JP3931272B2 - 水栓取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流し台等の上面板に水栓を取り付ける構造に関し、より詳細には、上方からの作業だけで水栓を上面板に取り付けることができる水栓取付構造に関する。
【0002】
この明細書において、「流し台等」には、流し台および洗面台の他、水栓が取り付けられる上面板を備えたこれらに類する設備を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
例えば流し台におけるシンクの奥に位置するカウンターへの湯水混合栓の取付は、従来、次のようにして行われていた。即ち、図12に示すように、1人の作業者が、混合栓本体(501)の下端部に下方突出状に設けられた雄ねじ付きスリーブ(502)を、カウンター(B)にあけられた貫通孔(B1)に上方から差し込んで、混合栓本体(501)の下端部が貫通孔(B1)の上縁部に正確に位置するようにかつ回らないように手で押さえておく。そして、もう1人の作業者がシンクの下に潜り込んで、カウンター(B)の下方に突出したスリーブ(502)に、パッキン(503)、座金(504)および固定用ナット(505)を順次嵌め被せ、混合栓本体(501)の下端部とナット(505)とで貫通孔(B1)の上下縁部を挟み付けるようにナット(505)を締め付け、こうして湯水混合栓(500)をカウンター(B)に取り付けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記取付構造の場合、湯水混合栓の取付に際して最低2人の作業者が必要となる上、一方の作業者は狭くて暗いシンクの下での作業を強いられるため、作業性が悪く、作業時間もかかっていた。
【0005】
本発明の目的は、1人の作業者が流し台等の上面板の上方からの作業だけで簡単にかつ確実に水栓を上面板に取り付けられるような水栓取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による水栓取付構造は、流し台等の上面板の水栓取付箇所にあけられた貫通孔の上縁部に配される水栓取付用環状台座と、貫通孔を通って上面板の下方に配される下側係合部材とが、貫通孔の上下縁部を挟み付けるように第1ボルトおよび第2ボルトで締結されることにより、上面板に台座が固定され、この台座に水栓が取り付けられる水栓取付構造である。下側係合部材は、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された連結片とを備えていて、クランク状に折れ曲がった形態のときに貫通孔を通り得るとともに、水平方向に伸びた形態のときに両係合片の上面が貫通孔の下縁部に係合し得るように形成されている。第1ボルトは、台座の内周縁部に形成されたボルト挿通孔に通されて該孔の上縁部にボルト頭部が係合させられているとともに、第1係合片に形成されたねじ孔にねじ嵌められている。第2ボルトは、第2係合片に形成されたねじ孔にねじ嵌められているとともに、上面板の貫通孔に下側係合部材を通す際には、下側係合部材がクランク状に折れ曲がった形態となるように、第1ボルトに近接する第1位置に配され、台座と下側係合部材とを締結する際には、下側係合部材が水平方向に伸びた形態となるように、そのボルト頭部が台座の内周縁部における前記ボルト挿通孔から所定距離離れた位置に形成されたボルト引っ掛け部に引っ掛かる第2位置に配されるようになっている。
【0007】
上記の水栓取付構造を採用すれば、例えば次のようにして、水栓の取付作業を上面板の上方のみから行うことができる。即ち、まず、第1ボルトによって台座に下側係合部材を連結しておくとともに、下側係合部材の第2係合片にねじ込んだ第2ボルトを前記第1位置に配することによって、下側係合部材をクランク状に折れ曲がった形態にしておく。そして、この状態で、下側係合部材を上面板の貫通孔に上から通す。この際、下側係合部材は、クランク状に折れ曲がったコンパクトな形態をとっているので、貫通孔をスムーズに通ることができる。そして、下側係合部材が貫通孔を通って上面板の下方に配されたら、台座を貫通孔の上縁部に載置する。こうしておいて、第2ボルトを前記第1位置から前記第2位置へと移動させると、クランク状に折れ曲がっていた下側係合部材が水平方向に伸びた形態となる。次に、第1ボルトおよび第2ボルトを順次締付方向に回動させると、第1係合片および第2係合片の各々が次第に上方に移動させられて、その上面が貫通孔の下縁部に係合し、さらに、台座と各係合片とで貫通孔の上下縁部を挟み付けるところまで、各ボルトを回動させる。これにより、台座が上面板に強固に固定される。最後に、台座に水栓を適宜手段によって取り付ける。
【0008】
