JP6956025B2 - プレッシャプレートおよびクラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーユニットのクラッチ装置のプレッシャプレートと、それを備えたクラッチ装置に関する。
一般に、内燃機関を備えたパワーユニットの湿式多板クラッチ装置において、クラッチアウタの回転でオイルを掻き上げて、クラッチ装置の潤滑、冷却を行うものでは、内燃機関の静止時にはパワーユニットケース内下方に溜まったオイルに、クラッチアウタ下部が浸る状態にある。
しかし、一旦内燃機関が起動し回転数が上がれば、オイルはオイルポンプによって各潤滑、冷却箇所に送られて、オイルレベルが下降し、また、クラッチアウタの回転による遠心力で外周側に飛散するので、クラッチ装置へのオイルの供給が十分でなくなるため、パワーユニットケース内に霧状、飛沫状となったオイルをクラッチカバー内面に捕捉し、クラッチ装置内部に導くことが行われる。
例えば、下記特許文献1には、クラッチカバーに付着した飛沫オイルを集めて、クラッチ押圧部材の中空部に吐出する構造が開示されている。
しかしながら、下記特許文献1に示されるものにおいては、クラッチカバーから延出するオイル供給部としての突出部が、プレッシャプレートの中央部の貫通孔を通り押圧部材の中空部内に挿入されることから、中空部の端は開放端となっているのでその開放端からオイルが排出され、貫通孔の外端部から流出してしまうことがある。
特開平2011−163425号公報(図2)
本発明は、上記のごとき従来技術に鑑みなされたものであり、プレッシャプレートの貫通孔に供給されたオイルをクラッチ装置内側に供給可能とし、且つ、反対側の貫通孔の外端部から排出されてしまうことを抑制することができるクラッチ装置のプレッシャプレートとそれを備えたクラッチ装置を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、
摩擦ディスクを相互回転不能且つクラッチ軸芯方向に摺動自在に支持するクラッチアウタと、クラッチディスクを相互回転不能且つクラッチ軸芯方向に摺動自在に支持するクラッチセンタとを有するクラッチ装置のプレッシャプレートであって、前記クラッチセンタと係合するクラッチスプリングを収容する深穴部がクラッチ装置内側に形成されたプレッシャプレートにおいて、
クラッチ軸芯方向にクラッチ装置内側とクラッチ装置外側とを貫通し、クラッチ装置外側からオイルが供給される貫通孔を中央に有し、同貫通孔の内端部側に同貫通孔からラジアル方向に沿って延びるラジアル通路を備えて同貫通孔の内外が連通し、同貫通孔の外端部の内周面に貫通孔中心へ向けて環状リブが突設され、
前記ラジアル通路は、前記プレッシャプレートの前記貫通孔の内端部の開口周囲端面にラジアル方向に沿って設けられたラジアル溝と前記開口周囲端面に当接するワッシャとで形成されたことを特徴とするプレッシャプレートである
上記、本発明のプレッシャプレートによれば、
プレッシャプレートの貫通孔にラジアル通路を設けたことで貫通孔内と深穴部の位置するクラッチ装置内側とを連通し、貫通孔に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路経由クラッチ装置内側に供給可能とし、且つ、ラジアル通路を設けた貫通孔周辺は環状リブで補強することができる。また、環状リブは貫通孔内に供給されたオイルがクラッチ装置内側と反対側の貫通孔の外端部から排出されてしまうことを抑制することができる。
そして、プレッシャプレートに加工を加えるだけで、部品点数を増やすことなく油路としてのラジアル通路を形成できる。
上記の目的を達成するために、他の本発明は、
摩擦ディスクを相互回転不能且つクラッチ軸芯方向に摺動自在に支持するクラッチアウタと、クラッチディスクを相互回転不能且つクラッチ軸芯方向に摺動自在に支持するクラッチセンタとを有するクラッチ装置のプレッシャプレートであって、前記クラッチセンタと係合するクラッチスプリングを収容する深穴部がクラッチ装置内側に形成されたプレッシャプレートにおいて、
クラッチ軸芯方向にクラッチ装置内側とクラッチ装置外側とを貫通し、クラッチ装置外側からオイルが供給される貫通孔を中央に有し、同貫通孔の内端部側に同貫通孔からラジアル方向に沿って延びるラジアル通路を備えて同貫通孔の内外が連通し、同貫通孔の外端部の内周面に貫通孔中心へ向けて環状リブが突設され、
前記プレッシャプレートは、前記貫通孔と前記環状リブを備えた中央部品と、同中央部品を嵌装する嵌装孔をプレッシャプレートの中心線に沿って備えるとともに前記深穴部が形成された外周部品とからなり、前記中央部品は、前記貫通孔と同心の円筒面をなし前記嵌装孔に圧入される円筒部と、前記円筒面を削ったように切り欠いた切欠き部とを有し、前記ラジアル通路は、前記貫通孔と前記切欠き部とを連通するラジアル孔で形成されたことを特徴とするプレッシャプレートである
