JP3933450B2 - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関用潤滑油組成物に関し、詳しくは、ガソリン筒内直接噴射エンジンに好適に用いられる内燃機関用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に対する環境規制、とりわけ地球温暖化防止の観点から省燃費化による二酸化炭素排出量の低減、あるいは排気ガス浄化が重要視されており、エンジンハ−ド側において各種の改良が実施されている。省燃費化対策に有望な技術の1つとして、燃焼効率をより高めたガソリン筒内直接噴射エンジンの導入が進められている(例えば岡野ら:直噴ガソリンエンジンの開発、TOYOTAテクニカルレビュ−、50,2(2000))。
ガソリン直噴エンジンにおける排気ガス浄化装置には、従来用いていた3元触媒では効果が発揮されにくいことからNOx吸蔵型触媒が用いられているが(例えば、N.Miyoshi et al.,:Development of New Concept Three-Way Catalyst for Automotive lean-Burn Engines,SAE Paper 950809)、このNOx吸蔵型触媒はガソリンやエンジン油中に含まれる硫黄によって被毒を受けやすいことが報告されており(例えば鈴木ら:NOx吸蔵型触媒の被毒機構解析とその改良,TOYOTAテクニカルレビュ−、44,27(1996))、ガソリンの低硫黄化とともに、エンジン油の蒸発性改善及び低硫黄化が求められている。
更にガソリン直噴エンジンにおいてはガソリン吸気系ポ−トあるいはバルブにおけるデポジット堆積が問題となっており(例えばS.W.Morris:The Evaluation of Performance Enhancing Fluids and The Development of Measurement and Evaluation techniques in The Mitsubishi G-DI Engine ,SAE Paoer 1999-01-1496)、その対策も求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン油の蒸発特性及び低硫黄化を考慮し、NOx吸蔵型触媒の触媒被毒を低減させ、かつガソリン筒内直接噴射エンジンにおけるデポジットを低減する事に主眼を置いたエンジン油に関する検討報告は少なく、また市場においての使用実績はないと思われる。
本発明は、上記観点からなされたもので、NOx吸蔵型触媒の触媒被毒を抑制し、かつ吸気バルブデポジットをも低減できるガソリン筒内直接噴射エンジンに好適な内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはデポジットの生成しにくい基油、デポジットの核物質となると考えられるすす、デポジットの成長に寄与すると考えられる粘度指数向上剤、さらにはデポジット抑制に効果的な各種配合添加剤の最適化をはかるため鋭意検討を重ねた結果、特定の基油を使用し、特定の添加剤を特定量配合した組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)100℃における動粘度が3.5〜10.0mm2/sであり、全硫黄含有量が0.005質量%以下で全芳香族含有量が10質量%以下の鉱油及び/又は合成油からなる基油に、組成物全量基準で、(B)ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を窒素元素換算量で0.01〜0.2質量%、(C)ジチオリン酸亜鉛を硫黄元素換算量で0.3質量%以下、(D)フェノール系無灰酸化防止剤及び/又はアミン系無灰酸化防止剤を0.1〜5.0質量%、(E)アルカリ土類金属系清浄剤をアルカリ土類金属元素換算量で0.1〜0.3質量%含有し、かつ(F)粘度指数向上剤を実質的に含有しないことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物にある。
【0005】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、その100℃での動粘度が5.6〜16.3mm2/sであることが好ましい。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、前記(E)成分が、全塩基価が150〜350mgKOH/gの塩基性カルシウムサリシレートであることが好ましい。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、前記基油が、100℃における動粘度が1.8〜40mm2/sのポリ−α−オレフィン及びその水素化物から選ばれる1種又は2種以上からなることが好ましい。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、NOx吸蔵型触媒を装填した排気ガス浄化装置装着内燃機関用であることが好ましい。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、ガソリン筒内直接噴射エンジン用であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物における(A)成分は、鉱油及び/又は合成油からなる特定の基油である。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を一つあるいは二つ以上を適宜組み合わせて精製したパラフィン系あるいはナフテン系等の油やノルマルパラフィン等を挙げることができる。溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的に用いられるが、芳香族分をより低減することが可能である高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トゥー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを使用することがより好ましい。
【0007】
