JP3940158B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
従来、静電写真プロセスが利用されている画像形成装置では、原稿の画像を照明して得られる原稿からの反射光により、予め所定の極性に帯電された像担持体(例えば感光体ドラム)の表面に静電潜像が形成される。像担持体の表面上に形成された静電潜像は、帯電した微粉体であるトナーにより現像されて可視化される。その後、このトナー像は、像担持体の回転によって転写部へと達し、転写部に搬送されてきた転写材(記録紙)に転写される。
ところで、この種の画像形成装置の中には、カラーコピーを実現するために、複数色のトナー像が像担持体から順次に転写される中間転写体を備えたものがある。このような画像形成装置では、像担持体から複数色のトナー像が順次に中間転写体に転写されて重ね合わされ、その後、中間転写体の重ねトナー像が、中間転写体の回転によって転写部へと達し、転写部に搬送されてきた転写材に一括転写される。
転写材にトナー像が転写された後、像担持体や中間転写体は、その表面がクリーニング装置によってクリーニングされ、その表面に残留するトナーが除去される。このように、像担持体や中間転写体の表面をクリーニングする方式としては、従来、ウレタンゴムのエッジを像担持体や中間転写体の表面に圧接させてトナーを掻き落とすブレードクリーニング方式が知られている(特開平6−295111号公報、特開平5−303310号公報等参照)。この方式は、機械的に簡単で且つ安価に実現できるため、一般に広く利用されている。
特開平6−295111号公報。 特開平5−303310号公報。
しかし、前記ブレードクリーニング方式では、以下のような不具合が発生する。すなわち、例えば中間転写体を例にとって説明すると、中間転写体から転写材にトナー像が転写された後、中間転写体の表面には、転写されずに残ったトナーと転写紙から発生した紙粉(紙繊維)とが付着している。この場合、中間転写体の表面に残ったトナーは、球形に近い形状を成しているため、その後、クリーニングブレードによって中間転写体の表面から比較的容易に掻き落とされる。しかし、紙繊維としての紙粉は、棒状を成しているため、クリーニングブレードのエッジに引掛かった状態で付着してしまう。こうした状態は、コピーを重ねる毎に進行し、結果的にクリーニングブレードのエッジに多量の紙粉が付着することとなる。
クリーニングブレードのエッジに紙粉が多量に付着すると、クリーニングブレードのエッジと接触する中間転写体の表面には、紙粉による無数の細かい傷等が生じる。したがって、転写材に転写される画像は、この傷等に起因する無数の縦筋を有する異常画像となる。
また、クリーニングブレードのエッジに付着した紙粉は、時として、エッジから脱落して、中間転写体の表面に再度付着する。その結果、紙粉付着による転写不良が生じる。
無論、これらの問題は、トナー像を像担持体から中間転写体を介すことなく直接に転写材に転写する場合にも同様に生じ得る。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、トナー像を担持する担持体や中間転写体の表面に付着する紙粉を確実に取り除いて常時良好な転写性能が得られる画像形成装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電潜像がその表面に形成される像担持体と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、中間転写体に転写されたトナー像を転写材へ転写する転写手段と、転写手段による転写後に中間転写体に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段の中間転写体移動方向上流側に配置され、転写材から発生して中間転写体に付着した紙粉をバイアス電圧を印加することにより除去する紙粉除去手段と、前記クリーニング手段の中間転写体移動方向下流側に配置され、中間転写体上の電荷を上記紙粉除去手段に印加されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧により除去する中間転写体除電手段と、を具備している。
この請求項1に記載の発明では、紙粉除去手段によって、中間転写体上に残留付着している紙粉等が除去されるため、紙粉による縦スジの異常画像やクリーニング不良が防止され、画質の向上を図ることができる。
