JP3940805B2 - 測色計内蔵カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影時に被写体の色情報を測定可能な測色計内蔵カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の撮影方法は、例えば、夕景のようなシーンでは、撮影者が意図するイメージの写真を撮るために、色温度などの色情報を人間の眼の判断に任せていたために、ある一定の基準の色温度で撮影を行おうとしても、実際に眼で見たときと、写真に撮影したものとでは、大幅な誤差を生じていた。
そのため、撮影者は、意図する色再現を求めるために、やみくもに必要以上の枚数の写真を撮らなければならない、という問題があった。
【0003】
そこで、撮影者が意図するカラーバランスで被写体を撮影するために、入射する光の色温度などの色情報を測光する測色計が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した測色計を用いる場合には、常に、色温度を測っていなければ、被写体を適切なカラーバランスで撮影することはできず、かえって、シャッタチャンスを逃す可能性があった。
【0005】
本発明は、あらかじめ撮影者が意図する色情報に基づいて、撮影を行うことができる測色計内蔵カメラを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、被写界から入射する光を複数の色成分毎に分割して測光する測光部と、前記測光部によって繰返し測光された測光値に基づいて、前記被写界の実測した色情報を繰返し演算する色情報演算部と、を含む測色計内蔵カメラにおいて、任意の色情報を設定する色情報設定部と、前記色情報演算部により繰返し実測した色情報が前記色情報設定部による設定値に一致するに至ったか否かを判定する判定部と、を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記色情報設定部に設定値を入力する設定値入力部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載された測色計内蔵カメラにおいて、シャッタレリーズ動作を行うレリーズ部と、前記判定部が一致を判定したときに、前記レリーズ部にレリーズ動作を開始させる撮影制御部とを備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記測光部に測光動作を開始させる操作部材を備え、前記撮影制御部は、前記操作部材によってシーケンスが開始されてから所定時間経過するまでに、前記判定部が一致を判定しない場合には、レリーズ動作を行わずに、シーケンスを終了させることを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項にに記載された測色計内蔵カメラにおいて、撮影者に警告を発生する警告部と、前記判定部が一致を判定したときに、あるいは、一致に近づいた状態を判定したときに、前記警告部に警告動作を実行させる警告制御部とを備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の測色計内蔵カメラにおいて、前記測光部に測光動作を開始させる操作部材を備え、前記警告制御部は、前記操作部材によってシーケンスが開始されてから所定時間経過後に、前記判定部が一致を判定しない場合には、警告動作を行わずに、シーケンスを終了させることを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記測光部は、測光が開始されてから一定の周期で被写界の測光を行うことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記レリーズ部がレリーズ動作を開始するまでに要する所要時間を設定する撮影時間設定部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記撮影時間設定部は、セルフタイマであることを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0015】
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記撮影制御部は、前記撮影時間設定部により設定された所要時間になったときに、前記判定部が一致を判定しない場合であっても、前記レリーズ部にレリーズ動作を開始させることを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0016】
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、通常撮影を行う第1のモードと、前記色情報に基づく撮影を行う第2のモードとを選択する選択部を備えることを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0017】
請求項12の発明は、請求項11に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記選択部が第1のモードを選択したときに、前記所要時間を表示し、前記第2のモードを選択したときに、色情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記色情報演算部は、色温度、ライトバランシングファクタ及びカラーコンペンセイティングファクタの少なくとも1つの色情報を演算することを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0019】
