JPH10246671A - 測色用塗板の作成方法及び測色用塗板 - Google Patents

測色用塗板の作成方法及び測色用塗板

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JPH10246671A
JPH10246671A JP6723797A JP6723797A JPH10246671A JP H10246671 A JPH10246671 A JP H10246671A JP 6723797 A JP6723797 A JP 6723797A JP 6723797 A JP6723797 A JP 6723797A JP H10246671 A JPH10246671 A JP H10246671A
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JP
Japan
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pigment
colorimetric
color
spectral reflectance
paint
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Application number
JP6723797A
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English (en)
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Eizo Niimi
英造 新美
Hisao Asaba
尚郎 浅場
Koichi Kuwano
浩一 桑野
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータ上で新たな変角分光反射率分布
を再構成して光学的に複雑な特性を有する塗料組成物が
形成する塗膜の色彩や質感をコンピュータ上で対話的に
設計する方法に使用する測色データファイルに、光輝性
顔料との相互作用によって生じる着色顔料の正確な色彩
効果を効率的に反映することができる測色用塗板の作成
方法及び測色用塗板を提供する。 【解決手段】 着色顔料と光輝性顔料との配合比が重量
比で100/0.01〜100/500000である光
輝材系塗料を基板上に塗布し、塗膜を形成するコンピュ
ータ上で新たな変角分光反射率分布を再構成して光学的
に複雑な特性を有する塗料組成物が形成する塗膜の色彩
や質感をコンピュータ上で対話的に設計する方法に使用
する測色データファイルを作成するための測色用塗板の
作成方法及び測色用塗板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータグラ
フィックスを利用した塗膜の色彩、質感の設計方法に使
用する測色データファイルを作成するための測色用塗板
の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータグラフィックスは、コンピ
ュータ上で所望の画像を作成することが可能であり、デ
ザイン業務等に広く活用されている。塗色の色彩設計等
のデザイン業務においては、デザイナー等は、デザイン
対象の形状と色彩との適合性等を考慮しつつ、新色設計
や創色デザインを行う。
【0003】このデザインをコンピュータグラフィック
スを用いて行う場合、近年、光や色彩に関する物理理論
に基づいて、光源から出た光が物体表面や物体内部にお
いて反射、透過、散乱、干渉されて最終的に受光器又は
受光器官に到達する過程を解析する光学・測色学の知見
に基づく3次元コンピュータグラフィックス(以下「3
次元CG」という)の手法が開発され、3次元CGによ
り高精細かつ現実感のあるの画像を、測色用の塗板を分
光測光して得た変角分光反射率データに基づいてレンダ
リングして描く技術開発が進展しつつあり、これによれ
ば、現実の塗料を対象物に塗装した場合の色彩的効果を
CRT画面上で確認することが可能となる。
【0004】上記3次元CG画像を測色用の塗板から得
た変角分光反射率データに基づいて描画し、更に必要に
応じて描画された画像を操作することによりコンピュー
タ上で新たに算定された変角分光反射率分布に基づい
て、その光学的特徴を再現することができる塗料配合を
推算することができたなら、描画された画像に対応する
塗料を実際に製造することができる。このような目的
で、コンピュータを使用して塗料配合を推定する方法が
開発され、実在する既存塗板の測色を前提とする所謂C
CM技法等の色材配合演算技法を含めて幾つかの手法が
知られている。
【0005】特開平7−150081号公報には、塗料
等を塗布して塗装面を得るときや塗装面をカラーCRT
画面上に表示するときにデザイナー等が意図する塗装面
の塗装色を再現する塗装色の再現方法が開示されてお
り、それによれば、塗装色を再現するための色材及び光
輝性顔料等の構成材料の量と反射率との対応である規定
値を設定し、更にデザイナー等が所望する新規反射率が
読み取られ、次にこの新規反射率に対する色材等の構成
材料の量が、補間による逆推定法を用いた既知関係の反
射率と構成材料の量とに基づいて計算され、色材混合装
置等へ出力される。上記技術は、既知関係の反射率と構
成材料の量とに基づいて補間対応関係等によって所望の
新規反射率に対応する構成材料の量を導くものである。
このため、新たに既知関係の反射率と構成材料の量とに
基づく対応関係を求める必要があり、3次元CG用シス
テムを活用することが困難である。また、塗装色の再現
は、関連する量の間の既知関係に依存しかつこの既知関
係に限定されることになり、塗料設計の自由度は阻害さ
れざるを得ない。
【0006】ところで、この技術においては、サンプル
塗板を作成するにあたって、色座標系中に幾つかの基準
となる原色を設定し、この原色で指定される色座標系中
において光輝材の量を一定にし、着色顔料の量を一定量
(10g)づつ均等間隔で比較的少数の段階(6段階)
に変化させているか、又は、光輝材の量を一定量(10
g)づつ均等間隔で比較的少数の段階(6段階)に変化
させている。
【0007】一方、上記色材配合演算技法としては、コ
