JP3593177B2 - カメラのシャッタ制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シャッタ駆動制御不良時の処理を的確に行うことができるカメラのシャッタ制御装置に関する。
【0002】
【0003】
【従来の技術】
シャッタが正常に作動しないときフイルム巻き上げを禁止するなどの誤動作を防止するようにしたカメラがある。特開昭55−53319号公報記載のものはその一つで、シャッタを閉じる電磁石が作動しないことを検出してシャッタレリーズ給電保持回路のリセットを禁止することにより、電気シャッタカメラの電気的及び機械的故障による誤動作を防止するようにしたものである。特開平2−282735号公報記載のものは別の例で、シャッタ誤動作を検出したとき、そのときの撮影駒のフイルム巻き上げを禁止し、シャッタ誤動作が解除された直後に誤動作発生時の撮影駒のフイルム巻き上げを行うようにしたものである。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シャッタ駆動制御不良を検出してシャッタレリーズを禁止するカメラは、上記特開昭55−53319号公報及び特開平2−282735号公報にもあるとおり、よく知られている。しかし、シャッタ駆動制御不良検出後、シャッタレリーズ禁止を解除する手段及びシャッタレリーズ禁止解除のタイミングについては知られていない。なぜなら、フイルムがカメラ内に装填されているため、シャッタレリーズ禁止を解除したくてもできないからである。
【0008】
そこで本発明は、シャッタ駆動制御不良が発生したときは、その後フイルムをカメラに装填して最初の撮影駒にセット(以下、ファーストフレームセットの略である「FFセット」という)前にシャッタ駆動を行うことにより、シャッタ駆動制御不良解除の可能性を探り、シャッタ駆動制御不良が解除された場合はそのまま通常の動作を行うようにし、シャッタ駆動制御不良が解除されない場合はFFセットすることなくフイルムセット不良を表示するようにしたカメラのシャッタ制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、シャッタレリーズ時にシャッタ駆動制御不良を判定するシャッタ判定部と、シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定したとき次のレリーズを禁止するレリーズ禁止部と、裏蓋が閉じられたことを検出する裏蓋閉動作検出部と、裏蓋閉動作検出部が裏蓋閉を検出したときフイルムをFFセットする前にシャッタリセットを実行するシャッタリセット部とを有し、レリーズ禁止部は、シャッタリセット後シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定した場合はフイルムを最初の撮影駒にセットしないことを特徴とする。
請求項2記載の発明のように、レリーズ禁止部は、シャッタリセット後再度シャッタ判定部がシャッタ駆動不良と判定すればフイルムを最初の撮影駒にセットすることなくフイルムセット不良を表示するようにしてもよい。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】
請求項1記載の発明では、シャッタレリーズ時にシャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定すると、レリーズ禁止部が次のレリーズを禁止する。その後、フイルムを装填するなどして裏蓋が閉じられたことを検出すると、フイルムの最初の駒(ファースト・フレーム:FF)にセットする前にシャッタリセット部がシャッタリセットを実行する。シャッタリセットの結果、シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定しなければ、シャッタが正常に回復したものと判断し、通常の撮影を行うことができる。シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定すれば、フイルムは最初の撮影駒にセットされない。
【0016】
請求項2記載の発明では、シャッタリセットの結果、シャッタ判定部が再度シャッタ駆動制御不良と判定した場合、フイルムをファースト・フレームにセットすることなくフイルムセット不良を表示する。
【0017】