上記、他の本発明のプレッシャプレートによれば、
プレッシャプレートの貫通孔にラジアル通路を設けたことで貫通孔内と深穴部の位置するクラッチ装置内側とを連通し、貫通孔に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路経由クラッチ装置内側に供給可能とし、且つ、ラジアル通路を設けた貫通孔周辺は環状リブで補強することができる。また、環状リブは貫通孔内に供給されたオイルがクラッチ装置内側と反対側の貫通孔の外端部から排出されてしまうことを抑制することができる。
そして、ラジアル通路を小さい部品となる中央部品に穿孔加工で形成したことで加工を容易とし、且つ、ラジアル通路の遠心力方向の出口に挿通孔との間に切欠き部による容量の大きな空間を形成することができ、貫通孔からラジアル通路を介して外周方向へオイルを排出し易くでき、貫通孔に供給されたオイルを深穴部側に供給容易となる。また、プレッシャプレートを、中央部品と外周部品とに分割したので、環状リブやラジアル通路の位置の設定の自由度が高くなる。
また、本発明は、前記いずれかの構成のプレッシャプレートを備え、前記プレッシャプレートに対するオイル供給部は、前記貫通孔内において、前記環状リブよりも同貫通孔の内端部側に配置されたことを特徴とするクラッチ装置である。
上記構成のクラッチ装置によれば、
環状リブで、貫通孔の外端部からのオイルの排出を抑制し、且つ、深穴部およびクラッチディスク、摩擦ディスクにオイルを供給し易くなる。
前記構成のクラッチ装置において、
前記貫通孔の内端部の開口周囲端面には、ワッシャおよびベアリングを介してプレッシャプレートを押圧する押圧部材が配置され、同押圧部材の外端部は、クラッチ軸芯方向で前記環状リブより前記貫通孔の内端部側に位置し、かつ、前記環状リブの内径は、前記押圧部材の外端部の外周径よりも小さくしてもよい。
その構成によれば、
クラッチ軸芯方向で押圧部材の外端部と干渉しない位置に環状リブを配置することで、環状リブの貫通孔中心に向けた突出量を大きくすることができ、貫通孔の外端部からのオイルの排出をより抑制できる。
上記、本発明のプレッシャプレートによれば、
プレッシャプレートの貫通孔にラジアル通路を設けたことで貫通孔内と深穴部の位置するクラッチ装置内側とを連通し、貫通孔に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路経由クラッチ装置内側に供給可能とし、且つ、ラジアル通路を設けた貫通孔周辺は環状リブで補強することができる。また、環状リブは貫通孔内に供給されたオイルがクラッチ装置内側と反対側の貫通孔の外端部から排出されてしまうことを抑制することができる
そして、プレッシャプレートに加工を加えるだけで、部品点数を増やすことなく油路としてのラジアル通路を形成できる。
上記、他の本発明のプレッシャプレートによれば、
プレッシャプレートの貫通孔にラジアル通路を設けたことで貫通孔内と深穴部の位置するクラッチ装置内側とを連通し、貫通孔に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路経由クラッチ装置内側に供給可能とし、且つ、ラジアル通路を設けた貫通孔周辺は環状リブで補強することができる。また、環状リブは貫通孔内に供給されたオイルがクラッチ装置内側と反対側の貫通孔の外端部から排出されてしまうことを抑制することができる。
そして、ラジアル通路を小さい部品となる中央部品に穿孔加工で形成したことで加工を容易とし、且つ、ラジアル通路の遠心力方向の出口に挿通孔との間に切欠き部による容量の大きな空間を形成することができ、貫通孔からラジアル通路を介して外周方向へオイルを排出し易くでき、貫通孔に供給されたオイルを深穴部側に供給容易となる。また、プレッシャプレートを、中央部品と外周部品とに分割したので、環状リブやラジアル通路の位置の設定の自由度が高くなる。
また、本発明のクラッチ装置によれば、
環状リブで、貫通孔の外端部からのオイルの排出を抑制し、且つ、深穴部およびクラッチディスク、摩擦ディスクにオイルを供給し易くなる。
本発明の実施形態1に係るクラッチ装置の、隣接する変速機等の一部を加えて示す断面図である。 実施形態1のクラッチ装置の要部拡大断面図である。 図1中III−III矢視により、クラッチカバーのみを示す、クラッチカバー内面図である。 図2中のプレッシャプレートのみを取出して示す、プレッシャプレートの縦断面図である。 図4中V−V矢視による、プレッシャプレートの中央部の内側面図である。 実施形態2のクラッチ装置の要部拡大断面図である。 図6中のプレッシャプレートのみを取出して示す、プレッシャプレートの縦断面図である。 図7中VIII−VIII矢視による、プレッシャプレートの中央部品の内側面図である。
