JP3336426B2 - 車両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機構 - Google Patents

車両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機構

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JP3336426B2
JP3336426B2 JP18742496A JP18742496A JP3336426B2 JP 3336426 B2 JP3336426 B2 JP 3336426B2 JP 18742496 A JP18742496 A JP 18742496A JP 18742496 A JP18742496 A JP 18742496A JP 3336426 B2 JP3336426 B2 JP 3336426B2
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竹徳 土屋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪自動車の後輪
ブレーキ等に用いられるディスクブレーキのパーキング
ブレーキ機構であって、詳しくは、軸受孔の内部でカム
軸を回転可能に支承する軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪自動車等の後輪ディスクブレーキに
は、キャリパボディのディスクロータ側に液圧式の作動
機構を、反ディスクロータ側に機械式の作動機構を配設
したパーキングブレーキ機構付きのディスクブレーキが
用いられる。
【0003】このパーキングブレーキ機構は、ブレーキ
ケーブルの牽引によって回動するカムレバーと一体のカ
ム軸を軸受孔に、シリンダ孔の底部側やシリンダ孔に続
く連通孔にプッシュロッド等の動力伝達手段をそれぞれ
設け、カム軸の回転力を動力伝達手段によって推力に変
換して、シリンダ孔開口部側の液圧式作動機構のピスト
ンを作動するようにしている。カム軸が収容されるキャ
リパボディの軸受孔には、カム軸との間にニードル軸受
等の軸受を介装して、カム軸の回動抵抗を減少するよう
にしているが、近年では、キャリパボディの軽量化と小
形化を図るために、軸受に小径円筒体の内面に低摩擦処
理を施したブッシュを用いることが提案されている(例
えば、特開昭55−163334号や特開昭63−10
1531号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ブッシュによる軸受は、カム軸の回動によって軸受孔内
部を共回りすることがないよう、軸受孔よりもやや大径
に形成して軸受孔へ圧入で装着されるが、軸受全体が薄
肉の小径円筒体であるため、軸受の成形や寸法精度の設
定がむずかしく、コスト高となるばかりか、圧入時に軸
受孔を損傷したり軸受に歪みを生じて、カム軸の円滑な
回動を阻害し、ブレーキケーブルから入力された牽引力
を損失する虞がある。
【0005】この対策として、弾性板材を円筒状に丸め
た巻きブッシュを軸受とし、軸受孔への圧入に弾性板材
の弾力性を利用して、軸受孔への損傷や軸受の歪みを防
止する構成が考えられるが、軸受孔の中間部には連通孔
が開口するため、軸受のスリットを連通孔に向けて軸受
孔に圧入すると、連通孔を挟んだ軸受孔の開口側と底部
側では、軸受が壁面との摺擦による反力抵抗を受けるの
に対し、軸受が連通孔の開口部を通過する間は軸受への
反力抵抗がなくなるため、圧入荷重に変動を生じること
となる。
【0006】特に、スリットが連通孔の開口へ圧入され
て行くと、スリットによる分断で応力の弱まった弾性板
材の両端部が、軸受孔の壁面から反力抵抗を受けた他の
部分からの反発によって連通孔へ膨らむため、軸受を連
通孔から軸受孔の底壁側へ押し込む際に、連通孔へ膨ら
んだ弾性板材の両端部が押し込み抵抗となり、連通孔か