ンピュータを使用した所謂CCM技法が知られており、
これは一般には、クベルカ−ムンクの光学濃度の理論式
及びダンカンの混色式等を用いて、各着色顔料について
の複数の可視光波長における吸収係数と散乱係数とを計
算し、これらの値から、予測分光反射率を計算すること
により塗料配合を求めるものである。上記CCM技法に
おいては、光輝性顔料を含まない所謂ソリッド系塗色を
対象とするものである場合、一つの受光角における分光
測色のデータで塗料配合を予測することが可能である。
この場合には、測色データは、着色顔料と白色顔料又は
黒色顔料との混合物を塗布した塗板から分光測光したも
のである。
【0008】しかしながら、近年、特に自動車等に広く
用いられている光学的な異方性を有するメタリック系や
パール系等の光輝性顔料を含有する塗膜や微粒子酸化チ
タン、多彩色発色顔料等を含有する特殊な色彩効果を有
する塗膜を対象とする場合には、正反射角以外の角度に
おいても、特に、ハイライト方向といわれる正反射近傍
では、標準白色拡散板の反射率を1.0としたときの被
測色塗板の相対反射率が1.0以上となる場合があり、
上記クベルカ−ムンクの光学濃度の理論式を用いて分光
反射率を予測計算することができない。
【0009】また、メタリック系塗料やパール系塗料等
の光輝性顔料を含む塗料の塗色においては、着色顔料の
もつ色彩効果は、光輝性顔料との相互作用の影響を強く
受けることが知られている。従って、3次元CG画像で
設計した光学的特徴を正確に塗料配合に反映させて所望
の光学的特性を有する塗膜を得ることができる塗料を製
造するためには、3次元CG画像用の色彩データが、着
色顔料の色彩効果を正確に反映する測色データ、すなわ
ち変角分光反射率分布データであることが重要である。
【0010】ところで、光線追跡法による画像形成シス
テムが構築されたコンピュータの固定ディスク等の記憶
装置に測色用塗板を分光測光して得た少なくとも1つの
変角分光反射率分布からなる測色データファイルを含む
データベースを格納する過程、上記データベースから読
みだしたデータに基づいて3次元画像をコンピュータグ
ラフィックス表示装置に表示する過程、及び、上記測色
データファイルから変角分光反射率分布を別途選択し、
上記選択した変角分光反射率分布と上記3次元画像を形
成するために使用した変角分光反射率分布とを任意の重
み付けによって線形演算し、少なくとも1つの新たな変
角分光反射率分布を上記コンピュータ上で算定する過程
を含む複数の過程によって上記3次元画像の光学的特徴
を操作することにより、光学的に複雑な特性をもつ塗料
組成物が形成する塗膜の色彩や質感を上記コンピュータ
上で対話的に設計する方法が可能となりつつある。この
方法によれば、コンピュータグラフィックス画像を表示
装置上で対話的に操作することにより、複数の異なる変
角分光反射率分布から新たな変角分光反射率分布を容易
に算出することが可能であるので、ユーザーインターフ
ェイスを高度のレベルで達成することができ、しかも着
色顔料や光輝性顔料等を含有する複雑な光学的特性を有
する塗料の製造に必要な情報を自由に設計することが可
能となる。
【0011】この手法を真に有効に活用するためには、
コンピュータ上で再構成された新たな変角分光反射率分
布から、所望の塗料配合として色材混合装置に入力され
る情報を容易に得ることができるものであることが必要
である。このためには、上記測色データファイルが、光
輝性顔料との相互作用によって生じる着色顔料の色彩効
果を正確に反映するものでなければならず、従って、こ
のために用いられる測色用塗板は、そのようなデータを
採取することができるものでなければならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑み、コンピュータ上で新たな変角分光反射率分布を
再構成して光学的に複雑な特性を有する塗料組成物が形
成する塗膜の色彩や質感をコンピュータ上で対話的に設
計する方法に使用する測色データファイルに、光輝性顔
料との相互作用によって生じる着色顔料の正確な色彩効
果を効率的に反映することができる測色用塗板の作成方
法及び測色用塗板を提供し、ひいては光輝性顔料との相
互作用によって生じる着色顔料の正確な色彩効果を効率
的に反映する測色データファイルを格納した記憶媒体を
提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、光線追跡法に
よる画像形成システムが構築されたコンピュータの記憶
装置に測色用塗板を分光測光して得た少なくとも1つの
変角分光反射率分布からなる測色データファイルを含む
データベースを格納する過程、前記データベースから読
みだしたデータに基づいて3次元画像をコンピュータグ
ラフィックス表示装置に表示する過程、及び、前記測色
データファイルから変角分光反射率分布を別途選択し、
前記選択した変角分光反射率分布と前記3次元画像を形
成するために使用した変角分光反射率分布とを任意の重
み付けによって線形演算して、少なくとも1つの新たな
変角分光反射率分布を前記コンピュータ上で算定する過
程を含む複数の過程によって前記3次元画像の光学的特
徴を操作することにより、光学的に複雑な特性をもつ塗
料組成物が形成する塗膜の色彩や質感を前記コンピュー
タ上で対話的に設計する方法に使用する前記測色データ
ファイルを作成するための前記測色用塗板の作成方法で
あって、着色顔料と光輝性顔料との配合比が重量比で1
00/0.01〜100/500000である光輝材系
塗料を基板上に塗布し、塗膜を形成することを特徴とす
る測色用塗板の作成方法、及び、上記方法によって作成
した測色用塗板である。以下に本発明を詳述する。
【0014】本発明の測色用塗板は、光線追跡法による
画像形成システムが構築されたコンピュータの固定ディ
スク等の記憶装置に測色用塗板を分光測光して得た少な
くとも1つの変角分光反射率分布からなる測色データフ
ァイルを含むデータベースを格納する過程、上記データ
ベースから読みだしたデータに基づいて3次元画像をコ
ンピュータグラフィックス表示装置に表示する過程、及
び、上記測色データファイルから変角分光反射率分布を
別途選択し、上記選択した変角分光反射率分布と上記3
次元画像を形成するために使用した変角分光反射率分布
