JP3929093B2 - カメラの撮影情報入力表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はカメラの撮影情報入力表示装置に関し、より詳細にはカメラへの撮影情報入力を行うための操作部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カメラの表示部に表示されている複数の撮影モードから1つを選択する選択用シフトレバーと、この選択されたモードを確定し、カメラに入力する選択スイッチとから成るカメラの情報入力手段が知られている。特に、最近では、撮影可能な撮影モードの種類を増やして使用者の多様なニーズに応えたり、撮影モードを絵表示にすることにより、初めて使用する人にも分かりやすくする等の工夫がなされている。
【0003】
一方、カメラ自体は携帯機器であるという性質上、小型・軽量化の要望も強い。
しかしながら、選択可能な撮影モードの種類を増やしてしかもそれを絵表示させようとすると、いきおい表示スペースが広くなり、またスイッチ等の操作部材が増加して、上述した小型・軽量化の要望に応えることができなくなってしまう。
【0004】
また、特開平8−101959号公報には、販売する商品を表示する表示器と、回動操作と押込み操作が可能な単一の商品選択ダイヤルとを有し、商品選択ダイヤルの回動操作により表示器の表示内容を変更して商品を選択し、上記商品選択ダイヤルの押込み操作により、選択された商品の販売動作が行われる自動販売機が開示されている。この自動販売機によれば、複数設けていた商品選択釦を廃止できるので、取付けスペースの低減と使用部品数の削減とが実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平8−101959号公報に記載の技術に於いては、商品名等の単純な表示であれば小さい表示器を設けるだけでよいが、その商品に関連する情報をも同時に表示させるとすれば、広い表示スペースが必要となってしまう。
【0006】
更に、特開平8−43899号公報には、ダイヤルを回すことで選択と調整機能を行い、該ダイヤルを押して決定機能を行うダブルプッシュ式ローラーダイヤルと、カメラ一体型ビデオカメラのビューファインダにマニュアル調整項目とメニューの選択項目が表示される技術とが開示されている。
【0007】
しかしながら、上記特開平8−43899号公報による技術では、ビューファインダの所定位置に予め表示される項目が全て割付けられているもので、詳細な撮影情報を表示するためには広い表示スペースを必要とするものであった。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、多数のモードから所望のモードを選択する場合に操作が簡単でしかも選択内容が解り易く、選択するモードがどんなモードであるかの説明を表示し、初めて使用する人でも解り易い表示になるように表示の選択が可能なカメラの撮影情報入力表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明は、表示部と同じ面に設けられ、この面と平行な面内に於いて回動可能なスクロール操作による操作入力と上記面と垂直な方向への押圧操作による操作入力を読み取り可能な一体的に構成された操作部と、上記スクロール操作に応じてスクロールされる選択項目の内容を選択されている状態と共にスクロール操作に応じた方向に直線状に移動可能に表示する表示手段と、主撮影情報に関連したモードから一のモードを選択するための表示を上記スクロール操作によりスクロール可能であり、更にこの選択されたモードに関連した付帯情報の表示を上記選択されたモードと並列に表示された状態で上記スクロール操作によりスクロール可能なように、上記スクロール操作による選択許可を上記押圧操作に応じて切り替える切り替え手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