ら軸受孔の底壁側は軸受孔の開口部側よりも大きな押し
込み荷重を必要とし、軸受の圧入荷重は、連通孔とこの
連通孔を挟んだ軸受孔の開口側と底部側との三段階に変
化する。
【0007】このように、巻きブッシュの軸受を軸受孔
へ圧入する場合に、圧入の後段で大きな圧入荷重を必要
とするため、圧入機に圧入荷重のより大きな大型のもの
を用いなければならならず、圧入作業にも時間がかかる
ばかりか、弾性板材の両端部が連通孔を通過する際に、
この両端部が連通孔に擦れてバリが発生し、カム軸の円
滑な回動を阻害する虞がある。
【0008】そこで本発明は、圧入による歪みや損傷,
バリの発生を有効に防止しつつ、圧入荷重の小さな小型
の圧入機でも、軸受を軸受孔に短時間で容易に組付けで
きて、組付け作業性と生産性に優れた車両用ディスクブ
レーキのパーキングブレーキ機構を安価に提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的に
従って、キャリパボディの作用部に、ディスクロータ側
へ開口するディスク軸方向のシリンダ孔と、該シリンダ
孔の後部に直交して前記作用部の一側壁へ開口する軸受
孔とを設け、該軸受孔と前記シリンダ孔とをディスク軸
方向の連通孔でつなぐと共に、前記シリンダ孔の開口側
にピストンを収容し、前記軸受孔にカムレバーと一体に
回動するカム軸を軸受を介して回動可能に差し込み、該
カム軸と前記ピストンとの間に動力伝達手段を介装した
車両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機構にお
いて、前記軸受を、弾性板材を前記軸受孔よりも大径の
円筒状に丸めて形成し、該弾性板材の円筒状部分に前記
プッシュロッドの挿通を許容する窓部を設けると共に、
弾性板材の端部間に拡縮を許容するスリットを設定し、
該スリットを、前記軸受孔に開口する連通孔を除く他方
向へ向けて軸受孔に圧入したことを特徴としている。
【0010】上述のスリットは、シリンダ孔の中心軸と
平行な軸受孔の中心線L1と軸受孔の中心軸Pで直交す
る中心線L2から反連通孔側の180゜の範囲に配置す
ることがより好ましく、更には中心線L1と軸受孔の反
連通孔側との交点Qを除いて配置すると一層好ましい。
【0011】かかる構成によれば、軸受がいわゆる巻き
ブッシュによって形成され、軸受を軸受孔へ圧入する際
に、弾性板材が軸受孔に応じて縮径または拡径して対応
するので、軸受の歪みや軸受孔への損傷が防止される。
また、軸受にさほどの寸法精度を要しないので成形も容
易に行なえる。更に、軸受のスリットを、軸受孔に開口
する連通孔を除く他方向へ向けて軸受孔に圧入すると、
軸受のスリットが連通孔を通らないので、圧入荷重の変
動が少なくなり、圧入荷重の小さな小型の圧入機でも、
軸受を短時間で簡便に圧入できるようになる。
【0012】また、巻きブッシュを用いた本発明の軸受
では、軸受孔への圧入によって、弾性板材にスリット方
向への逃げ変形を生じるが、軸受のスリットを、シリン
ダ孔の中心軸と平行な軸受孔の中心線L1と軸受孔の中
心軸Pで直交する中心線L2から反連通孔側の180゜
の範囲に限定することにより、スリットへの逃げ変形が
連通孔と反対側へ向かうので、圧入抵抗が減少され、よ
り小さな圧入荷重で一層簡便に圧入できるようになる。
更に、軸受のスリットを、ブレーキング時にプッシュロ
ッドからの反力を最も大きく受ける中心線L1と軸受孔
の反連通孔側との交点Qを除いて設けることにより、カ
ム軸や軸受孔が弾性板材の端部に擦れて、カム軸の回動
に悪影響をもたらす虞が極力なくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態例を図面に
基づいて説明する。ディスクブレーキ1は、キャリパボ
ディ2に、ブレーキペダルに操作される液圧式作動機構
3と、ハンドレバーまたはフットペダルにて操作される
パーキングブレーキ用の機械式作動機構4とを併設した
パーキングブレーキ付きで、キャリパボディ2は、ディ
