JP3940483B2 - ドラムブレーキ用自動間隙調整装置 - Google Patents

ドラムブレーキ用自動間隙調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るドラムブレーキ用自動間隙調整装置は、自動車の制動に用いるドラムブレーキに組み込み、ライニングの摩耗に拘らず、非制動時にこのライニングの外周面とドラムの内周面との間に存在する間隙を一定に保つ。
【0002】
【従来の技術】
ドラムブレーキは、例えば図8に略示する様に構成している。懸架装置に支持されて回転しない背板1の前面(自動車の幅方向外側の面)には、1個又は2個のホイルシリンダ2、2を固定している。制動時には、このホイルシリンダ2、2に圧油を送り込み、これら各ホイルシリンダ2、2内に油密に嵌装したピストン3、3の突出量を増大させる。又、上記背板1の前面には左右1対のブレーキシュー4、4を、この背板1の直径方向に亙る変位を自在として支持している。これら各ブレーキシュー4、4は、略三日月形のウェブ5、5の外周縁に裏金6、6を固定し、これら各裏金6、6の外周面にライニング7、7を添着して成る。
【0003】
この様なブレーキシュー4、4のウェブ5、5の両端部はそれぞれ、上記各ピストン3、3の先端部又は上記各ホイルシリンダ2、2の端部に形成したアンカ部8、8に当接させている。又、上記両ウェブ5、5同士の間にはリターンスプリング9、9を掛け渡して、上記両ブレーキシュー4、4に、上記背板1の直径方向内側に向く弾力を付与している。更に、上記両ブレーキシュー4、4の周囲には、有底円筒状のドラム10を被せ、このドラム10の内周面10aと上記各ライニング7、7の外周面7a、7aとを対向させている。
【0004】
上記内周面10aと外周面7a、7aとは、非制動時には間隙を介して互いに離隔しているが、制動時には互いに当接し、これら両周面10a、7a同士の間に作用する摩擦力によって、制動力を発揮する。即ち、制動時には上記各ホイルシリンダ2、2内への圧油の送り込みによって上記各ピストン3、3の突出量を増大させ、上記各ブレーキシュー4、4を上記リターンスプリング9、9の弾力に抗して上記背板1の直径方向外方に変位させ、上記両周面10a、7a同士を当接させる。この様な制動の繰り返しにより上記各ライニング7、7が摩耗すると、非制動時に上記内周面10aと外周面7a、7aとの間に存在する間隙の厚さ寸法が増大する。この厚さ寸法の増大は、制動時に上記各ホイルシリンダ2、2に送り込むべき圧油量の増大、延てはブレーキペダルの踏み込み量の増大につながる為、好ましくない。
【0005】
この為従来から、上記各ライニング7、7の摩耗に伴って上記各ブレーキシュー4、4を背板1の直径方向外方に押し出し、上記間隙の厚さ寸法を一定値以下に保持するドラムブレーキ用自動間隙調整装置が、例えば実開平7−34238号公報等に記載されている様に知られており、且つ、実際に使用されている。図9〜10は、この公報に記載されているドラムブレーキ用自動間隙調整装置を示している。背板1(図8)に固定するホイルシリンダ2a内にはピストン3a、3bを、油密に嵌装している。これら両ピストン3a、3bはそれぞれ、上記ホイルシリンダ2a内への圧油の送り込みに伴って、このホイルシリンダ2aからの突出量を増大させる。
【0006】
上記両ピストン3a、3bのうち、一方(図9〜10の右方)のピストン3bの外端面(図9〜10の右端面)には凹溝11を、この外端面の直径方向に亙り形成している。ドラムブレーキの組立時にはこの凹溝11に、前記ウェブ5の端部を係合させる。従って、上記ピストン3bは上記ホイルシリンダ2a内に、回転する事なく軸方向に亙る変位のみ自在に保持される。又、他方(図9〜10の左方)のピストン3aの内側には円孔12を、このピストン3aと同心に形成している。そして、この円孔12の端部を、上記ピストン3aの外端面中心部に開口させ、この円孔12内にアジャストナット13を、回転自在に挿入している。このアジャストナット13は、内周面に雌ねじを有する。尚、上記円孔12の内周面中間部に形成した段部14と上記アジャストナット13の内端面(図10の右端面)との間には滑り軸受15を設け、このアジャストナット13に加わるスラスト荷重を支承自在としている。
【0007】
又、このアジャストナット13及び上記円孔12内にグリースを充填した上で、このアジャストナット13にアジャストボルト16を螺合させている。このアジャストボルト16の外端面(図9〜10の左端面)には凹溝17を、この外端面の直径方向に亙り形成している。ドラムブレーキの組立時にはこの凹溝17に、前記ウェブ5の端部を係合させる。従って上記アジャストボルト16は、上記アジャストナット13の回転に拘らず回転せず、このアジャストナット13の回転時には軸方向に変位する。