この発明のカメラの撮影情報入力表示装置にあっては、操作部は、表示部と同じ面に設けられており、この面と平行な面内に於いて回動可能なスクロール操作による操作入力と上記面と垂直な方向への操作による操作入力と押圧操作による操作入力を読み取り可能な一体的な構成となっている。また、表示手段は、上記スクロール操作に応じてスクロールされる選択項目の内容を選択されている状態と共にスクロール操作に応じた方向に直線状に移動可能に表示する。そして、主撮影情報に関連したモードから一のモードを選択するための表示を上記スクロール操作によりスクロール可能であり、更にこの選択されたモードに関連した付帯情報の表示を上記選択されたモードと並列に表示された状態で上記スクロール操作によりスクロール可能なように、切り替え手段によって、上記スクロール操作による選択許可を上記押圧操作に応じて切り替える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明のカメラの撮影情報入力表示装置に係るカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に於いて、メインCPU1は、その内部に設けられたROM(リードオンリメモリ)に記憶されたプログラムに基いて、逐次シーケンシャル制御を実行し、これによって周辺の集積回路等の動作を司る。そして、このメインCPU1には、LCD2、AFIC3、データバック4、ストロボ5、ISO入力装置6、SW(スイッチ)入力装置7、EEPROM8、受光回路9、測光回路10及びモータドライバ11が接続されている。
【0013】
このモードドライバ11はカメラに内蔵された各種モータをメインCPU1からの信号に基いて駆動するための集積回路である。上記モータドライバ11には、LDM13、ZM14、WSM15、AVM16を介して、フォーカス装置17、ズーム装置18、巻上げ装置19及びシャッタ装置20、絞り装置21が接続されている。
【0014】
上記LDM13は撮影レンズ内のフォーカス装置17を駆動するモータ、ZM14は撮影レンズの焦点距離を変更するズーム装置18を駆動するモータ、WSM15はフィルムの巻上げを行う巻上げ装置19及びシャッタ装置20内のフォーカルプレーンシャッタを走行させるためのバネチャージと、撮影光線を図示されないファインダに導くかフィルム面に導くかを選択的に動作する図示されないミラー機構とを駆動するモータで、AVM16は撮影光線を制限するための絞り装置21を駆動するモータである。
【0015】
上記LCD2は、カメラの外部に設けられた識別表示手段であり、メインCPU1の制御信号に基いて、カメラのモード表示やフィルム駒数の表示等を行う。また、AFIC3は、電荷蓄積型のセンサ列を有している。このセンサ列上には、図示されない撮影レンズを通して入射してくる被写体像が2つの像に分割された後、その分割された像が結像される。そして、上記2像の光強度が量子化された値が、AFIC3で形成されてメインCPU1に転送される。メインCPU1では、公知の技術である位相差検出方法によって、フォーカス装置17を駆動して撮影レンズのピント調節を行う。
【0016】
上記データバック4は、メインCPU1の信号に基いて、フィルムに日付けの写し込みを行うものである。また、ストロボ5は、被写体の輝度が低い時や、被写体が逆光状態にある時に、露出時に於いて被写体にストロボ光を照射するものである。
【0017】
ISO入力装置6は、フィルムケースまたはフィルムカートリッジから、フィルム感度情報を読取る装置である。更に、SW入力装置7は、図示されないキースイッチと、カメラ動作に応じて開閉するメカニカルスイッチの作動状態を検出するための装置である。上記キースイッチは、いわゆるカメラのレリーズ、ズームのアップダウン、カメラモードの設定等を行うスイッチであり、後述するダイアル操作スイッチも含まれる。
【0018】
上記EEPROM8は、カメラ毎にばらつく測光値やAFデータを補正するための補正データを記憶するための不揮発性メモリである。
上記受光回路9は、遠隔操作装置12から発信された遠隔操作信号を受信して波形整形後、メインCPU1へ転送する機能を有している。遠隔操作装置12は、この遠隔操作装置12上で操作者の設定したデータをカメラ本体に送信したり、カメラの露出開始タイミングを決定するために所定の送信コードを発信する。
【0019】
また、測光回路10は、図示されない撮影レンズを通して入射してきた被写体光の輝度を検出して、自動露出時の絞り値やシャッタスピード値を決定するための装置である。
【0020】
次に、図2乃至図4を参照して、上記SW入力装置7の情報設定を行う操作ダイアルについて説明する。
図2は上記SW入力装置7の操作ダイアルを構成する回路図である。
【0021】
操作ダイアルは、並列に接続された3つのスイッチSW1、SW2及びSW3と、これらスイッチSW1、SW2及びSW3にそれぞれ直列に接続された抵抗R1、R2及びR3により構成されている。そして、上記抵抗R1、R2及びR3でプルアップすることによって、スイッチがオンで“L”レベル信号が、スイッチがオフで“H”レベル信号が、それぞれ下記(1)〜(3)式で示される端子からCPU1に出力される。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
