JP3932253B2 - 筆記具の軸筒部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂材からなる筆記具の軸筒部材の製造方法及びその製造方法により製造した筆記具の軸筒部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、筆記具では樹脂材からなる軸筒部材を用いることは良く知られており、その形成方法としては、射出成形金型を用いた射出成形による方法が一般的である。また、筆記具を構成する複数の部材の結合に強度を必要とする場合には、隣り合う部材の端部を螺子嵌合により結合することが多い。
【0003】
また、樹脂材による軸筒部材の射出成形においては、射出成形時の湯の流れを良くするためや、射出成形に生じるゲート跡が軸筒部材の外表面に現われないようにするために、一般的には射出成形のゲート跡が軸筒部材の端部に位置するように設定してある。例えば図5,図6は従来方法により成形した軸筒部材を示した姿図であるが、図5に示す軸筒部材200は、上端部201の内周面202の内方にゲートを設けたいわゆる剪断ゲートであるが、剪断時に生じた樹脂材の返りがゲート跡203として残っている。また、図6に示す軸筒部材300は、上端部301の上端面302にゲートを設けたいわゆるピンゲートであり、上端面302にゲート跡303が残っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図に示すような突出したゲート跡が軸筒部材の端部にあるものは、軸筒部材の端部に他部材を螺子嵌合により結合する場合、軸筒部材の端部の内周面に雌螺子部を形成する必要があるが、例えば図5に示す軸筒部材200では、タップがゲート跡203に接触して中心がずれ易かったり、図6に示す軸筒部材300では、他部材と螺子嵌合した時に、突出したゲート跡303が当接して部材間に隙間が生じ易いことから、射出成形の工程とタッピングの工程との間に、あらかじめゲート跡を取り除く別工程を必要としていた。その結果、歩留まりの問題や工数の増加によりコストアップとなる問題があった。
【0005】
本発明はこうした事実に鑑み、樹脂材からなる軸筒部材の製造方法において、射出成形時に生じるゲート跡を別工程で取り除く必要のない製造方法を提案する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題の解決するために案出した本発明を説明する。
「円筒形状の端部の内周面に雌螺子部を有する樹脂材からなる筆記具の軸筒部材の製造方法であって、軸筒部材を円筒形状に成形する射出成形の工程における射出成形のゲートを、軸筒部材の端部の内周面の内方に突出した円環形状となるように成形した後に、軸筒部材の端部の内面に雌螺子部を形成するタッピング工程におけるタップが、前記工程で円環形状に残ったゲート跡を切削して除去すると共に、前記雌螺子部を形成する。」
【0007】
本発明においては、射出成形で成形した軸筒部材の端部の内周面に雌螺子部を形成する際に、タップが軸筒部材の内周面に残ったゲート跡を切削して除去するため、射出成形時に生じたゲート跡を、射出成形の工程とタッピングの工程との間の別工程で取り除く必要がなくなる。
【0008】
特に本発明は、ゲート跡が円環形状となるため、雌螺子部を形成する際にタップがゲート跡に接触しても中心がずれ難いものとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を理解し易くするために図を用いて説明を行なう。尚、本発明では、軸筒部材におけるゲートがある側を上方として表現し、その反対側を下方として表現する。また、本実施の形態では軸筒部材を成形する樹脂材として、AS樹脂に光沢を有するアルミ粉を混練したペレット樹脂を使用したが、特に樹脂に限定はなく、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の周知の樹脂材を使用することができ、光沢を有する粉体としては、雲母やガラス等の粉体を所望により使用することができる。
【0010】
本実施の形態の軸筒部材の製造方法を、図1,図2、図3及び図4を用いて説明する。図1は軸筒部材の射出成形時における要部の断面図であるが、実際には図面の上方は右側となり、下方は左側となる。図2は図1で形成された状態の軸筒部材を示す一部を断面化した姿図で、図3は図2の縦断面図である。また、図4は軸筒部材の内面に雌螺子部を形成する際の要部の断面図である。
【0011】
