JP3934336B2 - 単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法及び同機構の製造方法 - Google Patents

単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法及び同機構の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法、及び単純遊星歯車機構の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
単純遊星歯車機構は、太陽歯車と、キャリヤに支持されたキャリヤピンによって支持され、該太陽歯車と外接する遊星歯車と、該遊星歯車が内接する内歯歯車とを備える。この単純遊星歯車機構は、コンパクトで比較的大きな減速比が得られること、及び各要素の固定、入力、出力を変更することで減速比(あるいは増速比)を容易に変更できること等から様々な用途に広く利用されている。
【0003】
又、最近の工場の生産ラインは、多品目を同時に製造するために複雑化しており、従来のように単一の動力でライン全体を動かすのではなく、個々の部分にそれ専用の減速機付モータを配置して多様化に対応すると共により効率の高い生産が行われるように配慮されており、この意味でも、モータに連結する減速機のタイプとして、コンパクト化が可能な単純遊星歯車機構が注目されている。
【0004】
ところで、ロボットのアームのように、正逆回転が繰り返され、且つ所定の絶対位置に確実に位置決めすることが要求されるような用途においては、各歯車のバックラッシの存在が問題となる。即ち、歯車の噛合には、不可避的にバックラッシが存在するが、このバックラッシが大きすぎると逆転指令が出されて例えば太陽歯車が逆転を開始したとしても、その逆転が出力部材(例えばキャリヤ)の逆転となって直ぐに反映されなかったり、あるいは停止位置が狂ったりするという問題が発生する。そのため、バックラッシの低減はこの種の減速機での大きな課題となっている。
【0005】
バックラッシを低減する最も基本的な方法は、大きさの僅かに異なる複数の歯車を予め用意しておき、組付けの際に、最も隙間なく噛合する歯車を選択するというものであり、現実には多くの分野で実際に行われている。一般的には、内歯歯車及び太陽歯車が選択の対象とされる。
【0006】
しかしながら、この方法は、多量の在庫点数を必要とし、又組付けの作業性が極端に低下するため、結果としてコスト高になり易いという問題がある。即ち、単純遊星歯車機構の場合、各歯車(太陽歯車、遊星歯車及び内歯歯車)の大きさのばらつきの他に、キャリヤピンのキャリヤに対する支持位置のばらつきの問題が加わるため、例えば遊星歯車の寸法が小さかった場合に、上記方法によって適切なバックラッシを得るには、太陽歯車として適正寸法より大きなものを組付ける必要がある上に、更に内歯歯車として適正寸法よりも小さいものを選択する必要がある。
【0007】
更には、特定の位置において各歯車がバックラッシ無く噛合し得たとしても、これを実際に回転させようとしたときに、(バックラッシが小さいが故に)他の位置において歯車同士が干渉して回転抵抗が極端に大きくなったりすることがあり、如何なる回転位置においても常に極小のバックラッシで且つ円滑に回転し得るように組付けるには大変な時間コストを伴なう試行錯誤が要求された。
【0008】
試行錯誤なく、あるいは少ない試行錯誤で所定の効果を得ようとした場合には、歯車自体の加工精度自体を非常に高めておく必要がある。
【0009】
そこで、このような試行錯誤によってバックラッシを低減するのではなく、構造上の工夫を施すことによってバックラッシをより簡易な方法で低減する技術もいくつか提案されている。
【0010】
特開昭63−6248号では、遊星歯車を4個備えた単純遊星歯車機構において、互いに向かい合う一対を組にして、一方の組の遊星歯車に係るキャリヤピンの位置を周方向へオフセットして取り付け、いわゆるシザーズ状態にして低バックラッシを実現する方法が提案されている。
【0011】
特開平05−240315号では、同じく遊星歯車を4個備えると共に、互いに向かい合う一対を組にして、一方の組の遊星歯車のキャリヤピンの位置を軸方向にオフセットして取り付けると共に、内歯歯車をこのオフセットされた遊星歯車に合わせて軸方向に2分割し、この内歯歯車の一方を円周方向に捩じってシザーズ状態を形成し、両サイドに配置されたキャリヤの一方から正転出力を、他方から逆転出力を取り出すことにより低バックラッシを実現する方法が提案されている。
【0012】
特開平08−61438号においては、単純遊星歯車機構の内歯歯車を弾性体によって形成し、遊星歯車との噛み合いによるバックラッシを「負」とすることによって低バックラッシを実現する構造を提案している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば前述の特開昭63−6248号に開示されているような構造でバックラッシを低減する方法は、確かに正転及び逆転の双方においてバックラッシを低減できるものの、遊星歯車を4個備えていながら正転の時も逆転の時も、それぞれ2個ずつしか動力の伝達に寄与させることができず、伝達トルク容量が半減するという問題があった。又、正転のトルク容量と逆転のトルク容量とを同一に維持するには、それぞれに関与する遊星歯車の数を揃える必要があり、現実的には事実上4個に限定されることから、設計の自由度が小さいという問題もあった。
【0014】
又、これに関連し、周知のように、各歯車の寸法誤差、あるいは組付け位置の誤差を吸収(あるいは許容)するという観点では、いわゆる4点支持よりも3点支持の方が優れるが、この技術にあっては向かい合う一対を組にしてバックラッシの調整を行うという構造上、3点支持に相当する遊星歯車を3個のみ用いた構造を採用することができないという問題もあった。