尚、以下の説明に於いては、上記(1)〜(3)式で表される端子は、それぞれSW1/O、SW2/O、SW3/Oと記すものとする。
【0025】
上記スイッチSW1とSW2は、操作ダイアルを回動させると該ダイアルの所定回転角毎にパルスを発生するように、オン、オフが繰返される。これにより、上記パルスは2相の信号を発生し、ダイアルの回動方向を検知することができる。
【0026】
図4(a)は、操作ダイアル上に形成されるスイッチSW1、SW2の構成を示した図である。
操作ダイアル23は、回転軸24を中心として時計方向(C.W.方向)及び反時計方向(C.C.W.方向)に回転可能に構成されている。そして、操作ダイアル23の一方の面上には、斜線部で示されるような導通パターン25が形成されている。この導通パターン25は、銅箔上に金メッキの薄膜が施されたものである。
【0027】
また、操作ダイアル23の導電パターン25が形成された面上には、図示されない導線を介して図2の端子SW1/Oに接続された導電切片SW1Iと、同様に図示されない導線を介して図2の端子SW2/Oに接続された導電切片SW2Iと、図示されない導線を介して図2の接地ラインに接続された切片COMとが、それぞれ配置されている。このように構成された操作ダイアル23が、図示C.W.方向、またはC.C.W.方向に回転されると、上記各切片SW1/O、SW2/O、COMと導通パターン25によって、図3に示される信号が発生される。
【0028】
尚、導通パターン25及び各切片SW1/O、SW2/O、COMを設ける以外にも、図3に示される信号が出力される他の方法でも良い。
図3は、上記操作ダイアル23を回動させた時の端子SW1/O、SW2/Oから出力される信号の状態を示したタイムチャートであり、(a)はC.W.方向、(b)はC.C.W.方向に回転させた場合を示したもので、時間の経過も図の矢印方向と一致している。
【0029】
操作ダイアル23がC.W.方向に回転された時は、図3(a)に示されるように、端子SW1/Oから立下がり信号が出力される。この時、端子SW2/Oは“H”レベル状態の信号となっている。
【0030】
一方、操作ダイアル23がC.C.W.方向に回転された時は、図3(b)に示されるように、端子SW1/Oから立下がり信号が出力された時、端子SW2/Oは、“L”レベル状態の信号となっている。
【0031】
上記の如く、端子SW1/Oの立下がり信号に同期して端子SW2/Oの信号レベルが検知されれば、操作ダイアル23の回転方向を検出することが可能となる。
【0032】
図4(b)は、上記操作ダイアル23とスイッチSW3及び上記操作ダイアル23の押圧力の伝達機構系を示した図である。
上記ダイアルが回転軸の垂直方向に押圧された時に上記ダイアルが押圧方向に移動してSW3がオンするまでの伝達機構の構成を、断面図で示している。
【0033】
操作ダイアル23は、回転軸24によって支持部材26に支持されているもので、図示矢印A方向(A1 方向またはA2 方向)に移動可能に支持されている。これにより、操作ダイアル23と支持部材26とは、一体的に構成されている。
【0034】
上記支持部材26は、その端面27が支持部材28の端面29と接触するようになっている。支持部材28は、回転軸30を回転中心として図示矢印B方向 (B1 方向またはB2 方向)に回転可能に支持されると共に、図示されないばね力によって、常に図示矢印B1 方向に付勢されている。また、支持部材28には、曲面を有する先端部31が設けられている。
【0035】
スイッチSW3は硬質基板32上に構成されるスイッチであり、この硬質基板32の垂直方向に押圧力が加えられるとオンする。この場合、スイッチSW3は、支持部材28の先端部31と接触可能に配設されている。
【0036】
いま、カメラ操作者が、操作ダイアル23を図示矢印A2 方向に押圧すると、支持部材26が図示矢印A2 方向に移動されて端面27が支持部材28の端面29と接触する。すると、支持部材28が回転軸30を中心に図示矢印B2 方向に回転されて、先端部31によってスイッチSW3が押圧される。
【0037】
尚、支持部材26及び28の形状は、操作ダイアル23が図示矢印A2 方向に押圧されたときにスイッチSW3がオンされれば、その形状は特定されない。
また、操作ダイアル23が図示矢印A2 方向に押圧されたときにスイッチSW3がオンされるように構成すれば、特に支持部材28は無くとも良いものである。例えば、支持部材26の端面27が直接スイッチSW3を押圧するように構成しても良い。
【0038】
図5は、この発明のカメラの撮影情報入力表示装置が適用されたカメラの外観を示した上面図である。
