JP3932106B2 - 光ディスク用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光ディスク用樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂組成物に関し、更に詳しくは、CD、CD−R、MD、次世代のブルーレイ・ディスク等の光ディスク類の記録膜の保護のためのコート剤、DVDに代表されるような2枚のディスク基板を貼り合わせ紫外線を照射することによって硬化、接着するタイプの光ディスクの接着剤等に適する光ディスク用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、実用化されている貼り合わせ型DVDのような光ディスクは、記録層の構成において記録層が一層で記録容量がおおよそ5ギガバイトのDVD−5と記録層が2層で記録容量がおおよそ9ギガバイトのDVD−9とがあり、記録容量の大きいDVD−9が主流となりつつある。このDVD−9の基板は、全反射膜としてアルミニウム化合物を用い、半透明反射膜として金を用いている。半透明反射膜はレーザーを透過させなければならないため、薄膜化されなければならず、安定な化合物の代表である金が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、金は高価な材料であるため、半透明反射膜材料としてシリコン、シリコン化合物、銀及び銀合金を使用することが検討されている。他方、記録容量をさらに高めるために青色レーザー使用の検討が進んでいる。赤色レーザーの場合は半透明反射膜が金、シリコン、銀または銀合金であっても、その透過性に問題がないが、青色レーザーの場合、400nm付近の透過性において銀がより優れた性能を有することが確認されている。しかしながら、銀は金よりも接着剤による酸化を受けやすく、不安定で、銀の半透明反射膜を使用した貼り合わせディスクでは、金を半透明反射膜とした貼り合わせ光ディスクと同等の耐久性(信頼性)が得られず、未だ耐久性(信頼性)に置いて満足できる接着剤が提供されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
銀等からなる半透明反射膜を接着する事によって得られる貼り合わせ光ディスクにおいても、従来の金半透明反射膜を使用した光ディスクと同等の高い耐久性(信頼性)を有する接着剤として使用可能な光ディスク用樹脂組成物を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、特定の重合性化合物(A)を成分とした新規な光ディスク用樹脂組成物を接着剤として用いて、銀あるいは銀合金からなる半透明反射膜を有する基板を接着した場合において優れた耐久性(信頼性)が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
【0006】
(1)分子中にテルペンジフェニル基又は水添テルペンジフェニル基とエチレン性不飽和基を有する重合性化合物(A)と希釈剤(B)と光重合開始剤(C)を含有することを特徴とする光ディスク用樹脂組成物、
(2)重合性化合物(A)が水添テルペンジフェノール(a)と(メタ)アクリル酸(b)の反応物(I)である(1)に記載の光ディスク用樹脂組成物、
(3)重合性化合物(A)がテルペンジフェニルジグリシジルエーテル(c−1)又は水添テルペンジフェニルジグリシジルエーテル(c−2)と(メタ)アクリル酸(b)及び/又はマレイミド基含有モノカルボン酸(d)の反応物(II)である(1)に記載の光ディスク用樹脂組成物、
(4)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の光ディスク用樹脂組成物の硬化物、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、光ディスクの記録膜の保護のためのコート剤やDVDに代表される2枚のディスク基板を張り合わせる接着剤等に適する光ディスク用樹脂組成物に於いて、特定の重合性化合物(A)他を含有することを特徴とする光ディスク用樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【0008】
本発明の光ディスク用樹脂組成物において、重合性化合物(A)の第1の例は、下記式(1)を有する水添テルペンジフェノール(a)
【0009】
Figure 0003932106
【0010】
と(メタ)アクリル酸(b)を反応させることにより得られる重合性化合物(A−1)、同じく第2の例は、前記式(1)で表される水添テルペンジフェノール(a)と2−イソシアネートエチルメタクリレートを反応させることにより得られる重合性化合物(A−2)、同じく第3の例は、前記式(1)で表される水添テルペンジフェノール(a)とマレイミド基含有モノカルボン酸(d)を反応させることにより得られる重合性化合物(A−3)、同じく第4の例は、下記式(2)で表されるテルペンジフェノールジグリシジルエーテル(c−1)又は、式(3)で表される水添テルペンジフェノールジグリシジルエーテル(c−2)と
【0011】
Figure 0003932106
【0012】
Figure 0003932106
【0013】
(メタ)アクリル酸(b)を反応させて得られる重合性化合物(A−4)、同じく第5の例は、前記式(2)又は(3)で表される化合物とマレイミド基含有モノカルボン酸(d)を反応させて得られる重合性化合物(A−5)、同じく第6例は、前記(c−1)又は(c−2)成分と(b)成分と(d)成分を反応させて得られる重合性化合物(A−6)、同じく第7例は、前記、重合性化合物(A−4)、(A−5)及び(A−6)の1種と2−イソシアネートエチルメタクリレートを反応させて得られる重合性化合物(A−7)、同じく第8例は、前記、重合性化合物(A−4)、(A−5)及び(A−6)の1種と多塩基酸無水物(e)を反応させて得られるカルボキシル基変性重合性化合物(A−8)等を挙げることができる。
【0014】
特に好ましい重合性化合物(A)としては、前記、重合性化合物(A−1)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)等を挙げることができる。