また、紙粉除去手段によって電荷を帯びた中間転写体の表面が、中間転写体除電手段によって中和され、別個に除電手段を設けないでも、中間転写体上に残留する電位が除電される。したがって、省スペース化、部品数の低減、構成の簡易化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記紙粉除去手段に印加するバイアス電圧は、正極性であることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明では、簡単かつ軽量な構成で、中間転写体上に残留付着している紙粉等が除去される。
請求項1に記載の発明によれば、紙粉除去手段によって、中間転写体上に残留付着している紙粉等を除去できるため、紙粉による縦スジの異常画像やクリーニング不良が防止され、画質の向上を図ることができる。
また、紙粉除去手段によって電荷を帯びた中間転写体の表面が、中間転写体除電手段によって中和され、別個に除電手段を設けないでも、中間転写体上に残留する電位が除電される。したがって、省スペース化、部品数の低減、構成の簡易化を図ることができる。
この請求項2に記載の発明では、簡単かつ軽量な構成で、中間転写体上に残留付着している紙粉等を除去することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施に適する画像形成装置100の基本構成を示している。図示のように、画像形成装置100は、中間転写体としての中間転写ベルト426を備えるカラー用の静電画像形成装置であり、原稿画像を色分解して読み取って電気的な信号であるカラー画像データに変換するカラースキャナ200と、露光手段としての書き込み光学ユニット400とを有している。
書き込み光学ユニット400は、レーザ発光手段(レーザダイオード)404と、レーザ発光手段404の発光を制御する発光駆動制御部(図示せず)と、ポリゴンミラー406と、ポリゴンミラー406の回転用モータ408と、f/θレンズ410と、反射ミラー412とから主に構成されている。そして、書き込み光学ユニット400は、この構成によって、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行ない、像担持体である感光体402の表面上に静電潜像を形成する。
感光体402は例えば図中矢印で示すように反時計回り回転する。感光体402の周囲には、感光体クリーニングユニット414と、除電ランプ416と、帯電器418と、電位センサ420と、現像手段としての回転式現像装置422の選択された現像器(図1の例では、シアン用現像器430の現像スリーブ438)と、現像濃度パターン検知器424と、中間転写体としての中間転写ベルト426とが配置されている。
回転式現像装置422は、ブラック用現像器428と、シアン用現像器430と、マゼンタ用現像器432と、イエロー用現像器434と、各現像器を回転させる図示しない回転駆動部とから構成されている。各現像器は、静電潜像を可視化するために現像剤の穂を感光体402の表面に接触させて回転する現像スリーブと、現像剤を汲み上げて撹拌するために回転する現像パドルとから主に構成されている。
中間転写ベルト426は、駆動ローラ444と、転写対向ローラ446a,446bと、クリーニング対向ローラ448と、従動ローラ群とに張架されており、図示しない駆動モータによって駆動制御されるようになっている。中間転写ベルト426としては、体積抵抗率1×108〜1012Ω・cm、表面抵抗率1×108〜1011Ω(JISK6911)の中抵抗ベルトが使用され、具体的には、エチレンテトラフロロエチレン(ETFE)やエピクロルヒドリンゴムなどを素材としたベルト部材が使用される。無論、ベルト状でなく、ドラム状であっても良い。
次に、上記構成の画像形成装置100の動作について説明する。
回転式現像装置422は、その待機状態で、ブラック用現像器428が感光体402と対向するブラック現像の位置にセットされている。したがって、コピー動作が開始されると、所定のタイミングからカラースキャナ200でブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいて、後述するようにレーザ光による光書き込み・潜像形成が開始される。なお、以下、ブラック画像データによる静電潜像をブラック潜像と称する。また、シアン、マゼンタ、イエローについても同様である。
まず最初に行なわれるブラック像形成では、帯電手段としての帯電器418のコロナ放電によって感光体402が負電荷で約−700Vに一様に帯電される(帯電工程)。続いて、ブラック信号に基づくレーザダイオード404によるラスタ露光が行なわれる(露光工程)。このようにラスタ露光が行なわれると、当初一様に荷電されていた感光体402は、その露光された部分が露光光量に比例して電荷を消失する。これにより、感光体402の表面上にブラック潜像が形成される。