図1から図5に基づき、本発明の実施形態1に係るクラッチ装置1とそのプレッシャプレート20につき説明する。
なお、本実施形態のクラッチ装置1は、自動二輪車やバギー等に搭載される、内燃機関を備えたパワーユニット50に設けられた湿式多板クラッチ装置であるが、本発明は搭載する車両、パワーユニットの用途を限定するものではなく、据え置き用のパワーユニットにおいて適用することを除外するものでもない。また、パワーユニットを構成する内燃機関の種類、気筒数等を限定するものでもない。
なお、図において、「LH」、「RH」、「UP」と記載した矢印は、車載時のパワーユニット50の配置において、車両進行方向に見て、それぞれ左方向、右方向、上方向を示す。また、各機器、部材上に記入した小矢印は、潤滑、冷却用のオイルの流れ方向を、模式的に示すものである。
以上のことは、後述の実施形態2においても同様である。
図1は、車載時、クランク軸2の軸芯Xおよびメイン軸4の軸芯Yが平行に、略水平に配向されるパワーユニット50におけるクラッチ装置1を、隣接する変速機3等の一部を加えて示す断面図である。
本実施形態においてメイン軸4は、車幅方向(図示左右方向)に指向して配置されるが、本発明はメイン軸が車両進行方向に配置されたものにでも適用できる。
また、図1に示す実施形態1において、クラッチ装置1は、全容を図示しないパワーユニット50の左右パワーユニットケース51L、51Rに軸支されたクランク軸2から、左右パワーユニットケース51L、51R内に備えられた変速機3のメイン軸4へ向かう回転動力伝達経路上に配置され、変速機3のメイン軸4は、クランク軸2上に配設されたプライマリドライブギア5から、クラッチ装置1を介して、クランク軸2の回転動力を伝達されるように構成されている。
また、クラッチ装置1は、右パワーユニットケース51Rに取り付けられた右クランクケースカバー52Rの開口部53において、右クランクケース51Rより右方(図示右方)に突出したメイン軸4に取付けられ、開口部53は、クラッチ装置1の外側を覆うクラッチカバー60で塞がれている。
クラッチ装置1は、運転者の変速操作に応じて、変速機3のギア切換え中にはクランク軸2の回転動力を変速機3のメイン軸4に伝達せず、ギア切換えが終了するとともに回転動力をメイン軸4に伝達する。
変速機3は、クランク軸2と平行に配置され左右パワーユニットケース51L、51Rに軸支されたメイン軸4とカウンタ軸6とを備え、両軸4、6は、それぞれのギア群4a、6aを、ギア切換えに即して作動、連結される。カウンタ軸6はパワーユニット50の出力軸となっている。
以下、実施形態1のクラッチ装置1の要部拡大断面図である図2を参照して、実施形態1のクラッチ装置1を説明する。
クラッチ装置1は、変速機3のメイン軸4に回転自在に支承される有底円筒状のクラッチアウタ7を備えており、クラッチアウタ7の底部外側(図示左側)に、クランク軸2に嵌装されたプライマリドライブギア5と噛合するプライマリドリブンギア8が取り付けられる。そして、比較的小径のプライマリドライブギア5と、プライマリドライブギア5よりも大きい径のプライマリドリブンギア8とから、1次減速装置が構成される。
したがって、クラッチ装置1の軸芯(クラッチ軸芯)は、メイン軸4の軸芯Yと同じである。
クラッチアウタ7の内側には、メイン軸4にスプライン嵌合してナット9で固着される有底円筒状のクラッチセンタ10が配設されている。クラッチセンタ10の周壁部10aの外周側に、相互回転不能且つクラッチ軸芯Y方向摺動可能に、複数枚のクラッチディスク11が支持されている。
また、クラッチアウタ7の周壁部7aの内周側には、相互回転不能且つクラッチ軸芯Y方向摺動可能に、複数枚の摩擦ディスク12が支持され、クラッチディスク11とクラッチ軸芯Y方向に交互に重ねられている。
これらのクラッチディスク11と摩擦ディスク12とのうち最も外側(図示右側)に位置する摩擦ディスク12には、プレッシャプレート20が当接して設けられ、クラッチセンタ10の受圧部10bと協働して、クラッチディスク11と摩擦ディスク12とを挟持している。
クラッチセンタ10の環状平板部10cにはプレッシャプレート20側に向けて複数個の突出部13(図1、2中には1個のみ示される)が形成され、突出部13の先端中心にはねじ孔13aが設けてある。
一方、プレッシャプレート20には、クラッチセンタ10の環状平板部10c側に向けて凹む複数個の深穴部21(図1、2中には1個のみ示される)が設けられ、深穴部21の底部22には挿通孔23が設けてある。
