JP2000230136A - 光ディスク用保護コーティング材組成物および光ディスク - Google Patents

光ディスク用保護コーティング材組成物および光ディスク

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JP2000230136A
JP2000230136A JP11030306A JP3030699A JP2000230136A JP 2000230136 A JP2000230136 A JP 2000230136A JP 11030306 A JP11030306 A JP 11030306A JP 3030699 A JP3030699 A JP 3030699A JP 2000230136 A JP2000230136 A JP 2000230136A
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optical disk
meth
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material composition
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Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Hiroshi Fukushima
洋 福島
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀など腐食しやすい金属を反射膜材料として
用いても、優れた耐久性を有する光ディスクを得る。 【解決手段】 全塩素含有量1500ppm以下のビス
フェノール型エポキシ樹脂(a-1)と(メタ)アクリル
酸(a-2)を3級アミンを触媒として反応させて得たエポ
キシジ(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(I)
で示される化合物(B)、 CH2=CHCOOR(Rは炭素数6〜12の脂環式炭化水素残基)…(I) (A)および(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有
化合物(C)、および光重合開始剤(D)を含有するこ
とを特徴とする光ディスク用保護コーティング材組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの金属
反射膜保護コーティング材に関し、特に金属反射膜が銀
または銀合金で形成された光ディスクに有用な保護コー
ティング材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の媒体としてコンパクト
ディスク、追記型光ディスク、光磁気ディスク、相変化
型光ディスク等の光ディスクが多く用いられるようにな
ってきた。これらの光ディスクは、ポリカーボネート等
の透明樹脂基板上に、スパッタリング法により金属反射
膜層を形成した構造となっている。
【0003】該金属反射膜層は、一般に30〜150n
mの厚みで形成される薄膜層であることから、空気中の
水分や酸素による劣化を受けた場合、金属反射膜層の反
射率が低下したり、孔蝕が発生し、光ディスクの読み込
みエラーや書き込みエラーの原因となることがある。そ
こで、このような劣化を防止するために、金属反射膜表
面に特殊な紫外線硬化型樹脂による保護膜を設けること
が一般的となっている。
【0004】具体的には、例えば、塩素イオン捕捉剤を
含有した樹脂組成物を用いた特開平2−116034号
公報、特定量のイオウとリンを含有する樹脂組成物を用
いた特開平7−37284号公報、加水分解性塩素の含
有量が700ppm以下であるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂を用いた特開平7−247331号公報、および
残留するアルカリ金属またはアルカリ土類金属含有量は
10ppm以下、ハロゲン含有量は20ppm以下である硬化
性樹脂からなる保護層を用いた特許登録第252784
2号公報等、金属の腐食を促進するハロゲンや硫黄等の
含有量を制御して、金属反射膜の保護性能を高めたコー
ティング材が利用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】現在、追記型光デ
ィスクでは、反射膜材料として金が使用されているが、
金は高価であることから銀への代替えが検討されてい
る。銀は、光ディスクの読み取りレーザーとして用いる
波長領域の光線反射率が他の金属に比べて高く、金属反
射膜として利用するには最適であるが、非常に腐食され
やすいという難点を有している。そのため、前記のよう
な従来公知の保護コーティング材では、銀のような腐食
されやすい金属反射膜を、高温高湿下での耐環境試験に
おいて金属反射膜は腐食を発生することがあり実用化で
きないのが現状であった。
【0006】本発明の目的は、このように腐食を受けや
すい金属を金属反射膜材料として用いても、耐環境試験
における保護性能が良好な光ディスクを得るために有用
な、金属反射膜の保護コーティング材を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、全塩素含有量150
0ppm以下のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸とを3級アミンを触媒として反応させて
得た、エポキシジ(メタ)アクリレート(A)、下記一
般式(I)で示される化合物(B)、 CH2=CHCOOR(Rは炭素数6〜12の脂環式炭化水素残基)…(I) (A)および(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有
化合物(C)、および光重合開始剤(D)を含有する光
ディスク用保護コーティング材組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物について、
詳細に説明する。
【0010】本発明では、全塩素含有量が1500pp
m以下のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)と(メ