とを任意の重み付けによって線形演算して、少なくとも
1つの新たな変角分光反射率分布を上記コンピュータ上
で構成する過程を含む複数の過程によって上記3次元画
像の光学的特徴を対話的に操作することにより、光学的
に複雑な特性をもつ塗料組成物が形成する塗膜の色彩や
質感をコンピュータ上で設計する方法に使用する上記測
色データファイルを作成するためのものである。上記光
学的に複雑な特性を有する塗料組成物が形成する塗膜の
色彩や質感をコンピュータ上で設計する方法において
は、上記各変角分光反射率分布は、5次元以下の次元を
有する表形式によって取り扱われることが好ましい。
【0015】本発明においては、上記測色データファイ
ルは、本発明の測色用塗板からの反射光を受光する受光
角を変化させた変角ごとの分光反射率からなる変角分光
反射率分布データからなる。本明細書中、「変角分光反
射率分布」とは、物体の表面からの反射光を受光する受
光角を変化させた変角ごとの分光反射率からなる一組の
変角分光反射率をいう。また、上記分光反射率には、正
反射方向におけるいわゆる鏡面反射率と、それ以外の方
向における分光立体角反射率(拡散反射率ともいう)と
の両者が含まれる。
【0016】上記変角分光反射率分布は、測光波長λ、
並びに、適当な直角座標系において光の入射方向を記述
する二つの角θ1 及びθ2 、光の反射方向を記述する二
つの角θ3 及びθ4 の5つの自由度をもつ複数の反射率
の値からなる。上記変角分光反射率分布は、コンピュー
タ上で理論的に構成することは可能であるが、光輝性顔
料等を含む塗料が塗布された試料に対して、所定の光源
から放射された照明光を照射したうえで、複数の反射方
向についてそれぞれ反射光の分光測色を行って分光測色
値データを採取することにより離散的な値として得るこ
ともできる。このような分光測色値データを使用するこ
とにより、コンピュータグラフィックス画像を現実の塗
板に基づいて色彩表示することが可能となり、正確な表
面状況を表現することができる。
【0017】本発明の測色用塗板は、着色顔料と光輝性
顔料とを配合してなる光輝材系塗料を基板上に塗布し、
所望により更にクリヤ塗料を塗布した後、乾燥硬化させ
て得られるものである。上記着色顔料としては特に限定
されず、例えば、アゾ系又はアゾレーキ系顔料、フタロ
シアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、ペ
リノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金
属錯体系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスロン
系顔料、フラバンスロン系顔料、ジケトピロロピロール
系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等の有機顔料;黄
鉛、黄色酸化鉄、べんがら、カーボンブラック、二酸化
チタン等の無機顔料等を挙げることができる。これらは
1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0018】上記光輝性顔料としては特に限定されず、
例えば、アルミフレーク、チタンフレーク、ステンレス
フレーク等の金属フレーク顔料;グラファイト;ホワイ
トマイカ、干渉マイカ、着色マイカ等のマイカ系光輝性
顔料;板状酸化鉄顔料(MIO);金属メッキ又は二酸
化チタン被覆を施したガラスフレーク顔料;薄片状二酸
化チタン;多彩色発色顔料や微粒子酸化チタン等を挙げ
ることができる。これらは1種又は2種以上を混合して
使用することができる。
【0019】上記光輝材系塗料の成分のうち、上記着色
顔料と上記光輝性顔料との配合比は、着色顔料と光輝性
顔料との重量比が100/0.01〜100/5000
00となる割合である。光輝性顔料の配合比が0.01
未満であると、光輝感を生じることがなく、50000
0を超えると、光輝材系塗料の色感を生じることがなく
なるので、上記範囲内に限定される。この場合におい
て、着色顔料と光輝性顔料との重量比が100/1、1
00/2及び100/5である塗料を一組とし、この一
組の塗料の光輝性顔料の配合比の10-2倍、10-1倍、
100 倍、10倍、102 倍、103 倍、104 倍及び
105 倍の光輝性顔料を含有するように配合比を設定さ
れたこれら各組の光輝材系塗料を使用することが好まし
い。すなわち、上記各組ごとの光輝性顔料の配合比は、
対数比をなすように設定することが好ましい。なお、上
記着色顔料と上記光輝性顔料との配合比は、上記範囲内
において適宜その上限及び下限を設定することができる
ことは当然である。
【0020】このように、上記各組ごとの光輝性顔料の
配合比が対数比をなすように設定することにより、上記
着色顔料と上記光輝性顔料との配合比を広い範囲にわた
ってカバーすることができるとともに、上記着色顔料と
上記光輝性顔料との相互作用及び上記着色顔料のもつ色
彩特性を充分に反映するために必要なデータを、比較的
少数の配合比データで確保することが可能となる。ま
た、このような配合比変化とすることによって、得られ
る分光反射率データと顔料配合比との関係は、顔料配合
比の広い範囲にわたって、大域的に又は局所的に線形性
を示すものとなる。なお、基準とする一組の光輝材系塗
料における配合比は、100/2、100/5及び10
0/10として規定することもできる。このように規定
しても配合比の組み合わせは事実上変わることはない。
【0021】上記光輝材系塗料の成分のうち、ビヒクル
となる塗膜形成用樹脂としては特に限定されず、例え
ば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、
フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることがで
きる。上記光輝材系塗料においては、これらの樹脂に、
アミノ樹脂やブロックポリイソシアネート化合物等の架
橋剤を混合して使用してもよい。これらの樹脂は、所望
により2種以上を併用することができる。更に、上記ビ
ヒクルとなる塗膜形成用樹脂としては、常温乾燥により