【0015】
同様に、特開平05−240315号に開示されているような構造で低バックラッシを実現する方法も、動力伝達は4個の遊星歯車のうちの2個でしか行うことができず、従って、伝達トルク容量を高く維持することができず、また3点支持による構造を採用することができないという問題を有していた。
【0016】
又、特開平08−61438号に開示されているような構造でバックラッシを低減する方法は、全遊星歯車が正転及び逆転の双方に寄与できるという利点はあるものの、内歯歯車を弾性体で形成する必要があることから、加工性が悪く、又強度的にも十分な強さを維持するのが困難であるという問題があった。又、内歯歯車と各遊星歯車との噛合位置が移動する度に内歯歯車が変形することから、耐久性の面でも不利になり易いという問題もあった。
【0017】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであって、全ての遊星歯車を正転及び逆転の双方に関与させることができ、簡単な手順で各位置において極小のバックラッシ状態の組付けを実現することを主たる課題とし、合わせてこれに関連する製造方法を提供することをその課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、太陽歯車と、キャリヤに支持されたキャリヤピンによって支持され、該太陽歯車と外接する遊星歯車と、該遊星歯車が内接する内歯歯車と、を備えた単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法において、前記キャリヤピンとして、該キャリヤピンの軸心に対して偏心しており且つ該キャリヤピンの軸心に対して偏心している方向が当該単純遊星歯車機構の軸心に対する半径方向に可変とされたクランク部を有するキャリアピンを用意する工程と、前記遊星歯車、この半径方向に可変とされたクランク部の軸心を回転中心として回転自在に支持する工程と、前記太陽歯車としてまたぎ歯厚の異なる複数の太陽歯車を準備する工程と、前記内歯歯車に対して前記遊星歯車を組み込む工程と、前記複数の太陽歯車の中から適正なバックラッシが得られるまたぎ歯厚を有する太陽歯車を選択・抽出すると共に、該選択・抽出した太陽歯車を、既に組み込まれた各遊星歯車に囲まれた中央部に、前記クランク部の偏心方向を前記半径方向外側へとシフトした状態で組み込む工程と、を有することにより、上記課題を解決したものである。
【0019】
本発明では、遊星歯車を支持するキャリヤピンは、従来のような単純な円筒形ではなく、該キャリヤピンの軸心に対して偏心したクランク部を有する。換言すると、「単純遊星歯車機構のキャリヤピンの軸心の接線方向(後述する基準偏心方向と一致)と、キャリヤピンの軸心とクランク部の軸心を結んだ直線とのなす角度(偏心角α)」が変化することにより、クランク部の軸心が単純遊星歯車機構の軸心に対して半径方向(以下単に「半径方向」という場合がある。)に変化する。遊星歯車は、この半径方向に可変とされたクランク部の軸心を回転中心として回転自在に支持される。
【0020】
従来は、該バックラッシが基本的に円周方向における歯と歯の間において存在する「遊び」であることから、これを低減するために、噛合する歯同士を相対的に「円周方向」にシフトさせる手法を採用しており、又この発想から抜け出せていなかった。これに対し本発明は、クランク部の軸心を「半径方向」に可変としているのが大きな特徴である。
【0021】
この構成により、遊星歯車を実際に回転支持するクランク部の軸心(即ち遊星歯車の実質的な回転中心位置)は、内歯歯車や太陽歯車との関係で最もバランスの取れた位置に調心可能となり、各種製造ばらつきに極めて柔軟に対応することができるようになる。そのため、例えば、太陽歯車のみ大きさを僅かに変えて複数用意しておき、この中から組付け時に適切な大きさの太陽歯車を選択するだけで、遊星歯車のキャリヤピンの位置のズレを含めて各歯車の製造誤差を一度に吸収することも可能となる。
【0022】
何よりも、全ての遊星歯車を正転方向にも、逆転方向にも動力伝達に寄与させることができ、又、遊星歯車の数を奇数にも偶数にも設定できることから、例えば、後述するように、利点の多い遊星歯車3個を用いた「3点支持構成」とすることもできるようになる。
【0023】
なお、本発明は、遊星歯車の支持位置を半径方向に調整する構成であることから、例えば本構成によって遊星歯車を内歯歯車側に寄せた場合には、基本的に、太陽歯車側はむしろバックラッシが大きくなる。そのため、太陽歯車側においてその調整を行うのが好ましいことになる。しかしながら、本発明は、必ずしもバックラッシが拡大された側の歯車を「選択・調整」して組み込むことを必須とするものではなく、全歯車について予め定められた設計寸法で製造し、それらをそのまま組み込むような構成においても十分利点が得られる。
【0024】
即ち、通常遊星歯車の軸心は固定されており、この軸心位置の誤差による影響も考慮する必要があったことから、例えば太陽歯車の設計上の寸法はどうしても小さめに、内歯歯車の設計上の寸法はどうしても大きめに設定せざるを得なかった。しかしながら、本発明では、遊星歯車が自動調心機能を有するため、加工誤差に対する余裕が生じ、設計上のバックラッシをより小さめに設定しても加工誤差による悪影響が顕在化しにくいという利点が得られる。
【0025】
又、遊星歯車は内歯歯車及び太陽歯車の双方に対して応力あるいは反力がバランスした位置に位置決めされることになるため、バックラッシを最小にしたような状況であっても、極めて円滑に回転することができるという効果も得られる。
