JP2002001133A - アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 - Google Patents
アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法Info
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- JP2002001133A JP2002001133A JP2000184148A JP2000184148A JP2002001133A JP 2002001133 A JP2002001133 A JP 2002001133A JP 2000184148 A JP2000184148 A JP 2000184148A JP 2000184148 A JP2000184148 A JP 2000184148A JP 2002001133 A JP2002001133 A JP 2002001133A
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- aminothiol
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ビスフェノール製造用触媒である、スルホン
酸基の一部がアミノチオール化合物で変性された変性陽
イオン交換樹脂の保存中に、変性率が低下するのを抑制
する。 【解決手段】 変性陽イオン交換樹脂を、酸素透過度が
120ml/m2 ・atm・日以下の包装材で包装し密
封して保存する。
酸基の一部がアミノチオール化合物で変性された変性陽
イオン交換樹脂の保存中に、変性率が低下するのを抑制
する。 【解決手段】 変性陽イオン交換樹脂を、酸素透過度が
120ml/m2 ・atm・日以下の包装材で包装し密
封して保存する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルホン酸型陽イオ
ン交換樹脂のスルホン酸基の一部を、アミノチオール化
合物で変性した、アミノチオール変性陽イオン交換樹脂
の保存方法に関するものである。
ン交換樹脂のスルホン酸基の一部を、アミノチオール化
合物で変性した、アミノチオール変性陽イオン交換樹脂
の保存方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スルホン酸基の一部をアミノチオール化
合物で変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂が、フェ
ノール化合物とケトンを反応させてビスフェノールを製
造する反応の触媒として好適なことは、よく知られてい
る。スルホン酸型陽イオン交換樹脂は通常はナトリウム
型で市販されているので、これからアミノチオール変性
陽イオン交換樹脂を製造するには、先ず市場で入手した
樹脂を塩酸などで処理して遊離型に転換する。次いで、
この遊離型の樹脂をアミノチオール化合物の溶液で処理
して、スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変
性し、目的とするアミノチオール変性陽イオン交換樹脂
とする。この一連の操作は回分方式で行われる。得られ
たアミノチオール変性陽イオン交換樹脂は、通常のイオ
ン交換樹脂と同じく、水切りして保存するか又は水中に
保存する。
合物で変性したスルホン酸型陽イオン交換樹脂が、フェ
ノール化合物とケトンを反応させてビスフェノールを製
造する反応の触媒として好適なことは、よく知られてい
る。スルホン酸型陽イオン交換樹脂は通常はナトリウム
型で市販されているので、これからアミノチオール変性
陽イオン交換樹脂を製造するには、先ず市場で入手した
樹脂を塩酸などで処理して遊離型に転換する。次いで、
この遊離型の樹脂をアミノチオール化合物の溶液で処理
して、スルホン酸基の一部をアミノチオール化合物で変
性し、目的とするアミノチオール変性陽イオン交換樹脂
とする。この一連の操作は回分方式で行われる。得られ
たアミノチオール変性陽イオン交換樹脂は、通常のイオ
ン交換樹脂と同じく、水切りして保存するか又は水中に
保存する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アミノチオール変性陽
イオン交換樹脂を触媒とするビスフェノールの製造は、
通常はこの触媒を充填した固定床反応器に、フェノール
化合物とケトンを含む原料流体を連続的に流通させるこ
とにより行われる。アミノチオール変性陽イオン交換樹
脂の触媒活性は漸次低下するので、数ヶ月ないしは20
ヶ月に一度程度の頻度で触媒の入れ替えが行われる。前
述のように触媒として用いるアミノチオール変性陽イオ
ン交換樹脂の調製は回分方式で行われるので、触媒は入
れ替えに備えて、予め調製して保存しておくのが普通で
ある。しかし本発明者らの検討によると、湿潤状態で保
存すると、保存中にアミノチオール変性陽イオン交換樹
脂のチオール基が減少することが判明した。チオール基
が減少すると、アミノチオール変性陽イオン交換樹脂は
所期の触媒活性を示さなくなる。従って本発明は、アミ
ノチオール変性陽イオン交換樹脂を保存するに際し、チ
オール基の減少を抑制する方法を提供しようとするもの
である。
イオン交換樹脂を触媒とするビスフェノールの製造は、
通常はこの触媒を充填した固定床反応器に、フェノール
化合物とケトンを含む原料流体を連続的に流通させるこ
とにより行われる。アミノチオール変性陽イオン交換樹
脂の触媒活性は漸次低下するので、数ヶ月ないしは20
ヶ月に一度程度の頻度で触媒の入れ替えが行われる。前
述のように触媒として用いるアミノチオール変性陽イオ
ン交換樹脂の調製は回分方式で行われるので、触媒は入
れ替えに備えて、予め調製して保存しておくのが普通で
ある。しかし本発明者らの検討によると、湿潤状態で保
存すると、保存中にアミノチオール変性陽イオン交換樹
脂のチオール基が減少することが判明した。チオール基
が減少すると、アミノチオール変性陽イオン交換樹脂は
所期の触媒活性を示さなくなる。従って本発明は、アミ
