JP3690044B2 - カメラの測光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の輝度を測定する測光装置に関し、特に、カメラの自動露出制御に用いられるカメラの測光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置としては、特開平3−15726号公報に記載されているようなものがあった。この装置は、図10(A)に示すように、測光測色回路51と、受光素子選択スイッチ52と、CPU53とを備え、撮影する被写体色や光源色に応じて、受光素子選択スイッチ52によって測光測色回路51の受光素子を選択して測光し、CPU53が適正露出値を求めるというものであった。
また、測光測色回路51の受光素子は、図10(B)のように、輝度測光用の素子N、赤色光測光用の素子R、緑色光測光用の素子G、青色光測光用の素子Bが1チップ上に配置されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現在、カメラなどに内蔵されている測光装置は、いわゆる反射光式露出計とよばれるものであり、光源から照明された被写体からの反射光を測光して適正露出値を算出するものである。この方式は、撮影者側から簡単に測光できるという利点があるが、被写体のある場所で被写体に入射する光束を直接測光する入射式露出計に比べると、被写体の光反射率(以後、単に反射率と呼ぶ)の影響を受けるという欠点がある。
【0004】
つまり、反射光式露出計では、同じ照明下にある被写体でも反射率の高い被写体の方が反射率の低い被写体よりも明るいと認識して、反射率の高い被写体の場合にはアンダー目な露出を、反射率の低い被写体にはオーバー目の露出を与えてしまう。その結果、写真では反射率の高い白っぽい被写体も、反射率の低い黒っぽい被写体も、中間的なグレーに再現されてしまう。
そこで、最近では分割測光方式により被写界を複数に分割して測光し、複数の領域の輝度値を比較することによって撮影シーンを分析し、比較的反射率に左右されない露出値を与えるような測光装置が開発されている。
【0005】
一方、分割測光方式だけでは判別しきれない撮影シーンも存在する。例えば、夕焼けのシーンと、同様の構図の昼間のシーンである。これらの2つのシーンは、通常の分割測光方式ではほとんど同一のシーンと判定される。
しかし、夕焼けのシーンでは前景の被写体をアンダーにつぶしてでも夕焼けの空に露出を合わせた方が良いが、昼間のシーンではむしろ前景の被写体に露出を合わせるべきである。
そこで、従来の測光装置は、被写体色や光源色に応じて受光素子を切り替え、夕景と昼間の風景で異なる分光感度の受光素子を用いて測光することにより、それぞれのシーンによって適正露出値を与えるようにしている。
【0006】
しかし、従来の測光装置は、撮影者自らが被写体色や光源色を判別して受光素子を切り替える必要があるために、操作が煩わしいという問題点があった。
そこで、本発明は、難しい操作を必要とせず、かつ、被写体色や光源色等の異なるシーンを判別して、それぞれに適正露出値を与えるようなカメラの測光装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、撮影レンズを介して被写界を複数に分割して輝度値を測光する分割測光部と、前記撮影レンズを介して測光用再結像レンズを用いずに被写界全体の色バランスを測光する、前記分割測光部とは独立した測色部と、前記測色部の出力に基づいて、シーン判別を行うシーン判別部と、前記分割測光部と前記シーン判別部の出力に基づいて、被写界の適正露出値を算出する露出演算部とを備えることを特徴とするカメラの測光装置である。
【0009】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記分割測光部と前記測色部は、互いに異なる光学系によりそれぞれの測光を行うことを特徴とするカメラの測光装置である。
【0013】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第1の所定値より大きく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第2の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスがマゼンタから赤傾向にある夕景であると判定することを特徴とするカメラの測光装置である。
【0014】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第3の所定値より大きく第4の所定値より小さく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第5の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスがイエロー傾向にある黄色味がかったシーンであると判定することを特徴とするカメラの測光装置である。
【0015】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第6の所定値より小さく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第7の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスが全体的に緑色傾向にある蛍光灯照明下であると判定することを特徴とするカメラの測光装置である。