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリブテン、及びポリフェニルエーテル等が挙げられる。
本発明における(A)成分としては、これらの鉱油及び合成油の中から選ばれる1種又は2類以上の任意の混合油を使用することができる。
【0008】
(A)成分の全硫黄含有量は0.005質量%以下であることが必要であり、その好ましい範囲は0.002質量%以下、特に好ましくは実質的に硫黄を含有しないこと(即ち、0.0005質量%以下あるいは全く含まないこと)が好ましい。これにより吸気バルブ等へのコーキングを起こしにくくでき、さらに組成物を低硫黄化することができるため、NOx吸蔵触媒の触媒被毒を抑制することが可能となる。
(A)成分の芳香族含有量は10質量%以下であることが必要であり、その好ましい範囲は6質量%以下、特に好ましい範囲は2質量%以下である。(A)成分の芳香族分含有量が10質量%を超える場合には新油(本発明の潤滑油組成物で製造後まだ使用してないもの)時、すす混入時、あるいは長期間使用した場合においても吸気バルブ等のコーキングを抑制することができないため好ましくない。なお、全芳香族含有量とはASTM D2549に規定される方法に準拠して測定した芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味する。
【0009】
(A)成分の100℃における動粘度は3.5〜10.0mm2/sであることが必要であり、その好ましい範囲は4.0〜9.0mm2/sである。100℃における動粘度が3.5mm2/s未満の場合、基油の蒸発量が多く、触媒被毒や粘度増加への悪影響が懸念されるだけでなく、低粘度であることからオイル下がり等による吸気バルブ等へのコーキングが発生しやすく、また、100℃における動粘度が10.0mm2/sを超える場合、粘性抵抗による動力損失が大きくなり、省燃費性能に劣るだけでなく、吸気バルブ等の高温部に接触する時間が長くなってコーキングを発生しやすくなるため、それぞれ好ましくない。
【0010】
(A)成分として混合油を用いる場合は、混合油の100℃における動粘度、全硫黄含量、全芳香族含有量が上記で規定する範囲にある限りにおいては、混合油の一つの油がこの範囲から外れる基油、例えば、100℃における動粘度が10mm2/sを超える基油、全硫黄含有量が0.005質量%を越える基油、あるいは芳香族含有量が10質量%を超える基油等を適宜混合して使用してもよい。
本発明においては、100℃における動粘度が1.8〜40mm2/s、好ましくは、2.8〜20mm2/s、更に好ましくは、3.5〜10mm2/sのポリ−α−オレフィン及びその水素化物から選ばれる1種又は2種以上からなる基油を用いることが好ましい。但し、基油は、本発明で規定する動粘度の範囲(即ち、3.5〜10.0mm2/s(100℃))となるように選択するか、あるいは混合油の場合には、そのような範囲になるように調整する。
(A)成分の粘度指数は、特に制限はないが、110以上であることが好ましく、120以上であることが特に好ましい。粘度指数の高い基油を使用することにより、コーキングをより抑制させることができ、低燃費性、低温粘度特性にも優れたマルチグレードエンジン油組成物を得ることができる。
【0011】
(B)成分は、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体である。ポリブテニルコハク酸イミドとしては、下記一般式(1)又は(2)で表されるポリブテニルコハク酸イミドが挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】
一般式(1)又は(2)において、PIBは数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を示し、高純度イソブテンあるいは1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒あるいは塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られるポリブテンから得られるものであり、ポリブテン混合物中において末端にビニリデン構造を有するものが通常5〜100モル%含有される。また、優れたスラッジ抑制効果を得るためには、nは2〜5の整数、好ましくは3又は4である。また、該ポリブテンは、製造過程の触媒に起因し、残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や十分な水洗等の適切な方法により十分除去されたものが特に好ましく、従ってこれらのフッ素や塩素等のハロゲン元素の含有量は50質量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは10質量ppm以下、更に好ましくは5質量ppm以下、特に好ましくは1質量ppm以下である。
【0014】
一般式(1)又は(2)で表されるコハク酸イミドの製造法は特に制限はない。例えば、上記ポリブテンを塩素化したもの、好ましくは塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンを無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、あるいはペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させる方法を利用することができる。なお、ビスコハク酸イミドを製造する場合は、該ポリブテニルコハク酸をポリアミンの2倍量(モル比)反応させれば良く、モノコハク酸イミドを製造する場合は、該ポリブテニルコハク酸とポリアミンを等量(モル比)で反応させれば良い。
これらの中では、すす分散性に優れ、すすが混入した場合にコーキングをより抑制することができる点から、ポリブテニルビスコハク酸イミドであることが好ましい。
【0015】
また、(B)成分のうち、ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物に、例えば、ホウ素化合物、含酸素有機化合物等を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した化合物等が挙げられる。
