JP3941394B2 - 塗色の変退色評価方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実際の変退色試験を行うことなく、かつ実際の変退色試験と高い相関性をもって、着色塗膜の変退色を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの製品に対する市場のニーズが多様化し、また流行の移り変わりも早くなっており、ニーズに適合した製品をタイムリーに提供することが重要となっている。自動車の塗色においても例外ではなく、新色の開発期間の短縮が課題となっている。
【0003】
自動車の外板塗膜の場合には、物性及び作業性と耐候性がきわめて重要な特性であり、これらの特性が規格に合格して初めて実車への塗装が行われる。耐候性のうち塗色の変退色については、塗膜の色調が外観品質の評価を決定するため、信頼性が十分でない促進耐候性試験機は補助的に用い、実際の屋外暴露試験を行って評価されるのが通常である。しかし屋外暴露試験では、塗膜の樹脂成分の劣化と顔料の劣化が徐々に進行するため、きわめて長期間の試験が必要である。
【0004】
また着色顔料も新製品が次々と開発され、それぞれの顔料を単独で含む塗色については予め屋外暴露試験によるデータが蓄積されている。しかしながら、実際の塗色では複数の着色顔料が混合され、しかもアルミニウム箔やマイカなどの光輝材が含まれることも多い。光輝材が含まれることによって塗膜中の着色顔料濃度が低くなるために、蓄積されたデータよりも変退色が目立つ場合も多い。
【0005】
したがって新色の開発の場合には、その塗色を実際に塗膜として形成し、それに長期間の屋外暴露試験を行って評価せざるを得ず、この評価期間が新色の開発期間の短縮のネックとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、実際の屋外暴露試験を行うことなく、複数種類の着色顔料が任意の比率で含まれた塗色の変退色性を速やかに予測することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の塗色の変退色評価方法の特徴は、複数の着色顔料と光輝材とを含むメタリック塗色の変退色を評価する方法であって、
一種の着色顔料と光輝材とが異なる少なくとも二種の比率で混合された塗料からそれぞれ塗膜を形成する塗膜形成ステップと、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')をそれぞれ測色する測色ステップと、それらの値から変退色試験前後における表色値の回帰式をそれぞれ演算する回帰ステップとを行い、
塗膜形成ステップ、測色ステップ及び回帰ステップを目的とする塗色に用いる複数の着色顔料全てについてそれぞれ行って複数の回帰式を用意し、
目的とする塗色中に1〜n種含まれる各着色顔料の組成比を上記回帰式にあてはめて各着色顔料について変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')をそれぞれ推定し、
推定された各着色顔料の変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')を変退色試験前の三刺激値(Xn,Yn,Zn)と変退色試験後の三刺激値( Xn',Yn',Zn')にそれぞれ変換し、それを光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算して変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)をそれぞれ算出し、
各着色顔料について得られた変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)及び光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)を X,Y,Zそれぞれについて乗じて、塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')を算出し、
塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')から塗色の変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')を算出し、変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')から塗色の変退色性を評価することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の塗色の変退色評価方法では、先ず塗膜形成ステップで、一種の着色顔料と光輝材とが異なる少なくとも二種の比率で混合された塗料からそれぞれ塗膜を形成する。光輝材としては、アルミニウム箔、マイカ粉、パールマイカ粉、銀メッキマイカ粉あるいは透明酸化鉄粉などが例示される。着色顔料と光輝材とは、実際に用いられる塗料樹脂成分を用いて塗料化し、実際と同様に塗装・乾燥させて塗膜を形成することが望ましい。
【0009】
また隠蔽性の低い塗色の場合には、下地の色調が表出する場合があるので、下地にも実際に用いられる中塗り塗膜などを形成しておくことが望ましい。