硬化する2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂等で
あってもよい。
【0022】上記光輝材系塗料において、上記着色顔料
と上記光輝性顔料との配合量の合計が、塗膜形成用樹脂
固形分100重量部あたり4〜50重量部の範囲内であ
ることが好ましい。4重量部未満であると、顔料の隠蔽
力が小さく、下地を遮蔽するための塗膜を形成するのに
多大の手間がかかる。50重量部を超えると、顔料配合
量が多くなり、塗料の粘性が大となって塗膜の肌の平滑
性不良、光輝性顔料の配向不良等による外観不良を生じ
るおそれがある。この場合において、着色顔料の着色力
や光輝性顔料の隠蔽力に応じてこの範囲内で適当に配合
割合を定めることができる。例えば、着色顔料が光輝性
顔料より配合比が高い場合には、塗膜形成用樹脂固形分
100重量部あたり4〜45重量部の範囲内であること
がより好ましく、光輝性顔料の配合比のほうが高い場合
には、10〜30重量部であることがより好ましい。
【0023】上記光輝材系塗料には、その他の添加剤と
して、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等の硬化触
媒、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ベンゾフ
ェノール系等の酸化防止剤、シリコーンや有機高分子等
の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、架橋性重合体粒子
(ミクロゲル)等を適宜使用することができる。これら
の添加剤は、通常、塗膜形成用樹脂固形分100重量部
あたり5重量部以下の配合量で使用される。
【0024】上記光輝材系塗料は、有機溶剤型とするこ
とが一般的であるが、これに限定されるものではなく、
非水分散液型、水溶液型、水分散型等の各種の形態とし
て塗料を構成することができる。上記有機溶剤としては
特に限定されず、公知のものを使用することができ、例
えば、ヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢
酸ブチル、メタノール、エタノール等の中、高沸点の芳
香族系又は炭化水素系溶剤を挙げることができる。
【0025】上記着色顔料の塗料化は、公知の方法によ
り行うことができ、例えば、顔料をSGミル、ボールミ
ル等のメジア型ミルによって充分に分散させて製造する
ことができる。このようにして塗料化された着色顔料と
上記光輝性顔料との混合は、ディゾルバー、ディスパー
等の混合攪拌機によって行うことができる。なお、光輝
材系塗料の製造時の固形分は、30〜70重量%である
ことが好ましい。
【0026】上記光輝材系塗料は、基板上に塗布し、更
にクリヤ塗料を塗布することが好ましい。かくして塗布
した後、乾燥硬化させて本発明の測色用塗板を作成する
ことができる。上記基板としては、平坦で平滑な平面を
有するものであれば特に限定されず、例えば、鉄、ブリ
キ、アルミニウム等の金属からなる金属板;ガラス;ポ
リエチレン、ポリアクリル、塩化ビルニ、ポリカーボネ
ート等の樹脂を成形してなる成形品等を挙げることがで
きる。これらの基板は、適宜、アンダーコート、プレコ
ート等の処理が施されていてもよい。好ましくは、鉄板
又はブリキ板にプライマーサーフェイサーを塗布したも
のである。
【0027】上記基板上に上記光輝材系塗料を塗布する
方法としては特に限定されず、平滑な塗膜を形成するこ
とができる方法であればよく、例えば、霧化式塗装機を
使用してエアスプレー塗装、静電塗装等により好適に実
施することができる。なお、この場合、上記光輝材系塗
料は、有機溶剤、水等の溶媒により塗装適性粘度に希釈
して使用される。上記希釈濃度としては、固形分10〜
50重量%とすることが好ましい。
【0028】上記光輝材系塗料は、下地色を実質的に隠
蔽することができる塗膜を形成するまで基板上に塗布す
る。この膜厚は、例えば、白黒隠蔽試験紙上に上記光輝
材系塗料を塗布し、白黒境界が自然光で目視により判別
できなくなるときの膜厚とすることができ、また、上記
光輝材系塗料の明度に近似した明度の下地色と、その明
度からL*値が±10異なる下地色をそれぞれ準備し、
これら3枚の下地上に上記光輝材系塗料を塗布し、これ
らの塗板を自然光下で観察して差異が判別できなくなる
まで塗布したときの膜厚とすることができる。この塗膜
の形成にあたって、複数回に分けて塗布することも可能
である。この隠蔽膜厚は、光輝材系塗料や下地の条件に
よって異なり、例えば、十数μm〜二百μmの範囲であ
る。
【0029】上記光輝材系塗料の塗膜上に、更にクリヤ
塗料を塗布する場合、上記クリヤ塗料としては、一般に
使用されているものを使用することができるが、所望に
よりその透明性を損なうことのない範囲で着色顔料や各
種添加剤を含有していてもよい。このクリヤ塗料は、好
ましくは乾燥膜厚30〜60μmとなるように上記光輝
材系塗料の塗膜上に塗装され、乾燥硬化させて複合塗膜
を形成する。この際、適宜2コート1ベーク、2コート
2ベーク等の塗膜形成方法を採用することができる。か
くして、本発明の測色用塗板を得ることができる。
【0030】上記測色用塗板を分光測光して得た測光デ
ータは、上述の光学的に複雑な特性をもつ塗料組成物が
形成する塗膜の色彩や質感を前記コンピュータ上で対話
的に設計する方法に使用する測色データファイルとし
て、通常、記憶媒体に格納される。本明細書中、「測色
データファイル」とは、少なくとも1種の着色顔料と少
なくとも1種の光輝性顔料との配合比の異なる複数の上
記光輝材系塗料塗膜についての多数の波長、入射角及び
受光角からなる組によって規定される変角分光反射率デ
ータからなり、コンピュータによって読み取り可能な形
式をもつ一群のデータをいう。
【0031】上記記憶媒体としては特に限定されず、例
えば、フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気記
憶媒体;CD−ROM等の光学的記憶媒体、ROM等の
半導体記憶素子等を挙げることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】上記測色データを得るための測色
