JP3928428B2 - 複合材料用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた複合材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合材料用エポキシ樹脂組成物と、それを繊維に含浸し、成形して得られる複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等の強化繊維にマトリクス樹脂を含浸して加熱成形することにより得られる複合材料は、工業材料部品に使用されることが多くなって来ている。
複合材料を成形する方法の1つにフィラメントワインディング法がある。しかし、フィラメントワインディング法で成形する場合、繊維に含浸させる樹脂の粘度が成形性に著しい影響を及ぼし、樹脂の粘度が高いと繊維に樹脂が均一に含浸せず、成形不良が起こりやすく、この成形法に用いられる樹脂は、低粘度であることが必要である。それと、フィラメントワインディング法により大型の部品を成形するには長時間にわたり樹脂粘度を低く保持しなければならないために樹脂のポットライフが長いことも必要である。
また、工業材料部品として用られる複合材料は、高温で使用されることが多くあり、耐熱性が要求される。
【0003】
このような要求に応えるものとして、特開平8−245752号公報には、常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と常温で低粘度のポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂を用いた耐熱性のフィラメントワインディング用エポキシ樹脂組成物が開示されており、必要に応じて、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を併用することも開示されている。それと、特開平8−92350号公報には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と常温で低粘度のポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂とフェノールノボラック型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂を用いた耐熱性の複合材料用エポキシ樹脂組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−245752号公報と特開平8−92350号公報とに開示されているエポキシ樹脂組成物は、耐熱性を得るために、特定の硬化剤を用いているため、室温では粘度が高く、エポキシ樹脂組成物を加熱して用いる必要があり、ポットライフが短くなるとの問題があった。
また、エポキシ樹脂組成物を低粘度化する方法として、液状の酸無水物硬化剤を用いることが知られているが、このエポキシ樹脂組成物の硬化物は耐湿性が劣るとの問題があった。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、フィラメントワインディング法に用いる、強化繊維に室温で含浸可能な低粘度で、ポットライフの長い複合材料用エポキシ樹脂組成物と、それを用いて成形した耐熱性と耐湿性とに優れた複合材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる第1の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂とポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂混合物に、液状のイミダゾール化合物または液状のアミン化合物の硬化剤を配合してなるものである。
【0007】
本発明に係わる第2の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記第2の複合材料用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂混合物における脂環式エポキシ樹脂の含有率が25重量%以下のものである。
【0008】
本発明に係わる第3の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記第2の複合材料用エポキシ樹脂組成物において、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が、3官能のトリグリシジルアミン型エポキシ樹脂のものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1における複合材料用エポキシ樹脂組成物は、次のようにして調製する。
まず、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂と、必要に応じて脂環式エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂うちの少なくとも1種のエポキシ樹脂を、混合容器に所定量を入れ、室温で充分に攪拌混合し、エポキシ樹脂混合物を得る。
次に、このエポキシ樹脂混合物に、硬化剤である、液状のイミダゾール化合物または液状のアミン化合物の所定量と、必要に応じて副資材とを添加し、やはり室温で充分に攪拌混合する。
このようにして得られた複合材料用エポキシ樹脂組成物は、低粘度であり、硬化剤の混合を室温で行うので、ポットライフも長い。
【0014】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられるポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、ジグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミン型エポキシ樹脂またはテトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、使用目的に応じて用いる樹脂は決定される。
しかし、二官能のジグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、多く用いると、硬化物のガラス転移温度(Tgと記す)が低くなり、高温強度が低下し、耐熱性に問題を生じる場合があり、また、四官能のテトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂では、多く用いると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなるとともに硬化物が脆くなる場合があり、三官能であるトリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0015】
そして、本実施の形態で用いる、ジグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製のGAN、GOT等が挙げられ、トリグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート630等が挙げられ、テトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、旭化成エポキシ(株)製のアラルダイトMY−720等が挙げられる。
これらポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂は所望により1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられる、骨格にナフタレン環構造を含むエポキシ樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製のNC−7000L等が挙げられる。
【0017】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられる、骨格にジシクロペンタジエン環構造を含むエポキシ樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製のXD−1000−L等が挙げられる。
【0018】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられる脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、アリサイクリック ジエポキシ アセタール(Alicyclic diepoxy acetal){チバスペシャリティ(株)製のアラルダイトCY175}、アリサイクリック ジエポキシ アジぺート(Alicyclic diepoxy adipate){チバスペシャリティ(株)製のアラルダイトCY177}、アリサイクリック ジエポキシ カルボキシレート(Alicyclic diepoxy carboxyate){チバスペシャリティ(株)製のアラルダイトCY179}等が挙げられる。