【0010】
着色顔料と光輝材の混合比率は特に制限されないが、後述の回帰式の精度が高くなるようにすることが望ましく、この意味において実用の範囲内で少なくとも3種以上の比率で混合することが望ましい。
【0011】
測色ステップでは、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')をそれぞれ測色する。変退色試験は、通常の屋外暴露試験とすることが望ましいが、場合によっては促進耐候性試験を行うこともできる。また表色値の測色は、通常の色差計あるいは分光高度計を用いて行うことができる。
【0012】
そして回帰ステップでは、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')の値から、変退色試験前後における表色値の回帰式がそれぞれ演算される。この回帰式は、表色値のL成分又はa成分又はb成分と、塗色中の顔料濃度とを変数とするものであり、一種の着色顔料について変退色試験前と変退色試験後でそれぞれ3種、合計6種の回帰式が演算されることになる。なおこの演算は、最小二乗法などを用いて行うことができる。
【0013】
本発明では、塗膜形成ステップ、測色ステップ及び回帰ステップを目的とする塗色に用いる複数の着色顔料全てについて行い、それぞれ回帰式を得る。この回帰式は、一般に一次式又は二次式である。なおこれまでの工程は着色顔料毎に行うものであるので、塗色の顔料組成が不明な時点であっても行うことができ、予めデータとして蓄積しておけばよい。
【0014】
次に本発明では、評価しようとする塗色中に含まれる複数の着色顔料の顔料濃度がわかっているので、各着色顔料の顔料濃度を上記回帰式にあてはめ、各着色顔料について変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')をそれぞれ推定する。
【0015】
ここで複数の着色顔料を混合した混色は減法混色であり、例えば種々の色のフィルターを重ね合わせた場合に相当する。そしてフィルターの重ね合わせの場合には、各フィルターの分光透過率をτ1 ,τ2 ,・・τn とすると、混色の分光透過率τu は全てを乗じた次式で表せる。
【0016】
τu =τ1 ×τ2 ×・・・×τn
しかし着色顔料の場合には、分光透過率を測定することが困難であり、かつ表色値( L,a,b)は分光特性を直接表すものではない。そこで本発明では、表色値から算出でき三種類の分光分布をもった光の強度を表す三刺激値( X,Y,Z)を用いることとした。そしてある着色顔料が所定濃度p含まれた場合の三刺激値(Xp,Yp,Zp)を光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算した分光透過率代用値( Xp/X0,Yp/Y0,Zp/Z0)で、その着色顔料の分光透過率を代用することとした。
【0017】
したがってn種類の着色顔料と光輝材とが含まれた塗色の三刺激値(Xu,Yu,Zu)は、光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)と、各着色顔料の分光透過率代用値( Xp/X0,Yp/Y0,Zp/Z0)をそれぞれ乗じた次式で求められる。
【0018】
(Xu,Yu,Zu)=(X0*X1*X2・・Xn/X0 n,Y0*Y1*Y2・・Yn/Y0 n,Z0*Z1*Z2・・Zn/Z0 n)
したがってこの式から、評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')が求められ、これから塗色の変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')を算出することができる。そしてこれから塗色の変退色性の評価を行うことができ、また L,a,bそれぞれの差の二乗の和の平方根を計算することで、色差ΔEを算出して評価を行うことも好ましい。
【0019】
なお光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)は、光輝材単独の表色値を測色して求めてもよいが、光輝材のみを実際に評価しようとする塗色中の量と同じ量で含有する塗膜の表色値を測色して求めることが好ましい。こうすることにより誤差をさらに小さくすることができ、実際の暴露試験を行った場合との相関性が一層向上する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0021】
評価しようとする塗色には、A,B,C三種の着色顔料と、光輝材としてアルミ箔顔料がそれぞれ既知の量で含まれている。
【0022】
先ず着色顔料Aとアルミ箔顔料とを表1に示す3水準の混合比率で混合し、それぞれ塗料化する。ここではアクリル−メラミン樹脂塗料を用い、顔料の合計濃度は 15PWC(Pigment Weight Content= 100×顔料重量/(顔料重量+樹脂固形分重量))とした。
【0023】
【表1】
【0024】
それぞれの塗料を、予め下塗り塗膜が形成された試験片に塗布し、焼き付けて塗膜を形成した。そして24ヶ月間屋外暴露する変退色試験を行い、分光光度計を用いて変退色試験前の表色値(LA,aA,bA)と変退色試験後の表色値( LA',aA',bA')をそれぞれ測色した。結果を図1に示す。得られた値から、最小二乗法により着色顔料Aの濃度( PWC)と表色値との回帰式を求めた。