一般式(1)又は(2)の化合物に作用させるホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル類等が挙げられる。ホウ酸としては、具体的には例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸等が挙げられる。ホウ酸塩としては、ホウ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、例えばメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム、過ホウ酸リチウム等のホウ酸リチウム;メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等のホウ酸ナトリウム;メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等のホウ酸カリウム;メタホウ酸カルシウム、二ホウ酸カルシウム、四ホウ酸三カルシウム、四ホウ酸五カルシウム、六ホウ酸カルシウム等のホウ酸カルシウム;メタホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム、六ホウ酸マグネシウム等のホウ酸マグネシウム;及びメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6の脂肪族アルコールとのエステル等が挙げられ、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。
上記ホウ素化合物を作用させたコハク酸イミド誘導体は、耐熱性、酸化安定性に優れることから好ましく用いられる。
【0016】
一般式(1)又は(2)の化合物に作用させる含酸素有機化合物としては、具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸;シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸若しくはこれらの無水物、又はエステル化合物;炭素数2〜6のアルキレンオキサイド;ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる。このような含酸素有機化合物を作用させることで、例えば、一般式(1)又は(2)の化合物におけるアミノ基又はイミノ基の一部又は全部が次の一般式(3)で示す構造になると推定される。
【0017】
【化2】
【0018】
ここでR1は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又は−O−(R2O)mHで表されるヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレン基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、mは1〜5の整数を示す。
【0019】
これらの中ではアミノ基又はイミノ基の全てにこれらの含酸素有機化合物を作用させたものを主成分とするポリブテニルビスコハク酸イミドがスラッジ分散性に優れるため好ましく用いられる。そのような化合物は、例えば(1)式の化合物1モルに対し(n−1)モルの含酸素有機化合物を作用させることで得られる。このような含酸素有機化合物を作用させたコハク酸イミド誘導体は、すす分散性に優れ、特にヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネートを作用させたものが好ましい。
【0020】
本発明における(B)成分の含有量は、組成物全量基準で、窒素元素換算量で0.01質量%〜0.2質量%であることが必要であり、その好ましい範囲は0.05〜0.18質量%である。(B)成分の含有量が0.01質量%未満の場合、コーキングを抑制することが困難であり、一方、(B)成分の含有量が0.2質量%を超える場合、低温粘度特性に劣り、所望のマルチグレードエンジン油を得ることができないため、それぞれ好ましくない。
【0021】
本発明における(C)成分は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛である。(C)成分としては、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい例として挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】
一般式(4)において、R11〜R14はそれぞれ個別に、炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10の直鎖または分岐アルキル基を示す。
上記アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、これらは直鎖でも分岐でもよい。また、これらは第1級アルキル基、第2級アルキル基、第3級アルキル基でもよい。上記アルキル基を導入する際にはα−オレフィンの混合物を原料とする場合があるが、この場合、成分(C)としては異なる構造のアルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛の混合物となる。
【0024】
本発明の組成物において (C)成分の含有量は、組成物全量基準で、硫黄元素換算量で0.3質量%以下であることが必要であり、0.26質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがさらに好ましい。またその含有量は、0.02質量%以上であることが好ましく、0.06質量%以上であることがさらに好ましい。(C)成分の含有量が0.02質量%未満の場合、摩耗防止性能の悪化が懸念され、一方、その含有量が0.3質量%を超える場合には、高温酸化における組成物の劣化が促進され、吸気系デポジットの増加が懸念され、またNOx吸蔵型触媒の硫黄による被毒を加速し排気ガス浄化性能に悪影響がでる恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
