JP3937522B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関し、詳しくは、機関の吸排気弁の開閉特性を可変制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関における可変動弁装置としては、例えば、特開平7−197846号公報、特開平8−254126号公報、特開平9−53476号公報、実開平5 −96444号公報、実開平5 −96445号公報、特開平7−31106号公報等に開示されるものがある。
【0003】
前記特開平7−197846号公報、前記特開平8−254126号公報に開示されるものは、吸気弁の閉弁タイミング{即ち、開閉タイミング(位相角)}を制御するものである。
また、前記実開平5 −96444号公報、前記実開平5 −96445号公報に開示されるものは、排気弁の開弁タイミング(即ち、開閉タイミング(位相角)を可変制御するものである。
【0004】
そして、前記特開平7−31106号公報に開示されるものは、吸気弁の開弁から閉弁までの作動角を可変制御する装置であり、可変バルブ作動角制御装置と呼ばれるものを備える一方、排気弁に所謂VTC(開閉タイミング(位相角)を可変制御する装置であり、可変バルブタイミング制御装置と呼ばれるものである)を備えて構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置は、特開平7−31106号公報に開示されるもののように吸気弁の作動角を可変にできるものがあるとしても、何れのものも、排気弁の作動角については一定であるため、排気脈動の負圧波{排気脈動の極小部分近傍(正圧波も含む場合がある)を負圧波と言う}を、特定の回転速度でしかオーバーラップ期間(吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間とが重なる期間、換言すれば吸気弁と排気弁とが共に開弁している期間)に当てる(一致させる)ことができない。
【0006】
即ち、従来のものでは、特定の回転速度でしか、オーバーラップ期間内に、排気脈動の負圧波を、排気弁近傍(燃焼室内)へ到達させることができないため、回転速度広域に亘って良好に燃焼室内に排気脈動による負圧波を導くことができないため(言い換えれば、回転速度によっては、燃焼室内に排気脈動の正圧波が導かれ、吸気に対する排気干渉が生じる惧れがあるため)、掃気効率延いては吸気充填効率(若しくは体積効率)を回転速度広域に亘って良好に向上させることができないものであった。
【0007】
また、筒内ガスサンプリングの結果を現した図12に示されるように、燃焼室内の排気弁近傍での燃焼ガス中のHC(未燃燃料分)の濃度は、時間的に一定でなく、排気弁開弁時期(EVO)近傍(一次ピーク)と、排気弁閉弁時期(EVC)近傍(2次ピーク)と、に2つのピークが存在すると言う特性があるが、従来においては、かかる特性を考慮しておらず、効果的にHCの排出量を低減することができないものであった。
【0008】
本発明は、かかる従来の実状に鑑みなされたものであり、排気弁の作動角を最適に制御できるようにすると共に、オーバーラップ期間、オーバーラップ位置を最適に制御できるようにすることで、排気脈動の位相変化に追従して吸気充填効率を回転速度広域に亘って向上させることができるようにした内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる内燃機関の可変動弁装置において、燃焼室内の排気弁近傍でのHCの濃度特性に合わせて排気弁の開閉特性を可変制御できるようにして、HC排出濃度を低減することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、図1に示すように、吸気弁の開閉タイミングを可変制御する可変バルブタイミング制御手段と、排気弁の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御手段と、を含んで内燃機関の可変動弁装置を構成し、前記可変バルブ作動角制御手段により、前記可変バルブタイミング制御手段により設定された前記吸気弁の開閉タイミングのもと、高回転側の運転領域におけるほど前記排気弁の作動角を拡大させて、前記排気弁の近傍における脈動圧力の極小値を前記吸気弁と前記排気弁とが共に開弁しているオーバーラップ期間に置き、排気脈動の負圧波をこのオーバーラップ期間に燃焼室内に導くようにした。
【0010】