本発明による水栓取付構造において、下側係合部材が、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された連結片とを備えているのに代えて、下側係合部材が、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された第1連結片および両端部が両係合片の他端部に水平軸回りに回動可能に結合された第2連結片とを備えていてもよい。
【0009】
水栓取付構造の下側係合部材が上記のように構成されている場合にも、前記と同様にして、水栓の取付を上面板の上方のみからの作業によって行うことができる。特に、上記構成の下側係合部材の場合、両係合片および両連結片によって全体が環状に形成されているので、貫通孔の下縁部と係合する両係合片の上面部分の面積をより大きくとることができる上、第1ボルトおよび第2ボルトによる締付力が貫通孔の下縁部に均等にかかり易くなるため、台座、ひいてはこれに取り付けられた水栓が安定するという利点がある。
【0010】
本発明による水栓取付構造において、下側係合部材は、上面板の貫通孔に通す際に、第1係合片が第2係合片よりも上方に位置するようにクランク状に折れ曲がった形態となされるのが好ましい。
【0011】
上面板の貫通孔に通す際に、下側係合部材を上記のような屈曲形態とすれば、第1ボルトを、台座と第1係合片との間に位置する部分の長さがカウンターの厚みよりもやや大きくなる程度まで第1係合片にねじ込んでおくことができるので、その後の締結工程における第1ボルトの締め込み距離が僅かとなり、作業が楽である。また、第2ボルトについても、第1ボルトの場合とほぼ同程度まで第2係合片にねじ込んでおくことができるが、この場合、第2ボルトのボルト頭部が台座の引っ掛け部よりも下方に位置することになるため、台座を通して第2ボルトを引き上げることができるように配慮する必要がある。
【0012】
本発明による水栓取付構造において、第1係合片および第2係合片の上面に、ズレ防止用突起が形成されている場合がある。
【0013】
上記の場合、第1ボルトおよび第2ボルトによって台座と下側係合部材とを締結する際や、更には両者を締結した後に、上面が貫通孔の下縁部に係合させられた両係合片が水平方向にずれる恐れがなく、台座を常に正確な位置に固定しておくことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜6は、本発明による水栓取付構造の第1の実施形態を示すものである。なお、以下の説明において、図1の手前側を「前」、図1の奥側を「後」といい、また、図1の左右を「左右」というものとする。
【0015】
この実施形態では、図1に示すように、流し台のカウンター(B)におけるシンクの奥の部分に、シングルレバー式湯水混合栓(1)が次のようにして取り付けられている。即ち、カウンター(B)の混合栓取付箇所にあけられた貫通孔(B1)の上縁部に配される混合栓取付用環状台座(2)と、貫通孔(B1)を通ってカウンター(B)の下方に配される下側係合部材(3)とが、貫通孔(B1)の上下縁部を挟み付けるように第1ボルト(41)および第2ボルト(42)で締め付けられることによって、台座(2)がカウンター(B)に固定され、この台座(2)に湯水混合栓(1)が取り付けられている。
【0016】
下側係合部材(3)は、図2および3に示すように、第1係合片(31)および第2係合片(32)と、両端部が両係合片(31)(32)の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された連結片(33)とを備えている。この下側係合部材(3)は、図2のようにクランク状に折れ曲がった形態のときに、貫通孔(B1)を通り得る(図4参照)とともに、図3のように水平方向に伸びた形態のときに、両係合片(31)(32)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合し得る(図6参照)ように形成されている。なお、この明細書にいう「クランク状」には、図2のように、係合片(31)(32)と連結片(33)とが互いに直角をなす場合の他、係合片(31)(32)と連結片(33)とが鋭角または鈍角をなす場合も含まれるものとする。第1係合片(31)および第2係合片(32)の上面には、複数のズレ防止用突起(34)が形成されている。
【0017】
第1ボルト(41)は、図1および4〜6に示すように、台座(2)の内周縁部に形成されたボルト挿通孔(2A)に通されて該孔(2A)の上縁部にボルト頭部(411)が係合させられているとともに、第1係合片(31)に形成されたねじ孔(31A)にねじ嵌められている。
【0018】
