JP3913896B2 - 射出成形容器及び射出成形金型 - Google Patents

射出成形容器及び射出成形金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
発明は、試験管や採血容器等の底部が曲面形状をした容器を製造する射出成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
採血容器や試験管等は、旧来ガラスによって作られていた。しかし近年においては、新しい合成樹脂素材の開発や成形技術の進歩によって、合成樹脂製の採血容器等が使用されつつある。
従来技術の合成樹脂製の採血容器の形状は、旧来のガラス製採血容器の形状と全く同一である。すなわち従来技術の合成樹脂製の採血容器は、筒状をしており、底は球面形状をしている。
【0003】
また従来技術における採血容器を射出成形する射出成形金型は、図17に示すような構造のものが使用されてきた。
すなわち採血容器を成形する射出成形金型は、図17に示す様な周知のピンポイントゲート方式の射出成形金型100であり、両端に固定側取付け板101と、可動側取付板102を有し、両者の間にランナストリッパ板103、固定側型板105、ストリッパ板106、可動側型板107、スペーサ板108が設けられたものである。固定側取付け板101の中心部には、スプルーブッシュ110が取り付けられ、さらにスプルーブッシュ110の外側にはロケートリング112が装着されている。
【0004】
固定側型板105は、採血容器を成形する部位であり、固定側型板入子122が装着されている。固定側型板入子122は、採血容器の外周部を成形するものであり、内部は空洞である。なお従来技術においては、一つの固定側型板入子122に採血容器の外周部を形成する成形部が設けられている他に、ゲート部127やランナ部128についても形成されていた。
【0005】
可動側型板107には可動側入子(コア)123が設けられている。可動側入子123は、採血容器の内周部を成形するものである。可動側入子123は、前記した固定側型板入子122の中に入り、両者の間に成形キャビティ125を形成する。
【0006】
射出成形金型100は、公知のそれと同様に、ランナストリッパ板103と固定側型板105の間でランナー部130が形成されており、当該ランナー部130によってスプルーブッシュ112の開口131と成形キャビティ125が連通されている。
また固定側取付け板101とランナストリッパ板103を貫通してランナーロックピン132が配されており、当該ランナーロックピン132は、前記したランナー部130の分岐部と当接している。
【0007】
従来技術の射出成形金型100を使用して採血容器を成形する場合は、公知のそれと同様にスプルーブッシュ110から溶融樹脂を注入し、ランナー部130を経て成形キャビティ125に溶融樹脂を充填する。そして樹脂を冷却固化し、射出成形金型100を開いて成形物たる採血容器を離型する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の採血容器は、前記した様に旧来のガラス製採血容器と同一の形状であるが、この形状の採血容器を上記した通常の射出成形金型で成形すると、射出成形に特有の不具合が生じる。
すなわち従来技術の樹脂製採血容器は、底の部位が球形であるため、成形キャビティもこれに合わせて球形をしている。そして図17及び図18(a)様に、採血容器の底を成形する球形の部位に、ゲートが設けられ、球形の部位から成形キャビティに樹脂が充填される。そして図18(b)の様に、射出成形金型100を分割して成形物たる採血容器を離型するが、射出成形金型100を分割する際に、図18(b)の様にゲート跡135が残る。
そのため従来技術では、射出成形金型100から成形物を離型した後、ゲート跡135を削り取る作業が必要となる。
【0009】
また他に、従来技術の射出成形金型100は、その大きさのわりに、成形個数が少ないという不満がある。
すなわち採血容器は、試験管の様な細長い形状をしているので、射出成形金型100の横断面積を有効に使う為に、投影面内に密に成形キャビティ125が形成されていることが望ましい。しかしながら、ピンポイントゲート方式の射出成形金型100の特質上、ランナー部130の分岐部にランナーロックピン132を配する必要がある。その一方、通常構造の射出成形金型100では、固定側取付け板101とランナストリッパ板103を貫通してランナーロックピン132を設けるので、スプルーブッシュ110の前方にはランナーロックピン132を設けることができない。すなわち採血容器は細長い形状であるから、単に成形キャビティ125の配置だけを考えれば、成形キャビティ125同士の中心間距離は短いもので足るが、スプルーブッシュ110の前方にランナーロックピン132を設けることができないという制約から、スプルーブッシュ110の前方部位に無駄な空間ができる。より具体的には、スプルーブッシュ110を避けてランナーロックピン132を設ける必要から、成形キャビティ125の配置は、図19の様にならざるを得ず、中間部分に成形キャビティが存在しない無駄地ができてしまう。
