JPH11210789A - ドラムブレーキ用自動間隙調整装置 - Google Patents

ドラムブレーキ用自動間隙調整装置

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JPH11210789A
JPH11210789A JP1097798A JP1097798A JPH11210789A JP H11210789 A JPH11210789 A JP H11210789A JP 1097798 A JP1097798 A JP 1097798A JP 1097798 A JP1097798 A JP 1097798A JP H11210789 A JPH11210789 A JP H11210789A
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Yoshiaki Hayakawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性を有し、しかも安価な構造を実
現する。 【解決手段】 アジャストレバー20の中間部と、制動
時にこのアジャストレバー20を揺動させる為の連結部
材の端部に設けた係止ブロック29とを、スプリングピ
ン40により、揺動自在に結合する。結合部をがたつき
なく結合する構造を、少ない部品で実現して、上記課題
を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るドラムブレー
キ用自動間隙調整装置は、自動車の制動に用いるドラム
ブレーキに組み込み、ライニングの摩耗に拘らず、非制
動時にこのライニングの外周面とドラムの内周面との間
に存在する間隙を一定に保つ。
【0002】
【従来の技術】ドラムブレーキは、例えば図8に略示す
る様に構成している。懸架装置に支持されて回転しない
背板1の前面(自動車の幅方向外側の面)には、1個又
は2個のホイルシリンダ2、2を固定している。制動時
には、このホイルシリンダ2、2に圧油を送り込み、こ
れら各ホイルシリンダ2、2内に油密に嵌装したピスト
ン3、3の突出量を増大させる。又、上記背板1の前面
には左右1対のブレーキシュー4、4を、この背板1の
直径方向に亙る変位を自在として支持している。これら
各ブレーキシュー4、4は、略三日月形のウェブ5、5
の外周縁に裏金6、6を固定し、これら各裏金6、6の
外周面にライニング7、7を添着して成る。
【0003】この様なブレーキシュー4、4のウェブ
5、5の両端部はそれぞれ、上記各ピストン3、3の先
端部又は上記各ホイルシリンダ2、2の端部に形成した
アンカ部8、8に当接させている。又、上記両ウェブ
5、5同士の間にはリターンスプリング9、9を掛け渡
して、上記両ブレーキシュー4、4に、上記背板1の直
径方向内側に向く弾力を付与している。更に、上記両ブ
レーキシュー4、4の周囲には、有底円筒状のドラム1
0を被せ、このドラム10の内周面10aと上記各ライ
ニング7、7の外周面7a、7aとを対向させている。
【0004】上記内周面10aと外周面7a、7aと
は、非制動時には間隙を介して互いに離隔しているが、
制動時には互いに当接し、これら両周面10a、7a同
士の間に作用する摩擦力によって、制動力を発揮する。
即ち、制動時には上記各ホイルシリンダ2、2内への圧
油の送り込みによって上記各ピストン3、3の突出量を
増大させ、上記各ブレーキシュー4、4を上記リターン
スプリング9、9の弾力に抗して上記背板1の直径方向
外方に変位させ、上記両周面10a、7a同士を当接さ
せる。この様な制動の繰り返しにより上記各ライニング
7、7が摩耗すると、非制動時に上記内周面10aと外
周面7a、7aとの間に存在する間隙の厚さ寸法が増大
する。この厚さ寸法の増大は、制動時に上記各ホイルシ
リンダ2、2に送り込むべき圧油量の増大、延てはブレ
ーキペダルの踏み込み量の増大につながる為、好ましく
ない。
【0005】この為従来から、上記各ライニング7、7
の摩耗に伴って上記各ブレーキシュー4、4を背板1の
直径方向外方に押し出し、上記間隙の厚さ寸法を一定値
以下に保持するドラムブレーキ用自動間隙調整装置が、
例えば実開平7−34238号公報等に記載されている
様に知られており、且つ、実際に使用されている。図9
