JP3940028B2 - 衛星受信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に異なる周波数帯の信号を混合する際に利用される混合器及びその混合器を備えた衛星受信システムに関し、詳しくは衛星デジタル音声放送からの信号を他の信号と混合する混合器を用いたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
2.6GHz帯域を使用した衛星デジタル音声放送は、移動体向けであり、一般住宅やCATV施設内等で受信するためには、新しく同軸ケーブル等の伝送線路を引く必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、衛星デジタル音声放送を一般住宅やCATV施設内で受信する場合、既設のテレビ信号を伝送する伝送システムが設けられていても別に新たに衛星デジタル音声放送信号の伝送線路を増設しなければならず、既存設備に更に伝送線路を増設するのは困難であるという問題があった。
また、伝送線路が複数本となるシステム工事は複雑であるため、システム構築費がアップしてしまうといった問題もあった。
【0004】
そこで本発明は、衛星デジタル音声放送を他の信号と良好に混合可能で、且つ少ない設備変更のみで衛星デジタル音声放送信号を伝送できる混合器を備えた衛星受信システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、衛星デジタル音声放送受信アンテナと、混合器と、受信信号を受信端において再放射する再送信アンテナを備え、前記混合器が、互いに異なる周波数帯の信号を入力する少なくとも3つの入力端子と、電力を混合する第1の電源フィルタ及び第1のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第1の周波数帯の信号が通過する第1の伝送経路と、電力を混合する第2の電源フィルタ及び第2のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第2の周波数帯の信号が通過する第2の伝送経路と、電力を混合する第3の電源フィルタ及び第3のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第3の周波数帯の信号が通過する第3の伝送経路とを有し、前記第2の伝送経路と第3の伝送経路の信号出力端同士は第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路には、第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を通過させる第4のフィルタ手段が設けられ、前記第1の伝送経路の出力端と前記第4のフィルタ手段の出力端は、前記第1,第2及び第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路は電力を分離する第4の電源フィルタを介して出力端子に接続され、更に前記第4の電源フィルタの電源分離端と、前記第1,第2及び第3の電源フィルタの電源混合端とはそれぞれ接続され、前記出力端子から第1,第2及び第3の伝送経路の各入力端子に電流通過を可能として構成され、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナで受信した衛星デジタル音声放送受信信号を前記混合器の第3の伝送経路の入力端子に入力して、前記混合器が他の入力信号と混合して衛星デジタル音声放送受信信号を出力端子から受信端へ向けて1本の伝送経路で伝送し、受信端において衛星デジタル音声放送受信信号を前記再送信アンテナから放射させることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、混合器は、第4の電源フィルタの電源分離端と第1,第3の電源フィルタの電源混合端との間に定電圧を出力する安定化電源を設けて、出力端子に供給される電力により第1、第3の伝送経路の各入力端子に定電圧電源を供給可能とし、前記第4の電源フィルタの電源分離端と、前記第2の電源フィルタの電源混合端と接続し、前記出力端子から第2の伝送経路の入力端子に電流通過を可能にしてなることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、衛星デジタル音声放送受信アンテナと、混合器と、受信信号を受信端において再放射する再送信アンテナを備え、前記混合器が、互いに異なる周波数帯の信号を入力する少なくとも3つの入力端子と、伝送信号を増幅する第1の増幅装置及び第1のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第1の周波数帯の信号が通過する第1の伝送経路と、電力を混合する第2の電源フィルタ,伝送信号を増幅する第2の増幅装置及び第2のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第2の周波数帯の信号が通過する第2の伝送経路と、電力を混合する第3の電源フィルタ,伝送信号を増幅する第3の増幅装置及び第3のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第3の周波数帯の信号が通過する第3の伝送経路と、商用電源から電源供給を受けて直流の定電圧に変換し出力する電源部とを有し、前記第2の伝送経路と第3の伝送経路の信号出力端同士は第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路には、第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を通過させる第4のフィルタ手段が設けられ、前記第1の伝送経路の出力端と前記第4のフィルタ手段の出力端は、前記第1,第2及び第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路は電力を分離する第4の電源フィルタを介して出力端子に接続され、更に前記第4の電源フィルタの電源分離端と第2の電源フィルタの電源混合端とが接続されて、前記出力端子から第2の伝送経路の入力端子に電流通過を可能とし、前記電源部が前記第1,第2及び第3の増幅装置に電力を供給すると共に、前記第3の電源フィルタの電源混合端に接続されて第3の伝送経路の入力端子に電力を供給するよう構成され、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナで受信した衛星デジタル音声放送受信信号を前記混合器の第3の伝送経路の入力端子に入力して、前記混合器が他の入力信号と混合して衛星デジタル音声放送受信信号を出力端子から受信端へ向けて1本の伝送経路で伝送し、受信端において衛星デジタル音声放送受信信号を前記再送信アンテナから放射させることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明に於いて、他の信号から分離された衛星デジタル音声放送受信信号を、衛星デジタル音声放送受信信号を増幅する増幅装置、及び衛星デジタル音声放送受信信号のみ通過させるバンドパスフィルタを介して再送信アンテナから再放射させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した実施形態を、図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明に係る衛星受信システムの第1の実施形態のブロック図を示し、図2は混合器の一例であり、図1に使用されている混合器の内部ブロック図を示している。