【0025】
顔料濃度をxとすると、変退色試験前の表色値は、L=-2.6092x+65.982、a=0.1929x2-3.9913x-6.0472、b=-0.1097x2+2.2242x+0.1906 と表された。それぞれの回帰式の相関係数R2は0.9689あるいは1であり、きわめて相関性が高い。変退色試験後についても同様に L,a,b3種類について回帰式を求めた。
【0026】
そして顔料B及び顔料Cについても同様の測色を行い、同様にして回帰式を求める。
【0027】
一方、アルミ箔顔料のみを15PWCとなるように塗料化し、同様にして変退色試験前の表色値(L0,a0,b0)を測色し、それから三刺激値(X0,Y0,Z0)を算出しておく。アルミ箔顔料の場合は変退色試験前後で表色値はほとんど変化がないので、変退色試験前の値のみでよい。またアルミ箔顔料の濃度は、評価しようとする塗色中の濃度とすることが望ましい。
【0028】
次に、評価しようとする塗色中の着色顔料Aの濃度を上記回帰式にあてはめて、変退色試験前の表色値(LA,aA,bA)と変退色試験後の表色値( LA',aA',bA')を求め、その値から変退色試験前の三刺激値(XA,YA,ZA)と変退色試験後の三刺激値( XA',YA',ZA')をそれぞれ算出する。着色顔料B及び着色顔料Cについても、同様にして退色試験前の三刺激値(XB,YB,ZB)(XC,YC,ZC)と変退色試験後の三刺激値( XB',YB',ZB')( XC',YC',ZC')を算出する。
【0029】
そしてそれぞれの三刺激値を先に求めたアルミ箔顔料の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算し、表2のように分光透過率代用値をそれぞれ算出する。
【0030】
【表2】
【0031】
評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')は、分光透過率代用値にアルミ箔顔料の三刺激値(X0,Y0,Z0)を乗じたものであるので、表3のように求めることができる。
【0032】
【表3】
【0033】
さらに評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')をそれぞれ変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)及び変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')に変換し、次式から色差ΔEを算出する。
【0034】
ΔE=((Lm-Lm')2+(am-am')2+(bm-bm')2)1/2
上記した実施例の方法に従って、複数の塗色について色差ΔEを算出した。またそれぞれの塗色について屋外暴露試験を18ヶ月行い、その後色差計を用いて色差ΔEを測定した。結果を図2に示す。
【0035】
図2から本発明の評価方法によって計算された色差ΔEは、実際の暴露試験によって測定された色差ΔEとの差が±1以下であり、高い相関性で一致していることが明らかである。
【0036】
【発明の効果】
すなわち本発明の塗色の変退色評価方法によれば、用いる顔料のデータを予め蓄積しておくことで、評価しようとする塗色を実際に変退色試験することなく変退色の程度を高い精度で予測することができる。したがって評価しようとする塗色の変退色試験を不要とすることが可能であり、工数を大きく低減してコストが低減されるとともに、新色の開発期間を大幅に短縮できるので、新色をタイムリーに提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で測定された着色顔料Aの顔料濃度と表色値( L,a,b)の関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例で算出された色差ΔEと実際に屋外暴露した後に実測された色差ΔEとの関係を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、実際の変退色試験を行うことなく、かつ実際の変退色試験と高い相関性をもって、着色塗膜の変退色を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの製品に対する市場のニーズが多様化し、また流行の移り変わりも早くなっており、ニーズに適合した製品をタイムリーに提供することが重要となっている。自動車の塗色においても例外ではなく、新色の開発期間の短縮が課題となっている。
【0003】
自動車の外板塗膜の場合には、物性及び作業性と耐候性がきわめて重要な特性であり、これらの特性が規格に合格して初めて実車への塗装が行われる。耐候性のうち塗色の変退色については、塗膜の色調が外観品質の評価を決定するため、信頼性が十分でない促進耐候性試験機は補助的に用い、実際の屋外暴露試験を行って評価されるのが通常である。しかし屋外暴露試験では、塗膜の樹脂成分の劣化と顔料の劣化が徐々に進行するため、きわめて長期間の試験が必要である。
【0004】