そのため従来技術では、成形個数の割に射出成形金型が大きいという問題点がある。
また他に、採血容器を成形する射出成形金型100では、射出成形の際の溶融樹脂の流路抵抗を低減して、射出充填圧力を低下させたいという要求がある。
【0010】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、ゲート跡135を削り取る作業が不要な樹脂成形容器の形状を発明すると共に、この容器を成形する射出成形金型を開発し、さらにより多数個取りの成形が可能であって、射出充填圧力の低減も可能な射出成形金型の開発を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の射出成形金型の発明は、底部が曲面形状をした容器を製造する射出成形金型において、本体部及び底となる曲面部を成形する一部が曲面となった成形キャビティを有し、前記曲面部の一部に突起が設けられ、該突起の先端部にゲートが形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の射出成形金型の発明は、本体部及び底となる曲面部を成形する一部が曲面となった成形キャビティを有し、この曲面部の一部に突起が設けられている。そのため成形キャビティは突起によって窪み、成形物には曲面部の一部に凹部が形成される。そして本発明の射出成形金型では、突起の先端部にゲートが形成されているので、ゲート跡は、成形物の凹部に残ることとなる。そのため本発明の射出成形金型を使用して容器を成形すると、曲面形状の部位からゲート跡が突出せず、後工程でゲート跡を削る必要はない。
また本発明の射出成形金型では、突起の先端にゲートが設けられているので、ライナーを分離しやすく、ゲートの口径を比較的大きくすることができる。そのため射出成形時の流路抵抗が小さいものとなる。
【0016】
また上記した発明を改良した請求項に記載の発明は、成形キャビティは、容器の外面を成形する外面成形部と、容器の内面を成形する入子によって構成され、外面成形部の曲面部を含む一角は、外面成形部の他の部位とは別個の部材が装着されて構成されていることを特徴とする請求項に記載の射出成形金型である。
【0017】
本発明の射出成形金型では、比較的加工が困難な、外面成形部の曲面部が他の部位とは別個の部材で作られている。そのため本発明の射出成形金型では、曲面部を単独で加工することができ、金型の製造が容易である。
【0018】
さらに本発明は、成形される容器は筒状であり、該容器の開口端の内面に長手方向に延びる溝を有し、さらに容器の前記溝の近傍であって容器の奥側には環状の突起が設けられ、射出成形金型には、前記溝を形成する突起と、前記環状の突起を形成する環状の溝を有し、前記溝を形成する突起の端末は、外側に広がる円弧形状をしていることを特徴とする射出成形金型である。
【0019】
本発明の射出成形金型は、採血容器またはこれと同様の構造をした容器の成形に適するものである。
すなわち採血容器は、血液を採取した後、血液がこぼれないようゴム等の栓がされる。そのため採血容器では、栓が抜けないよう、開口部位の内面に環状の突起が設けられる。また同様に、栓が容易に回らないように、環状の突起の外側に軸方向に延びる溝が設けられている。しかし突起と溝とは近接した位置にあるので、射出成形金型を加工する際には相当に精密な加工を要する。これに対して本発明の射出成形金型は、溝を形成する突起の端末の形状に、外側に広がる円弧形状を採用したので、フライス加工によって当該部位を製作することができる。
【0020】
また同様に上記した発明を改良した請求項に記載の発明は、スプルーブッシュと、成形キャビティとスプルーブッシュを接続するランナー部と、当該ランナー部に接するランナーロックピンを有し、前記スプルーブッシュは、二以上のブッシュ片に分割され、当該ブッシュ片の少なくとも一つにランナーロックピンが装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形金型である。
【0021】