【0013】
図1において、VHFアンテナ1およびUHFアンテナ2で受信されたVHF帯域のテレビ電波、UHF帯域のテレビ電波の各信号は、VHF・UHF帯域用増幅装置3で所定レベルまで増幅され、伝送線路10aを介して混合器400の第1入力端子40cに入力される。一方、第1入力端子40cからはDC11〜15Vが出力され、伝送線路10aを介して前記増幅装置3に供給され、増幅装置3の動作電源として使用される。尚、前記増幅装置3の内部には、電源電圧を安定化させるための安定化電源としてDC−DCコンバータ回路が設置されている。
【0014】
次に、第1の放送衛星(以下、BSとする。)およびBSと同一軌道を周回する通信衛星(以下、CSとする。)から発射された右旋または左旋の円偏波の電波は、BS・CSアンテナ5で受信され、BS・CSアンテナ5に設けられた受信コンバータ6で前記VHF・UHF帯域のテレビ信号の周波数より高く、相互に重複することのない中間周波数帯域(以下、BS−IF、CS−IFとする。)に変換された後、伝送線路10dを介して前記混合器400の第2入力端子40fに入力される。
一方、第2入力端子40fからはDC11VまたはDC15Vが出力され、当該受信コンバータ6の動作電源として使用される。尚、DC11Vが入力された場合は、前記CSの左旋円偏波信号は前記左旋の中間周波数(以下、CSL−IFとする。)信号に周波数変換される。また、DC15Vが入力された場合は、前記CSの右旋円偏波信号は前記右旋の中間周波数(以下、CSR−IFとする。)信号に周波数変換される。
【0015】
前記VHF・UHF帯域のテレビ信号、BS−IF信号およびCS−IF信号(詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号)周波数より高く、且つ、いずれの周波数とも重なることのない第2の放送衛星から発射された衛星デジタル音声放送の電波は、衛星デジタル音声放送受信アンテナ7で受信され、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナ7の内部に設けられた低雑音増幅装置8で所定のレベルに増幅され、伝送線路10cを介して混合器400の第3入力端子40eに入力される。一方、第3入力端子40eからはDC11〜15Vが出力され、伝送線路10cを介して前記低雑音増幅装置8に供給され、当該低雑音増幅装置8の動作電源として使用される。
尚、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナ7は、移動体の屋根などにも設置できるように小型の平面アンテナで構成されている。また、内蔵されている前記低雑音増幅装置8はDC5〜16Vの広範囲の電源電圧に対応するように、内部の電源回路には電源電圧を安定化するためのDC−DCコンバータ回路が内蔵されている。
【0016】
第1〜第3入力端子40c,40f,40eに入力されたVHF・UHF帯域のテレビ信号、衛星デジタル音声放送信号、BS−IF信号およびCS−IF信号(詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号)は、前記混合器400で混合され、混合器400の出力端子40dから出力される。そして、出力端子40dから出力された混合信号(以下単に、混合信号とする。)は、伝送線路10bを介して分配器9まで伝送されて等分に分配された後、伝送線路10eを介して複数の端末端子(テレビ端子とも言う)11まで伝送される。
【0017】
一方、端末端子11から入力されたDC11〜15Vは、伝送線路10e、分配器9、伝送線路10bを介して前記混合器400の出力端子40dに供給される。尚、本システムに使用する分配器は、各出力端子と入力端子が各々DC電源を通過できるタイプのものを使用するのが望ましい。この場合、全ての端末端子に後述する端末装置を任意に接続することが可能となる優れた効果が得られる。
【0018】
次に、端末端子11に接続する端末装置について詳細に説明する。
端末端子11から出力された前記混合信号は、伝送線路10fを介して第1の分波器12の入力端子12aに入力される。分波器12は、前記混合信号からVHF・UHF帯域のテレビ信号を分離して出力端子12cに出力する。VHF・UHF帯域のテレビ信号は、伝送線路10gを介してテレビ受信機17に入力され、映像と音声が出力される。そして、入力端子12aに入力された前記混合信号から、VHF・UHF帯域のテレビ信号を除いた残りの信号が出力端子12bから出力され、伝送線路10hを介して第2の分波器13の入力端子13aに入力される。
【0019】
また、分波器13に入力された残りの信号から、衛星デジタル音声放送信号を分離して出力端子13cから出力する。出力端子13cから出力された衛星デジタル信号は、伝送線路10jを介して衛星デジタル音声放送信号受信機16に入力され、音声と静止画像が復調され、テレビ受信機17に入力され、音声と静止画像が出力される。
尚、衛星デジタル音声放送信号受信機16には携帯端末装置18がUSBまたはIEEE1394の汎用のインターフェースを介して接続できるようにされている。また、インターフェースの手段はこれに限定されるものではなく、電波や光伝送など公知の技術を用いても良い。
【0020】
そして、分波器13に入力されたVHF・UHF帯域のテレビ信号を除く混合信号から、衛星デジタル音声放送信号を除いた残りの信号、換言するとBS−IF信号およびCS−IF信号、詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号が出力端子13bから出力される。出力端子13bから出力されたBS−IF信号およびCS−IF信号は、伝送線路10iおよび電源装置14、伝送線路10kを介してBS・CS共用セットトップボックス(以下、STBとする。)15に入力され、映像と音声が復調され、テレビ受信機17に入力され映像と音声が出力される。
