JP3938957B2 - ポリマーポリオール及びポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーポリオールの製造方法、およびそのポリマーポリオールを使用したポリウレタンフォームの製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させてポリマーポリオールを製造する方法において、(1)2級アルコール及び3級アルキルアミンを必須成分とする反応調節剤の存在下で該重合を行い、(2)エチレン性不飽和単量体が、50〜100重量%のスチレンと、0〜50重量%のアクリロニトリルを含む成分であり、(3)ポリマーポリオール中のポリマー濃度が30〜60重量%であることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法、およびそれを使用したポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させてポリマーポリオールを製造する方法は公知である。ポリマーポリオールは、一般に分散安定性が悪く、粘度が高い。これを解決するため、反応調節剤としてアルコール、アミン等を用いる技術が開示されている。
USP4,463,107号公報では、イソプロピルアルコールを用いる方法が提案されている。しかし、ポリマーポリオール中のポリマー濃度が最高で23%であり、この方法によりさらに高濃度のポリマーポリオールを低粘度化するためには、多量のイソプロピルアルコールを使用する必要があり、その場合、ポリマー分散安定性の低下から濾過性が悪化し、このことは製造上大きな障害となる。また、イソプロピルアルコールの除去・精製または回収等に多大のエネルギーを要する等の問題を有している。
特開平6−122704号公報では、アミン類として特にトリエチルアミンを使用する方法が提案されている。この方法では少量のトリエチルアミンの使用で劇的に粘度を低下させることが可能であるが、対象となるエチレン性不飽和単量体のスチレン含量は最高40重量%である。エチレン性不飽和単量体としてスチレン含量が多い組成の場合等においては、濾過性が著しく悪化することがあり、また用途によっては、ポリウレタンフォームの物性低下を招くことがある。
しかしながら、本発明のような特定の反応調節剤を組み合わせることにより低粘度でかつ濾過性にも優れたポリマーポリオールが得られるという技術については知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低粘度かつ濾過性の良いポリマーポリオールの製造方法ならびにこのポリマーポリオールを用いてなる機械強度などの物性に優れたポリウレタンフォームを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討し、遂に本発明に至った。
【0005】
即ち、本発明はポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させてポリマーポリオールを製造する方法において、(1)2級アルコール及び3級アルキルアミンを必須成分とする反応調節剤の存在下で該重合を行い、(2)エチレン性不飽和単量体が、50〜100重量%のスチレンと、0〜50重量%のアクリロニトリルを含む成分であり、(3)ポリマーポリオール中のポリマー濃度が30〜60重量%であることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法、およびこの方法で製造したポリマーポリオールとポリイソシアネートとを発泡剤、触媒、整泡剤の存在下に反応させて得られるポリウレタンフォームの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
ポリマーポリオールの製造方法
ポリオールは、2〜8官能性で水酸基1個あたりの分子量が600〜3000、好ましくは1000〜2000のものである。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のジオール類、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース等のポリオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログルシン、ナフタレンジオール、アミノフェノール、アミノナフトール、フェノールホルムアルデヒド縮合物等の芳香族化合物、メチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、アニリン、トルイジン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ナフタレンジアミン等のアミン化合物等の、1種または2種以上の混合物に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを1種または2種以上付加せしめて得られるポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。さらにこれらのポリオキシアルキレンポリオールの中から選ばれた2種以上の混合物も使用できる。好ましいポリオールは、水酸基1個あたりの分子量600〜3000かつポリエチレンオキシド含量0〜15重量%のポリオキシアルキレンポリオールである。
【0007】
エチレン性不飽和単量体は、50〜100重量%好ましくは60〜80重量%のスチレンと、0〜50重量%好ましくは20〜40重量%のアクリロニトリルを含む成分であり、その他のエチレン性不飽和単量体としては、重合しうるエチレン性不飽和基を少なくとも1個有するものが適当である。例えば、メタクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、無水メタクリル酸、アクリルアミド、メチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン、ブタジエン、1,4−ペンタジエン、酢酸ビニル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルとスチレンの混合物である。
