JP3938492B2 - 冷蔵庫の扉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷蔵庫の扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11〜16は従来の冷蔵庫の扉を示す図で、図11は冷蔵庫の扉の正面図、図12は冷蔵庫の扉の背面側分解図、図13は冷蔵庫の扉の背面側斜視図、図14は冷蔵庫の扉の要部断面図、図15は図14のU部詳細図、図16は図12のVから見た詳細図である。
従来の冷蔵庫の扉110は、両端部が後方に折曲されたドアパネル113の上下端面を被うようにドアキャップ118が嵌合しており、図示しない内板により箱体を形成し内部には発泡断熱材115が充填されている。扉の開け易さといった機能的な面と意匠的な面が考慮され、通常扉の周縁近くにハンドル180があるが、ここで説明する従来の冷蔵庫もドアパネル113周縁の上部付近にしぼりのある長穴113bを設け、その長穴113bに固定用の部品であるウエッジ160を用いてハンドル180を取り付ける構成となっている。
【0003】
ハンドル180とウエッジ160の取り付け構造を説明する。ハンドル180はドアパネル113の長穴113bに取り付くが、ドアパネル113横方向の平面部113dがハンドル180の挿入溝に挿入されて嵌合し、ドアパネル113のしぼり面113cが、ハンドル180手掛け部奥面(しぼりの面113cとほぼ平行な面)と、ウエッジ160のドアパネル113との接合面162とにより挟みこまれることにより固定されている。
【0004】
扉110を意匠的によく見せるためにドアパネル113意匠面とハンドル180の手掛け部奥面は隙間をなくす必要がある。ドアパネル113のしぼり面113cが3次元的曲面であるため、しぼり面113cに合わせた溝形状にすることは金型上も組立性からも出来ないので、ドアパネル113横方向の平面部113dのように挿入溝に挿入して嵌合することは、しぼり面113c側はできない。そのため、上記のような方法で固定している。
【0005】
ウエッジ160でのハンドル180固定方法は、ハンドル180手掛け部奥面に立てたLの字部分181をしぼり面113cの裏側に挿入して、そのLの字部分181にウエッジ160を挿入して、爪嵌合で固定する。つまり、ウエッジ160はドアパネル113の面とほぼ平行に滑らせてハンドル180のLの字部分181に挿入して組み付けている。
【0006】
このウエッジ160の断面形状は、ハンドル180のLの字部分181に挿入するコの字部分161と、コの字部分161の一面とドアパネル113との接合面162とで形成されるV字部分163とが合わさって形成されるSの字のような形をしているが、ハンドル180とドアパネル113の固定力は、このV字部分163のテンション(反発力)によって決まるのである。
【0007】
ドアパネル113のしぼり面113cは3次元的な曲面であるため、ウエッジ160のV字部分163の断面形状は断面の位置によって変化していく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
扉は新規の開発の度に意匠が大きく変更するが、ハンドル180の形状及びドアパネル113のしぼり形状は3次元曲面がより複雑になってきたため、ウエッジ160のV字部分163のドアパネル113との接合面162とドアパネルのしぼり形状113cとが面一になりにくくなってきた。
【0009】
また、ウエッジ160のV字部分163の断面形状が位置によってかなり変化することもあり、ウエッジ160でハンドル180をドアパネル113に固定する際に、ウエッジ160のドアパネル113との接合面162(V字部分163)のテンション(反発力)がドアパネル113のしぼり形状113cに均一にかからない箇所が出てきた。ハンドル180のドアパネル113への固定は、ウエッジ160のドアパネル113との接合面162(V字部分163)のテンションに頼っているため、このテンションがあまりかからない部分はハンドル180とドアパネル113の間に隙間ができることがある。隙間ができてしまうと意匠上で問題があるため、ウエッジ160のそういった部分は金型の改造で修正する必要があるが、ドアパネル113との接合面162の金型形状は3次元的に複雑なため型改造が困難であった。
【0010】
また、図16の1点鎖線のように、ウエッジ160のV字部分163側のパーティングライン(P.L)は複雑になってしまうため、金型の加工が難しく基本的な金型費が高いものとなっていた。さらに、金型が複雑であるため、型納期も長くなるという問題があった。
【0011】
そして、ハンドルのLの字部分181は、ハンドル180の金型抜き方向に対して垂直方向にある場合には、大きなスライドでこの部分を抜かなければならないため、金型費の増加につながっていた。
【0012】
さらに、ウエッジ160のハンドル180への組み付け時に、ドアパネル113の裏面側で、面に対して平行な方向に挿入して嵌合するので、時に挿入に対して両端部が後方に折曲されたドアパネル113が障害になって時間がかかることがあり、また作業に注意を要していた。