ノチオール変性陽イオン交換樹脂を保存するに際し、チ
オール基の減少を抑制する方法を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、スルホ
ン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性した変性ス
ルホン酸型陽イオン交換樹脂を保存するに際し、酸素透
過度が120ml/m 2 ・atm・日以下の材質の包装
材で包装して密封して保存することにより、保存中にお
けるチオール基の減少を著しく抑制することができる。
ン酸基の一部をアミノチオール化合物で変性した変性ス
ルホン酸型陽イオン交換樹脂を保存するに際し、酸素透
過度が120ml/m 2 ・atm・日以下の材質の包装
材で包装して密封して保存することにより、保存中にお
けるチオール基の減少を著しく抑制することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でスルホン酸型陽イオン交
換樹脂の変性に用いるアミノチオール化合物としては、
2−アミノエタンチオールその他のアミノアルキルチオ
ールや、2−(4−ピリジル)エタンチオールその他の
ω−ピリジルアルカンチオールをはじめ、従来からこの
用途に用い得ることが知られている任意のものを用いる
ことができる。スルホン酸型陽イオン交換樹脂として
は、最も一般的なスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
を濃硫酸などのスルホン化剤でスルホン化したものを用
いればよい。樹脂はゲル型でもポーラス型でもよい。所
望ならばフェノール−ホルムアルデヒド共重合体のスル
ホン化物を用いることもできる。スルホン酸型陽イオン
交換樹脂の交換容量は通常は0.5〜6meq/gであ
るが、交換容量の大きいものを用いるのが好ましい。
換樹脂の変性に用いるアミノチオール化合物としては、
2−アミノエタンチオールその他のアミノアルキルチオ
ールや、2−(4−ピリジル)エタンチオールその他の
ω−ピリジルアルカンチオールをはじめ、従来からこの
用途に用い得ることが知られている任意のものを用いる
ことができる。スルホン酸型陽イオン交換樹脂として
は、最も一般的なスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
を濃硫酸などのスルホン化剤でスルホン化したものを用
いればよい。樹脂はゲル型でもポーラス型でもよい。所
望ならばフェノール−ホルムアルデヒド共重合体のスル
ホン化物を用いることもできる。スルホン酸型陽イオン
交換樹脂の交換容量は通常は0.5〜6meq/gであ
るが、交換容量の大きいものを用いるのが好ましい。
【0006】スルホン酸型陽イオン交換樹脂の変性は、
先ず市場で入手した樹脂(ナトリウム型)を希塩酸又は
希硫酸で処理して遊離型とする。十分に水洗して酸を除
去したのち、これを計算量のアミノチオール化合物を含
む溶液で処理して、スルホン酸基の一部、通常は10〜
40%をアミノチオール化合物で変性する。この際、樹
脂全体をアミノチオール化合物と均一に接触させて、樹
脂全体が均一に変性されるようにするのが好ましい。次
いで水洗して残存しているアミノチオール化合物を除去
することにより、ビスフェノール製造用触媒として好適
なアミノチオール変性陽イオン交換樹脂が得られる。
先ず市場で入手した樹脂(ナトリウム型)を希塩酸又は
希硫酸で処理して遊離型とする。十分に水洗して酸を除
去したのち、これを計算量のアミノチオール化合物を含
む溶液で処理して、スルホン酸基の一部、通常は10〜
40%をアミノチオール化合物で変性する。この際、樹
脂全体をアミノチオール化合物と均一に接触させて、樹
脂全体が均一に変性されるようにするのが好ましい。次
いで水洗して残存しているアミノチオール化合物を除去
することにより、ビスフェノール製造用触媒として好適
なアミノチオール変性陽イオン交換樹脂が得られる。
【0007】本発明ではこのアミノチオール変性陽イオ
ン交換樹脂を、通常は濾過などにより水切りした状態
で、酸素透過度が120ml/m2 ・atm・日以下の
包装材で包装し、密閉して保存する。これにより保存中
におけるチオール基の減少を抑制することができる。本
発明者らの検討によれば、アミノチオール変性陽イオン
交換樹脂の保存中におけるチオール基の減少は、チオー
ル基が酸素と反応して変化することに依る。従って酸素
透過度の小さい包装材で包装して、外部の酸素の影響を
遮断して密封状態で保存するならば、保存中におけるチ
オール基の減少を抑制することができる。包装材の酸素
透過度は小さいほど好ましく、透過度60ml/m2 ・
atm・日以下、特に10ml/m2 ・atm・日以下
のものを用いるのが好ましい。また、アミノチオール変
性陽イオン交換樹脂をこの包装材で包装するに際して
は、窒素ガス置換などにより包装物中の酸素を除去する
のが好ましい。保存は室温ないしはそれ以下の低温で行
うが好ましい。
ン交換樹脂を、通常は濾過などにより水切りした状態
で、酸素透過度が120ml/m2 ・atm・日以下の
包装材で包装し、密閉して保存する。これにより保存中
におけるチオール基の減少を抑制することができる。本
発明者らの検討によれば、アミノチオール変性陽イオン
交換樹脂の保存中におけるチオール基の減少は、チオー
ル基が酸素と反応して変化することに依る。従って酸素
透過度の小さい包装材で包装して、外部の酸素の影響を
遮断して密封状態で保存するならば、保存中におけるチ
オール基の減少を抑制することができる。包装材の酸素
透過度は小さいほど好ましく、透過度60ml/m2 ・
atm・日以下、特に10ml/m2 ・atm・日以下
のものを用いるのが好ましい。また、アミノチオール変
性陽イオン交換樹脂をこの包装材で包装するに際して
は、窒素ガス置換などにより包装物中の酸素を除去する
のが好ましい。保存は室温ないしはそれ以下の低温で行
うが好ましい。
【0008】
【実施例】以下に実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 スルホン酸型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK10