【0021】
一方、STB15の入力端子には、視聴者が選択した番組に対応するDC11VまたはDC15Vのいずれか一方に対応する偏波切替信号が出力されており、この偏波切替信号が伝送線路10kを介して電源装置14に供給される。
電源装置14は、前記増幅装置3、BS・CSアンテナ5の受信コンバータ6、衛星デジタル音声放送受信アンテナ7の低雑音増幅装置8に動作電源を供給するのに十分なDC電力を生成するとともに、STB15から送出される偏波切替信号に対応したDC電圧を出力し、伝送線路10i、分波器13、伝送線路10h、分波器12、伝送線路10fを介して前記端末端子11へDC電圧を供給する。
尚、STB15からの偏波切替信号が無い場合は、DC15Vを供給するようにされている。また、本実形態では分波器12、13、電源装置14を個別の装置として説明したが、分波器12、13、電源装置14を一体に形成しても良いし、それぞれのパーツを組み合わせて構成しても良い。
【0022】
次に、混合器400を図2を基に詳細に説明する。混合器400には第1〜第3の3つの入力端子40c,40f,40eと、出力端子40dが設けられている。第1入力端子40cは第1の伝送経路30cが接続され、電力を第1の伝送経路30cに混合する第1の電源フィルタ(以下、第1PSFとする。)45cとローパスフィルタ(以下、第1LPFとする。)41が設けられている。そして、第1入力端子40cに入力されたVHF・UHF帯域のテレビ信号は、770MHz以下の信号が通過する。
そして、第1LPF41を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。尚、第1LPF41は、後述するハイパスフィルタ(以下、第4HPFとする。)42を通過してきた1032MHz以上のBS−IF、CS−IF、衛星デジタル音声放送信号が第1入力端子40c側に漏洩するのを防止するための素子である。
【0023】
第2入力端子40fは第2の伝送経路30fが接続され、電力を第2の伝送経路30fに混合する第2の電源フィルタ(以下、第2PSFとする。)45fと2071MHz以下のBS−IF、CS−IF信号が通過するローパスフィルタ(以下、第2LPFとする。)44が設けられている。そして、第2入力端子40cに入力されたBS−IF、CS−IF信号は、第2の電源フィルタ45f及び第2LPF44、そして第4HPF42を通過した後、第4の電力を分離する電源フィルタ(以下、第4PSFとする。)45dを介して出力端子40dに出力される。
尚、第2LPF44は、後述する第3HPF43を通過した衛星デジタル音声放送信号が第2入力端子40f側に漏洩するのを防止するための素子であり、第4HPF42は、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき、第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号が第2入力端子40f、第3入力端子40e側に漏洩するのを防止するための素子である。
【0024】
また、第3入力端子40eは第3の伝送経路30eが接続され、電力を第3の伝送経路30eに混合する第3の電源フィルタ(以下、第3PSFとする。)45eと2630MHz以上の衛星デジタル音声放送信号が通過するハイパスフィルタ(以下、第3HPFとする。)43が設けられている。そして、第3入力端子40eに入力された衛星デジタル音声放送信号は、第3PSF45e、第3HPF43を介して2630MHz以上の衛星デジタル音声放送信号が通過する。
また、第2LPF44を通過したBS−IF、CS−IF信号が第3入力端子40e側に漏洩するのを防止するための第3HPF43と、第4HPF42を通過した後、電力を分離する第4の電源フィルタ(以下、第4PSFとする。)45dを介して出力端子40dに出力される。
尚、第4HPF42は、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号が第2入力端子40f、第3入力端子40e側に漏洩するのを防止するための素子である。
【0025】
一方、第4PSF45dの電源分離端と第1PSF45c,第2PSF45f,第3PSF45eの各電源混合端とが接続され、出力端子40dから入力されたDC11VまたはDC15VはPSF45dで分離され、第1PSF45c、第3PSF45e、第2PSF45fをそれぞれ介して第1〜第3入力端子40c、40f、40eにそれぞれ出力される。
【0026】
図4(a)は、この実施形態の混合された伝送信号の周波数スペクトラムを示し、端末端子11から出力される信号であると同時に混合器400の出力混合信号を示している。図において、90〜770MHzの周波数帯が第1の伝送経路30cから伝送される第1の周波数帯、1032〜2071MHzの周波数帯が第2の伝送経路30fから伝送される第2の周波数帯、2630〜2655MHzの周波数帯が第3の伝送経路30eから伝送される第3の周波数帯である。
尚、図2において第1LPF41が第1のフィルタ手段、第2LPF44が第2のフィルタ手段、第3HPF43が第3のフィルタ手段、第4HPF42が第4のフィルタ手段に相当する。
【0027】
このように異なる3つの周波数帯の信号(VHF・UHF帯のテレビジョン放送と、BS・CS衛星からの信号を周波数変換した中間周波数帯の信号と、衛星デジタル音声放送信号)を、容易に混合することができるし、夫々の入力端子から電力を供給できる。特に第1〜第4のフィルタ手段の組合せをハイパスフィルタとローパスフィルタで構成することで信号の減衰量を最小限に抑えることが可能で、良好に混合することができる。
また、出力端子から各入力端子に接続機器の操作信号を重畳した電力を供給できるので、衛星受信システムの構築が容易である。
更に、上記衛星受信システムは、衛星デジタル音声放送の信号をVHF・UHF帯のテレビジョン放送信号及びBS・CS衛星からの信号を周波数変換した中間周波数帯の信号等の他の受信信号と共に混合して一本の伝送線路で一般住宅内やCATV施設等の端末に導入するので、伝送線路を増設することなく既存のテレビ伝送系の受信システムを利用して衛星デジタル音声信号を容易に受信できる。従って、少ない設備変更及び少ない工事で衛星デジタル音声信号を受信できる。
【0028】
次に、本発明の衛星受信システムの第2の実施形態を、図3を参照して説明する。尚、以下の説明では、前記第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