【0026】
なお、本発明においては前記クランク部を具体的にどのようにして形成するかについては特に限定されず、種々の構成が採用できる。
【0027】
例えば、前記キャリヤピンに、前記遊星歯車を回転可能に支持可能な偏心カムを、該キャリヤピンと回転方向に一体化した状態で設け、且つ、該キャリヤピンを、前記キャリヤによって回転自在に支持することにより、前記キャリヤピンのクランク部を形成することができる。「回転方向に一体化」させる場合、完全に一体物で形成してもよく、複数の部材を合体して結果として回転方向に一体化させてもよい。「回転自在に支持する」場合は、両者間にベアリング等を介在させてもよい。
【0028】
又、前記キャリヤピンの外周に、前記遊星歯車を回転自在に支持可能な偏心カムを、該キャリヤピンに対して回転自在に組み込むことにより、前記キャリヤピンのクランク部を形成することもできる。
【0029】
ところで、本発明をより合理的に適用するには、遊星歯車の個数は、例えばこれを3個に設定するのがよい。
【0030】
それは、遊星歯車は、内歯歯車の内側で且つ太陽歯車の外側という拘束された軌道上を自転しながら公転する必要があることから、各歯車の寸法誤差や組付け誤差を吸収するという観点では、いわゆる3点支持に相当する遊星歯車が3個という構成が最も合理的だからである。
【0031】
本発明では、全ての遊星歯車がトルク伝達に寄与することができ、且つ、遊星歯車の個数が偶数である必要もないため、遊星歯車の数はトルク伝達容量の観点でも、バックラッシ低減のために必要とされる個数の観点でも、該遊星歯車の数を問題なく「3」に設定することができる。
【0032】
なお、前記キャリヤピンのそれぞれのクランク部の偏心方向(基準偏心方向は、該単純遊星歯車機構の軸心と当該キャリヤピンの軸心とを結ぶ直線に対して同一の側に向けられているようにするとよい。
【0033】
本発明では、その構造上、各遊星歯車において、キャリヤピンの軸心と遊星歯車の回転中心とがズレていることに起因して遊星歯車を外側に押し出したり、あるいは内側に引き込んだりするモーメント(ラジアル方向の力)が発生することがある。しかしながら、このように全ての遊星歯車のキャリヤピンの基準偏心方向を同一の側に維持して組み込むことにより、このモーメントによる悪影響を軽減できる場合が多いことが確認されている。
【0034】
ここで「基準偏心方向」とは、キャリアピンの軸心に対してクランク部の軸心が基本的に偏心している方向、即ち偏心の基準となる方向を意味している。具体的には、この方向はキャリアピンの接線方向にとられ(必ずしも完全一致でなくともよい)、この基準偏心方向を基準にしてクランク部がキャリアピンの軸心を中心として揺動されることにより、該クランク部の軸心が半径方向に可変とされる。
【0035】
従って、「基準偏心方向が単純遊星歯車機構の軸心と当該キャリヤピンの軸心とを結ぶ直線に対して同一の側に向けられている」というのは、クランク部の軸心が、キャリアピンの軸心に対して正転方向側に偏心しているか、あるいは逆転方向側に偏心しているかが統一されているということである。
【0036】
又、このモーメントの発生に関して正逆方向での影響の差を微少にするには、遊星歯車を敢えて偶数個備え、且つ隣り合うキャリヤピンのクランク部の基準偏心方向が、該単純遊星歯車機構の軸心と当該キャリヤピンの軸心とを結ぶ直線に対して交互に逆側に向けられているようにすると良い。
【0037】
即ち、この遊星歯車を外側に押し出したり、内側に引き込んだりする力は、正転時と逆転時とで反転する。従って、正転及び逆転での該モーメントの影響差を軽減するには、確率的に正転時の挙動と逆転時の挙動が等しくなるような対応で組付けておくのが最も合理的である。
【0038】
なお、これらのモーメントは、歯車及びキャリヤピンの支持孔の製造誤差が微少であり、且つ誤差の範囲も規定できるため、設計を工夫することにより現実的には殆ど無視できるレベルに抑えることができることが確認されている。
【0039】
ところで、本発明の最も大きな特徴は、キャリヤピンのクランク部が有する自動調心機能にあり、この機能があるが故に、例えば運転中においても、リアルタイムでその時の内歯歯車、遊星歯車、太陽歯車の三者のトルク関係(半径方向のトルク関係)がバランスした状態に保たれるという利点が得られる。従って、ここで太陽歯車をフロート状態(その軸心が減速機の軸心に対して微少に変化し得る状態:例えばスプラインや後述する態様による結合状態)で組み込むようにした場合には、全ての遊星歯車における半径方向のトルク関係が相互にバランスした状態がリアルタイムで維持されることになる。特に、遊星歯車の個数が3個とされていた場合には、理論上全ての遊星歯車における半径方向のトルク関係が常に完全にバランスした状態で運転することができ、用途によっては極めて大きなメリットとなり得る。
【0040】
しかしながら、その一方で、この自動調心機能は、前述したように運転時に半径方向のモーメントの発生を伴なうことから、例えば高速回転させるような用途に使用する場合には、微少な製造ばらつきの影響を大きく受けて円滑な回転・支持が却って阻害されることも有り得る。
【0041】
そこで、一度最適な状況に組み込みが完了した場合には、この自動調心機能を敢えて無効にするべく、キャリヤピンのクランク部の偏心方向が固定できるような構成としておくのは良いアイデアである。
【0042】
本発明において、キャリヤピンのクランク部の偏心方向を固定した場合には、その固定した状態におけるクランク部の軸心が従来のキャリヤピンの軸心に相当する「通常の」単純遊星歯車機構と同一の構成となる。このことは換言すると、従来の試行錯誤による最適寸法の部品の選択によって最良の状態とされた単純遊星歯車機構と同一の構成が、太陽歯車1個の調整のみで簡単に実現できることに他ならない。