一方、現像装置422内のトナーは、フェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電されている。また、現像装置422のブラック現像スリーブ438には、図示しない電源手段によって、感光体402の金属基体層に対して負の直流電位と交流電位とが重畳された電位のバイアスが印加されている。したがって、電荷が残っている感光体402の部分にはブラックトナーが付着せず、露光されて電荷が消失した感光体402の部分にはブラックトナーが吸着される。これによって、ブラック潜像と相似なブラック可視像(ブラックトナー像)が感光体402の表面上に形成される(現像工程)。
なお、感光体402の表面上に形成されたブラック潜像の先端部から現像するため、感光体402上のブラック潜像の先端部がブラック用現像器428の現像位置に到着する前に、ブラック用現像器428の現像スリーブの回転が開始され、感光体402上のブラック潜像がブラックトナーで現像される。そして、以後、感光体402上のブラック潜像領域の現像動作が続けられるが、感光体402上のブラック潜像の後端部がブラック用現像器428の現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色現像位置まで回転式現像装置422が回転される。この動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像(本実施形態では後述するようにシアン潜像)の先端部が到達する前に完了する。
感光体402上に形成されたブラックトナー像は、一次転写手段としてのベルトコロナ放電器450によって、感光体402と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト426の表面に転写される(一次転写工程)。この場合のベルトコロナ放電器450の放電効率(分配比)は20〜40%程度である。なお、以下、感光体402から中間転写ベルト426へのトナー像の転写を一次転写と称する。 感光体402の表面上に存在する若干の未転写残留トナーは、感光体402の次色の再利用に備え、ゴムブレードからなる感光体クリーニングユニット414で清掃される。ここで回収されたトナーは、回収パイプを経由した図示しない廃トナータンクに蓄えられる。また、残留トナーが除去された感光体402は、その後、表面の残留電位が除電ランプ416によって均一に除電され、次のシアン像形成に利用される。すなわち、所定のタイミングからカラースキャナ200によるシアン画像のデータの読み取りが始まり、その画像データによるレーザ光書き込みで、感光体402の表面上にシアン潜像が形成される。そして、この場合も、感光体402の表面上に形成されたシアン潜像の先端部から現像するため、先のブラック潜像の後端部が現像位置を通過した後であって且つ感光体402上のシアン潜像の先端部が現像位置に到着する前に、回転式現像装置422が回転されてシアン用現像器430が感光体402と対向されるとともにシアン用現像器430の現像スリーブの回転が開始され、感光体402上のシアン潜像がシアントナーで現像される。そして、以後、感光体402上のシアン潜像領域の現像動作が続けられるが、感光体402上のシアン潜像の後端部がシアン用現像器430の現像位置を通過した時点で、速やかにシアンのための現像位置から次の色現像位置まで回転式現像装置422が回転される。この動作もやはり、次の画像データによる潜像(本実施形態では後述するようにマゼンタ潜像)の先端部が到達する前に完了する。
そして、感光体402上に形成されたシアントナー像は、ベルトコロナ放電器450によって、感光体402と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト426の表面に、既に転写されているブラックトナー像に重ね合わせて転写される。
なお、以後に行なわれるマゼンタ像形成およびイエロー像形成については、それぞれの画像データの読み取り・潜像形成・現像の動作が前述のブラック像形成およびシアン像形成と同じであるため、その説明を省略する。
以上のようにして、感光体402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、図示しない駆動モータによって感光体402が図中矢印で示すように反時計回りに回転するとともに中間転写ベルト426が時計回りに回転することによって、中間転写ベルト426の表面に順次重ね合わせて転写される。すなわち、中間転写ベルト426上には、感光体402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が正確に順次位置合わせされることにより、4色重ねのベルト転写画像が形成される。そして、この4色重ねのベルト転写画像は、その後、二次転写手段としての転写コロナ放電器454によって、転写材としての記録紙に一括転写される(二次転写工程)。この場合、転写コロナ放電器454は、コロナ放電方式にてDCまたはAC+DC成分を印加して、中間転写ベルト426上の重なりトナー像を記録紙上に転写する。この時の分配比はベルトコロナ放電器450と同様に20〜40%程度である。