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記表示部は、ファインダ内又はカメラボディの外部において所定の表示を行うことを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、前記測光部は、前記被写界から入射する前記光を、レッド、グリーン及びブルー、又は、イエロー、マゼンタ及びシアンに分離して測光することを特徴とする測色計内蔵カメラである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面などを参照して、実施形態をあげて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による測色計内蔵カメラの実施形態を示す図である。
この実施形態のカメラは、被写界の光を入射する撮影レンズ1と、この入射された光を上方に反射させる反射ミラー2と、この反射された光を結像するフォーカシングスクリーン3と、フォーカシングスクリーン3で結像した像を反射するペンタプリズム4と、その反射した像を観察者眼に導く接眼レンズ5と、ファインダ接眼部20などとが備えられており、ファインダ接眼部20を観察することによって、フォーカシングスクリーン3に結像した被写体を確認することができる。
【0022】
また、測光レンズ6は、ペンタプリズム4から出てきた光を、測光素子7に入射させるレンズである。測光素子7は、この光を赤(RED)、緑(GREEN)及び青(BLUE)の各色成分毎に測光し、この各色成分毎の測光出力は、CPU8に入力されている。
【0023】
CPU8は、測光素子7から入力された測光出力を用いて、被写体を適切なカラーバランスで撮影するために用いられる被写体の色情報、具体的には、色温度、ライトバランシングファクタ(LB値)及びカラーコンペンセイティングファクタ(CC値)を演算する手段である。
また、CPU8は、通常のカメラ機能、例えば、測光素子7から入力された測光出力を用いて、適正露出値としてのシャッタ速度及び絞り値を演算し、その値を表示する命令や警報を発生する命令、シャッタ装置や絞り装置を駆動する命令を生成する。さらに、CPU8は、レリーズボタン12からの半押し、全押し信号により、前述した露出制御や、撮影レンズ1をAF駆動するレンズ駆動装置などの制御をする。
【0024】
表示装置9は、CPU8において演算された色情報を含むパラメータを表示する装置であり、フォーカシングスクリーン3の像の下部に見える位置に配置されており、ファインダ接眼部20を介して観察することができる。従って、撮影者は、ファインダを観察することによって、被写界とともに、表示装置9に表示されるパラメータを確認することができる。
【0025】
セレクトダイヤル10は、通常のセルフタイマ撮影か、測色情報に基づく撮影かを選択するダイヤルであって、撮影セルフタイマ設定時に、表示装置9にパラメータを表示する表示モードを選択するダイヤルであって、撮影回数、所要時間などを表示する第1のモード(TIME)と、色温度、LB値、CC値などを表示する第2のモード(CM)とに切り換えることができる。
このセレクトダイヤル10は、図1においては、カメラボディ30の内部に示されているが、実際には、カメラボディ30の外部に配置されている。
【0026】
レリーズボタン12は、半押し状態によって、撮影準備動作を開始し、全押し状態によって、露出制御動作を開始するためのボタンである。
コマンドダイヤル13は、各種撮影条件の設定を行うダイヤルであって、この実施形態では、セルフタイマの時間の設定、色温度、LB値、CC値などの値の設定等を行う。
【0027】
外部表示装置14は、カメラボディ30の外部に設けられた表示装置であり、ファインダ内の表示装置9に表示されるものの一部や、コマンドダイヤル13の設定時などに、設定内容などを表示することができる。
LED15は、セルフタイマによるレリーズオンや、色情報が設定値になったことを知らせる警報装置である。
【0028】
図2は、本実施形態に係る測色計内蔵カメラのフォーカシングスクリーンを示す図である。
このフォーカシングスクリーン3は、図1に示した反射ミラー2によって反射された被写体の光が結像する部材である。本実施形態の場合には、図1の測光素子7で測光される範囲は、フォーカシングスクリーン3における中央の領域31の内部である。
【0029】
図3は、本実施形態に係る測色計内蔵カメラの測光素子を示す図である。
この測光素子7は、ストライプフィルタを用いたワンチップ型のカラーセンサで構成されており、本実施形態においては、9分割した短冊形の光センサの前面に色フィルタが取り付けられている。
この測光素子7は、光センサ71R,72R,73RにR(赤)のフィルタが、光センサ71G,72G,73GにG(緑)の色フィルタが、光センサ71B,72B,73BにB(青)の色フィルタがそれぞれ取り付けられている。
従って、光センサ71R〜73Rは、R(赤)成分の測光出力を、光センサ71G〜73Gは、G(緑)成分の測光出力を、光センサ71B〜73Bは、B(青)成分の測光出力を、それぞれ得ることができる。これらの色成分毎の測光出力は、それぞれ加算され、R成分のセンサデータDR 、G成分のセンサデータDG 、B成分のセンサデータDB として、CPU8に送られる。
【0030】
なお、本実施形態の測光素子7は、説明の便宜のために、9分割された短冊形の光センサの例で説明するが、実際には、入射した光の各色成分の情報を取り込むために、非常に多数に分割されており、さらに、ある程度ピントがぼける位置に設置されている。それによって、短冊形の各光センサには、それぞれ均一に光が当たるようになっている。