スクロータ5の一側部で車体に固設されるキャリパブラ
ケット6に、図示しない一対の摺動ピンを介して、ディ
スク軸方向へ移動可能に支持されている。
【0014】上記キャリパボディ2は、ディスクロータ
5の両側に対向配置される作用部2a及び反作用部2b
と、ディスクロータ5の外側を跨いでこれらを連結する
ブリッジ部2cとからなっており、作用部2aと反作用
部2bとの間には、一対の摩擦パッド7,7が、ディス
クロータ5を挟んで配置されている。作用部2aには、
ディスクロータ5側に開口するディスク軸方向の大径な
シリンダ孔8と、該シリンダ孔8の後部で作用部2aの
一側部へ開口するディスク軸と直交方向の軸受孔9と、
シリンダ孔8と軸受孔9とをつなぐディスク軸方向の小
径な連通孔10とが形成されている。
【0015】シリンダ孔8の先端開口部側には、有底筒
状のピストン11が収容され、該ピストン11とシリン
ダ孔8の底部との間に、液圧室12が画成される。液圧
室12内には、摩擦パッド7,7の摩耗量を補ってディ
スクロータ5との間の制動間隙を自動的に補償する制動
間隙自動調節装置13が配設されている。この制動間隙
自動調節装置13は、ピストン11に回動を規制され、
スプリング14によりピストン11方向へ付勢されるア
ジャストナット15と、該アジャストナット15にねじ
螺合し、アジャストスプリング16によってシリンダ孔
8の底部方向に付勢されるアジャストボルト17と、シ
リンダ孔8の底部にピン18にて回転を規制され、かつ
アジャストボルト17にクラッチ係合するスリーブピス
トン19とから構成される。
【0016】前記軸受孔9には、カム軸20が軸受21
を介して回動可能に収容され、該カム軸20のカム溝2
0aとスリーブピストン19の係合凹部19aとの間に
プッシュロッド22が懸装されており、本形態例では、
スリーブピストン19とプッシュロット22とが、本発
明の動力伝達手段に該当する。カム軸20の突出軸部2
0bには、カムレバー23が固定ナット24にて固着さ
れ、更に固定ナット24の外周にコイル状のリターンス
プリング25が巻装されており、カム軸20とカムレバ
ー23は、リターンスプリング25のトーション力に
て、常時非作動方向へ付勢されている。カムレバー23
の外端には、運転席のハンドレバーまたはフットペダル
につながれるブレーキワイヤ(図示せず)が連結され、
このブレーキワイヤに牽引されるカムレバー23から、
カム軸20,プッシュロッド22,制動間隙自動調節装
置13までが、前述の機械式作動機構4を構成する。
【0017】前記軸受21は、ばね板等の弾性板材を、
軸受孔9よりもやや大径の円筒状に丸め、その内周面に
低摩擦樹脂等の低摩擦処理層Aをコーティングした巻き
ブッシュによって形成されており、軸受21に用いる弾
性板材の弾発力は、軸受孔9へ圧入した軸受21が、カ
ム軸20の回動によって共回りしない強さに設定され
る。弾性板材の巻き始めと巻き終りとなる両端部21
a,21b間には、弾性板材の拡縮を許容するスリット
21cが設定され、弾性板材の円筒状部分には、前述の
プッシュロッド22を挿通するための窓部21dが穿設
されている。この窓部21dは、軸受21の周方向へ連
通孔10と略同一の長さを持ち、同じく軸受21の幅方
向へ、プッシュロッド22の太さと連通孔10の径との
中間の幅を持つ長円形に形成されている。
【0018】軸受21のスリット21cは、窓部21d
との対向位置から一側部寄りに偏位しており、軸受21
を軸受孔9へ装着する際に、窓部21dを連通孔10へ
向けることにより、スリット21cが、シリンダ孔8の
中心軸と平行な軸受孔9の中心線L1と軸受孔9の中心
軸Pで直交する中心線L2から反連通孔側の180゜の
範囲で、かつ中心線L1と軸受孔9の反連通孔側との交
点Qを除いた上側に配置される(図4)。
【0019】軸受21はこのように、窓部21dをシリ
ンダ孔8の連通孔10側に、スリット21cを反連通孔
側の上側にそれぞれ向け、スリット21cによって全体