図5に於いて、カメラ本体34の上面部には、レリーズ釦35及びLCDパネル36(図1のLCD2に対応する)が設けられている。ここで、操作ダイアル23は、カメラ操作者が右手の指のみで操作可能な位置に配置されており、C.W.及びC.C.W.方向に回転、または図示矢印C方向に押圧することができる。
【0039】
この配置は、スペースを有効に利用できることと、カメラの小型化に合った配置と操作性が可能であるという利点がある。
図6は別の配置を示したもので、カメラの外観を示した背面図である。
【0040】
図6に於いて、カメラ本体37の上面部にレリーズ釦38が設けられている。また、カメラ本体37の背面には、図示矢印D方向に回動可能な操作ダイアル39と、図1のLCD2に対応した表示部40が配置されている。操作ダイアル39は操作者が右手の指で回転操作可能で、且つ紙面に垂直の方向に押圧可能である。この構成は表示面を大きくとれることと、また、カメラの上面がすっきりできるという利点がある。
【0041】
図7は、操作ダイアル23または39の操作に応動して変化するLCDパネル36または表示部40の表示状態の例を示したものである。但し、ここでは表示部42として表すものとする。
【0042】
図7に於いて、表示部42は、撮影情報を表示する非スクロール表示部43と露出情報を表示するスクロール表示部を含む表示部44とで構成される。非スクロール表示部43は、選択された露出モードに対応して予め設定された各撮影モードをドット表示するものである。各モードの選択は、ドライブモード“DRV”が単写、連写、フォーカスモード“AF”がシングルAF、コンティニュアスAF、フラッシュモード“FLS”がオート、赤目軽減、フィルイン、オフの各モードで設定が可能となっている。
【0043】
一方、表示部44は、露出モード選択用のスクロール表示部45、スクロール表示が全スクロール中のどの位置にあるかを表示するインジケータ表示部46と、選択されたモードの説明を表示する表示部47とから成っている。スクロール表示部45は、その中央部分が選択する露出モードを表しており、その前後2個の表示までがドットマトリクス表示される。
【0044】
図8(a)は、第1のダイアル機能を表した図である。ダイアル操作で操作方向に合った表示スクロールを行い、押圧操作で選択の確定とダイアル選択禁止とを切換えるようになっている。
【0045】
また、図8(b)は、第2のダイアル機能を表した図である。この例では、ダイアル操作で操作方向に合った表示スクロールを行い、押圧操作で選択内容を3個単位(絵表示で3個分)でスキップスクロール表示する。
【0046】
次に、図9のフローチャートを参照して、カメラの露光処理の動作を説明する。
先ず、ステップS1に於いて、スイッチ入力が有ったかどうかが判断される。ここで、スイッチ入力が有った場合はステップS2に進んで、上述した露出に関するダイアル処理が行われてデータが選択される。次いで、ステップS3にて、その結果の表示が行われた後、ステップS4でレリーズスイッチがオンされたかどうかが判断される。ここで、オンされていない時はステップS1に戻る。
【0047】
上記ステップS4に於いて、レリーズスイッチがオンされている時は、ステップS5及びS6に進んで露光可能かどうかが判断される。そして、ステップS6に於いて、露光許可した場合はステップS7に進んで露光制御が行われた後、処理が終了する。一方、上記ステップS6で露光が許可されない場合は、ステップS8に進んで撮影不能表示がなされた後、処理が終了する。
【0048】
図10は、上述した露光処理動作のうちのダイアル処理の動作を説明するサブルーチンである。
先ず、ステップS11で、現在設定されているモードデータが読込まれる。そして、ステップS12に於いて、スイッチSW10の立下がりが発生したか否かが判断される。ここで、立下がりが発生している場合はステップS13に進み、フラグ“LOCK”が“1”か否かが判断される。
【0049】
該フラグ“LOCK”が“1”のときはロック状態になっている。よって、ダイアル入力は受付けないので、ダイアル処理を終了して後述するステップS18へ進む。上記ステップS13にて、フラグ“LOCK”が“1”以外の場合は、続いてステップS14に於いて、スイッチSW20が“H(ハイ)”レベルか否かが判断される。ここで、“H”レベルの場合はステップS15に進んでダウン方向にスクロール処理が行われる。一方、“L(ロー)”レベルの場合はステップS16に進んでアップ方向にスクロール処理が行われる。その後、ステップS17にて露出データの選択処理が行われる。
【0050】