【0031】
次に、本実施形態に係る測色計内蔵カメラの動作を説明する。
被写界の光は、図1に示すように、撮影レンズ1を介して、カメラ内部に入射される。この入射された光は、反射ミラー2によって反射され、フォーカシングスクリーン3において結像される。この結像された光は、さらにペンタプリズム4において2回反射され、接眼レンズ5で像を結ぶ。撮影者は、この像をファインダ接眼部20から観察することによって被写界を確認することができる。
また、ペンタプリズム4から出た光は、測光レンズ6によって測光素子7に入射される。測光素子7によって測定された測光値は、CPU8に入力され、以下に示すような制御が行なわれる。
【0032】
図4は、本実施形態に係る測色計内蔵カメラの動作を示すメインフローチャートである。
図4の処理は、カメラのメインスイッチ(電源スイッチ,不図示)がオンされた後にスタートする。
CPU8は、S101において、セレクトダイヤル10により選択される表示モード、コマンドダイヤル13等により設定されるセルフタイマの設定時間や、色情報(LB値,色温度,CC値等)の設定値などを入力する。そして、S102において、レリーズボタン12が全押しされたか否かを判定し、肯定の場合には、S103へ進み、否定の場合には、S101に戻る。
【0033】
CPU8は、S103において、測光素子7から測光値を入力する(第1の測光)。そして、ステップS104において、撮影者が選択したセレクトダイヤル10のモードが第1のモード(TIME)であるか否かを判定し、第1のモード(TIME)であると判定した場合には、S105へ進む。
【0034】
次に、CPU8は、ステップS105において、被写界の適正露出値としてのシャッタ速度及び絞り値を演算する。ステップS106において、設定された所要時間の計時タイマを開始し、ステップ107において、計時が完了されたか否かを判定する。計時完了を判定した場合には、ステップ108において、LEDランプ15を点滅して警告を開始する。
ついで、CPU8は、ステップS109において、セルフタイマ動作によるレリーズをオンし、そして、ステップS110において、LEDランプ15の点滅を終了する。
【0035】
一方、CPU8は、ステップS104において、撮影者が選択したセレクトダイヤル10のモードが第1のモード(TIME)でないと判定した場合、すなわち、第2のモード(CM)であると判定した場合には、ステップS111において、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定した場合には、このルーチンを終了する。
【0036】
また、CPU8は、ステップS111において、所定時間が経過していないと判定した場合には、ステップS112に進み、一定の周期で測光を行う(第2の測光)。次に、ステップS113において、被写界の適正露出値としてのシャッタ速度及び絞り値を演算する。
【0037】
ここで、CPU8は、ステップS114において、その詳細を図5及び図6に示す測色処理(その説明は、後述する)のサブルーチンをコールする。
【0038】
さらに、CPU8は、ステップS115において、測色処理の結果が、S101で設定された色情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合には、ステップS116において、LEDランプ15を点滅して警告を開始し、ステップS117において、セルフタイマ動作によるレリーズをオンし、そして、ステップ118において、LEDランプ15の点滅を終了して、すべての動作を終了する。
なお、ステップS115において、「一致を判定」した例で説明したが、「一致に近づいた状態を判定」するようにしてもよい。例えば、色情報の設定値が3200Kであったときに、3000Kで警告を開始する。このように、警告開始条件にある程度の幅を持たせておけば、撮影者が慌てなくて済むからである。
【0039】
図5は、図4に示したステップS114の測色処理のうち、CPU8が被写体の色情報のうち、LB値及び色温度を演算するサブルーチンを示すフローチャートである。
CPU8は、ステップS11において、測光素子7からのB成分のセンサデータDB 、G成分のセンサデータDG 及びR成分のセンサデータDR を読み取り、ステップS12において、DB とDG の比であるDBG(=DB /DG )を算出する。また、ステップS13において、DR とDG の比であるDRG(=DR /DG )を算出する。
【0040】
次に、ステップS14において、2つの定数KLB1,KLB2を用いて、LB値LB[ミレッド]を、次式(1)によって計算する。
【0041】
LB=KLB1×DBG+KLB2×DRG …(1)
【0042】
さらに、ステップS15において、計算したLB値LBに基づいて、テーブルを参照しながら、色温度T[ケルビン]を求めて、リターンする。
【0043】
図6は、図4に示したステップS114の測色処理のうち、CPU8が被写体の色情報のうちCC値を演算するサブルーチンを示すフローチャートである。
CPU8は、ステップ21において、測光素子7からのB成分のセンサデータDB 、G成分のセンサデータDG 及びR成分のセンサデータDR を読み取り、ステップS22において、DB とDG の比であるDBG(=DB /DG )を算出する。また、ステップS23において、DR とDG の比であるDRG(=DR /DG )を算出する。
【0044】