【0008】
上記アジャストナット13の外端面にはアジャストリング18を固定している。このアジャストリング18の外周縁は上記アジャストナット13と同心であり、この外周縁に、ラチェット歯状の係合歯19、19を形成している。又、上記ホイルシリンダ2aの中間部外面に設けた枢軸21には、アジャストレバー20の基端部を枢支している。金属板によりL字形に形成した、このアジャストレバー20の先端部には、爪部22を形成し、この爪部22を、上記係合歯19、19と係合自在としている。
【0009】
又、上記アジャストレバー20の中間部先端寄り部分の片側面(図9の裏面、図10の下面)には係止部23を形成し、この係止部23に引っ張りばね24の一端を係止している。この引っ張りばね24の他端は、上記ホイルシリンダ2aの外面、或は背板1の前面等の固定部分に係止している。この引っ張りばね24は上記アジャストレバー20に、上記爪部22を上記係合歯19、19から離す方向の弾力を付与すると同時に、この爪部22がホイルシリンダ2aから離れる方向に浮き上がる事を防止する役目を有する。
【0010】
更に、前記ピストン3aの外端面(図9〜10の左端面)には、取付板25を固定している。そして、この取付板25の外周縁から突出した腕片27の先端部(図10の上端部)と、上記アジャストレバー20の中間部基端寄り部分との間に、連結部材26を設けている。図示の例ではこの連結部材26は、大きな弾力を有する引っ張りばね28の一端部(図9〜10の右端部)に係止ブロック29を、他端部(図9〜10の左端部)に係止ピン30を、それぞれ結合固定している。そして、このうちの係止ブロック29を上記アジャストレバー20の中間部に、枢支ピン31により揺動自在に連結している。又、上記係止ピン30を、上記取付板25に形成した、達磨型の係止孔32の一部に係止している。
【0011】
上記枢支ピン31による、上記係止ブロック29とアジャストレバー20との連結部は、図11〜13に詳示する様に構成している。即ち、上記係止ブロック29の先半部(図11〜12の右半部)に、この係止ブロック29の断面の直径方向に亙るスリット33を、この係止ブロック29の端面に開口する状態で形成する事により、上記係止ブロック29の先半部を二又に形成している。そして、この先半部に、上記スリット33を挟んで1対の第一係止孔34、34を、互いに同心に形成している。上記アジャストレバー20の中間部は、上記スリット33内に緩く挿入しており、この挿入部分で上記両第一係止孔34、34に整合する部分に、第二係止孔35を形成している。そして、これら第一、第二両係止孔34、35に、上記枢支ピン31を挿通している。この枢支ピン31は、基端部(図12の下端部)に外向フランジ状の鍔部42を、先端部に係止溝36を、それぞれ形成している。
【0012】
この様な枢支ピン31は、上記第一、第二両係止孔34、35に挿通した状態で、上記係止ブロック29の外周面から突出した先端部分に存在する上記係止溝36に、Eリングと呼ばれる、欠円環状のストップリング37を係止し、上記第一、第二両係止孔34、35からの抜け止めを図っている。又、上記係止ブロック29の外周面と上記ストップリング37との間にはスプリングワッシャ38及びワッシャ39を挟持している。このスプリングワッシャ38により、上記第一、第二両係止孔34、35の内側で上記枢支ピン31ががたつくのを防止して、自動車の走行に伴う振動に拘らず、この枢支ピン31と相手部材との当接部が摩耗するのを防止する。
【0013】
上述の様に構成するドラムブレーキ用自動間隙調整装置に於いては、制動時に前記ホイルシリンダ2aから上記ピストン3aが突出するのに伴って、前記アジャストレバー20が枢軸21を中心として、図9の反時計方向に揺動する。この様にアジャストレバー20が揺動し、このアジャストレバー20の先端部に設けた爪部22と何れかの係合歯19とが係合する。この係合に基づいて前記アジャストリング18を固定した前記アジャストナット13が回転した場合に、前記アジャストボルト16が上記アジャストナット13から外方に押し出される様に、これらアジャストボルト16及びアジャストナット13に形成するねじの方向を定めている。
【0014】
上述の様に構成するドラムブレーキ用自動間隙調整装置の作用は次の通りである。制動と制動解除との繰り返しに伴って上記ピストン3aは、ホイルシリンダ2a内で軸方向に亙り往復移動する。非制動時に前記ドラム10の内周面10aとライニング7、7の外周面7a、7aとの間に存在する間隙が小さい場合には、上記ピストン3aの往復移動量も少ない。従って、上記アジャストレバー20の揺動量も小さく、上記爪部22は、同一の係合歯19の外周縁と摺接するのみで、何れの係合歯19と係合する事もない。この為、上記アジャストリング18並びにアジャストナット13は回転せず、このアジャストナット13から上記アジャストボルト16が突出する量も変化せず、上記間隙の調整は行われない。