記録紙に重ねトナー像が転写された後、中間転写ベルト426は、ブレード接離機構のクリーニング装置452により、その表面がクリーニングされる。この場合、クリーニング装置452は、そのブレードを中間転写ベルト426の表面に押圧することにより、中間転写ベルト426上の残留トナー等を除去する。
なお、中間転写ベルト426上に重ねトナー像を形成するに際し、画像先端位置を合わせるのに必要な時間を短縮するため、中間転写ベルト426の支持ローラを移動させて、図2に破線で示すように中間転写ベルト426を感光体402から離間させるとともに、この離間した状態で、中間転写ベルト426を早送りすることが行なわれる。
ところで、給紙バンク456内の各記録紙カセット458,460,462には、装置本体内のカセット464に収容された記録紙のサイズとは異なる各種サイズの記録紙が収容されている。そして、これら各種サイズの記録紙のうち指定(選択)されたサイズの記録紙が、対応する収容カセットから、給紙コロ466によってレジストローラ470の方向に給紙・搬送される。なお、図中468はOHP用紙や厚紙等のための手差し給紙トレイである。
像形成が開始される時期に、記録紙は、いずれかのカセット458,460,462,464の給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、コロナ放電器454に中間転写ベルト426上の重ねトナー像の先端がさしかかる時に、丁度、記録紙の先端がこの重ね像の先端に一致する如く、レジストローラ対470が駆動され、紙と像のレジスト合わせが行なわれる。このようにして、記録紙が中間転写ベルト426と重ねられて、正電位につながれたコロナ放電器454の上を通過する。この時、コロナ放電電流で記録紙が正電荷で荷電され、4色重ねトナー画像の実質的部分が記録紙上に転写される。続いて、記録紙がコロナ放電器454の図中左側に配置された図示しない除電ブラシの箇所を通過する時に、記録紙は、除電されて、中間転写ベルト426から剥離され、紙搬送ベルト472に移る。
その後、中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された記録紙は、紙搬送ベルト472によって定着器474に搬送される。この定着器474では、所定温度にコントロールされた定着ローラ476と加圧ローラ478とのニップ部でトナー像が記録紙上に融解定着される。そして、トナー像が定着された記録紙は、排出ローラ対480を介して、装置の外部に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。これによって、フルカラーコピーを得ることができる。
また、引き続き2枚目の原稿のコピーが行なわれる場合(リピートコピーの時)には、2枚目の原稿に対応するカラースキャナ200の動作および感光体402への画像形成が、前述した1枚目の原稿の4色目の画像形成に引き続いて行なわれる。すなわち、所定のタイミングで2枚目の原稿の1色目の画像形成が開始される。また、この場合、中間転写ベルト426側では、1枚目の原稿の4色重ね画像が転写紙へ一括転写された後に、クリーニング装置452でクリーニングされた中間転写ベルト426の表面領域に2枚目の原稿のブラックトナー像が一次転写される。その後は、前述したと同様に1枚目の原稿と同じ動作が繰り返される。
以上の説明は、A4サイズ横送りの4色フルカラーを得るコピーモードの場合であるが、3色コピーモードや2色コピーモードの場合には、指定された色と回数の分に関して、前述したと同様の動作が行なわれることとなる。また、単色コピーモードの場合には、所定枚数が終了するまでの間、回転式現像装置422の所定色の現像器のみが現像作動状態にセットされ、すなわち、所定色の現像器が現像位置にセットされ、クリーニング装置452のブレードを中間転写ベルト426に押圧したままの状態で、連続的にコピー動作が行なわれる。
なお、図1の画像形成装置100で、最長サイズであるA3サイズのフルカラーコピーを行なう場合、中間転写ベルト426が1周する毎に1色作像され、中間転写ベルト426が4回転した時点で4色の作像が完了するのがそのサイズのカラーコピーとしては効率的であるが、中間転写ベルト426の周長をできる限り最大サイズに合わせて短くすると、最大サイズのコピー作動においては、スキャナリターンする時間がなくなる等の問題がある。一方、A3サイズのような使用頻度の低い最大サイズでのコピー動作を想定して中間転写ベルト426を寸法取りすると、このサイズより小さく使用頻度の高いA4やB5のサイズのコピー時に、作像に寄与しない無駄時間が増えるといった問題がある。