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるカメラのシャッタ制御装置の実施例について説明する。図1は、本発明の実施例に用いられる回路の電装ブロックを示しており、主にCPU1とインターフェース(以下「IF」という)IC20により構成されている。CPU1には電池2からDC−DCコンバータ3を介して一定電圧の電源が供給される。CPU1にはリセットIC4、リモコンIC5、測光データを入力するAEIC6、測距データを入力するAFIC7、デート写し込み用LED8、クロック発振器9、ストロボ発光器11、外部液晶表示素子(以下液晶表示素子は「LCD」という)12、レリーズボタンに連動する操作スイッチ13、ファインダ表示LCD14のドライバ15、各種調整値等を記憶するEEPROM16、調整や検査時に使用するパソコン10が接続されている。
【0019】
上記IFIC20は、定電圧制御トランジスタ24を制御してその定電圧出力を制御する。IFIC20には、合焦レンズ等を駆動するパルスモータ22の定電圧ドライバ21、表示LED23、ズームモータ32及びフイルム給送モータ33のドライバ31、シャッタ35のドライバ34、セルフタイマ動作その他各種の表示を行うランプ37のドライバ36、シャッタ動作その他各部の動作を検出するホトリフレクタ(PR)及びホトインタラプタ(PI)38、フイルム感度その他フイルムに関する各種データをフイルムパトローネの接点から検知するDXスイッチ39が接続されている。
【0020】
CPU1は、リセットIC4によりリセットされると、DC−DCコンバータ3を起動して、例えば5Vの定電圧を各ICに供給する。各ICは動作時以外は消費電流が少ないパワーセーブ機能を内蔵している。IFIC20はCPU1からのシリアル通信データによりコントロールされる。CPU1は、操作スイッチ13の動作を定期的に検出し、レリーズボタンが押されたと判断した場合は、AEIC6より測光データを、AFIC7より測距データを取り込み、ストロボ発光器11の充電電圧のチェック、外部LCD12、ファインダLCD14、表示LED23による所定の表示を行い、パルスモータ22を駆動して測距データから得られる所定位置まで合焦レンズを繰り出した後、シャッタ開閉制御を行う。
【0021】
シャッタ開閉制御は、CPU1からのシリアル通信データに基づき、IFIC20で定電圧制御トランジスタ24の動作を制御してシャッタ駆動電圧を設定し、また、シャッタからの反射光を検出することによりシャッタの動作を検出するホトリフレクタ(以下「PR」という)信号を処理することによって行われる。シャッタ制御時に、被写体輝度が低輝度である場合などには、ストロボ11がシャッタの動作に合わせて発光する。ストロボ発光は、発光タイミングによる制御すなわちシャッタが開く途中の適宜の開口値で発光させる前記FM制御と、発光時間を制御して適正露光にする前記GNO制御と、これらFMとGNO制御を組み合わせた制御とがあり、これによって適正露光となるようにしている。
【0022】
図1において、IFIC20の一部、定電圧制御トランジスタ24、定電圧ドライバ21、パルスモータ22を含む部分は、フォーカス駆動電圧、フォーカスホールド時のホールド電圧、シャッタ駆動時の駆動電圧を設定する電圧設定部40を構成している。この電圧設定部40の具体例を図2に示す。図2において、パルスモータ22はフォーカスレンズを駆動する。シャッタは図示されない電磁式プランジャ等によって駆動される。定電圧制御トランジスタ24の出力は定電圧ドライバ21を経てパルスモータ22に供給される。IFIC20は、そのVSENS端子に入力された定電圧制御トランジスタ24の出力電圧が前記CPU1の設定電圧と一致するように、VCONT端子から制御信号を出力して定電圧制御トランジスタ24を制御する。IFIC20のFPMV端子は定電圧ドライバ21の出力電圧切換信号を出力する端子で、「L」の時は、定電圧ドライバ21を機能させ、基準電圧を抵抗R1と抵抗R2の比率によって分圧した定電圧でパルスモータ22を駆動し、「H」の時は、定電圧ドライバ21を機能させることなく、定電圧制御トランジスタ24の定電圧出力でパルスモータ22を駆動する。IFIC20のFPM0ないしFPM3端子はパルスモータ22を駆動制御するためのパルス制御出力端子である。
【0023】