【0016】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第8の所定値より大きく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第9の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスが全体的に赤色傾向にあるタングステンランプ照明下であると判定することを特徴とするカメラの測光装置である。
【0017】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記露出演算部は、更に撮影距離情報を用いて適正露出値を演算することを特徴とするカメラの測光装置である。
【0018】
請求項の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記露出演算部は、前記シーン判定部が夕景であると判定した場合に、撮影像倍率が所定値よりも大きいときには、画面高輝度部分に露出を重視し、所定値以下のときには、画面高輝度部分と画面低輝度部分とを共に重視した露出とすることを特徴とするカメラの測光装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの測光装置の概略の構成を示すブロック図である。
測光回路11は、例えばSPD(シリコン・フォト・ダイオード)等の受光素子を用いて被写界を測光する回路であり、その測光出力は、第1A/D変換部12に接続されている。
第1A/D変換部12は、測光出力を測光データに数値化する部分であり、数値化された測光データは、輝度算出部13に出力されている。
輝度算出部13は、数値化された測光データを絶対輝度値に変換する部分であり、その出力は、シーン判別部17及び露出演算部18に接続されている。
【0020】
一方、測色回路14は、被写界の色出力を測光する回路であり、その色測光出力は、第2A/D変換部15に接続されている。測色回路14に使用される受光素子も、基本的にはSPDと同様なものでよいが、受光素子のチップ上にそれぞれ分光感度の異なる色フィルターが配置されている。受光素子の分光感度については、後に詳しく説明する。
第2A/D変換部15は、色測光出力を数値化する部分であり、その出力は、色バランス算出部16に接続されている。
【0021】
色バランス算出部16は、第2A/D変換部15の出力に基づいて、被写界の色バランスを求める部分であり、その出力は、シーン判別部17に接続されている。
シーン判別部17は、輝度算出部13と色バランス算出部16の出力に基づいて、撮影シーンの判別を行う部分であり、その出力は、露出演算部18に接続されている。
【0022】
露出演算部18は、シーン判別部17と、後述する距離算出部19の出力に基づいて、被写界の適正露出値を算出する部分である。
距離算出部19は、例えば、撮影レンズに設けられた距離エンコーダの情報を読みとり、そのときの撮影距離を算出するものである。
露出制御部20は、不図示のレリーズ信号により撮影者がレリーズボタンを押したことを検出したときに、露出演算部18の出力に基づいて、絞り21及びシャッター22を適正値に制御する部分である。
【0023】
なお、第1A/D変換部12、第2A/D変換部15、輝度算出部13、色バランス算出部16、シーン判別部17及び露出演算部18は、全て1チップマイクロコンピュータ(以下マイコンと略す)23によって実現されている。
【0024】
図2は、本発明の実施形態の光学系を示すブロック図である。
光束は、撮影レンズ1を通過した後に、クイックリターンミラー2、拡散スクリーン3、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通って撮影者の目に到達する。また、光束の一部は、拡散スクリーン3によって拡散された後に、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、測光用プリズム7、測光用レンズ8を通して測光素子9へ到達する。
【0025】
一方、光束の一部は、拡散スクリーン3によって拡散され、コンデンサレンズ4を通過した後に、ペンタプリズム5の途中から外へ出すことによって、測色用受光素子10へ導かれている。この測色用受光素子10の前には、再結像用にレンズが設けられていないために、受光素子10は、光軸を中心とした撮影画面の全体を測光することになる。
【0026】
図3は、受光素子9の分割状態を被写界に照らし合わせて示した図である。
受光素子9は、被写界のほぼ全面を5分割して測光し、それぞれの測光値BV1〜BV5を出力できるようになっている。
【0027】
図4は、測色用受光素子10の受光面の様子の概略を示した図である。
図4に示すように、受光面は、互いに独立した3個の光電変換部を備え、R、G、Bの3種の異なる分光感度分布を持った色フィルターがそれぞれの受光面上に施されている。
【0028】
図5は、測色用受光素子10の受光面上に施された色フィルターR、G、Bのそれぞれの分光感度分布を示した図である。