突出部13は、プレッシャプレート20の深穴部21の挿通孔23に挿通されて、深穴部21内へ突出している。突出部13のねじ孔13aに螺着されたボルト14で固定されたワッシャ15と、プレッシャプレート20の深穴部21の底部22に形成される坐面22aとの間に、クラッチスプリング(コイルばね)24が縮設される。
また、クラッチセンタ10の周壁部10aには、その内周側と外周側とを連通する連通孔16が複数、穿設されている。
プレッシャプレート20は、クラッチスプリング24によって内方(図示左方)に押圧されるので、クラッチディスク11と摩擦ディスク12とをクラッチセンタ10の受圧部10aの方へ押し、クラッチ装置1を接続するよう常に付勢される。
プレッシャプレート20の押圧力で、クラッチディスク11と摩擦ディスク12とは互いに摩擦係合し、クラッチアウタ9の回転力がクラッチセンタ10に伝達され、クラッチセンタ10の回転に応じてメイン軸4が一体回転する。
メイン軸4には軸芯Yと同芯に中空孔40が設けられ、クラッチ作動軸41が挿通されている。中空孔40のクラッチ装置1側(図示右側)の端部にはメイン軸4端に開口するシリンダ状の拡孔部42が設けられ、拡孔部42には、押圧部材43が軸方向摺動自在に挿入されている。
押圧部材43には、拡孔部42に挿入された側に、挿入された状態で軸芯Yと同芯となる嵌合穴44が設けられ、クラッチ作動軸41のクラッチ装置1側(図示右側)の端部が挿入嵌装される。クラッチ作動軸41の図示しない他端(図示左端)は、図示しないクラッチ操作機構に連結されている。
押圧部材43の、嵌合穴44と反対側の外端部43aには、嵌合穴44と同芯にオイル受け穴45が穿設されて開口している。オイル受け穴45の底部は、嵌合穴44とは連通せず、垂直に設けられたオイル出し孔45aで押圧部材43の側面に開口する。
また、押圧部材43のオイル受け穴45を設けた外側面には、側面周囲を軸芯Y周りに囲むようにフランジ部46が凸設されている。
一方、プレッシャプレート20は、クラッチ装置1に組付けられた状態において、その中心軸Y′が、クラッチ軸芯Yと実質的に同じく位置し、その中心部に中心軸Y′方向に貫通する貫通孔30を有する。
その状態で、押圧部材43のフランジ部46より外方に延出する外端部43aは、プレッシャプレート20の貫通孔30内に位置するとともに、フランジ部46が、プレッシャプレート20の貫通孔30の内端部30aの開口周囲端面31に、外端部43aに装着されたベアリング47とワッシャ48を介して当接している。外端部43aのワッシャ48より外方には止めリング49が装着されている。
なお、ワッシャ48は、外端部43aに装着されベアリング47側と反対側に開口周囲端面31に当接する平面部を有する部材であれば、通常のドーナツ形状の環状円板材に限定されない。
クラッチ作動軸41が、図示していないクラッチ操作機構によって、軸方向外方(矢印Pの方向。軸芯Y方向の図示右方)へ押されると、クラッチ作動軸41は、押圧部材43とベアリング47とワッシャ48を介してプレッシャプレート20をクラッチ外方(軸芯Y方向の図示右方)へ押す。
プレッシャプレート20が、クラッチスプリング24の付勢力に抗してクラッチ外方へ移動すると、クラッチディスク11と摩擦ディスク12に対するプレッシャプレート20の押圧力が減少し、クラッチディスク11と摩擦ディスク12の間の摩擦係合が解除される。この時、クラッチアウタ7の回転力はクラッチセンタ10に伝達されなくなり、クラッチ装置1が遮断状態となる。
次に、クラッチ操作機構によるクラッチ外方への押圧力が解除されると、クラッチスプリング24によって、プレッシャプレート20は押圧部材43とクラッチ作動軸41を押し戻して、クラッチ内方(軸芯Y方向の図示左方)へ移動するので、クラッチディスク11と摩擦ディスク12に対するプレッシャプレート20の押圧力が回復し、クラッチ装置1は接続状態に戻る。
クラッチカバー60は、右パワーユニットケースカバー52Rの開口部53において、クラッチ装置1の外側を覆っているが、図1中III−III矢視により、クラッチカバー60のみを示す、クラッチカバー60の内面図である図3にも示されるように、組付けられた状態で、その内面61に、クラッチ軸芯Yと重なる中心部Oから外周上方に向かって延出するリブ62が設けられている。
リブ62の下方端は、クラッチカバー60の中心部Oにおいて、プレッシャプレート20側に向けて突出する突出樋部63を形成しており、突出樋部63は上方が開いた樋状をなしている。
突出樋部63はその先端63aが、プレッシャプレート20に対するオイル供給部64となっており、プレッシャプレート20の中心部に設けられた貫通孔30内に突出して位置する。