上記ステップS15及びS16のスクロール処理の後、またはステップS12のスイッチSW10の立下がりが検出されなかった場合は、ステップS18に於いてスイッチSW30の立下がりが調べられる。ここで、立下がりが検出された場合はプッシュ動作が行われた場合であるので、ステップS19に進んでLOCKフラグが“1”か否かが判断される。
【0051】
このステップS19に於いて、フラグが“0”の場合はステップS20に進んで、選択されているデータの確定が行われる。その後、ステップS21にてフラグが“1”にセットされて露出モード選択禁止状態にされる。一方、上記ステップS19に於いてフラグが“1”の場合は、ステップS22に進んでフラグが “0”にキャンセルされて露出モード選択許可状態にされる。
【0052】
そして、上記ステップS21及びS22の後、本ダイアル処理が終了して元のルーチンに戻る。
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
【0053】
図11は、この発明の第2の実施の形態の動作を説明するダイアル処理のサブルーチンである。この第2の実施の形態は、上述した図7の表示と、図8(b)のダイアル機能とが用いられる。
【0054】
先ず、ステップS31にて、現在設定されているモードデータが読込まれる。そして、ステップS32にて、スイッチSW10の立下がりが発生したか否かが判断される。ここで、立下がりが発生していると判断された場合は、ステップS33にて引続きスイッチSW20が“H”レベルかどうかが調べられる。
【0055】
上記ステップS33で、スイッチSW20が“H”レベルの場合は、ステップS34に進んでダウン方向にスクロール処理が行われる。これに対して、“L”レベルの場合はステップS35に進んでアップ方向にスクロール処理が行われる。その後、ステップS36にて後述する選択処理が行われて、スクロールされた露出モードと、該モードに対応するシャッタ速度、絞り値及び補正値等の撮影データの所望の値の選択が行われ、図示されない所定のメモリに記憶される。
【0056】
上記スクロール処理の後、或いは上記ステップS32のスイッチSW10の立下がりが検出されなかった場合は、次にステップS37にてスイッチSW30の立下がりが調べられる。ここで、立下がりが検出された場合は、ステップS38に進んで最新のスクロール方向がダウン方向かアップ方向かが判断される。上記ステップS38に於いて、アップ方向の場合はステップS40に進んでアップ方向へスキップスクロールが行われる。一方、ダウン方向の場合は、ステップS39に進んでダウン方向へスキップスクロールが行われる。
【0057】
ここで、スキップスクロールとは、図7のスクロール表示部45の実表示面に対して、3つの絵表示が一度に認識可能なスクロールのことである。表示部44の中に所望とするモードがないときに、次の隣接した3つのモードを表示する動作が行われる。すなわち、ダイアル操作では前後のモードが選択され、押圧操作では3つ毎のモード選択が行われる。この機能により、モードの素早い検索が可能になる。
【0058】
上記ステップS39及びS40の処理の後、ステップS41にて最新の選択モードが設定されると同時に、該モードに対応した撮影データとモード内容を表すメモ表示とが設定される。つまり、ここでは、最後に選択された露出モードの機能を説明するメモ表示の内容と、この露出モードに対応した撮影データが表示可能に設定される。
【0059】
以上の動作の後、サブルーチンは終了する。
次に、露出モードと撮影データとをスクロールする、この発明の第3の実施の形態を説明する。
【0060】
図12は、この発明の第3の実施の形態を示す表示部を表した図である。
表示窓49に対して、図示矢印Fa の方向にダイアル操作によって露出モード50がスクロールでき、選択可能となっている。この第3の実施の形態では、小さい表示部で多くの情報が表示可能となる。それは、図示矢印Fb 方向にも表示スクロールが可能なため、ダイアル操作によって選択された露出モードに関連した撮影データの表示がスクロール動作で可能になる。
【0061】
上記露出モードの選択と露出データに関連した撮影データの選択との選択許可は、図示矢印G方向で示される押圧操作の入力毎の切換によって行われる。これにより、例えば、表示窓49に表示モード51が表示されるようになる。
【0062】
ここで、露出モードの表示は1個ずつで、絵表示、表示順、絵表示の説明が、表示窓49上に一度に表示される。また、撮影データの表示は、スクロール動作に伴って絵表示以外の部分、つまり絵表示の説明部分に相当するスペースのみに撮影データが表示可能な分だけ表示される。
