JP2003147019A - 新規なジ(メタ)アクリル酸エステルおよびその(共)重合体 - Google Patents
新規なジ(メタ)アクリル酸エステルおよびその(共)重合体Info
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Abstract
ジストの透明性、基板などとの密着性などの性能を向上
させた高性能フォトレジストの材料を提供すること。 【解決手段】 p−メンタン−1,8−ジ(メタ)アク
リレートなどの新規な第三級テルペン系ジ(メタ)アク
リル酸エステルおよびその(共)重合体。
Description
アクリル酸エステルおよびその(共)重合体に関し、さ
らに詳しくは、アクリル樹脂、熱硬化型樹脂、光、紫外
線や電子線、X線などのエネルギー線で硬化する樹脂、
エネルギー線硬化型コーティング材料、エネルギー線硬
化型接着剤、印刷版用感光性樹脂、プリント基板用フォ
トレジスト材料、半導体用フォトレジスト材料、光・紫
外線・電子線硬化型塗料・インキ材料、光重合型歯科衛
生材料、酵素・微生物固定用光硬化性樹脂、光学機能材
料、光ファイバー用コーティング材料、プラスチック光
ファイバー材料、光学レンズ材料、光ディスク用コーテ
ィング材料、UV光学接着剤、光路接合用光学接着剤、
液晶ディスプレイ基板材料、プラズマディスプレイ封止
材料、有機ELディスプレイ封止材料など各種ディスプ
レイ材料などの原料モノマーとして使用することによ
り、耐熱性、可撓性、耐薬品性、低吸水性、密着性、電
気絶縁性、耐ドライエッチング性などの性能の向上を図
ることができる新規なジ(メタ)アクリル酸エステルお
よびその(共)重合体に関する。
は、上記に示した分野に広く使用されており、中でも熱
や光、紫外線、電子線などのエネルギー線を照射して硬
化する硬化型材料の原料モノマーとして使用されてい
る。
ルは、近年、半導体の超微細加工のためのフッ化クリプ
トン(以下KrFと表す)やフッ化アルゴン(以下Ar
Fと表す)、フッ素ダイマー(以下F2と表す)などの
エキシマレーザー用フォトレジスト原材料や、EUV用
フォトレジスト原材料として注目されている。
ーとして使用されるジ(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、シクロヘ
キサンジメタノールジアクリレートなどの(メタ)アク
リル酸エステルが挙げられる。
性、可撓性、耐薬品性、低吸水性、密着性、電気絶縁性
などの性能が必ずしも満足するものではなかった。
t−ブチルアクリレートなどの第3級(メタ)アクリル
酸エステルが感光性ポリマーの保護基として用いられて
いる。このフォトレジスト材料には、第3級(メタ)ア
クリル酸エステルを単独で重合させるか、または、ヒド
ロキシスチレンやブトキシスチレン、スチレン、無水マ
レイン酸、(メタ)アクリル酸エステルなどのモノマー
成分と共重合させて得られるポリマーが使用されてい
る。
ポリマーは、エキシマレーザー用フォトレジスト材料と
しての高解像度付与性、耐ドライエッチング性、レジス
トの透明性、基板などとの密着性などの性能が必ずしも
満足するものではなかった。
技術の課題を背景になされたもので、熱やエネルギー線
で硬化する樹脂のモノマーとして、耐熱性、可撓性、耐
薬品性、低吸水性、密着性、電気絶縁性などの性能に優
れ、フォトレジスト材料としての高解像度付与性、耐ド
ライエッチング性、レジストの透明性、基板などとの密
着性などの性能に優れた、新規なジ(メタ)アクリル酸
エステルおよびその(共)重合体を提供することを目的
とする。
示す環状テルペン基を有する新規なジ(メタ)アクリル
酸エステルに関する。ここで、上記ジ(メタ)アクリル
酸エステルは、第3級エステルであることが好ましい。
また、本発明の新規なジ(メタ)アクリル酸エステル
は、Tが下記式(2)で表されるパラメンタニル基であ
ることが好ましい。さらに、本発明の新規なジ(メタ)
アクリル酸エステルとしては、下記式(3)に示すp−
メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)アクリレートで
あることが好ましい。
X2は互いに同一または異なりメチル基または水素原子
を表す。)また、本発明は、上記ジ(メタ)アクリル酸
エステル、あるいは、該ジ(メタ)アクリル酸エステル
およびこれと共重合可能な他のモノマーを(共)重合し
て得られる、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)
が2,000〜100,000の(共)重合体に関す
