JP3938064B2 - オイルスプレークラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルスプレークラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のオイルスプレークラッチにおいては、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面に対し潤滑オイルを流入させることが行われている。
【0003】
従来のオイルスプレークラッチは図9〜図11に示され、図中、1はクラッチハウジング、2はエンジンにより駆動するようにしたクランクシャフト3に接続されたフライホイール、4はクラッチディスクアッセンブリ、5はプレッシャプレート、6は図示してないオイルポンプから送給された潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリ4に吹き付けるための噴射ノズル、7はクラッチハウジング1の下部に取り付けられたオイルパンであり、フライホイール2、クラッチディスクアッセンブリ4、噴射ノズル6の先端側は、クラッチハウジング1内に収納されている。又、オイルパン7に溜まった潤滑オイルはオイルポンプへ戻し得るようになっている。尚、図9に示すオイルスプレークラッチは、コイルスプリングレバー式クラッチであって、プレッシャプレート5を付勢することによりクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面をフライホイール2に押し付けるためのコイルスプリング16と、該コイルスプリング16の付勢力に抗してプレッシャプレート5をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面から引き離すためのリリースレバー18と、前記コイルスプリング16及びリリースレバー18等を覆うクラッチカバー19とを備えている。ここで、クラッチカバー19は、フライホイール2の外周部20に所定の間隔で形成された複数の凸状のポット部21にボルト締結されている。又、クラッチハウジング1の斜め上部には、潤滑オイル15を注入し得る開閉可能な点検口22を備えている。
【0004】
クラッチディスクアッセンブリ4の詳細は図11に示され、8はクランクシャフト3と同心にクラッチハウジング1内に配置された図に示すインプットシャフト17に外嵌され、クラッチの連結、離脱時にインプットシャフト17に対し摺動し得るようにしたスプラインハブ、9はスプラインハブ8の外周に固設したディスク本体、10はディスク本体9に取り付けたドーナツ板状のクラッチプレート、11はクラッチプレート10の外周部に、クラッチプレート10の径方向外方へ突出するよう取り付けたクッションプレート、12はクッションプレート11のプレッシャプレート5側に取り付けたフェーシング、13はクッションプレート11のフライホイール2側に取り付けたフェーシングであり、クッションプレート11はフェーシング12,13により挟まれた状態になっている。
【0005】
車両駆動時、クラッチペダルを踏んでいない場合には、クラッチディスクアッセンブリ4のフェーシング12,13の表面はプレッシャプレート5及びフライホイール2の表面と連結され、エンジンの動力はトランスミッションに伝達される。
【0006】
クラッチペダルを踏むと、クラッチディスクアッセンブリ4のフェーシング12,13の表面はプレッシャプレート5及びフライホイール2の接触面から離反し、エンジンの動力はトランスミッションには伝達されない。
【0007】
半クラッチの場合は、クラッチディスクアッセンブリ4におけるフェーシング12,13の表面とプレッシャプレート5及びフライホイール2の表面とは接触状態で摺動する。
【0008】
オイルポンプからの潤滑オイル15は、噴射ノズル6からクラッチプレート10とフェーシング12,13との間の近傍に向けて吹き付けられる。このため、潤滑オイル15はクラッチディスクアッセンブリ4における摩擦面であるフェーシング12表面の潤滑を行うと共に、フェーシング12側からオイル流路を経てフェーシング13側へも供給され、摩擦面であるフェーシング13表面の潤滑を行う。
【0009】
尚、他のオイルスプレークラッチとしては、オイルパンのオイル溜めにフライホイールの下部が浸るよう構成し、フライホイールの回転により潤滑オイルを掻き上げる例があり、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されたようなものがある。
【0010】
【特許文献1】
実開昭60−24937号公報
【特許文献2】
実開平2−136820号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最初に説明した図9のオイルスプレークラッチでは、オイルポンプを駆動させるため、機械的ロスが生じ、全体的な燃費が低下するという問題があった。又、噴射ノズル6のオイル噴射口はクラッチカバー19の外側に配設されており、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面から遠く離れているため、潤滑オイル15をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に確実に吹き付けることが難しく、該摩擦面が温度上昇しやすくなって、クラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命が短くなるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、燃費の向上を為し得ると共に、クラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命延長を図り得るオイルスプレークラッチを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる掻上手段を備え
前記掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する羽根部であると共に、潤滑オイルの流れをフライホイールの外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイルの通路方向を、フライホイールの回転方向と逆向きに形成し、且つ潤滑オイルの通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くしたことを特徴とするオイルスプレークラッチ、にかかるものである。
【0014】
本発明は、クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる掻上手段を備え、
前記掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する貫通路であると共に、潤滑オイルの流れをフライホイールの外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイルの通路方向を、フライホイールの回転方向と逆向きに形成し、且つ掻上手段より形成される潤滑オイルの通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くしたことを特徴とするオイルスプレークラッチ、にかかるものである。