【0008】
エチレン性不飽和単量体の使用量は、要求されるポリマーポリオールのポリマー濃度に応じて決められる。ポリマー濃度は30〜60重量%であり、これを満たすためには通常ポリオールと該エチレン性不飽和単量体の総重量に対しエチレン性不飽和単量体は30〜60重量%、好ましくは35〜60重量%である。
【0009】
反応調節剤として、2級アルコール及び3級アルキルアミンを必須成分として用いることができる。2級アルコールのみでは、ポリマーポリオールの粘度を十分に低下させるために多量の使用が必要であり、その場合、濾過性が悪化して大量生産が困難になる。3級アルキルアミンのみでは、粘度低下には効果的であるが、一部の用途で、ポリウレタンフォームの硬度・機械強度等の物性低下を招くことがある。両者を適当な比率で使用するとフォーム物性を低下させることのない低粘度かつ濾過性の良いポリマーポリオールが得られる。また場合により2級アルコール、3級アルキルアミン以外に公知の反応調節剤、例えばメルカプタン、ケトン、アルデヒド、ハロゲン化合物、ベンゼン誘導体等を併用する事も可能である。2級アルコールは、たとえば、イソプロピルアルコール、sec−ブタノールなどが挙げられる。好ましくは、イソプロピルアルコールである。3級アルキルアミンは、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のアミン類が挙げられる。好ましくは、トリエチルアミンである。反応調節剤の使用量は、要求されるポリマーポリオールの粘度と濾過性に応じて決められる。使用量が多くなれば粘度は低下するが、濾過性は悪化、フォーム物性は低下する。使用量が少ないと、濾過性・フォーム物性は維持できるが低粘度化の効果も期待できない。反応調節剤としてイソプロピルアルコール/トリエチルアミンを使用した場合、その好ましい使用量は、ポリオールとエチレン性不飽和単量体の総重量に対してイソプロピルアルコールが0.1〜10重量部、トリエチルアミンが0.01〜5重量部である。反応調節剤は重合の任意の時期に、任意の比率で添加できるが、混合物として同時添加することが好ましい。
【0010】
本発明においてポリマー粒子を安定に分散させる目的で分散安定化剤の存在下に重合を行うことも可能である。このような分散安定化剤として特公昭49−46556号公報に記載されているような炭素−炭素不飽和結合含有ポリエーテルエステルポリオールやアクリル基、メタクリル基、アリル基等を末端に有する変性ポリオール等が挙げられる。また、実質的に炭素−炭素不飽和結合を含有しない高分子量ポリオキシアルキレンポリオールやポリエーテルエステルポリオールも使用できる。
【0011】
重合触媒としては、周知のビニル重合反応用触媒が用いられる。例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、のような過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、あるいは過硫酸塩、過コハク酸、ジ−イソプロピルパーオキシ・ジカーボネート等のような過酸化化合物が挙げられる。触媒は、ポリオールとエチレン性不飽和単量体の総重量に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部が添加される。
【0012】
ポリマーポリオールの製造では、上記ポリオール、エチレン性不飽和単量体、反応調節剤、重合触媒を用いて重合反応を行う。
重合反応はバッチ式でも、連続式でも行うことができる。重合温度は触媒の種類に応じて決められるが、触媒の分解温度以上、好ましくは60〜200℃、さらに好ましくは90〜160℃で行う。また、重合反応は加圧系でも、常圧系でも行うことができる。
【0013】
重合反応終了後、得られたポリマーポリオールはそのままポリウレタンフォームの原料として使用できるが、未反応単量体、触媒の分解生成物や反応調節剤等を減圧下で蒸発除去した後に使用することが好ましい。
【0014】
ポリウレタンフォームの製造方法
ポリマーポリオールとしては、前述したものがすべてそのまま適用できる。上記ポリマーポリオール単独、または上記ポリマーポリオールとその他のポリオールとの混合物であり、25℃での粘度が好ましくは6000cps以下、より好ましくは3500cps以下である。その他のポリオールとしては、特に限定されないが当該分野で従来より用いられているものが使用できる。
【0015】
ポリイソシアネートは、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、この両イソシアネートの80/20重量比(80/20−TDI)または65/35重量比(65/35−TDI)の混合物、粗製トリレンジイソシアネート(粗製TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体混合物(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、トルイジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビュレット変性体、二量体、三量体、またはこれらのプレポリマーである。ポリイソシアネートは1種または2種以上混合して使用する。
【0016】
発泡剤は、水、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、メチレンクロリド、トリクロロトリフルオロエタン、ジブロモテトラフルオロエタン、トリクロロエタン、ペンタン、n−ヘキサン等の1種または2種以上の混合物である。
【0017】