る。
ル酸エステルは、上記式(1)で表される化合物で、環
状のテルペン基を有し、そのテルペン基に2個の(メ
タ)アクリル酸エステル基が結合した化合物である。
ン基Tとしては、炭素数10のモノテルペン基、炭素数
15のセスキテルペン基、炭素数20のジテルペン基な
どが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中
でモノテルペン基が好ましく用いられる。モノテルペン
基の具体例としては、下記式(4)で表される。例えば
パラメンタニル基、メタメンタニル基、オルソメンンタ
ニル基、ボルニル基、イソボルニル基、ツジャニル基、
カラニル基、ピナニル基などが挙げられるが、パラメン
タニル基が好ましく用いられる。
ン基がパラメンタニル基である新規なジ(メタ)アクリ
ル酸エステルは、上記式(2)で表される化合物で、そ
のパラメンタニル基に2個の(メタ)アクリル酸エステ
ル基が結合した化合物である。
ン基がパラメンタニル基である新規なジ(メタ)アクリ
ル酸エステルの具体例としては、例えば、上記式(3)
で表されるp−メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)
アクリレートや、p−メンタン−2,8−ジオールジ
(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオー
ルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステルは、第3級エステルが好ま
しく用いられる。その具体例として、上記式(3)で表
されるp−メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
ジ(メタ)アクリル酸エステルは、通常、下記式(5)
で表されるジアルコールをエステル化することにより製
造することができる。
るエステル化方法により行うことができる。すなわち、
エステル化触媒および溶媒の存在下、ジアルコールと低
級アルコール(メタ)アクリル酸エステルをエステル交
換反応させ、生成する低級アルコールを除くことによ
り、目的とするジ(メタ)アクリル酸エステルを製造す
ることができる。
酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピルなどが用いられるが、好ましくは(メタ)アクリ
ル酸メチルが用いられる。ジアルコールと低級アルコー
ル(メタ)アクリル酸エステルとの反応(仕込)モル比
は、特に限定されないが、通常、ジアルコール/低級ア
ルコール(メタ)アクリル酸エステル=0.01〜20
/1、好ましくは、0.1〜10/1である。反応モル
比が0.01/1未満または20/1を超えると、反応
の効率が悪くなり好ましくない。
の酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの塩
基触媒、金属アルコラート触媒、有機スズ化合物触媒な
どが用いられるがこれらに限定されない。エステル化触
媒の使用量は、特に限定されないが、ジアルコールおよ
び低級アルコール(メタ)アクリル酸エステル合計量に
対して、通常、0.001重量%〜20重量%で、好ま
しくは0.01重量%〜10重量%である。0.001
重量%未満だと、エステル化反応の進行が遅く効率が悪
くなり、一方、20重量%を超えると、副反応が顕著と
なるため好ましくない。
しなくてもよいが、溶媒を使用してもよい。用いる溶媒
としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族溶
媒、n−ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒などが
使用されるが、これらに限定されない。そのエステル交
換反応の反応温度は、特に限定されることはなく、広範
囲な温度範囲で実施することが可能であるが、通常0℃
〜300℃、好ましくは20℃〜200℃である。0℃
未満だと、反応の進行が遅くなり、一方300℃を超え
ると重合などの副反応が顕著となるため好ましくない。
また、反応時間は、反応温度に依存するが、通常0.1
〜100時間であり、好ましくは0.2〜50時間であ
る。0.1時間未満だと反応率が低く、一方100時間
を超えてもそれ以上反応は進まないため好ましくない。
ルの場合は、第3級アルコールからのエステルの合成法
により行うことができる。例えば前記した方法と同様の
方法、すなわち、上記第3級アルコールを含むジアルコ