そこで、図1の画像形成装置100では、A3サイズのコピーが行なわれる場合、中間転写ベルト426が2周する間に1色作像が行なわれるようになっている。すなわち、ブラックトナー像が中間転写ベルト426に転写された後、次の1周では現像・転写が行なわれずに空回転し、その次の1周で現像および一次転写が行なわれる。このように空回転を行なわしめれば、中間転写ベルト426の周長を抑えて所定のコピースピードで小サイズコピーを行なうことができる。また、中間転写ベルト426の周長に近いサイズのコピーを行なう場合には、各色の一次転写が行なわれる度毎に中間転写ベルト426を空回転させ、その間にスキャナリターン等の動作を行なわしめることができるため、プリント可能最大サイズが小さくならないで済む。
以上説明してきたように、中間転写体としての中間転写ベルト426を備える図1のカラー用静電画像形成装置100では、ウレタンゴム等からなるクリーニングブレードのエッジを像担持体としての感光体402や中間転写ベルト426の表面に圧接させることにより、感光体402および中間転写ベルト426の表面がクリーニングされる。また、中間転写ベルト426が記録紙と接触され、中間転写ベルト426の表面に記録紙から発生した紙粉(紙繊維)が付着する。したがって、特にこのような装置100の場合には、前述したように、中間転写ベルト426の表面上の紙粉(紙繊維)がクリーニング装置452のクリーニングブレード700のエッジに引掛かった状態で付着し、縦筋を有する異常画像を誘発したり、転写不良を引き起こしたりする。
また、中間転写ベルト426を備える図1の静電画像形成装置100では、カラーコピー時に、中間転写ベルト426の表面にトナー像が重ね転写されるため、中間転写ベルト426がトナー像を担持したままコロナ放電器454部を通過することとなり、遊離トナーがコロナ放電器454の放電ワイヤに付着しやすい状況となっている。特に、A3サイズのフルカラーコピーを行なう場合、中間転写ベルト426が2周する間に1色作像が行なわれるようになっているため、コロナ放電器454の部位を中間転写ベルト426上のトナー像が6回も通過することとなり、遊離トナーが放電ワイヤに付着する頻度が増すこととなる。
そこで、以下では、このような不具合を解消して常時良好な転写性能を得るために中間転写ベルト426上の紙粉を取り除く紙粉除去手段、すなわち本発明の要部について説明することとする。
図3は本発明の要部である紙粉除去手段の第1の実施形態を示している。図示のように、この紙粉除去手段はブラシローラ600として形成されている。ブラシローラ600は、導電性の支持部材(芯金)601と、この支持部材601の周囲に植設(支持)された中抵抗の繊維から成るブラシ602とによって構成されている。また、ブラシローラ600は、中間転写ベルト426に対して接離自在で且つ回転可能に支持されている。すなわち、ブラシローラ600は、例えば図示しないソレノイド等の駆動手段によって、図中破線で示す接触位置と図中実線で示す離隔位置との間で変位駆動されるようになっている。
なお、ブラシ602の材料としては、絶縁性材料中に導電性微粒子等を分散させた105〜108Ω・cmの抵抗率を持つものが望ましい。具体的には、中抵抗のブラシローラ600の場合、例えば炭素含有アクリル繊維(商品名SA−7東レ株式会社製)のループブラシを使用することができる。この場合、ループブラシの寸法等は、例えば360D/24F,600ループ/インチ2、毛足長さ4.5mmに設定され、また、ブラシローラ600は、例えば外径が18mm、支持部材(芯金)601の外径が9mmに設定される。
また、ブラシローラ600は、中抵抗のブラシ602に喰い込むように配置されたフリッカ部材603を有している。このフリッカ部材603は、ブラシ602に付着した紙粉等を払い落とすことができるように構成されている。なお、フリッカ部材603は、ブラシ602との摩擦帯電や電荷のリークを防止するため、ブラシ602と同一の材質によって形成されていることが望ましい。また、フリッカ部材603は電気的に浮いた状態(フロート状態)となっている。これは、フリッカ部材603が中抵抗であるため、これを接地するとリークする虞があるためである。また、ブラシローラ600には、これにバイアス電圧を印加させる手段604が設けられている。
