JP3933973B2 - パネル接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接するパネル間に亘って配線類を通過させることができるパネル接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、中空の内部空間に配線類を通すことができるようにしたパネルが知られている。そして、このような複数のパネルを各パネル面が同一方向を向くようにして配置する場合、隣接するパネルに亘って配線類を通過させるための構成として、パネルの側端部同士を接続する接続用の支柱や各パネルの側端部を構成する側枠材等を部分的に切り欠いて、この切り欠き部分を通じて隣接するパネルの内部空間同士を連通させるようにしたものが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のものであると、パネル面を同一方向へ向けて配置する場合には各パネル間に跨った配線が可能であるが、例えば隣接するパネル面同士が略直角など異なる方向を向かせて配置するような複数パネルの平面視L字型配置、T字型配置、十字型配置等の場合には、パネル間に跨る配線を行うことができない。一方、接続用支柱や側枠材等にL字型配置等の各配置態様に対応させて上述のような切り欠きを形成することも考えられるが、単に切り欠きを形成したのでは、隣接するパネル同士の接続部分において切り欠き部分を通じて配線類が露出してしまい、外観を損なうことになる。
【0004】
そこで本発明は、以上のような問題に鑑みて、隣接するパネルをそれらのパネル面同士が異なる方向を向くように配置した場合、それらパネル間に跨らせて配線類を好適に通過させることができるパネル接続構造を提供することを主目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のパネル接続構造は、内部に配線類を挿通させ得る配線挿通空間をそれぞれ形成したパネル同士をそれらのパネル面同士が異なる方向を向くように接続する構造であって、各パネルの隣接する側端部間にパネルの端部同士を接続する接続要素を高さ方向に複数介在させるとともに、上下の接続要素間に前記配線挿通空間と連通する空隙を形成し、前記空隙のうちパネル面同士がなす少なくとも内角側を隠蔽する部位に、その空隙を通じて各パネルの配線挿通空間を連通させ且つ空隙を隠蔽し得るコーナー部材を配置しているとともに、隣接する各パネルの側端部間に、前記複数の接続要素とこれら接続要素同士を上下に連結する芯材とを具備する接続用支柱を配置し、隣接する接続要素のうち上側の接続要素の下端面、下側の接続要素の上端面、及び芯材を外方から覆いこれら接続要素とコーナー部材との間に介在する被覆部材を配置していることを特徴としている。
【0006】
このような接続構造であれば、各接続要素によって隣接するパネル同士をそれらのパネル面が異なる方向を向くように配置した場合、上下に隣接する接続要素間に形成される空隙を通じて各パネルの配線挿通空間を連通させることができるので、パネル間に跨った配線を容易に実現することができる。その際、隣接するパネル面同士がなす内角側を通過する配線類は、コーナー部材によって隠しておくことができるので、良好な外観を維持することができる。もちろん、外角側にもコーナー部材を配置して、外角側を通過する配線類を隠すようにしてもよい。また、隣接するパネルのパネル面同士がなす角度は、直角に限らずあらゆる角度に対応することができる。
【0007】
さらに、隣接する各パネルの側端部間に、複数の接続要素とこれら接続要素同士を上下に連結する芯材とを備えた接続用支柱を配置しているので、この接続用支柱によりパネル同士の接続を実現するようにでき、従って、複数の接続要素を備え一体化された部材によってパネル同士を接続することで、接続構造の簡素化を図ることができる
【0008】
加えて、隣接する接続要素のうち上側の接続要素の下端面、下側の接続要素の上端面、及び芯材を外方から覆いこれら接続要素とコーナー部材との間に介在する被覆部材を配置しているので、配線類の損傷防止を有効にはかることができる。特に接続用支柱が金属製である場合、接続用支柱のうち接続要素間の空隙において露出する部位は鋭利な切断端面となって配線類の損傷を招きやすいため、このような被覆部材を設けることによる損傷防止効果は極めて大きい。
【0009】
