JP3925965B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板を回転処理するスピン処理装置の基板を保持する保持ピンの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体製造装置や液晶製造装置においては、基板(半導体ウエハや液晶用ガラス基板等)に回路パタ−ンを形成するための成膜プロセスやフォトプロセス等の工程がある。これらのプロセスでは、上記基板を高速回転させて、洗浄、乾燥などの処理を行うスピン処理装置がある。
【0003】
上記基板にスピン処理を行うためのスピン処理装置は回転体を備えており、この回転体に円柱状の、例えば合成樹脂から形成されている保持部材が立設されている。この保持部材の上端には上記基板の周辺部下面を支持する支持ピンと、上記基板の外周面に係合する係止ピンが設けられている。よって上記基板は下面周辺部を上記支持ピンに支持されて基板の外周面を係止ピンに係合されることにより保持される。
【0004】
この係止ピンには、上記保持部材と一体的に設けられているものがある。すなわちこの場合、上記係止ピンは上記保持部材の上端に切削加工を行って形成されたものとなっている。
【0005】
また、上記係止ピンを上記保持部材と別体的に設けた場合には、この保持部材の上端から下方に向かい挿入孔が形成され、この挿入孔に上記係止ピンが挿入される。この場合、上記係止ピンは例えばねじなどによって係止固定されるものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように基板を繰り返しこの保持部材上に載置させ、そして高速回転で処理を行った場合、この係止ピンが徐々に削られてしまう。これは上記液晶用ガラス基板を上記係止ピン上に載置させたり、この係止ピン上から移送させる場合、この液晶用ガラス基板の外端部によって、例えば合成樹脂より形成されている上記係止ピンが削られてしまい、そのためこの液晶用ガラス基板を保持する場合にがたが生じるなどの不具合が発生する。
【0007】
そのためこの係止ピンのメンテナンスが必要となるが、上記係止ピンが上記保持部材と一体的に形成されている場合、上記保持部材ごと交換しなければならないため、このメンテナンスにコストが掛かるものとなっており、また上記保持部材ごと交換しなければならないため、この交換作業も手間が掛かるものとなっている。
【0008】
また、上記係止ピンが上記保持部材と別体的に設けられているタイプの場合、ねじでこの係止ピンと保持部材とを固定することとなるが、上記基板に対して薬液などの処理液を上方から噴出させて処理を行う場合、この固定ピンの固定に金属製のねじを使用すると、このねじが腐食されてしまう。そのため、ねじを保持部材から容易に外すことができなかったり、固定状態が損なわれるなどのことがある。
【0009】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、
交換などのメンテナンスを容易に行え、かつ薬液などに腐食されない係止ピンを有する基板処理装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、回転盤を有し、この回転盤上部で基板を保持して回転処理を行う基板処理装置において、上記回転盤に立設され、上端面に開放した第1の挿入孔が軸方向に沿って形成されているとともに、上記第1の挿入孔と交差する第2の挿入孔が上記回転盤の回転中心側から径方向に沿って形成された保持部材と、上記保持部材の上端部に設けられて上記基板の下面を支持する支持ピンと、上記第1の挿入孔に着脱自在に挿入されて上記基板の外周を係止する係止ピンと、上記第2の挿入孔にこの第2の挿入孔の上記回転盤の回転中心側から着脱自在に挿入され、上記係止ピンの側方部と係合してこの係止ピンの抜け出しを防止する固定ピンとを具備したことを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記係止ピンの外周面には、上記固定ピンが係合する溝状の係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記係止ピンには保持部材の上端面に係合する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の基板処理装置である。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記係止ピンおよび上記固定ピンのうち少なくとも係止ピンは合成樹脂より形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の基板処理装置である。
【0014】