次に、ステップS24において、2つの定数KCC1,KCC2を用いて、CC値CCを、次式(2)によって計算して、リターンする。
【0045】
CC=KCC1×DBG+KCC2×DRG …(2)
【0046】
なお、通常は、R,G,Bをある適当な比率で測光に用いるが、本実施形態では、測色計モードにしたときに、上記の演算を行う。
また、図4のフローチャートに示すように、図5及び図6に示す動作は、セレクトダイヤル10によって、第2モードに切り換えられている場合にのみ行われる。
【0047】
図7(a)、(b)は、セレクトダイヤル10を第1又は第2のモードに切り換えたときの、表示装置9の表示状態を示す図である。
図7(a)は、セレクトダイヤル10が第1のモード(TIME)に選択されているときの表示例であり、表示部91aには撮影回数(2F)が、表示部91bには設定された所要時間(5″)が、それぞれ表示されている。
【0048】
図7(b)は、第2のモード(CM)に選択されたときの表示例であり、表示部92aには色温度(T[K])が、表示部92bにはLB値(LB[D])が、さらに、表示部92cにはCC値(CC)が、それぞれ表示されている。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、撮影したい条件の色情報を設定し(S101)、セルフタイマ撮影を利用して、撮影者の意図とするカラーバランスになった場合に(S115)、警告を促すと共に(S116)、自動的にレリーズがオンされるようにした(S117)。このような測色計機能を使用することにより、撮影者は、自分の意図するイメージに、より近いシーンを簡単に撮影することができる、という効果がある。
【0050】
以上説明した実施形態に限定されることはなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲に含まれる。
例えば、この実施形態では、視覚的なLEDランプ15の点滅によって警告を行っているが、スピーカなどを設けて、聴覚的に警告を行ってもよい。また、色情報の設定を色温度T、LB値LB、CC値CCの全てについて同時に設定するようにしたが、少なくとも一つのみについて設定を行うようにしてもよい。
【0051】
表示装置9は、ファインダ内で観察できる位置ではなく、カメラボディ30の外部に設けられた外部表示装置14(図1参照)に配置することも可能である。また、測光素子は、赤,緑及び青色に入射光を分離する例で説明したが、それらの補色であるイエロー,マゼンタ及びシアンに分離するようにしてもよい。
【0052】
なお、レリーズボタン12の全押しによってセルフタイマを利用して、所定時間の経過を測定したが、この撮影の専用の撮影時限タイマ(不図示)を起動するようにしてもよい。
また、図4において、S111のあとに、動作を終了させずに、S116,S117,S118を行ったのちに、動作を終了させるようにしてもよい。すなわち、所定時間が経過してしまったときには、レリーズするようにしてもよい。
【0053】
色情報の設定は、コマンドダイヤル13などから直接数値を設定してもよいし、夕景シーンなどのシーン撮影モードを選択したときに、自動的に設定するようにしてもよい。
【0054】
さらに、色情報(T,LB値,CC値)の設定は、小刻み(例えば、10K毎、100K毎など)に設定してもよいが、ある程度の幅(例えば、5500K〜6000Kなど)を持たせることができる。なぜならば、例えば、夕景自然光は、序々に色温度が変わることもあれば、急に大きく変化することもあり、色情報の設定に、ある程度の幅を持たせた方が、急激な色温度の変化に対応でき、撮影上機転を効かせることができるからである。
【0055】
なお、色情報に関して述べるならば、設定するパラーメータの中でも、特に、色温度の場合は、数値の差が単なる数値上の差でしかなく、実際の色合いの差にはなっていないことがある。例えば、5500Kと6000Kの差は500Kであるが、実際に撮影してみると色の違いはあまり大きく出ない(フィルタ2枚分)。しかし、同じ500Kの差であっても、3200Kと3700Kとでは、大きな色の違いになって表れてしまう(フィルタ4枚分)。そこで、このような不都合をなくすために、色温度の差をLB値(単位:ミレッド)に置き換える方法がとられる。従って、色情報として設定する値は、LB値が好ましい。ただし、その設定値は、もちろんT(K),CC値でもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、撮影したい条件の色情報を設定して、その設定になった場合には、撮影をするか又は警告を促すようにしたので、撮影者の意図とする色情報の写真が簡単に撮影できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による測色計内蔵カメラの実施形態を示す図である。
【図2】図1のフォーカシングスクリーン3上の測色範囲の例を示す図である。
【図3】図1の測光素子7の構成例を示す図である。
【図4】図1の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4のステップS114の測色処理のうち、色温度及びLB値を演算するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS114の測色処理のうち、CC値を演算するサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図1の表示装置の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 反射ミラー