【0025】
本発明における(D)成分は、フェノール系無灰酸化防止剤及び/又はアミン系無灰酸化防止剤である。
フェノール系無灰酸化防止剤としては、具体的には、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、及びこれらの混合物等が挙げられる。また、これらの中でも分子量が240以上のフェノール系化合物は、分解温度が高く、より高温条件においてもその効果が発揮されるため、より好ましく用いられる。
【0026】
アミン系無灰酸化防止剤としては、具体的には、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。ここでアルキル基としては炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
【0027】
本発明における(D)成分の含有量は、組成物全量基準でその下限値は、0.1質量%、好ましくは0.3質量%であり、一方、その上限値は、5質量%、好ましくは2.5質量%である。その含有量が0.1質量%未満の場合、本発明の組成物が吸気系デポジットの増加が懸念されるため好ましくなく、一方、その含有量が5質量%を超える場合、含有量に対して吸気系デポジットの生成を抑制する効果が十分に得られないため、それぞれ好ましくない。
【0028】
本発明における(E)成分はアルカリ土類金属系清浄剤である。
アルカリ土類金属系清浄剤としては、例えば,アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレート等が挙げられる。
アルカリ土類金属スルホネートとしては、例えば、分子量300〜1500、好ましくは400〜700のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩であり、カルシウム塩が好ましく用いられる。
上記アルキル芳香族スルホン酸としては、具体的にはいわゆる石油スルホン酸や合成スルホン酸等が挙げられる。
上記石油スルホン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。また合成スルホン酸としては、例えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルホン化したもの、あるいはジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルホン化したもの等が用いられる。またこれらアルキル芳香族化合物をスルホン化する際のスルホン化剤は、例えば、通常発煙硫酸や無水硫酸が用いられる。
【0029】
アルカリ土類金属フェネートとしては、例えば、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が挙げられる。具体的には、下記一般式(5)〜(7)で表されるものを挙げることができる。
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
一般式(5)、(6)、及び(7)において、R21、R22、R23、R24、R25及びR26はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4〜30、好ましくは6〜18の直鎖又は分枝のアルキル基を示し、M1、M2及びM3は、それぞれアルカリ土類金属、好ましくはカルシウム及び/又はマグネシウムを示し、xは1または2を示す。
【0034】
上記R21〜R26で表されるアルキル基としては、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、及びトリアコンチル基等が挙げられる。これらは直鎖でも分枝でもよい。これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
【0035】
アルカリ土類金属サリシレートとしては、例えば、アリキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が挙げられる。具体的には下記一般式(8)で表される化合物を挙げることができる。
【0036】
【化7】
【0037】
一般式(8)において、R27は炭素数4〜30、好ましくは6〜18の直鎖又は分枝のアルキル基を示し、M4はアルカリ土類金属、好ましくはカルシウム及び/又はマグネシウムを示す。
上記R27で表されるアルキル基としては、具体的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等が挙げられ、これらは直鎖でも分枝でもよい。これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
【0038】
アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートには、上記のアルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を直接、マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性(正塩)アルカリ土類金属スルホネート、中性(正塩)アルカリ土類金属フェネート及び中性(正塩)アルカリ土類金属サリシレート;あるいは中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルホネート、塩基性アルカリ土類金属フェネート及び塩基性アルカリ土類金属サリシレート;更には中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートの存在下で、アルカリ土類金属の水酸化物と炭酸ガス又はホウ酸とを反応させることにより得られる過塩基性(超塩基性)アルカリ土類金属スルホネート、過塩基性(超塩基性)アルカリ土類金属フェネート及び過塩基性(超塩基性)アルカリ土類金属サリシレートも含まれる。
【0039】
本発明においては、上記の中性アルカリ土類金属塩、塩基性アルカリ土類金属塩、過塩基性(超塩基性)アルカリ土類金属塩及びこれらの混合物等を用いることができる。