請求項1の発明によると、上記保持部材には第1の挿入孔が形成され、この第1の挿入孔に上記基板の外周を係止する係止ピンが着脱自在に挿入されるので、上記係止ピンが使用によって消耗して交換する場合に、上記保持部材から上記固定ピンを容易に抜くことができる。そのため係止ピンのメンテナンスが容易に行える。
【0015】
請求項2の発明によると、上記係止ピンの外周面には、上記固定ピンが係合する溝状の係止部が形成されているため、係止ピンの挿入後、上記第2の挿入孔に固定ピンを挿入するだけで、この固定ピンが上記溝状の係止部に係合し、よって簡単に上記係止ピンの抜け出しを防止することが可能となる。
【0016】
請求項3の発明によると、上記係止ピンには支柱の上端面に係合する鍔部が設けられているため、この係止ピンの挿入および抜出の際にこの係止ピンを工具で容易に把持することが可能となり、よってこの係止ピンの上記第1の挿入孔に挿入される部分に工具の把持によって損傷が生じなく、かつ工具での把持により係止ピンの挿入および抜出が容易となる。
【0017】
請求項4の発明によると、上記係止ピンおよび上記固定ピンのうち少なくとも係止ピンは合成樹脂より形成されているため、薬液を使用する場合でも上記係止ピンの薬液による腐食を防止することが可能となっている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1ないし図3に基づいて説明する。図1に示すこの発明の基板処理装置は本体ベ−ス1を有する。この本体ベ−ス1には円筒状の支持体2が上下方向に貫通して設けられている。この支持体2には同じく円筒状の回転軸3が中途部を軸受4によって回転自在に支持されて設けられている。
【0019】
上記回転軸3の下端部は上記支持体2から突出し、その下端部には従動プ−リ5が嵌着されている。この従動プ−リ5の近傍にはステップモ−タ6が配設されている。このステップモ−タ6の回転軸6aには駆動プ−リ7が嵌着され、この駆動プ−リ7と上記従動プ−リ5とにはベルト8が張設されている。したがって、上記ステップモ−タ6が作動すれば、上記回転軸3が回転駆動されるようになっている。
【0020】
上記本体ベース1の上部側には回転軸3の上部を収容する処理容器9が設けられている。この処理容器9は、上面が開放した有底状の下カップ9aと、この下カップ9aに対して周壁が傾斜した筒状の上カップ9bとからなっている。この上カップ9bは、上下動自在に設けられ、図示しない上下駆動シリンダのロッド10が連結されている。このシリンダが作動することで上カップ9bが上下に駆動される。
【0021】
上記下カップ9aの底部には、周辺部に複数の排出管11の一端部が接続され、中心部には周囲がフランジ12によって囲まれた挿通孔13が形成されている。この挿通孔13には、上記回転軸3の一端部が挿通されている。
【0022】
上記回転軸3の上端には、上面に合成樹脂等からなるテーブル14が接合された回転盤15が一体的に取り付けられている。この回転盤15の下面側では、上記回転軸3の上部外周面に円筒状のロック筒体16が回転自在に設けられている。このロック筒体16の上端には、図1および図2に示すようにフランジ17が設けられ、このフランジ17の上面には周方向に90度間隔で4本の係合ピン18が突設されている。
【0023】
上記係合ピン18はレバー19の一端に開放して形成された係合溝20に係合している。このレバー19の他端には、保持部材21の支軸22の上記回転盤15よりも下面に突出した下端部に連結固定されている。したがって、上記ロック筒体16を時計方向に回転させ、係合ピン18によりレバー19を回動させれば、このレバー19に連結された上記支軸22を介して保持部材21を回動させることができる。
【0024】
上記回転盤15の外周部には、周方向に90度間隔で4本の上記保持部材21がブッシュ23を介して回転自在に立設されている。上記保持部材21は図2に示すように、上端が閉塞されて下端が開口した円筒部24を有している。この円筒部24からは支軸22が下端部をこの円筒部24より突出させて垂設され、この支軸22が上記ブッシュ23を介して回転盤15に支持されている。
【0025】
上記円筒部24の上面には断面が、例えば流線形状に形成された支持部25が一体的に設けられている。この支持部25は、合成樹脂などによって形成されており、また上記支軸22と軸中心をほぼ一致させて設けられている。
【0026】
上記支持部25には、図3(a),(b)に示すように、上端面に開放した第1の挿入孔26が軸方向に沿って所定の深さで形成されている。また、上記支持部25の上記回転盤15の回転中心側の側面25aから径方向に沿って、第2の挿入孔27が外方側に向かい貫通して形成されている。
【0027】
この第2の挿入孔27には、上記回転盤15の回転中心側から所定位置まで大径部27aを有して形成されており、また上記第2の挿入孔27に対してこの第1の挿入孔26の一部分が交差するように形成されている。
【0028】