4、ダイヤイオンは三菱化学社の登録商標)を希塩酸で
処理して遊離型としたのち、十分に水洗して酸を除去し
た。これを2−(4−ピリジル)エタンチオールの水溶
液で処理したのち水洗・濾過して、変性率16.1%の
アミノチオール変性陽イオン交換樹脂を得た。
に説明する。 実施例1 スルホン酸型陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK10
4、ダイヤイオンは三菱化学社の登録商標)を希塩酸で
処理して遊離型としたのち、十分に水洗して酸を除去し
た。これを2−(4−ピリジル)エタンチオールの水溶
液で処理したのち水洗・濾過して、変性率16.1%の
アミノチオール変性陽イオン交換樹脂を得た。
【0009】このアミノチオール変性陽イオン交換樹脂
10gを、100mL容のポリエチレン容器に入れ、こ
の容器を窒素ガスで置換したのち合成樹脂フィルムで包
装し密封した。これを室内で3ヶ月間保存したのち、2
−(4−ピリジル)エタンチオールの量を測定した。結
果を表1に示す。なお表1には容器に栓をしただけでフ
ィルムで包装しなかった場合の結果も併記した。
10gを、100mL容のポリエチレン容器に入れ、こ
の容器を窒素ガスで置換したのち合成樹脂フィルムで包
装し密封した。これを室内で3ヶ月間保存したのち、2
−(4−ピリジル)エタンチオールの量を測定した。結
果を表1に示す。なお表1には容器に栓をしただけでフ
ィルムで包装しなかった場合の結果も併記した。
【0010】
【表1】
Claims (2)
- 【請求項1】 スルホン酸基の一部をアミノチオール化
合物で変性した変性スルホン酸型陽イオン交換樹脂を保
存するに際し、酸素透過度が120ml/m 2 ・atm
・日以下の材質の包装材で包装して密封して保存するこ
とを特徴とするアミノチオール変性陽イオン交換樹脂の
保存方法。 - 【請求項2】 アミノチオール化合物がω−ピリジルア
ルカンチオールであり、スルホン酸型陽イオン変換樹脂
のスルホン酸基の10〜40%が変性されていることを
特徴とする請求項1記載のアミノチオール変性陽イオン
交換樹脂の保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184148A JP2002001133A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184148A JP2002001133A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002001133A true JP2002001133A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18684625
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000184148A Pending JP2002001133A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | アミノチオール変性陽イオン交換樹脂の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002001133A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002045855A1 (fr) * | 2000-12-07 | 2002-06-13 | Mitsubishi Chemical Corporation | Procede de stockage de resine a echange cationique de type acide sulfonique modifie par aminothiol |
JP2016117523A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | オルガノ株式会社 | イオン交換樹脂の充填方法、イオン交換樹脂の充填装置、及びイオン交換樹脂の保管方法 |
-
2000
- 2000-06-20 JP JP2000184148A patent/JP2002001133A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002045855A1 (fr) * | 2000-12-07 | 2002-06-13 | Mitsubishi Chemical Corporation | Procede de stockage de resine a echange cationique de type acide sulfonique modifie par aminothiol |
US6696385B2 (en) | 2000-12-07 | 2004-02-24 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method of preserving sulfonic acid-type cation-exchange resin modified with thiol-containing amine compound |
JP2016117523A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | オルガノ株式会社 | イオン交換樹脂の充填方法、イオン交換樹脂の充填装置、及びイオン交換樹脂の保管方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050920 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070306 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070426 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070605 |