本発明の射出成形金型では、スプルーブッシュは、二以上のブッシュ片に分割され、当該ブッシュ片にランナーロックピンが設けられている。そのため本発明の射出成形金型では、スプルーブッシュの前方にランナーロックピンを設けることができ、当該部位にランナーの分岐部を位置させることができる。したがって本発明の射出成形金型では、スプルーブッシュの前方に容器を成形する成形キャビティを設けることができる。そのため本発明の射出成形金型ではランナー部の長さを短くすることができる。また成形キャビティをより密に設けることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の採血容器の全体斜視図、開口部の一部断面斜視図、底部の拡大斜視図である。図2は、採血容器を成形する射出成形金型の断面図である。図3は、図2の射出成形金型の成形キャビティの配置を示す説明図である。図4は、図2の射出成形金型で採用するスプルーブッシュの正面図及び断面図である。図5は、図2の射出成形金型の要部拡大断面図である。図6は、可動側入子の正面図である。図7は、図2の射出成形金型のゲート部周辺の断面図及び射出成形金型を分離する際の当該部位の断面図である。図8は、図7に示した射出成形金型から離型された採血容器の底部の拡大断面図である。図9は、他の実施形態の射出成形金型のゲート部周辺の断面図及び射出成形金型を分離する際の当該部位の断面図である。図10は、図9に示した射出成形金型から離型された採血容器の底部の拡大断面図である。図11は、図1の採血容器の開口部の正面断面図及び平面図である。図12は、図11に示した部位を成形する可動側入子の製造工程を示す説明図である。図13は、他の実施形態の採血容器の開口部の正面断面図及び平面図である。図14は、図13に示した部位を成形する可動側入子の製造工程を示す説明図である。図15は、固定側型板入子の分割形態を説明する説明図である。図16は、他の実施形態の射出成形金型の固定側型板入子を説明する説明図である。
【0024】
図1において、1は、本発明の実施形態の採血容器を示す。本実施形態の採血容器1は、ポリエチレンテレクタレート樹脂を素材とするものであり、外形は試験管に似た形状をしている。すなわち採血容器1の本体部分2は細長い筒状である。また採血容器1の底部3は、曲面形状をしている。採血容器1の底部3の形状は、より具体的には球面である。
そしてここで本実施形態の採血容器に特徴的な構成は、底部3の中心部に凹部5が設けられている点である。そして当該凹部5の中心には、ゲート跡6が残されている。
【0025】
また採血容器1の開口部内面には、図1(a)(b)及び図11に示すように軸方向に延びる溝8が等間隔に4本設けられている。さらに溝8の奥には、環状の突起10が隣接して設けられている。本実施形態の採血容器1では、環状の突起10は二列設けられている。
開口部の内面に設けられた溝8の端末、すなわち溝8の突起10との接合部分には、図1(a)(b)及び図11の様な、外側に広がる円弧形状部12が設けられている。
【0026】
次に、上記した採血容器1を製造する射出成形金型20について説明する。射出成形金型20の基本構成は、従来技術の射出成形金型100と同様であり、両端に固定側取付け板21と、可動側取付板22を有し、両者の間にランナストリッパ板23、固定側型板25、ストリッパ板26、可動側型板27、スペーサ板28が設けられたものである。そして固定側取付け板21の中心部には、スプルーブッシュ30が取り付けられ、さらにスプルーブッシュ30の外側にはロケートリング32が装着されている。
【0027】
固定側型板25は、採血容器を成形する部位であり、従来技術と同様に固定側型板入子33が装着されている。また可動側型板27には可動側入子50が設けられ、可動側入子50と固定側型板入子33間に成形キャビティ56が形成される点についても従来技術と同様である。
【0028】
本実施形態の射出成形金型20において、特記するべき点の第一は、スプルーブッシュ30の構造である。本実施形態の射出成形金型20で採用するスプルーブッシュ30は、図4に示すように、射出方向に二つのブッシュ片に分割されており、両者はネジ39によってロケートリング32と共に一体化されている。すなわち本実施形態で採用するスプルーブッシュ30は、先端側ブッシュ片40と、後方側ブッシュ片41の二つの部材に分割されている。より具体的に説明すると、先端側ブッシュ片40の外形は、先端がテーパ形状をした係合部43とフランジ部45が一体化された形状である。また先端側ブッシュ片40のフランジ部45には、ライナーロックピン47の頭部が挿入される孔42が設けられている。先端側ブッシュ片40の内面形状は、ノズルの先端部分が合致するテーパ部44と、ノズルの穴と連通する貫通穴部46を有する。
一方、後方側ブッシュ片41は、外形が先端側ブッシュ片40のフランジ部45に一致するものであり、内部は前記した先端側ブッシュ片40と一体のテーパ形状を形成する形状をしている。
【0029】