を小径の窄めながら、図示しない圧入機を用いて軸受孔
9へ圧入されて行き、図1に示す所定位置へ到達した状
態では、弾性板材の外周面が軸受孔9の壁面に押し付け
られ、軸受21が軸受孔9に回転不能な状態に固定され
る。
【0020】また、軸受21を上述のように軸受孔9へ
圧入して行く場合に、軸受21の窓部21dでは、軸受
孔9の開口側で壁面と摺擦して一定の反力抵抗を受ける
が、窓部21dが連通孔10に入ると壁面からの反力抵
抗がなくなる。一方、軸受21のスリット21cでは、
軸受孔軸方向の同一壁面を摺擦して一定の反力抵抗を受
けながら押し込まれて行き、圧入荷重に変化はない。従
って、軸受21の圧入は、窓部21dが連通孔10に入
ると軸受孔9から反力抵抗がなくなるという変化は生じ
るものの、従来のような圧入の後段で過大な圧入荷重を
要することはない。
【0021】また、軸受21を縮径しながら軸受孔9へ
圧入するため、軸受21に、両端部21a,21bがス
リット21cを狭めながら互いに近づくように周方向へ
逃げ変形を生じるが、本形態例は、スリット21cを中
心線L2から反連通孔側の180゜の範囲に配置したこ
とにより、軸受21の逃げ変形は圧入に支障のない連通
孔10と反対側に生じる。更に、軸受21のスリット2
1cを、中心線L1と軸受孔9の反連通孔側との交点Q
を外して配置したため、軸受21のスリット21cに、
プッシュロッド22からの反力が大きく作用しないで済
む。
【0022】上述のように構成されたディスクブレーキ
1は、液圧式作動機構3を用いた通常のブレーキ操作で
は、ブレーキペダルの踏み操作によって液圧マスタシリ
ンダで昇圧された作動液が、液圧室12に導入され、ピ
ストン11をディスクロータ方向に押動して、一方の摩
擦パッド7をディスクロータ5の一側面へ押圧する。次
にこの反力によって、キャリパボディ2が作用部2a方
向に移動し、反作用部2bの反力爪2dが、他方の摩擦
パッド7をディスクロータ5の他側面へ押圧して、制動
作用が行なわれる。
【0023】一方、機械式作動機構4によるパーキング
ブレーキ操作では、ハンドレバーまたはフットペダルに
よってブレーキワイヤが牽引され、カムレバー23とカ
ム軸20とが作動方向へ一体に回動して、プッシュロッ
ド22がディスクロータ方向に移動する。プッシュロッ
ド22に変換された推力は、制動間隙自動調整装置13
のスリーブピストン19,アジャストボルト17,アジ
ャストナット15を経てピストン11に伝達され、該ピ
ストン11をディスクロータ方向に押動して、前記液圧
作動と同様に、両摩擦パッド7,7をディスクロータ5
に圧接し、制動作用が行なわれる。
【0024】また、前記制動間隙自動調整装置13は、
ディスクロータ5と摩擦パッド7間の制動間隙が所定範
囲にある場合に、ピストン11が、アジャストナット1
5とアジャストボルト17のバックラッシ分を移動する
のみで、アジャスト作動は行なわれない。
【0025】そして、制動の繰返しによって、上述の制
動間隙がバックラッシ量以上に広がった場合には、液圧
式作動機構3による制動時に、ピストン11とアジャス
トナット15とが、アジャストボルト17とアジャスト
ナット15間のバックラッシを埋めながら、ディスクロ
ータ側へ通常よりも大きく前進し、更にアジャストボル
ト17をディスクロータ方向へ一体に移動させる。これ
により、アジャストボルト17とスリーブピストン19
とのクラッチ係合が解除される。
【0026】スリーブピストン19とのクラッチ係合を
解かれたアジャストボルト17は、アジャストスプリン
グ16の弾発力によって、シリンダ孔8の底部方向へ繰
り出されて行き、スリーブピストン19に再びクラッチ
係合して停止する。これにより、制動を解除されたピス
トン11とアジャストナット15の後退位置が、ディス
クロータ5側に変更され、ディスクロータ5と摩擦パッ
ド7間に所定の制動間隙が自動的に設定される。
【0027】本形態例の軸受21は、弾性板材を軸受孔
9よりも大径の円筒状に丸めて、その内周面に低摩擦樹