この場合、接続用支柱が、各接続要素に略等角度位相をなして異なる4つのパネルの側端部と対向し得る外向面を有するものであれば、二つのパネルを平面視L字型に配置する態様、三つのパネルをT字型に配置する態様、四つのパネルを十字型に配置する態様、の三態様のいずれのパネル配置にも対応することができ、さらに隣接する前記外向面同士が交わる隅部に対応する前記空隙にそれぞれコーナー部材を配置することで、前記いずれの態様であってもパネル間に亘る配線類を好適に隠しておくことが可能となる。
【0010】
このような被覆部材を簡便に配置し、被覆部材自体の構造の共通化を容易にはかるには、被覆部材を、芯材を挟んで対向する二方向からそれぞれ所定位置に配置される半割構造を有するものとすることが望ましい。
【0011】
また、部材の隅部に他の部材を安定的に配置することは一般に困難であるが、コーナー部材の上端部及び下端部と被覆部材の上端部及び下端部との間に、コーナー部材を被覆部材に対して着脱可能に係合させる係合部を形成することで、接続要素同士の間の空隙における隅部のような箇所にも、被覆部材を足場としてコーナー部材を容易に配置することができるようになる。
【0012】
パネルの配置変更に迅速に対応して、コーナー部材の付け替えを容易なものとするためには、係合部を、コーナー部材又は被覆部材のいずれかに形成した弾性変形部における弾性変形を利用してコーナー部材と被覆部材とを着脱し得るものとすることが好ましい。さらにこの係合部を通じて取り付けたコーナー部材の安定化を図るためには、この係合部を、弾性変形部の変形によりコーナー部材が被覆部材の所定位置に配置された状態で、それらコーナー部材と被覆部材とが凹凸係合するものとすればよい。このようにすれば、レイアウト変更をせずに配線のみを追加したり撤去する場合、パネルの表面を構成するパネル要素を取り付けているフレームまでは解体組み立てをする必要をなくすことができる。
【0013】
また、パネルが配置されない側の前記外向面に対応して開口する空隙においても、空隙内部を外部から隠蔽して良好な外観を維持する必要がある。したがって、空隙のうちパネルが配置されずに開口する部位においては、隣接配置されるコーナー部材間に、その空隙内を外方から閉塞するカバー部材を配置することが望ましい。この場合、さらなる外観の向上を図るには、カバー部材を、接続要素の外向面と略面一をなす位置に配置されるものとすることが好ましい。このようなカバー部材を接続用支柱側に特別な造り込みをせずに容易に配置できるようにするには、各コーナー部材をそれぞれ上側の接続要素と下側の接続要素との間に直接的又は間接的に支持させるとともに、隣接するコーナー部材間に前記カバー部材を支持させるとよい。なお、このようなカバー部材を用いた場合、隣接するパネル同士を直交配置する以外に、隣接するパネルをそれらの幅方向に沿って一列に配置した際にも好適なパネル間配線を行うことができる。すなわち、パネル間に配置される接続支柱のうちそれらパネルの側端部に対面する2カ所のカバー部材のみを取り外しておき、パネル面と略平行な2カ所に開口する空隙をカバー部材で閉塞しておけばよいことになる。
【0014】
また、以上のようなパネル接続構造において、異なる高さ位置でのパネル間配線を行い、配線類の分類や他種類の配線を可能とするためには、接続要素を、パネルの側端部に沿って高さ方向へ間欠的に配置することが好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
この実施形態は、内部が中空の同種のパネルPを複数接続し、隣接するパネルP間に跨って配線類を配置し得るように構成したパネル接続構造Aである。図1は、接続要素2を上下に複数備えた接続用の支柱1を用いて2つのパネルPを平面視L字型に連結する態様を示しているが、これに限らず本実施形態のパネル接続構造Aを利用すれば、後述するように3つのパネルPをT字型に接続する態様、4つのパネルPを十字型に接続する態様、2つのパネルPを一列に配置する態様のいずれかを選択的に採用することができ、接続されるパネルPについても同一の高さ寸法のものに限らず高さ違いのパネルP同士を接続することもできる。
【0017】