また着色顔料も新製品が次々と開発され、それぞれの顔料を単独で含む塗色については予め屋外暴露試験によるデータが蓄積されている。しかしながら、実際の塗色では複数の着色顔料が混合され、しかもアルミニウム箔やマイカなどの光輝材が含まれることも多い。光輝材が含まれることによって塗膜中の着色顔料濃度が低くなるために、蓄積されたデータよりも変退色が目立つ場合も多い。
【0005】
したがって新色の開発の場合には、その塗色を実際に塗膜として形成し、それに長期間の屋外暴露試験を行って評価せざるを得ず、この評価期間が新色の開発期間の短縮のネックとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、実際の屋外暴露試験を行うことなく、複数種類の着色顔料が任意の比率で含まれた塗色の変退色性を速やかに予測することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の塗色の変退色評価方法の特徴は、複数の着色顔料と光輝材とを含むメタリック塗色の変退色を評価する方法であって、
一種の着色顔料と光輝材とが異なる少なくとも二種の比率で混合された塗料からそれぞれ塗膜を形成する塗膜形成ステップと、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')をそれぞれ測色する測色ステップと、それらの値から変退色試験前後における表色値の回帰式をそれぞれ演算する回帰ステップとを行い、
塗膜形成ステップ、測色ステップ及び回帰ステップを目的とする塗色に用いる複数の着色顔料全てについてそれぞれ行って複数の回帰式を用意し、
目的とする塗色中に1〜n種含まれる各着色顔料の組成比を上記回帰式にあてはめて各着色顔料について変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')をそれぞれ推定し、
推定された各着色顔料の変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')を変退色試験前の三刺激値(Xn,Yn,Zn)と変退色試験後の三刺激値( Xn',Yn',Zn')にそれぞれ変換し、それを光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算して変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)をそれぞれ算出し、
各着色顔料について得られた変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)及び光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)を X,Y,Zそれぞれについて乗じて、塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')を算出し、
塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')から塗色の変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')を算出し、変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')から塗色の変退色性を評価することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の塗色の変退色評価方法では、先ず塗膜形成ステップで、一種の着色顔料と光輝材とが異なる少なくとも二種の比率で混合された塗料からそれぞれ塗膜を形成する。光輝材としては、アルミニウム箔、マイカ粉、パールマイカ粉、銀メッキマイカ粉あるいは透明酸化鉄粉などが例示される。着色顔料と光輝材とは、実際に用いられる塗料樹脂成分を用いて塗料化し、実際と同様に塗装・乾燥させて塗膜を形成することが望ましい。
【0009】
また隠蔽性の低い塗色の場合には、下地の色調が表出する場合があるので、下地にも実際に用いられる中塗り塗膜などを形成しておくことが望ましい。
【0010】
着色顔料と光輝材の混合比率は特に制限されないが、後述の回帰式の精度が高くなるようにすることが望ましく、この意味において実用の範囲内で少なくとも3種以上の比率で混合することが望ましい。
【0011】
測色ステップでは、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')をそれぞれ測色する。変退色試験は、通常の屋外暴露試験とすることが望ましいが、場合によっては促進耐候性試験を行うこともできる。また表色値の測色は、通常の色差計あるいは分光高度計を用いて行うことができる。
【0012】
そして回帰ステップでは、塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')の値から、変退色試験前後における表色値の回帰式がそれぞれ演算される。この回帰式は、表色値のL成分又はa成分又はb成分と、塗色中の顔料濃度とを変数とするものであり、一種の着色顔料について変退色試験前と変退色試験後でそれぞれ3種、合計6種の回帰式が演算されることになる。なおこの演算は、最小二乗法などを用いて行うことができる。
【0013】