【0043】
このように、本発明によれば、遊星歯車に自動調心機能を持たせることができることから、まず内歯歯車及び遊星歯車を組み込むと共に、大きさの異なる複数の太陽歯車の中から、適正な大きさの太陽歯車を選択的に抽出し、この抽出された太陽歯車を、既に組み込まれた遊星歯車の中心部に、クランク部の偏心方向を調整しながら組み込むことにより、バックラッシを極小にした単純遊星歯車機構を製造することが簡単に実現できるようになる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0045】
図1は、本発明に係る単純遊星歯車機構が適用された単純遊星歯車減速機の概略縦断面図である。
【0046】
この単純遊星歯車減速機R1の単純遊星歯車機構S1は、太陽歯車12と、該太陽歯車12と外接する3個の遊星歯車14と、該遊星歯車14が外接する内歯歯車16と、を備える。
【0047】
前記太陽歯車12は、入力軸18に直接歯切りされている。この入力軸18は、モータの出力軸(共に図示略)が挿入される凹部18Aを有し、ねじ部18Bに螺合する締めボルト(図示略)を介して該出力軸と連結されている。
【0048】
なお、モータは連結用のボルト穴20Aを介して継カバー20に連結されており、該継カバー20はボルト20Bを介して減速機R1のケーシング22に連結されている。
【0049】
又、前記遊星歯車14はキャリヤ24に支持されたキャリヤピン30を介して回転自在に支持されている。なお、このキャリヤピン30周りの構造については後に詳述する。
【0050】
キャリヤ24は、ベアリング26を介してケーシング22に回転自在に支持されており、厚い円板状の本体プレート24Aと、この本体プレート24Aに立設され前記3個の遊星歯車14の間に位置決めされた3本の支柱24Bと、この支柱24Bの端面にボルト28を介して連結されるカバープレート24Cと、から主に構成される。
【0051】
このキャリヤ24の本体プレート24Aには、ボルト40を介して出力軸42と一体化されたフランジ42Aが連結され、該キャリヤ24の自転が出力軸42の回転として取り出される。
【0052】
前記内歯歯車16は、ケーシング22と一体的に形成されている。ケーシング22は取付孔22Aを介して図示せぬ外部の固定部材に固定される。
【0053】
従って、この減速機R1は、太陽歯車入力、内歯歯車固定、キャリヤ出力の単純遊星歯車機構を備えていることになる。
【0054】
なお、図の符号50はシール部材である。
【0055】
ここで、この実施形態の最も大きな特徴である遊星歯車14の支持構造について詳細に説明する。
【0056】
図2〜図4(図4は概念図)を合わせて参照して、遊星歯車14は、3個備えられ、それぞれキャリヤ24に支持されたキャリヤピン30によって支持されている。このキャリヤピン30は、該キャリヤピン30の軸心Poに対して偏心しており、且つ該キャリヤピン30に対する偏心方向(偏心角α)が可変とされたクランク部32を備える。なお、ここで「偏心角α」とは、基準偏心方向(キャリアピンの軸心に対してクランク部の軸心が基本的に偏心している方向、即ち偏心の基準となる方向=接線方向)Taと、キャリヤピンの軸心とクランク部の軸心を結んだ直線とのなす角度を意味している。なお、この基準偏心方向Taは、この例では接線方向と一致させているが、必ずしも完全一致させなくてもよい。この基準偏心方向を基準にしてクランク部32がキャリアピン30の軸心Poを中心として偏心角αだけ揺動されることにより、該クランク部32の軸心Coが半径方向に可変とされる。
【0057】
遊星歯車14は、このクランク部32の軸心Coを回転中心として回転自在に支持される。
【0058】
より具体的に説明すると、キャリヤピン30の外周にはキャリヤピン30の軸心Poを偏心量eだけずらした偏心カム34が設けられている。この偏心カム34は、自身の外周に遊星歯車14を(ベアリング36を介して)回転自在に支持する。この偏心カム34はキャリヤピン30とは回転方向に一体化されている。
【0059】
又、キャリヤピン30自体はキャリヤ24の本体プレート24Aに形成された孔24D及びカバープレート24Cに形成された孔24Eに回転自在に両持ち支持されている(図1参照)。
【0060】
この構造は、図4に示されるように、キャリヤピン30が、該キャリヤピン30の軸心Poに対して偏心量eだけ偏心しており、且つキャリヤピン30に対して偏心している方向(偏心角α)が半径方向に可変とされたクランク部32を備え、遊星歯車14が、このクランク部32の軸心Coを回転中心として回転自在に支持されていることと概念的に同義である。
【0061】
次に、図5〜図7を用いてこの減速機R1の作用を説明する。
【0062】
今、遊星歯車14の寸法(具体的にはまたぎ歯厚)が適正であったとする。この場合、図5に示されるように、遊星歯車14のクランク部32の偏心方向はほぼ基準偏心方向Ta(偏心角α=0°)に近い偏心角α1で組み付けられる。なお、このとき、それぞれのキャリヤピン30のクランク部の基準偏心方向Taは、単純遊星歯車機構の軸心Roと当該キャリヤピン30の軸心Poとを結ぶ直線(キャリヤピン30の軌道の法線No)に対して円周方向同一の側に揃えるようにする(図5の例ではA側に統一)。
【0063】
この状態で、適正バックラッシを得るには、適正またぎ歯厚の太陽歯車12を選んで各遊星歯車14に囲まれた中央部分に組み込めばよい。これにより、即ち適正またぎ歯厚の太陽歯車12を選択して組み込むだけで、遊星歯車14の支持位置(Co)を含めた3種の歯車(太陽歯車12、遊星歯車14、及び内歯歯車16)の適正な組合せバランスの調整作業が完了し、バックラッシの小さい減速機R1を得ることができる。