第2ボルト(42)は、図1および4〜6に示すように、第2係合片(32)に形成されたねじ孔(32A)にねじ嵌められているとともに、カウンター(B)の貫通孔(B1)に下側係合部材(3)を通す際には、下側係合部材(3)がクランク状に折れ曲がった形態となるように、第1ボルト(41)に近接する第1位置に配され(図4参照)、台座(2)と下側係合部材(3)とを締結する際には、下側係合部材(3)が水平方向に伸びた形態となるように、そのボルト頭部(421)が台座(2)の内周縁部における前記ボルト挿通孔(2A)から所定距離離れた位置に形成されたボルト引っ掛け部(2B)に引っ掛かる第2位置に配される(図6参照)ようになっている。
【0019】
湯水混合栓(1)の混合栓本体(11)は、図1に示すように、円柱状のものであって、その底面には、水入口(111A)および湯入口(111B)がそれぞれ設けられており、これらに給水管(P1)および給湯管(P2)がそれぞれ接続されている。混合栓本体(11)の下端部には、吐水口(13)付き筒体(12)が回動可能に嵌め被せられている。図1には、筒体(12)の吐水口(13)が右方を向いた状態が示されている。混合栓本体(11)の底面周縁部には、水平貫通孔(11A)を有する連結用環状垂下壁(112)が設けられている。
【0020】
カウンター(B)にあけられた貫通孔(B1)は、図1に示すように、混合栓本体(11)の環状垂下壁(112)の内径よりもやや小さい孔径を有する円形のものである。
【0021】
台座(2)は、図1に示すように、カウンター(B)にあけられた貫通孔(B1)の径とほぼ等しい内径を有しかつ混合栓本体(11)の垂下壁(112)の内径よりも若干小さい外径を有する周壁(21)と、周壁(21)の下端から外方に短く伸びたフランジ(22)とよりなる。周壁(21)における混合栓本体(11)の垂下壁(112)の水平貫通孔(11A)に対応する位置には、ねじ孔(211)があけられている。また、周壁(21)の下端寄りに環状溝(212)が設けられているとともに、該溝(212)に環状シール部材(6)が嵌められている。この台座(2)の周壁(21)に混合栓本体(11)の垂下壁(112)を嵌め被せ、垂下壁(112)の下端を台座(2)のフランジ(22)上面で受けて、水平貫通孔(11A)に通したビス(7)をねじ孔(211)にねじ込むことによって、湯水混合栓(1)が台座(2)に取り付けられるようになっている。周壁(21)内面の左側部分に内方突出部(23)が設けられ、この内方突出部(23)に前記ボルト挿通孔(2A)が垂直貫通状にあけられている。前記ボルト引っ掛け部(2B)は、図1および4〜6に示すように、周壁(21)内面の右側部分に設けられていて、平面より見て先端が後方を向いた鉤状のものとなされている。ボルト挿通孔(2A)とボルト引っ掛け部(2B)とは、図6に示すように、台座(2)の中心を通って左右方向に伸びる1直径線上にはなく、それよりもやや後側にずれた位置に配されている。これにより、台座(2)と下側係合部材(3)とを第1ボルト(41)および第2ボルト(42)によってカウンター(B)に固定した状態(図6参照)において、貫通孔(B1)内に、給水管(P1)および給湯管(P2)を通すのに十分なスペースが確保される。台座(2)における周壁(21)下面の内側部分に環状切欠き(24)が形成され、この切欠き(24)に平坦な環状シール部材(8)が取り付けられている。
【0022】
図2および3は、下側係合部材(3)を詳しく示したものである。下側係合部材(3)の各係合片(31)(32)は、前後方向に伸びかつ外縁が貫通孔の径よりも若干小さい径の円弧状となされた基部(311)(321)と、基部(311)(321)の後端から他方の係合片(32)(31)に向かって右方または左方に伸びかつ水平貫通状ビス挿通孔(図示略)を有する連結部(312)(322)と、基部(311)(321)の長さ中央部から他方の係合片(32)(31)に向かって右方または左方に伸びかつ垂直貫通状ねじ孔(31A)(32A)を有するボルト取付部(313)(323)とを備えていて、平面より見て略F形をしている。ズレ防止用突起(34)は、各係合片(31)(32)の上面における基部(311)(321)の外縁部分から連結部(312)(322)にかけて、ほぼ等間隔おきに形成されている。連結片(33)は、両端部に水平貫通状ねじ孔(331)を有する垂直板状のものであって、その両端部が両係合片(31)(32)の連結部(312)(322)の内側に重ねられるとともに、連結部(312)(322)のビス挿通孔に通されたビス(9)がねじ孔(331)にねじ込まれることによって、両係合片(31)(32)に垂直軸回りに回動可能に結合されている。なお、両係合片(31)(32)と連結片(33)とは、上記のようなビス(9)以外に、リベット等によって結合されていても勿論よい。
【0023】
次に、図1および4〜6を参照して、カウンター(B)への湯水混合栓(1)の取付手順を説明する。
【0024】