【0015】
前記(メタ)アクリル酸(b)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。
【0016】
前記マレイミド基含有モノカルボン酸(d)の具体例としては、反応式
【0017】
Figure 0003932106
【0018】
で示されるように、無水マレイン酸と1級アミノカルボン酸とから、公知の技術〔例えば、デー・エイチ・ライヒ(D.H.Rich)ら「ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(Journal of Medical Chemistry)」第18巻、第1004〜1010頁(1975年)参照〕を用いて合成できる化合物(d−1)の他、ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物と分子中に1個の酸無水物基を有する化合物とのハーフエステル化物(d−2)等を挙げることができる。
【0019】
ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物としては、例えば、反応式
【0020】
Figure 0003932106
【0021】
で示されるように、マレイミドとホルムアルデヒドとから、あるいは反応式
【0022】
Figure 0003932106
【0023】
で示されるように、無水マレイン酸と1級アミノアルコールとから、公知の技術(例えば、米国特許2526517号明細書、特開平2−268155号公報等に記載の技術)等を用いてそれぞれ合成することができる。
【0024】
上記反応で用いられる1級アミノカルボン酸としては、例えば、アスパラギン、アラニン、β−アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、トリプトファン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、α−メチル−フェニルアラニン、リジン、ロイシン、シクロロイシン、3−アミノプロピオン酸、α−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、2−アミノカプリル酸、3−アミノカプリル酸、6−アミノカプリル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナン酸、2−アミノカプリン酸、9−アミノカプリン酸、15−アミノペンタデカン酸、2−アミノパルミチン酸、16−アミノパルミチン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
上記反応で用いられる1級アミノアルコールとしては、例えば、2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、2−アミノ−4メチルチオ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、(1−アミノシクロペンタン)メタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−1−ヘプタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、等などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
前記、分子中に1個の酸無水物基を有する化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。
【0027】
前記、ハーフエステル化物(a−2)は、前記ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物中の水酸基1化学当量と前記分子中に1個の酸無水物基を有する化合物中の無水物基約1化学当量を反応させることにより得ることができる。反応温度は、60〜100℃が好ましく、反応時間は、1〜10時間が好ましい。反応時に、必要に応じて、有機溶剤を使用することもできる。
【0028】
多塩基酸無水物(e)の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、パーフルオロ無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
【0029】
次に、前記重合性化合物(A−1)、(A−4)及び(A−5)について詳細に述べる。
【0030】
前記、重合性化合物(A−1)は、前記式(1)で表される水添テルペンジフェノール(a)中の水酸基と(メタ)アクリル酸(b)中のカルボン酸の脱水、エステル化反応を行うことにより得ることができる。(a)成分中の水酸基1当量に対して、(b)成分中のカルボキシル基0.5〜3当量を反応させるのが好ましく、特に好ましくは、1.0〜1.5当量を反応させる。反応溶媒として、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の有機溶剤を使用するのが好ましい。反応の触媒(脱水触媒)として、硫酸、P−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を使用するのが好ましい。又、反応中の重合を防止するために重合禁止剤を使用するのが好ましく、使用出来る重合禁止剤の具体例としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、フェノチアジン等を挙げることができる。反応温度及び反応時間は、使用する反応溶媒の種類や原料の仕込み割合により異なるが、反応温度は80〜150℃、反応時間は3〜20時間がそれぞれ好ましい。