このような構成のブラシローラ600は、中間転写ベルト426との接触状態において、そのブラシ接触ニップ幅が例えば9mmとなるように配置設定される。すなわち、ブラシ接触ニップ幅が9mmとなる食い込み量でブラシ602が中間転写ベルト426に接触される。実際に、このような設定で実験を行なったところ、中間転写ベルト426上の紙粉がブラシローラ600によって完全に除去され、縦筋のない良好な画質を得ることができた。特に、電圧印加手段604によってブラシローラ600に200Vの直流高圧を印加させたところ、中間転写ベルト426上に残留付着していた紙粉が静電的に容易に除去された。
また、このような構成のブラシローラ600は、中間転写ベルト426上に残留付着している紙粉等を取り除く紙粉除去手段としてだけではなく、中間転写ベルト426の表面に残留している電位を除電する除電手段としても機能する。実際に、表面抵抗率5×109Ω、体積抵抗率1×1011Ω・cm(JISK6911)の中抵抗ベルト(具体的には、エチレンテトラフロロエチレン(ETFE)のシームレスベルト)を中間転写ベルト426として使用し、ブラシローラ600を中間転写ベルト426に9mmのニップ幅で喰い込ませて回転させたところ、中間転写ベルト426の表面の残留電位を除去することができた。中間転写ベルト426は、図2に示すように、接地されている各支持部材に張架されており、これらの支持部材を介して自己放電するが、例えば中間転写ベルト426に印加された電圧あるいは電流や環境条件等々により完全には自己放電しきれない。そのため、本構成のように、除電手段としても機能するブラシローラ600を設ければ、別個に除電手段を設けることなく、中間転写ベルト426の表面の残留電位を完全に除去することができる。これにより、省スペース化・部品の低減・簡略化を図ることができる。
図4は、上記構成のブラシローラ600が、中間転写ベルト426のクリーニング手段であるクリーニングブレード700よりも、中間転写ベルト426の移動方向(回転方向)の上流側(転写ローラ446bとクリーニングブレード700との間)に設けられた状態を示している(図ではクリーニング装置452に付設されている)。この状態で、電圧印加手段604によりブラシローラ600に200Vの直流高圧を印加させたところ、紙粉だけにとどまらず、転写残トナーも同時に静電的に引きつけられて中間転写ベルト426から除去され、下流側に位置するクリーニングブレード700でのクリーニングの負担が大幅に軽減された。
なお、上記構成のブラシローラ600は、クリーニングブレード700よりも、中間転写ベルト426の移動方向(回転方向)の下流側(ベルトコロナ放電器450とクリーニングブレード700との間)に設けられていても良い。実際にこの設定で、ブラシローラ600に例えば200Vの直流高圧を印加したところ、紙粉だけでなく、クリーニングブレード700で除去しきれなかったマイナスに帯電している転写残トナーも、中間転写ベルト426から除去された。一般に、中間転写ベルト426上に残留する転写残トナーの帯電量が高いと、中間転写ベルト426に対する残留トナーの付着力が強くなり、クリーニングブレード700だけでは残留トナーを完全に除去することができない。また、この場合には、紙粉がクリーニングブレード700のエッジに引掛かって中間転写ベルト426の表面に傷を付けるだけでなく、クリーニングブレード700のエッジが多量の紙粉付着によって微少に欠けてしまい、クリーニング不良を生じる。しかし、本構成のようにブラシローラ600をクリーニングブレード700の下流に設ければ、クリーニングブレード700の機能損失を未然にカバーすることができる。
図5は、上記構成のブラシローラ600が、中間転写ベルト426の移動方向(回転方向)に沿って、クリーニングブレード700の両側(転写ローラ446bとクリーニングブレード700との間およびベルトコロナ放電器450とクリーニングブレード700との間)にそれぞれ設けられた状態を示している。なお、図では、分かり易いように、2つのブラシローラがそれぞれ600A,600Bとして区別して示されている。
実際にこの設定で、クリーニングブレード700よりも上流側に配置されたブラシローラ600Aに200Vのバイアス電圧を印加し、かつ、クリーニングブレード700よりも下流側に配置されたブラシローラ600Bにブラシローラ600Aと同極性の+200Vのバイアス電圧を印加したところ、中間転写ベルト426上の紙粉が完全に除去され、さらに、中間転写ベルト426上の転写残トナーも完全に取り去ることができた。そして、クリーニング不良が全く発生しなくなった。
