JP3933294B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有する多価エポキシ化合物を含有する硬化性組成物、詳しくは、積層回路基板の絶縁材などに適した、高いガラス転移温度(Tg)、体積固有抵抗、ピール強度および低誘電率を有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
硬化性組成物は、熱または光により硬化して塗料、接着剤、集積回路の絶縁材料および造形用途等に利用されている。
【0003】
近年、プリント配線板の高密度化方法としてフルアディティブ法が注目されている。フルアディティブ法においては、使用されるメッキレジストが最終的に配線間の絶縁層にもなるため多層化時の配線のズレなどを防止することが可能となり、高アスペクト比の配線を有するプリント配線板を多層化するのに適している。
【0004】
絶縁層としてプリント配線板に残存する上記メッキレジストは、高度に集積化された配線による発熱や絶縁層の薄層化、導体層と絶縁層との接着強度の低下に対応できる高いガラス転移温度、体積固有抵抗、機械特性および低い吸水率を有することが要求される。
【0005】
硬化性組成物としてエポキシ樹脂を用いることは広く知られており、ドイツ特許107798号明細書には、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンと酸無水物による硬化物が記載されている。また、特開平2−225580号公報には、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンとカチオン系光重合開始剤による硬化物が記載されている。しかし、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンを無水フタル酸や光重合開始剤で硬化された場合、得られる硬化物は脆く、実用的でなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、ガラス転移温度が高く、優れた体積固有抵抗、吸水率、機械特性を示す硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、多価フェノールまたは多価カルボン酸とビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)構造を有する化合物とを、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)構造を有する化合物が多価フェノールまたは多価カルボン酸の過剰当量となるように反応させて得られる特定のエポキシ化合物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される多価エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を提供するものである。
【0009】
【化4】
(式中、R1〜R18は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基、または置換基を有していてもよいアルコキシ基を表し、X1は炭素原子数1〜8のアルキリデン基を表し、Y1は、n価のフェノールまたはカルボン酸の残基を表し、nは2〜20の数を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の硬化性組成物について詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられる上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物において、R1〜R18 で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素が挙げられ、炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニル、ナフチルなどのアリール基;ベンジル、フェネチルなどのアリールアルキル基およびこれらのハロゲン原子で置換された基などが挙げられ、さらにアセチル基、ベンゾイル基などのカルボニル基を含む基;メトキシエチル、エトキシエチル、フェノキシエチルなどのエーテル基を含む基;アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのカルボニルオキシ基を含む基などの酸素原子を含む基および上記アルキル基に対応するアルコキシ基が挙げられる。
【0012】
X1で表される、炭素原子数1〜8のアルキリデン基としては、メチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデン、オクチリデンなどが挙げられる。
【0013】
Y1で表されるn価のフェノールとしては、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルソクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルソクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、シクロヘキシリデンビスフェノール、チオビスフェノール、スルホビスフェノール(ビスフェノールS)、オキシビスフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、ブチリデンビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)、1,1,3−トリス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタンなどの他、テトラブロモビスフェノールAなどの上記フェノール化合物の臭素化物が挙げられる。臭素化多価フェノールを用いることで得られる樹脂を難燃化できる。
【0014】
Y1で表されるn価のカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族または芳香族多塩基酸および(メタ)アクリル酸単独重合体または(メタ)アクリル酸とスチレン等の共重合性単量体との共重合物やポリブタジエン、ブタジエン、アクリロニトリル共重合体のカルボン酸変性品などのカルボン酸変性ポリマーを用いることもできる。
【0015】
上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物としては、より具体的には以下の化合物No.1〜No.10 等が挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
化合物No.8
α,ω−カルボン酸変性ポリブタジエン(平均分子量1400)とビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンとの(1/3.5=カルボン酸当量/エポキシ当量)反応物
【0024】
化合物No.9
α,ω−カルボン酸変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(平均分子量3500)と2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンとの(1/10=カルボン酸当量/エポキシ当量)反応物
【0025】
化合物No.10
アクリル酸−スチレン共重合体(平均分子量2200)と2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンとの(1/5=カルボン酸当量/エポキシ当量)反応物
【0026】