図1において、射出成形金型1は、図示しないが電熱器で加熱されたシリンダー内に投入したペレット樹脂が、スクリューによりシリンダーから溶融樹脂として流出し、図面の上方に位置する固定側金型2と固定側コアピン3との隙間に形成される第一スプール部4を通り、固定側金型2とキャビティ5との間のキャビティ5側に形成したランナー部6を通り、キャビティ5の上部と固定側コアピン3との間に形成される円筒形状の第二スプール部7を通り、第二スプール部7の下方でキャビティ5の内面に円環状に膨出した円環膨出部8の近傍に位置するゲート部9を通り、キャビティ5と可動側コアピン10との間に形成した成形部11に流入して軸筒部材100を成形する構造としてある。
【0012】
尚、本実施の形態では、キャビティ5の上端面12は固定側金型2の下端面13に対して分離可能に当接しており、固定側金型2とキャビティ5とが分離した際に、第二スプール部7で成形された第二スプール7aが固定側コアピン3側に取り残されるように、固定側コアピン3の外周面には凸部3aを形成してある。また、固定側金型2とキャビティ5とが分離した際に、軸筒部材100と第二スプール7aとがゲート103で破断し易くするために、キャビティ5の円環膨出部8にはさらに内方に突出した円環突出部8aを形成して、ゲート103にくびれ部103aを成形するようにした。また、詳述はしないが、軸筒部材の下方の外周面104に雄螺子部105を形成するために、キャビティ5は軸筒部材100の径方向へ分離する周知の割型構造としてある。
【0013】
次に、図1の工程で成形した軸筒部材を図2,図3を用いて詳述する。本実施の形態の軸筒部材は肉厚tを1.2mmとし、全長Lを40mmとし、上端部の直径D1を10mmとし、下端部の直径D2を12mmとした下方へ向かって拡径する中空の筒状体としてある。また、軸筒部材100の上端部101の内周面102には、ゲート跡103が突出して残っている。尚、ゲート跡103は突出代Kを0.3mm、軸筒部材の上端面106からゲート103跡の上端面107までの高さHを1mmとした円環形状である。
【0014】
次に、図4を用いて、軸筒部材100の上端部101の内周面102に雌螺子部108を形成するタッピングの工程を説明する。図4において軸筒部材100はタップ20の下方に位置し、外周面104をチャック30で挟持すると共に、台40の上に設置してタッピングマシン(図示せず)に固定してある。本実施の形態では、タップ20の谷径D3を軸筒部材100の上端部101の内径D4より大きく設定しており、軸筒部材100とゲート跡103及びタップ20の中心を一致させてあるので、タップ20を回転させてタッピングを行った際に、タップ20がゲート跡103を切削して除去すると共に、中心がずれることなく上端部101の内周面102に雌螺子部108を形成することができる構造である。
【0015】
【発明の効果】
本発明の製造方法は以上のような構造なので、射出成形の工程とタッピングの工程との間に、あらかじめゲート跡を取り除く別工程の必要がないものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 軸筒部材の射出成形時おける要部の断面図である。
【図2】 図1で形成された状態の軸筒部材を示す一部を断面化した姿図である。
【図3】 図2の縦断面図である。
【図4】 軸筒部材の内面に雌螺子部を形成する際の要部の断面図である。
【図5】 従来方法により成形した軸筒部材を示した姿図である。
【図6】 従来方法により成形した軸筒部材を示した姿図である。
【符号の説明】
1…射出成形金型、2…固定側金型、3…固定側コアピン、
4…第一スプール部、5…キャビティ、6…ランナー部、
7…第二スプール部、7a…第二スプルー、8…円環膨出部、8a…円環突出部、
9…ゲート部、10…可動側コアピン、11…成形部、12…上端面、13…下端面、
100…軸筒部材、101…上端部、102…内周面、
103…ゲート、103a…くびれ部、104…外周面、105…雄螺子部、
106…上端面、107…上端面、108…雌螺子部。
Claims (1)
- 円筒形状の端部の内周面に雌螺子部を有する樹脂材からなる筆記具の軸筒部材の製造方法であって、軸筒部材を円筒形状に成形する射出成形の工程における射出成形のゲートを、軸筒部材の端部の内周面の内方に突出した円環形状となるように成形した後に、軸筒部材の端部の内面に雌螺子部を形成するタッピング工程におけるタップが、前記工程で円環形状に残ったゲート跡を切削して除去すると共に、前記雌螺子部を形成したことを特徴とする筆記具の軸筒部材の製造方法。
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