まず、パネルPの構成について簡単に説明する。これらパネルPは、例えばパーティション等として用いられるものであって、図1に部分的な斜視図を、図2に概略的な縦断面図を、図3に概略的な横断面図をそれぞれ示すように、正面視矩形状をなす枠構造体7に、この枠構造7体と略同一の幅寸法を有する複数のパネル要素8を上下に並べて装着したものである。枠構造体7は、所定距離離間して配置される左右一対の側枠材71の上端部間及び下端部間をそれぞれ横枠材72によって連結したものである。側枠材71の中間高さ位置には、横枠材72と略水平に延びる補強桟73を取り付けている。一方、各パネル要素8は、上下に密接に並べてそれぞれ枠構造体に取り付けることにより全体として枠構造体7と略同一高さ寸法となり、枠構造体7の前面側及び背面側の略全域を覆うようにしたものである。各パネル要素8は、板状の金属板の上下左右の端部を折り曲げ形成した面板部81の裏面側に板状の芯部材82を充填したものであり、面板部81の前面をパネル面Paとしている。なお、面板部81の少なくとも前面にはクロス材を設ける場合もあるが、本実施形態ではこれを省略しているものとする。前記側枠材71の高さ方向における複数箇所には、各パネル要素8を取り付けるための取付孔711を開口させており、この取付孔711に対して各面板部81の裏面の左右両側端部における上端部及び下端部設けた取付爪83、84を挿入することで、パネル要素8を枠構造体7に取り付けている。ここで、下端部側の取付爪84は、下向きに屈曲するフック状をなすものであり、上端部側の取付爪83は上下方向へ弾性変形可能なものである。そして、パネル要素8の取付に際しては、まず、パネル要素8を前傾姿勢にして下端部側の取付爪84をそれと対応する側枠材71の取付孔711に上方から落とし込んで係合させ、その位置を支点としてパネル要素8を起立させるように上端部側を回動させ、上側の取付爪83をその弾性変形を利用して対応する側枠材71の取付孔711に圧入する。
【0018】
このように、各パネル要素8を枠構造体7の前面側及び背面側にそれぞれ上下複数段に並べて取り付けると、表裏対をなすパネル要素8同士の間に空間が形成され、この空間を配線挿通用空間Psとして利用するようにしている。なお、パネルPの厚み寸法は、枠構造体7と各パネル要素8の面板部81との離間距離、すなわち取付爪83、84の突出量に依存しているが、この取付爪83、84の突出量を変更することで、パネルP全体の厚み寸法を変更し得るようにしている。なお、枠構造体7にパネル要素8を取り付けたパネルPの上端部及び下端部に位置づけられた上下の横枠材72にはさらに、笠置及び巾木が設けられるが、これらについては図示を省略している。
【0019】
また、側枠材71の上端部には、パネルPを支柱1に取り付けるために、パネルP側の上方位置から外側方斜め下方へ向けてボルト(図示省略)を挿入するためのパネル側接続具712を配置しており、これに対してパネル側接続具712に挿入されたボルトの先端部を受け入れるねじ孔を形成した支柱側接続具27を、支柱1の上端部における該当箇所に配置し、これらパネル側接続具712及び支柱側接続具27を前記ボルトにより緊締することで、パネルPを支柱1に連結している。
【0020】
支柱1は、図1〜図4に示すように、上下方向に所定の空隙Sを開けて離間配置される複数の接続要素2と、これら接続要素2を連結している芯材3とを主体としてなるものである。具体的にこの支柱1は、例えばアルミ材の押し出し成形により接続要素2及び芯材3を一体に形成し、前記空隙Sに該当する部位を切断したものである。そして空隙S内における所用箇所に、コーナー部材4、カバー部材5、被覆部材6を配置することで、支柱1に接続されたパネルP間に亘ってこの空隙Sを通じて配線類Kを配置するとともに、その配線類Kを外部から隠蔽するように構成している。
【0021】
まず芯材3は、平面視十文字形状をなし支柱1の中心部をその高さ寸法全範囲に亘って上下に延びるものである。芯材3の十文字形状の各先端には、それぞれ芯材3に沿って上下に延びる中空をなす筒状部20を1つずつ、合計4つ形成しており、隣接する筒状部20同士の間には、図3に示すように、外部に開放され上下に延びるチャネル状の溝部21が形成されている。また、各筒状部20の2つの外側壁22は、薄板状をなし相互に約90°をなして離反している。また、筒状部20の2つの内側壁23は、外側壁22よりも若干厚く芯材3と同程度の厚さであり、これら内側壁23も芯材3の先端から相互に90°をなして離反している。さらに、各外側壁22と内側壁23との境界部分には、それぞれ溝部21の開口幅を狭めるように溝部21側へ突出させた突出壁24を形成しており、また、各内側壁23の幅方向中間部には溝部21側へ突出する補強用リブ25を形成している。そして、この支柱1における所定高さ位置において各筒状部20のみを略水平に切除することによって、その切除箇所を前記空隙Sとし、この空隙Sを挟んで上方又は下方に位置づけられる4つの筒状部20の組からなる部位をそれぞれ前記接続要素2としている。すなわち、各接続要素2の外向面は、外側壁22の外向面22aによって構成されている。