上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物のうち、化合物No.1〜No.4など、Y1が、下記〔化12〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式(II)で表されるn価のフェノール残基(ビスフェノール構造を含む基)のとき、得られる硬化物のガラス転移温度が高くなるので好ましい。
【0027】
【化12】
【0028】
上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物のうち、化合物No.8およびNo.9など、Y1が、下記〔化13〕(前記〔化3〕と同じ)の一般式(III)で表されるn価のカルボン酸残基(ジカルボン酸化合物構造を含む基)のとき、得られる硬化物が伸びに優れるので好ましい。
【0029】
【化13】
【0030】
上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物の含有量は、本発明の硬化性組成物中、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。含有量が20重量%未満では、得られる硬化物のガラス転移温度、体積固有抵抗が低く、本発明の効果が得られないことがある。
【0031】
本発明の硬化性組成物には、上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物とともに、種々の硬化剤を併用できる。併用される硬化剤としては、例えば、酸無水物、ポリアミン化合物、ポリフェノール化合物およびカチオン系光開始剤などが挙げられる。
【0032】
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、テトラフドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物などが挙げられる。
【0033】
ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなどの脂環族ポリアミン、m−キシレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、m−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族ポリアミンが挙げられる。
【0034】
ポリフェノール化合物としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、テルペンジフェノール、テルペンジカテコールなどが挙げられる。
【0035】
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、硬化促進剤、レベリング剤、充填剤、消泡剤、チクソ性調整剤およびリン酸エステルなどの難燃剤などを併用してもよい。
【0036】
硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、ジアザビシクロウンデセン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
【0037】
レベリング剤としては、フッ素系界面活性剤であるパーフルオロアルキルスルホン酸やパーフルオロアルキルカルボン酸などのパーフルオロアルキル基を有する有機酸のアンモニウムまたはアルカリ金属との塩からなるアニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキル基を有する4級アンモニウムハライドなどのカチオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールやフッ素化アルキルエステルなどのノニオン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤やシリコン系界面活性剤などが挙げられ、特にフッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤が好ましい。これらレベリング剤の添加により密着性を向上できる。
【0038】
充填剤としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硼酸アルミニウム、窒化硼素、硼酸亜鉛などが挙げられる。これら充填剤のうち、シリカはメッキ密着性の改善および線膨張係数の低下効果を示すので好ましい。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムは難燃性を付与するので好ましい。
【0039】
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて他のエポキシ化合物を併用してもよく、併用されるエポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルソクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルソクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、シクロヘキシリデンビスフェノール、チオビスフェノール、スルホビスフェノール(ビスフェノールS)、オキシビスフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の単核または多核多価フェノール類のポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノール−エチレンオキサイド付加物等の多価アルコールのグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類;グリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化トール油等のエポキシ化天然油;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタジエンエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合体等のエポキシ化共役ジエン重合体;トリグリシジルイソシアヌレートの複素環化合物等が挙げられる。これらエポキシ化合物のエポキシ当量は5000以下が好ましく、2000以下がより好ましい。5000より大きいと得られる硬化物の機械的強度が不足することがある。
【0040】
次に、本発明の硬化性組成物に用いられる前記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物の合成例を示す。ただし、本発明は下記の合成例によってなんら制限を受けるものではない。
【0041】
合成例−1(化合物No.2の合成)
2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン(以下、「DCA」という)283.63g(1.2モル)とビスフェノールA(以下、「BPA」という)91.32g(0.4モル)を、エチレングリコールジエチルエーテル160gに溶解し、トリフェニルホスフィン3.75gを添加した。120℃で1.5時間反応し、エポキシ当量337の褐色透明液体(以下、「エポキシ樹脂1」という)を得た。
【0042】
合成例−2(化合物No.4の合成)
BPA91.32gをテルペンジフェノール(YP−90:ヤスハラケミカル株式会社製)129.6gに置き換えた以外は合成例−1と同様にしてエポキシ当量361の褐色透明液体(以下、「エポキシ樹脂2」という)を得た。
【0043】
合成例−3(化合物No.9の合成)
DCA35g(0.148モル)、カルボン酸変性ブタジエン/アクリロニトリル(4/1モル)共重合体(CTBN1300×9:宇部興産株式会社製)15g(0.0043モル)を窒素雰囲気下100℃で2.5時間反応してエポキシ当量174の褐色透明液体(以下、「エポキシ樹脂3」という)を得た。得られた液体は酸価0であった。
【0044】