次に、本発明に用いられる各種ROMテーブルの例について説明する。図10は、シャッタ秒時・F値ROMテーブルの例を示す。シャッタ秒時ROMテーブルは、EV3.5から17(シャッタ秒時:約1.4秒から1/400秒)のとき、AESTEPを60から168にし、これをROMSTEPすなわちROMのアドレスをAESTEPから60引いた値0から108に対応させている。従って、ROMSTEPは0.125EVステップになっている。また、F値ROMテーブルは、シャッタ秒時ROMテーブルで、EV3.5から17のとき、AV4から10(F値:約4から32)に対応させ、そのときのFMSTEPを0から24に対応させている。従って、FMSTEPは0.25ステップになっている。このように、AESTEPをROMSTEPに一定の関係で対応させ、ROMSTEPを選択することによりシャッタ秒時とF値及びFMSTEPが得られるようにROMテーブルが準備されている。
【0024】
図11(a)は、SYSTEP表すなわちストロボ発光制御時のFMSTEPとGNOSTEPの組み合わせ例を示す。SYSTEPは0から38まであるが、SYSTEP0から4まではF値が解放の4.00から5.66までで、この間のGNOは16.00のフル発光でストロボFM制御のみが行われる。また、この間のFMSTEPは0から4である。SYSTEP5から28まではF値が解放の4.00から1段(1EV分)落ちた5.66で変わらず、GNOは14.67から2.00まででこの間のGNOSTEPを1から24としてストロボGNO制御を行うとともに、FMSTEPを4に固定してストロボFM制御を1段のみ組み合わせるようになっている。SYSTEP29から38まではF値が6.17から13.45までで、この間のGNOは2.00、GNOSTEPは24に固定され、FMSTEPは5から14に設定され、ストロボGNO制御とストロボFM制御が組み合わせられるようになっている。
【0025】
図11(b)はFMROMテーブルの例を示すもので、AV4から7.5(F値:約4から13)をFMSTEPを0から14で表している。図11(c)はGNOROMテーブルの例を示すもので、GNO16から2をGNOSTEP0から24で表している。以上説明した図10、図11に示すテーブルは、レンズの解放絞り値、ストロボ発光器のフル発光時のGNO.その他各種設計条件によって異なる。
【0026】
次に、本発明装置の動作の具体例について説明する。まず、図12に示すタイミングチャートを参照しながらシャッタ作動中のフォーカスホールド動作について説明する。図12において、PIは、図1に示すホトリフレクタ(PR)及びホトインタラプタ(PI)38からIFIC20に入力されるシャッタやフイルム給送機構その他各部の動作信号である。MAGはシャッタレリーズ用マグネット駆動信号、SYはストロボ発光信号である。レリーズボタンの押し下げによって図1に示す操作スイッチ13が動作すると、IFIC20の各端子FPM0ないしFPM3から測距データに応じた数のパルス信号が出力され、これらのパルス信号に応じてパルスモータ22が駆動され、フォーカスレンズが繰り出されて被写体へのフォーカスが行われる。この各端子FPM0ないしFPM3から出力される各パルス信号は、パルスモータ22を正転させるように位相がずらされている。フォーカス駆動の間FPMV信号は「H」となっていて、定電圧ドライバ21は定電圧制御トランジスタ24の定電圧すなわち比較的高い電圧でパルスモータ22を駆動する。
【0027】
レンズ繰り出しによって合焦した後上記MAG信号が出力されてシャッタが開閉動作する。シャッタの開閉動作は、PI信号の反転によって検出することができる。また、レンズ繰り出しによって合焦した後は、パルスモータ22に一定電圧が通電されてフォーカスレンズによるフォーカス位置がホールドされるが、このとき上記FPMV信号が「L」となって、定電圧ドライバ21が機能し、パルスモータ22へは上記フォーカス駆動時の駆動電圧よりも低いホールド電圧が供給される。上記ホールド電圧は上記シャッタ駆動時の電圧と同じ電圧に設定されていてもよい。
【0028】
シャッタの開閉動作後、IFIC20の上記各端子FPM0ないしFPM3からパルス信号を出力し、パルスモータ22を駆動してフォーカスレンズを原点まで戻す。このとき各端子FPM0ないしFPM3から出力される各パルス信号は、パルスモータ22を逆転させるように位相がずらされている。フォーカスレンズの上記原点とは、フォーカスレンズの全移動ストロークの一端側のことである。続いて上記各端子FPM0ないしFPM3から一定数のパルス信号を出力し、パルスモータ22を正転させ、フォーカスレンズを基準位置まで繰り出させる。このように、フォーカスレンズを原点まで移動させた後基準位置まで繰り出させることにより、フォーカス時のレンズ移動に無駄な部分をなくすことができ、フォーカスに要する時間を早めることができる。上記フォーカスレンズの原点までの戻し駆動及び基準位置までの繰り出し駆動の間は、FPMV信号は「H」となって比較的高い電圧でパルスモータ22を駆動する。なお、フォーカスレンズが原点あるいは基準位置に至ったことの検出は、PI信号が出力されることによって行うことができる。