【0019】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられる、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、軟化点が60℃以下のものであり、例えば、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート152等が挙げられる。
【0020】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いられる、イミダゾール化合物の硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、アミン化合物の硬化剤としては、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシレンジアミン、ベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリスジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー1、テトラメチルグアニジン等が挙げられる。所望により1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
本実施の形態では、エポキシ樹脂混合物中における、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂、骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂または骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂と骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂との2成分からなるエポキシ樹脂の配合割合は5〜40重量%であり、好ましくは10〜35重量%である。この配合割合が5重量%未満では、硬化物のガラス転移温度(Tgと記す)を向上させる効果少なく、耐熱性が不十分となる。また、この配合割合が40重量%より大きくなると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、複合材料に用いた場合、室温において含浸不良が起こることがあり、成形性に問題を生じる。
【0022】
エポキシ樹脂混合物中における、脂環式エポキシ樹脂の配合割合は、使用目的に応じてその量比は決定されるが、25重量%以下であり、好ましくは20重量%以下である。この配合割合が25重量%より多いと硬化物のTgが低下し、複合材料の高温強度に問題を生じる。それと、複合材料が脆くなる。
【0023】
エポキシ樹脂混合物中における、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂の配合割合は、42重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。配合割合が42重量%未満であると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、複合材料用に用いた場合、室温において含浸不良が起こり、成形性に問題を生じる。
【0024】
エポキシ樹脂混合物中における、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合割合は、40重量%以下であり、配合割合が40重量%より多いと、耐熱性が低下する。
【0025】
本実施の形態における複合材料用エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、1〜15Pa・sであり、好ましくは25℃で1〜10Pa・sの範囲である。25℃の粘度が15Pa・sより高いと、複合材料に用いる場合、室温において含浸不良が起こり、樹脂と繊維との馴染み性が低下し、複合材料の層間剥離強度が低下する。
また、25℃の粘度が1Pa・s未満であると、フィラメントワインディングにより成形した複合材料の硬化時に、加熱によりエポキシ樹脂組成物の粘度がさらに低下し、エポキシ樹脂組成物が複合材料から流出し、複合材料の層間剥離強度が低下する。
【0026】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物においては、その性質を損なわない範囲で、副資材として、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、靭性付与剤、フィラー、着色剤、カップリング剤等を適宜配合することができる。
【0027】
本実施の形態の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、硬化剤に液状の酸無水物を用いなくても、低粘度を実現できるので、硬化物の耐湿性が優れている。また、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂、骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂または骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂と骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂との2成分エポキシ樹脂を用いるので、上記エポキシ樹脂の少量の添加で、硬化物のTgを向上できる。それと、上記添加エポキシの添加量は少なくて良いので、複合材料用エポキシ樹脂組成物の粘度増加が小さいという効果がある。
【0028】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2における複合材料は次のようにして調製する。
実施の形態1で調製したエポキシ樹脂組成物を室温で強化繊維に含浸し、この強化繊維をフィラメントワインディング法により、マンドレルに巻き付け、通常120〜200℃で2〜5時間の加熱硬化により複合材料を得る。
【0029】
本実施の形態における複合材料に用いる繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維等を挙げることができ、またこれらのうちから選ばれる2種類以上をハイブリッド構造とした繊維も用いることができる。
【0030】
本実施の形態では、フィラメントワインディング法による成形が最も適するが、プルトルージョン法、ハンドレイアップ法により複合材料を成形しても良い。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
【0032】
実施例1.
トリグルシジルアミン型エポキシ樹脂{商品名:エピコート630,油化シェルエポキシ(株)製}の80重量部と、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:NC−7000L、日本化薬(株)製}の20重量部からなる混合エポキシ樹脂の100重量部に、硬化剤である2−エチル−4−メチルイミダゾールの5重量部を添加し、充分に攪拌混合して、複合材料用エポキシ樹脂組成物を得る。
得られた樹脂組成物をガラス製の成形用型に入れ、恒温槽を用い、120℃で5時間の加熱硬化を行い、さらに200℃で4時間の後硬化も行って、樹脂硬化物を得る。
また、184重量部のアラミド繊維に、105重量部の上記のエポキシ樹脂組成物を含浸し、減圧しながら120℃で5時間の加熱硬化を行い、さらに200℃で4時間の後硬化も行って、繊維含有率が60体積%の複合材料を得る。
【0033】
得られた上記エポキシ樹脂組成物を用い、その初期の粘度とポットライフとを評価した。また、得られた上記エポキシ樹脂組成物の硬化物を用い、そのTgと曲げ強度(25℃及び200℃における)とを評価した。さらに、得られた上記複合材料を用い、その層間剥離強度(25℃及び200℃における)を評価した。
粘度測定は、E型粘度計を用いて25℃での粘度を測定した。ポットライフは上記エポキシ樹脂組成物を25℃で保管し、その粘度が、30Pa・sに到達する時間とした。
硬化物のTgは、熱機械分析(TMA)法により測定した。具体的には、硬化物の熱膨張率曲線における、ガラス領域の直線部分の延長線とゴム領域の直線部分の延長線との交点からTgを求めた。
硬化物の曲げ強度はJIS K6911、複合材料の層間剥離強度はASTM
D2344に準拠した試験から求めた。
上記の各特性値は、上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0034】
実施例2〜3.
ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂とトリグルシジルアミン型エポキシ樹脂とを表1に示す配合割合にした以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0035】
実施例4.
ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂に替えて、ジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:XD−1000−L、日本化薬(株)製}を用いた以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0036】
実施例5〜6.
ジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂とトリグルシジルアミン型エポキシ樹脂とを表1に示す配合割合にした以外、実施例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及びを複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例4と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0037】
実施例7.
混合エポキシ樹脂の配合割合を、トリグルシジルアミン型エポキシ樹脂{商品名:エピコート630,油化シェルエポキシ(株)製}の80重量部と、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:NC−7000L、日本化薬(株)製}の10重量部と、ジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:XD−1000−L、日本化薬(株)製}の10重量部とした以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0038】
実施例8.
混合エポキシ樹脂の配合割合を、トリグルシジルアミン型エポキシ樹脂{商品名:エピコート630,油化シェルエポキシ(株)製}の55重量部と、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:NC−7000L、日本化薬(株)製}の20重量部と、脂環式エポキシ樹脂{商品名:CY179、チバスペシャリティ(株)製}の25重量部とした以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0039】
実施例9.
混合エポキシ樹脂の配合割合を、トリグルシジルアミン型エポキシ樹脂{商品名:エピコート630,油化シェルエポキシ(株)製}の60重量部と、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂{商品名:NC−7000L、日本化薬(株)製}の20重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂{商品名:エピコート152、油化シェルエポキシ(株)}の20重量部とした以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
【0040】
実施例2及び5から明らかなように、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂に対し、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂の添加は、少量においても、硬化物のTgを顕著に向上させ、硬化物及び複合材料の高温時における機械特性も向上させる。それと、上記エポキシ樹脂の添加量が少なくてもTg向上効果があるので、含浸性に優れた低粘度のエポキシ樹脂組成物を実現できる。
【0041】
実施例3及び6から明らかなように、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂の添加が、混合エポキシ樹脂中において40重量%以下であるので、エポキシ樹脂組成物は室温で含浸可能な粘度を有し、その硬化物の耐熱性が特に優れている。
【0042】
実施例8から明らかなように、混合エポキシ樹脂中において、脂環式エポキシ樹脂の含有率が25重量%以下であるので、硬化物の耐熱性の低下が少ない。
実施例9から明らかなように、混合エポキシ樹脂中に、フェノールノボラック樹脂を用いても、エポキシ樹脂組成物は室温で含浸可能な粘度を有し、硬化物は耐熱性を有しており、エポキシ樹脂組成物の材料コストを低くできる。
【0043】
比較例1.
エポキシ樹脂にトリグルシジルアミン型エポキシ樹脂のみを用いた以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及びを複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
本比較例のエポキシ樹脂組成物は、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂やジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂を用いていないので、硬化物のTgと高温曲げ強度が低く、耐熱性が劣る。
【0044】
比較例2.
ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂とトリグルシジルアミン型エポキシ樹脂とを表1に示す配合割合にした以外、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例1と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
本比較例のエポキシ樹脂組成物は、ナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂の含有率が大きいので、粘度が高い。
【0045】
比較例3.
ジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂とトリグルシジルアミン型エポキシ樹脂とを表1に示す配合割合にした以外、実施例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例4と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
本比較例のエポキシ樹脂組成物は、ナジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂の含有率が大きいので、粘度が高い。
【0046】
比較例4.
トリグルシジルアミン型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを表1に示す配合割合にした以外、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を得る。
得られたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物の硬化物及び複合材料を用い、実施例8と同様にして、各特性を求め、各特性値を上記エポキシ樹脂組成物の配合処方とともに、表1に示した。
本比較例のエポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂の含有率が大きいので、硬化物のTgと高温曲げ強度が低く、耐熱性が劣る。
【0047】
【表1】
Figure 0003928428
【0049】
【発明の効果】
本発明に係わる第1の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂とポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂混合物に、液状のイミダゾール化合物または液状のアミン化合物の硬化剤を配合してなるものであり、特に低粘度で室温での含浸性に優れ、ポットライフが長く、フィラメントワインディング法による大形の複合材材料の成形に用いることができ、このエポキシ樹脂組成物を用いた複合材料は高温機械強度が優れている。
【0050】
本発明に係わる第2の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記第1の複合材料用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂混合物における脂環式エポキシ樹脂の含有率が25重量%以下のものであり、このエポキシ樹脂組成物を用いた複合材料は大幅な耐熱性の低下がない。
【0051】
本発明に係わる第3の複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記第2の複合材料用エポキシ樹脂組成物において、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が、3官能のトリグリシジルアミン型エポキシ樹脂のものであり、このエポキシ樹脂組成物を用いた複合材料は耐熱性が特に優れている。

Claims (3)

  1. 骨格にナフタレン環構造を有するエポキシ樹脂及び骨格にジシクロペンタジエン環構造を有するエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂とポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とからなるエポキシ樹脂混合物に、液状のイミダゾール化合物または液状のアミン化合物の硬化剤を配合してなる複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂混合物における脂環式エポキシ樹脂の含有率が25重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が、3官能のトリグリシジルアミン型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の複合材料用エポキシ樹脂組成物。
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