上記第1の挿入孔26には基板28の外周を係止する係止ピン29が着脱自在に挿入され、上記第2の挿入孔27に固定ピン30が着脱自在に挿入される。
上記係止ピン29は、例えば三フッ化塩化エチレン樹脂のような合成樹脂を材質として形成されており、この高さは後述する支持ピン33よりも高く形成されている。また上方側には環状に形成された鍔部31がこの係止ピン29の外径よりも大径に形成されている。この鍔部31が上記支持部25の上端面に係止して、上記第1の挿入孔26への上記係止ピン29の挿入深さを規制している。
【0029】
このように上記係止ピン29を上記第1の挿入孔26への挿入が規制される深さまで挿入した場合、上記係止ピン29には溝状の係止部32が上記第1の挿入孔26と第2の挿入孔27の交差する部分に周方向に沿って環状に形成されている。そのためこの状態で上記固定ピン30を上記第2の挿入孔27に挿入すれば、この係止部32にこの固定ピン30が係止して、上記係止ピン29の上下方向への摺動が規制され、上記第1の挿入孔26から上記係止ピン29が抜け出さないようになっている。
【0030】
また上記固定ピン30は、材質を例えばピーク材や三フッ化エチレン樹脂のような合成樹脂としており、この端部に径大な頭部30aが形成されている。そのため、上記固定ピン30は、この頭部30aで上記大径部27aに係止され、上記第2の挿入孔27から挿入方向へ抜出するのが規制されるようになっている。
【0031】
上記支持部25の上端面の上記回転盤15の回転中心側には、上記第1の挿入孔26に挿入される係止ピン29に近接するように、合成樹脂を材質とする支持ピン33が、一体成形またはねじなどにより取り付けられている。この支持ピン33は、上面に上記基板28を載置し、上記係止ピン29とで基板28を保持するようになっている。
【0032】
上記回転盤15とテーブル14との中心部分には図1に示すように通孔34が形成されている。この通孔34にはノズル体35が非接触状態で嵌挿されている。このノズル体35は円錐形状をなしていて、その上面にはノズル孔36が一端を開放して形成されている。このノズル体35の下端面には支持軸37の上端が連結されている。この支持軸37の上部は上記回転軸3内に軸受38によって回転自在に支持されたブラケット39に保持されている。
【0033】
また、回転軸3の内部の上記ブラケット39の下方には、上記軸受38と他の軸受40とによって上下端部が回転自在に支持されたハウジング41が設けられている。このハウジング41には上記支持軸37が挿通される第1の貫通孔42と、上記ノズル孔36に一端を接続した供給チュ−ブ43が挿通された第2の貫通孔44とが穿設されている。上記供給チュ−ブ43の他端は図示しない洗浄液の供給部に連通している。
【0034】
したがって、ノズル孔36からは、上記供給チューブ43からの洗浄液を保持部材21に保持された基板28の下面中心部に向けて噴射することができるようになっている。
【0035】
また、上記係止ピン29および上記支持ピン33に基板28が保持された場合に、この基板28に対して上方から洗浄液を吐出する、図示しないノズルなどが設けられている。
【0036】
また上記本体ベース1には、上記係止ピン29による基板28の係止および係止の解除を行う解除機構45が設けられている。
このような構成の基板処理装置によると、上記係止ピン29は支持部25に着脱自在に取り付けられ、かつ上記第2の挿入孔27への固定ピン30の挿入によってこの係止ピン29の抜けを規制している。そのため、この係止ピン29が使用に伴って消耗して交換の必要性が生じた場合、上記固定ピン30を抜けば係止ピン29を容易に抜くことができる。よってこの係止ピン29の交換を容易に行うことが可能となる。そのために係止ピン29が消耗して交換の必要性が生じても係止ピン29のみの交換を行えばよく、他の部分を一体的に交換する必要がないから、このメンテナンスにコストが掛からない。
【0037】
また上記係止ピン29の外周面には上記固定ピン30が係合する溝状の係止部32が形成されているため、係止ピン29の挿入後、上記第2の挿入孔27に上記固定ピン30を挿入するだけで、この固定ピン30を上記溝状の係止部32に係合させることができる。よって、上記係止ピン29の抜け出しを簡単に防止することが可能となる。
【0038】
さらに上記固定ピン30には、上記回転盤15の回転に伴って径方向外方に向かう遠心力が生じるが、上記固定ピン30に形成された頭部30aが上記第2の挿入孔27の大径部27aに係止される。そのため、固定ピン30が第2の挿入孔27に着脱自在に挿通されていても、回転処理時に上記固定ピン30が抜け出すことがない。
【0039】
また、上記係止ピン29にメンテナンスなどが必要となって、上記固定ピン30を抜く場合には、支持部25の外方側から上記第2の挿入孔27に挿入されている固定ピン30を、例えば押出し棒などによって押し出せば、この固定ピン30を簡単に抜くことが可能となる。それによって、上記係止ピン29も第1の挿入孔26から容易に取り外すことができる。