そして本実施形態では、ランナーロックピン47の頭部がスプルーブッシュ30の先端側ブッシュ片40の孔42と後方側ブッシュ片41によって囲まれた空隙に装着され、ランナーロックピン47の本体部分は、スプルーブッシュ30から露出している。したがって本実施形態では、ランナーロックピン47は、従来技術に比べて、射出成形金型20の中心に近い位置に設けられる。そしてスプルーブッシュ30に設けられたランナーロックピン47は、ランナー部60の分岐部と当接している。なお勿論、従来技術と同様に固定側取付け板21とランナストリッパ板23を貫通する部位にもランナーロックピン49が配されており、当該ランナーロックピン49は、前記したランナー部60の他の分岐部と当接している。
【0030】
本実施形態の射出成形金型20では、スプルーブッシュ30自体にランナーロックピン47が設けられ、スプルーブッシュ30の前方にもランナーロックピン47を位置させることができるので、従来技術に比べてより密に成形キャビティ56を配することができる。また本実施形態の射出成形金型20では、スプルーブッシュ30に近い位置に成形キャビティ56を設けることができ、ランナー部60の長さが従来技術の射出成形金型に比べて短いので、ランナー部60の流路抵抗が小さい。そのため射出成形機の射出充填圧力は比較的小さいもので足りる。
【0031】
図3は、本実施形態の射出成形金型20の成形キャビティ56の配置図であり、図19で示した従来技術の射出成形金型100における成形キャビティ125の配置に比べてより密であることが判る。
【0032】
固定側型板22には16個(図3参照)の固定側型板入子33が装着されているが、本実施形態の射出成形金型20では、各固定側型板入子33は更に二つの入子片35,36に分割されている。
すなわち固定側型板入子33の構造は、図5の様である。固定側型板入子33は、本体部入子片35とゲート部入子片36を持つ。前者の本体部入子片35は、採血容器1の本体部分2の外周を成形するものである。また後者のゲート部入子片36は、底部3の球面の中心部と、ゲート38及びライナー部の一部を形成する。
そして本体部入子片35にゲート部入子片36が挿入されて一体の固定側型板入子33を構成している。本実施形態の射出成形金型20は、加工が困難なゲート部周辺だけを単独に加工することができるので、金型自体の製造が容易である。またゲート38の周辺部は、他の部位に比べて磨耗が激しいので、磨耗が進んだ際には、ゲート部入子片36だけを取り替えて、補修することもできる。
【0033】
なお本実施形態の射出成形金型20における本体部入子片35とゲート部入子片36の大きさ及び位置関係を略図で示すと、図15(a)の様になるが、両者の大きさの比率等は任意であり、図15(b)の様に、ゲート部入子片36’が採血容器1の本体部2を成形する部位にまで至るものであってもよい。本実施形態の射出成形金型20によると、採血容器1の底部にパーティングラインが発生し、また変形例たる図15(b)の様な構成とすると、本体部2にパーティングラインが発生することとなるが、いずれにしても機能上の不利益はない。勿論図16の様に物理的に一個の部材によって固定側型板入子33’を構成させてもよい。
【0034】
固定側型板入子33のゲート部入子片36によって構成される成形面の一部たる球面の中心部には、図7(a)の様な突起37が設けられている。突起37の形状は、略円錐台形をしている。
当該突起37は、成形キャビティ56内に突出し、成形品たる採血容器1に凹部5を形成する。そしてゲート部入子片36の突起37の中心に、ゲート38が開口している。本実施形態では、ゲート38の形状は、ストレート形状のものが採用されているが、他に、図9(a)に示すような、成形キャビティ56側に向かって断面積が広がったゲート38’の採用も推奨される。なお、本実施形態の射出成形金型20では、図9に示した様な比較的開口の大きいゲート38,38’が採用できるので、従来技術の射出成形金型に比べてゲート部における流路抵抗が小さい。そのため射出成形機の射出充填圧力は比較的小さいもので足りる。
【0035】
可動側型板27には従来技術と同様に可動側入子50が設けられている。可動側入子50の外形形状は、図5,図6の通りであり、大きく先端の成形部51と根元側の基部52とに分かれている。成形部51は、固定側型板入子33内に入って固定側型板入子33との間に成形キャビティ56を形成する部位であり、軸状であって、先端部分は球面をしている。
そして成形部51の基部52に近い部位、すなわち採血容器1の開口部を成形する部位には図6、図12(c)の様に、突起55が設けられている。この突起55は、成形品たる採血容器1の開口部に軸方向に延びる溝8を成形するためのものである。また成形部51には、突起55に隣接して環状の溝53が設けられている。当該溝53は、採血容器1の開口部の環状の突起10を成形するために設けられたものである。
そして突起55の環状の溝53との接合部分には、図12(c)の様に円弧形状部61が設けられている。