【0022】
このように構成される支柱1において、パネルPを接続しない側の外向面22a間の溝部21には空隙Sを避けて、上下に延びて溝部20s内を外方から閉塞する目隠し部材26を取り付けている。この目隠し部材26は、平板状をなす目隠し部材本体26aと、その裏面側に突出させた一対の取付部26bとを一体に形成した合成樹脂製部材である。取付部26bは、突出方向中間部で屈曲し板バネとしての機能を有しており、この取付部26aを弾性変形させることによって、溝部20sの開放端部で突出している一対の突出壁24間に着脱可能に係合して支柱1に取り付けられる。このとき、目隠し部材本体26aの裏面における側端部が前記突出壁24の外向面に当接する一方、表面は接続要素2の外向面22aよりもやや奥方に位置づけられる。すなわち、同一方向を向く一対の外向面22aの間には、目隠し部材本体26aの表面を底としてやや窪んだ凹部28となっている。なお、パネルPを接続する側の外向面22a間の溝部20sや、支柱1の上端部において溝部21におけるパネルPを接続するための支柱側接続具27を配置する箇所にも目隠し部材26は取り付けていない。そして、本実施形態では、パネルPを接続すべき側の各接続要素2における外向面22aにそれぞれ平面視L字型をなすように各パネルPの側枠材71の側端面71aを当接した姿勢で、上述のパネル側接続具712及び支柱側接続具27をボルトで緊締することによって、支柱1を介して2つのパネルPを接続している。このようにすることで、支柱1における接続要素2間に形成された空隙Sを介して、隣接する各パネルPの配線挿通空間Psが連通することになる。したがって、この空隙S内の外部への露出を避けるために、図1及び図4〜図8に示すように、空隙Sにコーナー部材4、カバー部材5、被覆部材6を配置することとしている。
【0023】
まず、コーナー部材4は、空隙S内において支柱1の四隅にそれぞれ配置されるものであり、具体的には被覆部材6を介して空隙S内に設けられる。各コーナー部材4はいずれも同一形状、同一構成を有している。各コーナー部材4は、配置されるべき空隙Sの開口高さよりも若干短い高さ寸法を有し内角約90°をなして相互に離反する方向に延びる一対の外側壁41と、これら外側壁41の内角側においてその内角を略二等分するように設けられ被覆部材6に取り付けるための装着部42とを、樹脂素材の一体成形により形成したものである。外側壁41の外側面41aは、図1、図5、図7及び図8に示すように、いずれもこのコーナー部材4が配置される空隙Sを上下に挟む位置にある接続要素2の外側面22aと略面一をなす。装着部42は、図6及び図8に詳細に示すように、一対の外側壁41の内角に沿って起立する基壁421と、この基壁421の上端部及び下端部を基端として延びる上下一対の装着アーム422、423とから構成される。上側の装着アーム422の長手方向中間部における上向面と、下側の装着アーム423の長手方向中間部における下向面とには、それぞれ上方又は下方へ突出し被覆部材6との間に凹凸係合部4xを構成する突起422a、423aを形成している。また、装着アーム422、423には、これら突起422a、423aの下方又は上方部位を肉厚方向に貫通させた孔部422b、422bをそれぞれ開口させており、各突起422a、423aに上方又は下方から外力が作用した場合に、図8に示すように、装着アーム422、423自体が若干撓んで弾性変形するように、弾性変形部4yを形成している。
【0024】
カバー部材5は、被覆部材6に装着され所定距離離間して隣接するコーナー部材4同士の間に配置されるもので、空隙S内には最高4つの同一形状、同一構成を有するカバー部材5を設けられるようにしている。なお、支柱1に接続されるパネルPの側枠材の側端面と対面する箇所には、このカバー部材5は配置しない。具体的に各カバー部材5は、起立姿勢で配置される板状の樹脂製部材であり、図1、図5、図7及び図8に示すように、その外側面5aはこのカバー部材5が配置される空隙Sを上下に挟む位置にある接続要素2の外側面22aと略面一をなす。なお、図4、図6及び図7に示すようにカバー部材5の外側面5aにおける幅方向中央部には、上下に延びる凹部51を形成しており、この凹部51を支柱3の凹部28と略連続させるようにしている。また、カバー部材5の裏面5bは平面的に形成してある。さらに、カバー部材5の両側端部は外側面5aよりも外方へ延出させて鍔状部52を形成しており、この鍔状部52の前面52aを外側面5aと略平行とするとともに、裏面52bをテーパ状にしている。そして、図7に示すように、この鍔状部5の前面52aをコーナー部材4の外側壁41の裏面41bと対面させるとともに、テーパ状の裏面52bをコーナー部材4の基壁421の側面421aと対面させる位置に、このカバー部材5を配置するようにしている。