〜10は、この公報に記載されているドラムブレーキ用
自動間隙調整装置を示している。背板1(図8)に固定
するホイルシリンダ2a内にはピストン3a、3bを、
油密に嵌装している。これら両ピストン3a、3bはそ
れぞれ、上記ホイルシリンダ2a内への圧油の送り込み
に伴って、このホイルシリンダ2aからの突出量を増大
させる。
【0006】上記両ピストン3a、3bのうち、一方
(図9〜10の右方)のピストン3bの外端面(図9〜
10の右端面)には凹溝11を、この外端面の直径方向
に亙り形成している。ドラムブレーキの組立時にはこの
凹溝11に、前記ウェブ5の端部を係合させる。従っ
て、上記ピストン3bは上記ホイルシリンダ2a内に、
回転する事なく軸方向に亙る変位のみ自在に保持され
る。又、他方(図9〜10の左方)のピストン3aの内
側には円孔12を、このピストン3aと同心に形成して
いる。そして、この円孔12の端部を、上記ピストン3
aの外端面中心部に開口させ、この円孔12内にアジャ
ストナット13を、回転自在に挿入している。このアジ
ャストナット13は、内周面に雌ねじを有する。尚、上
記円孔12の内周面中間部に形成した段部14と上記ア
ジャストナット13の内端面(図10の右端面)との間
には滑り軸受15を設け、このアジャストナット13に
加わるスラスト荷重を支承自在としている。
【0007】又、このアジャストナット13及び上記円
孔12内にグリースを充填した上で、このアジャストナ
ット13にアジャストボルト16を螺合させている。こ
のアジャストボルト16の外端面(図9〜10の左端
面)には凹溝17を、この外端面の直径方向に亙り形成
している。ドラムブレーキの組立時にはこの凹溝17
に、前記ウェブ5の端部を係合させる。従って上記アジ
ャストボルト16は、上記アジャストナット13の回転
に拘らず回転せず、このアジャストナット13の回転時
には軸方向に変位する。
【0008】上記アジャストナット13の外端面にはア
ジャストリング18を固定している。このアジャストリ
ング18の外周縁は上記アジャストナット13と同心で
あり、この外周縁に、ラチェット歯状の係合歯19、1
9を形成している。又、上記ホイルシリンダ2aの中間
部外面に設けた枢軸21には、アジャストレバー20の
基端部を枢支している。金属板によりL字形に形成し
た、このアジャストレバー20の先端部には、爪部22
を形成し、この爪部22を、上記係合歯19、19と係
合自在としている。
【0009】又、上記アジャストレバー20の中間部先
端寄り部分の片側面(図9の裏面、図10の下面)には
係止部23を形成し、この係止部23に引っ張りばね2
4の一端を係止している。この引っ張りばね24の他端
は、上記ホイルシリンダ2aの外面、或は背板1の前面
等の固定部分に係止している。この引っ張りばね24は
上記アジャストレバー20に、上記爪部22を上記係合
歯19、19から離す方向の弾力を付与すると同時に、
この爪部22がホイルシリンダ2aから離れる方向に浮
き上がる事を防止する役目を有する。
【0010】更に、前記ピストン3aの外端面(図9〜
10の左端面)には、取付板25を固定している。そし
て、この取付板25の外周縁から突出した腕片27の先
端部(図10の上端部)と、上記アジャストレバー20
の中間部基端寄り部分との間に、連結部材26を設けて
いる。図示の例ではこの連結部材26は、大きな弾力を
有する引っ張りばね28の一端部(図9〜10の右端
部)に係止ブロック29を、他端部(図9〜10の左端
部)に係止ピン30を、それぞれ結合固定している。そ
して、このうちの係止ブロック29を上記アジャストレ
バー20の中間部に、枢支ピン31により揺動自在に連
結している。又、上記係止ピン30を、上記取付板25
に形成した、達磨型の係止孔32の一部に係止してい
る。
【0011】上記枢支ピン31による、上記係止ブロッ
ク29とアジャストレバー20との連結部は、図11〜
13に詳示する様に構成している。即ち、上記係止ブロ
ック29の先半部(図11〜12の右半部)に、この係
止ブロック29の断面の直径方向に亙るスリット33
を、この係止ブロック29の端面に開口する状態で形成
する事により、上記係止ブロック29の先半部を二又に
形成している。そして、この先半部に、上記スリット3
3を挟んで1対の第一係止孔34、34を、互いに同心