図3では、図1の第1の実施形態の衛星受信システムとのVHFアンテナ1、UHFアンテナ2、VHF・UHF帯域用増幅装置3、伝送線路10aの換わりに外部のCATVシステムから送られてくる下り信号を受け入れている。また20はCATV線路を引込む際に設けられる保安器であり、保安器20から下り信号を混合器400の第1入力端子40cまで伝送するための引込線21が設けられ、伝送線路10g上にホームターミナル22が設けられている点が図1とは異なっている。
【0029】
保安器20、引込線21を介して混合器400の第1入力端子40cに入力されたCATV下り信号は、第1の実施形態と同じ経路で伝送線10e及び端末端子11を介して分波器12の出力端子12cに至る。出力端子12cから出力されたCATV下り信号は、ホームターミナル22に入力され、選局された後、映像と音声が復調され、テレビ受信機17に入力されて映像と音声が出力される。
図4(b)は、図3における端末端子11から出力される信号である混合器400の混合出力信号の周波数スペクトラムの一例を示している。図4では、拡張された10〜770MHzの周波数帯が第1の周波数帯であり、このようにCATVシステムに接続されて第1の周波数帯が拡張されても3つの周波数帯の信号を容易に混合できる。
【0030】
図5は上記図1或いは図3の衛星受信システムに適用可能な混合器の他の例を示している。図5に示す混合器401は、図1のシステムにおいて外付けのVHF・UHF帯域用増幅装置3および衛星デジタル音声放送受信アンテナ7の低雑音増幅装置8が、DC15Vで動作する場合に使用する混合器である。
第1〜第3の3つの入力端子40c、40f、40eと出力端子40dが設けられ、第1入力端子40cに入力されたVHF・UHF帯域のテレビ信号は第1PSF45cを介して、770MHz以下のVHF・UHF帯域のテレビ信号が通過して、第4HPF42を通過した1032MHz以上のBS−IF、CS−IF、衛星デジタル音声放送信号が第1入力端子40c側に漏洩するのを防止するための第1LPF41を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
【0031】
また、第2入力端子40fに入力されたBS−IF、CS−IF信号は、第2PSF45fを介して2071MHz以下のBS−IF、CS−IF信号が通過して、第3HPF43を通過した衛星デジタル音声放送信号が第2入力端子40f側に漏洩するのを防止するための第2LPF44と、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき、第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号が第2入力端子40fe、第3入力端子40f側に漏洩するのを防止するための第4HPF42を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
【0032】
更に、第3入力端子40eに入力された衛星デジタル音声放送信号は、第3PSF45eを介して2630MHz以上の衛星デジタル音声放送信号が通過して第2LPF44を通過したBS−IF、CS−IF信号が第3入力端子40e側に漏洩するのを防止するための第3HPF43と、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号が第2入力端子40f、第3入力端子40e側に漏洩するのを防止するための第4HPF42を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
【0033】
一方、出力端子40dから入力されたDC11VまたはDC15Vは、第4PSF45dで分離され、第1PSF45c、第3PSF45eには低電圧電源としてのDC−DCコンバータ46を介してDC15Vの低電圧が供給され、第1入力端子40c、第3入力端子40eからそれぞれ出力される。そして、第2PSF45fでは、第4PSF45dと直接接続されており、第2入力端子40fからDC11VまたはDC15Vが出力される。
【0034】
このように、定電圧電源を設けて定電圧を第1及び第2の伝送経路に供給するので、第1の周波数帯が入来する伝送線路に既設の直流定電圧方式のVHF・UHF増幅装置増幅装置が設けられていても、交換することなく使用できるし、第3の周波数帯である衛星デジタル音声放送信号が入来する伝送線路に設けられた衛星デジタル音声放送の受信アンテナに定電圧を発生させるためにDC−DCコンバータを内蔵させる必要がなくなりアンテナの構成を簡略化できる。
【0035】
次に、本発明の衛星受信システムの第3の実施形態を図6を基に詳細に説明する。尚、図1の第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
図6では、VHFとUHFの受信信号を個別に混合器402に入力され、混合器402には独立して電源部が設けられている点が図1との主な相違点であり、VHFアンテナ1で受信されたVHF帯域のテレビ信号は、伝送線路10lを介して混合器402の第4入力端子40bに入力され、UHFアンテナ2で受信されたUHF帯域のテレビ信号は、伝送線路10mを介して混合器402の第5入力端子40aに入力されている。
【0036】
また、BS及びBSと同一軌道を周回するCSから発射された右旋または左旋の円偏波の電波は、BS・CSアンテナ5で受信され、BS・CSアンテナ5に設けられた受信コンバータ6で前記VHF・UHF帯域のテレビ信号の周波数より高く、相互に重複することのないBS−IF、CS−IFに変換された後、伝送線路10dを介して前記混合器402の第2入力端子40fに入力される。
尚、第2入力端子40fからはDC11VまたはDC15Vが出力され、当該受信コンバータ6の動作電源として使用される。そして、DC11Vが入力された場合は、前記CSの左旋円偏波信号は前記左旋の中間周波数帯域CSL−IF信号に周波数変換され、DC15Vが入力された場合は、前記CSの右旋円偏波信号は前記右旋の中間周波数帯域CSR−IF信号に周波数変換される。
【0037】
そして、前記VHF・UHF帯域のテレビ信号周波数、BS−IF信号およびCS−IF信号(詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号)周波数より高く、且つ、いずれの周波数とも重なることのない第2の放送衛星から発射された衛星デジタル音声放送の電波は、衛星デジタル音声放送受信アンテナ7で受信され、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナ7の内部に設けられた低雑音増幅装置8で所定のレベルに増幅され、伝送線路10cを介して混合器402の第3入力端子40eに入力される。