【0018】
クラッチディスクアッセンブリの摩擦面を潤滑する際には、フライホイールの回転に伴って、フライホイールの掻上手段がオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げ、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面に潤滑オイルを流入させる。
【0019】
このように、本発明によれば、フライホイールの掻上手段によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げてクラッチディスクアッセンブリの摩擦面を潤滑するので、オイルポンプを駆動するような機械的ロスを低減してエンジンへの抵抗分を低減し、燃費の向上を図ることができる。又、フライホイールから潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリの摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができる。更に、潤滑オイルの掻上手段をフライホイールのポット部の間に備えるので、掻上手段が周辺部材の障害になることを防止し、掻上手段の配置を適切にすることができる。更に又、掻上手段がフライホイールのポット部の間に位置することにより掻上手段の成形をポット部の成形と同時に為し得るので、製造コストを低減することができる。
【0020】
本発明において、掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する羽根部であると、掻上手段を簡易な形状で潤滑オイルを掻き上げるので、燃費の向上を容易に為し得ると共に、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を容易に行うことができる。又、掻上手段の羽根部は簡易に形成し得るので、掻上手段の製造コストを著しく低減することができる。
【0021】
本発明において、掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する貫通路であると、貫通路により潤滑オイルの流れを確実に形成し得るので、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を確実に行うことができる。又、掻上手段の貫通路は簡易に形成し得るので、掻上手段の製造コストを著しく低減することができる。
【0022】
本発明において、掻上手段が、潤滑オイルの流れをフライホイールの外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイルの通路方向を、フライホイールの回転方向と逆向きに形成すると、フライホイールの回転の際に潤滑オイルはフライホイールの外周側より径方向内側へ向かうので、フライホイールの回転遠心力による潤滑オイルの他の方向への飛び出しを低減し、結果的に、潤滑オイルによるクラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を好適に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができる。
【0023】
本発明において、掻上手段より形成される潤滑オイルの通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くすると、フライホイールの外周から径方向内側に向かう潤滑オイルの流速が上がるので、フライホイールの回転遠心力による潤滑オイルの他の方向への飛び出しを低減すると共に、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面を潤滑する潤滑オイルの流量を増加させ、結果的に、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を一層確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0025】
図1〜図4は本発明を実施する形態の第一例であって、図中、図9〜図11と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0026】
第一例のオイルスプレークラッチは、オイルパン7と共にクラッチハウジング1の下部に潤滑オイル15が溜まるようオイル溜め30を構成しており、オイル溜め30にはフライホイール31の下部が漬っている。
【0027】
フライホイール31の外周部32には、凸状のポット部33の間に位置するよう、所定の間隔を介してポット部33と同方向へ突出する複数枚(図2〜図4ではポットの間に3枚)の掻上手段の羽根部34を備えている。羽根部34は、延在方向が、フライホイール31の回転方向に対し、外周側から径方向内側へ向かって斜め逆方向になるよう構成されており、羽根部34の間に形成される通路35は、羽根部34の延在方向に沿うよう形成されている。
【0028】
フライホイール31の凸状のポット部33は、クラッチカバー19をボルト締結し得る二個のボルト穴36を備えており、二個のボルト穴の間には、羽根部34の延在方向と略同様な方向に形成される通路37を備えている。
【0029】
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
【0030】
クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する際には、フライホイール31の回転に伴ってフライホイール31の掻上手段の羽根部34がオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げる。この時、羽根部34の間の通路35及び通路37は、潤滑オイル15の流れをフライホイール31の外周から径方向内側(フライホイール31の回転方向と逆方向)へ向かわせることにより、フライホイール31の径方向内側で潤滑オイル15を持ち上げ、フライホイール31の上方及び側方からクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に潤滑オイル15を流入させる。
【0031】
このように、第一例によれば、掻上手段の羽根部34によりオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げてクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑するので、オイルポンプを駆動するような機械的ロスを低減してエンジンへの抵抗分を低減し、燃費の向上を図ることができる。又、フライホイール31から潤滑オイル15をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。更に、掻上手段の羽根部34をフライホイール31のポット部33の間に備えるので、羽根部34が周辺部材の障害になることを防止し、掻上手段の羽根部34の配置を適切にすることができる。更に又、掻上手段の羽根部34がフライホイール31のポット部33の間に位置することにより羽根部34の成形をポット部33の成形と同時に為し得るので、製造コストを低減することができる。