前記重合性化合物(A−4)は、例えば、前記式(2)で表されるテルペンジフェノールジグリシジルエーテル(c−1)又は式(3)で表される水添テルペンジフェノールジグリシジルエーテル(c−2)中のエポキシ基と(メタ)アクリル酸(b)を反応させることにより得ることができる。(c−1)又は(c−2)成分中のエポキシ基1当量に対して、(メタ)アクリル酸(b)中のカルボキシル基0.5〜1.05当量を反応させるのが好ましく、特に好ましくは0.9〜1.01当量を反応させる。反応溶媒として、後記の希釈剤(B)等を使用することができる。反応を促進するために反応触媒として、テトラメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチルアミノフェノール、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性化合物等を使用するのが好ましい。反応温度は、80〜150℃が好ましく、反応時間は10〜40時間が好ましい。又、反応中、重合を防ぐ為の重合防止剤を使用することもできる。
【0031】
前記重合性化合物(A−5)は、前記、重合性化合物(A−4)についての説明中、(メタ)アクリル酸(b)を、マレイミド基含有モノカルボン酸(d)に変える以外は、同様に処理することにより、製造することができる。
【0032】
重合性化合物(A)の光ディスク用樹脂組成物中の含有量は、5〜60重量%が好ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。
【0033】
本発明では、希釈剤(B)を使用する。希釈剤(B)として、活性なラジカルにより重合性を有し、前記重合性化合物(A)を溶解する能力を有するものであれば、いずれでも使用可能であるが、使用しうる希釈剤(B)の具体例としては、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンの反応物、メチルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリ(オキシエチル)(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソスチルアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、P−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシ(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル、2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリエトキシジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、等を挙げることができる。
【0034】
上記、希釈剤(B)は、1種又は2種以上、任意の割合で併用してもかまわない。組成物中の含有量は、35〜95重量%が好ましく、特に好ましくは45〜85重量%である。
【0035】
本発明で使用する光重合開始剤(C)としては、光照射により、それ自身が分解し、活性なラジカルを発生し、そのラジカルが重合を開始せしめる能力を有するものであればいずれも使用しうるが、使用しうる光重合開始剤(C)の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。これら(C)成分は、1種又は2種以上で混合して使用することができる。組成物中の含有量としては、1〜20重量%が好ましく、特に好ましくは2〜10重量%である。
【0036】
本発明の光ディスク用樹脂組成物においては、更に硬化性の向上のために、光重合促進剤を使用することもできる。使用しうる光重合促進剤の具体例としては、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート等を挙げることができる。
【0037】
本発明の光ディスク用樹脂組成物は、性能を向上する目的で(A)及び(B)成分以外の(メタ)アクリロイル基含有化合物を併用することもできる。その例として、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
【0038】
更に本発明の光ディスク用樹脂組成物には、シランカップリング剤、レベリング剤、重合禁止剤、光安定剤(ヒンダードアミン系等)、酸化防止剤(2,4,6−tert−ブチルフェノール等)、帯電防止剤、表面潤滑剤、充填剤などの添加剤を併用することができる。
【0039】
本発明の光ディスク用樹脂組成物は、前記した各成分を常温乃至80℃で混合溶解して、次いで必要により、ロ過することにより得ることができる。本発明の硬化物は、本発明の光ディスク用樹脂組成物を常法により紫外線、可視光線などの光線を照射する事により得ることができる。
本発明の光ディスク用樹脂組成物の光照射による硬化は、紫外〜近紫外の光線を照射出来るランプであれば光源は問わない。使用可能な光源としては、例えば、低圧、高圧または超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、また無電極ランプなどが挙げられる。
【0040】
本発明の光ディスク用樹脂組成物は、DVDの接着剤として用いる場合、貼り合わせ接着層の膜厚が1〜100μmとなるように接着できれば塗工方法は問わず、スピンコート法、2P法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が適用出来る。通常、2枚の光ディスク基板を接着層が1〜100μmとなる様に貼り合わせた後、片側もしくは両面から紫外〜近紫外の光線を照射して硬化し、接着する。2枚の貼り合わせ光ディスクの基板としては、通常ポリカーボネート樹脂板が使用される。
【0041】
本発明の光ディスク用樹脂組成物をCD、CD−R、MD、次世代ブルーレイ・ディスク等の光ディスクの記録膜の保護のためのコート剤として用いる場合は、これらの記録層の上に2〜500μmとなように塗工し、塗布面から近紫外線乃至紫外線を照射することにより硬化し、オーバーコート層を形成することが出来る。塗工方法としては、スピンコート法、2P法、ロールコート法、スクリーン印刷法等を適用出来る。、
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明する。
(重合性化合物(A)の合成例)
合成例1