金属系清浄剤は、通常軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また入手可能であるが、一般的にその金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いる。
本発明で用いるアルカリ土類金属系清浄剤の全塩基価は任意であるが、通常、全塩基価が500mgKOH/g以下、好ましくは150〜450mgKOH/gのものを用いる。全塩基価は、JIS K2501(1992)の「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味する。
本発明においては、これらのアルカリ土類金属系清浄剤のうち、アルカリ土類金属サリシレートを使用することが好ましく、その全塩基価の下限値は、150mgKOH/gであることが好ましく、160mgKOH/gであることがさらに好ましい。一方その全塩基価の上限値は350mgKOH/gであることが好ましく、300mgKOH/gであることがさらに好ましく、250mgKOH/gであることが特に好ましい。全塩基価が上記範囲にあるアルカリ土類金属サリシレートを使用することで、特にすす混入時、潤滑油劣化時においても吸気系デポジットを抑制できる組成物を得ることができる。
【0040】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物における(E)成分の含有量は、組成物全量基準で、アルカリ土類金属元素換算量で、0.1〜0.3質量%であることが必要であり、0.15〜0.25質量%であることがさらに好ましい。(E)成分が0.1質量%未満の場合、吸気系デポジットの抑制効果に劣り、一方、(E)成分が0.3質量%を超える場合、エンジン内部に灰分が蓄積して清浄性を悪化させたり、NOx吸蔵触媒への悪影響が懸念されるため、それぞれ好ましくない。
【0041】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は(F)粘度指数向上剤を実質的に含まない。(F)成分を実質的に含まないとは、全く含まないかあるいは含まれたとしても通常の含有量(2.0〜10質量%)に比べてわずかであり、得られた結果が許容範囲にあればよく、具体的には、その含有量は、組成物全量基準で1.0質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以下である。(F)成分の含有量が1.0重量%を超える場合は、吸気系デポジットの生成量が急激に増加しやすくなる。
【0042】
(F)粘度指数向上剤としては、例えば,非分散型、あるいは分散型の粘度指数向上剤が挙げられる。
非分散型粘度指数向上剤としては、具体的には、炭素数1〜18のアルキルアクリレート、炭素数1〜18のアルキルメタクリレート、炭素数2〜20のオレフィン、スチレン、メチルスチレン、無水マレイン酸エステル、無水マレイン酸アミド等から選ばれる1種又は2種以上のモノマー(F−1)の単独あるいは共重合体あるいはそれらの水素化物等が例示できる。
【0043】
分散型粘度指数向上剤としては、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、及びN−ビニルピロリドン等から選ばれる1種又は2種以上のモノマー(E−2)の単独あるいは共重合体又はそれらの水素化物に酸素含有基を導入したものや、(F−1)成分と(F−2)成分との共重合体、或いはその水素化物等が例示できる。上記(F−1)成分と(F−2)成分とを共重合する際の(F−1)成分と(F−2)成分のモル比は、一般に、80:20〜95:5程度である。
【0044】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物には、上述の添加剤の他に、必要に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、摩擦低減剤、(B)成分以外の無灰分散剤、(C)成分以外の摩耗防止剤、(D)成分以外の酸化防止剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、及び着色剤等の添加剤等を挙げることができる。
【0045】
摩擦低減剤としては、例えば、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状炭化水素基を有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩等、あるいは有機モリブデン化合物、及びこれらの任意混合物が挙げられる。
上記炭素数6〜30の直鎖状若しくは分枝状炭化水素基としては、具体的には、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい);ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である);等が例示できる。
【0046】
アミン化合物としては、上記炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、又はこれら脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
脂肪酸エステルとしては、上記炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と、脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステル等が例示できる。
脂肪酸アミドとしては、上記炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と、脂肪族モノアミン又は脂肪族ポリアミンとのアミド等が例示できる。
脂肪酸金属塩としては、例えば、上記炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸の、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)や亜鉛塩等が挙げられる。
これらのうちでは、脂肪酸エステルが好ましく、好ましい具体例としては、グリセリンモノオレートやソルビタンモノオレート等が挙げられる。