このように、吸気弁の開閉タイミング(位相角)を可変制御する可変バルブタイミング制御手段と、排気弁の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御手段と、を備えると共に、可変バルブ作動角制御手段により、高回転側の運転領域におけるほど排気弁の作動角を拡大させて、排気弁の近傍における脈動圧力の極小点をオーバーラップ期間に置き、排気脈動の負圧波を燃焼室内に導くようにしたので、排気脈動の位相変化に応じて排気弁の作動角を最適に制御すると共に、オーバーラップ期間、オーバーラップ位置を最適に制御することができ、運転領域全域に亘って、燃費性能、出力性能、排気性能、騒音性能、機関安定性能等を改善することができる。また、かかる構成とすれば、回転速度の変化により排気脈動に位相変化があっても、排気脈動の負圧波を、確実に、オーバーラップ期間中に排気弁近傍(燃焼室内)へ導くことができ、回転速度広域に亘って、掃気効率の向上延いては体積(充填)効率の向上、ポンピングロスの低減を図ることができ、以って燃費特性、出力特性、排気特性等を改善することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、前記可変バルブ作動角制御手段により、排気弁の開弁タイミングが熱効率の良いタイミングとなるように、排気弁の作動角を制御するようにした。
かかる構成とし、各回転速度・各負荷に応じて、膨張比やポンプロス等の観点から、最も熱効率の良いタイミングとなるように、排気弁の開弁タイミングを制御すれば、より一層、燃費特性、出力特性、排気特性等を改善することができる。また、低中速域では、通常の排気弁の開弁タイミング固定設定の機関に対して、排気原音を低減することもできる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、低回転・低負荷域において、前記可変バルブ作動角制御手段により前記排気弁の作動角を小側に制御するようにした。
かかる構成とし、低回転・低負荷域では、排気弁の作動角を小とすれば、図12に示したHC濃度の一次ピークと二次ピークを避けて(或いは何れか一方のピークを避けて)、排気弁を開弁させることができるので、HCの排出量を低減することができる。即ち、高濃度のHCを含む燃焼ガスを、選択的に、燃焼室内に残留させることができ(残留ガス制御)、延いては次燃焼サイクルで、これを再燃焼させることができるようになるので、エンジンから排出されるHCを低減することができることとなる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、排気脈動の位相変化に応じて排気弁の作動角を最適に制御すると共に、オーバーラップ期間、オーバーラップ位置を最適に制御することができるので、運転領域全域に亘って、燃費性能、出力性能、排気性能、騒音性能、機関安定性能等を改善することができる。また、回転速度の変化により排気脈動の位相変化があっても、排気脈動の負圧波を、確実に、オーバーラップ期間中に排気弁近傍(燃焼室内)へ導くことができるので、回転速度広域に亘って、掃気効率の向上延いては体積(充填)効率の向上、ポンピングロスの低減を図ることができ、以って燃費特性、出力特性、排気特性等を改善することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、各回転速度・各負荷に応じて、膨張比やポンプロス等の観点から、最も熱効率の良いタイミングとなるように、排気弁の開弁タイミングを制御するので、より一層、燃費特性、出力特性、排気特性等を改善することができる。また、低中速域では、通常の排気弁の開弁タイミング固定設定の機関に対して、排気原音を低減することもできる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、低回転・低負荷域では、排気弁の作動角を小とすれば、燃焼室内のHC濃度の特性を考慮して、排気弁を開弁させることができるので、HCの排出量を低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
実施形態のシステム構成を示す図2において、内燃機関1の吸気通路2にはスロットル弁3が設けられるが、このスロットル弁3をバイパスする補助空気通路4が設けられており、この補助空気通路4には電磁式の補助空気制御弁5が介装されている。前記補助空気制御弁5は、デューティ制御によって開度が調整される電磁式の開閉弁である。
【0019】
また、吸気通路2の吸気ポート部には各気筒毎に電磁式の燃料噴射弁6が設けられていて、該燃料噴射弁6によって燃料が機関に供給される。
前記補助空気制御弁5及び燃料噴射弁6の作動を制御するコントロールユニット7には各種のセンサ・スイッチから信号が入力される。
具体的には、基準ピストン位置毎の基準角度信号と、単位クランク角毎の単位角度信号とをそれぞれ出力するクランク角センサ8が設けられ、これによりピストン位置を検出し得ると共に、機関の回転速度Neを算出可能である。
【0020】
また、機関の吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ9や、スロットル弁3のアイドル位置でONとなるアイドルスイッチ10や、機関の冷却水温度Twを検出する水温センサ11等が設けられている。
コントロールユニット7は、前記エアフローメータ9で検出される吸入空気流量Q、及び、前記クランク角センサ8で検出される機関回転速度Neに基づいて基本燃料噴射量Tpを演算すると共に、該基本燃料噴射量Tpに冷却水温度Tw等に応じた各種補正を施して最終的な燃料噴射量Tiを設定し、該燃料噴射量Tiに相当するパルス幅の開弁駆動信号を、機関回転に同期したタイミングで前記燃料噴射弁6に出力して、機関吸入混合気の空燃比を制御する。