【0025】
被覆部材6は、空隙S内において、支柱1の芯材3と、支柱1における筒状部20の切断端面である上側の接続要素2の下端面及び下側の接続要素2の上端面とを外方から覆うものである。具体的にこの被覆部材6は、相対する方向から空隙S内に挿入して芯材3を抱きかかえるように設けられる同一形状及び同一構成の二つの被覆要素61からなる半割構造を有している。各被覆要素61は、図4〜図7に示すように、上下に離間して対をなす板状の上被覆部62及び下被覆部63と、これら上被覆部62及び下被覆部63を連結する平断面視概略コ字型をなす側被覆部64とを一体に形成した樹脂成形品である。上被覆部62の上面は上側の接続要素2の下端面と対面し、下被覆部63の下面は下側の接続要素2の上端面と対面する。そして、これら上被覆部62及び下被覆部63の外周面62a、63aは、図1、図5、図7及び図8に示すように、それぞれ隣接する接続要素2の外側面22aと略面一である。一方、一対の被覆要素61の側被覆部64は、図7に示すように、それらの開口側を対向させて平面視正方形状の角筒部6xを形成することで、この角筒部6x内に芯材3を収容するようにしている。また、上被覆部62及び下被覆部63は、側被覆部64の平断面形状に対応して芯材3を避けるように一部を矩形状に切り欠いた形状としている。また、上被覆部62及び下被覆部63の外縁部からやや内寄りの位置、具体的にはカバー部材5の厚み寸法分だけ内寄りの位置から側被覆部64の外向面64aまでの部位を、図6に示すように、外縁部よりも肉厚の大きい厚肉部621、631としており、これら厚肉部621、631の外方を向く起立面621a、631aを、カバー部材5の裏面5bと対面させるようにしている。さらに、上被覆部62及び下被覆部63において、側被覆部64の開口側とは反対側の厚肉部621、631のコーナー部分には、コーナー部材4の装着アーム422、423を外方から側被覆部64のコーナー部分に向けて進入させ得るアーム収容溝622、632をそれぞれ形成している。さらに、これらアーム収容溝622、632内には、装着アーム422、423の各突起422a、423aと係合する突起受け孔623、633を形成している。すなわち、これら突起422a、423aと突起受け孔623、633とによって、装着アーム422、423の弾性変形を利用してコーナー部材4を被覆部材6に着脱可能に係合させる係合部4xを構成している。
【0026】
以上のようなコーナー部材4、カバー部材5、被覆部材6は、次のようにして空隙S内に装着する。まず、空隙S内に相対向する側方向から一対の被覆要素61を挿入し、それら被覆要素61の側被覆部64によって形成される角筒部6xによって芯材3を隠蔽するとともに、各上被覆部62及び下被覆部63によってその空隙Sの上側の接続要素2の下端面と下側の接続要素2の上端面とを隠蔽する。そして、パネルPを配置しない接続要素2の外側面22a側における被覆部材6の上被覆部62と下被覆部63の間にカバー部材5を起立姿勢で配置するとともに、空隙Sの各コーナー部分におけるアーム収容溝622、632にコーナー部材4の装着アーム422、423を進入させ、突起422a、423aを突起受け孔623、633と係合させることで、各部材の取付が完了する。本実施形態では、支柱3を介して2つのパネルPを、それらがなす内角側のパネル面Pa同士が略90°をなすL字型に配置するため、パネルPが接続されない2カ所においてのみカバー部材5を用いている。このとき、カバー部材5は、その厚み方向に前方及び後方から、コーナー部材4の外側壁41及び被覆部材6の外側壁41の裏面41bによって挟まれた状態で支持されているため、容易に外れることはない。なお、本実施形態では、コーナー部材4、カバー部材5、被覆部材6及び目隠し部材26は、それぞれの装着状態において外観し得る部位に、支柱1の素材と同系色の着色を施して、色合いの統一による外観の向上を図っている。
【0027】