【0063】
図13は、上述したこの発明の第3の実施の形態のダイアル処理の動作を説明するサブルーチンである。
先ず、ステップS51で、現在設定されているモードデータが読込まれる。ここで、設定データ順序は、後述するように、カメラの使用者の使用頻度によって選択順に優先度が付けられている。よって、よく使用するモード及び対応した撮影データ内容が優先されて表示面に表示される。
【0064】
そして、次にステップS52にて、スイッチSW10の立下がりが発生したか否かが判断される。ここで、立下がりが発生していると判断された場合は、引続きステップS53にて、スイッチSW20が“H”レベルか否かが判断される。上記ステップS53にて“H”レベルと判断された場合は、ステップS54に進んでダウン方向にスクロール処理が行われる。一方、“L”レベルであると判断された場合は、ステップS55に進んでアップ方向にスクロール処理が行われる。
【0065】
その後、ステップS56に於いて、“MODE”フラグが“0”かどうかが調べられる。ここで、該フラグが“0”の場合は、ステップS58に進んで露出モード選択が許可されてモード選択処理が行われる。一方、該フラグが“1”の場合は、ステップS57に進んで選択された露出モードに対応した撮影データ選択処理が行われる。
【0066】
そして、上記ステップS57及びS58のスクロール処理の後、或いはステップS52のスイッチSW10の立下がりが検出されなかった場合には、ステップS59に於いて、スイッチSW30の立下がりが調べられる。ここで、立下がりが検出された場合は、続いてステップS60に於いて、“MODE”フラグが“0”かどうかが調べられる。上記ステップS60に於いて、該フラグが“0”の場合はステップS61にて“1”に、また“0”以外のときはステップS62にて“0”に変更される。
【0067】
上記ステップS61またはS62の処理の後、ステップS63に進んで最新の選択モードが設定され、同時に、該モードに対応した撮影データとモード内容を表す表示とが設定される。その後、ステップS64にて、上述した動作で選択された露出モード、或いは選択内容に対して、頻度の優先順位を付ける判断処理が行われる。この処理は、例えば実際に露出が行われた場合の選択モードを過去64回分記憶し、そのうちで使用頻度の高い順に優先順位を付ける等の方法が考えられる。
【0068】
以上の処理の後、サブルーチン“ダイアル処理”が終了する。
次に、この発明の第4の実施の形態を説明する。
図14は、この発明の第4の実施の形態を示すもので、上述した表示部内の露出情報の絵表示の例を示した図である。
【0069】
この第4の実施の形態では、露出情報の絵表示を使用者が選択可能にしたもので、使用者の好みに合った解り易い表示を使用者自身が選択して行うことが可能になっている。これは、図14に示されるように、各露出モード毎に文字や複数の絵表示が予め用意されているか、或いはリモコンデータとして受信するかして、EEPROM8内にデータとして保存されているものの中から、例えば上記ダイアル操作部材が用いられて、図示矢印H1 方向またはH2 方向に設定変更操作が行れるものである。
【0070】
すなわち、リモコン送信機等の遠隔操作装置12に於いて、オリジナルのキャラクタが予め作成され、これがデータ化されてカメラ本体に送信される。このリモコンデータは、EEPROM8内に保存される。上記オリジナルのキャラクタは、絵・特殊記号・ハングル文字等の外国語が遠隔操作装置12の図示されない表示部の表示により確認されながら、使用者のキー操作により作成されたものである。これらのキャラクタは、例えばビットマップデータに変換された後、カメラに送信される。
【0071】
尚、この発明の上記実施態様によれば、以下の如き構成を得ることができる。
すなわち、
(1) 回動操作と押圧操作とが単一の操作部材で操作可能なカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、
撮影情報を表示するための表示手段と、
この表示手段に表示する撮影情報の中から、所望の情報を上記操作部材により選択する選択手段と、
上記操作部材の回動操作に応じて上記表示手段での表示内容をスクロールする表示スクロール手段と、
を具備することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0072】
上記(1)の構成によれば、撮影情報に関する表示内容を表示スクロール手段によってスクロールさせながら表示するので、少ない表示スペースに多くの撮影情報を表示させることができる。
【0073】
(2) 撮影情報を表示する表示手段と、