まず、図4に示すように、第1ボルト(41)を、台座(2)のボルト挿通孔(2A)に通して、第1係合片(31)のねじ孔(31A)にねじ込む。これにより、台座(2)と下側係合部材(3)とが第1ボルト(41)で連結される。ここで、第1ボルト(41)は、台座(2)と第1係合片(31)との間に位置する部分の長さがカウンター(B)の厚みよりもやや大きくなる程度までねじ込んでおけばよい。また、第2ボルト(42)を、第2係合片(32)のねじ孔(32A)にねじ込む。第2ボルト(42)についても、第1ボルト(41)の場合とほぼ同程度まで第2係合片(32)にねじ込んでおけばよい。この第2ボルト(42)は、そのボルト頭部(421)が第1ボルト(41)の長さ中間部に近接する第1位置に配しておく。これにより、下側係合部材(3)は、第1係合片(31)が第2係合片(32)よりも上方に位置するように、クランク状に折れ曲がった形態となる。
【0025】
そして、前記のようにして一体化された台座(2)、下側係合部材(3)および両ボルト(41)(42)を手で持って、図4に示すように、下側係合部材(3)をカウンター(B)の貫通孔(B1)に上から通していく。この際、下側係合部材(3)は、図4(a)のように両係合片(31)(32)がほぼ水平となる姿勢であっても良いし、また、両係合片(31)(32)が傾斜した姿勢であっても良い。
【0026】
次に、下側係合部材(3)が貫通孔(B1)を通り抜けてカウンター(B)の下方に配されたところで、台座(2)を、水平方向にずらして、図5に示すように、貫通孔(B1)の上縁部に配置する。
【0027】
その後、第2ボルト(42)のボルト頭部(421)を台座(2)および貫通孔(B1)を通して引き上げ、図6に示すように、第2ボルト(42)を、そのボルト頭部(421)がボルト引っ掛け部(2B)に引っ掛けられる第2位置まで移動させる。これにより、下側係合部材(3)は、水平方向に伸びた形態となる。そして、一方の手で台座(2)を押さえながら、他方の手に持った回動工具(図示略)で第1ボルト(41)および第2ボルト(42)を順次締め付け方向に回すと、第1係合片(31)および第2係合片(32)が上方に移動させられる。各ボルト(41)(42)の締め込みは、各係合片(31)(32)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合するところで一旦止める。そして、両係合片(31)(32)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合し、台座(2)が適切な位置にあることを確認してから、両ボルト(41)(42)を完全に締め込む。こうして、両ボルト(41)(42)で締結された台座(2)および下側係合部材(3)により、貫通孔(B1)の上下縁部が挟み付けられ、台座(2)がカウンター(B)に強固に固定される。
【0028】
そして最後に、図1に示すように、台座(2)に、湯水混合栓(1)の混合栓本体(11)の垂下壁(112)を嵌め被せて、ビス(7)で固定する。こうして、カウンター(B)への湯水混合栓(1)の取付作業が完了する。
【0029】
以上のとおり、本発明の湯水混合栓取付構造によれば、取付作業を1人で行うことができる上、その作業も全てカウンター(B)の上方からのものであるから、作業自体が簡単であって短時間で作業を完了させることができる。しかも、台座(2)が2本のボルト(41)(42)の締付力によってカウンター(B)に固定されるため、高い取付強度が得られる。
【0030】
図7〜11は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。
【0031】
この実施形態では、図2および3に示す下側係合部材(3)に代えて、図7および8に示す下側係合部材(30)が用いられている。即ち、下側係合部材(30)は、第1係合片(301)および第2係合片(302)と、両端部が両係合片(301)(302)の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された第1連結片(303)および両端部が両係合片(301)(302)の他端部に水平軸回りに回動可能に結合された第2連結片(304)とを備えているものである。この下側係合部材(30)も、図7のようにクランク状に折れ曲がった形態のときに、貫通孔(B1)を通り得る(図9参照)とともに、図8のように水平方向に伸びた形態のときに、両係合片(301)(302)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合し得る(図11参照)ように形成されている。
【0032】