【0021】
更に、機関1には、図2に示すように、吸気弁12の開閉特性(開閉タイミング、位相角)を制御する可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13が備えられている。なお、該可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13が、本発明にかかる可変バルブタイミング制御手段に相当する。
当該可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13は、吸気弁12の開閉タイミング(位相角)を可変にできる機構であれば良く、例えば、特開平7−31106号公報において排気弁の開閉タイミング(位相角)制御に用いられている機構(即ち、カムシャフトと、これをクランクシャフト回転に連結するカムスプロケットと、の間の位相角を変化させる形式のもの)等を用いることができる。
【0022】
また、異なる位相角を備えた複数のカムを切換えて吸気弁12の開閉タイミング(位相角)を可変制御する構成、特開平6−2514号公報に開示されるようにカムを用いず流体圧等を利用して(或いは電磁ソレノイド等を利用して)、開閉タイミングを可変設定可能としつつ吸気弁12を開閉させる機構等のいずれをも用いることができる。なお、可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13は、吸気弁12のリフト量を可変制御できる機構を備えたものでも良く、少なくとも開閉タイミング(位相角)を可変に制御できるものであれば良い。
【0023】
加えて、機関1には、図2に示すように、排気弁14の開閉特性(作動角)を制御する可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15が備えられている。なお、該可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15が、本発明にかかる可変バルブ作動角制御手段に相当する。
当該可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15は、排気弁14の作動角(開弁から閉弁までの角度)を可変にできる機構であれば良く、例えば、特開平7−31106号公報において吸気弁の作動角制御に用いられる機構{即ち、カム軸の回転中心を偏心させることで、例えば図3に示すように開閉特性(作動角)を変化させる機構}を用いることができる。
【0024】
また、異なる作動角を備えた複数のカムを切換えて排気弁14の作動角を可変制御する構成、特開平6−2514号公報に開示されるようにカムを用いず流体圧等を利用して(或いは電磁ソレノイド等を利用して)、作動角を可変設定可能としつつ排気弁14を開閉させる機構等のいずれをも用いることができる。なお、可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15は、排気弁14のリフト量、開閉タイミング(位相角)を可変制御できる機構を備えたものでも良く、少なくとも作動角を可変に制御できるものであれば良い。
【0025】
ここで、本実施形態にかかるコントロールユニット7が行なう吸気弁12の開閉タイミング制御と、排気弁14の作動角制御を説明する。
即ち、本実施形態にかかるコントロールユニット7では、
▲1▼吸気弁12の開閉タイミングを可変制御する可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13を介して、図5に示すように、各回転速度・各負荷に応じて、吸気弁12の開閉タイミング(位相角)を最適な閉弁タイミング(IVC)となるように制御する。
【0026】
例えば、中〜高負荷域においては、高速域で、回転速度の上昇に連れて閉弁タイミング(IVC)が中速域に対して遅れるように、そして、低速域では、回転速度の低下に連れて閉弁タイミング(IVC)が中速域に対して遅れるように、吸気弁12の開閉タイミング(位相角)を制御することで、最適なオーバラップ期間を設定し、体積効率(充填効率)を高めるようになっている。
【0027】
また、低〜中負荷域においては、負荷の減少に連れて閉弁タイミング(IVC)が中負荷に対して遅れるように、吸気弁12の開閉タイミングを制御することで、最適なオーバラップ期間を設定し、ポンピングロス低減による燃費改善や、内部EGR(残留ガス量の制御)による排気エミッション(NOx ,CO,HC)の改善を図るようになっている。
【0028】
▲2▼排気弁14の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15を介して、排気弁14の開弁タイミング(EVO)が、図7〜図9に示すように、各回転速度・各負荷に応じて、膨張比やポンプロス等の観点から、最も熱効率の良いタイミングとなるように制御する。なお、これにより、低中速域では、通常の排気弁の開弁タイミング固定設定の機関に対して、燃焼室内圧力と排気通路内圧力との差圧を小さくできる方向に制御されることになるので、排気原音を低減できる効果もある。