撮影状況に応じて露出制御等に関する撮影情報を予め記憶する撮影モード記憶手段と、
上記表示手段に表示された撮影情報から、所望の撮影モードを選択する選択手段と、
を具備することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0074】
上記(2)の構成によれば、予め記憶された撮影情報に基いて撮影モードを選択できるので、操作が簡単である。
(3) 回動操作と押圧操作とが単一の操作部材で操作可能なカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、
撮影情報を表示するための表示手段と、
この表示手段に表示する撮影情報の中から、所望の情報を上記操作部材により選択する選択手段と、
この選択手段で選択された撮影情報に関する内容を説明する表示内容説明手段とを具備し、
上記操作部材の押圧操作に応じて上記表示内容説明手段を切換えることを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0075】
上記(3)の構成によれば、選択手段で選択された撮影情報に関する内容を説明する表示内容説明手段を設けたので、初めて使用する人にも選択された撮影情報の機能が理解しやすい。
【0076】
(4) 回動操作と押圧操作が可能な撮影情報の選択手段と、
カメラの露出モードに関する主撮影情報と、この主撮影情報に関連した露出値や機能説明等の付帯情報とを表示可能な表示手段と、
上記選択手段の回動操作に応答して上記主撮影情報を選択して表示し、その後の押圧操作に応答して、選択された主撮影情報に関連した付帯情報を表示することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0077】
(5) 上記(1)、(3)、(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記押圧操作に応じて選択内容を切換えることを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0078】
(6) 上記(1)、(3)、(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記押圧操作に応じてスキップスクロール表示することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0079】
(7) 上記(1)、(3)、(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記押圧操作に応じて撮影情報の選択の禁止/許可を切換えることを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0080】
(8) 上記(6)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記スクロール方向は直前の回転方向であることを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0081】
(9) 上記(1)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記表示手段に表示されている撮影情報の現在の表示位置を表示する表示手段を更に具備することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0082】
(10) 上記(1)乃至(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、選択された頻度に応じて優先順位を決定する決定手段を更に具備することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0083】
(11) 上記(1)乃至(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記表示手段はスクロールして表示する表示部と、スクロールしないで表示する表示部とを有することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0084】
(12) 上記(1)、(3)、(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記押圧操作がなされた後は、その後の回動操作に応じて露出データをスクロールすることを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0085】