以上のように各部材を配置することで、空隙Sにおいてカバー部材5を配置していない側の隣接するコーナー部材4間を通じて、2つのパネルPの配線挿通空間Psが連通することになり、図7に波線で示すように、2つのパネルPに跨って配線類Kを通過させることが可能となる。その際、空隙SのうちパネルP同士がなす内角側は、コーナー部材4のみが配置された状態であるが、このコーナー部材4の外側壁41の存在によって、外方から空隙S内を外観不能に隠蔽しておくことができる。さらにその他の部位では、コーナー部材4及びカバー部材5の存在によって、空隙Sの内部を確実に隠蔽しておくことが可能である。特にコーナー部材4の空隙S内への配置に際し、被覆部材6を足場にして当該被覆部材6にこのコーナー部材4を着脱可能に取り付けているため、小部品を取り付けるのが困難であった支柱の角部分へのコーナー部材4の取付作業を極めて簡便化することができる。また、このような空隙Sを支柱1の高さ方向に間欠的に形成しておき、各空隙Sに上述と同様の態様でコーナー部材4、カバー部材5、被覆部材6を配置することで、必要な高さ位置でのみ、或いは複数の高さ位置でのパネル間配線が可能となる。さらに、コーナー部材4は空隙S内に挿入された被覆部材6と係合することで所定の取付位置を維持できるとともにその着脱も容易であり、カバー部材5はコーナー部材4によって前方へ倒れることなく支持されて安定的に配置されているため、その装着又は取り外しも極めて容易である。
【0028】
また、本実施形態のパネル接続構造Aを用いれば、冒頭で述べたように、2つのパネルPのL字型配置以外の配置態様をも採用することができ、室内空間の模様替え等に伴うパネルPの配置換えを容易に行うことができる。
【0029】
図9は、支柱1を介して3つのパネルPを平面視T字型に配置した態様を示している。この場合、カバー部材5をパネルPが配置されない側の1カ所にのみ設けることで、支柱1の空隙Sを通過してパネルP間に跨って延びる配線類kを略完全に隠しておくことができる。
【0030】
図10は、支柱1を介して4つのパネルPを平面視十字型に配置した態様を示している。この場合、カバー部材5を全く用いることなく、支柱1の空隙Sを通過してパネルP間に跨って延びる配線類kを略完全に隠しておくことができる。
【0031】
図11は、支柱1を介して2つのパネルPを平面視略一直線状に配置した態様を示している。この場合、パネル面Paと略平行となる側の2つのカバー部材5のみ設けることで、支柱1の空隙Sを通過してパネルP間に跨って延びる配線類kを略完全に隠しておくことができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば支柱に対して4方向以上又は以下にパネルを接続できるような構成としてもよい。また、接続要素は芯材によって連結された一体の支柱を構成するもの以外に、所定の大きさの空隙を開けて相互に分離した接続要素を適用し、それら接続要素に対してパネルを接続するようにした態様を採用することができる。さらに、コーナー部材、カバー部材、被覆部材をはじめとする各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。例えばコーナー部材と被覆部材との間に形成される係合部の態様として凹凸係合以外の係合構造を採用したり、弾性変形部としていずれかの部材に弾性変形可能なゴムやバネ等を用いるなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上に詳述したように、内部に配線挿通空間を有するパネル同士を接続するに際して、パネルの側端部間に上下に空隙を開けて配置される複数の接続要素によってそれらパネルを接続し、パネル内の配線挿通空間と空隙とを連通させた上で、その空隙のうち少なくともパネル面同士がなす内角側をコーナー部材によって外部から隠蔽するようにしているため、パネル面同士が同一方向を向かない角度をつけたパネル接続におけるパネル間配線が可能となるばかりでなく、その際に配線類がかねる同士の間の接続箇所で露出しないようにして外観の向上も図ることが可能である。
さらに、隣接する各パネルの側端部間に、複数の接続要素とこれら接続要素同士を上下に連結する芯材とを備えた接続用支柱を配置しているので、この接続用支柱によりパネル同士の接続を実現するようにでき、従って、複数の接続要素を備え一体化された部材によってパネル同士を接続することで、接続構造の簡素化を図ることができる
