JP3937694B2 - アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 - Google Patents

アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部を、アミノチオール化合物で変性した、アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂が、フェノール化合物とケトンを反応させてビスフェノールを製造する反応の触媒として好適なことはよく知られている。スルホン酸型陽イオン交換樹脂は通常はナトリウム型で市販されているので、このアミノチオール変性陽イオン交換樹脂を製造するには、先ずナトリウム型のスルホン酸型陽イオン交換樹脂を塩酸などで処理して遊離型に転換する。次いでこの遊離型の樹脂をアミノチオール化合物の溶液で処理して、スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性する。この一連の操作は回分方式で行われる。そして得られたアミノチオール変性陽イオン交換樹脂は、液切りして保存するか又は水中に保存する。
【発明が解決しようとする課題】
アミノチオール変性陽イオン交換樹脂を触媒として用いるビスフェノールの製造は、通常はこの樹脂を充填した固定床反応器に、フェノール化合物とケトンを含む原料流体を連続的に流通させることにより行われる。アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の触媒活性は漸次低下するので、数ケ月ないしは20ケ月に一度程度の頻度で触媒の入れ替えが行われる。前述のように触媒として用いるアミノチオール変性陽イオン交換樹脂の調製は回分方式で行われるので、触媒は入れ替えに備えて少量づつ調製して保存しておくのが普通である。しかし本発明者らの検討によれば、水中に保存しておくと樹脂の変性率が低下すること、そしてその原因の一半は保存中にアミノチオール化合物が樹脂から脱離することによることが判明した。所定の変性率に調整してある触媒からアミノチオール化合物が脱離して変性率が低下すると、触媒は所期の性能を示さなくなる。従って本発明はアミノチオール変性陽イオン交換樹脂を水中に保存するに際し、アミノチオール化合物の脱離を抑制する方法を提供しようとするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂を、pH2〜7の水中に保存することにより、保存中におけるアミノチオール化合物の脱離を低減させることができる。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明でスルホン酸型陽イオン交換樹脂の変性に用いるアミノチオール化合物としては、2−アミノエタンチオールその他のアミノアルキルチオールや、2−(4−ピリジル)エタンチオールその他のω−ピリジルアルカンチオールをはじめ、従来からこの用途に用いる得ることが知られている任意のものを用いることができる。スルホン酸型陽イオン交換樹脂としては、最も一般的なスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を濃硫酸などのスルホン化剤でスルホン化したものを用いればよい。樹脂はゲル型でもポーラス型でもよい。所望ならばフェノール−ホルムアルデヒド共重合体のスルホン化物を用いることもできる。スルホン酸型陽イオン交換樹脂の交換容量は通常0.5〜6meq/gであるが、交換容量の大きいものを用いるのが好ましい。
【0005】
スルホン酸型陽イオン交換樹脂の変性は、先ず市場で入手したスルホン酸型陽イオン交換樹脂(ナトリウム型)を、希塩酸又は希硫酸で処理して遊離型に転換する。十分に水洗して酸を除去したのち、これを計算量のアミノチオール化合物を含む溶液で処理して、スルホン酸基の一部、通常は10〜40%をアミノチオール化合物で変性する。スルホン酸型陽イオン交換樹脂が均一に変性されるように、アミノチオール化合物はスルホン酸型陽イオン交換樹脂と樹脂全体に亘って均一に接触させるのが好ましい。次いで水洗して残存しているアミノチオール化合物を除去することにより、ビスフェノール製造用触媒として好適なアミノチオール変性陽イオン交換樹脂が得られる。
【0006】
本発明ではこのアミノチオール変性陽イオン交換樹脂をpH2〜7の水中に保存する。pHが2よりも小さい水中に保存したのでは、保存中にアミノチオール化合物が脱離してくる。これはスルホン酸基と結合しているアミノチオール化合物は、解離平衡に基づき一部が解離して水中に移るが、水のpHが2よりも小さいと、水中に移ったアミノチオール化合物が酸と塩を形成するので、樹脂からのアミノチオール化合物の解離が促進されるためと考えられる。また水のpHが7よりも大きくても、スルホン酸基と結合しているアミノチオール化合物は、水中のアルカリにより置換されて樹脂から脱離する。従ってアミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存に際しては、pH2〜7の水を用いると共に、保存中に樹脂から酸が溶出して水のpHが2よりも小さくならないようにする必要がある。そのためにはアミノチオール化合物で変性する前に樹脂を十分に洗浄して含まれている酸を低減させておくのが好ましい。また、長期の保存に際しては保存中に水のpHを測定して、pHが低下している場合には水を取換えるべきである。なお、水中の溶存酸素もアミノチオール変性陽イオン交換樹脂と反応して樹脂の変性率を低下させるので、樹脂は容器に充満させ、かつ容器を密封して保存するのが好ましい。容器に樹脂を充満させることにより樹脂に対する水の比率、従って樹脂に結合しているアミノチオール化合物に対する水中の溶存酸素の比率を低下させて溶存酸素の影響を緩和することができ、かつ密封することにより外部からの酸素の補給を遮断することができる。好ましくは窒素ガスによる曝気などにより溶存酸素を除去した水を用いて保存する。また保存温度が高いとアミノチオール化合物が脱離しやすいので、保存は室温ないしはそれ以下の低温で行うのが好ましい。
【0007】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜2及び比較例1
スルホン酸型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンは三菱化学社の登録商標)を希塩酸で処理して遊離型とし、十分に水洗した。これを交換容量の18%に相当する2−(4−ピリジル)エタンチオールを含む水溶液で処理して部分的に変性したのち水洗し、2−(4−ピリジル)エタンチオールで変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂を得た。
内容積250mlのポリエチレン製のびん型の容器に、上記で調製した2−(4−ピリジル)エタンチオール変性陽イオン交換樹脂30g(湿量基準)を入れ、純水に硫酸を添加して酸性とした水を加えて液封し、密栓して室温(約23℃)で90日間保存したのち、水のpHと溶解している窒素化合物を測定した。結果を表1に示す。なお、pHの測定は室温で行った。また窒素化合物の測定は全窒素計で行った。
【0008】
【表1】
Figure 0003937694
【0009】
比較例2
変性剤として2−(4−ピリジル)エタンチオールの代りに2−アミノエタンチオールを用いた以外は、実施例1と全く同様にして2−アミノエタンチオールで18%変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂を調製した。この変性陽イオン交換樹脂を用いた以外は比較例1と全く同様にして保存試験を行ったところ、水中には70ppmの窒素が溶解していた。

Claims (2)

  1. スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性した変性スルホン酸型陽イオン交換樹脂を、pH2〜7の水中に保存することを特徴とするアミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法。
  2. アミノチオール化合物がω−ピリジルアルカンチオールであり、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の10〜40%が変性されていることを特徴とする請求項1記載のアミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法。
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