したがって、突出樋部63の先端63aは、貫通孔30内に位置する押圧部材43の外端部43aに設けられたオイル受け穴45の端部開口内にまで挿入されている。
以下、プレッシャプレート20につき、図2、および図2中のプレッシャプレート20のみを取出して示す、プレッシャプレート20の縦断面図である図4を参照して説明する。
プレッシャプレート20にはクラッチ装置1内側に、上述のようにクラッチセンタ10と係合するクラッチスプリング24を収容する深穴部21が形成される。
本実施形態の深穴部21は、プレッシャプレート20の全周で4箇所設けられ(図4には1箇所を示す)、それらの円筒軸芯Zは、プレッシャプレート20をその中心軸Y′方向に見て、中心軸Y′周りの同一円上に配置されている。
深穴部21は、クラッチスプリング24を受ける坐面22aをなす底部22と、一部がクラッチ軸芯Yと平行な円筒軸芯Zを有する円筒形状をなしてその内面側25aをクラッチ軸芯Y側に向けた壁部25とで構成されるが、壁部25は、クラッチ軸芯Y側の一部分が開口する切欠き部26を有している。
また、深穴部21は、クラッチスプリング24を、壁部25の内面側25aに収容するとともに、壁部25の内面側25aと外面側25bとを連通する連通部27を備えている。
連通部27は、底部22から、深穴部21の円筒軸芯Zと平行な中心線Wをもってその方向に壁部25に延出して形成される。したがって、連通部27は、プレッシャプレート20を製造する際に、深穴部21等と一体に鋳抜きによって形成できる。
プレッシャプレート20の中心軸Y′は、組付けられた状態で、公差分や組立て上のクリアランス等を除けば、メイン軸4の軸芯、すなわちクラッチ軸芯Yと略同芯である。
プレッシャプレート20の中心部には、クラッチ軸芯Y方向にクラッチ装置1内側とクラッチ装置1外側とを貫通する貫通孔30が設けられ、その内端部側の開口周囲端面31は、上述のように、ワッシャ48とベアリング47を介して押圧部材43のフランジ部46と当接する。
以上のような本実施形態のクラッチ装置1によれば、パワーユニット50の内燃機関の起動時には、クラッチアウタ7がオイルを掻き上げるが、内燃機関の回転数が上がれば、クラッチ装置1へのオイル供給は主に、霧状、飛沫状となったオイルをクラッチカバー60の内面61で捕捉し、特に、クラッチディスク11、摩擦ディスク12に導くことで行われる。
図2、図3を参照して説明すると、霧状、飛沫状となったオイルは、クラッチカバー60の内面61で捕捉され、クラッチ軸芯Yから外周上方に向かって延出するリブ62によって導かれて、その下方端に設けられた突出樋部63へ集められ、プレッシャプレート20へのオイル供給部64となる突出樋部63の先端63aが突出して位置するプレッシャプレート20の中心部の貫通孔30内に流入する。
すなわち、プレッシャプレート20は、クラッチ装置1外側からオイルが供給される貫通孔30を中央に有している。
貫通孔30に供給されたオイルは、貫通孔30内に挿入されている押圧部材43のオイル受け穴45内に供給され、クラッチセンタ10、プレッシャプレート20とともに回転している押圧部材43による遠心力で、オイル出し穴45aから、深穴部21側であるプレッシャプレート20とクラッチセンタ10との間の空間にラジアル方向に流出する。
深穴部21の壁部25は、クラッチ軸芯Y側の一部分が開口する切欠き部26を有しているので、オイル出し穴45aからラジアル方向に流出したオイルの一部は、切欠き部26から深穴部21内に流れ込み、他の一部は深穴部21をかわしてクラッチセンタ10の周壁部10aの内周側に至る。
周壁部10aには、その内周側と外周側とを連通する連通孔16が複数、穿設されているので、オイルは、回転している周壁部10aによる遠心力で、連通孔16を通って、クラッチディスク11、摩擦ディスク12に至る。あるいは、周壁部10aの縁部から、クラッチディスク11、摩擦ディスク12に至る。
一方、深穴部21に流入したオイルに関しては、深穴部21の壁部25の一部が、クラッチ軸芯Yと平行な円筒軸芯Zを有する円筒形状をなしてその内面側25aをクラッチ軸芯Y側に向けているが、図2、図4に示されるように、本実施形態の深穴部21においては、壁部25の内面側25aと外面側25bとを連通する連通部27を備えているので、深穴部21に入ったオイルは、壁部25の内面側25aに溜まることなく、プレッシャプレート20の回転による遠心力で連通部27から外面側25bに容易に排出される。
排出されたオイルは、クラッチセンタ10の周壁部10aの連通孔16を通って、あるいは、周壁部10aの縁部から、クラッチディスク11、摩擦ディスク12に至り、潤滑、冷却に供される。