【0064】
なお、ここで、それぞれのキャリヤピン30のクランク部32の基準偏心方向Taを同一の方向(図示の例では全てA側の方向)に揃えるようにしたのは、各遊星歯車14において発生する半径方向のモーメントの方向(外周側へ向けた押出し方向あるいは内周側へ向けた引込み方向)を揃えることができ、その結果、全周における各モーメントを互いに相殺し易くするためである。
【0065】
一方、例えば遊星歯車14(S)の寸法(またぎ歯厚)が適正値よりも小さかった場合は、図6に示されるように、キャリヤピン30のクランク部32の偏心角αは、正の値α2となる。即ち、クランク部32の軸心Coは基準偏心方向Ta(偏心角α=0°)に対して半径方向大側にシフトされる。なお、このときも、それぞれのキャリヤピン30のクランク部32の偏心方向は、全体で互いに相殺させるためにそれぞれ同一の方向(図6の例では全てA側の方向)に揃えるようにする。
【0066】
この状態で、適正バックラッシを得るには、適正またぎ歯厚よりも大きな太陽歯車12(G)を選んで各遊星歯車14(S)の中央部分に組み込めばよい。これにより、即ち適正またぎ歯厚よりも大きな太陽歯車12(G)を選択して組み込むだけで、遊星歯車14(S)の支持位置(Co)を含めた3種の歯車の適正な組合せバランスの調整作業は完了し、バックラッシの小さい減速機R1を得ることができる。
【0067】
なお、内歯歯車16の寸法(オーバピン寸法)が適正値よりも大きかった場合も全く同様に考えることができ、適正またぎ歯厚よりも大きな太陽歯車12(G)を選択して組み込むだけで、遊星歯車14の支持位置を含めた三種の歯車の適正な組合せバランスの調整作業が完了し、バックラッシの小さい減速機R1を得ることができる。
【0068】
更に、例えば内歯歯車16(S)の寸法が適正値よりも小さかった場合は、図7に示されるように、キャリヤピン30のクランク部32の偏心角αは、負の値α3となる。即ち遊星歯車14は基準偏心方向Taに対して半径方向小側にシフトした位置で組み付けられる。なお、このときも、それぞれのキャリヤピン30のクランク部32の基準偏心方向Taは、それぞれ同一の方向(図7の例では全てA側の方向)に揃えるようにする。この状態で、適正バックラッシを得るには、適正またぎ歯厚よりも小さな太陽歯車12(S)を選んで各遊星歯車14の中央部分に組み込めばよい。これにより、即ち適正またぎ歯厚よりも小さな太陽歯車12(S)を選択して組み込むだけで、遊星歯車14の支持位置(Co)を含めた三種の歯車の適正な組合せバランスの調整作業が完了し、バックラッシの小さい減速機R1を得ることができる。
【0069】
又、この状況は、遊星歯車14の寸法が適正値よりも大きかった場合と同様であり、従って適正またぎ歯厚よりも小さな太陽歯車12(S)を選択して組み込むだけで、バックラッシの小さい減速機R1を得ることができる。
【0070】
このように、内歯歯車16、あるいは遊星歯車14のいずれが大きくても、又小さくても、最後に組付ける太陽歯車12の調整のみで適正バックラッシの減速機R1を得ることができる。
【0071】
なお、遊星歯車14は一般的には同時に加工されるため、各遊星歯車14間において寸法のばらつきが生じる可能性は小さいが、もし3個の遊星歯車14間において寸法にばらつきがあった場合には、最も大きな寸法の遊星歯車を基準にバックラッシが最適化される。この場合、この最も大きな寸法の遊星歯車14によって逆転開始直後においても動力伝達が行われ、又、これより小さな寸法の遊星歯車は、逆転の開始直後には(バックラッシが存在しているため)動力伝達に寄与できないが、逆転が開始されるとその回転によってクランク部の偏心方向が自動的に調整され、バックラッシが詰められるため、それ以降は(全遊星歯車均等ではないが)動力伝達に寄与する。この点が従来のシザーズ型のバックラッシ低減機構と最も異なる本実施形態の大きな利点である。
【0072】
なお、この実施形態では、太陽歯車12は、入力軸18に直接歯切りされており、該太陽歯車12の軸心So(=Ro)が固定状態に維持されていたが、この太陽歯車12をフロート状態で、即ち、例えばスプライン結合や、後述する実施形態のように、その軸心Soが減速機R1の軸心Roに対して変化できるようにした状態で組み込むようにすると、3個の遊星歯車14間でその大きさに製造ばらつきがあっても、3個全てについて適正バックラッシとなる減速機R1を製造することができ、理論上常に全遊星歯車均等で動力伝達に寄与させることができる。
【0073】
即ち、この実施形態では、遊星歯車14の個数を3個に設定してある。そのため、最後に組み込まれる太陽歯車12は、いわば3個の遊星歯車14によって「3方向から3点支持」されることによってその軸心Soが調整されることになる。そのため、たとえ各遊星歯車14の寸法にばらつきがあっても、太陽歯車12の軸心Soがそれに追随して変化することで、個々の遊星歯車14それぞれにおいて上記バランス調整が行われるようになる。従って、内歯歯車16、あるいは遊星歯車14のいずれが大きくても、又は小さくても、又、たとえ個々の遊星歯車14間において寸法のばらつきがあったとしても、最後に組付ける太陽歯車12の軸心Soが自動的に修正され、全遊星歯車14の噛合部分においてバックラッシが適正に調整された減速機R1を得ることができる。
【0074】
ところで、これまでの実施形態においては、キャリヤピン30と一体的に偏心カム34を設け、キャリヤピン30をキャリヤ24の孔24D、24Eによって回転自在に両持ち支持するようにしていたが、本発明においてはキャリヤピン30のクランク部32を具体的にどのような構成によって実現するかについては、特に限定されない。
【0075】