脂等の低摩擦処理層Aをコーティングし、弾性板材の円
筒状部分にプッシュロッド22の挿通を許容する窓部2
1dを設けた巻きブッシュを採用したことにより、軸受
21を軸受孔9へ圧入する際には、弾性板材が軸受孔9
に応じて縮径または拡径して対応するので、軸受21の
歪みや軸受孔9への損傷,バリを有効に防止しながら、
圧入荷重の小さな小型の圧入機でも、軸受21を短時間
で簡便に圧入できるようになり、カム軸20の回動抵抗
を確実に低減して、カム軸20をカムレバー23と一体
にスムーズに回動させるので、ブレーキワイヤに入力さ
れた牽引力を制動力として有効に活かすことができるよ
うになる。また、軸受21にさほどの寸法精度を要しな
いので、軸受21の成形を容易に行なうことができ、組
付作業性と成形性並びに経済性の各点で優れた効果を発
揮する。
【0028】更に本形態例は、軸受21のスリット21
cを、シリンダ孔8の中心軸と平行な軸受孔9の中心線
L1と軸受孔9の中心軸Pで直交する中心線L2から反
連通孔側の180゜の範囲に向けて圧入することによ
り、軸受21を圧入する際の周方向の逃げ変形は、圧入
に支障のない連通孔10と反対側に生じるので、圧入機
の圧入荷重をより小さく抑えながら、軸受21を一層ス
ムーズに圧入することができるようになる。また、軸受
21のスリット21cを、ブレーキング時にプッシュロ
ッド22からの反力を最も大きく受ける中心線L1と軸
受孔9の反連通孔側との交点Qを外して配置したことに
より、軸受21の両端部21a,21bによって、カム
軸20や軸受孔9を傷めることが極力なくなり、耐久性
の向上と相俟ってカム軸20をより一層円滑に回動する
ことができる。
【0029】尚、上述の形態例で示したように、軸受の
スリットを、中心線L2から反連通孔側の180゜の範
囲で、且つ中心線L1と軸受孔9の反連通孔側との交点
Qを外して配置することがより好ましいが、本発明は、
少なくともスリットを連通孔以外の他方向へ向けて圧入
することにより、圧入による歪みや損傷,バリの発生を
有効に防止しつつ、圧入荷重の小さな小型の圧入機によ
って、軸受を軸受孔に短時間で容易に組付けするという
所期の目的を達成することができる。
【0030】また、本形態例では、スリーブピストンと
プッシュロッドとで動力伝達手段を構成したが、本発明
の動力伝達手段は、スリーブピストンとプッシュロッド
のいずれか一方のみでもよく、或いはカム軸の回転力
を、推力に変換して液圧式作動機能のピストンを作動で
きるものであれば、他の構造の部材を用いても差支えな
い。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る車両用ディ
スクブレーキのパーキングブレーキ機構によれば、軸受
を軸受孔への圧入する際には、弾性板材が軸受孔に応じ
て縮径または拡径して対応するので、軸受の歪みや軸受
孔への損傷,バリの発生を有効に防止しながら、圧入荷
重の小さな小型の圧入機でも、軸受を短時間で簡便に圧
入できるようになる。そして、カム軸の回動抵抗を確実
に低減して、カム軸をカムレバーと一体にスムーズに回
動させるので、ブレーキワイヤに入力された牽引力を制
動力として有効に活かすことができるようになる。ま
た、軸受にさほどの寸法精度を要しないので、軸受の成
形を容易に行なうことができ、組付作業性と成形性並び
に経済性の各点で優れた効果を発揮する。
【0032】また、軸受のスリットを、シリンダ孔の中
心軸と平行な軸受孔の中心線L1と軸受孔の中心軸Pで
直交する中心線L2から反連通孔側の180゜の範囲に
向けて圧入することにより、軸受を圧入する際の周方向
の逃げ変形は、圧入に支障のない連通孔と反対側に生じ
るので、圧入機の圧入荷重をより小さく抑えながら、軸
受をより一層短時間でスムーズに圧入することができる
ようになる。更に、軸受のスリットを、軸受孔に開口す
る連通孔を除く他方向か、若しくは中心線L2から反連
通孔側の180゜の範囲に向けながら、且つ中心線L1