用塗板の測色方法としては、例えば、所定の光源から放
射された照明光の入射光面内において、反射光の反射方
向と正反射方向とがはさむ角で定義される偏角を所定の
増分角でもって段階的に変化させつつ、各段階でそれぞ
れ反射光の分光測色を行い、上記入射光面内における複
数の反射方向への反射光についての分光測色値データを
採取する工程〔1〕と、入射光面に対して所定のあおり
角だけ傾斜した少なくとも1つのあおり面内において、
反射光の反射方向と準正反射方向とがはさむ角で定義さ
れる準偏角を所定の増分角でもって段階的に変化させつ
つ、各段階でそれぞれの反射光の分光測色を行い、上記
あおり面内における複数の反射方向への反射光について
の分光測色値データを採取する工程〔2〕とを含んでい
て、上記工程〔1〕において、偏角が所定値以下の領域
では増分角を比較的小さい値に設定する一方、該偏角が
上記所定値を超える領域では増分角を比較的大きい値に
設定し、上記工程〔2〕において、準偏角が所定値以下
の領域では増分角を比較的小さい値に設定する一方、該
準偏角が上記所定値を超える領域では増分角を比較的大
きい値に設定するようにして測色する方法が好ましい。
上記測色法によって得たデータを用いることにより、特
に光輝性顔料を含む塗料について質感差異を表現しうる
精密なレンダリングを行うことができるので、高精細の
3次元CG画像を描くことができる。
【0033】本発明において、上記変角分光反射率デー
タは、図2に示す変角分光測色装置1により測色するこ
とができる。この変角分光測色装置1は、照光器2と試
料回転台3と分光器4とで構成されている。照光器2に
はハロゲンランプ5が設けられ、このハロゲンランプ5
から放射された照明光の一部は、第一投光ミラー6と第
一投光レンズ7とを介して試料回転台3に案内され、試
料照明光R1として試料10に照射される。また、所謂
拡散反射領域では、ハロゲンランプ5から放射された照
明光の他の一部は、第二投光ミラー8と第二投光レンズ
9とを介して試料回転台3に案内され、白色拡散板照明
光R2として白色拡散板11に照射される。
【0034】試料回転台3の所定の位置には、試料10
と白色拡散板11とが取り付けられている。試料10に
照射された試料照明光R1の所定の受光方向への反射光
である試料反射光B1は分光器4に導かれる。他方、白
色拡散板11に照射された白色拡散板照明光R2の上記
所定の受光方向への反射光である白色拡散板反射光B2
も分光器4に導かれる。すなわち、この変角分光測色装
置1は、試料10及び白色拡散板11について、照明光
R1、R2の光軸方向と、反射光B1、B2の光軸方向
とは固定されている。もちろん、これらの両光軸方向
は、必要により所定の範囲内で任意に変更可能である。
【0035】図3に示すように、試料10と白色拡散板
11とが取り付けられている試料回転台3は、図示しな
い駆動機構により鉛直軸L1 のまわりと水平軸L2 のま
わりとにおいて回転可能である。試料回転台3を鉛直軸
1 のまわりに回転させることにより、入射光面内にお
いて、受光方向と正反射方向とがはさむ角として定義さ
れる偏角を任意に変化させることができるようになって
いる。
【0036】また、試料回転台3を水平軸L2 のまわり
に回転させることにより、あおり角を任意に変化させる
ことができる。入射光面に対して所定のあおり角だけ傾
斜した面を、あおり面と称する。試料回転台3を、更に
鉛直軸L1 のまわりに回転させると、あおり面内におい
て、受光方向と準正反射方向とがはさむ角として定義さ
れる準偏角を任意に変えることができる。ここで、上記
準正反射方向とは、正反射方向をあおり角だけ回転させ
てあおり面上へ移したもの、すなわちあおり面内におい
て正反射光に最も近い位置にある直線を意味する。
【0037】図2に示すように、試料回転台3の鉛直軸
1 のまわりの回転角と水平軸L2のまわりの回転角と
に対応するあおり角と偏角又は準偏角とで規定される試
料10からの試料反射光B1は、分光器4に導入された
後、必要により第一減光板12を介して第一受光ミラー
13によりセクター14に案内される。セクター14を
通過した試料反射光B1は、受光レンズ15とスリット
16とを介して回折格子17に導かれ、所定の波長毎に
分光された後、受光素子18により光電変換される。
【0038】白色拡散板11からの白色拡散板反射光B
2は、第二減光板19、第二受光ミラー20を介してセ
クター14に案内され、試料反射光B1と同様にして光
電変換される。なお、鏡面反射領域における測色の場合
は、白色拡散板反射光B2に代えて光源光が直接セクタ
ー14に案内される。すなわち、所定の反射方向への試
料の反射光の分光測色値を、拡散反射領域では同一条件
下における白色拡散板の反射光の分光測色値に対する相
対値で表し、鏡面反射領域では同一条件下における受光
量の入射光量に対する比、すなわち鏡面反射率で表す。
【0039】上記変角分光反射率データとしては、例え
ば、偏角が10°以下の所謂正反射近傍領域では増分角
を1°に設定し、偏角が10°を超える領域では増分角
を5°に設定し、あおり面内で分光測色値データを採取
する場合には、あおり角を5°としたうえで、準偏角が
10°以下の所謂準正反射近傍領域では増分角を1°に
設定し、準偏角が10°を超える領域では、増分角を5
°に設定し、また、更に第二、第三等のあおり面につい
ても分光測色値データを採取する場合には、あおり角を
順次所定の増分角、例えば、5°づつ増加させて、同様
の操作を繰り返して測色して得たもの等を使用すること
ができる。
【0040】かくして、変角分光測色装置2を用いて、
あおり角と偏角又は準偏角とを、それぞれ任意の所定の
増分角で段階的に変化させつつ、それぞれの角度で分光
測色を行うことにより、上記分光測光データを得る。な
お、上記変角分光測色装置としては、具体的には、例え
ば、村上色彩技術研究所社製変角分光測光システムGC
MS−4型等を挙げることができる。
【0041】上記測色データは、波長、あおり角及び偏
角又は準偏角の各変数によって規定されており、フロッ
ピーディスク等の記憶媒体中に、表形式によって記述さ
れて格納することができる。上記表に含まれる上記各変
数の精度は、その各変数ごとに独立に任意の増分角を選