に形成している。上記アジャストレバー20の中間部
は、上記スリット33内に緩く挿入しており、この挿入
部分で上記両第一係止孔34、34に整合する部分に、
第二係止孔35を形成している。そして、これら第一、
第二両係止孔34、35に、上記枢支ピン31を挿通し
ている。この枢支ピン31は、基端部(図12の下端
部)に外向フランジ状の鍔部42を、先端部に係止溝3
6を、それぞれ形成している。
【0012】この様な枢支ピン31は、上記第一、第二
両係止孔34、35に挿通した状態で、上記係止ブロッ
ク29の外周面から突出した先端部分に存在する上記係
止溝36に、Eリングと呼ばれる、欠円環状のストップ
リング37を係止し、上記第一、第二両係止孔34、3
5からの抜け止めを図っている。又、上記係止ブロック
29の外周面と上記ストップリング37との間にはスプ
リングワッシャ38及びワッシャ39を挟持している。
このスプリングワッシャ38により、上記第一、第二両
係止孔34、35の内側で上記枢支ピン31ががたつく
のを防止して、自動車の走行に伴う振動に拘らず、この
枢支ピン31と相手部材との当接部が摩耗するのを防止
する。
【0013】上述の様に構成するドラムブレーキ用自動
間隙調整装置に於いては、制動時に前記ホイルシリンダ
2aから上記ピストン3aが突出するのに伴って、前記
アジャストレバー20が枢軸21を中心として、図9の
反時計方向に揺動する。この様にアジャストレバー20
が揺動し、このアジャストレバー20の先端部に設けた
爪部22と何れかの係合歯19とが係合する。この係合
に基づいて前記アジャストリング18を固定した前記ア
ジャストナット13が回転した場合に、前記アジャスト
ボルト16が上記アジャストナット13から外方に押し
出される様に、これらアジャストボルト16及びアジャ
ストナット13に形成するねじの方向を定めている。
【0014】上述の様に構成するドラムブレーキ用自動
間隙調整装置の作用は次の通りである。制動と制動解除
との繰り返しに伴って上記ピストン3aは、ホイルシリ
ンダ2a内で軸方向に亙り往復移動する。非制動時に前
記ドラム10の内周面10aとライニング7、7の外周
面7a、7aとの間に存在する間隙が小さい場合には、
上記ピストン3aの往復移動量も少ない。従って、上記
アジャストレバー20の揺動量も小さく、上記爪部22
は、同一の係合歯19の外周縁と摺接するのみで、何れ
の係合歯19と係合する事もない。この為、上記アジャ
ストリング18並びにアジャストナット13は回転せ
ず、このアジャストナット13から上記アジャストボル
ト16が突出する量も変化せず、上記間隙の調整は行わ
れない。
【0015】上記ライニング7、7の摩耗に伴って上記
間隙が大きくなると、制動時に於ける上記ピストン3a
の往復移動量並びに上記アジャストレバー20の揺動量
が多くなる。この結果上記爪部22が、上記係合歯19
と係合し、図9に矢印αで示す様に、上記アジャストリ
ング18並びにこのアジャストリング18を固定したア
ジャストナット13を回転させる。この結果、このアジ
ャストナット13と螺合したアジャストボルト16が、
図10に矢印βで示す様に、上記アジャストナット13
から突出する方向に移動する。そして、このアジャスト
ボルト16外端面の凹溝17にその端部を係合させたブ
レーキシュー4が、図9に矢印γで示す方向に押され、
上記間隙が狭められる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用するドラムブレーキ用自動間隙調整装置の
場合には、連結部材26の一端部に設けた係止ブロック
29とアジャストレバー20との連結部の部品点数が多
い。この為、部品加工、部品管理、組立作業が何れも面
倒になり、ドラムブレーキ用自動間隙調整装置全体とし
てのコストが嵩む原因となる。本発明のドラムブレーキ
用自動間隙調整装置は、この様な事情に鑑みて、上記係
止ブロック29とアジャストレバー20との連結部の部
品点数を少なくし、コスト低減を図るべく発明したもの
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のドラムブレーキ
用自動間隙調整装置は、従来から知られたドラムブレー
キ用自動間隙調整装置と同様に、背板に固定されたホイ