【0013】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、ウエッジ本来の目的であるハンドルとドアパネルとの固定力をより強固にしてハンドルとドアパネルとの隙間を無くすとともに、ハンドルへの組立性が良く・安全であり、強いテンションに耐える強度があり、さらにウエッジの金型改造費の削減を達成することにより、高度な意匠の要求に対し対応可能にすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷蔵庫の扉は、扉の正面を構成するドアパネルと、ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、ドアパネルに取り付けられるハンドルと、ハンドルをドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、ドアパネルにハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、ハンドルのリブをハンドル取付穴にはめ込み、ウエッジをリブに嵌合し、ハンドルとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、リブに前記挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、ウエッジを、ドアパネルに対して垂直方向のリブに嵌合してハンドルを固定する際に、ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、ウエッジに、リブへの挿入部と、ドアパネルとの接合面と、挿入部と接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、傾斜面にテンションが働く構成としたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、扉の正面を構成するドアパネルと、ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、ドアパネルに取り付けられるハンドルと、ハンドルをドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、ドアパネルにハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、ハンドルのリブをハンドル取付穴にはめ込み、ウエッジをリブに嵌合し、ハンドルとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ハンドルは、ドアパネルに取り付けられるハンドルベースと、このハンドルベースを被うように取り付けられるハンドルカバーと、このハンドルカバーと共にハンドル手掛け部を構成するハンドルアタッチとを有し、ハンドルベースにリブを設け、ハンドルベースとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、リブに挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、ウエッジを、ドアパネルに対して垂直方向の前記リブに嵌合して前記ハンドルを固定する際に、ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、ウエッジに、ブへの挿入部と、ドアパネルとの接合面と、挿入部と接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、傾斜面にテンションが働く構成としたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジは、リブに嵌合する部分が複数あり、それらがラウンド曲線を形成しやすいように数珠繋ぎになっていることを特徴とする。
【0017】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジは、1片の長さが60mm程度のものがいくつか数珠繋ぎになっていることを特徴とする。
【0018】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジ1片に、少なくとも1個の嵌合用爪を設け、嵌合用爪がリブに嵌合することを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、傾斜面のドアパネルに対する角度を、30°〜60°としたことを特徴とする。
【0020】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジのドアパネルとの接合面の端部は、ハンドルベースの端部よりドアパネル側に延出していることを特徴とする。
【0021】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の上部のコーナーRでのハンドルのドアパネルとの固定は、ハンドルの上部に立設したドアパネルに垂直方向のリブに開けた穴に対し、ウエッジのリブに嵌合する嵌合用爪とは別の爪片をドアパネルのコーナーRに平行に滑らせる方向に挿入して固定する構成としたことを特徴とする。
【0022】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の下部のコーナーRでのハンドルのドアパネルとの固定は、ハンドルの下部に立設したコーナーRに平行なリブに対し、ウエッジのコの字形状をコーナーRに平行なリブと同じ方向に挿入して固定する構成としたことを特徴とする。