択することにより自由に変えることができる。そして、
いくつかの試料塗板についてのこれらの全ての分光反射
率からなるデータの一群が、一つの測色データファイル
をなす。この測色データファイルから読みだされた複数
の変角分光反射率分布を、これらの各変角分光反射率分
布に基づいて3次元コンピュータグラフィックスソフト
ウェアにより3次元の形状曲面上にレンダリングされた
画像を、表示装置上で対話的に操作することにより、新
たな変角分光反射率分布を算定することができる。
【0042】ところで、デザイナー等が自動車外板色等
のカラーデザインをする場合、微妙な質感表現と色彩と
を形状イメージに合わせて様々に変化させる。例えば、
質感を一定にして、色彩を変更することにより、深みの
ある色彩や躍動感のある色彩等のデザインコンセプトに
合致するカラーイメージを探究する。この場合、質感
は、光輝性顔料や多彩色発色顔料等を変えることにより
変更されるが、着色顔料の種類に比べて光輝性顔料や多
彩色発色顔料等の種類は遙に少ない。従って、適宜に選
択した光輝性顔料や多彩色発色顔料等を対象にして、そ
れぞれ色彩を次々に変化させてカラーイメージを探究す
ることが便利である。また、着色顔料が同一であって
も、光輝性顔料の配合比によって見えは大きく変化す
る。この場合、その配合比は事実上無数にあるが、その
全てについて分光測光することは不可能であるので、実
測データを使用して任意の配合の変角分光反射率をコン
ピュータ上で再構成し、その塗色質感を検討することが
便利である。
【0043】これらの場合、複数の試料塗板について
の、光輝性顔料と着色顔料との異なる配合比からなる複
数の変角分光反射率分布を、可変の重み付けによって線
形演算し、新たな変角分光反射率分布を算定することが
できる。この場合、上記線形演算は、表形式の変角分光
反射率分布の各変数の組によって指定される反射率の値
を、表形式の他の変角分光反射率分布の対応する各変数
の組によって指定される反射率の値と、可変の重み付け
によってコンピュータ上で線形演算することにより実行
される。なお、この場合において、色彩と質感とに関し
て独立に線形演算することも可能である。本発明の測色
用塗板を使用して作成された測色データファイルは、こ
のような線形演算を可能にするデータを供給することが
できる。
【0044】ことろで、上述の手法により、新たに構成
された変角分光反射率分布に対応する塗料配合を決定す
る場合、上記新たに構成された変角分光反射率分布は、
上記測色データファイルから選択した複数の変角分光反
射率分布を任意の重み付けによってコンピュータ上で線
形演算されてなるものであるので、上記測色データファ
イル中の分光反射率は、光輝材系塗料における顔料配合
比率の変化と線形関係を維持していることがもっとも実
用的である。
【0045】本発明の測色用塗板を分光測光して得た測
光データからなる測色データファイルは、広い範囲の顔
料配合比を対数比で変化させてカバーしているので、分
光反射率分布は、可視光波長範囲にわたって各顔料配合
比に対応して変化分離する。また、上記測色データファ
イル中の分光反射率は、顔料配合比の広い範囲にわたっ
て光輝材系塗料における顔料配合比率の変化と大域的に
又は局所的に線形性を維持するものとなる。従って、上
記測色データファイルから選択した複数の変角分光反射
率分布を任意の重み付けによって線形演算してコンピュ
ータ上で新たに変角分光反射率分布を構成する場合に、
この重み付けに連動する比率に基づいて上記新たに構成
された変角分光反射率分布に対応する塗料配合を容易に
推定することができる。
【0046】なお、一般に、3次元CGによってレンダ
リングされた画像においては、たとえそれが変角分光反
射率分布等の物理的裏付けのある情報に基づいて生成さ
れたものであっても、実際に表示装置に表示される際に
は、その装置の特性によって、表示される色彩が本来の
ものと異なる場合があり、従って、画像の色彩表示その
ものがもとになった塗色の色彩を物理学的に正確に再現
しない場合もある。しかしながら、本発明においては、
光輝性顔料の影響を正確に反映した測色データから読み
だされた変角分光反射率分布を、必要により、線形演算
することにより得られた変角分光反射率そのものを使用
するものであるので、より正確な塗料配合の算出が可能
となる。
【0047】また、上記手法により光学的に複雑な特性
をもつ塗料組成物が形成する塗膜の色彩や質感をコンピ
ュータ上で設計する方法の精度は、使用する測色データ
ファイルの精度と量とに依存する。従って、この方法に
基づいて高精度の塗料設計を実施するためには、多くの
塗色について、変角分光データを確保する必要があり、
多くの測色データを取り扱うことができる必要がある。
このため、測色データファイルは、膨大な情報量のもの
となる可能性があり、このような膨大な測色データファ
イルを使用して上記手法を実行することは現実的ではな
い。しかしながら、本発明の測色用塗板は、広い範囲の
顔料配合比を対数比で変化させてカバーしているので、
これを使用して作成された測色データファイルは、比較
的少数の測色データで充分な精度を確保することができ
る。
【0048】本発明の測色用塗板を使用して作成された
測色データファイルは、上述した特徴を有するので、上
記手法により光学的に複雑な特性をもつ塗料組成物が形
成する塗膜の色彩や質感をコンピュータ上で設計する方
法を効率的に実行することができる。
【0049】
【実施例】以下に製造例及び実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら製造例及び実施例
のみに限定されるものではない。
【0050】製造例1光輝材系塗料の製造 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体、数平均分子量約20000、水
酸基価45、酸価15、固形分50%、溶剤:キシレ
ン)を固形分で80重量部、メラミン樹脂(三井東圧化
学社製ユーバン20SE(商品名)、固形分60%)を
固形分で20重量部混合して、塗膜形成用のビヒクル樹
脂を作成した。着色顔料としては、赤系顔料のペリンド
マルーンR−6436(バイエル社製ペリレン系顔料)
又は青系顔料のシャニンブルーG−314(山陽色素社