【0036】
環状の溝53及び突起55の製造方法は、図12の通りである。すなわち図12(a)の様に旋盤のバイト59によって環状の溝53を設けると共に、溝53に隣接して直径の大きい部位57を作る。続いて図12(b)の様に直径の大きい部位57をエンドミル60によって軸方向に切削し、突起55を成形する。ここで、加工に際してエンドミル60は、直径の大きい部位57を貫通させず、端部を残して加工する。その結果、突起55の環状の溝53との接合部分には、外側に広がる円弧形状部61が残る。旋盤加工及びエンドミルによるフライス加工が終了すると、表面を磨いて所定の面粗さに調整する。
【0037】
本実施形態の射出成形金型20の様な、突起55の溝53との接合部分に円弧形状部61を残す構成は、上記した様にエンドミルによって突起55を形成させることができる点で推奨される。
他の例として図14に示すように、円弧形状部を残さずに突起55’を形成させる構成を採用することも可能であるが、突起突起55’環状の溝53とは隣接していて両者の間の隙間が少ないので、円弧形状部を残さない構成とするとエンドミルによる加工は困難であり、放電加工等の除去効率の悪い加工方法に頼らざるを得ない。
【0038】
本実施形態の射出成形金型20を使用して、採血容器1を成形する場合は、従来技術と同様にスプルーブッシュ30から溶融樹脂を注入し、ランナー部60を経て図7(a)の成形キャビティ56に溶融樹脂を充填する。そして樹脂を冷却固化し、射出成形金型20を開いて成形物たる採血容器1を離型する。射出成形金型20を開く場合は、まず最初に固定側型板入子33と、可動側型板25の可動側入子50の間が、図7(b)の様に離反する。この時、ゲートの部位が切れてランナーと成形物たる採血容器1が分離されるが、ゲート跡の突起6は、採血容器1の凹部5に止まり、凹部5の外部には露出しない。
そして続いて可動側型板27の可動側入子50から成形物たる採血容器1を離型するが、離型直後の採血容器1の底部の形状は、図8の様であり、ゲート跡6が凹部5の外部に露出せず、底部の後処理は不要である。
【0039】
また本実施形態の射出成形金型20は、ランナーロックピン47がスプルーブッシュ30の中心に近接した位置に設けられていてランナー部60が短いことと、ゲート38の開口が比較的大きいことが相まって樹脂の流路抵抗が小さい。そのため本実施形態によると、樹脂を充填するのに要する射出充填圧力は低いもので足る。また成形キャビティ56を密に配することができるため、射出成形金型20の投影面積が小さく、コンパクトであり、総重量も小さい。
以下、これらの効果を実証する実施例について説明する。
【0040】
【実施例】
図2,図3に示すレイアウトによって、16個の採血容器を一度に成形する本発明形態の射出成形金型を製作した。
また比較例として、図17,図19に示すレイアウトによって、16個の採血容器を成形する従来技術の射出成形金型を製作した。
二つの射出成形金型を比較したところ、本発明の射出成形金型は、従来技術のそれに比べて、投影面積が40%小さいものであった。また本発明の射出成形金型は、従来技術のそれに比べて射出成形金型の総重量が、40%軽いものであった。
さらに本発明の射出成形金型と従来技術の射出成形金型を使用して、実際に採血容器の射出成形を行ったところ、本発明の射出成形金型が必要とする射出充填圧力は、従来技術の射出成形金型が必要とする射出充填圧力に比べて、60%小さいもので足りた。
【0041】
以上説明した実施形態は、採血容器及び採血容器を成形する射出成形金型を例に挙げて、本発明を説明したものであるが、本発明は、採血容器に限らず、底が曲面形状をした他の用途の容器や、これを成形する射出成形金型に適用可能である。
またスプルーブッシュを二分割してスプルーブッシュにランナロックピンを設ける構成については、小型の成形品を多数成形する射出成形金型に広く適用できる。
【0042】
【発明の効果】
【0043】
求項に記載の射出成形金型は、本体部及び底となる曲面部を成形する一部が曲面となった成形キャビティを有し、この曲面部の一部に突起が設けられている。そのため成形物には曲面部の一部に凹部が形成される。そして本発明の射出成形金型では、突起の先端部にゲートが形成されているので、ゲート跡は成形物の凹部に残ることとなる。そのため本発明の射出成形金型を使用して容器を成形すると、曲面形状の部位からゲート跡が突出せず、後工程でゲート後を削る必要はない。したがって本発明の射出成形金型によって射出成形容器を成形すると、射出成形後の二次加工が不要となり、射出成形容器を容易に製造することができるという効果がある。
また本発明の射出成形金型では、ゲートの口径を比較的大きくすることができるので、射出成形時の流路抵抗が小さく、射出充填圧が低い成形機をもって成形作業を行うことができる。また成形機の型締め力も小さいもので足る。