触媒としては、従来公知のもので特に限定はない。例えば、アミン系触媒としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ポリイソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ヘキサメチルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス〔2−(N,N−ジメチルアミノ) エチル〕エーテル、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミンのギ酸塩および他の塩、第1および第2アミンのアミノ基のオキシアルキレン付加物、N,N−ジアルキルピペラジン類のようなアザ環化合物、種々のN,N’,N’’−トリアルキルアミノアルキルヘキサヒドロトリアジン類、特公昭52−43517号公報のβ−アミノカルボニル触媒、特公昭53−14279号公報のβ−アミノニトリル触媒等が挙げられる。また、有機金属系触媒としては、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロリド、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらの触媒は1種または2種以上混合して用い、その使用量はポリマーポリオールまたはポリマーポリオールとその他のポリオールの混合物100重量部に対して0.0001〜10.0重量部である。
【0018】
整泡剤は、従来公知の有機けい素界面活性剤であり、例えば、日本ユニカー社製のL−520、L−532、L−540、L−544、L−550、L−3550、L−5305、L−3600、L−3601、L−5305、L−5307、L−5309、L−5710、L−5720、L−5740M、L−6202等、トーレ・シリコーン社製のSH−190、SH−194、SH−200、SPX−253、PX−274C、SF−2961、SF−2962、SPX−280A、SPX−294A等、信越シリコーン社製のF−114、F−121、F−122、F−220、F−230、F−258、F−260B、F−317、F−341、F−601、F−606、X−20−200、X−20−201等、東芝シリコーン社製のTFA−4200、TFA−4202等、ゴールドシュミット社製のB−4113等が挙げられる。これらの整泡剤の使用量はポリマーポリオールまたはポリマーポリオールとその他のポリオールの混合物とポリイソシアネートとの総量100重量部に対して0.1〜5重量部である。
【0019】
本発明には、必要によりその他の助剤、例えば架橋剤、安定剤、充填剤、着色剤、難燃剤等を使用することができる。
架橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール等の単量体ポリオール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、メチレンオルソクロルアミン、4,4−ジフェニルメタンジアミン、アニリン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、等の芳香族ポリアミン、及びこれらの活性水素化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等を付加して得られる水酸基価200mgKOH/g以上の化合物である。その他、ハイドロキノン、レゾルシン、アニリン等にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等を付加して得られる水酸基価200mgKOH/g以上の化合物も使用できる。
【0020】
ポリウレタンフォームの製造方法は、以下のとおりである。ポリマーポリオールを含むポリオール、発泡剤、触媒、整泡剤、必要によりその他の助剤の所定量を混合してレジン液をつくる。ポリイソシアネート中のNCO基とレジン液中の活性水素との当量比(NCO/H)が0.70〜1.40となるようにポリイソシアネート使用量を決める。レジン液とポリイソシアネートを所定温度例えば20〜25℃に調整した後、急速混合し、ブローボックスに流し込む。反応混合液が発泡した後、所定温度、例えば120〜200℃のオーブン中で所定時間、例えば1〜20分硬化させ所望のポリウレタンフォームを得る。また、型内で発泡させることもできる。この場合、レジン液とポリイソシアネートを所定温度、例えば20〜25℃に調整した後、急速混合し、所定温度、例えば30〜70℃に温調された型に流し込む。反応混合液が型内で発泡充填した後、60〜205℃のオーブンにて所定時間、例えば1〜20分硬化させ、ポリウレタンフォームを脱型し所望のポリウレタンフォームを得る。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例、比較例に用いた原料、略語及び分析方法を以下に説明する。
ポリオールA;グリセリンにプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシド及びプロピレンオキシド、更にプロピレンオキシドを付加重合して得られる水酸基価56mgKOH/g、エチレンオキシド含量5.5重量%のポリオキシプロピレンオキシエチレントリオール。
ポリオールB;グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合して得られる水酸基価56mgKOH/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオールC;グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合して得られる水酸基価84mgKOH/gのポリオキシプロピレントリオール。
ポリオールD;グリセリンにプロピレンオキシド、次いでエチレンオキシドを付加重合して得られる水酸基価34mgKOH/g、エチレンオキシド含量14%のポリオキシプロピレントリオールに無水コハク酸、次いでエチレンオキシドを反応させた水酸基価29mgKOH/gのポリエーテルエステルポリオール。