本発明では、塗膜形成ステップ、測色ステップ及び回帰ステップを目的とする塗色に用いる複数の着色顔料全てについて行い、それぞれ回帰式を得る。この回帰式は、一般に一次式又は二次式である。なおこれまでの工程は着色顔料毎に行うものであるので、塗色の顔料組成が不明な時点であっても行うことができ、予めデータとして蓄積しておけばよい。
【0014】
次に本発明では、評価しようとする塗色中に含まれる複数の着色顔料の顔料濃度がわかっているので、各着色顔料の顔料濃度を上記回帰式にあてはめ、各着色顔料について変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')をそれぞれ推定する。
【0015】
ここで複数の着色顔料を混合した混色は減法混色であり、例えば種々の色のフィルターを重ね合わせた場合に相当する。そしてフィルターの重ね合わせの場合には、各フィルターの分光透過率をτ1 ,τ2 ,・・τn とすると、混色の分光透過率τu は全てを乗じた次式で表せる。
【0016】
τu =τ1 ×τ2 ×・・・×τn
しかし着色顔料の場合には、分光透過率を測定することが困難であり、かつ表色値( L,a,b)は分光特性を直接表すものではない。そこで本発明では、表色値から算出でき三種類の分光分布をもった光の強度を表す三刺激値( X,Y,Z)を用いることとした。そしてある着色顔料が所定濃度p含まれた場合の三刺激値(Xp,Yp,Zp)を光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算した分光透過率代用値( Xp/X0,Yp/Y0,Zp/Z0)で、その着色顔料の分光透過率を代用することとした。
【0017】
したがってn種類の着色顔料と光輝材とが含まれた塗色の三刺激値(Xu,Yu,Zu)は、光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)と、各着色顔料の分光透過率代用値( Xp/X0,Yp/Y0,Zp/Z0)をそれぞれ乗じた次式で求められる。
【0018】
(Xu,Yu,Zu)=(X0*X1*X2・・Xn/X0 n,Y0*Y1*Y2・・Yn/Y0 n,Z0*Z1*Z2・・Zn/Z0 n)
したがってこの式から、評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')が求められ、これから塗色の変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')を算出することができる。そしてこれから塗色の変退色性の評価を行うことができ、また L,a,bそれぞれの差の二乗の和の平方根を計算することで、色差ΔEを算出して評価を行うことも好ましい。
【0019】
なお光輝材単独の三刺激値(X0,Y0,Z0)は、光輝材単独の表色値を測色して求めてもよいが、光輝材のみを実際に評価しようとする塗色中の量と同じ量で含有する塗膜の表色値を測色して求めることが好ましい。こうすることにより誤差をさらに小さくすることができ、実際の暴露試験を行った場合との相関性が一層向上する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0021】
評価しようとする塗色には、A,B,C三種の着色顔料と、光輝材としてアルミ箔顔料がそれぞれ既知の量で含まれている。
【0022】
先ず着色顔料Aとアルミ箔顔料とを表1に示す3水準の混合比率で混合し、それぞれ塗料化する。ここではアクリル−メラミン樹脂塗料を用い、顔料の合計濃度は 15PWC(Pigment Weight Content= 100×顔料重量/(顔料重量+樹脂固形分重量))とした。
【0023】
【表1】
【0024】
それぞれの塗料を、予め下塗り塗膜が形成された試験片に塗布し、焼き付けて塗膜を形成した。そして24ヶ月間屋外暴露する変退色試験を行い、分光光度計を用いて変退色試験前の表色値(LA,aA,bA)と変退色試験後の表色値( LA',aA',bA')をそれぞれ測色した。結果を図1に示す。得られた値から、最小二乗法により着色顔料Aの濃度( PWC)と表色値との回帰式を求めた。
【0025】
顔料濃度をxとすると、変退色試験前の表色値は、L=-2.6092x+65.982、a=0.1929x2-3.9913x-6.0472、b=-0.1097x2+2.2242x+0.1906 と表された。それぞれの回帰式の相関係数R2は0.9689あるいは1であり、きわめて相関性が高い。変退色試験後についても同様に L,a,b3種類について回帰式を求めた。
【0026】
そして顔料B及び顔料Cについても同様の測色を行い、同様にして回帰式を求める。
【0027】
一方、アルミ箔顔料のみを15PWCとなるように塗料化し、同様にして変退色試験前の表色値(L0,a0,b0)を測色し、それから三刺激値(X0,Y0,Z0)を算出しておく。アルミ箔顔料の場合は変退色試験前後で表色値はほとんど変化がないので、変退色試験前の値のみでよい。またアルミ箔顔料の濃度は、評価しようとする塗色中の濃度とすることが望ましい。
【0028】
次に、評価しようとする塗色中の着色顔料Aの濃度を上記回帰式にあてはめて、変退色試験前の表色値(LA,aA,bA)と変退色試験後の表色値( LA',aA',bA')を求め、その値から変退色試験前の三刺激値(XA,YA,ZA)と変退色試験後の三刺激値( XA',YA',ZA')をそれぞれ算出する。着色顔料B及び着色顔料Cについても、同様にして退色試験前の三刺激値(XB,YB,ZB)(XC,YC,ZC)と変退色試験後の三刺激値( XB',YB',ZB')( XC',YC',ZC')を算出する。