また、図5の配置設定で、クリーニングブレード700よりも上流側に配置されたブラシローラ600Aに200Vのバイアス電圧を印加し、かつ、クリーニングブレード700よりも下流側に配置されたブラシローラ600Bにブラシローラ600Aと逆極性の−200Vのバイアス電圧を印加したところ、中間転写ベルト426上のマイナスに帯電している紙粉や転写残トナー等がブラシローラ600Aとクリーニングブレード700とによって完全に除去されるとともに、ブラシローラ600Aによってプラス電荷を帯びた中間転写ベルト426の表面がブラシローラ600Bによって電気的にかつ強制的に中和され、中間転写ベルト426の表面がリフレッシュされた。その結果、次のトナー像の転写(ベルト転写)が良好に行なわれ、常に良好な画質が得られた。
なお、クリーニングブレード700よりも下流側に配置されたブラシローラ600Bに、ブラシローラ600Aと同極性または逆極性のバイアス電圧を選択的に印加させるために、図5の構成では、電源の+端子Aと−端子Bのいずれかにブラシローラ600Bを電気的に接続させる切換スイッチ605が設けられている。
以上説明してきた実施形態は、中間転写体として中間転写ベルト426を備える画像形成装置に関するものであったが、トナー像を像担持体から中間転写体を介すことなく、直接に転写材に転写する画像形成装置においても本実施形態を適用できることは言うまでもない。
トナー像を像担持体から直接に転写材に転写する画像形成装置では、例えば像担持体としてのドラム状の感光体(図1の感光体402に相当する)によく知られる静電写真法によりトナー像が形成され、このトナー像が、転写材(記録紙)の背面からコロナ放電器でコロナ放電を行なうことにより、記録紙に転写される。そして、トナー像が記録紙に転写された後に、感光体は感光体クリーニングユニット(図1のクリーニングユニット414に相当する)によってクリーニングされる。
なお、このように中間転写体を使用しないタイプの静電画像形成装置においても、フルカラー画像の形成に際しては、感光体クリーニングユニットをトナー像通過の度に感光体から離間させるようにして、感光体上に順次にカラー像を重ねていき、重ね転写像を作成することができる。そして、記録紙にフルカラートナー像が一括転写された後、感光体クリーニングユニットが感光体に接触されて、感光体がクリーニングされる。
このように、トナー像を感光体から直接に転写材に転写する画像形成装置では、感光体が記録紙と接触され、感光体の表面に記録紙から発生した紙粉(紙繊維)が付着する。したがって、感光体の表面上の紙粉(紙繊維)が感光体クリーニングユニットのクリーニングブレードのエッジに引掛かった状態で付着し、縦筋を有する異常画像を誘発したり、転写不良を引き起こしたりする。そこで、感光体の表面に接触するように上記構成のブラシローラ600を前述した様々な態様で配置すれば、異常画像や転写不良といった問題が解消され、前述したと同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。
本発明の実施に適する画像形成装置の基本構成を示す図である。 図1の画像形成装置における中間転写ベルト周辺の構成を詳細に示す拡大図である。 本発明の要部である紙粉除去手段の第1の実施形態を示す図である。 図3の紙粉除去手段を図1の画像形成装置に適用した例を示す図である。 本発明の要部である紙粉除去手段の第2の実施形態を示す図である。
符号の説明
100 画像形成装置
402 感光体(像担持体)
426 中間転写ベルト(中間転写体)
454 ベルトコロナ放電器(転写手段)
600 ブラシロール(紙粉除去手段)
700 クリーニングブレード(クリーニング手段)

Claims (2)

  1. 電潜像がその表面に形成される像担持体と、
    像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、
    像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、
    中間転写体に転写されたトナー像を転写材へ転写する転写手段と、
    転写手段による転写後に中間転写体に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、
    前記クリーニング手段の中間転写体移動方向上流側に配置され、転写材から発生して中間転写体に付着した紙粉をバイアス電圧を印加することにより除去する紙粉除去手段と、
    前記クリーニング手段の中間転写体移動方向下流側に配置され、中間転写体上の電荷を上記紙粉除去手段に印加されるバイアス電圧とは逆極性のバイアス電圧により除去する中間転写体除電手段と、を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記紙粉除去手段に印加するバイアス電圧は、正極性であることを特徴とする画像形成装置。
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