タ)アクリル酸(a-2)の反応物であるエポキシジ(メ
タ)アクリレート(A)を使用する。ここでいう全塩素
含有量とは、試料を酸素気流中で燃焼し、生成するハロ
ゲン化水素を電解的に発生させた銀イオンで滴定する方
法を用いて得られた塩素含有量をppmで表したものを
意味する。
【0011】この全塩素含有量が1500ppmより高
いエポキシ樹脂を用いて合成したエポキシジ(メタ)ア
クリレートを使用した場合、得られるコーティング材中
の塩素濃度が高くなるため、銀のように腐食されやすい
金属反射膜の保護に適用するにはその保護性能の点で不
適である。従って、本発明においては、エポキシジ(メ
タ)アクリレート(A)の原料は、全塩素含有量150
0ppm以下のビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)を
用いることが重要であり、より好ましくは500ppm
以下のビスフェノール型エポキシ樹脂である。
【0012】このようなエポキシ樹脂(a-1)は一般に市
販されており、具体例としては、例えばビスフェノール
A型エポキシ樹脂では、油化シェルエポキシ社製のエピ
コート828USやエピコートYL980等が、またビ
スフェノールF型エポキシ樹脂ではエピコートYL98
3U等が挙げられる。
【0013】本発明の(A)成分であるエポキシジ(メ
タ)アクリレートは、前記(a-1)成分に(メタ)アクリ
ル酸(a-2)を付加させる際に、反応触媒として3級アミ
ンを使用することを特徴としている。これは、銀のよう
に非常に腐食されやすい金属反射材料を用いた金属反射
膜の保護性能を向上させるために重要なことである。
【0014】通常用いられるトリフェニルホスフィンや
トリエチルメチルアンモニウムクロライド等の反応触媒
を使用しても、エポキシジ(メタ)アクリレートを合成
することは可能である。しかしながら、これらの触媒に
含まれるリンやイオン分が金属反射膜の腐食を促進する
傾向にあることがわかった。
【0015】そこで、本発明者らは、金属腐食を促進し
ない保護コーティング材組成物を得るために鋭意検討を
行ったところ、(a-1)成分と(a-2)成分との反応の反応触
媒として、3級アミンを用いれば、腐食されやすい金属
反射材料を用いた金属反射膜の保護効果を発揮すること
を見いだした。
【0016】ここでいう反応触媒として使用可能な3級
アミンとしては、具体例として、例えば、トリエチルア
ミン、ベンジルジメチルアミン、p−ジメチルアミノピ
リジン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、p−ジメチルアミノアセト
フェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等
を挙げることができる。これらの中でも、300nm〜
450nmの領域に極大吸収波長を有する、p−ジメチ
ルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸
エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ルエステル等は、(a-1)成分と(a-2)成分の反応触媒とし
て用いた場合、得られるエポキシジ(メタ)アクリレー
ト中に残留しているので、これを含む保護コーティング
材組成物は光増感効果を有することから、硬化時の光硬
化性が良好となり特に好ましい。
【0017】本発明において、反応触媒として用いる3
級アミンの使用量は、(a-1)成分と(a-2)成分の合計量1
00重量%に対して0.05〜10重量%が好ましく、
より好ましくは0.1〜5重量%である。(A)成分を
得るためのビスフェノール型エポキシ樹脂(a-1)と(メ
タ)アクリル酸(a-2)の反応は、エポキシ基1化学当量
に対して、(メタ)アクリル酸0.9〜1.0化学当量
の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは0.95
〜1.0化学当量の範囲である。0.9化学当量より少
ない場合には硬化性を十分に有するコーティング材組成
物が得られない傾向にあり、また、1.0化学当量より
多い場合にはエポキシジ(メタ)アクリレート中に過剰
の(メタ)アクリル酸が残存してしまい、酸価が高すぎ
るコーティング材組成物となり、金属反射膜の腐食原因
となり得る傾向にある。
【0018】また、(A)成分を得るための反応温度は
70〜130℃の範囲が好ましく、より好ましくは80
〜100℃の範囲である。このような条件下で(a-1)成
分と(a-2)成分との反応を行い、酸価が2mgKOH/
g以下になる時点を反応終点として得たエポキシジ(メ
タ)アクリレートを、本発明の(A)成分として使用す
る。
【0019】本発明において、(A)成分の使用割合は
(A)〜(C)成分の合計100重量%中、5〜40重
量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜30重量%
の範囲である。(A)成分の使用量が5重量%より少な
いと、得られるコーティング材組成物に金属反射膜に対
する十分な保護性能を持たせることができない傾向にあ
り、また、40重量%を超えると、得られるコーティン
グ材組成物の粘度が高すぎて塗装生産性が低下する傾向
にある。
【0020】本発明における(B)成分は、下記一般式
(I)で示される化合物である。 CH2=CHCOOR(Rは炭素数6〜12の脂環式炭化水素残基)…(I) これは、反応性希釈剤として得られるコーティング材組
成物の粘度を下げるだけでなく、その硬化物の耐水性を
向上させることができるため、金属反射膜の保護性能を
向上させる目的を有するものである。
【0021】本発明で用いる(B)成分の具体例として
は、例えば、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニ
ルアクリレート、アダマンチルアクリレート、トリシク
ロデカニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ
ートが挙げられるが、中でも、イソボルニルアクリレー
ト、トリシクロデカニルアクリレートが特に好ましい。