【0015】
上記ライニング7、7の摩耗に伴って上記間隙が大きくなると、制動時に於ける上記ピストン3aの往復移動量並びに上記アジャストレバー20の揺動量が多くなる。この結果上記爪部22が、上記係合歯19と係合し、図9に矢印αで示す様に、上記アジャストリング18並びにこのアジャストリング18を固定したアジャストナット13を回転させる。この結果、このアジャストナット13と螺合したアジャストボルト16が、図10に矢印βで示す様に、上記アジャストナット13から突出する方向に移動する。そして、このアジャストボルト16外端面の凹溝17にその端部を係合させたブレーキシュー4が、図9に矢印γで示す方向に押され、上記間隙が狭められる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の様に構成され作用するドラムブレーキ用自動間隙調整装置の場合には、連結部材26の一端部に設けた係止ブロック29とアジャストレバー20との連結部の部品点数が多い。この為、部品加工、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、ドラムブレーキ用自動間隙調整装置全体としてのコストが嵩む原因となる。
本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置は、この様な事情に鑑みて、上記係止ブロック29とアジャストレバー20との連結部の部品点数を少なくし、コスト低減を図るべく発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置は、従来から知られたドラムブレーキ用自動間隙調整装置と同様に、背板に固定されたホイルシリンダと、このホイルシリンダ内に軸方向に亙る変位のみ自在に、且つ油密に嵌装されて、上記ホイルシリンダ内への圧油の送り込みに伴ってこのホイルシリンダからの突出量を増大させるピストンと、このピストンの外端面中心部にその端部を開口させた円孔と、この円孔内に回転自在に挿入された、内周面に雌ねじを有するアジャストナットと、このアジャストナットと螺合し、ブレーキシューの端部との係合により回転しないアジャストボルトと、上記アジャストナットの外端面に固定され、このアジャストナットと同心である外周縁に係合歯を形成したアジャストリングと、上記ホイルシリンダの中間部外面にその基端部を枢支し、その先端部に形成した爪部を上記係合歯と係合自在としたアジャストレバーと、このアジャストレバーの中間部と上記ピストンの外端部とを結合し、上記突出量の増大に伴って上記アジャストレバーを、上記爪部と係合歯とが係合する方向に揺動させる連結部材とを備える。そして、これら爪部と係合歯との係合に基づき、上記アジャストリングを介して上記アジャストナットが、上記アジャストボルトをこのアジャストナットから外方に押し出す方向に回転する。
特に、本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置に於いては、上記連結部材の両端部のうち、上記アジャストレバーの中間部と結合する側の端部は、このアジャストレバーの中間部を挟む状態で二又に形成され、且つ、互いに同心の1対の第一係止孔が形成されている。又、上記アジャストレバーの中間部には、上記各第一係止孔の内径と同等以上の内径を有する第二係止孔が形成されている。そして、これら連結部材の端部とアジャストレバーの中間部とは、両端部を上記各第一係止孔にそれぞれ内嵌し、中間部を上記第二係止孔に挿通したスプリングピンにより結合している。又、このスプリングピンの少なくとも一端寄り部分で上記第二係止孔から外れた部分に、円周方向に亙るスリットを、上記スプリングピンの円周方向の一部を残した状態で形成している。
【0018】
【作用】
上述の様に構成する本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置が、ライニングの外周面とドラムの内周面との間の間隙の寸法を適正値に保つ際の作用は、前述した従来のドラムブレーキ用自動間隙調整装置と同様である。