【0023】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルのハンドル取付穴の中央側に、しぼり面を設けたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1〜10は実施の形態1を示す図で、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の扉の斜視図、図3は冷蔵庫の扉の分解図、図4は冷蔵庫の扉の背面側から見た分解図、図5は冷蔵庫の扉の背面側斜視図、図6は図5のZ−Z線断面図、図7は図6のY部詳細図、図8は図4のX部詳細図、図9は図4のW部詳細図、図10は図4のT部詳細図である。
【0025】
まず基本的な構造について説明する。
図1、2に示すように、扉10は、両端部が後方に折曲されたドアパネル13の上下端面を被うように、ドアキャップ18が嵌合し、図示しない内板により箱体を形成し、内部に発泡断熱材15が充填されている。
【0026】
扉10の開け易さといった機能的な面と意匠的な面が考慮され、扉10の周縁近くにハンドル80が取り付けられているが、意匠性をより向上させるために、ハンドル80は、ドアパネル13との嵌合部である塗装部品と手掛け部のメッキ部品の組み付いた構成となっている。
【0027】
図3に示すように、意匠性・型構造・手掛け性等を考慮した手掛け部の意匠を実現するために、ハンドル80は、ハンドルベース40、ハンドルカバー20、ハンドルアタッチ30の3部品構成となっており、それらが組み付いたハンドル80がドアパネル13に嵌合している。意匠部品であるハンドルベース40、ハンドルカバー20はともに、意匠面は正面端部〜横側(背面近くまでの横面)を断面がL字状のものが被っていて、ハンドルベース40は塗装部品、ハンドルカバー20はメッキ部品となっている。
【0028】
ハンドル80のドアパネル13への取り付け構造としては、ハンドルベース40、ハンドルカバー20、ハンドルアタッチ30の3部品が組み付いたハンドル80を、ドアパネル13に設けたハンドル80の外形よりやや小さな長穴13bに取り付ける。その際、ハンドル80はドアパネル13への固定部品であるウエッジ60によって固定する。
【0029】
次に、詳細なウエッジ60の構造およびハンドル80との嵌合構造について説明する。
図4に示すように、まずハンドル80をドアパネル13に設けた長穴13bに、意匠側よりドアパネル13に対し垂直方向にはめ込んで取り付ける。ハンドル80の端面側はハンドルベース40とハンドルカバー20との嵌合によって出来るドアパネル挿入用溝42をドアパネル13の長穴13bの端面13dに挿入して嵌合している。また中央部側は、ほぼ全面的にハンドルベース40となるので、ウエッジ60はハンドルベース40と嵌合することとなる。
【0030】
ドアパネル13に設けたハンドルベース40外形よりやや小さい長穴13bに、ハンドルベース40に立てたドアパネル13の折り返した平面部13e(寝かせた時の扉10の水平方向)に対して垂直方向で長穴13bよりやや小さいリブ41を意匠面側より挿入し、垂直方向のリブ41がドアパネル13の長穴13bから裏側に飛び出るようにする。
【0031】
図5、6に示すように、リブ41にウエッジ60の断面がコの字形状の挿入部61をはめ込むように挿入して爪嵌合し、ハンドルベース40とウエッジ60とでドアパネル13挟み込むようにして固定している嵌合構造となる。よって、組立時にはドアパネル13の水平方向(扉10の水平方向)に対して垂直方向に、上から押し込む方向で作業できるので、はめ込み作業性が良くなって組立が容易となり、さらに折り返したドアパネル平面部13eに対して垂直方向ということは、ドアパネル平面部13eの端面が尖った方向に作業しなくて良いので、より作業安全性も向上する。
【0032】
次に、ウエッジ60の詳細な構造について説明する。
図1に示すように、ハンドルベース40の外形は半扇形状のようなラウンド曲線の集まりであるので、ハンドルベース40はドアパネル13から端面で隙間が発生しないように長穴13bおよび垂直方向のリブ41もハンドルベース40の外形に合わせて半扇形のようなラウンド曲線となる。そのため、ウエッジ60もリブ41に合わせて半扇形状のようなラウンド曲線となるわけであるが、ウエッジ60は、1片の長さを60mm程度のものがいくつか数珠繋ぎになっている。
【0033】
本来ウエッジ60とハンドルベース40とでドアパネル13を挟み込んで固定しているが、ウエッジ60全体がコの字形状の挿入部61でつながっていると、リブ41への挿入性・固定力増加のための金型改造といった点で問題があるため数珠繋ぎの構成としている。数珠の1片が60mm程度であれば、リブ41はラウンド曲線で、特にRのきつい箇所でコの字形状の挿入部61と形状を合わせづらく挿入性に問題がある場合でも、挿入しやすくなるということと、ウエッジ60のドアパネル13との接合面63は、ドアパネル13に合わせた曲面になるが、ハンドルベース40とドアパネル13に隙間等ができ、固定力増加の必要がある箇所が出た場合、型改造による嵌合調整が必要になるが、その改造を容易にする。
【0034】