【0044】
また請求項に記載の射出成形金型では、比較的加工が困難な、外面成形部の曲面部が他の部位とは別個の部材で作られているので、射出成形金型の製造が容易であるという効果がある。
【0045】
また同様に請求項に記載の射出成形金型は、フライスによって細部の加工を行うことができるので、金型製造の際の作業効率がよい。
【0046】
さらに請求項に記載の射出成形金型は、スプルーブッシュの前方に成形キャビティを設けることができるので、外形が小型であるにも係わらず、多数の成形品を一度に成形することができる。またランナー部の長さを短くすることができるので、射出成形時の流路抵抗が小さく、射出充填圧が低い成形機をもって成形作業を行うことができる。また成形機の型締め力も小さいもので足る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の採血容器の全体斜視図、開口部の一部断面斜視図、底部の拡大斜視図である。
【図2】採血容器を成形する射出成形金型の断面図である。
【図3】図2の射出成形金型の成形キャビティの配置を示す説明図である。
【図4】図2の射出成形金型で採用するスプルーブッシュの正面図及び断面図である。
【図5】図2の射出成形金型の要部拡大断面図である。
【図6】可動側入子の正面図である。
【図7】図2の射出成形金型のゲート部周辺の断面図及び射出成形金型を分離する際の当該部位の断面図である。
【図8】図7に示した射出成形金型から離型された採血容器の底部の拡大断面図である。
【図9】他の実施形態の射出成形金型のゲート部周辺の断面図及び射出成形金型を分離する際の当該部位の断面図である。
【図10】図9に示した射出成形金型から離型された採血容器の底部の拡大断面図である。
【図11】図1の採血容器の開口部の正面断面図及び平面図である。
【図12】図11に示した部位を成形する可動側入子の製造工程を示す説明図である。
【図13】他の実施形態の採血容器の開口部の正面断面図及び平面図である。
【図14】図13に示した部位を成形する可動側入子の製造工程を示す説明図である。
【図15】固定側型板入子の分割形態を説明する説明図である。
【図16】他の実施形態の射出成形金型の固定側型板入子を説明する説明図である。
【図17】従来技術における採血容器を成形する射出成形金型の断面図である。
【図18】図17の射出成形金型のゲート部周辺の断面図及び射出成形金型を分離する際の当該部位の断面図である。
【図19】図17の射出成形金型の成形キャビティの配置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 採血容器
2 本体部分
3 底部
5 凹部
6 ゲート跡
8 軸方向に延びる溝
10 突起
27 可動側型板
30 スプルーブッシュ
33 固定側型板入子
35 本体部入子片
36,36’ ゲート部入子片
38,38’ ゲート
40 先端側ブッシュ片
41 後方側ブッシュ片
43 係合部
45 フランジ部
47 ランナーロックピン
50 可動側入子
51 成形部
53 環状の溝
55 軸方向に延びる突起
56 成形キャビティ
60 ランナー部
61 円弧形状部

Claims (3)

  1. 底部が曲面形状をした容器を製造する射出成形金型において、射出成形金型は本体部及び底となる曲面部を成形する一部が曲面となった成形キャビティを有し、前記曲面部の一部に突起が設けられ、該突起の先端部にゲートが形成されており、かつ、成形される容器は筒状であり、該容器の開口端の内面に長手方向に延びる溝を有し、さらに容器の前記溝の近傍であって容器の奥側には環状の突起が設けられ、射出成形金型には、前記溝を形成する突起と、前記環状の突起を形成する環状の溝を有し、前記溝を形成する突起の端末は、外側に広がる円弧形状をしていることを特徴とする射出成形金型。
  2. 成形キャビティは、容器の外面を成形する外面成形部と、容器の内面を成形する入子によって構成され、外面成形部の曲面部を含む一角は、外面成形部の他の部位とは別個の部材が装着されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
  3. スプルーブッシュと、成形キャビティとスプルーブッシュを接続するランナー部と、当該ランナー部に接するランナーロックピンを有し、前記スプルーブッシュは、二以上のブッシュ片に分割され、当該ブッシュ片の少なくとも一つにランナーロックピンが装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形金型。
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