【0047】
有機モリブデン化合物としては、例えば、モリブデンジチオカーバメート系化合物及びモリブデンジチオホスフェート等が挙げられる。酸化安定性、摩擦低減効果に優れるモリブデンジチオカーバメート系化合物がより好ましく、具体的には、例えば一般式(9)で表されるものが挙げられる。
【0048】
【化8】
【0049】
一般式(9)において、R31 、R32 、R33及びR34は、それぞれ個別に、炭化水素基(具体的には、炭素数2〜18のアルキル基又はアルキルアリール基)を示し、Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ個別に、S(硫黄原子)又はO(酸素原子)を示す。
上記アルキル基には1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基が含まれ、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。好ましいアルキル基としては、具体的には、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が例示できる。また好ましいアルキルアリール基としては、具体的には、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基等のアルキルアリール基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が例示できる。
【0050】
好ましいモリブデンジチオカーバメート系化合物としては、具体的には、硫化モリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化モリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオカーバメート等のモリブデンジチオカーバメート(各アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)及びこれらの混合物が例示できる。
【0051】
本発明において、上述の摩擦低減剤の含有量は、通常組成物全量基準で、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%であるが、硫黄を分子中に含有するモリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の含有量としては、組成物全量基準で、硫黄元素換算量で、0.01〜0.20質量%、好ましくは0.02〜0.15質量%に制限することが望ましい。硫黄含有量を上記のように制限することで、吸気系デポジットの抑制効果、摩擦低減効果を保ちながら、組成物の全硫黄分を低減することができ、NOx吸蔵触媒への悪影響を低減することができる。
【0052】
(B)成分以外の無灰分散剤としては、例えば、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を有するベンジルアミン若しくはポリアミン並びにこれらの誘導体等が挙げられる。これらの誘導体としては、上記コハク酸イミドやベンジルアミン、ポリアミン等に前述のようなホウ素含有化合物、前述のような含酸素有機化合物等を作用させたものが挙げられる。
(C)成分以外の摩耗防止剤としては、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩、ジアルキルチオリン酸亜鉛、ジアルキルリン酸亜鉛等のリン系化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、及び硫化油脂類等の硫黄系化合物等及びこれらの任意混合物等が挙げられる。
【0053】
(D)成分以外の酸化防止剤としては、例えば、アルキルジチオカルバミン酸エステル等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
流動点降下剤としては、潤滑油基油に適合する各種のポリメタクリレート系、オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0054】
防錆剤としては、例えば、多価アルコールエステル、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0055】
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、及びβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0056】
これらの添加剤を本発明の内燃機関用潤滑油組成物に含有させる場合には、それらの含有量は通常組成物全量基準で、(B)成分以外の無灰分散剤では、0.01〜10質量%、(C)成分以外の摩耗防止剤では0.01〜5質量%、(D)成分以外の酸化防止剤では0.01〜10質量%、流動点降下剤としては、0.01〜5質量%である。腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤ではそれぞれ0.01〜5質量%、金属不活性化剤では0.005〜1質量%、消泡剤では0.0005〜1質量%の範囲で選ばれる。
【0057】
本発明の内燃機関用潤滑油組成物においては、上記のように(A)基油の硫黄含有量を0.005質量%以下に制限するだけでなく、(C)ジチオリン酸亜鉛起因の硫黄含有量を0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下とし、これとモリブデンジチオカーバメートなどの上記硫黄含有添加剤の合計含有量を組成物全量基準で、硫黄元素換算量で0.4質量%以下、好ましくは0.35質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下に制限することにより、組成物の硫黄含有量を0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以下とすることができ、さらに添加剤に通常配合されている希釈油として硫黄含有量が極めて少ないもの(例えば(A)成分)を使用することにより組成物中の全硫黄含有量を0.3質量%以下に低減することができ、吸気系デポジット抑制効果やその他の性能を維持しつつ、NOx吸蔵触媒等への悪影響をより低減することが可能になる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
