いた状態変動の警告表示を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 制御装置
2 メモリ
3,3A 外部液晶表示装置(外部LCD)
4 ファインダ内液晶表示装置(ファインダ内LCD)
5 レリーズスイッチ
6,6A 絞りダイヤル(Fダイヤル)
7 裏蓋スイッチ
8 モードスイッチ
9 メインスイッチ
10 発音体
11 表示用発光ダイオード(表示用LED)
11A 警告表示専用LED
11a AE(自動露出)警告用LED
11b ストロボ状態表示用LED
31,31A フィルムカウンタ表示用のセグメント
32 警告表示専用セグメント

Claims (13)

  1. 被写体を撮影して被写体像を記録媒体に記録するとともに、該被写体の撮影に係る動作条件を制御設定し得るカメラにおいて、
    当該カメラの動作電源をオン/オフする電源操作手段と、
    前記動作条件設定内容を、機械的な位置を変更することで変更する設定操作手段と、
    前記電源操作手段による前記動作電源のオフ操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を取得して記憶し、且つ前記電源操作手段による前記動作電源のオン操作時に前記設定操作手段の位置に基づく設定状態を新たに取得して、先に記憶した前記動作電源のオフ時の設定状態と比較照合する状態照合手段と、
    前記状態照合手段により、前記動作電源のオフ時とその後のオン時との設定状態が不一致であると判定した場合に、前記設定操作手段の機械的な位置が変更されたと判断し、操作状態変動を警告する警告手段と
    を具備することを特徴とするカメラの誤撮影防止装置。
  2. 前記警告手段による警告がなされている間は、前記カメラの撮影動作を禁止する撮影制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  3. 前記警告手段による警告がなされている間に撮影操作がなされたときには、前記状態照合手段により記憶された前記動作電源オフ操作時における前記設定操作手段による設定状態の情報に従って前記カメラの撮影動作を制御する撮影制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  4. 前記警告手段は、他の情報表示用に設けられた表示手段を兼用して警告を表示させる手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  5. 前記警告手段は、警告表示のみを行うための専用の警告表示手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  6. 前記警告表示手段は、発光表示手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  7. 前記警告表示手段は、発光表示手段を含むことを特徴とする請求項5に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  8. 前記警告表示手段は、発音手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  9. 前記警告表示手段は、発音手段を含むことを特徴とする請求項5に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  10. 前記警告手段による警告動作を、前記設定操作手段による前記動作条件の設定変更の再操作によって終了させる手段をさらに具備することを特徴とする請求項1、および請求項3〜9のうちのいずれか1項に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  11. 前記警告手段による警告動作を、当該カメラの撮影操作によって終了させる手段をさらに具備することを特徴とする請求項1、および請求項3〜10のうちのいずれか1項に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  12. 前記警告手段による警告動作を、前記電源操作手段による前記動作電源のオフ動作および当該カメラの裏蓋の開閉動作のうちの少なくとも一方によって終了させる手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のカメラの誤撮影防止装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載された誤撮影防止装置を備えたことを特徴とするカメラ。
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