ポリオールE;グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合して得られる水酸基価34mgKOH/gのポリオキシプロピレントリオールに無水コハク酸、次いでエチレンオキシドを反応させた水酸基価29mgKOH/gのポリエーテルエステルポリオール。
AN;アクリロニトリル
St;スチレン
IPA;イソプロピルアルコール
TEA;トリエチルアミン
AIBN;アゾビスイソブチロニトリル
水酸基価;無水フタル酸のピリジン溶液でエステル化し、過剰の無水フタル酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定する(JIS K 1557の方法に準ずる)。
粘度;JIS K 1557に準じて測定。
ポリマー濃度;反応粗製液(蒸発機装入前で気密サンプリング)中の未反応エチレン性不飽和単量体をガスクロマトグラフィーで定量し、算出する。
濾過性;ポリオール125gをIPA125g中に分散させ、700メッシュの金網をつけた濾過器に装入する。全装入量に対する5分間の通過量(%)を求める。
ポリマーポリオールA;実施例2で得られたポリマーポリオール。(以下POP−Aと表わす。)
ポリマーポリオールB;比較例3で得られたポリマーポリオール。(以下POP−Bと表わす。)
水;イオン交換水
L−1020;活材ケミカル社製触媒
L−520;日本ユニカー社製整泡剤
T−9;オクチル酸第一スズ
T−80;80/20−TDI
フォーム物性;JIS K−6301、JIS K−6401に準じて測定。
【0022】
1.ポリマーポリオールの製造
実施例1〜6
温度計、攪拌装置、送液装置付の1Lオートクレーブに、ポリオールを満液状態に仕込み、攪拌しながら120℃まで昇温した。あらかじめ表1に示す比率で混合したポリオール、AIBN、AN、St、TEAの混合液を連続的に装入し、排出口に連結した薄膜蒸発機により連続的にポリマーポリオールを得た。このとき、反応圧力3.5kgf/cm2 (445kPa)、滞留時間25分であった。蒸発条件は温度125〜130℃、真空度10mmHg以下に調整した。結果を表1に示す。
【0023】
比較例1〜4
実施例1〜6と同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
2.ポリウレタンフォームの製造
実施例、比較例で得られたポリマーポリオール;430g、L−520;4g、L−1020;0.8g、水;11.6gを攪拌混合してレジン液を作った。さらに所定量のT−9を加え撹拌混合した液と、NCO基と活性水素の当量比が1.10になるT−80をそれぞれ25℃に調整し、急速に攪拌混合してすばやくブローボックス (300mm×300mm×150mm )に投入した。熱風オーブン中120℃で10分間硬化させた。24時間後にフォーム諸物性の測定を行った。結果を表3、表4に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
比較例1のIPAのみを使用して得られたポリマーポリオールは粘度が高く、比較例2では低粘度化はしたが濾過性の悪化があった。一方、比較例3のTEAのみを使用して得られたポリマーポリオールは、低粘度化であるが濾過性の悪化が著しい。これに対し、実施例1,2で得られたポリマーポリオールは粘度が低く、濾過性も良好である。また、比較例3で得られたポリマーポリオールに由来するポリウレタンフォームは、比較例5〜9に示すように、硬度、引張強度、伸び、引裂強度が低下する。これに対し、実施例2で得られたポリマーポリオールに由来するポリウレタンフォームは、実施例7〜11に示すように、諸物性も良好である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の方法により、従来よりも低粘度かつ濾過性の良いポリマーポリオールが得られるようになった。例えば、分子量3000のポリオキシアルキレントリオールを用い、ポリマー濃度40重量%のポリマーポリオールを製造する場合に従来の方法では、粘度を3500cps以下にすると濾過性が著しく悪化し、逆に、濾過性を改善すると粘度が7000cps以上に上昇してしまい、目的とするポリマーポリオールが得られなかった。しかし、本発明の方法によれば、2000〜3500cpsという低粘度でかつ濾過性の良好なポリマーポリオールが得られるようになった。こうして得られたポリマーポリオールは硬度、機械強度等の諸物性が良好なポリウレタンフォームを提供する。
Claims (4)
- ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させてポリマーポリオールを製造する方法において、ポリオールとエチレン性不飽和単量体の総重量に対して、(1)2級アルコール0.1〜10重量部及び3級アルキルアミン0.01〜5重量部を必須成分とする反応調節剤の存在下で該重合を行い、(2)エチレン性不飽和単量体が、50〜100重量%のスチレンと、0〜50重量%のアクリロニトリルを含む成分であり、(3)ポリマーポリオール中のポリマー濃度が30〜60重量%であることを特徴とするポリマーポリオールの製造方法。
- 2級アルコールがイソプロピルアルコール、3級アルキルアミンがトリエチルアミンである、請求項1記載のポリマーポリオールの製造方法。
- エチレン性不飽和単量体が、スチレンとアクリロニトリルの混合物である請求項1記載のポリマーポリオールの製造方法。
- ポリオールが水酸基1個あたりの分子量600〜3000かつポリエチレンオキシド含量が0〜15重量%のポリオキシアルキレンポリオールである請求項1記載のポリマーポリオールの製造方法。
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