【0038】
一方、第3入力端子40eからはDC11〜15Vが出力され、伝送線路10cを介して前記低雑音増幅装置8に供給され、当該低雑音増幅装置8の動作電源として使用される。
尚、前記衛星デジタル音声放送受信アンテナ7は、移動体の屋根などにも設置できるように小型の平面アンテナで構成されている。また、内蔵されている低雑音増幅装置8はDC5〜16Vの広範囲の電源電圧に対応するように、内部の電源回路には電源電圧を安定化するためのDC−DCコンバータ回路が内蔵されている。
【0039】
そして、混合器402の第2〜第5入力端子40f、40e,40b,40aに入力されたVHF・UHF帯域のテレビ信号、衛星デジタル音声放送信号、BS−IF信号およびCS−IF信号(詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号)は、それぞれ混合器402に内蔵された増幅装置によってそれぞれ所定レベルに増幅された後に混合され、混合器402の出力端子40dから出力される。
出力端子40dから出力された混合信号は、伝送線路10bを介して分配器9まで伝送されて等分に分配された後、伝送線路10eを介して複数の端末端子(テレビ端子とも言う)11まで伝送される。一方、端末端子11から入力されたDC11〜15Vは、伝送線路10e、分配器9、伝送線路10bを介して前記混合器402の出力端子40dに供給される。
【0040】
尚、本システムに使用する分配器9は、当該分配器9の各出力端子と入力端子が各々DC電源を通過できるタイプのものを使用するのが望ましい。この場合、全ての端末端子に後述する端末装置を任意に接続することが可能となる優れた効果が得られる。また、端末端子11に接続する端末装置については、図1に示すシステム例と同等なので、ここでは省略する。
【0041】
次に、混合器402について、図7のブロック図を基に詳細に説明する。混合器402には第2〜第5の4つの入力端子40f、40e、40b、40aと出力端子40d、そして電源端子40gが設けられている。第4入力端子40bに入力されたVHF帯域のテレビ信号は、2個1組で構成される第1増幅装置48a,48bのうちの一方の増幅装置48bで所定レベルに増幅された後、UHF帯域のテレビ信号を阻止しVHF帯域のテレビ信号を通過するローパスフィルタ(以下、第5LPFとする。)50に入力される。また、第5入力端子40aに入力されたUHF帯域のテレビ信号は、他方の増幅装置48aで増幅された後、VHF帯域のテレビ信号を阻止しUHF帯域のテレビ信号を通過するハイパスフィルタ(以下、第6HPFとする。)49に入力される。
【0042】
第6LPF49と第5HPF50は、それぞれの出力端において接続され、VHF帯域のテレビ信号とUHF帯域のテレビ信号が混合され、VHF・UHF帯域のテレビ信号となる。そしてVHF・UHF帯域のテレビ信号は、770MHz以下のテレビ信号が通過し、第4HPF42を通過した1032MHz以上のBS−IF、CS−IF、衛星デジタル音声放送信号を阻止する第1LPF41を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
【0043】
また、第2入力端子40fに入力されたBS−IF、CS−IF信号は、第2PSF45fを介して第2増幅装置48fで所定レベルに増幅された後、2071MHz以下のBS−IF、CS−IF信号が通過して、第3HPF43を通過した衛星デジタル音声放送信号を阻止するための第2LPF44と、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき、第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号を阻止する第4HPF42を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
【0044】
第3入力端子40eに入力された衛星デジタル音声放送信号は、PSF45eを介して第3増幅装置48eで所定レベルに増幅された後、2630MHz以上の衛星デジタル音声放送信号が通過して第2LPF44を通過したBS−IF、CS−IF信号を阻止するための第3HPF43と、1032MHz以上のBS−IF、CS−IF信号および衛星デジタル音声放送信号が通過でき第1LPF41を通過したVHF・UHF帯域のテレビ信号を阻止するための第4HPF42を通過した後、第4PSF45dを介して出力端子40dに出力される。
また、出力端子40dから入力されたDC11VまたはDC15Vは第4PSF45dで分離され、第2PSF45fを介して第2入力端子40fに出力される。
【0045】
さらに、混合器402には電源端子40gに入力したAC100Vを直流の定電圧(例えばDC15V)に変換する電源部47を内蔵している。電源部47の出力は、第1増幅装置48a,48b、第2増幅装置48f、第3増幅装置48eに接続されて電力を供給するとともに第3PSF45eと接続され第2入力端子40eから衛星デジタル音声放送受信アンテナ7の内部に設けられた低雑音増幅装置8に電源を供給する。尚、図7において1組の第1増幅装置48a,48bが設けられた経路が第1の伝送経路に相当し、第2増幅装置48fが設けられた経路が第2の伝送経路に相当し、第3増幅装置48eが設けられた経路が第3の伝送経路に相当する。
【0046】
このように、ハイパスフィルタとローパスフィルタでフィルタ手段を構成することで、信号の減衰量を最小限に抑えることができ、VHF・UHF帯のテレビジョン放送信号と、BS・CS衛星からの信号を周波数変換した中間周波数帯の信号と、衛星デジタル音声放送の信号とを良好に混合することができる。
また、増幅装置を内蔵するので別途アンテナの近傍に増幅装置を設ける必要が無く衛星受信設備の工事が簡略化でき、衛星受信システムを容易に構築できる。その際、この混合器のように入力端子を4つとして、VHFとUHFの入力端子を分離すれば、VHFとUHFの混合手段も必要なくなる。
【0047】
次に本発明の衛星受信システムの第4の実施形態を図8のブロック図を参照して説明する。尚、以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
図8のシステムは、BS−IF、CSR−IF、CSL−IFの各信号が相互に重複しないようCSL−IFをCSR−IFより高い周波数CSL−IFcに周波数変換して出力するようBS・CSアンテナ510の受信コンバータ610が構成され、それに伴い混合器403の各フィルタ特性が変更され、さらに受信端側の分波器13とSTB15の間に、電源装置の機能を有するダウンコンバーター23が設けられている点が図1との主な相違点となっている。