下側係合部材(30)の各係合片(301)(302)は、前後方向に伸びかつ外縁が貫通孔(B1)の径よりも若干小さい径の円弧状となされた基部(301a)(302a)と、基部(301a)(302a)の前後各端から他方の係合片(302)(301)に向かって右方または左方に伸びかつ水平貫通状ねじ孔(306)を有する前後1対の連結部(301b)(302b)と、基部(301a)(302a)の長さ中央部から他方の係合片(302)(301)に向かって右方または左方に伸びかつ垂直貫通状ねじ孔(301A)(302A)を有するボルト取付部(301c)(302c)とを備えていて、平面より見て略E形をしている。各係合片(301)(302)の上面における基部(301a)(302a)の外縁部には、複数のズレ防止用突起(305)が等間隔おきに形成されている。各連結片(303)(304)は、両端部に水平貫通状のビス挿通孔(図示略)を有する垂直板状のものであって、その両端部が両係合片(301)(302)の左右各連結部(301b)(302b)の外側に重ねられるとともに、ビス挿通孔に通されたビス(9)が連結部(301b)(302b)のねじ孔(306)にねじ込まれることによって、両係合片(301)(302)に水平軸回りに回動可能に結合されている。
【0033】
また、第2の実施形態では、図9〜11に示すように、台座(2)のボルト挿通孔(2A)とボルト引っ掛け部(2B)とが、台座(2)の中心を通って左右方向に伸びる1直径線上に配されている。
【0034】
この実施形態の場合も、第1の実施形態と同様にして、カウンター(B)への湯水混合栓(1)の取付を行うことができる。即ち、まず、図9に示すように、第1ボルト(41)を、台座(2)のボルト挿通孔(2A)に通して、第1係合片(301)のねじ孔(301A)にねじ込む。また、第2ボルト(42)を、第2係合片(302)のねじ孔(302A)にねじ込む。第2ボルト(42)は、そのボルト頭部(421)が第1ボルト(41)の長さ中間部に近接する第1位置に配しておく。これにより、下側係合部材(30)は、第1係合片(301)が第2係合片(302)よりも上方に位置するように、クランク状に折れ曲がった形態となる。
【0035】
そして、前記のようにして一体化された台座(2)、下側係合部材(30)および両ボルト(41)(42)を手で持って、図9に示すように、下側係合部材(30)をカウンター(B)の貫通孔(B1)に上から通していく。この際、下側係合部材(30)は、図9(a)のように両係合片(301)(302)がほぼ水平となる姿勢であっても良いし、また、両係合片(301)(302)が傾斜した姿勢であっても良い。
【0036】
次に、下側係合部材(30)が貫通孔(B1)を通り抜けてカウンター(B)の下方に配されたところで、台座(2)を、水平方向にずらして、図10に示すように、貫通孔(B1)の上縁部に配置する。
【0037】
その後、第2ボルト(42)のボルト頭部(421)を台座(2)および貫通孔(B1)を通して引き上げて、図11に示すように、第2ボルト(42)を、そのボルト頭部(421)がボルト引っ掛け部(2B)に引っ掛けられる第2位置まで移動させる。これにより、下側係合部材(30)は、水平方向に伸びた形態となる。そして、一方の手で台座(2)を押さえながら、他方の手に持った回動工具(図示略)で第1ボルト(41)および第2ボルト(42)を順次締め付け方向に回すと、第1係合片(301)および第2係合片(302)が上方に移動させられる。各ボルト(41)(42)の締め込みは、各係合片(301)(302)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合するところで一旦止める。そして、両係合片(301)(302)の上面が貫通孔(B1)の下縁部に係合し、台座(2)が適切な位置にあることを確認してから、両ボルト(41)(42)を完全に締め込む。こうして、両ボルト(41)(42)で締結された台座(2)および下側係合部材(30)により、貫通孔(B1)の上下縁部が挟み付けられ、台座(2)がカウンター(B)に強固に固定される。特に、この実施形態では、下側係合部材(30)が前記のような環状のものとなされているので、貫通孔(B1)の下縁部と係合する両係合片(301)(302)の上面部分の面積をより大きくとることができる上、第1ボルト(41)および第2ボルト(42)による締付力が貫通孔(B1)の上下縁部に均等にかかり易くなっている。
【0038】
図示は省略したが、最後に、台座(2)に、湯水混合栓(1)の混合栓本体(11)の垂下壁(112)を嵌め被せて、ビス(7)固定する(図1参照)。こうして、カウンター(B)への湯水混合栓(1)の取付作業が完了する。
【0039】
【発明の効果】
本発明による水栓取付構造は、上記の通りのものであって、水栓の取付作業を1人で行うことができる上、その作業も全て流し台等の上面板の上方からのものであるから、作業自体が簡単で、効率よく短い時間で取付を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであって、流し台のカウンターに湯水混合栓が取り付けられた状態の垂直断面図である。