特に、本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置の場合には、連結部材の端部とアジャストレバーの中間部とをスプリングピンにより結合している為、結合部ががたつかない構造で、しかもこの結合部の部品点数を少なくできる。この結果、ドラムブレーキ用自動間隙調整装置全体としてのコストを削減できる。又、上記スプリングピンの一部に、スリットを形成している為、長期間に亙る使用によっても、このスプリングピンが第一、第二両係止孔から抜け出る事を確実に防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明に関する参考例の1例を示している。尚、本参考例の特徴は、連結部材26の一端部に設けた係止ブロック29とアジャストレバー20の中間部とを連結する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜10に示した従来構造と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分に就いて説明する。
【0020】
上記係止ブロック29の先半部は、この係止ブロック29の断面の直径方向に亙って形成したスリット33により、上記アジャストレバー20の中間部を挟む状態で二又に形成している。そして、この先半部に、上記スリット33を挟んで、それぞれが円孔である1対の第一係止孔34、34を、互いに同心に形成している。そして、このスリット33内に上記アジャストレバー20の中間部を、緩く挿入している。又、上記アジャストレバー20の中間部のうち、上記スリット33内に挿入した部分で上記両第一係止孔34、34に整合する部分に、円孔である第二係止孔35を形成している。この第二の係止孔35の内径は、上記各第一係止孔34、34の内径よりも大きくしている。
【0021】
そして、上記係止ブロック29の先半部と上記アジャストレバー20の中間部とを、図3〜4に示す様な欠円筒状に形成したスプリングピン40により、揺動変位自在に結合している。即ち、このスプリングピン40の両端部を上記各第一係止孔34、34に弾性的に内嵌すると共に、このスプリングピン40の中間部を上記第二係止孔35に緩く挿通して、上記係止ブロック29の先半部と上記アジャストレバー20の中間部とを結合している。この様に係止ブロック29の先半部とアジャストレバー20の中間部とを結合し、ドラムブレーキ用自動間隙調整装置を組み立てた状態で、上記第二係止孔35の一部内周縁と上記スプリングピン40の中間部外周面とは、上記アジャストレバー20の係止部23と固定の部分との間に設けた引っ張りばね24(図9〜10)の弾力に基づいて、弾性的に当接する。又、上記各第一係止孔34、34の内周面と上記スプリングピン40の両端部外周面とは、このスプリングピン40自身の弾性により、弾性的に当接する。従って、自動車の走行に伴う振動に拘らず、上記係止ブロック29の先半部と上記アジャストレバー20の中間部との結合部ががたつく事はなく、がたつきに伴う摩耗が生じる事もない。
【0022】
上述の様に構成する本参考例のドラムブレーキ用自動間隙調整装置の場合には、上記係止ブロック29の先半部と上記アジャストレバー20の中間部との結合部ががたつかない構造で、しかもこの結合部の部品点数を少なくできる。この結果、ドラムブレーキ用自動間隙調整装置全体としてのコストを削減できる。
【0023】
次に、図5〜7は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、係止ブロック29の先半部とアジャストレバー20の中間部との結合部を構成する為のスプリングピン40aの一端寄り部分に、円周方向に亙るスリット41を形成している。但し、このスリット41は、円周方向の一部で不連続としている。言い換えれば、このスリット41は、上記スプリングピン40aの円周方向の一部を残した状態で形成している。この様なスプリングピン40aを上記結合部に組み付けた状態で、上記スリット41は、1対の第一係止孔34、34のうち、一方(図5の上方)の第一係止孔34内に位置する。
【0024】
本例の場合、上記スプリングピン40aの一部に、上述の様なスリット41を形成している為、長期間に亙る使用によっても、上記スプリングピン40aが上記第一、第二両係止孔34、35から抜け出る事を確実に防止できる。即ち、上記結合部を構成するスプリングピン40(参考例の場合)、40a(本例の場合)には、制動の繰り返しにより上記各第一係止孔34、34の内周面と上記第二係止孔35の内周面とから、直径を弾性的に縮める方向の力が加えられる。そして、長期間に亙る制動の繰り返しにより、上記スプリングピン40、40aがへたる可能性がある。前述した参考例の構造の場合には、スプリングピン40がへたり、このスプリングピン40の自由状態での外径が上記各第一係止孔34、34の内径よりも小さくなると、このスプリングピン40が上記結合部から脱落する可能性がある。
【0025】