【0022】本発明において、(B)成分の使用割合は
(A)〜(C)成分の合計100重量%中、5〜40重
量%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜30重量
%の範囲である。(B)成分の使用量が5重量%より少
ないと、得られるコーティング材組成物の粘度が高くな
るため、塗装生産性が低下し、また耐水性も低下してし
まう傾向にある。また、40重量%を超えると、得られ
るコーティング材組成物の光硬化性が低下する傾向にあ
る。
【0023】なお、本発明の(B)成分は、合成工程
上、蒸留精製する場合が多いため、基本的に塩素を含有
する可能性は少ないものの何らかの要因で塩素が混入し
た場合には、これを含むコーティング材組成物および/
または硬化物は金属反射膜の腐食原因となることがあ
る。従って、本発明においては、(B)成分の全塩素含
有量が20ppm以下であることが好ましい。本発明に
おいて、(B)成分の全塩素含有量が20ppmを超え
る場合には、得られたコーティング材組成物中の塩素濃
度が高くなり、金属反射膜(例えば銀など)が腐食され
やすくなる傾向がある。
【0024】本発明における(C)成分は、前記(A)
成分および(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化
合物であり、得られるコーティング材の粘度と紫外線硬
化性能を調整する目的で用いる。
【0025】この(C)成分の具体例としては、例え
ば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッド
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エト
キシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エス
テル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル
酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸
エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレ
ングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレン
グリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオ
ール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオー
ル、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)
アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エス
テル、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコー
ル、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコー
ル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノー
ル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−
ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類が挙げられる。これらは1種
または2種以上を併用して用いることが可能である。
【0026】また、本発明においては、上記化合物のう
ち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル
酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸
1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6
−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸トリシ
クロデカンジメタノール等の疎水性の化合物が特に好ま
しい。
【0027】本発明における(C)成分は、(C)成分
中に塩素を含有する場合には、洗浄工程水から混入する
イオン性塩素であることが多い。このイオン性塩素は結
合性塩素よりも金属に対する腐食促進効果が大きくなっ
てしまうため、本発明の(C)成分として用いる際に
は、特に(C)成分中の塩素含有率を低減することが重
要である。
【0028】本発明においては、(C)成分の全塩素含
有量が20ppm以下であることが好ましい。本発明に
おいて、(C)成分の全塩素含有量が20ppmを超え
ると、得られたコーティング材組成物中の塩素イオン濃
度が高くなり、金属反射膜(例えば銀など)が腐食され
やすくなる傾向がある。
【0029】本発明の(C)成分の使用割合は(A)〜
(C)成分の合計100重量%中、20〜90重量%の
範囲が好ましく、より好ましくは30〜80重量%の範
囲である。(C)成分の使用量が20重量%より少ない
と、紫外線硬化性を十分に付与することができない傾向
にあり、また90重量%を超えると硬化収縮が大きくな
る傾向にある。
【0030】本発明の光ディスク用保護コーティング材
組成物は、光重合開始剤(D)を含有することにより、
効率よく紫外線硬化法による硬化物を得ることができ
る。
【0031】(D)成分の具体例としては、例えば、ベ
ンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾ
フェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチ
ルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾ
フェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアン
トラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベ
ンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイル
ホルメート等が挙げられる。これらの化合物は、1種ま
たは2種以上を併用して用いることが可能である。
【0032】本発明において、(D)成分は(A)〜
(C)成分の合計100重量部に対して、0.01〜2
0重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜1
0重量部の範囲である。(D)成分が0.1重量部より
少ないと光重合開始剤の効果を十分発揮されない傾向に
あり、また、10重量部を超えると、コーティング材組
成物の硬化膜を着色させたり、耐久性が低下する傾向に
ある。更に、本発明の組成物には、必要に応じて、4−
ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4
−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を
添加することもできる。
【0033】また、その他にも、本発明の組成物には、
その性能を損なわない範囲で、例えば、滑剤、レベリン
グ剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止
剤、シランカップリング剤等、公知の添加剤を添加する
ことができる。
【0034】本発明の組成物は、光ディスクの金属反射
膜上にスピンコート法等、一般的な方法で塗装され、紫
外線照射により硬化膜を得る方法が一般的であるが、こ
の方法に限定されるものではない。公知公用の塗装、硬
化法により光ディスクの保護コーティング材として適用
可能である。
【0035】また、本発明の組成物は、アルミニウム、
金、銀、銀合金など適用する光ディスクの金属反射膜の
金属材料に限定されることなく、光ディスクに優れた保
護性能を付与できるものであるが、通常腐食されやすい
とされる銀、銀合金などの金属であっても保護性能の効
果を発揮できることから、このような光ディスクに適用
するのが特に好ましい。以下、実施例および比較例によ
り本発明を具体的に示す。
【0036】
【実施例】〈合成例1〉油化シェルエポキシ(株)製エ
ピコート828US(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量189、全塩素含有量1400pp
m)189g、アクリル酸72g、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.39g、p−ジメチルアミノ安息香
酸エチル5.2gを仕込み、95℃で反応させ、酸価が
1.5mgKOH/gとなった15時間後に反応を終了
し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(E1)
を得た。
【0037】〈合成例2〉油化シェルエポキシ(株)製
エピコートYL980(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量189、全塩素含有量200ppm)
189g、アクリル酸72g、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.39g、 p−ジメチルアミノ安息香酸
エチル5.2gを仕込み、95℃で反応させ、酸価が
1.5mgKOH/gとなった15時間後に反応を終了
し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(E2)
を得た。
【0038】〈合成例3〉油化シェルエポキシ(株)製
エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
エポキシ当量186、全塩素含有量1900ppm)1
86g、アクリル酸72g、ハイドロキノンモノメチル
エーテル0.39g、p−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル5.2gを仕込み、95℃で反応させ、酸価が1.5
mgKOH/gとなった15時間後に反応を終了し、ビ
スフェノールA型エポキシアクリレート(E3)を得
た。
【0039】〈合成例4〉油化シェルエポキシ(株)製
エピコート828US(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量189、全塩素含有量1400pp
m)189g、アクリル酸72g、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.39g、トリエチルメチルアンモニ
ウムクロリド0.3gを仕込み、95℃で反応させ、酸
価が1.5mgKOH/gとなった20時間後に反応を
終了し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(E
4)を得た。
【0040】〈合成例5〉日本化薬(株)製RE−31
0S(日本化薬(株)製、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、エポキシ当量183、全塩素含有量1500pp
m)183g、アクリル酸72g、トリフェニルホスフ
ィン0.75g、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.13gを仕込み、95℃で反応させ酸価が1.5m
gKOH/gとなった24時間後に反応を終了し、ビス
フェノールA型エポキシアクリレート(E5)を得た。
【0041】〈実施例1〉合成例1で得たエポキシアク
リレート(E1)20重量部、ペンタエリスリトールト
リアクリレート35重量部、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート25重量部、イソボルニルアクリレート
20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン2重量部、ベンゾフェノン2重
量部、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル2重量部を混