つまり、ウエッジ60は、60mm程度の各々のウエッジ1片に付き1ヶ所(2ヶ所の場合もある)の嵌合用の爪66を設け、その爪66に対応した箇所にあるハンドルベース40のリブ41に開けた角穴41aと嵌合する事によって固定している。これら1つ1つの爪66の嵌合調整によってウエッジ60の固定力は決まってくる。
【0035】
図7に示すように、ウエッジ60の断面形状は、挿入部61とドアパネル13との接合面63とを傾斜面65でつないだ形状となっている。この傾斜面65はドアパネル13の面に対し45°程度(30°以上、60°以下が望ましい)傾斜しており、この面がウエッジ60の固定力と関係してくる。このウエッジ60でハンドル80とドアパネル13を固定する際に、基本的にはドアパネル13の平面部13eに対し垂直方向の押し込み力で固定しているが、この傾斜面65があるために、この部分に弾性のあるテンション(反発力)が働く。
【0036】
弾性がないと押し込み力を爪嵌合によって固定することは困難であるため、固定力が弱くなってハンドルベース40とドアパネル13に隙間ができたり、また押し込み力を強くするとハンドルベース40やウエッジ60等の破損、または、組立時に時間が掛かる等の問題が起こる。しかし、この傾斜面65のテンション(反発力)によってそういった問題が解消され、常に一定の固定力を得ることが出来る上、組立に時間も掛からない。つまり、ウエッジ60は、ウエッジ60の押し込み力とウエッジ60のテンション(反発力)の両方の力によって固定力を得ている構造であるといえる。
【0037】
また、ウエッジ60のドアパネル13との接合面63の端部70はハンドルベース40の端部50より出ている必要があり、その寸法Aは、A≧0となる。このA寸法が0以上であるため、ハンドルベース40の端面50とウエッジ60のドアパネル13との接合面63とで常にドアパネル13を挟み込むことが出来、そのためハンドルベース40の端面50はドアパネル13と密着して隙間がでない構造となっている。
【0038】
次に、ウエッジ60の金型の加工性につて説明する。
図8のウエッジ60の1点鎖線ように、ウエッジ60のドアパネル13との接合面63側のパーティングライン(P.L)は従来のウエッジにくらべ遙かに単純になっている。このため、キャビ、コアともに金型の加工が容易となり基本的な金型費が安く、また金型納期も早くなる。
【0039】
ハンドル80上下のドアパネル13のコーナーR14付近での、ドアパネル13との固定方法は、やはりウエッジ60で固定するが、通常のウエッジ60での固定方法はとれない。つまり、ハンドルベース40に立てたドアパネル13の折り返した平面部13eに対して垂直方向のリブ41にはめ込むように挿入して、ハンドル80とウエッジ60でドアパネル13挟み込むようにして固定する方法はとれないということである。ハンドル80をドアパネル13のコーナーR14と密着させて隙間の無いようにする必要があるが、上記の方法であるとドアパネル13のコーナーR14がラウンドしているため充分な固定力を得ることは困難であり、またドアパネル13の折り返した平面部13eのすぐ裏側に当たるため、作業性が悪いという理由からである。
【0040】
そこでこれらの場所の固定方法は、図4、図9、図10のように、
(1)ハンドル80の上部に立てたドアパネル13に垂直方向のリブ41に開けた穴48に対し、ウエッジの第2爪片68をドアパネル13のコーナーR14に平行に滑らせる方向(図1では上下方向)に挿入して固定する方法か、
(2)ハンドルベース40の下部に立てたドアパネル13のコーナーR14と平行な方向(図1では上下方向)のリブ49に対し、ウエッジ60のコの字形状69を直接そのリブ49と同じ方向に挿入して固定する方法か、
のどちらかの方法をとる。この際、コの字形状69の爪71をハンドルベースの下部の穴51に挿入して爪嵌合する。
【0041】
上部のハンドルベース40とハンドルカバー20のように、2部品を同時に固定したい場合には、(1)の方法が有効であり、下部のように単体を固定する場合には、本体は強度があるので、リブ49を太くすればより強度を増すことが出来、嵌合強度をより強くすることができる(2)の方法が有効である。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態1では、ドアパネル13の長穴13bの扉10での中央側にしぼり面が意匠的に無い形状であるが、従来例のようにドアパネル113のしぼり面113cが複雑な場合にも、本発明のウエッジ60構造はより有効に働いて、作業性が容易で高い固定力を得ることが出来る。
【0043】
つまり、1片の長さを60mm程度のウエッジ60を、いくつか数珠繋ぎにすることにより、しぼり面の3次元的な曲面の変化に対応できることと、ドアパネル13に対して垂直方向の押し込み力とテンションによって固定するので、しぼり面に対してウエッジ60の接合面63が同一になりにくくテンションが掛かりにくい場合でも、このウエッジ60形状であると押し込み力とウエッジ60のテンション(反発力)の両方の力によって固定力を得ているので、爪66や角穴41aの調整やドアパネル接合面63の肉盛り等の容易な型改造で充分な固定力が得られる。組立性に対しても同様である。
【0044】
【発明の効果】