ールと低級アルコール(メタ)アクリル酸エステルとの
エステル交換反応により製造することができる。他の方
法として、第3級アルコールを含むジアルコールを(メ
タ)アクリル酸クロリドや(メタ)アクリル酸無水物と
反応させることにより行うことができる。その際、第3
級アルコールを含むジアルコールと(メタ)アクリル酸
クロリドまたは(メタ)アクリル酸無水物との反応(仕
込)モル比は、特に限定されないが、通常、ジアルコー
ル/(メタ)アクリル酸クロリドまたは(メタ)アクリ
ル酸無水物=0.01〜20/1、好ましくは、0.1
〜10/1である。反応モル比が0.01/1未満また
は20/1を超えると、反応の効率が悪くなり好ましく
ない。反応温度は、特に限定されることはなく、広範囲
な温度範囲で実施することが可能であるが、通常−40
℃〜300℃、好ましくは0℃〜200℃である。−4
0℃未満だと、反応の進行が遅くなり、一方300℃を
超えると重合などの副反応が顕著となるため好ましくな
い。反応時間は、反応温度に依存するが、通常0.1〜
100時間であり、好ましくは0.2〜50時間であ
る。0.1時間未満だと反応率が低く、一方100時間
を超えてもそれ以上反応は進まないため好ましくない。
性物質を使用する。塩基性物質として例えば、ピリジ
ン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンな
どのアミン化合物が用いられるが、これらに限定されな
い。また、反応溶媒は特に用いなくてもよいが、使用す
ることもできる。用いる溶媒として、例えばトルエン、
キシレンなどの芳香族溶媒、n−ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族系溶媒、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、エーテル類などの極性溶媒などが使用されるが、こ
れらに限定されない。
らジ(メタ)アクリル酸エステルを合成する他の方法と
して、本発明者らが開発した、3級アルコールをアミン
化合物の存在下、(メタ)アクリル酸および有機カルボ
ン酸無水物と反応させる方法でも製造できる(特開20
00−319226号公報)。
(メタ)アクリル酸エステルを製造する際に、反応系に
重合禁止剤を添加させてもよい。重合禁止剤としては、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
メチルハイドロキノン、フェノチアジンなどが挙げられ
るが、これらの重合禁止剤に限定されない。
1,8−ジオールジアクリレートまたはp−メンタン−
1,8−ジオールジメタクリレートは、p−メンタン−
1,8−ジオールのエステル化反応により製造すること
ができる。その製造方法は、上記第3級アルコールのエ
ステル化方法により行うことができる。また、p−メン
タン−1,8−ジオールに代えて下記式(6)で表され
る抱水テルピンより、上記と同様の第3級アルコールの
エステル化方法により製造することができる。工業的に
は抱水テルピンを用いる方が製造コストの面で好まし
い。
ン1モルに対し、0.1〜20.0倍モルのアクリル酸
クロリドまたはメタクリル酸クロリドと、0.1〜3
0.0倍モルのアミン化合物の存在下で0〜180℃の
温度で1〜50時間反応させることにより製造すること
ができる。アクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロ
リドのモル数が0.1倍モル未満の場合、反応率が低く
なりすぎ、一方、20.0倍モルを超えてもそれ以上収
率の向上が認められず好ましくない。また、アミン化合
物のモル数が0.1倍モル未満では、反応の進行が遅く
なり、一方、30.0倍モルを超えると、反応は充分進
行するが、経済的な観点などから好ましくない。さら
に、反応温度が0℃未満だと反応速度が遅く経済的に不
利となり、一方、180℃を超えると副反応が顕著とな
り、収率の低下が著しく経済的に不利となるため好まし
くない。
は、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジンなどが挙げられる。その際、反応溶媒は使用し
なくてもよいが、芳香族炭化水素類、エーテル類、アセ
トニトリルなどの溶媒を使用することもできる。
例えばα−ピネンを鉱酸触媒で反応させることにより得
られる。
酸エステルは、赤外線吸収スペクトルにより、C=C伸
縮に起因する1,620cm-1付近および1,640c
m-1付近のピーク、C=O伸縮に起因する1,720c