ルシリンダと、このホイルシリンダ内に軸方向に亙る変
位のみ自在に、且つ油密に嵌装されて、上記ホイルシリ
ンダ内への圧油の送り込みに伴ってこのホイルシリンダ
からの突出量を増大させるピストンと、このピストンの
外端面中心部にその端部を開口させた円孔と、この円孔
内に回転自在に挿入された、内周面に雌ねじを有するア
ジャストナットと、このアジャストナットと螺合し、ブ
レーキシューの端部との係合により回転しないアジャス
トボルトと、上記アジャストナットの外端面に固定さ
れ、このアジャストナットと同心である外周縁に係合歯
を形成したアジャストリングと、上記ホイルシリンダの
中間部外面にその基端部を枢支し、その先端部に形成し
た爪部を上記係合歯と係合自在としたアジャストレバー
と、このアジャストレバーの中間部と上記ピストンの外
端部とを結合し、上記突出量の増大に伴って上記アジャ
ストレバーを、上記爪部と係合歯とが係合する方向に揺
動させる連結部材とを備える。そして、これら爪部と係
合歯との係合に基づき、上記アジャストリングを介して
上記アジャストナットが、上記アジャストボルトをこの
アジャストナットから外方に押し出す方向に回転する。
特に、本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整装置に於
いては、上記連結部材の両端部のうち、上記アジャスト
レバーの中間部と結合する側の端部は、このアジャスト
レバーの中間部を挟む状態で二又に形成され、且つ、互
いに同心の1対の第一係止孔が形成されている。又、上
記アジャストレバーの中間部には、上記各第一係止孔の
内径と同等以上の内径を有する第二係止孔が形成されて
いる。そして、これら連結部材の端部とアジャストレバ
ーの中間部とは、両端部を上記各第一係止孔にそれぞれ
内嵌し、中間部を上記第二係止孔に挿通したスプリング
ピンにより結合している。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明のドラムブレーキ用
自動間隙調整装置が、ライニングの外周面とドラムの内
周面との間の間隙の寸法を適正値に保つ際の作用は、前
述した従来のドラムブレーキ用自動間隙調整装置と同様
である。特に、本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整
装置の場合には、連結部材の端部とアジャストレバーの
中間部とをスプリングピンにより結合している為、結合
部ががたつかない構造で、しかもこの結合部の部品点数
を少なくできる。この結果、ドラムブレーキ用自動間隙
調整装置全体としてのコストを削減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、連結部材
26の一端部に設けた係止ブロック29とアジャストレ
バー20の中間部とを連結する部分の構造にある。その
他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜10に示した
従来構造と同様であるから、重複する図示並びに説明は
省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分に就い
て説明する。
【0020】上記係止ブロック29の先半部は、この係
止ブロック29の断面の直径方向に亙って形成したスリ
ット33により、上記アジャストレバーの中間部を挟む
状態で二又に形成している。そして、この先半部に、上
記スリット33を挟んで、それぞれが円孔である1対の
第一係止孔34、34を、互いに同心に形成している。
そして、このスリット33内に上記アジャストレバー2
0の中間部を、緩く挿入している。又、上記アジャスト
レバー20の中間部のうち、上記スリット33内に挿入
した部分で上記両第一係止孔34、34に整合する部分
に、円孔である第二係止孔35を形成している。この第
二の係止孔35の内径は、上記各第一係止孔34、34
の内径よりも大きくしている。
【0021】そして、上記係止ブロック29の先半部と
上記アジャストレバー20の中間部とを、図3〜4に示
す様な欠円筒状に形成したスプリングピン40により、
揺動変位自在に結合している。即ち、このスプリングピ
ン40の両端部を上記各第一係止孔34、34に弾性的
に内嵌すると共に、このスプリングピン40の中間部を