この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルにハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、ハンドルのリブをハンドル取付穴にはめ込み、ウエッジをリブに嵌合し、ハンドルとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、リブに前記挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、ウエッジを、ドアパネルに対して垂直方向のリブに嵌合してハンドルを固定する際に、ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、ウエッジに、リブへの挿入部と、ドアパネルとの接合面と、挿入部と接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、傾斜面にテンションが働く構成としたことにより、垂直方向のリブによって決まるウエッジの挿入部の基本的な金型構造およびパーティングラインが容易になるため、金型加工が容易となって金型費の削減につながり、また嵌合の固定力が高く、組立作業が容易となり、作業安全性も向上する。また、嵌合の固定力が高く、組立作業が容易となる。また、常に高い固定力を保つことが出来る上に、嵌合が容易となるため組立性が良く、作業時間を短縮できる構造である。また、常に一定の固定力を得ることができ、組立時間を短縮できる。
【0045】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルにハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、ハンドルのリブをハンドル取付穴にはめ込み、ウエッジをリブに嵌合し、ハンドルとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ハンドルは、ドアパネルに取り付けられるハンドルベースと、このハンドルベースを被うように取り付けられるハンドルカバーと、このハンドルカバーと共にハンドル手掛け部を構成するハンドルアタッチとを有し、ハンドルベースにリブを設け、ハンドルベースとウエッジでドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、リブに挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、ウエッジを、ドアパネルに対して垂直方向の前記リブに嵌合して前記ハンドルを固定する際に、ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、ウエッジに、ブへの挿入部と、ドアパネルとの接合面と、挿入部と接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、傾斜面にテンションが働く構成としたことにより、垂直方向のリブによって決まるウエッジの挿入部の基本的な金型構造およびパーティングラインが容易になるため、金型加工が容易となって金型費の削減につながり、また嵌合の固定力が高く、組立作業が容易となり、作業安全性も向上する。また、金型費の削減につながり、また嵌合の固定力が高く、組立作業が容易となり、作業安全性も向上する。また、嵌合の固定力が高く、組立作業が容易となる。また、常に高い固定力を保つことが出来る上に、嵌合が容易となるため組立性が良く、作業時間を短縮できる構造である。また、常に一定の固定力を得ることができ、組立時間を短縮できる。
【0046】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジは、リブに嵌合する部分が複数あり、それらがラウンド曲線を形成しやすいように数珠繋ぎになっていることにより、リブへのはめ込み性が良く、また固定力増加のための金型改造も容易に出来るので金型改造費が安価となる。
【0047】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジは、1片の長さが60mm程度のものがいくつか数珠繋ぎになっていることにより、リブへのはめ込み性が良く、また金型改造費が安価となる。
【0048】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジ1片に、少なくとも1個の嵌合用爪を設け、嵌合用爪がリブに嵌合することにより、固定力を確保できる。
【0049】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、傾斜面のドアパネルに対する角度を、30°〜60°としたことにより、常に一定の固定力を得ることができ、組立時間を短縮できる。
【0050】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ウエッジのドアパネルとの接合面の端部は、ハンドルベースの端部よりドアパネル側に延出していることにより、ハンドルベースの端部はドアパネルと密着して隙間ができない。
【0051】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の上部のコーナーRでのハンドルのドアパネルとの固定は、ハンドルの上部に立設したドアパネルに垂直方向のリブに開けた穴に対し、ウエッジのリブに嵌合する嵌合用爪とは別の爪片をドアパネルのコーナーRに平行に滑らせる方向に挿入して固定する構成としたことにより、充分な固定力が得られると共に、作業性が向上する。