図5に示すように、色フィルターR、G、Bは、600〜700nm、500〜600nm、400〜500nmの波長範囲をそれぞれ測光するようになっている。
【0029】
図6は、測色用受光素子10の出力と、そのときの被写体色との関係を分かりやすく示した図である。
図6に示すように、B出力が支配的な場合には被写体色は青、同様に、G出力の場合は緑、R出力の場合は赤となる。また、G出力とR出力が同じくらい強い場合にはイエロー、同様に、B出力とR出力の場合にはマゼンタ、B出力とG出力の場合にはシアンとなる。
【0030】
図7は、本実施形態に係るカメラの測光装置のマイコン23のプログラムを示したメインフローチャートである。
不図示のカメラのレリーズボタンが半押しされることによってカメラの電源が入り、本プログラムが実行される。
【0031】
まず、ステップS101において、測光回路11による測光を行い、その測光データを第1A/D変換部12により数値化して取り込む。
ステップS102において、得られた測光データから輝度算出部13によって被写界の輝度値BV1〜BV5を算出する。
ステップS103では、測色回路14により被写界の測色を行い、そのデータを第2A/D変換部15によって数値化して取り込む。
ステップS104では、得られた測色データから被写界の色バランスを算出する。
【0032】
ステップS105では、得られた絶対輝度値と色バランス値とから被写界のシーン判別を行う。シーン判別の方法については後に詳しく説明する。
ステップS106では、シーン判別の結果や算出された絶対輝度値等に基づいて、被写界の適正露出値を算出する。適正露出算出方法についても後に詳しく説明する。
【0033】
ステップS107では、不図示のレリーズボタンが全押しされたか否かを判定し、全押しの場合には、ステップS106において求められた適正露出値に基づいて、絞り21とシャッター22を制御してフィルムへの露光を行い、全押しでない場合には、直接ステップS109へ進む。
【0034】
ステップS109では、半押しタイマーによりレリーズの半押し解除後に所定時間経過したか否かを判定し、レリーズの半押し継続中またはタイマーが所定時間内であった場合にはステップS101へ戻って処理を繰り返し、タイマー切れであった場合にはプログラムを終了する。
【0035】
図8は、被写界のシーン判別を行うサブルーチンを示したフローチャートである。
図7のステップS105が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。
まず、ステップS201により、BVmaxが5(BV)より大であるか否かを判定する。ここで、BVmaxとは、図3の分割測光値BV1〜BV5までの最大輝度値を示すものである。また、単位(BV)は、絶対輝度値を示す単位である。
【0036】
BVmax>5、つまり被写界が日中屋外程度以上に明るいと判定された場合には、ステップS202へ進み、R/G>4、かつ、B/G<4であるか否かを判定する。ここで、R、G、Bは、測色回路14からの測色出力である。つまり、ここではR出力がG出力の4倍より大きく、かつ、B出力がG出力の4倍より小さいか否かを判定しており、被写界の色バランスがマゼンタ〜赤傾向であるか否かの判定を行っている。ステップS202が肯定の場合には、ステップS203へ進みそのシーンは夕景であると判定する。
【0037】
ステップS202が否定の場合には、ステップS204へ進み、0.5<R/G<2、かつ、B/G<0.5であるか否かを判定する。つまり、ここではR出力がG出力の0.5倍〜2倍以内で、かつ、B出力がG出力の半分より小さいか否かを判定しており、被写界の色バランスがイエロー傾向であるか否かの判定を行っている。テップS204が肯定の場合には、ステップS205へ進みそのシーンは黄色っぽいシーンであると判定する。
【0038】
ステップS201が否定の場合には、ステップS206へ進み、BVmean<5(BV)であるか否かの判定を行う。ここで、BVmeanとは、BV1〜BV5の絶対輝度値の平均値である。
ステップS206が肯定の場合、つまり被写界の平均輝度が5(BV)より低く、室内撮影であると判定された場合には、ステップS207により、R/G<0.5、かつ、B/G<0.5であるか否かの判定を行う。
【0039】
ステップS207が肯定の場合、つまりR出力もB出力もG出力の半分以下であり、全体的に緑色っぽい場合には、室内の蛍光灯照明による色カブリが生じていると判定し、ステップS208において蛍光灯照明下での撮影であると判定する。
【0040】
ステップS207が否定の場合には、ステップS209において、R/G>2、かつ、B/G<1であるか否かの判定を行う。ステップS209が肯定の場合、つまりR出力がG出力の倍より大きく、かつ、B出力がG出力より小さい場合には、画面全体が赤色傾向にあり、タングステンランプ照明による色カブリが生じていると判定し、ステップS210によりタングステンランプ照明シーンであると判定する。
【0041】
ステップS206が否定であった場合には、色バランスによるシーン判別の必要のない一般シーンであると判定し、本サブルーチンを終了する。
【0042】
図9は、適正露出演算を算出するためのサブルーチンを示したフローチャートである。