【0029】
図3ないし図7は、上記フォーカスホールド動作を含むレリーズシーケンスフローチャートである。図3において、レリーズされると、ストロボ発光フラグSTBFが1であるかどうかを判定し、1の場合すなわちストロボ発光の場合は赤目軽減フラグAKAMEFが1かどうか判定し、1の場合すなわち赤目軽減フラグが立っている場合は赤目軽減タイマを設定しスタートさせ、ストロボ赤目軽減発光を行う。上記STBFが立たず、またAKAMEFが立たない場合及びストロボ赤目軽減発光後、AFLEDすなわち測距表示LED、STLEDすなわちストロボLED、FLCDすなわちファインダ測距表示LCDを消灯させる。次に、PDON_Sすなわちフォーカス駆動電圧設定、LENF_Sすなわちフォーカス繰り出し駆動、PMHOLD_Sすなわちシャッタ駆動時のフォーカスホールド電圧設定(図4参照)を順に行う。
【0030】
図5は、上記フォーカス駆動電圧設定PDON_Sのサブルーチンを示す。図5において、前記電圧設定部40がIFIC20のFPMV(図2参照)を1としてフォーカス駆動電圧を設定し、フォーカスレンズがフォーカス位置まで移動してフォーカスフォトインタラプタ(PI)がオンすることによりフォーカスホールド駆動し、このルーチンを終了する。図6は、上記シャッタ駆動時のフォーカスホールド電圧設定PMHOLD_Sのサブルーチンを示す。図6において、FPMVを0としてホールド電圧を設定する。前述の通り、フォーカスホールド電圧はフォーカス駆動電圧よりも低い電圧に設定されている。ホールド電圧は上記シャッタ駆動時の電圧と同じ電圧に設定されていてもよい。その後シャッタを駆動するためにシャッタ駆動電圧を設定すると、図2ではシャッタ駆動電圧が定電圧ドライバ21を経てパルスモータ22にはシャッタ電圧(フォーカス電圧)より低いホールド電圧が設定される。例えばフォーカス駆動電圧を5V、シャッタ駆動電圧を2.5Vで駆動できるように設計すれば、定電圧ドライバ21を定電圧機能のないドライバとすることでシャッタ駆動時にホールド電圧は2.5Vとなり、フォーカス電圧より低い電圧でしかもシャッタ駆動電圧に等しい電圧となる。シャッタの動作を検出するPR信号を検出するために、フォーカスフォトインタラプタをオフする。
【0031】
図4に戻って、再びストロボ発光フラグSTBFが1であるかどうかを判定し、1の場合は赤目軽減フラグAKAMEFが1かどうか判定し、1の場合はストロボ充電を開始し、ストロボ充電電圧ROKがストロボフル充電電圧FC以上になり、また、赤目軽減時間終了を待ってストロボの充電を終了させ、シャッタを駆動する。このとき上記STBFが1の場合はストロボも発光させる。続いて、前記フォーカス駆動電圧設定PDON_Sを図5のサブルーチンに従って実行し、フォーカス繰り出し駆動LENF_Sを実行し、フォーカス駆動オフPDOFF_Sを実行する。フォーカス駆動オフPDOFF_Sは、図7に示すサブルーチンに従って実行される。すなわち、上記FPMVを1とした後フォーカス駆動オフ、フォーカス駆動電源をオフ、フォーカスフォトインタラプタをオフとしてこのサブルーチンを終了する。これとともにレリーズシーケンスが終了する。
【0032】
以上説明したように、シャッタ動作中にフォーカスレンズ駆動用パルスモータに電源が供給されてフォーカスホールドされるため、シャッタ動作中に振動等によってフォーカスレンズに力が加わっても、フォーカスレンズが移動することはない。また、電気的にフォーカスホールドされ、フォーカスホールドのための機構を付加する必要がないから、部品数が少なく簡単な構成でフォーカスホールド機能を付加することができる。そして、フォーカスホールドのためにパルスモータに供給する電源の電圧は、電圧設定部40によってフォーカス駆動時の駆動電圧とは異なるホールド電圧、より具体的には、フォーカス駆動時の駆動電圧よりも低いシャッタ駆動時の駆動電圧に設定しているため、フォーカスホールド時の消費電力が軽減され、容量の面で条件の厳しいカメラの電源電池にとっては、極めて有効である。
【0033】