(13) 上記(1)乃至(4)に記載のカメラの撮影情報入力表示手段に於いて、上記撮影データのスクロールは絵表示以外の表示内容に対して行うことを特徴とするカメラの撮影情報入力表示手段。
【0086】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、多数のモードから所望のモードを選択する場合に操作が簡単でしかも選択内容が解り易く、選択するモードがどんなモードであるかの説明を表示し、初めて使用する人でも解り易い表示になるように表示の選択が可能なカメラの撮影情報入力表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカメラの撮影情報入力表示装置に係るカメラの電気系の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のSW入力装置7の操作ダイアルを構成する回路図である。
【図3】操作ダイアル23を回動させた時の端子SW1/O、SW2/Oから出力される信号の状態を示したもので、(a)はC.W.方向、(b)はC.C.W.方向に回転させた場合を示したタイムチャートである。
【図4】(a)は操作ダイアル上に形成されるスイッチSW1、SW2の構成を示した図、(b)は操作ダイアル23とスイッチSW3及び上記操作ダイアル23の押圧力の伝達機構系を示した図である。
【図5】この発明のカメラの撮影情報入力表示装置が適用されたカメラの外観を示した上面図である。
【図6】この発明のカメラの撮影情報入力表示装置が適用された別のカメラの外観を示した背面図である。
【図7】操作ダイアル23または39の操作に応動して変化するLCDパネル36または表示部40の表示状態の例を示した図である。
【図8】(a)は第1のダイアル機能を表した図、(b)は第2のダイアル機能を表した図である。
【図9】カメラの露光処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】露光処理動作のうちのダイアル処理の動作を説明するサブルーチンである。
【図11】この発明の第2の実施の形態の動作を説明するダイアル処理のサブルーチンである。
【図12】この発明の第3の実施の形態を示す表示部を表した図である。
【図13】この発明の第3の実施の形態のダイアル処理の動作を説明するサブルーチンである。
【図14】この発明の第4の実施の形態を示すもので、上述した表示部内の露出情報の絵表示の例を示した図である。
【符号の説明】
1 メインCPU、
2 LCD、
3 AFIC、
4 データバック、
5 ストロボ、
6 ISO入力装置、
7 SW(スイッチ)入力装置、
8 EEPROM、
9 受光回路、
10 測光回路、
11モータドライバ、
12 遠隔操作装置、
13 LDM、
14 ZM、
15 WSM、
16 AVM、
17 フォーカス装置、
18 ズーム装置、
19 巻上げ装置、
20 シャッタ装置、
21 絞り装置、
23 操作ダイアル、
24、30 回転軸、
25 導通パターン、
26、28 支持部材、
27、29 端面、
31 先端部、
32 硬質基板、
COM 切片、
SW1I、SW2I 導電切片。
Claims (3)
- 表示部と同じ面に設けられ、この面と平行な面内に於いて回動可能なスクロール操作による操作入力と上記面と垂直な方向への押圧操作による操作入力を読み取り可能な一体的に構成された操作部と、
上記スクロール操作に応じてスクロールされる選択項目の内容を選択されている状態と共にスクロール操作に応じた方向に直線状に移動可能に表示する表示手段と、
主撮影情報に関連したモードから一のモードを選択するための表示を上記スクロール操作によりスクロール可能であり、更にこの選択されたモードに関連した付帯情報の表示を上記選択されたモードと並列に表示された状態で上記スクロール操作によりスクロール可能なように、上記スクロール操作による選択許可を上記押圧操作に応じて切り替える切り替え手段と、
を具備することを特徴とするカメラの撮影情報入力表示装置。 - 上記主撮影情報はカメラの露出モードに関する情報であり、上記付帯情報は上記露出モードに於ける露出値若しくは上記露出モードの機能説明であることを特徴とする請求項1に記載のカメラの撮影情報入力表示装置。
- 上記主撮影情報は、絵表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のカメラの撮影情報入力表示装置。
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