図7のステップS106が実行されることによって本サブルーチンが呼び出されて実行される。まず、ステップS301において、シーン判別によって撮影シーンが夕景と判定されたか否かの判別を行う。ここで、夕景であった場合には、ステップS302において、X/f>100か否かの判定を行う。
ここで、Xは図1の距離算出部19によって求められた撮影レンズの設定距離(単位mm)であり、主要被写体までの距離を示している。また、fは撮影レンズの焦点距離(単位mm)である。
【0043】
ステップS302が肯定の場合、つまり撮影像倍率が100より大きかった場合には、夕景でかつ遠景を撮影しているものと見なし、夕焼けなどの画面高輝度部分に露出を合わせるように、次に示す数式1によって適正露出値BVaを与える。
BVa=(BVmax+BVmax2)/2 …(式1)
ここで、BVmaxはBV1〜BV5の最大輝度値、BVmax2はBV1〜BV5の2番目に輝度の大きい値を示す。
【0044】
ステップS302が否定の場合、つまり撮影像倍率が100以下の場合には、比較的近距離に主要被写体があるので、夕景におけるポートレイトであると見なし、高輝度の背景と低輝度の主要被写体との両方に程良く露出を合わせるために、以下に示す数式2によってBVaを与える。
BVa=(BVmax+BVmin)/2 …(式2)
ここで、BVminはBV1〜BV5の中の最低輝度値を示すものである。
【0045】
ステップS301により夕景であると判定されなかった場合には、ステップS315により黄色っぽいシーンであるか否かの判定を行う。黄色シーンであった場合には、反射率の高い黄色い被写体が露出アンダーになるのを防止するため以下に示す数式3によりBVaを算出する。
BVa=BVmean−1 …(3)
ここで、BVmeanはBV1〜BV5までの平均値である。
【0046】
黄色シーンでなかった場合には、ステップS307において蛍光灯照明シーンであるか否かの判定を行う。蛍光灯照明シーンであった場合には、ステップS308において、蛍光灯照明による緑色のカブリを、露出がオーバー目になるようにすることにより、白くとばして目立たなくさせるために、以下に示す数式4によってBVaを算出する。
BVa=BVmean−(2/3) …(4)
【0047】
蛍光灯照明でもなかった場合には、ステップS309において、タングステンランプ照明によるシーンであるか否かを判定する。タングステン照明であった場合には、タングステンランプ特有の赤みがかった落ち着いた雰囲気を出すために、以下の数式5に示すような少し切りつめ気味の露出値BVaを与える。
BVa=BVmean+(2/3) …(5)
【0048】
タングステン照明シーンでもなかった場合には、一般的なシーンであると見なして以下に示す数式6によってBVaを与えサブルーチンを終了する。
BVa=BVmean …(6)
【0049】
なお、本実施形態では測色用受光素子10をペンタプリズム5の頂点位置近傍に配置し、ペンタプリズム内で反射する前に受光素子上に光を導いたが、これを接眼レンズ6近傍に配置するようにしてもよい。特に、測色用受光素子を接眼レンズ6の左右に対称に1対設けると、撮影画面に対する測色の感度分布が光軸を中心とした同心円上になり撮影画面の中心の感度が高くなるので、主要被写体の色情報をより強く反映することができる。
【0050】
また、本実施形態のようにペンタプリズムの上方前方に測色用受光素子を配置した場合には、比較的撮影画面の天側の感度が強くなるので、夕景等の空が画面上方にある構図のときには、より的確に色バランス情報を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)被写界の色バランス情報に基づいて、被写界のシーン判別を的確に行えるので、適正露出による撮影の確率を上げることができる。
また、測光と測色とによって異なる受光素子を用いるので、互いの測光に負担を掛けることなく、最適な条件で測光することができる。
さらに、分割測光を行うので、シーン判別及び適正露出演算の性能を向上させることができる。
さらにまた、被写界全体の色バランスを測光するので、適切なシーン判別が可能となる。
その上、測色に再結像レンズを用いないので、簡単な構成で、撮影画面全体を測色することができる。
【0052】
(2)測光と測色とによって異なる光学系を用いるので、それぞれ最適な条件で測光することができる。
【0053】
(3)測色結果に基づいて、被写界がマゼンタから赤傾向にあることが分かるので、夕景のシーンであると判定することができる。
(4)測色結果に基づいて、被写界がイエロー傾向にあることが分かるので、黄色味がかったシーンであると判定することができる。
(5)測色結果に基づいて、被写界が全体的に緑傾向にあることが分かるので、蛍光灯照明下のシーンであると判定することができる。
(6)測色結果に基づいて、被写界が全体的に赤傾向にあることが分かるので、タングステンランプ照明下のシーンであると判定することができる。
【0054】
(7)更に、撮影距離情報を用いるので、シーン判別をより正確に行うことができる。
(8)夕景であると判断した場合にも、撮影距離情報に基づいて、適正な露出による撮影を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの測光装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の光学系を示した図である。