【0032】
掻上手段が、ポット部33の間に潤滑オイル15の通路35を形成する羽根部34であると、掻上手段を簡易な形状で潤滑オイル15を掻き上げるので、燃費の向上を容易に為し得ると共に、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を容易に行うことができる。又、掻上手段の羽根部34は簡易に形成し得るので、掻上手段の製造コストを著しく低減することができる。
【0033】
掻上手段の羽根部34が、潤滑オイル15の流れをフライホイール31の外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイル15の通路35方向を、フライホイール31の回転方向と逆向きに形成すると、フライホイール31の回転の際に潤滑オイル15はフライホイール31の外周側より径方向内側へ向かうので、フライホイール31の回転遠心力による潤滑オイル15の他の方向への飛び出しを低減し、結果的に、潤滑オイル15によるクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を好適に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。
【0034】
図5、図6は本発明を実施する形態の第二例であって、図中、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、第二例は、第一例の羽根部34の間に形成される通路35の形状を変形したものである。
【0035】
第二例の羽根部40は、フライホイール41の外周部42に、延在方向が、フライホイール41の回転方向に対し、外周側から径方向内側へ向かって斜め逆方向になるよう構成されており、羽根部40の間に形成される通路43は、羽根部40の延在方向に沿うよう形成されると共に、羽根部40の間における内側の距離Aが外側の距離Bより小さくなるよう、通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くなっている(A<B)。
【0036】
フライホイール41の凸状のポット部44は、第一例と略同様に、クラッチカバー19をボルト締結し得る二個のボルト穴45を備えており、二個のボルト穴45の間には、羽根部40の延在方向と略同様な方向に形成される通路46を備えている。
【0037】
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
【0038】
クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する際には、第一例と略同様に、フライホイール41の回転に伴ってフライホイール41の掻上手段の羽根部40がオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げる。この時、羽根部40の間の通路43及び通路46は、入口側の大きな通路面積によって潤滑オイル15の掻上量を増加させると共に、潤滑オイル15の流れをフライホイール41の外周から径方向内側(フライホイール41の回転方向と逆方向)へ潤滑オイル15の流速を上げて向かわせ、フライホイール41の径方向内側で潤滑オイル15を確実に持ち上げ、フライホイール41の上方及び側方からクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に潤滑オイル15を流入させる。
【0039】
このように、第二例によれば、掻上手段の羽根部40より形成される潤滑オイル15の通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くすると、フライホイール41の外周から径方向内側に向かう潤滑オイル15の流速が上がるので、フライホイール41の回転遠心力による潤滑オイル15の他の方向への飛び出しを低減すると共に、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する潤滑オイル15の流量を増加させ、結果的に、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を一層確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。
【0040】
又、第二例によれば、第一例と略同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
図7は本発明を実施する形態の第三例であって、図中、図1〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、第三例は、第一例の掻上手段を変形したものである。
【0042】
第三例のフライホイール50の外周には、第一例の凸状のポット部51と略同じ高さの外周部52を備えており、外周部52には、ポット部51の間に位置するよう、所定の間隔を介して複数個(図7ではポットの間に3個)の掻上手段の貫通路53を備えている。貫通路53は、延在方向が、フライホイール50の回転方向に対し、外周側から径方向内側へ向かって斜め逆方向になるよう構成されている。ここで、図中、54はポット部51のボルト穴を示している。
【0043】
以下、本発明を実施する形態の第三例の作用を説明する。
【0044】
クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する際には、フライホイール50の回転に伴ってフライホイール50の掻上手段がオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げる。この時、掻上手段の貫通路53は、潤滑オイル15の流れをフライホイール50の外周から径方向内側(フライホイール50の回転方向と逆方向)へ潤滑オイル15の流速を上げて向かわせることにより、フライホイール50の径方向内側で潤滑オイル15を確実に持ち上げ、フライホイール50の上方及び側方からクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に潤滑オイル15を流入させる。
【0045】
このように、第三例によれば、掻上手段の貫通路53によりオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げてクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑するので、オイルポンプを駆動するような機械的ロスを低減してエンジンへの抵抗分を低減し、燃費の向上を図ることができる。又、フライホイール50から潤滑オイル15をクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。更に、掻上手段の貫通路53をフライホイール50のポット部51の間に備えるので、羽根部40が周辺部材の障害になることを防止し、掻上手段の配置を適切にすることができる。
【0046】