その結果、深穴部21周辺の摩擦ディスク12とクラッチディスク11の潤滑性および冷却性が向上してディスク滑り寿命が向上し、オイルの循環性が向上してオイルの有効利用がなされる。
しかしながら、クラッチカバー60側から延出するオイル供給部64がプレッシャプレート20の貫通孔30内に突入し、さらに押圧部材43のオイル受け穴45内に位置することから、押圧部材43のオイル受け穴45は開放端となっているので、貫通孔30内に供給されたオイルの一部は、その開放端から排出され、回転しているプレッシャプレート20による遠心力で、貫通孔30の外端部30bから流出してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態のプレッシャプレート20においては、貫通孔30内に供給されたオイルの貫通孔30の外端部30bからの流出を抑制し、クラッチ装置1内側へのオイル供給を更に促す構成を備えている。
すなわち、図4中V−V矢視による、プレッシャプレート20の中央部の内側面図である図5にも示されるように、本実施形態では、プレッシャプレート20の貫通孔30の内端部30aの開口周囲端面31にラジアル方向に沿ってラジアル溝32が複数設けられており、押圧部材43によってベアリング47を介して開口周囲端面31に当接するワッシャ48との間に油路としてのラジアル通路33が形成されている。
そのため、貫通孔30の内端部30a側に、貫通孔30からラジアル方向に沿って延びる油路としてのラジアル通路33が備えられることになり、貫通孔30の内外が連通し、貫通孔30内と深穴部21の位置するクラッチ装置1内側とが連通するので、貫通孔30に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路33経由クラッチ装置1内側に供給可能となり、摩擦ディスク12とクラッチディスク11の潤滑性および冷却性がより向上している。
なお、ラジアル溝32、ラジアル通路33は、図4、図5に示されるように半径方向に直線的に設けられたものに限らず、屈曲部を有したり、半径方向に対し傾きを有したりしてもよい。
それに加えて、貫通孔30の外端部30bの内周面に貫通孔30中心、すなわちプレッシャプレート20中心へ向けて環状リブ34が突設されている。環状リブ34によって、貫通孔30内に供給されたオイルが、クラッチ装置1内側と反対側の貫通孔30の外端部30bから排出されてしまうことを抑制することができる。
なお、環状リブ34は、貫通孔30の内周面に対して均一の高さでなくてもよく、全周欠けることなく設けたものでなくてもよい。このことは、実施形態2において同様である。
また、環状リブ34によって、ラジアル通路33を形成するためにラジアル溝32が複数設けられた貫通孔30周囲の強度が、補強されている。
また、ラジアル通路33が、プレッシャプレート20の貫通孔30の開口周囲端面31にラジアル溝32を設けるだけで形成されたので、プレッシャプレート20に加工を加えるだけで、部品点数を増やすことなく油路としてのラジアル通路33を形成できるものとなっている。
図2に示されるように、プレッシャプレート20に対するオイル供給部64は、貫通孔30内において、環状リブ34よりも貫通孔30の内端部30a側に配置されており、そのため、環状リブ34で、貫通孔30の外端部30bからのオイルの排出を抑制し、且つ、深穴部21およびクラッチディスク11、摩擦ディスク12等にオイルを供給し易くなっている。
また、貫通孔30の内端部30aの開口周囲端面31には、ワッシャ48およびベアリング47を介してプレッシャプレート20を押圧する押圧部材43が配置され、押圧部材43の外端部43aは、クラッチ軸芯Y方向で環状リブ34より貫通孔30の内端部30a側に位置し、かつ、環状リブ34の内径は、押圧部材43の外端部43aの外周径よりも小さく設定されている。
そのため、クラッチ軸芯Y方向で、押圧部材43の外端部43aと干渉しない位置に環状リブ34を配置することで、環状リブ34の貫通孔30中心に向けた突出量を大きくすることができ、貫通孔30の外端部30bからのオイルの排出をより抑制できるように設定されている。
また、深穴部21の壁部25の内面側25aには切欠き溝25cが、円筒軸芯Z方向に設けられており、深穴部21内に溜まるオイルが増やされ、オイルの潤滑流の円滑化が図られている。切欠き溝25cは、図示のように連通部27側に向けて徐々に深く形成されてもよく、壁部25の内面側25aに平行に均一深さに形成されてもよい。さらには、切欠き溝25cを繋げて、壁部25の内面側25aの周方向に一様の切欠き面としてもよい。このことは、実施形態2において同様である。
図6から図8に基づき、本発明の実施形態2に係るクラッチ装置101とそのプレッシャプレート120につき説明する