上記第二係止孔35に緩く挿通して、上記係止ブロック
29の先半部と上記アジャストレバー20の中間部とを
結合している。この様に係止ブロック29の先半部とア
ジャストレバー20の中間部とを結合し、ドラムブレー
キ用自動間隙調整装置を組み立てた状態で、上記第二係
止孔35の一部内周縁と上記スプリングピン40の中間
部外周面とは、上記アジャストレバー20の係止部23
と固定の部分との間に設けた引っ張りばね24(図9〜
10)の弾力に基づいて、弾性的に当接する。又、上記
各第一係止孔34、34の内周面と上記スプリングピン
40の両端部外周面とは、このスプリングピン40自身
の弾性により、弾性的に当接する。従って、自動車の走
行に伴う振動に拘らず、上記係止ブロック29の先半部
と上記アジャストレバー20の中間部との結合部ががた
つく事はなく、がたつきに伴う摩耗が生じる事もない。
【0022】上述の様に構成する本発明のドラムブレー
キ用自動間隙調整装置の場合には、上記係止ブロック2
9の先半部と上記アジャストレバー20の中間部との結
合部ががたつかない構造で、しかもこの結合部の部品点
数を少なくできる。この結果、ドラムブレーキ用自動間
隙調整装置全体としてのコストを削減できる。
【0023】次に、図5〜7は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、係止ブロック2
9の先半部とアジャストレバー20の中間部との結合部
を構成する為のスプリングピン40aの一端寄り部分
に、円周方向に亙るスリット41を形成している。但
し、このスリット41は、円周方向の一部で不連続とし
ている。言い換えれば、このスリット41は、上記スプ
リングピン40aの円周方向の一部を残した状態で形成
している。この様なスプリングピン40aを上記結合部
に組み付けた状態で、上記スリット41は、1対の第一
係止孔34、34のうち、一方(図5の上方)の第一係
止孔34内に位置する。
【0024】本例の場合、上記スプリングピン40aの
一部に、上述の様なスリット41を形成している為、長
期間に亙る使用によっても、上記スプリングピン40a
が上記第一、第二両係止孔34、35から抜け出る事を
確実に防止できる。即ち、上記結合部を構成するスプリ
ングピン40(第1例の場合)、40a(第2例の場
合)には、制動の繰り返しにより上記各第一係止孔3
4、34の内周面と上記第二係止孔35の内周面とか
ら、直径を弾性的に縮める方向の力が加えられる。そし
て、長期間に亙る制動の繰り返しにより、上記スプリン
グピン40、40aがへたる可能性がある。前述した第
1例の構造の場合には、スプリングピン40がへたり、
このスプリングピン40の自由状態での外径が上記各第
一係止孔34、34の内径よりも小さくなると、このス
プリングピン40が上記結合部から脱落する可能性があ
る。
【0025】これに対して、上記スリット41を有する
スプリングピン40aを組み込んだ本例の場合には、長
期間に亙る使用より、このスプリングピン40aがへた
った場合でも、このスプリングピン40aが上記結合部
から脱落する事を防止できる。即ち、上述の様に、制動
の繰り返しにより上記各第一係止孔34、34の内周面
と上記第二係止孔35の内周面とから上記スプリングピ
ン40aに、直径を弾性的に縮める方向の力が加えられ
る。但し、この力は上記スリット41を越えて上記スプ
リングピン40aの一端部にまで伝わる事はない。従っ
て、長期間に亙る使用によりこのスプリングピン40a
の中間部及び他端部がへたった場合でも、上記一端部は
へたる事なく、上記第一係止孔34内に、十分に大きな
保持力により留まる。従って、上記スプリングピン40
aが上記結合部から脱落する事はない。しかも、脱落防
止の為に別個の部品を使用する事がないので、コスト低
減の効果はそのまま維持できる。
【0026】
【発明の効果】本発明のドラムブレーキ用自動間隙調整
装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、優れ
た耐久性を有し、しかも低コストの構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図10の
A部に相当する拡大断面図。
【図2】図1の上方から見た図。
【図3】第1例に使用するスプリングピンの斜視図。