これに対して、上記スリット41を有するスプリングピン40aを組み込んだ本例の場合には、長期間に亙る使用により、このスプリングピン40aがへたった場合でも、このスプリングピン40aが上記結合部から脱落する事を防止できる。即ち、上述の様に、制動の繰り返しにより上記各第一係止孔34、34の内周面と上記第二係止孔35の内周面とから上記スプリングピン40aに、直径を弾性的に縮める方向の力が加えられる。但し、この力は上記スリット41を越えて上記スプリングピン40aの一端部にまで伝わる事はない。従って、長期間に亙る使用によりこのスプリングピン40aの中間部及び他端部がへたった場合でも、上記一端部はへたる事なく、上記第一係止孔34内に、十分に大きな保持力により留まる。従って、上記スプリングピン40aが上記結合部から脱落する事はない。しかも、脱落防止の為に別個の部品を使用する事がないので、コスト低減の効果はそのまま維持できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、優れた耐久性を有し、しかも低コストの構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例の1例を示す、図10のA部に相当する拡大断面図。
【図2】図1の上方から見た図。
【図3】第1例に使用するスプリングピンの斜視図。
【図4】同じく側面図及び端面図。
【図5】 本発明の実施の形態の1例を示す、図10のA部に相当する拡大断面図。
【図6】第2例に使用するスプリングピンの斜視図。
【図7】同じく側面図、端面図及び正面図。
【図8】本発明の対象となる自動間隙調整装置を組み込んだドラムブレーキの1例を示す略正面図。
【図9】自動間隙調整装置を組み込んだホイルシリンダの正面図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】係止ブロックとアジャストレバーとの連結状態を示す正面図。
【図12】図11の下方から見た部分断面図。
【図13】図12のC部拡大図。
【符号の説明】
1 背板
2、2a ホイルシリンダ
3、3a、3b ピストン
4 ブレーキシュー
5 ウェブ
6 裏金
7 ライニング
7a 外周面
8 アンカ部
9 リターンスプリング
10 ドラム
10a 内周面
11 凹溝
12 円孔
13 アジャストナット
14 段部
15 滑り軸受
16 アジャストボルト
17 凹溝
18 アジャストリング
19 係合歯
20 アジャストレバー
21 枢軸
22 爪部
23 係止部
24 引っ張りばね
25 取付板
26 連結部材
27 腕片
28 引っ張りばね
29 係止ブロック
30 係止ピン
31 枢支ピン
32 係止孔
33 スリット
34 第一係止孔
35 第二係止孔
36 係止溝
37 ストップリング
38 スプリングワッシャ
39 ワッシャ
40、40a スプリングピン
41 スリット
42 鍔部

Claims (1)

  1. 背板に固定されたホイルシリンダと、このホイルシリンダ内に軸方向に亙る変位のみ自在に、且つ油密に嵌装されて、上記ホイルシリンダ内への圧油の送り込みに伴ってこのホイルシリンダからの突出量を増大させるピストンと、このピストンの外端面中心部にその端部を開口させた円孔と、この円孔内に回転自在に挿入された、内周面に雌ねじを有するアジャストナットと、このアジャストナットと螺合し、ブレーキシューの端部との係合により回転しないアジャストボルトと、上記アジャストナットの外端面に固定され、このアジャストナットと同心である外周縁に係合歯を形成したアジャストリングと、上記ホイルシリンダの中間部外面にその基端部を枢支し、その先端部に形成した爪部を上記係合歯と係合自在としたアジャストレバーと、このアジャストレバーの中間部と上記ピストンの外端部とを結合し、上記突出量の増大に伴って上記アジャストレバーを、上記爪部と係合歯とが係合する方向に揺動させる連結部材とを備え、これら爪部と係合歯との係合に基づき、上記アジャストリングを介して上記アジャストナットが、上記アジャストボルトをこのアジャストナットから外方に押し出す方向に回転するドラムブレーキ用自動間隙調整装置に於いて、上記連結部材の両端部のうち、上記アジャストレバーの中間部と結合する側の端部は、このアジャストレバーの中間部を挟む状態で二又に形成され、且つ、互いに同心の1対の第一係止孔が形成されており、上記アジャストレバーの中間部には、上記各第一係止孔の内径と同等以上の内径を有する第二係止孔が形成されており、これら連結部材の端部とアジャストレバーの中間部とは、両端部を上記各第一係止孔にそれぞれ内嵌し、中間部を上記第二係止孔に挿通したスプリングピンにより結合しており、このスプリングピンの少なくとも一端寄り部分で上記第二係止孔から外れた部分に、円周方向に亙るスリットを、上記スプリングピンの円周方向の一部を残した状態で形成している事を特徴とするドラムブレーキ用自動間隙調整装置。
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