【0029】
▲3▼4/4負荷近傍域においては、図7,図8に示すように、排気弁14の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15を介して、回転速度の上昇に連れて、排気弁14の開弁タイミング(EVO)が早くなるように、延いては排気弁14の閉弁タイミング(EVC)が遅まるように、排気弁14の作動角を大きくするように制御する。
【0030】
つまり、図10、図11に示すように、排気弁14を開弁させてから排気弁14近傍で排気脈動の負圧波が有効に発生するようになるまでの期間が、回転速度の上昇に連れて長くなるので、これに対応させて、本実施形態では、図11に示すように、排気弁14の作動角を、回転速度の上昇に連れて大きくなるように制御するのである。なお、このような排気弁14を開弁させてから閉弁させるまでの期間を制御することは、所謂VTCのように開閉タイミング(位相角)を制御するものでは実現困難であり、そのため、本実施形態では、排気弁14の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15を採用するのである。
【0031】
上記のような制御を行なうと、可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13との組み合わせにより、図11に示すように、オーバーラップ期間が、回転速度が上昇するに連れて、TDC(ピストン上死点)に対して遅れて行くようになる。即ち、排気脈動の負圧波を、各回転速度で、オーバーラップ期間内に燃焼室内へ確実に導くことができるように、回転速度に応じてオーバーラップ期間を最適に設定することができることになるので、回転速度広域に亘って、排気干渉を防止でき、体積効率(吸気充填効率)を向上させることができると共に、ポンピングロスを低減することができ、例えば、出力性能を向上させることができる(図13参照)。
【0032】
▲4▼低回転・低負荷域では、可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15を介して、排気弁14の開弁タイミング(EVO)を遅くし、延いては排気弁14の閉弁タイミング(EVC)が早まるように、排気弁14の作動角を小さくするように制御する。
これにより、図12に示したHC濃度の一次ピークと二次ピークを避けて、排気弁14が開弁されるようにすること(排気弁開弁中に、一次ピークと二次ピークとが来ないようにすること)ができるので、HCの排出量を低減することができる。なお、HC濃度の一次ピークと二次ピークの何れか一方を避けて開弁させるだけでも、HCの排出量の低減効果があることは勿論である。
【0033】
つまり、高濃度のHCを含む燃焼ガスを、選択的に、燃焼室内に残留させることができ(残留ガス制御)、延いては次燃焼サイクルで、これを再燃焼させることができるようになるので、エンジンから排出されるHCを低減することができることとなる。
また、可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13との組み合わせにより、オーバーラップ期間を短くすることで、機関安定性等も向上させることも可能となる。
【0034】
なお、以上のような制御は、例えば、コントロールユニット7が実行する図4のフローチャートにより達成される。
ここで、図4のフローチャートについて説明する。
ステップ1(図中ではS1と記してある。以下同様)では、クランク角センサ8やエアフローメータ9の検出信号を読み込む(吸入空気流量Qや回転速度Neを検出する)。
【0035】
ステップ2では、吸入空気流量Q(負荷)や回転速度Neに基づいて、吸気弁12の目標開閉タイミング(吸気可変動弁の位相角)を、図5に示すような位相角マップを参照して決定し、これと、現在の位相角と、から位相角変化量を決定する。
ステップ3では、ステップ2で決定した吸気弁12の開閉タイミング(位相)を達成するべく、可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13を介して、吸気弁12の開閉タイミング制御を実行する。
【0036】
ステップ4では、吸入空気流量Q(負荷)や回転速度Neに基づいて、排気弁14の目標作動角を、図6に示すような作動角マップを参照して決定し、これと、現在の作動角と、から作動角変化量を決定する。
ステップ5では、ステップ4で決定した排気弁14の作動角を達成するべく、可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15を介して、排気弁14の作動角制御を実行して、本フローを終了する。
【0037】