掻上手段が、ポット部51の間に潤滑オイル15の通路46を形成する貫通路53であると、貫通路53により潤滑オイル15の流れを確実に形成し得るので、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を確実に行うことができる。又、掻上手段の貫通路53は簡易に形成し得るので、掻上手段の製造コストを著しく低減することができる。
【0047】
又、第三例によれば、第一例と略同様の作用効果を得ることができる。
【0048】
図8は本発明を実施する形態の第四例であって、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、第四例は、第三例の掻上手段の貫通路53を変形したものである。
【0049】
第四例のフライホイール60の外周には、凸状のポット部61と略同じ高さの外周部62を備えており、外周部62には、ポット部61の間に位置するよう、所定の間隔を介して複数個の掻上手段の貫通路63を備えている。貫通路63は、延在方向が、フライホイール60の回転方向に対し、外周側から径方向内側へ向かって斜め逆方向になるよう構成されると共に、内周側の距離Cが外周側の距離Dより小さくなるよう、通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くなっている(C<D)。ここで、図中、64はポット部61のボルト穴を示している。
【0050】
以下、本発明を実施する形態の第四例の作用を説明する。
【0051】
クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する際には、第三例と略同様に、フライホイール60の回転に伴ってフライホイール60の掻上手段がオイル溜め30の潤滑オイル15を掻き上げる。この時、掻上手段の貫通路63は、入口側の大きな通路面積によってオイルの掻上量を増加させると共に、潤滑オイル15の流れをフライホイール60の外周から径方向内側(フライホイール60の回転方向と逆方向)へ潤滑オイル15の流速を上げて向かわせ、フライホイール60の径方向内側で潤滑オイル15を確実に持ち上げ、フライホイール60の上方及び側方からクラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面に潤滑オイル15を流入させる。
【0052】
このように、第四例によれば、掻上手段の貫通路63の通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くすると、フライホイール60の外周から径方向内側に向かう潤滑オイル15の流速が上がるので、フライホイール60の回転遠心力による潤滑オイル15の他の方向への飛び出しを低減すると共に、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面を潤滑する潤滑オイル15の流量を増加させ、結果的に、クラッチディスクアッセンブリ4の摩擦面の潤滑を一層確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリ4の摩耗寿命を延長することができる。
【0053】
又、第四例によれば、第三例と略同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
尚、本発明のオイルスプレークラッチは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のオイルスプレークラッチによれば、フライホイールの掻上手段によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げてクラッチディスクアッセンブリの摩擦面を潤滑するので、オイルポンプを駆動するような機械的ロスを低減してエンジンへの抵抗分を低減し、燃費の向上を図ることができる。又、フライホイールから潤滑オイルをクラッチディスクアッセンブリの摩擦面に流入させるので、クラッチディスクアッセンブリの摩擦面の潤滑を確実に行い、摩擦面の温度上昇を抑制してクラッチディスクアッセンブリの摩耗寿命を延長することができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の第一例の全体縦断面図である。
【図2】本発明を実施する形態の第一例における掻上手段を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明を実施する形態の第一例における掻上手段を拡大して示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV方向矢視図である。
【図5】本発明を実施する形態の第二例における掻上手段を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明を実施する形態の第二例における掻上手段を拡大して示す平面図である。
【図7】本発明を実施する形態の第三例における掻上手段を拡大して示す斜視図である。
【図8】本発明を実施する形態の第四例における掻上手段を拡大して示す斜視図である。
【図9】従来のオイルスプレークラッチの一例を表わす全体縦断面図である。
【図10】図9に示すフライホイールの周辺部の斜視図である。
【図11】図9に示すクラッチディスクアッセンブリの拡大縦断面図である。
【符号の説明】
4 クラッチディスクアッセンブリ
30 オイル溜め
31 フライホイール
33 ポット部
34 羽根部(掻上手段)
35 通路
40 羽根部(掻上手段)
41 フライホイール
43 通路
44 ポット部
50 フライホイール
51 ポット部
53 貫通路(掻上手段)
60 フライホイール
61 ポット部
63 貫通路(掻上手段)

Claims (2)

  1. クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる掻上手段を備え
    前記掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する羽根部であると共に、潤滑オイルの流れをフライホイールの外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイルの通路方向を、フライホイールの回転方向と逆向きに形成し、且つ潤滑オイルの通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くしたことを特徴とするオイルスプレークラッチ。
  2. クラッチディスクアッセンブリに隣接するフライホイールの下部をオイル溜めに浸すよう構成すると共に、前記フライホイールの外周でクラッチカバーを締結するポット部の間に、フライホイールの回転によりオイル溜めの潤滑オイルを掻き上げる掻上手段を備え、
    前記掻上手段が、ポット部の間に潤滑オイルの通路を形成する貫通路であると共に、潤滑オイルの流れをフライホイールの外周から径方向内側へ向かわせるよう、潤滑オイルの通路方向を、フライホイールの回転方向と逆向きに形成し、且つ掻上手段より形成される潤滑オイルの通路面積を外周から径方向内側に向かって狭くしたことを特徴とするオイルスプレークラッチ。
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