次に、シャッタ駆動制御不良時の動作について図13を参照しながら説明する。図13の(a)はフイルム装填後の動作を、(b)はフイルム装填時の動作を示す。図13(a)は、フォーカスレンズが繰り出されて被写体に合焦した後MAGが「H」となってシャッタが動作し、これに同期してストロボが発光し、シャッタが正常に動作せず、PIが「H」のままで撮影が正常に行われなかったことを示している。撮影後は前述の通りフォーカスレンズの原点までの戻し動作及び基準位置までの繰り出し動作が行われる。続いて、図1に示す給送モータ33が駆動され、フイルムが1駒分巻き上げられる。フイルムの1駒分の巻き上げは、フイルムのパーフォレーションを所定数検出するまで、すなわち図13(a)に示すようにパーフォレーション検出によって出力されるPI信号が8個となるまで給送モータ33を駆動することによって行うことができる。
【0034】
シャッタ駆動制御不良の場合は、MAG信号が「H」になってもPI信号が「H」から「L」に変化しないため、シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定し、次の動作に進むことができず、レリーズ禁止部が次のレリーズを禁止する。ちなみに、シャッタ駆動制御不良の場合、シャッタ開の時にもシャッタ閉の時にもPI信号が反転しないから、何れの場合にもシャッタ駆動制御不良と判断することができる。シャッタ駆動制御不良と判断され次のレリーズが禁止された場合は、裏蓋を開けてフイルムを装填し直す。フイルムを装填して裏蓋を閉じると、これを裏蓋閉動作検出部が検出してシャッタリセット部によりシャッタリセットが実行され、図13(b)に示すようにバッテリーチェックが行われた後MAG信号によりシャッタ開動作が行われる。このときシャッタ駆動制御不良が復帰してシャッタが正常に動作すれば、シャッタ開によってPI信号が「H」「L」「H」と反転し、シャッタが正常に復帰したことがわかるので、次の動作としてこの例では予備巻きすなわち装填されたフイルムをパトローネから引き出して一旦巻き取りリールに巻き取ってしまう動作を行う。その後、フイルムをパトローネ側に巻き取って最初の撮影駒にセット(FFセット)する。仮に、上記裏蓋閉によってもPI信号が反転しなければ、シャッタ駆動制御不良と判断することができるので、予備巻き及びこれに続くFFセットを禁止する。また、このときフイルムセット不良であることを表示する。
【0035】
図8に示す裏蓋開閉時の動作URAC_Sフローチャートを用いて、シャッタ駆動制御不良時に裏蓋開閉動作をした場合の処理を説明する。図8において、裏蓋が開閉されると、まずシャッタ判定部でシャッタ駆動不良(NG)フラグSNGFが立つかどうかを判定する。SNGFが立った場合(SNGF=1の場合)は、図10について説明したAESTEPをLOWEVに設定する。LOWEVとは、これ以上被写体輝度が低くなるとシャッタ秒時が手振れを生じる長時間秒時となるEV値のことで、AESTEPがLOWEV以上であれば、短時間秒時となる。AESTEPをLOWEVに設定すると同時にSTBF=0すなわちストロボ発光しないと設定し、AE3_Sでシャッタ駆動を実行する。シャッタ駆動を実行した結果、SNGFが立たなければ予備巻きを実行し、再びSNGFが立てば予備巻き失敗を表示して動作を終了する。
【0036】
一旦シャッタ駆動制御不良となって次のレリーズが禁止されても、シャッタをリセットして再びシャッタ開閉動作を行わせてみると、シャッタが回復して正常に動作することがあるので、上記の例では、裏蓋開閉動作検出部が裏蓋閉を検出したとき、フイルムを最初の撮影駒にセットする前にシャッタリセット部によってシャッタリセットを実行し、シャッタリセット後シャッタ判定部が再びシャッタ駆動制御不良と判定して初めてフイルムセット不良を表示し、再びシャッタ駆動制御不良と判定しなければ通常の動作に移行するようにした。
【0037】
次に、ストロボ発光制御演算動作を、図9を参照しながら説明する。レリーズスイッチが押されると、ストロボ発光制御演算動作FMSTEPCが実行され、まずシャッタ秒時設定部が測光データに基づきシャッタ秒時を設定し、次に、F値選定部が、図10に示すROMテーブルから上記シャッタ秒時と組み合わせられるF値のAESTEPを選定し、このAESTEPがシャッタ秒時高低判定値FM_EV以上であるかどうか、換言すれば、F値選定部で求めたF値がシャッタ開放値(図示の例では4.00である)に近いかどうか判定する。ここでは例えばFM_EVを図10のテーブルで124ステップ目、EV11.5に設定している。シャッタが開放値になる場合すなわちシャッタ低速秒時の場合は、FMSTEP_LOとし、シャッタが開放値にならない場合すなわちシャッタ高速秒時の場合は、FMSTEP_HIとする。