なお、実施形態2のプレッシャプレート120とクラッチ装置101は、プレッシャプレート120の構成が、実施形態1のプレッシャプレート20と異なるほかは同様の構成であり、実施形態1と同様の機能、配置の構成部分には実施形態1と同じ符号を付して説明を省略し、同様の構成部分だが異なる機能または配置の構成部分には実施形態1と下二桁を同じくした100番台の符号を付し、実施形態2特有の構成部分には適宜の100番台の符号を付し、実施形態1と異なる点を主に説明する。
図1は、プレッシャプレート120が異なる以外は、実施形態2においても参照される。
また、図3は、実施形態2においても参照される。
図6は、図2同様に、実施形態2のクラッチ装置101の要部拡大断面図である。
図7は、図6中のプレッシャプレート120のみを取出して示す、プレッシャプレート120の縦断面図である。
図8は、図7中VIII−VIII矢視による、プレッシャプレート120の中央部品120aの内側面図である。
図6から図8に示すように、本実施形態2のプレッシャプレート120は、貫通孔30と環状リブ34を備えた中央部品120aと、中央部品120aを嵌装する嵌装孔180をプレッシャプレート120の中心線Y′、すなわちクラッチ軸芯Yに沿って備えるとともに深穴部21が形成された外周部品120bとからなっている。
外周部品120bの嵌装孔180の外端部180aには、内周側に突出する係止リブ181が形成され、嵌装される中央部品120aのクラッチ装置1外側方向の位置を規定するとともに、押圧部材43による押圧を確実にプレッシャプレート120に伝えるものとしている。
中央部品120aは、貫通孔30と同心となる円筒面170aをなし外周部品120bの嵌装孔180に圧入される円筒部170と、円筒部170の円筒面170aを平面に削ったように切り欠いた切欠き部171とを有している。
また、貫通孔30と切欠き部171とを連通するように穿孔されたラジアル孔132で、油路としてのラジアル通路133が形成されている。
したがって、中央部品120aが外周部品120bの嵌装孔180に嵌合された状態で、プレッシャプレート120には、貫通孔30の内端部30a側に貫通孔30からラジアル方向に沿って延びる油路としてのラジアル通路133が形成され、切欠き部171と嵌装孔180との間に形成される空間182経由、貫通孔30の内外が連通する。
そのため、貫通孔30内と、深穴部21の位置するクラッチ装置1内側とが連通し、貫通孔30に供給されたオイルを遠心力によりラジアル通路133経由クラッチ装置1内側に供給可能となり、十分な給油によって摩擦ディスク12とクラッチディスク11の潤滑性および冷却性がより向上する。
なお、ラジアル孔132、ラジアル通路133は、図7、図8に示されるように半径方向に直線的に設けられたものに限らず、屈曲部を有したり、半径方向に対し傾きを有したりしてもよい。
本実施形態のプレッシャプレート120は、ラジアル通路133を小さい部品となる中央部品120aにラジアル孔132を穿孔して形成したことで加工を容易とし、且つ、ラジアル通路133の遠心力方向の出口に切欠き部171による容量の大きな空間182を形成することができ、貫通孔30からラジアル通路133を介して外周方向へオイルを排出し易くでき、貫通孔30に供給されたオイルを深穴部21側に供給容易となる。
また、プレッシャプレート120を、中央部品120aと外周部品120bとに分割したので、環状リブ34やラジアル通路133の位置の設定の自由度が高くなっている。
本実施形態2においても、その他の構成は、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明を上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態で示された態様に限定されることはなく、その要旨の範囲で多様な形態の実施を含むものである。
また、説明の便宜上、実施形態1、実施形態2で示す左右配置で説明したが、左右配置が異なるプレッシャプレート、クラッチ装置も本発明に含まれることは勿論である。
1…クラッチ装置、2…クランク軸、3…変速機、4…メイン軸、6…カウンタ軸、7…クラッチアウタ、7a…周壁部、10…クラッチセンタ、10a…周壁部、10b…受圧部、11…クラッチディスク、12…摩擦ディスク、13…突出部、16…連通孔、20…プレッシャプレート、21…深穴部、23…挿通孔、24…クラッチスプリング、25…壁部、26…切欠き部、27…連通部、30…貫通孔、30a…内端部、30b…外端部、31…開口周囲端面、32…ラジアル溝、33…ラジアル通路、34…環状リブ、40…中空孔、41…クラッチ作動軸、42…拡孔部