m-1付近のピークにより確認することができる。また、
本発明の新規なジ(メタ)アクリル酸エステルは、1H
−NMRチャートにより、パラメンタニル基のプロトン
に起因する1.17〜2.45ppm付近のピーク、2
つのCH2=CH基のプロトンに起因する5.70〜
6.34ppm付近のピークにより確認することができ
る。
ラメンタニル基の炭素に起因する22〜45ppm付近
のピーク、エステル基と直接結合しているパラメンタニ
ル基の三級炭素に起因する81〜85ppm付近のピー
ク、CH2=CH基の炭素に起因する129〜130p
pm付近のピーク、エステル基のC=O基の炭素に起因
する165ppm付近のピークにより確認することがで
きる。さらに、ガスクロマトグラフィー質量分析装置
(GC−MS)によって、分子量280のp−メンタン
−1,8−ジオールジアクリレートが、2つのエステル
基が脱離することにより分子量136になることも確認
することができる。さらに、元素組成比は、元素分析に
より知ることができる。
テルは、反応性ビニル基を2個有しているため、従来の
反応性ビニル基1個のみを有するモノ(メタ)アクリル
酸エステルと比較して優れた反応性を示す。例えば、エ
ネルギー線を照射して硬化させた場合、本発明のジ(メ
タ)アクリル酸エステルは反応基を2個有していること
から、硬化反応により得られる(共)重合体は一部架橋
構造を形成し、耐熱性、耐薬品性、耐ドライエッチング
性などの性能に優れたものである。これら優れた性質
は、従来のモノ(メタ)アクリル酸エステルから得られ
る(共)重合体では得られないものであった。
テルは、単独で重合させるか、または他のモノマー成分
と共重合させることにより、(共)重合体として用いる
ことができる。ここで、他のモノマー成分としては、通
常、ヒドロキシスチレンやブトキシスチレン、アクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル
酸エステルなどの化合物が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。この(共)重合体中に含まれる本
発明の新規なジ(メタ)アクリル酸エステルの構成単位
の割合は、通常、他のモノマーを含めた全量に対して3
〜70モル%、好ましくは5〜50モル%である。新規
なジ(メタ)アクリル酸エステルの構成単位の割合が3
モル%未満では、フォトレジストとしての充分な性能が
得られないため好ましくなく、一方、70モル%を超え
てもそれ以上の性能の向上が認められない。
テルから得られる(共)重合体を製造する際の重合方法
としては、従来から行われている公知の方法で行うこと
ができる。例えば、溶媒中で重合開始剤の存在下、ラジ
カル重合させることにより行われる。その際、溶媒とし
ては、特に制限は無く、例えばメタノール、エタノール
などのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジクロロメタン、
クロロホルムなどの塩素系溶媒などが挙げられる。ま
た、重合開始剤としては、特に制限はなく一般に使用さ
れる重合開始剤が使用でき、例えばベンゾイルパーオキ
シド、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ョンクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重
量平均分子量(Mw)は、2,000〜100,00
0、好ましくは5,000〜60,000、さらに好ま
しくは8,000〜12,000、特に好ましくは9,
500〜10,000である。Mwが2,000未満で
は製膜性が悪化する。一方、100,000を超えると
溶媒へ溶けにくくなる。また、(共)重合体の分散度
(Mw/ポリスチレン換算数平均分子量)は、好ましく
は1〜5、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは
1.5〜1.8である。本発明の(共)重合体の同定に
ついては、モノマーであるジ(メタ)アクリル酸エステ
ルの同定と同様に、赤外線吸収スペクトル測定、1H−
NMRチャート、13C−NMRチャート、質量分析装置
(MS)、元素分析などにより知ることができる。
テルは、アクリル樹脂、熱硬化型樹脂、光、紫外線や電
子線、X線などのエネルギー線で硬化する樹脂、エネル
ギー線硬化型コーティング材料、エネルギー線硬化型接
着剤、印刷版用感光性樹脂、プリント基板用フォトレジ
スト材料、半導体用フォトレジスト材料、光・紫外線・