【0038】
シャッタ低速秒時の場合は、ストロボ露出計算値SYSTEPとストロボ露出補正値FMSHIFTを図11に示すテーブルから選択し、レジスタAにSYSTEP−FMSHIFTを入力し、次にSYSTEPがFMSHIFT以上であるかどうかを判定する。実施例ではFMSHIFT=16と設定した。SYSTEPがFMSHIFT以下であれば、ストロボFM制御値FMSTEP=0、ストロボGNO制御値GNOSTEP=0と設定し、図11(b)(c)の各0ステップでストロボFM制御部及びストロボGNO制御部がストロボを発光制御する。SYSTEPがFMSHIFT以上であれば、図11のテーブルからSYSTEPが5以上であるかどうかを判断する。SYSTEPが5以下であれば、ストロボFM制御値FMSTEP=A、ストロボGNO制御値GNOSTEP=0と設定し、ストロボをフル発光させてFM制御のみを行う。上記SYSTEPが5以上であれば、次にSYSTEPが28以上であるかどうかを判断する。SYSTEPが28以下であれば、図11(a)のテーブルに従い、FMSTEP=4、GNOSTEP=SYSTEP−4と設定し、F値を開放値から1段絞った値に設定してストロボFM制御とストロボGNO制御の組み合わせで制御する。上記SYSTEPが28以上であれば、図11(a)のテーブルに従い、FMSTEP=SYSTEP−24、GNOSTEP=24と設定し、ストロボFM制御とストロボGNO制御の組み合わせで制御する。
【0039】
次に、シャッタ高速秒時の場合すなわちシャッタが開放F値又はこれに近いF値にならない場合は、シャッタ露出計算値AESTEPとシャッタ高速秒時でのストロボ発光適正露出調整値FM_EV_Yを求めてその差AESTEP−FM_EV_YをレジスタAに入力し、次にAが0以上であるかどうかを判定する。実施例ではFM_EV_Y=60である。Aが0以下であればA=0(すなわち、図11(b)において開放F値の4.00となる)とおいてレジスタXに入力する。Aが0以上であれば、次にAが108より大きいかどうか判定し、Aが108より大きい場合はA=108としてレジスタXに入力し、Aが108より小さい場合はAの値をレジスタXに入力する。以上の演算は、F値判定部によって行われる。
【0040】
次に、レジスタYをY=ROM[EVTOF_TBL+X]とおく。ここで、EVTOF_TBLは、シャッタ秒時からFNO.を求める図10に示すテーブルの先頭ROMアドレスのことである。次に、レジスタAをA=SYSTEP−FMSHIFTとし、このAの値が0以上かどうかを判定する。このAの値が0以下の場合はROMアドレスが存在しないからFMSTEPもGNOSTEPも0に設定し、図11(b)(c)に示す各ROMテーブルの0ステップに従い、ストロボFM制御とストロボGNO制御の組み合わせで撮影を行う。一方、上記Aが0以上の場合はレジスタAをA−Yとおき、このときのレジスタAの値が0以下の場合はROMアドレスが存在しないから上記のようにFMSTEPもGNOSTEPも0に設定してストロボFM制御とストロボGNO制御の組み合わせで撮影を行う。上記Aが0以上の場合は、図11(c)に示すGNOテーブルが24ステップまでしかないからAが24以上の場合はAを24に設定し、Aが24以下の場合はその値にAを設定し、FMSTEPを0、GNOSTEPをAとして、FM制御とストロボGNO制御の組み合わせで撮影を行う。このようなストロボによる撮影は、シャッタ動作波形の山頂において行われる。
【0041】
このように、ガイドナンバー演算部でストロボガイドナンバーを演算するに当たり、シャッタ秒時設定部によって設定されたシャッタ秒時から、予め用意されたROMテーブルを用いてそのときのF値を求め、このF値とフイルム感度と測距データに基づいてストロボガイドナンバーを演算するようにしたため、迅速に演算することができる。また、上記テーブルからシャッタ秒時に対応するF値を検出し、検出したF値に基づいてGNO制御演算を行うようにしたため、レンズシャッタカメラにおいて日中シンクロによるGNO制御を行った場合でも、適正露光による撮影が可能になった。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、シャッタレリーズ時にシャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定すると、レリーズ禁止部が次のレリーズを禁止し、その後、フイルムを装填するなどして裏蓋が閉じられたことを検出すると、フイルムの最初の駒にセットする前にシャッタリセット部がシャッタリセットを実行する。シャッタリセットの結果、シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定しなければ、通常の撮影を行うことができる。シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定すれば、フイルムは最初の撮影駒にセットされない。