【0059】
(実施例1〜9、比較例1〜8)
表1に示すように本発明の内燃機関用潤滑油組成物(実施例1〜9)、及び比較として本発明の要件を満たさない潤滑油組成物(比較例1〜8)を調製した。
得られた組成物(新油)、この新油に三菱化学株式会社製カ−ボンブラックを1質量%混入した組成物及びこれをISOT試験(JIS K 2514に準拠、165.5℃、72時間)にて強制劣化させた劣化油について、パネルコーキング試験(Federal 791試験法のTentative Standard Method 3462−Tに準拠、パネル温度320℃、油温100℃、はねかけ棒作動15秒で停止45秒、試験時間3時間)を行い、試験後のパネルへの付着物重量を測定することにより各潤滑油組成物の評価を行った。その評価結果を表1及び表2に示す。なお、上記のようなパネルコーキング試験の条件では、特にカーボンブラック混入油や劣化油の場合、その付着物重量と吸気系デポジットの生成量との間にはある程度相関があることが認められた。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
表1に示す結果から、本発明の内燃機関用潤滑油組成物(実施例1〜9)は、各成分が請求範囲内であり粘度グレードに関わらず、パネルコーキング試験でのコ−キング生成量が50mg以下と少ないことが分かる。また実使用条件におけるすすなどの夾雑物混入を想定したカ−ボンブラック混入油、強制劣化油においても100mg以下と少なく、新油から実使用条件を想定した使用後油までの範囲で優れた性能を有している。特に(A)成分としてポリ−α−オレフィン水素化物を使用した場合、(E)成分としてアルカリ土類金属サリシレートを使用した場合、(F)成分を含有しない場合、及び(C)成分の含有量が硫黄元素換算量で0.2質量%以下の場合、コーキング生成量抑制効果に優れている。
【0063】
一方、表2に示す結果から、(A)成分の動粘度が本発明の規定を満たさない場合(比較例1及び2)には、酸化安定性に優れる合成油であるポリ−α−オレフィン水素化物を使用しているにもかかわらずコ−キング生成量が増大する。(B)成分の含有量が本発明の規定量よりも少ない場合(比較例4)、(D)成分を含有しない場合(比較例6)、(F)成分が本発明の規定量を超えた場合(比較例7)及び(E)成分の含有量が本発明の規定よりも少ない場合(比較例8)にはコ−キング生成量が著しく増大する傾向にある。さらに、(A)成分の硫黄含有量、芳香族分が本発明の規定を満たさない場合(比較例3)及び(C)成分が本発明の規定量を超えた場合(比較例5)、コーキング生成量が著しく増大するだけでなく、組成物中の硫黄含有量が高いためNOx吸蔵触媒への悪影響が懸念される。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、高温においてコーキングを起こしにくく、硫黄分含有量の低い内燃機関用潤滑油組成物を得ることができ、特にすす混入下や劣化後においてもコーキング生成量を抑制することができる。従って、NOx吸蔵触媒を装填した排出ガス浄化装置装着内燃機関用、特にガソリン筒内直接噴射エンジン用として極めて有効である。また、その他すすが混入しやすく、高温においてコーキングが発生しやすい内燃機関用の潤滑油組成物、例えば、EGR装着車、三元触媒装着車、酸化触媒装着車、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、二輪車用4サイクルエンジン等の内燃機関用潤滑油としても好ましく使用することができる。また、本発明によれば、5W−20、5W−30、10W−40、10W−20等のようなマルチグレードの内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
Claims (6)
- (A)100℃における動粘度が3.5〜10.0mm2/sであり、全硫黄含有量0.005質量%以下で全芳香族含有量が10質量%以下の鉱油及び/又は合成油からなる基油に、組成物全量基準で、(B)ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を窒素元素換算量で0.01〜0.2質量%、(C)ジチオリン酸亜鉛を硫黄元素換算量で0.3質量%以下、(D)フェノール系無灰酸化防止剤及び/又はアミン系無灰酸化防止剤を0.1〜5.0質量%、及び(E)アルカリ土類金属系清浄剤をアルカリ土類金属元素換算量で0.1〜0.3質量%含有し、かつ(F)粘度指数向上剤を全く含有しないかあるいは1.0質量%以下であることを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物。
- 組成物の100℃での動粘度が5.6〜16.3mm2/sであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
- 前記(E)成分が、全塩基価が150〜350mgKOH/gの塩基性カルシウムサリシレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
- 前記基油が、100℃における動粘度が1.8〜40mm2/sのポリ−α−オレフィン及びその水素化物から選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
- NOx吸蔵型触媒を装填した排気ガス浄化装置装着内燃機関用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
- ガソリン筒内直接噴射エンジン用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
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