例えば、図8に示されるように、キャリヤ24によってキャリヤピン70を固定的に支持すると共に、このキャリヤピン70に対して偏心カム72を回転自在に組み込むようにしても、同様の効果が得られる。
【0076】
この場合は、必ずしもキャリヤピン70を両持ち支持する必要がないため、キャリヤ24によって該キャリヤピン70を片持ち支持するような構成とすることもでき、カバープレート24Cを省略できる分、コストを低減でき、また軸方向長を短縮することもできる。
【0077】
なお、これまでの実施形態では、本発明の自動調心機能を利用して、組付けの最後に適正な大きさの太陽歯車を選択することにより、バックラッシを低減させるようにしていたが、本発明は、必ずしも太陽歯車の「選択」を必須とするものではなく、予め定められた寸法の太陽歯車をそのまま組み込むような構成としてもよい。
【0078】
この場合でも、従来は遊星歯車の軸心が固定されていたため、太陽歯車の設計上の寸法はどうしても小さめに設定せざるを得なかったが、本発明では、遊星歯車が自動調心機能を有するため、多少大きめに設定してもこれを吸収し易いという利点が得られる。
【0079】
又、各部品の製造誤差あるいは組付け誤差があったとしても、遊星歯車をより円滑に回転させることができる。
【0080】
なお、太陽歯車を組み込む際に、(選択せずに)設計に従って製造された太陽歯車をそのまま組み込んだ場合の減速機全体のバックラッシは、各遊星歯車の中で最も小さいバックラッシとなっている部分でのそれに一致するようになる。
【0081】
ところで、上記実施形態にみられるように、本発明では遊星歯車を3個備えるようにすると、自動調心機能を最も有効に発揮することができるようになるが、本発明はもとより遊星歯車の数は特に限定されない。従って、これを4個に設定することも可能であり、この場合でも4個全てを動力伝達に寄与させることができる。
【0082】
ここで、遊星歯車の数を4個とした場合には、図9に示されるように、向かい合う一対を組にして、一方の組の遊星歯車14に係るキャリヤピン30のクランク部32の基準偏心方向Taと、他方の組の遊星歯車14に係るキャリヤピン30のクランク部32の基準偏心方向Taとを互いに逆方向に向けるという構造を採用することもできる。図9の例では、図の上下方向に位置する遊星歯車14のキャリヤピン30についてはA側に、図の左右方向に位置する遊星歯車14のキャリヤピン30についてはB側にそれぞれ向けるようにしている。
【0083】
この構造の利点は以下のとおりである。
【0084】
即ち、本発明では、クランク構造によって遊星歯車14の実質的な回転中心をキャリヤピン30の軸心Poから外すようにしている。そのため、クランク部32の偏心方向(偏心角α)がキャリヤピン30の軸心Poに対してその基準偏心方向(接線方向)Taに一致していない限り、不可避的にキャリヤピン30を半径方向外側に押し出したり、あるいは内側に引き込んだりするモーメントが発生する。
【0085】
このモーメントは、正転と逆転とで押出しあるいは引込みが逆になるため、正転時と逆転時とでその挙動に微妙な差が生じる恐れがある。そこで、向かい合う一対を組にして、一方の組と他方の組とでその基準偏心方向がA側かB側かを逆にしておくことで、正転時及び逆転時の挙動の差を(確率的に)最小限に抑えることができるようになる。
【0086】
なお、この効果は、遊星歯車14の数が偶数でさえあれば、その個数に拘らず同様に得ることができる。この場合は、隣り合う遊星歯車14の基準偏心方向を交互に逆に設定するとよい。
【0087】
次に、キャリヤピン30のクランク部32の偏心方向(偏心角α)を固定する構造について説明する。
【0088】
本発明においては、既に述べたように、そのクランク部の構造上、(偏心方向αが基準偏心方向Taに一致していない限り)キャリヤピン30を半径方向外側に押し出したり、あるいは内側に引き込んだりするモーメントが発生する。そこで、例えば最も適正な大きさを有する太陽歯車12を組み込んだ後、その偏心方向(偏心角α)を固定してしまう方法が考えられる。
【0089】
即ち、本発明では、太陽歯車12のみの選択によって、バックラッシを低減した減速機を容易に得ることができる。この段階でクランク部32の偏心方向(偏心角α)を固定すると、あたかもクランク部32の軸心Coが従来のキャリヤピンに相当している「通常の」内接噛合遊星歯車機構と全く同一の状態が形成される。
【0090】
この内接噛合遊星歯車機構は、バックラッシが最小に抑えられており、且つ運転時に遊星歯車14を半径方向外側に押出したり、あるいは内側に引き込んだりする力が発生しない。
【0091】
従って、例えば高速状態で運転されるような用途に使用する場合には、一度最良の状態に調整した後、クランク部32の偏心方向を固定してしまった方がむしろその良好な運転状態をそのまま長期に亘って維持できる可能性がある。
【0092】
図10に記載された減速機R2は、この設計思想に基づいてキャリヤピン130のクランク部132の偏心方向を固定できるようにしている。即ち、この図10に係る減速機R2においては、偏心カム134の軸方向長さL1を遊星歯車114の軸方向長さL2より若干大きめに設定してある。このように構成しておくと、適正な大きさの太陽歯車112を選択的に組み込んだ後にボルト128の締め込みを行うと、偏心カム134の両端部134A、134Bがキャリヤ124の本体プレーム124Aの偏心カム側の端部及びカバープレート124Cの偏心カム側の端部によって強く挟持され、偏心カム134の偏心方向が固定され、以降遊星歯車114はこの状態における偏心カム134の軸心(クランク部132の軸心Co)を固定回転中心として回転することになる。
【0093】