合溶解し、コーティング材組成物を得た。次に、帝人化
成(株)製パンライトAD9000TGを射出成型して
得た光ディスク(コンパクトディスクテスト信号を有す
る直径12cm、板厚1.2mm)に、スパッタリング
装置(バルザース(株)製、CDI−900)により、
銀(純度99.99%)を膜厚50nmでスパッタリン
グし、信号記録面に銀反射膜を有する光ディスクを得
た。この銀反射膜上に上記コーティング材組成物をスピ
ンコーターを用いて、平均膜厚6μmとなるように塗装
し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(80w/cm)
により、積算光量300mj/cm2のエネルギー量で
硬化させて、保護コーティング層を有する光ディスクを
得た。
【0042】〈耐久試験〉得られた光ディスクを、光デ
ィスクエラーカウンタ(シバソク(株)製DX610
A)を用い、全トラックのC1エラー平均値を測定した
ところ、5frames/secであった。また、この
光ディスクの耐久性を評価するために、得られた光ディ
スクを85℃、95%RHの恒温恒湿槽に500時間放
置した。取り出し後、再度、C1エラー平均値を測定し
たところ、6frames/secであり、ほとんど信
号の劣化は見られず良好な耐久性を示した。
【0043】〈実施例2〜4、比較例1〜4〉表1の樹
脂組成の欄に示す組成とする以外は、実施例1と同様に
コーティング材を調製し、コーティング材を得た。実施
例1と同様にして光ディスク基材の銀反射膜を有する面
に、得られたコーティング材を、塗布、硬化させて保護
コーティング層を有する光ディスクを得た。この光ディ
スクについて実施例1と同様の耐久試験を行い、その結
果を表1の評価結果の欄に示した。
【0044】〈実施例5〉光ディスクの反射膜材料とし
てアルミニウム(JIS A6061)を用いた他は実
施例1と同様にして光ディスクを作製し、評価を行った
ところ、初期のC1エラー平均値は5.0であり、耐久
試験後においても、C1エラー平均値は5.0であり、
良好な耐久性を示した。
【0045】〈実施例6〉光ディスクの反射膜材料とし
て金(純度99.99%)を用いた他は実施例1と同様
にして光ディスクを作製し、評価を行ったところ、初期
のC1エラー平均値は5.0であり、耐久試験後におい
ても、C1エラー平均値は5.0であり、良好な耐久性
を示した。
【0046】〈比較例5〉合成例5で得たエポキシアク
リレート(E5)30重量部、トリメチロールプロパン
トリアクリレート30重量部、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート25重量部、テトラヒドロフルフリル
アクリレート10重量部および1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン5重量部を混合溶解し、コーティ
ング材組成物を得た。次に、実施例1と同様にして光デ
ィスク基材の銀反射膜を有する面に、得られたコーティ
ング材を、塗布、硬化させて保護コーティング層を有す
る光ディスクを得た。この光ディスクについて実施例1
と同様の耐久試験を行い、その結果を表1の評価結果の
欄に示した。
【0047】
【表1】
【0048】表1中の略号は、以下の通りである。 IBXA:イソボルニルアクリレート(全塩素濃度2p
pm以下) TCDA:トリシクロデカニルアクリレート(全塩素濃
度2ppm以下) PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(全
塩素濃度10ppm) TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(全塩素濃度12ppm) HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(全塩素濃度2ppm以下) THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(全塩
素濃度30ppm) 2HPA:2−ヒドロキシプロピルアクリレート(全塩
素濃度50ppm) HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケ
トン BNP:ベンゾフェノン EPA:P−ジメチルアミノ安息香酸エチル
【0049】
【発明の効果】以上示したとおり、本発明の光ディスク
用保護コーティング材組成物は、非常に腐食を受けやす
い銀反射膜に対しても耐久性のある保護膜を形成できる
という優れた性能を有するため、種々の反射膜材料から
なる金属反射膜を有する光ディスクにおいても、優れた
耐久性を示すことができる。そのため、本発明の光ディ
スク用保護コーティング材組成物、および光ディスクは
極めて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全塩素含有量1500ppm以下のビス
    フェノール型エポキシ樹脂(a-1)と(メタ)アクリル
    酸(a-2)とを3級アミンを触媒として反応させて得た、
    エポキシジ(メタ)アクリレート(A)、 下記一般式(I)で示される化合物(B)、 CH2=CHCOOR(Rは炭素数6〜12の脂環式炭化水素残基)…(I) (A)および(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有
    化合物(C)、 および光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする
    光ディスク用保護コーティング材組成物。
  2. 【請求項2】 3級アミンが300nm〜450nmに
    吸収極大波長を有する化合物であることを特徴とする、
    請求項1記載の光ディスク用保護コーティング材組成
    物。
  3. 【請求項3】 光ディスク用基材表面に請求項1記載の
    組成物の硬化膜を有する光ディスク。
  4. 【請求項4】 光ディスク用基材表面に、予め銀または
    銀合金で金属反射膜が形成されている請求項3記載の光
    ディスク。
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