【図4】同じく側面図及び端面図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を示す、図10の
A部に相当する拡大断面図。
【図6】第2例に使用するスプリングピンの斜視図。
【図7】同じく側面図、端面図及び正面図。
【図8】本発明の対象となる自動間隙調整装置を組み込
んだドラムブレーキの1例を示す略正面図。
【図9】自動間隙調整装置を組み込んだホイルシリンダ
の正面図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】係止ブロックとアジャストレバーとの連結状
態を示す正面図。
【図12】図11の下方から見た部分断面図。
【図13】図12のC部拡大図。
【符号の説明】
1 背板 2、2a ホイルシリンダ 3、3a、3b ピストン 4 ブレーキシュー 5 ウェブ 6 裏金 7 ライニング 7a 外周面 8 アンカ部 9 リターンスプリング 10 ドラム 10a 内周面 11 凹溝 12 円孔 13 アジャストナット 14 段部 15 滑り軸受 16 アジャストボルト 17 凹溝 18 アジャストリング 19 係合歯 20 アジャストレバー 21 枢軸 22 爪部 23 係止部 24 引っ張りばね 25 取付板 26 連結部材 27 腕片 28 引っ張りばね 29 係止ブロック 30 係止ピン 31 枢支ピン 32 係止孔 33 スリット 34 第一係止孔 35 第二係止孔 36 係止溝 37 ストップリング 38 スプリングワッシャ 39 ワッシャ 40、40a スプリングピン 41 スリット 42 鍔部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背板に固定されたホイルシリンダと、こ
    のホイルシリンダ内に軸方向に亙る変位のみ自在に、且
    つ油密に嵌装されて、上記ホイルシリンダ内への圧油の
    送り込みに伴ってこのホイルシリンダからの突出量を増
    大させるピストンと、このピストンの外端面中心部にそ
    の端部を開口させた円孔と、この円孔内に回転自在に挿
    入された、内周面に雌ねじを有するアジャストナット
    と、このアジャストナットと螺合し、ブレーキシューの
    端部との係合により回転しないアジャストボルトと、上
    記アジャストナットの外端面に固定され、このアジャス
    トナットと同心である外周縁に係合歯を形成したアジャ
    ストリングと、上記ホイルシリンダの中間部外面にその
    基端部を枢支し、その先端部に形成した爪部を上記係合
    歯と係合自在としたアジャストレバーと、このアジャス
    トレバーの中間部と上記ピストンの外端部とを結合し、
    上記突出量の増大に伴って上記アジャストレバーを、上
    記爪部と係合歯とが係合する方向に揺動させる連結部材
    とを備え、これら爪部と係合歯との係合に基づき、上記
    アジャストリングを介して上記アジャストナットが、上
    記アジャストボルトをこのアジャストナットから外方に
    押し出す方向に回転するドラムブレーキ用自動間隙調整
    装置に於いて、上記連結部材の両端部のうち、上記アジ
    ャストレバーの中間部と結合する側の端部は、このアジ
    ャストレバーの中間部を挟む状態で二又に形成され、且
    つ、互いに同心の1対の第一係止孔が形成されており、
    上記アジャストレバーの中間部には、上記各第一係止孔
    の内径と同等以上の内径を有する第二係止孔が形成され
    ており、これら連結部材の端部とアジャストレバーの中
    間部とは、両端部を上記各第一係止孔にそれぞれ内嵌
    し、中間部を上記第二係止孔に挿通したスプリングピン
    により結合している事を特徴とするドラムブレーキ用自
    動間隙調整装置。
  2. 【請求項2】 スプリングピンの少なくとも一端寄り部
    分で第二係止孔から外れた部分に、円周方向に亙るスリ
    ットを、上記スプリングピンの円周方向の一部を残した
    状態で形成している、請求項1に記載したドラムブレー
    キ用自動間隙調整装置。
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