この組付け後にクランク部132の偏心方向(偏心角α)を固定する方法は、運転時のクランク部132のモーメントの発生を伴なわないため、正転時と逆転時とで挙動の差が全く発生しないというメリットがあり、従って、このモーメントを相殺するのが構造的に難しい、遊星歯車の数が3を含む奇数に設定された単純遊星歯車機構に適用すると特に有効である。
【0094】
なお、その他の構成については、先の実施形態と同一であるため、図中で下2桁が同一の符号を付すにとめ、重複説明は省略する。
【0095】
最後に、図11を参照して、太陽歯車をフロート構造とした上で、本発明を2段型の減速機に適用した具体例について詳述する。
【0096】
この具体例に係る単純遊星歯車減速機R2は、太陽歯車12と、該太陽歯車12と外接する3個の遊星歯車14と、該遊星歯車14が内接する内歯歯車16と、を備えた(前述した実施形態と同様の)単純遊星歯車機構Seに対し、その前段側に、太陽歯車72と、該太陽歯車72と外接する3個の遊星歯車74と、該遊星歯車74が内接する内歯歯車76と、を備えた単純遊星歯車機構Spを付設し、2段型としたものである。
【0097】
単純遊星歯車機構Spの太陽歯車72は、その入力軸78に一体的に歯切りされている。この入力軸78は、モータの出力軸(共に図示略)が挿入される凹部78Aを有し、ねじ部78Bに螺合する締めボルト(図示略)を介して該出力軸と連結されている。
【0098】
なお、モータは連結用のボルト穴80Aを介して(ケーシングの一部である)継カバー80に連結されており、該継カバー80はボルト80Bを介して継ケーシング82及び本体ケーシング22に連結されている。
【0099】
前記内歯歯車76は、この継ケーシング82と一体化されている。
【0100】
これらの構成は、基本的に先の実施形態の対応個所と同様の構成である。
【0101】
前記遊星歯車74は、全周で3個配置されている。但し、各遊星歯車74はそれぞれキャリヤ84のキャリヤピン孔84Dに圧入されたキャリアピン90によって、ベアリング92を介して回転自在に支持されている。このキャリヤピン90はクランク部を有していない。即ち、キャリヤピン90の軸心Poと遊星歯車74の回転中心は従来と同様に一致しており、偏心していない。
【0102】
なお、キャリアピン90の端面付近には、リング状のアキシャルプレート94が組み込まれている。
【0103】
キャリヤ84は単純遊星歯車機構Spの出力軸を兼ねており、後段の単純遊星歯車機構Seの入力軸18が該キャリヤ84に直接圧入されている。
【0104】
従って、この減速機R1は、太陽歯車入力、内歯歯車固定、キャリヤ出力の単純遊星歯車機構を2段備えており、その後段側が本発明に係る偏心構造の単純遊星歯車機構とされていることになる。
【0105】
図11から明らかなように、単純遊星歯車機構Spのキャリアピン90はキャリア84に圧入状態で挿入されているため、キャリアピン90とキャリア84は一体と見なせる。また、キャリヤ84と単純遊星歯車機構Seの入力軸18も圧入状態で連結されているため、一体と見なせる。更に、この入力軸18には太陽歯車12が一体的に形成されている。この太陽歯車12にはアキシャルプレート86に回転自在に係合する突出部12Aが形成されており、該アキシャルプレート86によって、軸方向の移動が規制されると共に、半径方向の回転の支持がなされている。従って、結局2つのアキシャルプレート84、86の間にキャリアピン90、キャリヤ84、入力軸18、太陽歯車12からなる中間要素群が一体的に配置される構成となっている。
【0106】
この中間要素群の図中右端側の支持は、単純遊星歯車機構Spの太陽歯車72、遊星歯車74、及び内歯歯車76が一種の大きな軸受としての機能を果たすことがそのまま利用されており、特に専用の軸受は設けられていない。即ち中間要素群全体をこのアキシャルプレート86と前段側の単純遊星歯車機構Spそのものとにおいて両持ち支持するようにし、この部分での軸受を一切省略するようにしている。
【0107】
この結果、前段側の単純遊星歯車機構Spには従来通りのバックラッシ或いは「がた」が存在することから、このバックラッシ或いは「がた」の存在により後段側の単純遊星歯車機構Seの太陽歯車12が半径方向に若干フロートされた状態が維持されている。
【0108】
なお、前段側の単純遊星歯車機構Spにおいて従来と同様に存在するバックラッシ或いは「がた」の影響は、後段側の単純遊星歯車機構Seの存在により、その減速比分の1に軽減される。従って実用上殆ど無視し得るものとなる。
【0109】
一方、前段側の単純遊星歯車機構Spは、このバックラッシの存在により比較的高速で回転しても極めて滑らかに回転することができる。また、後段側の単純遊星歯車機構Seの太陽歯車12を半径方向に若干フロートさせた状態を維持した上で、遊星歯車14が自動調心されるため、常に全遊星歯車14がバックラッシのない均等負荷状態で回転することができる。この自動調心は、前段で既に減速されている分、「低速回転状態」で行われるため、極めて円滑に、且つ確実に実現される。
【0110】
即ち、この実施形態は、前段側に敢えて従来型の単純遊星歯車機構を持ってくることにより、前段側の高速回転の円滑性を得、又、そのバックラッシ或いはがたの存在を後段側の太陽歯車のフロート支持に積極的に利用し、後段側の本発明本来の機能を最大限に引き出すようにしたものである。
【0111】
この実施形態においても、前述した本発明の種々のバリエーションは無論採用可能であり、相応の効果が得られる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、遊星歯車(遊星ローラ)に自動調心機能を持たせることができるため、各種寸法誤差や組付け誤差の如何に拘らず、運転時の円滑性をそれだけ向上させることができる。又、この自動調心機能を利用して適正な大きさの太陽歯車(太陽ローラ)を選択的に組み込むという簡単な方法で、バックラッシの小さな減速機、あるいはより適正な与圧力が付与された減速機を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内接噛合遊星歯車機構が適用された減速機の縦断面図