【図3】本実施形態の分割測光の分割状態を示す図である。
【図4】本実施形態の測色用受光素子を示す図である。
【図5】本実施形態の測色用受光素子の分光感度を示す図である。
【図6】本実施形態の測色回路の出力と被写体色との関係を示す図である。
【図7】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャート図である。
【図8】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャート図である。
【図10】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 クイックリターンミラー
3 拡散スクリーン
4 コンデンサレンズ
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 測光用プリズム
8 測光用レンズ
9 受光素子
10 測色用受光素子
11 測光回路
12 第1A/D変換部
13 輝度算出部
14 測色回路
15 第2A/D変換部
16 色バランス算出部
17 シーン判別部
18 露出演算部
19 距離算出部
20 露出制御部
21 絞り
22 シャッター
23 マイクロプロセッサ

Claims (8)

  1. 撮影レンズを介して被写界を複数に分割して輝度値を測光する分割測光部と、
    前記撮影レンズを介して測光用再結像レンズを用いずに被写界全体の色バランスを測光する、前記分割測光部とは独立した測色部と、
    前記測色部の出力に基づいて、シーン判別を行うシーン判別部と、
    前記分割測光部と前記シーン判別部の出力に基づいて、被写界の適正露出値を算出する露出演算部とを備えること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  2. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記分割測光部と前記測色部は、互いに異なる光学系によりそれぞれの測光を行うこと
    を特徴とするカメラの測光装置。
  3. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第1の所定値より大きく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第2の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスがマゼンタから赤傾向にある夕景であると判定すること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  4. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第3の所定値より大きく第4の所定値より小さく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第5の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスがイエロー傾向にある黄色味がかったシーンであると判定すること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  5. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第6の所定値より小さく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第7の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスが全体的に緑色傾向にある蛍光灯照明下であると判定すること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  6. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記シーン判別部は、緑色の出力に対する赤色の出力の比が第8の所定値より大きく、かつ、緑色の出力に対する青色の出力の比が第9の所定値より小さい場合には、被写界の色バランスが全体的に赤色傾向にあるタングステンランプ照明下であると判定すること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  7. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記露出演算部は、更に撮影距離情報を用いて適正露出値を演算すること
    を特徴とするカメラの測光装置。
  8. 請求項1に記載のカメラの測光装置において、
    前記露出演算部は、前記シーン判定部が夕景であると判定した場合に、撮影像倍率が所定値よりも大きいときには、画面高輝度部分に露出を重視し、所定値以下のときには、画面高輝度部分と画面低輝度部分とを共に重視した露出とすること
    を特徴とするカメラの測光装置。
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