このように、本実施形態によれば、吸気弁12の開閉タイミングを可変制御する可変バルブタイミング制御機構(所謂VTC)13と、排気弁14の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御機構(所謂VET)15と、を備えるようにしたので、排気脈動の位相変化に応じて排気弁の作動角を最適に制御すると共に、オーバーラップ期間、オーバーラップ位置を最適に制御することが可能となるので、運転領域全域に亘って、燃費性能、出力性能、排気性能、騒音性能、機関安定性能等を改善することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、回転速度の変化により排気脈動に位相変化があっても、排気脈動の負圧波を、確実に、オーバーラップ期間中に排気弁近傍(燃焼室内)へ導くことが可能となる。従って、回転速度広域に亘って、掃気効率の向上延いては体積(充填)効率の向上、ポンピングロスの低減を図ることができ、以って燃費特性、出力特性、排気特性を改善することが可能となる。
【0039】
また、各回転速度・各負荷に応じて、膨張比やポンプロス等の観点から、最も熱効率の良いタイミングとなるように、排気弁14の開弁タイミングを制御しながら、同時に、排気脈動の負圧波を、確実に、オーバーラップ期間中に排気弁近傍(燃焼室内)へ導くことが可能となるので、一層、燃費特性、出力特性、排気特性を改善することが可能となる。なお、低中速域では、同時に、排気原音を低減できる効果もある。
【0040】
更に、低回転・低負荷域では、排気弁14の作動角を小として、図12に示したHC濃度の一次ピークと二次ピークを避けて、排気弁14を開弁させることができるので、HCの排出量を低減することができる。即ち、高濃度のHCを含む燃焼ガスを、選択的に、燃焼室内に残留させることができ(残留ガス制御)、延いては次燃焼サイクルで、これを再燃焼させることができるようになるので、エンジンから排出されるHCを低減することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態における内燃機関のシステム構成図。
【図3】排気弁の作動角の可変制御(カム回転軸を偏心させた場合の例)を説明するためのタイミングチャート。
【図4】同上実施形態において行なわれる吸排気弁の開閉特性可変制御を説明するためのフローチャート。
【図5】吸気弁のバルブタイミング(位相角)を設定するためのマップの一例。
【図6】排気弁の作動角を設定するためのマップの一例。
【図7】4/4負荷時における排気弁の開弁時期(EVO)の最良点を示す図(その1)。
【図8】4/4負荷時における排気弁の開弁時期(EVO)の最良点を示す図(その2)。
【図9】部分負荷時における排気弁の開弁時期(EVO)の最良点を示す図。
【図10】クランク角度に対する排気脈動の変化の様子を示すタイミングチャート(従来の固定バルブタイミングの例)。
【図11】クランク角度に対する排気脈動の変化の様子を示すタイミングチャート(本実施形態にかかる吸気VTC+排気VETの例)。
【図12】燃焼室内における排気弁近傍のHC濃度の変化の様子(時間推移)を示すタイミングチャート。
【図13】本発明の効果を説明する全負荷性能曲線図。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気通路
3 スロットル弁
4 補助空気通路
5 補助空気制御弁
6 燃料噴射弁
7 コントロールユニット
8 クランク角センサ
9 圧力センサ
10 アイドルスイッチ
11 水温センサ
12 吸気弁
13 可変バルブタイミング制御機構(装置)
14 排気弁
15 可変バルブ作動角制御機構(装置)
Claims (3)
- 吸気弁の開閉タイミングを可変制御する可変バルブタイミング制御手段と、
排気弁の作動角を可変制御する可変バルブ作動角制御手段と、を含んで構成され、
前記可変バルブ作動角制御手段は、前記可変バルブタイミング制御手段により設定された前記吸気弁の開閉タイミングのもと、高回転側の運転領域におけるほど前記排気弁の作動角を拡大させて、前記排気弁の近傍における脈動圧力の極小点を前記吸気弁と前記排気弁とが共に開弁しているオーバーラップ期間に置き、排気脈動の負圧波をこのオーバーラップ期間に燃焼室内に導くようにしたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記可変バルブ作動角制御手段は、前記排気弁の開弁タイミングが熱効率の良いタイミングとなるように、前記排気弁の作動角を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 低回転・低負荷域において、前記可変バルブ作動角制御手段は、前記排気弁の作動角を小側に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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1997
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