電子線硬化型塗料・インキ材料、光重合型歯科衛生材
料、酵素・微生物固定用光硬化性樹脂、光学機能材料、
光ファイバー用コーティング材料、プラスチック光ファ
イバー材料、光学レンズ材料、光ディスク用コーティン
グ材料、UV光学接着剤、光路接合用光学接着剤、液晶
ディスプレイ基板材料、プラズマディスプレイ封止材
料、有機ELディスプレイ封止材料など各種ディスプレ
イ材料などの原料モノマーとして使用することができる
が、上記材料に限定されない。
テルは、熱や光、紫外線、電子線などのエネルギー線を
照射して硬化する硬化型材料の原料モノマーとして使用
することにより、耐熱性、可撓性、耐薬品性、低吸水
性、密着性、電気絶縁性などの従来にない性能を付与す
ることができる。これは、テルペン基を有することに起
因する。
酸エステルは、フォトレジスト用原材料として用いるこ
とができる。すなわち、本発明のジ(メタ)アクリル酸
エステルのうち、少なくとも1個が第3級の(メタ)ア
クリル酸エステルであるジ(メタ)アクリル酸エステル
を単独で重合させるか、または他のモノマー成分と共重
合させて得られる(共)重合体は、KrFやArF、F
2エキシマレーザー用フォトレジスト材料やEUVフォ
トレジスト材料としての高解像度付与性、耐ドライエッ
チング性、レジストの透明性、基板などとの密着性な
ど、従来にない性能を付与することができる。また、本
発明の新規なジ(メタ)アクリル酸エステルは、より短
波長の遠紫外光や電子線、X線を用いたフォトレジスト
にも応用することができる。
ように、通常、ヒドロキシスチレンやブトキシスチレ
ン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの化合物が挙げ
られる。
ノ(メタ)アクリル酸エステルが使われるが、解像度、
耐ドライエッチング性などの性能が不十分であった。本
発明のジ(メタ)アクリル酸エステルは、反応性ビニル
基を2個有しており、誘導される(共)重合体は架橋構
造となり、かつ第3級エステル基を有するため、解像性
および耐ドライエッチング性に優れる。また、テルペン
基を有することに由来し、レジストの透明性、基板との
密着性にも優れる。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中の部および%は、特に
断らない限り、重量基準である。
機器を使用した。 重量平均分子量;Waters社製ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)モデル510、ポリス
チレン換算 NMR;日本電子(株)社製、JNM−LA400、周
波数400MHz(溶媒;CDCl3 ) ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC−MS);
HEWLETT PACKARD社製、HP6890
GC System、カラム;HP−5MS(Cros
slinked 5% Ph Me Siloxan
e)径0.25mm×30m、イオン化モード;EI KrFエキシマレーザー;株式会社ニコン製、NSR−
2205EX14C ArFエキシマレーザー;株式会社ニコン製、NA05
5
オールジ(メタ)アクリレートから得られる共重合体の
比較例として、下記の共重合体を調製した。 t−ブチルアクリレート共重合体(比較例1);t−ブ
チルアクリレート、ヒドロキシスチレンおよびスチレン
を、20:60:20のモル比率で10g調製し、重合
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.4gと共
に、テトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解し
た。得られた溶液を、液体窒素で凍結し、30分間脱気
を4回行った後、20℃にした。次に、窒素気流下、油
温60℃で8時間加熱し、ヘキサン200mlを投入し
反応を停止した。ヘキサンで再度沈殿させた後、ろ別
し、真空下で溶媒を除去して、t−ブチルアクリレート
共重合体8.1gを得た。得られた共重合体の重量平均
分子量(Mw)は、10,000(分散度1.7)であ
った。
ルジアクリレート:式(3)の製造例〕 攪拌装置および還流冷却器を取り付けた2,000ml
の四つ口フラスコ中に、抱水テルピン192.2g
(1.0モル、純度98%)、トルエン400g、ハイ
ドロキノン0.3g、およびトリエチルアミン510.
1g(5.0モル、純度99%)を入れて、攪拌しなが
ら40℃に加熱し、そこへアクリル酸クロリド285.