、43…押圧部材、43a…外端部、44…嵌合穴、45…オイル受け穴、45a…オイル出し孔、46…フランジ部、47…ベアリング、48…ワッシャ、60…クラッチカバー、61…内面、62…リブ、63…突出樋部、63a…先端、64…オイル供給部、101…クラッチ装置、120…プレッシャプレート、120a…中央部品、120b…外周部品、132…ラジアル孔、133…ラジアル通路、170…円筒部、170a…円筒面、171…切欠き部、180…嵌装孔、180a…外端部、181…係止リブ、182…空間、O…(クラッチカバーの)中心部、X…クランク軸芯、Y…クラッチ軸芯、(メイン軸の)軸芯、Y′…(プレッシャプレートの)中心軸、Z…(深穴部の)円筒軸芯

Claims (4)

  1. 摩擦ディスク(12)を相互回転不能且つクラッチ軸芯(Y)方向に摺動自在に支持するクラッチアウタ(7)と、クラッチディスク(11)を相互回転不能且つクラッチ軸芯(Y)方向に摺動自在に支持するクラッチセンタ(10)とを有するクラッチ装置(1)のプレッシャプレート(20)であって、前記クラッチセンタ(10)と係合するクラッチスプリング(24)を収容する深穴部(21)がクラッチ装置内側に形成されたプレッシャプレート(20)において、
    クラッチ軸芯(Y)方向にクラッチ装置内側とクラッチ装置外側とを貫通し、クラッチ装置外側からオイルが供給される貫通孔(30)を中央に有し、同貫通孔(30)の内端部(30a)側に同貫通孔(30)からラジアル方向に沿って延びるラジアル通路(33)を備えて同貫通孔(30)の内外が連通し、同貫通孔(30)の外端部(30b)の内周面に貫通孔(30)中心へ向けて環状リブ(34)が突設され、
    前記ラジアル通路(33)は、前記プレッシャプレート(20)の前記貫通孔(30)の内端部(30a)の開口周囲端面(31)にラジアル方向に沿って設けられたラジアル溝(32)と前記開口周囲端面(31)に当接するワッシャ(48)とで形成されることを特徴とするプレッシャプレート。
  2. 摩擦ディスク(12)を相互回転不能且つクラッチ軸芯(Y)方向に摺動自在に支持するクラッチアウタ(7)と、クラッチディスク(11)を相互回転不能且つクラッチ軸芯(Y)方向に摺動自在に支持するクラッチセンタ(10)とを有するクラッチ装置(101)のプレッシャプレート(120)であって、前記クラッチセンタ(10)と係合するクラッチスプリング(24)を収容する深穴部(21)がクラッチ装置内側に形成されたプレッシャプレート(120)において、
    クラッチ軸芯(Y)方向にクラッチ装置内側とクラッチ装置外側とを貫通し、クラッチ装置外側からオイルが供給される貫通孔(30)を中央に有し、同貫通孔(30)の内端部(30a)側に同貫通孔(30)からラジアル方向に沿って延びるラジアル通路(133)を備えて同貫通孔(30)の内外が連通し、同貫通孔(30)の外端部(30b)の内周面に貫通孔(30)中心へ向けて環状リブ(34)が突設され、
    前記プレッシャプレート(120)は、前記貫通孔(30)と前記環状リブ(34)を備えた中央部品(120a)と、同中央部品(120a)を嵌装する嵌装孔(180)を前記プレッシャプレート(120)の中心線(Y′)に沿って備えるとともに前記深穴部(21)が形成された外周部品(120b)とからなり、
    前記中央部品(120a)は、前記貫通孔(30)と同心の円筒面(170a)をなし前記嵌装孔(180)に圧入される円筒部(170)と、前記円筒面(170a)を削ったように切り欠いた切欠き部(171)とを有し、
    前記ラジアル通路(133)は、前記貫通孔(30)と前記切欠き部(171)とを連通するラジアル孔(132)で形成されたことを特徴とするプレッシャプレート。
  3. 請求項1または請求項に記載のプレッシャプレート(20,120)を備え、 前記プレッシャプレート(20,120)に対するオイル供給部(64)は、前記貫通孔(30)内において、前記環状リブ(34)よりも同貫通孔(30)の内端部(30a)側に配置されたことを特徴とするクラッチ装置。
  4. 前記貫通孔(30)の内端部(30a)の開口周囲端面(31)には、ワッシャ(48)およびベアリング(47)を介してプレッシャプレート(20,120)を押圧する押圧部材(43)が配置され、
    同押圧部材(43)の外端部(43a)は、クラッチ軸芯(Y)方向で前記環状リブ(34)より前記貫通孔(30)の内端部(30a)側に位置し、かつ、前記環状リブ(34)の内径は、前記押圧部材(43)の外端部(43a)の外周径よりも小さいことを特徴とする請求項に記載のクラッチ装置。
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