そして、図8の受信システムの端子端末11の出力信号は、図11(a)の周波数スペクトラムに示す周波数配列となっている。図示するように第2の周波数帯が1032〜2602MHzと拡張されている。
【0048】
混合器403は図9に示す構成を成し、混合器400におけるLPF44の換わりに2602MHz以下のBS−IF、CSR−IF、CSL−IFc信号が通過するローパスフィルタ(以下、第7LPFとする)51が設けられている。尚、第7LPF51は第2のフィルタ手段に相当する。
【0049】
次に、ダウンコンバータ23について、図10のダウンコンバータのブロック図を参照して説明する。ダウンコンバータ23の入力端子230aに入力されたBS−IF、CSR−IF、CSL−IFc信号は、STB15から伝送線路10kに送られた偏波信号(DC11VまたはDC15Vのいずれか一方)をPSF236で分離し電圧検出部237に供給する。そして、電圧検出部237により判別され、スイッチ233を自動的に切替えて2つの経路のうちどちらか一方を通過してSTB15へ出力される。
例えば、STB15からの偏波信号がDC11Vの場合は、スイッチ233は▲1▼側へ切替わり、BS−IF、CSR−IF、CSL−IFc信号は2126MHz以上のCSR−IFc帯域を通過させて、2071MHz以下のBS−IF、CSR−IF帯域を阻止するHPF234を通過して周波数変換器235へ入力される。HPF234を通過した2126〜2602MHz帯域のCSL−IFcは、周波数変換器235により1575〜2051MHz帯域へ変換されSTB15へ出力される。この時の図8に示すP点の周波数スペクトラムを図11(c)に示す。
また、STB15からの偏波信号がDC15Vの場合はスイッチ233は▲2▼側へ切替わり、BS−IF、CSR−IF、CSL−IFc信号はそのままSTB15へ出力される。この時のP点の周波数スペクトラムを図11(b)に示す。
【0050】
尚、電圧検出部237はDC11Vを検出したときにはスイッチ233を▲1▼側に切替えるとともに、周波数変換器235の電源をオンにし、DC15Vを検出したときにはスイッチ233を▲2▼側へ切替えるとともに周波数変換器233の電源をオフにする電源制御機能を備えている。
【0051】
ダウンコンバータ23の入力端子230aとスイッチ233の間には、電源部232から出力されたDC15Vを入力端子230aに出力させるPSF231が設けられている。また、ダウンコンバータ23の出力端子230bには、BS−IF、CSR−IF、CSL−IFc帯域とSTB15から出力された偏波信号(DC11VまたはDC15Vのいずれか一方)を分離するPSF236が設けられている。
このように、CSR−IFとCSL−IF双方の信号を同時に伝送するシステムであっても上記混合器は良好に各信号を混合できるし、このように受信システムを構成することで、BS・CSアンテナの構成を簡略化できる。
【0052】
次に、本発明の衛星受信システムの第5の実施形態を図12のブロック図を参照して説明する。尚、以下の説明でも上記第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
この実施形態では、衛星デジタル音声放送信号の第3入力端子40eを持たない従来から使用されている汎用の混合器4を使用し、BS−IF、CS−IF信号と衛星デジタル音声放送信号を混合するための結合器110を汎用の混合器4の近傍に設置し、その出力を混合器4の第2入力端子40fに入力している点が図1との主な相違点となっている。
【0053】
結合器110は図13に示す構成を成し、入力端子100cに入力された衛星デジタル音声放送信号は、DC11VまたはDC15Vと2630〜2655MHz帯域の衛星デジタル音声放送信号帯域とを分離するPSF106と、2630MHz以上の周波数を通過するHPF105と、可変アッテネータ104を介して分岐器102の分岐端子102cへ入力され、BS−IF、CS−IF、衛星デジタル音声放送信号帯域とDC11VまたはDC15Vとを分離するPSF101を介して結合器110の出力端子100aに出力される。
尚、分岐器102の分岐端子102cと出力端子102bに入力された信号は、分岐器102の逆結合損失のために相互に通過することはない。また、可変アッテネータ104により衛星デジタル音声放送信号のレベルを調整することができる。
【0054】
また、結合器110の入力端子100bに入力されたBS−IF、CS−IF信号は、BS−IF、CS−IF信号とDC11VまたはDC15Vとを分離するPSF103を介して分岐器102の出力端子102bに入力され、PSF101を介して結合器110の出力端子100aに出力される。
一方、汎用の混合器4の第2入力端子40fから出力されたDC11VまたはDC15Vは、PSF101、PSF103を介して結合器110の入力端子100bへ出力されるとともに、PSF101、PSF106を介して結合器110の入力端子100cへ出力される。
【0055】
このように、BS−IF、CS−IF信号と衛星デジタル音声放送信号を混合する結合器を用いることで、VHF・UHF帯のテレビジョン放送と、混合されたBC・CS衛星からの信号を周波数変換した中間周波数帯の信号及び衛星デジタル音声放送の信号とを汎用の混合器で混合して1本の伝送線路で受信端に伝送することができる。
尚、分岐器102は換わりに分配器を用いても良いし、結合器110は図13に示すように一体に形成しても良いし、それぞれのパーツを組み合わせて構成しても良い。また、結合器110を汎用の混合器4に内蔵して一体にしても良い。
【0056】
次に、本発明の第6の実施形態について、図14を基に詳細に説明する。図14の各アンテナから端末端子までの構成は図1の構成と同様であり、端末端子11までの説明は省略する。
端末端子11から出力された混合信号は、伝送線路10fを介して第1の分波器12の入力端子12aに入力される。分波器12は、前記混合信号からVHF・UHF帯域のテレビ信号を分離して出力端子12cに出力する。VHF・UHF帯域のテレビ信号は、伝送線路10gを介してテレビ受信機17に入力され、映像と音声が出力される。
【0057】
また、入力端子12aに入力された混合信号から、VHF・UHF帯域のテレビ信号を除いた残りの信号が出力端子12bから出力され、伝送線路10hを介して第2の分波器13の入力端子13aに入力される。分波器13に入力された前記残りの信号から、衛星デジタル音声放送信号が分離されて出力端子13cから出力される。