製フタロシアニン系顔料)を使用した。着色顔料は、予
め上記ビヒクル樹脂中に予備混合した後、サンドグライ
ンダーミルにより充分に分散処理した。これに、光輝性
顔料として、アルミフレーク顔料(平均粒度20μm)
又はホワイトマイカ系顔料(平均粒度18μm)を、表
1〜4に示す配合割合で使用し、ディスパー型の攪拌機
で均一に攪拌混合してそれぞれ光輝材系塗料を調製し
た。
【0051】実施例1測色用塗板の作成 基板としてブリキ板(0.3×100×200mm)を
使用した。この上に、オルガS−90シーラー(日本ペ
イント社製)を乾燥厚膜が40μmになるように塗布
し、140℃で30分間焼き付けた。この上に、製造例
1で調製した各光輝材系塗料を下地色が隠蔽されるまで
塗布した。その上から、アクリル/メラミン樹脂系クリ
ヤ塗料(日本ペイント社製スーパーラックO−100)
を乾燥膜厚が表1〜4に示す値となるように塗布して、
ペリレン系顔料及びアルミ系光輝材を配合したA−1〜
A−16の各測色用塗板、ペリレン系顔料及びマイカ系
光輝材を配合したB−1〜B−16の各測色用塗板、シ
ャニンブルー系顔料及びアルミ系光輝材を配合したC−
1〜C−16の各測色用塗板、及び、シャニンブルー系
顔料及びマイカ系光輝材を配合したD−1〜D−16の
各測色用塗板を作成した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】測色用塗板の測色 得られた各測色用塗板を、変角分光光度計(村上色彩技
術研究所社製、GSP−2 型)を用いて400〜700
nmの範囲で10nmごとに測色した。測色したデータ
は、固定ディスクに格納した。
【0057】分光反射率のプロフィル 上記測色によって得たアルミ顔料含有塗板及びマイカ顔
料含有塗板の分光反射率データのプロフィルを図1〜3
に示した。ただし、特徴の把握が容易であるので、便宜
上、最も代表的な入射角と受光角との組み合わせである
塗膜平面の法線方向に対して入射角が45°についての
正反射方向からの偏角が15°(ハイライト方向)、4
5°(正面色方向)及び110°(シェード方向)の受
光角における反射率を、光輝材系塗料中の着色顔料と光
輝性顔料との配合比を100/1、100/2、100
/5を基準に、この光輝性顔料の配合比の10-2倍、1
-1倍、100 倍、10倍、102 倍としたもの及び1
00/1000としたものについてのみそれぞれ図示し
た。図1(a)は、青系着色顔料とアルミ顔料を使用し
たものであり、(b)は、青系着色顔料とマイカ顔料を
使用したものであり、(c)は、赤系着色顔料とアルミ
顔料を使用したものであり、(d)は、赤系着色顔料と
マイカ顔料を使用したものである。図2及び図3の
(a)、(b)、(c)及び(d)も、それぞれ図1と
同様の組み合わせを使用したものである。図中にこれら
の配合比に対応する塗料における着色顔料比率の値を各
グラフについて示した。着色顔料比率の値は、点線は
0.9999、点線に白四角は、0.9998、点線に
白三角は、0.9995、点線に×印は、0.999
0、点線に米印は、0.9980、点線に黒四角は、
0.9950、点線に+印は、0.9901、点線に黒
三角は、0.9804、実線に白丸は、0.9524、
実線に白三角は、0.091、実線に白菱形は、0.8
333、実線に白四角は、0.6667、実線に×は、
0.5000、実線に黒三角は、0.3333、実線に
黒菱形は、0.1667、実線に黒四角は、0.090
9の場合である。これらの図から、複雑な全体の分光反
射率分布がよく配合比を反映して分離変化していること
がわかる。
【0058】次に、この全体のプロフィルから480、
580及び680nmにおける分光反射率と顔料配合比
との関係を、受光角が正反射方向からの偏角が15°
(ハイライト方向)、45°(正面色方向)及び110
°(シェード方向)の各場合について拾って、それぞれ
図4〜6に示した。各図中、黒丸は480nmを、黒四
角は580nmを、黒三角は680nmの場合をそれぞ
れ示す。なお、マイカ顔料を配合した場合の図も、上記
アルミ顔料の場合と同様の全体のプロフィルから拾って
作成したものである。各図中、縦軸は、分光反射率を、
横軸は、着色顔料比率を示す。図4(a)は、青系着色
顔料とアルミ顔料を使用したものであり、(b)は青系
着色顔料とマイカ顔料を使用したものであり、(c)
は、赤系着色顔料とアルミ顔料を使用したものであり、
(d)は、赤系着色顔料とマイカ顔料を使用したもので
ある。図5及び図6の(a)、(b)、(c)及び
(d)も、それぞれ図4と同様の組み合わせを使用した
ものである。
【0059】図4、5及び6から、分光反射率と顔料配
合比とは、各波長において、着色顔料比率の広い範囲に
わたって大局的にほぼ線形性を示していることが判る。
また、ハイライト方向においても、例えば、アルミ顔料
を使用した場合に、各波長毎の分光反射率は着色顔料比
率に対して、局所的に実用上充分な線形性を維持してい
ることが図4(a)から判る。従って、例えば、アルミ
顔料又はマイカ顔料を使用した塗料の顔料配合比を変化
させた場合について、3次元CGの表示装置上の画像を
操作することにより、その塗色質感の検討を、塗料配合
を同時に検討しつつ対話的に行うことが可能である。
【0060】
【発明の効果】本発明により、コンピュータグラフィッ
クスを利用した塗料組成物が形成する塗膜の色彩や質感
の設計方法に使用する測色データファイルに光輝性顔料
との相互作用によって生じる着色顔料の色彩効果を効率
的に反映させることができる測色用塗板の作成方法を提
供することができ、このような測色データファイルを格
納した記憶媒体を使用することにより、変角分光反射率
分布と塗料配合とを連動させて検討することが可能とな
るので、コンピュータグラフィックスを利用した塗料組
成物が形成する塗膜の色彩や質感の設計方法を効率化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によって得たアルミ顔料含有塗板とマ
イカ顔料含有塗板のハイライト方向(偏角15°)にお
ける分光反射率データの波長依存性を示すグラフ。縦軸
は、反射率を表し、横軸は、波長(nm)を表す。