【0043】
請求項2記載の発明では、シャッタリセット後シャッタ判定部が再度シャッタ駆動制御不良と判定した場合はフイルムセット不良を表示するため、この表示によって適切な処置をとることができる。
【0044】
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカメラのシャッタ制御装置の実施例を示すブロック図である。
【図2】上記実施例中の電圧設定部の具体例を示す回路図である。
【図3】本発明装置のフォーカスホールド動作の例を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す動作に続く動作を示すフローチャートである。
【図5】上記の動作の中でフォーカス駆動電圧設定動作の例を示すフローチャートである。
【図6】上記の動作の中でフォーカスホールド電圧設定動作の例を示すフローチャートである。
【図7】上記の動作の中でフォーカスオフ動作の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明装置の裏蓋開閉時の動作の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明装置のストロボ発光制御演算動作の例を示すフローチャートである。
【図10】本発明装置に用いることができるシャッタ秒時・F値ROMテーブルである。
【図11】本発明装置に用いることができるSYSYEP表、FM及びGNOROMテーブルである。
【図12】本発明装置のレンズ駆動及びフォーカスホールド電圧設定動作の例を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明装置のシャッタ駆動制御不良時の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 中央処理ユニット
35 シャッタ
40 電圧設定部
Claims (2)
- シャッタレリーズ時にシャッタ駆動制御不良を判定するシャッタ判定部と、
シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定したとき次のレリーズを禁止するレリーズ禁止部と、
裏蓋が閉じられたことを検出する裏蓋閉動作検出部と、
裏蓋閉動作検出部が裏蓋閉を検出したときフイルムを最初の撮影駒にセットする前にシャッタリセットを実行するシャッタリセット部と、を有し、
上記レリーズ禁止部は、シャッタリセット後シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定した場合はフイルムを最初の撮影駒にセットしないことを特徴とするカメラのシャッタ制御装置。 - シャッタレリーズ時にシャッタ駆動制御不良を判定するシャッタ判定部と、
シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定したとき次のレリーズを禁止するレリーズ禁止部と、
裏蓋が閉じられたことを検出する裏蓋閉動作検出部と、
裏蓋閉動作検出部が裏蓋閉を検出したときフイルムを最初の撮影駒にセットする前にシャッタリセットを実行するシャッタリセット部と、を有し、
上記レリーズ禁止部は、シャッタリセット後再度シャッタ判定部がシャッタ駆動制御不良と判定した場合はフイルムを最初の撮影駒にセットすることなくフイルムセット不良を表示するカメラのシャッタ制御装置。
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JP09404895A JP3593177B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | カメラのシャッタ制御装置 |
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