そして、BS−IF信号およびCS−IF信号(詳しくはCSL−IF信号またはCSR−IF信号のいずれか一方の信号)が出力端子13bから出力される。出力端子13bから出力されたBS−IF信号およびCS−IF信号は、伝送線路10iおよび電源装置14、伝送線路10kを介してBS・CS共用セットトップボックス(以下STBと言う)15に入力され、映像と音声が復調され、テレビ受信機17に入力され映像と音声が出力される。
【0058】
一方、前記STB15の入力端子からは、図1の第1実施形態と同様に、視聴者が選択した番組に対応する偏波切替信号が出力されており、この偏波切替信号が伝送線路10kを介して電源装置14に供給される。そして電源装置14は、増幅装置3、BS・CSアンテナ5(詳しくは受信コンバータ6)、衛星デジタル音声放送受信アンテナ7(詳しくは低雑音増幅装置8)に動作電源を供給するのに十分なDC電力を生成するとともに、前記STB15から送出される偏波切替信号に対応したDC電圧を出力し、伝送線路10i、分波器13、伝送線路10h、分波器12、伝送線路10fを介して前記端末端子11へDC電圧を供給する。尚、STB15からの偏波切替信号が無い場合は、DC15Vを供給するようになっている。
【0059】
そして、分波器13の出力端子13cには、衛星デジタル音声放送信号を増幅する増幅装置26、衛星デジタル音声放送信号のみ通過させるバンドパスフィルタ27を介して前記衛星デジタル音声放送信号を再送信する再送信アンテナ500が取付けられ、前記衛星デジタル音声放送信号を再放射している。また、24は衛星デジタル音声放送受信装置、25は衛星デジタル音声放送信号受信機能を持った携帯端末を示し、再放射された衛星デジタル音声放送信号を夫々のアンテナ501,501で受信される。尚、前記アンテナ501は本実施例では外付けアンテナであるが、各機器に内蔵させても良い。
【0060】
このように、衛星デジタル音声放送の再送信アンテナを設けたので、室内でも携帯端末により衛星デジタル音声放送を受信することが可能となり、携帯端末を室内で使用する際に端末端子等に接続する煩わしさが無くなる。
また、バンドパスフィルタ27を設けたので、衛星デジタル音声放送信号以外の信号は再送信されず、同一チャンネルビート等の妨害を与えることがないし、再送信信号は増幅されるので、室内にて良好に受信できる。
【0061】
尚、上記に実施形態の混合器は、入力端子が3個或いは4個の場合、更には従来の2個の場合について説明したが、混合器に入力される周波数帯が異なっていれば入力端子を増やして混合器を構成することもできる。また、第1の周波数帯をVHF,UHF、第2の周波数帯をBS,CSとしているが、他の地上波信号或いは衛星信号としても良いし、一方の信号がなくても良い。
【0062】
【発明の効果】
請求項1,2,3の発明によれば、衛星デジタル音声放送の信号と、例えばVHF・UHF帯のテレビジョン放送もしくはCATVからの信号及びBS・CS衛星からの信号を周波数変換した中間周波数帯の信号等の他の受信信号と共に混合して一本の伝送経路で一般住宅内やCATV施設等の端末に容易に導入できるので、既存のテレビ伝送系の受信システムを利用して伝送経路を増設することなく衛星デジタル音声信号を容易に受信できる。従って、少ない設備変更及び少ない工事で衛星デジタル音声信号を受信できる。
【0067】
そして、衛星デジタル音声放送の再送信アンテナを設けたので、例えば室内でも携帯端末により衛星デジタル音声放送を受信することが可能となり、携帯端末を室内で使用する際に例えば端末端子等に接続する煩わしさが無くなる。
また、請求項4の発明によれば、衛星デジタル音声放送信号以外の信号は再送信されず、同一チャンネルビート等の妨害を与えることがないし、再送信信号は増幅されて出力されるので、室内にて良好に受信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 衛星受信システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 混合器の1例を示し、図1の混合器の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 衛星受信システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図4】 衛星受信システムの端末端子における出力信号の周波数スペクトラムを示し、(a)は図1の個別受信の場合、(b)は図3のCATVに接続した場合を示している。
【図5】 混合器の他の例を示すブロック図である。
【図6】 第3の実施形態を示し、増幅装置内蔵の混合器を用いた衛星受信システムのブロック図である。
【図7】 図6の増幅装置内蔵の混合器の内部構成を示すブロック図である。
【図8】 第4の実施形態を示し、図6と異なった混合器を用いた衛星受信システムのブロック図である。
【図9】 図8の混合器の内部構成を示すブロック図である。
【図10】 図8に示すダウンコンバータの内部構成を示すブロック図である。
【図11】 図8の受信信号の周波数スペクトラムを示し、(a)は端末端子出力(混合器出力)、(b)はCSRの信号を受信する状態のP点に伝送される信号、(c)はCSLの信号を受信する状態のP点に伝送される信号である。
【図12】 第5の実施形態を示し、結合器を用いた衛星受信システムのブロック図である。
【図13】 図12に示す結合器の内部構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明の衛星受信システムの一例を示し、衛星デジタル音声放送再送信アンテナを備えた衛星受信システムのブロック図である。
【符号の説明】