【0040】
さらに、上記係止ピン29には支持部25の上端面に係合する鍔部31が設けられているため、この係止ピン29の挿入および取り出しの際にこの係止ピン29の鍔部31を工具で把持して容易に抜くことが可能となる。そのため上記係止ピン29の側面部を工具によって損傷することがない。
【0041】
また、上記係止ピン29および上記固定ピン30は合成樹脂を材質として形成されているため、基板28を処理する薬液がこれら係止ピン29および固定ピン30に付着してもこの薬液による上記係止ピン29および上記固定ピン30の腐食を防止することが可能となる。
【0042】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下それについて述べる。
上記支持部25の形状はこれに限られるものではなく、係止ピン29を挿入可能であり、かつこの挿入された係止ピン29と係合して規制する固定ピン30を挿入可能であれば、どのようなものでも構わない。
また上記支持部25を係止する周囲の構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能となっている。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によると、上記保持部材には第1の挿入孔が形成され、この第1の挿入孔に上記基板の外周を係止する係止ピンが着脱自在に挿入されるので、上記係止ピンが使用によって消耗して交換する場合に、上記保持部材から上記固定ピンを抜出すれば係止ピンを抜出できる。そのため係止ピンのメンテナンスが容易に行える。
【0044】
請求項2記載の発明によると、上記係止ピンの外周面には、上記固定ピンが係合する溝状の係止部が形成されているため、係止ピンの挿入後、上記第2の挿入孔に固定ピンを挿入するだけで、この固定ピンが上記溝状の係止部に係合し、よって簡単に上記係止ピンの抜出を防止することができる。
【0045】
請求項3記載の発明によると、上記係止ピンには支柱の上端面に係合する鍔部が設けられているため、この係止ピンの挿入および抜出の際にこの係止ピンを工具で容易に把持することが可能となり、よってこの係止ピンの上記第1の挿入孔に挿入される部分に工具の把持によって損傷が生じなく、かつ工具での把持により係止ピンの挿入および抜出が容易となる。
【0046】
請求項4記載の発明によると、上記係止ピンおよび上記固定ピンのうち少なくとも係止ピンは合成樹脂より形成されているため、薬液を使用する場合でも上記係止ピンの薬液による腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる基板処理装置に設けられた係止ピンの取付状態を示す一側面図。
【図2】同実施の形態に係わる保持部材周辺の構造を示す斜視図。
【図3】同実施の形態に係わる係止ピンの構成を示す図で、(a)は側面断面図、(b)は正面断面図。
【符号の説明】
1…本体ベース
2…支持体
3…回転軸
9…処理容器
11…排出管
15…回転盤
21…保持部材
25…支持部
26…第1の挿入孔
27…第2の挿入孔
28…基板
29…係止ピン
30…固定ピン
32…係止部
33…支持ピン
34…通孔
35…ノズル体
41…ハウジング

Claims (4)

  1. 回転盤を有し、この回転盤上部で基板を保持して回転処理を行う基板処理装置において、
    上記回転盤に立設され、上端面に開放した第1の挿入孔が軸方向に沿って形成されているとともに、上記第1の挿入孔と交差する第2の挿入孔が上記回転盤の回転中心側から径方向に沿って形成された保持部材と、
    上記保持部材の上端面に設けられて上記基板の下面を支持する支持ピンと、
    上記第1の挿入孔に着脱自在に挿入されて上記基板の外周を係止する係止ピンと、
    上記第2の挿入孔にこの第2の挿入孔の上記回転盤の回転中心側から着脱自在に挿入され、上記係止ピンの側方部と係合してこの係止ピンの抜け出しを防止する固定ピンと、
    を具備したことを特徴とする基板処理装置。
  2. 上記係止ピンの外周面には、上記固定ピンが係合する溝状の係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 上記係止ピンには保持部材の上端面に係合する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の基板処理装置。
  4. 上記係止ピンおよび上記固定ピンのうち少なくとも係止ピンは合成樹脂より形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の基板処理装置。
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