と軸受孔の反連通孔側との交点Qを外して配置すること
により、カム軸や軸受孔を軸受の端部で傷めることが極
力防止され、耐久性の向上と相俟ってカム軸をより一層
円滑に回動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2のI−I断面図
【図2】 本発明の形態例を示す車両用ディスクブレー
キのパーキングブレーキ機構の要部断面図
【図3】 本発明の形態例を示す軸受の斜視図
【図4】 本発明の形態例の要部平面図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…キャリパボディ 3…液圧式作動機構 4…機械式作動機構 5…ディスクロータ 8…シリンダ孔 9…軸受孔 10…連通孔 11…ピストン 12…液圧室 13…制動間隙自動調節装置 19…スリーブピストン(本発明の動力伝達手段) 20…カム軸 21…軸受 21a,21b…端部 21c…スリット 21d…窓部 22…プッシュロッド(本発明の動力伝達手段) 23…カムレバー A…軸受21内周面の低摩擦処理層 P…軸受孔9の中心軸 LI…シリンダ孔8の中心軸と平行な軸受孔9の中心線 L2…中心線L1と軸受孔9の中心軸Pで直交する中心
線 Q…中心線L1が軸受孔9の反連通孔側と交わる交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−163334(JP,A) 特開 昭63−101531(JP,A) 特開 平9−72360(JP,A) 実開 昭57−25229(JP,U) 実開 昭53−87378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 65/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパボディの作用部に、ディスクロ
    ータ側へ開口するディスク軸方向のシリンダ孔と、該シ
    リンダ孔の後部に直交して前記作用部の一側壁へ開口す
    る軸受孔とを設け、該軸受孔と前記シリンダ孔とをディ
    スク軸方向の連通孔でつなぐと共に、前記シリンダ孔の
    開口側にピストンを収容し、前記軸受孔にカムレバーと
    一体に回動するカム軸を軸受を介して回動可能に差し込
    み、該カム軸と前記ピストンとの間に動力伝達手段を介
    装した車両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機
    構において、前記軸受を、弾性板材を前記軸受孔よりも
    大径の円筒状に丸めて形成し、該弾性板材の円筒状部分
    に前記プッシュロッドの挿通を許容する窓部を設けると
    共に、弾性板材の端部間に拡縮を許容するスリットを設
    定し、該スリットを、前記軸受孔に開口する連通孔を除
    く他方向へ向けて軸受孔に圧入したことを特徴とする車
    両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機構。
  2. 【請求項2】 前記スリットを、前記シリンダ孔の中心
    軸と平行な軸受孔の中心線L1と軸受孔の中心軸Pで直
    交する中心線L2から反連通孔側の180゜の範囲に配
    置したことを特徴とする請求項1記載の車両用ディスク
    ブレーキのパーキングブレーキ機構。
  3. 【請求項3】 前記スリットを、前記中心線L1と前記
    軸受孔の反連通孔側との交点Qを除いて配置したことを
    特徴とする請求項1または2に記載の車両用ディスクブ
    レーキのパーキングブレーキ機構。
JP18742496A 1996-07-17 1996-07-17 車両用ディスクブレーキのパーキングブレーキ機構 Expired - Lifetime JP3336426B2 (ja)

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