【図2】クランク状に折れ曲がった形態の下側係合部材を示す斜視図である。
【図3】水平方向に伸びた形態の下側係合部材を示す斜視図である。
【図4】下側係合部材をカウンターの貫通孔に挿入する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図5】台座をカウンターの貫通孔の上縁部に配置する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図6】台座および下側係合部材を第1ボルトおよび第2ボルトで締め付けて、台座をカウンターに固定する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すものであって、クランク状に折れ曲がった形態の下側係合部材を示す斜視図である。
【図8】水平方向に伸びた形態の下側係合部材を示す斜視図である。
【図9】下側係合部材をカウンターの貫通孔に挿入する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図10】台座をカウンターの貫通孔の上縁部に配置する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図11】台座および下側係合部材を第1ボルトおよび第2ボルトで締め付けて、台座をカウンターに固定する工程を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は底面図である。
【図12】従来の湯水混合栓取付構造を示す一部切欠き分解斜視図である。
【符号の説明】
(B):カウンター(上面板)
(B1):貫通孔
(1):シングルレバー式湯水混合栓(水栓)
(2):混合栓取付用環状台座
(2A):ボルト挿通孔
(2B):ボルト引っ掛け部
(3):下側係合部材
(31):第1係合片
(31A):ねじ孔
(32):第2係合片
(32A):ねじ孔
(33):連結片
(34):ズレ防止用突起
(41):第1ボルト
(411):ボルト頭部
(42):第2ボルト
(421):ボルト頭部
(30):下側係合部材
(301):第1係合片
(301A):ねじ孔
(302):第2係合片
(302A):ねじ孔
(303):第1連結片
(304):第2連結片
(305):ズレ防止用突起
Claims (4)
- 流し台等の上面板の水栓取付箇所にあけられた貫通孔の上縁部に配される水栓取付用環状台座と、貫通孔を通って上面板の下方に配される下側係合部材とが、貫通孔の上下縁部を挟み付けるように第1ボルトおよび第2ボルトで締結されることにより、上面板に台座が固定され、この台座に水栓が取り付けられる水栓取付構造であって、
下側係合部材は、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された連結片とを備えていて、クランク状に折れ曲がった形態のときに貫通孔を通り得るとともに、水平方向に伸びた形態のときに両係合片の上面が貫通孔の下縁部に係合し得るように形成されており、
第1ボルトは、台座の内周縁部に形成されたボルト挿通孔に通されて該孔の上縁部にボルト頭部が係合させられているとともに、第1係合片に形成されたねじ孔にねじ嵌められており、
第2ボルトは、第2係合片に形成されたねじ孔にねじ嵌められているとともに、上面板の貫通孔に下側係合部材を通す際には、下側係合部材がクランク状に折れ曲がった形態となるように、第1ボルトに近接する第1位置に配され、台座と下側係合部材とを締結する際には、下側係合部材が水平方向に伸びた形態となるように、そのボルト頭部が台座の内周縁部における前記ボルト挿通孔から所定距離離れた位置に形成されたボルト引っ掛け部に引っ掛かる第2位置に配されるようになっている、水栓取付構造。 - 請求項1記載の水栓取付構造において、下側係合部材が、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された連結片とを備えているのに代えて、下側係合部材が、第1係合片および第2係合片と、両端部が両係合片の一端部に水平軸回りに回動可能に結合された第1連結片および両端部が両係合片の他端部に水平軸回りに回動可能に結合された第2連結片とを備えている、水栓取付構造。
- 下側係合部材は、上面板の貫通孔に通す際に、第1係合片が第2係合片よりも上方に位置するようにクランク状に折れ曲がった形態となされる、請求項1または2記載の水栓取付構造。
- 第1係合片および第2係合片の上面に、ズレ防止用突起が形成されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の水栓取付構造。
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