【0052】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の下部のコーナーRでのハンドルのドアパネルとの固定は、ハンドルの下部に立設したコーナーRに平行なリブに対し、ウエッジのコの字形状をコーナーRに平行なリブと同じ方向に挿入して固定する構成としたことにより、充分な固定力が得られると共に、作業性が向上する。
【0053】
また、この発明に係る冷蔵庫の扉は、ドアパネルのハンドル取付穴の中央側に、しぼり面を設けたものでも、垂直方向のリブに嵌合されるウエッジの構造により、作業性が良く、固定力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、冷蔵庫の正面図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、冷蔵庫の扉の斜視図である。
【図3】 実施の形態1を示す図で、冷蔵庫の扉の分解図である。
【図4】 実施の形態1を示す図で、冷蔵庫の扉の背面側から見た分解図である。
【図5】 実施の形態1を示す図で、冷蔵庫の扉の背面側斜視図である。
【図6】 実施の形態1を示す図で、図5のZ−Z線断面図である。
【図7】 実施の形態1を示す図で、図6のY部詳細図である。
【図8】 実施の形態1を示す図で、図4のX部詳細図である。
【図9】 実施の形態1を示す図で、図4のW部詳細図である。
【図10】 実施の形態1を示す図で、図4のT部詳細図である。
【図11】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、冷蔵庫の扉の正面図である。
【図12】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、冷蔵庫の扉の背面側分解図である。
【図13】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、冷蔵庫の扉の背面側斜視図である。
【図14】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、冷蔵庫の扉の要部断面図である。
【図15】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、図14のU部詳細図である。
【図16】 従来の冷蔵庫の扉を示す図で、図12のVから見た詳細図である。
【符号の説明】
10 扉、13 ドアパネル、13b ドアパネル長穴、13e ドアパネル平面部、14 コーナーR、15 発泡断熱材、18 ドアキャップ、20 ハンドルカバー、30 ハンドルアタッチ、40 ハンドルベース、41 リブ、41a 角穴、42 ドアパネル挿入用溝、48 垂直方向のリブに開けた穴、49 コーナーRに平行なリブ、50 ハンドルベースの端部、51 ハンドルベースの下部の穴、60 ウエッジ、61 挿入部、63 接合面、65 傾斜面、66 爪、68 第2爪片、69 コの字形状、70 接合面の端部、71 コの字形状の爪、80 ハンドル。
Claims (10)
- 扉の正面を構成するドアパネルと、前記ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、前記ドアパネルに取り付けられるハンドルと、前記ハンドルを前記ドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、
前記ドアパネルに前記ハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、前記ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、前記ハンドルの前記リブを前記ハンドル取付穴にはめ込み、前記ウエッジを前記リブに嵌合し、前記ハンドルと前記ウエッジで前記ドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、
前記ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、前記リブに前記挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、
前記ウエッジを、前記ドアパネルに対して垂直方向の前記リブに嵌合して前記ハンドルを固定する際に、前記ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、
前記ウエッジに、前記リブへの挿入部と、前記ドアパネルとの接合面と、前記挿入部と前記接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、前記傾斜面にテンションが働く構成としたことを特徴とする冷蔵庫の扉。 - 扉の正面を構成するドアパネルと、前記ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、前記ドアパネルに取り付けられるハンドルと、前記ハンドルを前記ドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、