1・・VHFアンテナ、2・・UHFアンテナ、3・・増幅装置、4・・汎用の混合器、5・・BS・CSアンテナ、6・・受信コンバータ、7・・衛星デジタル音声放送受信アンテナ、8・・低雑音増幅装置、9・・分配器、10a〜10n・・伝送線路、11・・端末端子(テレビ端子)、12・・第1の分波器、13・・第2の分波器、14・・電源装置、15・・セットトップボックス(STB)、16・・衛星デジタル音声放送信号受信機、17・・テレビ受信機、18・・携帯端末装置、20・・保安器、21・・引込線、22・・ホームターミナル、23・・ダウンコンバータ、24・・衛星デジタル音声放送受信装置、25・・衛星デジタル音声放送の受信機能を持った携帯端末装置、26・・増幅装置、27・・バンドパスフィルタ、30c・・第1の伝送経路、30e・・第3の伝送経路、30f・・第2の伝送経路、40a・・第5入力端子,40b・・第4入力端子,40c・・第1入力端子,40e・・第3入力端子,40f・・第2入力端子、40d・・出力端子、41・・第1のフィルタ手段である第1LPF、42・・第4のフィルタ手段である第4HPF、43・・第3のフィルタ手段である第3HPF、44・・第2のフィルタ手段である第2LPF、45c・・第1の電源フィルタ、45d・・第4の電源フィルタ、45e・・第3の電源フィルタ、45f・・第2の電源フィルタ、46・・安定化電源としてのDC−DCコンバータ、47・・電源部、48a,48b・・第1の増幅装置、48e・・第3の増幅装置、48f・・第2の増幅装置、49・・第6HPF、50・・第5LPF、51・・第7LPF、100a・・出力端子、100b,100c・・入力端子、101・・PSF、102・・分岐器、102a・・分岐器の入力端子、102b・・分岐器の出力端子、102c・・分岐器の分岐端子、103・・PSF、104・・可変アッテネータ、105・・HPF、106・・PSF、110・・結合器、230a・・入力端子、230b・・出力端子、231・・PSF、232・・電源部、233・・スイッチ、234・・HPF、235・・ダウンコンバータ、236・・PSF、400,401,402,403・・混合器、500・・再送信アンテナ、501・・衛星デジタル音声放送信号受信アンテナ、510・・BS・CSアンテナ、610・・受信コンバータ。
Claims (4)
- 衛星デジタル音声放送受信アンテナと、混合器と、受信信号を受信端において再放射する再送信アンテナを備え、
前記混合器が、互いに異なる周波数帯の信号を入力する少なくとも3つの入力端子と、
電力を混合する第1の電源フィルタ及び第1のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第1の周波数帯の信号が通過する第1の伝送経路と、
電力を混合する第2の電源フィルタ及び第2のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第2の周波数帯の信号が通過する第2の伝送経路と、
電力を混合する第3の電源フィルタ及び第3のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第3の周波数帯の信号が通過する第3の伝送経路とを有し、
前記第2の伝送経路と第3の伝送経路の信号出力端同士は第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路には、第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を通過させる第4のフィルタ手段が設けられ、前記第1の伝送経路の出力端と前記第4のフィルタ手段の出力端は、前記第1,第2及び第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路は電力を分離する第4の電源フィルタを介して出力端子に接続され、
更に前記第4の電源フィルタの電源分離端と、前記第1,第2及び第3の電源フィルタの電源混合端とはそれぞれ接続され、前記出力端子から第1,第2及び第3の伝送経路の各入力端子に電流通過を可能として構成され、
前記衛星デジタル音声放送受信アンテナで受信した衛星デジタル音声放送受信信号を前記混合器の第3の伝送経路の入力端子に入力して、前記混合器が他の入力信号と混合して衛星デジタル音声放送受信信号を出力端子から受信端へ向けて1本の伝送経路で伝送し、
受信端において衛星デジタル音声放送受信信号を前記再送信アンテナから放射させることを特徴とする衛星受信システム。 - 混合器は、第4の電源フィルタの電源分離端と第1,第3の電源フィルタの電源混合端との間に定電圧を出力する安定化電源を設けて、出力端子に供給される電力により第1、第3の伝送経路の各入力端子に定電圧電源を供給可能とし、前記第4の電源フィルタの電源分離端と、前記第2の電源フィルタの電源混合端と接続し、前記出力端子から第2の伝送経路の入力端子に電流通過を可能にしてなる請求項1記載の衛星受信システム。
- 衛星デジタル音声放送受信アンテナと、混合器と、受信信号を受信端において再放射する再送信アンテナを備え、
前記混合器が、互いに異なる周波数帯の信号を入力する少なくとも3つの入力端子と、
伝送信号を増幅する第1の増幅装置及び第1のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第1の周波数帯の信号が通過する第1の伝送経路と、
電力を混合する第2の電源フィルタ,伝送信号を増幅する第2の増幅装置及び第2のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第2の周波数帯の信号が通過する第2の伝送経路と、
電力を混合する第3の電源フィルタ,伝送信号を増幅する第3の増幅装置及び第3のフィルタ手段を備えて前記異なる周波数帯のうちの第3の周波数帯の信号が通過する第3の伝送経路と、
商用電源から電源供給を受けて直流の定電圧に変換し出力する電源部とを有し、前記第2の伝送経路と第3の伝送経路の信号出力端同士は第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路には、第2の周波数帯と第3の周波数帯の信号を通過させる第4のフィルタ手段が設けられ、前記第1の伝送経路の出力端と前記第4のフィルタ手段の出力端は、前記第1,第2及び第3の周波数帯の信号を混合するよう接続され、当該接続点から引出された伝送経路は電力を分離する第4の電源フィルタを介して出力端子に接続され、
更に前記第4の電源フィルタの電源分離端と第2の電源フィルタの電源混合端とが接続されて、前記出力端子から第2の伝送経路の入力端子に電流通過を可能とし、前記電源部が前記第1,第2及び第3の増幅装置に電力を供給すると共に、前記第3の電源フィルタの電源混合端に接続されて第3の伝送経路の入力端子に電力を供給するよう構成され、
前記衛星デジタル音声放送受信アンテナで受信した衛星デジタル音声放送受信信号を前記混合器の第3の伝送経路の入力端子に入力して、前記混合器が他の入力信号と混合して衛星デジタル音声放送受信信号を出力端子から受信端へ向けて1本の伝送経路で伝送し、
受信端において衛星デジタル音声放送受信信号を前記再送信アンテナから放射させることを特徴とする衛星受信システム。 - 他の信号から分離された衛星デジタル音声放送受信信号を、衛星デジタル音声放送受信信号を増幅する増幅装置、及び衛星デジタル音声放送受信信号のみ通過させるバンドパスフィルタを介して再送信アンテナから再放射させる請求項1乃至3の何れかに記載の衛星受信システム。
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