加えて、隣接する接続要素のうち上側の接続要素の下端面、下側の接続要素の上端面、及び芯材を外方から覆いこれら接続要素とコーナー部材との間に介在する被覆部材を配置しているので、配線類の損傷防止を有効にはかることができる。特に接続用支柱が金属製である場合、接続用支柱のうち接続要素間の空隙において露出する部位は鋭利な切断端面となって配線類の損傷を招きやすいため、このような被覆部材を設けることによる損傷防止効果は極めて大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した2つのパネルのL字型配置態様を各部を分解して示す斜視図。
【図2】同実施形態に適用されるパネルの概略的な縦断面図。
【図3】同パネルの概略的な横断面図。
【図4】図1における部分拡大斜視図。
【図5】同部分拡大斜視図。
【図6】同実施形態を各部を分解して示す斜視図。
【図7】同実施形態の要部における横断面図。
【図8】図7におけるa−a線断面図。
【図9】同実施形態を適用した3つのパネルのT字型に配置した態様を示す断面図。
【図10】同実施形態を適用した4つのパネルの十字型に配置した態様を示す断面図。
【図11】同実施形態を適用した2つのパネルの一直線状に配置した態様を示す断面図。
【符号の説明】
K…配線類
P…パネル
Pa…パネル面
Ps…配線挿通空間
S…空隙
1…接続用支柱(支柱)
2…接続要素
3…芯材
4…コーナー部材
4x…係合部
5…カバー部材
6…被覆部材
422、423…弾性変形部(装着アーム)

Claims (10)

  1. 内部に配線類を挿通させ得る配線挿通空間をそれぞれ形成したパネル同士をそれらのパネル面同士が異なる方向を向くように接続する構造であって、
    各パネルの隣接する側端部間にパネルの端部同士を接続する接続要素を高さ方向に複数介在させるとともに、上下の接続要素間に前記配線挿通空間と連通する空隙を形成し、前記空隙のうちパネル面同士がなす少なくとも内角側を隠蔽する部位に、その空隙を通じて各パネルの配線挿通空間を連通させ且つ空隙を隠蔽し得るコーナー部材を配置しているとともに、
    隣接する各パネルの側端部間に、前記複数の接続要素とこれら接続要素同士を上下に連結する芯材とを具備する接続用支柱を配置し、
    隣接する接続要素のうち上側の接続要素の下端面、下側の接続要素の上端面、及び芯材を外方から覆いこれら接続要素とコーナー部材との間に介在する被覆部材を配置していることを特徴とするパネル接続構造。
  2. 接続用支柱が、各接続要素に略等角度位相をなして異なる4つのパネルの側端部と対向し得る外向面を有し、隣接する前記外向面同士が交わる隅部に対応する前記空隙にそれぞれコーナー部材を配置し得るようにしている請求項記載のパネル接続構造。
  3. 前記被覆部材が、芯材を挟んで対向する二方向からそれぞれ所定位置に配置される半割構造を有するものである請求項1又は2記載のパネル接続構造。
  4. コーナー部材の上端部及び下端部と被覆部材の上端部及び下端部との間に、コーナー部材を被覆部材に対して着脱可能に係合させる係合部を形成している請求項1、2又は3記載のパネル接続構造。
  5. 前記係合部が、コーナー部材又は被覆部材のいずれかに形成した弾性変形部における弾性変形を利用して、コーナー部材と被覆部材とを着脱し得るものである請求項記載のパネル接続構造。
  6. 係合部が、前記弾性変形部の変形によりコーナー部材が被覆部材の所定位置に配置された状態で、それらコーナー部材と被覆部材とが凹凸係合するものである請求項記載のパネル接続構造。
  7. パネルが配置されない側の前記外向面に対応して開口する空隙において、隣接配置されるコーナー部材間に、空隙内を外方から閉塞するカバー部材を配置している請求項1、2、3、4、5又は6記載のパネル接続構造。
  8. 前記カバー部材が、前記外向面と略面一をなす位置に配置されるものである請求項記載のパネル接続構造。
  9. 各コーナー部材をそれぞれ上側の接続要素と下側の接続要素との間に直接的又は間接的に支持させるとともに、隣接するコーナー部材間に前記カバー部材を支持させている請求項又は記載のパネル接続構造。
  10. 接続要素を、パネルの側端部に沿って高さ方向へ間欠的に配置している請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のパネル接続構造。
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