前記ドアパネルに前記ハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、前記ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、前記ハンドルの前記リブを前記ハンドル取付穴にはめ込み、前記ウエッジを前記リブに嵌合し、前記ハンドルと前記ウエッジで前記ドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、
前記ハンドルは、前記ドアパネルに取り付けられるハンドルベースと、このハンドルベースを被うように取り付けられるハンドルカバーと、このハンドルカバーと共にハンドル手掛け部を構成するハンドルアタッチとを有し、前記ハンドルベースに前記リブを設け、前記ハンドルベースと前記ウエッジで前記ドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、
前記ウエッジに断面がコの字形状の挿入部を設け、前記リブに前記挿入部をはめ込み嵌合する構成とし、
前記ウエッジを、前記ドアパネルに対して垂直方向の前記リブに嵌合して前記ハンドルを固定する際に、前記ウエッジの押し込み力とテンションの両方の力によって固定力を確保する構成とし、
前記ウエッジに、前記リブへの挿入部と、前記ドアパネルとの接合面と、前記挿入部と前記接合面とを繋ぐ傾斜面とを設け、前記傾斜面にテンションが働く構成としたことを特徴とする冷蔵庫の扉。 - 前記ウエッジは、前記リブに嵌合する部分が複数あり、それらがラウンド曲線を形成しやすいように数珠繋ぎになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷蔵庫の扉。
- 前記ウエッジは、1片の長さが60mm程度のものがいくつか数珠繋ぎになっていることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫の扉。
- 前記ウエッジ1片に、少なくとも1個の嵌合用爪を設け、前記嵌合用爪が前記リブに嵌合することを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫の扉。
- 前記傾斜面の前記ドアパネルに対する角度を、30°〜60°としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷蔵庫の扉。
- 前記ウエッジの前記ドアパネルとの接合面の端部は、前記ハンドルベースの端部より前記ドアパネル側に延出していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷蔵庫の扉。
- 扉の正面を構成するドアパネルと、前記ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、前記ドアパネルに取り付けられるハンドルと、前記ハンドルを前記ドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、
前記ドアパネルに前記ハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、前記ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、前記ハンドルの前記リブを前記ハンドル取付穴にはめ込み、前記ウエッジを前記リブに嵌合し、前記ハンドルと前記ウエッジで前記ドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、
前記ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の上部のコーナーRでの前記ハンドルの前記ドアパネルとの固定は、前記ハンドルの上部に立設した前記ドアパネルに垂直方向のリブに開けた穴に対し、前記ウエッジの前記リブに嵌合する嵌合用爪とは別の爪片を前記ドアパネルのコーナーRに平行に滑らせる方向に挿入して固定する構成としたことを特徴とする冷蔵庫の扉。 - 扉の正面を構成するドアパネルと、前記ドアパネルの上下端部に嵌合されるドアキャップと、前記ドアパネルに取り付けられるハンドルと、前記ハンドルを前記ドアパネルに固定するためのウエッジとを有する冷蔵庫の扉において、
前記ドアパネルに前記ハンドルを取り付けるハンドル取付穴を設け、前記ハンドルに扉の正面の意匠面に対して垂直方向に立設されたリブを設け、前記ハンドルの前記リブを前記ハンドル取付穴にはめ込み、前記ウエッジを前記リブに嵌合し、前記ハンドルと前記ウエッジで前記ドアパネル挟み込むようにして固定する構成とし、
前記ドアパネルに開けられたハンドル取付穴の下部のコーナーRでの前記ハンドルの前記ドアパネルとの固定は、前記ハンドルの下部に立設したコーナーRに平行なリブに対し、前記ウエッジのコの字形状を前記コーナーRに平行なリブと同じ方向に挿入して固定する構成としたことを特徴とする冷蔵庫の扉。 - 前記ドアパネルのハンドル取付穴の中央側に、しぼり面を設けたことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の冷蔵庫の扉。
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