【0029】
そしてそれぞれの三刺激値を先に求めたアルミ箔顔料の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算し、表2のように分光透過率代用値をそれぞれ算出する。
【0030】
【表2】
【0031】
評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')は、分光透過率代用値にアルミ箔顔料の三刺激値(X0,Y0,Z0)を乗じたものであるので、表3のように求めることができる。
【0032】
【表3】
【0033】
さらに評価しようとする塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)及び変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')をそれぞれ変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)及び変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')に変換し、次式から色差ΔEを算出する。
【0034】
ΔE=((Lm-Lm')2+(am-am')2+(bm-bm')2)1/2
上記した実施例の方法に従って、複数の塗色について色差ΔEを算出した。またそれぞれの塗色について屋外暴露試験を18ヶ月行い、その後色差計を用いて色差ΔEを測定した。結果を図2に示す。
【0035】
図2から本発明の評価方法によって計算された色差ΔEは、実際の暴露試験によって測定された色差ΔEとの差が±1以下であり、高い相関性で一致していることが明らかである。
【0036】
【発明の効果】
すなわち本発明の塗色の変退色評価方法によれば、用いる顔料のデータを予め蓄積しておくことで、評価しようとする塗色を実際に変退色試験することなく変退色の程度を高い精度で予測することができる。したがって評価しようとする塗色の変退色試験を不要とすることが可能であり、工数を大きく低減してコストが低減されるとともに、新色の開発期間を大幅に短縮できるので、新色をタイムリーに提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で測定された着色顔料Aの顔料濃度と表色値( L,a,b)の関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施例で算出された色差ΔEと実際に屋外暴露した後に実測された色差ΔEとの関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 複数の着色顔料と光輝材とを含むメタリック塗色の変退色を評価する方法であって、
一種の着色顔料と光輝材とが異なる少なくとも二種の比率で混合された塗料からそれぞれ塗膜を形成する塗膜形成ステップと、該塗膜の変退色試験前の表色値( L,a,b)と変退色試験後の表色値(L',a',b')をそれぞれ測色する測色ステップと、それらの値から変退色試験前後における表色値の回帰式をそれぞれ演算する回帰ステップとを行い、
該塗膜形成ステップ、該測色ステップ及び該回帰ステップを目的とする塗色に用いる複数の着色顔料全てについてそれぞれ行って複数の回帰式を用意し、
目的とする塗色中に1〜n種含まれる各着色顔料の組成比を上記回帰式にあてはめて各着色顔料について変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')をそれぞれ推定し、
推定された各着色顔料の変退色試験前の表色値(Ln,an,bn)と変退色試験後の表色値( Ln',an',bn')を変退色試験前の三刺激値(Xn,Yn,Zn)と変退色試験後の三刺激値( Xn',Yn',Zn')にそれぞれ変換し、それを光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)でそれぞれ除算して変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)をそれぞれ算出し、
各着色顔料について得られた変退色試験前の分光透過率代用値( Xn/X0,Yn/Y0,Zn/Z0)と変退色試験後の分光透過率代用値(Xn'/X0,Yn'/Y0,Zn'/Z0)及び光輝材の三刺激値(X0,Y0,Z0)を X,Y,Zそれぞれについて乗じて、塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')を算出し、
塗色の変退色試験前の三刺激値(Xm,Ym,Zm)と変退色試験後の三刺激値( Xm',Ym',Zm')から塗色の変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')を算出し、変退色試験前の表色値(Lm,am,bm)と変退色試験後の表色値( Lm',am',bm')から塗色の変退色性を評価することを特徴とする塗色の変退色評価方法。
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