合成例−4(化合物No.8の合成)
DCA35g(0.148モル)、カルボン酸変性ポリブタジエン(C−1000:日本曹達株式会社製)15g(0.011モル)を窒素雰囲気下100℃で2.5時間反応してエポキシ当量182の褐色透明液体(以下、「エポキシ樹脂4」という)を得た。得られた液体は酸価0であった。
【0045】
比較合成例−1
DCAの代えて、下記〔化14〕の構造を有するビスエポキシ化合物を用いた以外は合成例−1と同様にしてエポキシ当量349の褐色透明液体(以下、「比較エポキシ樹脂1」という)を得た。
【0046】
【化14】
【0047】
本発明の硬化性組成物は、得られる硬化物の硬度などの機械特性を調整するために必要に応じて(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化合物を含有してもよい。
【0048】
(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/3)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/2)等のグリシジル基含有化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物等の水酸基およびエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等があげられる。
【0049】
本発明の硬化性組成物は熱および光により硬化可能であり、光により硬化させる場合には、任意の光重合開始剤を用いることができる。
【0050】
本発明の組成物に併用できる光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、9−n−オクチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−n−ブチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−(2”−メトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがあげられる。これら光重合開始剤は安息香酸系または第三級アミン系などの公知の光重合促進剤の1種または2種以上と組み合わせて用いてもよい。
【0051】
また、上記一般式(I)で表される多価エポキシ化合物とともに、熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。この熱可塑性有機重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物と(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸およびこれらと共重合しえる他のビニルモノマーとの共重合体があげられる。
【0052】
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられ、また、他のビニルモノマーとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等があげられる。
【0053】
また、本発明の硬化性組成物は、密着性を改善するために硬化後に行なわれる粗化工程のためのゴム成分などを含んでいてもよい。粗化工程とは、硬化性組成物中にジエン系合成ゴムなどを分散し、クロム混酸などの酸化剤で表面層のゴムを除去することでアンカーを形成する工程である。
【0054】
また、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;官能性シランカップリング剤などの接着促進剤;シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラス、炭酸カルシウムなどの充填剤、顔料、染料および塗布性・消泡性・レベリング性を改善するための界面活性剤等の慣用の添加物を加えることができる。
【0055】
本発明の硬化性組成物は、通常、必要に応じて前記の各成分を溶解または分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチロセロソルブ、エチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを加えた溶液状組成物として用いられる。
【0056】
本発明の硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、スピンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
【0057】
本発明の硬化性組成物は、塗料、インキ、接着剤、印刷版および印刷配線板用フォトレジスト等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はないが、低誘電率、高Tg、高いピール強度を有するのでビルドアップ基板用の絶縁材料に特に好適に用いられる。
【0058】
また、本発明の硬化性組成物を光により硬化する場合には、通常光硬化に用いられる各種の光源が利用可能で、例えば、アルゴンレーザー、水銀蒸気アーク、カーボンアークおよびキセノンアーク等、従来既知の光源を使用することができる。
【0059】
【実施例】
以下、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0060】
実施例1
下記〔表1〕に記載の配合物を十分に混合したのち、この溶液を表面処理アルミニウム板上にナイフコーターを用いて乾燥後の膜厚が30μmになるよう塗布した。80℃で5分間加熱乾燥した後、さらに150℃で30分間ベーキングして硬化物を得た。
【0061】
【表1】
【0062】
得られた硬化物についてJIS K6911 に基づいて体積抵抗を、JIS K7198 に基づいてガラス転移温度(Tg)を、室温下で蒸留水に24時間浸漬後の重量増加率により吸水率を測定した。それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0063】
また、引張強度および伸びについては、以下の様にして測定した。上記配合物を75×120mmのアルミ板上に#70バーコーターで塗布し、加熱オーブンで150℃×1時間で硬化した。冷却後、硬化物をアルミ板から剥がし、図1に示す形状の試験片を作成してトライボギアで引張試験を行った。それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例2
下記〔表3〕記載の配合物を実施例1と同様にして評価した。それらの結果を下記〔表4〕に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
上記〔表3〕中の*5〜*10の詳細は、下記〔化15〕に示す通りである。
【0068】
【化15】
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、高いTgを有し、優れた体積抵抗、引張強度、伸びおよび吸水率を示すもので、特にフルアディティブ法に適したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の硬化性組成物から得られた硬化物の引張試験に用いられる試験片を示す平面図である。
Claims (6)
- フッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤を添加してなる請求項2または3記載の硬化性組成物。
- 充填剤を添加してなる請求項2または3記載の硬化性組成物。
- 請求項1記載の硬化性組成物からなるビルドアップ用絶縁材料。
Priority Applications (1)
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