3 フォーカシングスクリーン
31 測色範囲
4 ペンタプリズム
5 接眼レンズ
6 測光レンズ
7 測光素子
71R〜73R,71G〜73G,71B〜73B 光センサ
8 CPU
9 表示装置
10 選択ダイヤル
11 フィルム
12 レリーズボタン
13 コマンドダイヤル
14 外部表示装置
15 LED
20 ファインダ接眼部
Claims (15)
- 被写界から入射する光を複数の色成分毎に分割して測光する測光部と、
前記測光部によって繰返し測光された測光値に基づいて、前記被写界の実測した色情報を繰返し演算する色情報演算部と、
を含む測色計内蔵カメラにおいて、
任意の色情報を設定する色情報設定部と、
前記色情報演算部により繰返し実測した色情報が前記色情報設定部による設定値に一致するに至ったか否かを判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記色情報設定部に設定値を入力する設定値入力部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1又は請求項2に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
シャッタレリーズ動作を行うレリーズ部と、
前記判定部が一致を判定したときに、前記レリーズ部にレリーズ動作を開始させる撮影制御部とを備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項3に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記測光部に測光動作を開始させる操作部材を備え、
前記撮影制御部は、前記操作部材によってシーケンスが開始されてから所定時間経過するまでに、前記判定部が一致を判定しない場合には、レリーズ動作を行わずに、シーケンスを終了させることを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
撮影者に警告を発生する警告部と、
前記判定部が一致を判定したときに、あるいは、一致に近づいた状態を判定したときに、
前記警告部に警告動作を実行させる警告制御部とを備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項5に記載の測色計内蔵カメラにおいて、
前記測光部に測光動作を開始させる操作部材を備え、
前記警告制御部は、前記操作部材によってシーケンスが開始されてから所定時間経過後に、前記判定部が一致を判定しない場合には、警告動作を行わずに、シーケンスを終了させることを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記測光部は、測光が開始されてから一定の周期で被写界の測光を行うことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記レリーズ部がレリーズ動作を開始するまでに要する所要時間を設定する撮影時間設定部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項8に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記撮影時間設定部は、セルフタイマであることを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項8又は請求項9に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記撮影制御部は、前記撮影時間設定部により設定された所要時間になったときに、前記判定部が一致を判定しない場合であっても、前記レリーズ部にレリーズ動作を開始させることを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
通常撮影を行う第1のモードと、前記色情報に基づく撮影を行う第2のモードとを選択する選択部を備えることを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項11に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記選択部が第1のモードを選択したときに、前記所要時間を表示し、前記第2のモードを選択したときに、色情報を表示する表示部を備えたことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記色情報演算部は、色温度、ライトバランシングファクタ及びカラーコンペンセイティングファクタの少なくとも1つの色情報を演算することを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項12又は請求項13に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記表示部は、ファインダ内又はカメラボディの外部において所定の表示を行うことを特徴とする測色計内蔵カメラ。 - 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された測色計内蔵カメラにおいて、
前記測光部は、前記被写界から入射する前記光を、レッド、グリーン及びブルー、又は、イエロー・マゼンタ及びシアンに分離して測光することを特徴とする測色計内蔵カメラ。
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