【図2】実施例1によって得たアルミ顔料含有塗板とマ
イカ顔料含有塗板の正面色方向(偏角45°)における
分光反射率データの波長依存性を示すグラフ。縦軸は、
反射率を表し、横軸は、波長(nm)を表す。
【図3】実施例1によって得たアルミ顔料含有塗板とマ
イカ顔料含有塗板のシェード方向(偏角110°)にお
ける分光反射率データの波長依存性を示すグラフ。縦軸
は、反射率を表し、横軸は、波長(nm)を表す。
【図4】実施例1によって得たハイライト方向における
分光反射率データの顔料比率依存性を示すグラフ。縦軸
は、反射率を表し、横軸は、着色顔料比率を表す。
【図5】実施例1によって得た正面色方向における分光
反射率データの顔料比率依存性を示すグラフ。縦軸は、
反射率を表し、横軸は、着色顔料比率を表す。
【図6】実施例1によって得たシェード方向における分
光反射率データの顔料比率依存性を示すグラフ。縦軸
は、反射率を表し、横軸は、着色顔料比率を表す。
【図7】変角分光測色装置の概略構成を示す模式図。
【図8】図7に示す変角分光測色装置の試料回転台の回
転可能な方向を示す模式図。
【符号の説明】
R1 試料照明光 R2 白色拡散板照明光 B1 試料反射光 B2 白色拡散板反射光 1 変角分光測色装置 2 照光器 3 試料回転台 4 分光器 5 ハロゲンランプ 10 試料 11 白色拡散板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光線追跡法による画像形成システムが構
    築されたコンピュータの記憶装置に測色用塗板を分光測
    光して得た少なくとも1つの変角分光反射率分布からな
    る測色データファイルを含むデータベースを格納する過
    程、前記データベースから読みだしたデータに基づいて
    3次元画像をコンピュータグラフィックス表示装置に表
    示する過程、及び、前記測色データファイルから変角分
    光反射率分布を別途選択し、前記選択した変角分光反射
    率分布と前記3次元画像を形成するために使用した変角
    分光反射率分布とを任意の重み付けによって線形演算し
    て、少なくとも1つの新たな変角分光反射率分布を前記
    コンピュータ上で算定する過程を含む複数の過程によっ
    て前記3次元画像の光学的特徴を操作することにより、
    光学的に複雑な特性をもつ塗料組成物が形成する塗膜の
    色彩や質感を前記コンピュータ上で対話的に設計する方
    法に使用する前記測色データファイルを作成するための
    前記測色用塗板の作成方法であって、着色顔料と光輝性
    顔料との配合比が重量比で100/0.01〜100/
    500000である光輝材系塗料を基板上に塗布し、塗
    膜を形成することを特徴とする測色用塗板の作成方法。
  2. 【請求項2】 光輝材系塗料は、着色顔料と光輝性顔料
    との配合比が100/1、100/2及び100/5で
    ある塗料を一組とし、この一組の塗料の光輝性顔料の配
    合比の10-2倍、10-1倍、100 倍、10倍、102
    倍、103 倍、104 倍及び105 倍の光輝性顔料を含
    有する各組の光輝材系塗料に属するものである請求項1
    記載の測色用塗板の作成方法。
  3. 【請求項3】 光輝材系塗料は、着色顔料と光輝性顔料
    との配合量の合計が、塗膜形成用樹脂固形分100重量
    部あたり4〜50重量部である請求項1又は2記載の測
    色用塗板の作成方法。
  4. 【請求項4】 下地色を実質的に隠蔽するまで塗膜を形
    成するように光輝材系塗料を基板上に塗布する請求項
    1、2又は3記載の測色用塗板の作成方法。
  5. 【請求項5】 光線追跡法による画像形成システムが構
    築されたコンピュータの記憶装置に測色用塗板を分光測
    光して得た少なくとも1つの変角分光反射率分布からな
    る測色データファイルを含むデータベースを格納する過
    程、前記データベースから読みだしたデータに基づいて
    3次元画像をコンピュータグラフィックス表示装置に表
    示する過程、及び、前記測色データファイルから変角分
    光反射率分布を別途選択し、前記選択した変角分光反射
    率分布と前記3次元画像を形成するために使用した変角
    分光反射率分布とを任意の重み付けによって線形演算し
    て、少なくとも1つの新たな変角分光反射率分布を前記
    コンピュータ上で算定する過程を含む複数の過程によっ
    て前記3次元画像の光学的特徴を操作することにより、
    光学的に複雑な特性をもつ塗料組成物が形成する塗膜の
    色彩や質感を前記コンピュータ上で対話的に設計する方
    法に使用する前記測色データファイルを作成するための
    前記測色用塗板であって、着色顔料と光輝性顔料との配
    合比が重量比で100/0.01〜100/50000
    0である光輝材系塗料を基板上に塗布し、塗膜を形成す
    ることを特徴とする測色用塗板。
  6. 【請求項6】 光輝材系塗料は、着色顔料と光輝性顔料
    との配合比が100/1、100/2及び100/5で
    ある塗料を一組とし、この一組の塗料の光輝性顔料の配
    合比の10-2倍、10-1倍、100 倍、10倍、102
    倍、103 倍、104 倍及び105 倍の光輝性顔料を含
    有する各組の光輝材系塗料に属するものである請求項5
    記載の測色用塗板。
  7. 【請求項7】 光輝材系塗料は、着色顔料と光輝性顔料
    との配合量の合計が、樹脂固形分100重量部あたり4
    〜50重量部である請求項5又は6記載の測色用塗板。
  8. 【請求項8】 下地色を実質的に隠蔽するまで塗膜を形
    成するように光輝材系塗料を基板上に塗布してなる請求
    項5、6又は7記載の測色用塗板。
  9. 【請求項9】 請求項5、6、7又は8記載の測色用塗
    板を分光測光して得られた変角分光反射率分布からなる
    測色データファイルを格納してなることを特徴とする記
    憶媒体。
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