攪拌器、水分離器付きコンデンサー、温度計、空気吹き込み管の付いた500mリットル4口フラスコに式(1)で表される水添テルペンジフェノール168.3g、アクリル酸93.7g、ハイドロキノン0.6g、トルエン91g、シクロヘキサン39g、硫酸2.8gを仕込み、空気を吹き込みながら加熱攪拌し反応させた。反応温度は98〜110℃で、6時間で水18.5mリットルが留出した。反応液を1リットル分液ロートに移しトルエン280g、シクロヘキサン120g、25%苛性ソーダ水溶液100gを加えて洗浄し、15%食塩水100mリットルで3回洗浄した。洗浄した有機相をナス型フラスコに移しメトキノン10mgを加えて減圧下80℃で濃縮した。生成物(A−1)158gが得られた。屈折率1.506(25℃)で室温で放置すると固体になった。生成物は、NMR分析及びGCMS分析により、下記式の化合物が主成分であることを確認した。
【0043】
Figure 0003932106
【0044】
合成例2
式(1)で表される水添テルペンジフェノール336gをエピクロルヒドリン1850gとジメチルスルホキシド925gに溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH105.6gを100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行った。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む、反応生成物をメチルイソブチルケトン750gに溶解させ、さらに30重量%NaOH20gを加え、70℃で1時間反応させた。反応終了後、水400gで2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量226の前記式(3)で表される水添テルペンジフェノールジグリシジルエーテルを得た。次いで、この水添テルペンジフェノールジグリシジルエーテル452g、トリメチロールプロパントリエトキシアクリレート296.6g、フェノキシエチルアクリレート296.6g、アクリル酸141.2g及びP−メトキシフェノール0.6gを仕込み、90℃に加熱し、溶解した。溶解後60℃に冷却し、トリフェニルホスフィン2.4gを仕込み、98℃で約32時間反応(反応液の酸価(mgKOH/g)が0.5以下になるまで)し、生成物(A−4)を得た。生成物中には、希釈剤としてトリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレートとフェノキシエチルアクリレートを用いているが、希釈剤以外の反応生成物の主成分は、NMR分析及びGCMS分析により、下記式のものであることを確認した。
【0045】
Figure 0003932106
【0046】
実施例1〜3、比較例1
表1に示した各成分(単位は重量部)を混合溶解し、ロ過することにより本発明の光ディスク用樹脂組成物を得た。得られた光ディスク用樹脂組成物を用いて、以下1〜3の方法で接着した。
【0047】
1.アルミをスパッタしたDVD基板(ポリカーボネート)の内周上に接着剤25gを円状に供給した。
2.接着剤に空気が入らない様に銀反射膜(Ag)をスパッタしたDVD基板(ポリカーボネート)を載せて2000rpm、4秒スピンコートして貼り合わせた。金反射膜(Au)をスパッタしたDVD基板(ポリカーボネート)も同条件で貼り合わせた。
3.高圧水銀灯(80w/cm)を銀または金反射膜側から300mJ/cm2照射して硬化、接着させた。
【0048】
接着後の銀または金反射膜を接着したDVD基板を80℃、85%RH環境下、500時間放置した。目視により反射膜の状態を観察した。観察した結果を以下のような判定基準により評価し、結果を表1に示した。
○・・・・反射膜に変化は見られない。
△・・・・反射膜に変色または、ピンホールが少し見られる。
×・・・・反射膜に変色または、ピンホールが大きく見られる。
【0049】
Figure 0003932106
【0050】
注)*1 KAYARAD R−114:ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸エステル化物、日本化薬(株)製
*2 イルガキュアー184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チ バ・スペシャリティーケミカルス社製
【0051】
表1の評価結果から、本発明の光ディスク用樹脂組成物は、特に銀反射膜への影響が小さく、耐久性に優れていることが明らかである。
【0052】
【発明の効果】
本発明の光ディスク用樹脂組成物は、CD、CD−R、MDおよび次世代のブルーレイ・ディスク等の光ディスクの記録膜の保護のためのコート剤やDVDに代表される2枚のディスク基板を貼り合わせ紫外線を照射によって硬化、接着する接着剤等に使用した場合、それらの光ディスクに高い耐久性(信頼性)を与えることができる。

Claims (2)

  1. 下記反応物(I’)、反応物(II)及び反応物(A−7)からなる群から選ばれる一種以上の反応物である重合性化合物(A)と希釈剤(B)と光重合開始剤(C)を含有することを特徴とする光ディスク用樹脂組成物。
    反応物(I’):下記式(1)
    Figure 0003932106
    で表される水添テルペンジフェノール(a)に、(メタ)アクリル酸(b)、2−イソシアネートエチルメタクリレート及びマレイミド基含有モノカルボン酸(d)からなる群から選ばれるいずれかを反応させた反応物
    反応物(II):下記式(2)
    Figure 0003932106
    で表されるテルペンジフェノールジグリシジルエーテル又は下記式(3)
    Figure 0003932106
    で表される水添テルペンジフェノールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸(b)及び/又はマレイミド基含有モノカルボン酸(d)の反応物
    反応物(A−7):上記反応物(II)と2−イソシアネートエチルメタクリレートとを反応させて得られる反応物
  2. 請求項1に記載の光ディスク用樹脂組成物の硬化物。
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