8g(3.0モル、純度95%)を3時間かけて滴下し
た後、80℃で2時間加熱攪拌し、反応を実施した。冷
却後、反応液をn−ヘキサン中に投入し、5重量%炭酸
水素ナトリウム水溶液で2回、上水で2回洗浄後、減圧
蒸留することにより、p−メンタン−1,8−ジオール
ジアクリレート195.1g(沸点126〜128℃/
1mmHg、抱水テルピン基準で収率68%、純度97
%)を得た。また、生成物は、核磁気共鳴スペクトル分
析(NMR)およびGC質量分析(GC−MS)によ
り、p−メンタン−1,8−ジオールジアクリレートで
あることを確認した。図1にIRチャートを、図2に1
H−NMRチャートを、図3に13C−NMRチャート
を、図4にGC−MSチャートを示す。
タン−1,8−ジオールジアクリレート、ヒドロキシス
チレンおよびスチレンを20:60:20のモル比率で
10g調製し、重合開始剤としてのアゾイソブチロニト
リル0.4gとともに、THF50mlに溶解した。
間脱気を4回行った後、20℃にした。次に、窒素気流
下、油温60℃で8時間加熱し、ヘキサンにより反応を
停止した。ヘキサンで再度沈殿させた後、濾別し、真空
下で溶媒を除去して目的物である共重合体を得た。得ら
れた共重合体の重量平均分子量は、9,500(分散度
1.6)であった。
ン溶液とした後、石英ウェハ上に1μm膜厚で塗布し、
KrFエキシマレーザー光(248nm)に対する透明
性を調べたところ、透過率は81%であって、比較例1
のt−ブチルアクリレート共重合体の透過率68%より
優れていた。
よるエッチング速度をt−ブチルアクリレート共重合体
(比較例1)と比較した結果、t−ブチルアクリレート
共重合体のエッチング速度を1とすると、この共重合体
は0.7であり、エッチング耐性が優れていた。
の条件で実施した。すなわち、カーボンテトラフルオリ
ドの流量は12.6sccmとし、真空度は10mto
rrとし、マイクロ波の出力は150Wとした。
特性を調べた。得られた共重合体2g、および光酸発生
剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート0.
03gを、2−エトキシエチルアセテート10mlに溶
解した。
で塗布した後、100℃でプリベークした。そして、K
rFエキシマレーザー露光(40mJ/cm2 )を行っ
た後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で
現像して、パターンを形成し、その特性を調べた。その
結果、0.20μmのラインアンドスペースを解像する
ことができた。また、t−ブチルアクリレート共重合体
(比較例1)は、0.20μmのラインアンドスペース
を解像することはできなかった。
ステルは、熱や光、紫外線、電子線などのエネルギー線
を照射して硬化する硬化型材料の原料モノマーとして、
耐熱性、可撓性、耐薬品性、低吸水性、密着性、電気絶
縁性などの性能に優れ、熱やエネルギー線による硬化型
材料として好適に用いられる。また、フォトレジスト材
料としての高解像度付与性、耐ドライエッチング性、レ
ジストの透明性、基板などとの密着性などの性能に優
れ、超微細加工が要求される半導体素子などの製造に好
適に用いられる。
オールジアクリレートのIRチャートである。
オールジアクリレートの1H−NMRチャートである。
オールジアクリレートの13C−NMRチャートである。
オールジアクリレートのGC−MSチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1)に示す環状テルペン基を有す
る新規なジ(メタ)アクリル酸エステル。 【化1】 (上記式中、Tは環状テルペン基、X1,X2は互いに同
一または異なりメチル基または水素原子を表す。) - 【請求項2】 ジ(メタ)アクリル酸エステルが第3級
エステルである請求項1記載の新規なジ(メタ)アクリ
ル酸エステル。 - 【請求項3】 下記式(2)で表される、Tがパラメン
タニル基である請求項1記載の新規なジ(メタ)アクリ
ル酸エステル。 【化2】 (上記式中、X1,X2は互いに同一または異なりメチル
基または水素原子を表す。) - 【請求項4】 ジ(メタ)アクリル酸エステルが下記式
(3)に示すp−メンタン−1,8−ジオールジ(メ
タ)アクリレートである請求項1〜3いずれか1項記載
の新規なジ(メタ)アクリル酸エステル。 【化3】 (上記式中、Tは環状テルペン基、X1,X2は互いに同
一または異なりメチル基または水素原子を表す。) - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項記載の新規な
ジ(メタ)アクリル酸エステル、あるいは、該ジ(メ
タ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な他の
モノマーを(共)重合して得られる、ポリスチレン換算
重量平均分子量(Mw)が2,000〜100,000
の(共)重合体。
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