【図2】上記減速機におけるキャリヤピンの構造を示す正面図及び側面図
【図3】上記キャリヤピンの斜視図
【図4】上記キャリヤピンの構造を概念的に示した斜視図
【図5】上記内接噛合遊星歯車機構において適正な大きさの内歯歯車に対して適正な大きさの遊星歯車が組み込まれた時のキャリヤピンのクランク部の状態を示す線図
【図6】上記内接噛合遊星歯車機構において適正な大きさの内歯歯車に対して適正値より小さな遊星歯車が組み込まれた時のキャリヤピンのクランク部の状態を示す線図
【図7】上記内接噛合遊星歯車機構において適正値より小さな内歯歯車に対して適正な大きさの遊星歯車が組み込まれた時のキャリヤピンのクランク部の状態を示す線図
【図8】クランク部の他の例を示す部分断面図
【図9】遊星歯車を4個組み込んだ時の偏心方向の好ましい態様を示した線図
【図10】キャリヤピンのクランク部の偏心方向を固定可能とした減速機を示す図1相当の縦断面図
【図11】本発明を2段型の遊星歯車減速機に適用した例を示す図1相当の縦断面図
【符号の説明】
R1…減速機
S1…単純遊星歯車機構
12…太陽歯車
14…遊星歯車
16…内歯歯車
18…入力軸
20…継カバー
22…ケーシング
24…キャリヤ
30…キャリヤピン
32…クランク部
34…偏心カム
Ro…減速機(単純遊星歯車機構)の軸心
Po…キャリヤピンの軸心
Co…クランク部(クランク部)の軸心
So…太陽ローラの軸心
Ta…基準偏心方向
e…偏心量
α…偏心角

Claims (9)

  1. 太陽歯車と、キャリヤに支持されたキャリヤピンによって支持され、該太陽歯車と外接する遊星歯車と、該遊星歯車が内接する内歯歯車と、を備えた単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法において、
    前記キャリヤピンとして、該キャリヤピンの軸心に対して偏心しており且つ該キャリヤピンの軸心に対して偏心している方向が当該単純遊星歯車機構の軸心に対する半径方向に可変とされたクランク部を有するキャリアピンを用意する工程と
    前記遊星歯車、この半径方向に可変とされたクランク部の軸心を回転中心として回転自在に支持する工程と、
    前記太陽歯車としてまたぎ歯厚の異なる複数の太陽歯車を準備する工程と、
    前記内歯歯車に対して前記遊星歯車を組み込む工程と、
    前記複数の太陽歯車の中から適正なバックラッシが得られるまたぎ歯厚を有する太陽歯車を選択・抽出すると共に、該選択・抽出した太陽歯車を、既に組み込まれた各遊星歯車に囲まれた中央部に、前記クランク部の偏心方向を前記半径方向外側へとシフトした状態で組み込む工程と、を有する
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  2. 請求項1において、
    前記キャリヤピンに、前記遊星歯車を回転自在に支持可能な偏心カムを、該キャリヤピンと回転方向に一体化した状態で設け、且つ、
    該キャリヤピンを、前記キャリヤによって回転自在に支持することにより、
    前記キャリヤピンのクランク部の形成が実現されている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  3. 請求項1において、
    前記キャリヤピンの外周に、前記遊星歯車を回転自在に支持可能な偏心カムを、該キャリヤピンに対して回転自在に組み込むことにより、
    前記キャリヤピンのクランク部の形成が実現されている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記遊星歯車を3個備えたことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記キャリヤピンの軸心に対してぞれぞれのクランク部の偏心方向が、該単純遊星歯車機構の軸心と当該キャリヤピンの軸心とを結ぶ直線に対して同一の側に向けられている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記遊星歯車を偶数個備え、且つ相隣り合うキャリヤピンのクランク部の偏心方向が、該単純遊星歯車機構の軸心と当該キャリヤピンの軸心とを結ぶ直線に対して交互に逆側に向けられている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記キャリヤピンのクランク部の偏心方向が固定可能とされている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記太陽歯車が、フロート状態で組み込まれている
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構のバックラッシ低減方法
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載された単純遊星歯車機構を利用して、
    内歯歯車及び遊星歯車を組み込むと共に、
    大きさの異なる複数の太陽歯車の中から、適正の大きさの太陽歯車を選択的に抽出し、
    この抽出された太陽歯車を、既に組み込まれた前記遊星歯車の中心部に、前記キャリヤピンのクランク部の偏心方向を調整しながら組み込む
    ことを特徴とする単純遊星歯車機構の製造方法。
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