JP3925318B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上の接続パッドに接続される配線及びバンプ電極を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
この種の半導体装置として、チップとパッケージのサイズがほぼ等しくなるCSP(Chip Size Package)構造の半導体装置が知られている。このCSP構造を、例えば電力素子のような比較的大電流を流す半導体装置に適用した場合を図5及び図6に示す。
【0003】
図5及び図6に示されるように、半導体装置20は、半導体基板1の表面側にアルミ電極等からなり、同一の電位(例えば、ソース電位あるいはドレイン電位)を扱うソースパッド2a及びドレインパッド2b(接続パッド)を有しており、これらソースパッド2a及びドレインパッド2bの上面側にはソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が露出するように、酸化シリコンあるいは窒化シリコン等からなるパッシベーション膜3が形成されている。
【0004】
そして、CSP構造を構成するように、このパッシベーション膜3の上面側には、ソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が開口するようにポリイミド系樹脂よりなる絶縁膜4が形成されている。
【0005】
また、絶縁膜4上には、ソースパッド2a及びドレインパッド2bと後述する電極6とを電気的に接続する再配線5が各々形成され、各再配線5上の所定箇所には電極6が設定されている。そして、半導体基板1の表面全体には、エポキシ樹脂等からなる封止膜7が電極6を覆うように形成されている。
【0006】
さらに、封止膜7の上端面は切削研磨されて電極6の端面が露出され、この露出された電極6上には、外部接続端子であるバンプ電極6aが設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、半導体基板1の表面に、パワートランジスタなどのパワー素子(領域8で示す)を形成した場合を検討する。このパワー素子8は、ソースパッド2a及びドレインパッド2b、再配線5及び電極6を介してバンプ電極6aと電気的に接続され、外部と接続されることとなる。そして、このパワー素子8は、通常100mA以上の大電流で駆動するものが多く、そのため、パワー素子8が接続されるソースパッド2a及びドレインパッド2bには大きな電流を流す必要がある。
【0008】
しかしながら、図6に示されるように、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対して各々1つのバンプ電極6aが再配線5を介してそれぞれ相互に接続される構成では、パワー素子8を駆動させるためにパワー素子8が接続されたバンプ電極6aに対して大電流を流すと、バンプ電極6aに流れる電流が許容電流量を超えてしまい、過電流によりバンプ電極6aが破損してしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑み、半導体基板上の接続パッドに接続される配線及びバンプ電極を有する半導体装置において、過電流によるバンプ電極の破損を防止しつつ、バンプ電極に対して大電流を流すことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の半導体装置は、半導体基板上に形成されたパワー素子が備えた接続パッドに対して配線を介してバンプ電極が電気的に接続された半導体装置において、接続パッドとそれと対応する複数のバンプ電極とを相互に接続する配線は、各バンプ電極及び接続パッドを囲むパターンを有して設けられているものであって、接続パッド1つに対してバンプ電極が複数設定されており、配線を介して1つ接続パッドと複数のバンプ電極とが相互に電気的に接続されることにより、接続パッドに対して流れる電流量よりもバンプ電極1つ当たりに対して流れる電流量を小さくしたことを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、接続パッド1つに対してバンプ電極が複数設定されているため、1つの接続パッドに対して1つのバンプ電極が配線を介してそれぞれ相互に接続された場合と比較して、バンプ電極1つ当たりに対して流す電流量を小さくすることができ、過電流によるバンプ電極の破損を防止することができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の半導体装置は、接続パッドとそれと対応する複数のバンプ電極とを相互に接続する配線は、各バンプ電極及び接続パッドを囲むパターンを有して設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、各バンプ電極及び接続パッドを囲むパターンを有した配線を設けているため、接続パッド1つに対して複数のバンプ電極が個々の配線によりそれぞれ接続された場合と比較して、配線の配線抵抗のばらつきを防止することができるため、特定のバンプ電極への電流集中を防止することができる。また、半導体装置から発生する熱を配線により放熱させることができるため、半導体装置の放熱性を向上させることができる。
【0016】
さらに、請求項2に記載のように、配線の角部には面取りを施したことにより、配線の角部における電流集中を抑制することができるため、電流集中による配線の劣化を抑制することができる。
さらに、請求項3に記載の半導体装置は、パワー素子が備えた接続パッドは、ソースパッド及びドレインパッドであることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体装置をCSP(Chip Size Package)構造の半導体装置に適用した一実施形態を、図面に従って説明する。尚、本実施形態では、このCSP構造を、例えば電力素子のような比較的大電流を流す半導体装置の適用している。
【0018】
図1には、本発明の一実施形態における半導体装置20の断面構造を示す。また、図2には図1におけるA矢視図を示し、図3には半導体装置20の製造方法を示す。尚、図2では樹脂膜7を省略して図示している。
【0019】
まず、本実施形態の半導体装置20は、図1及び図2に示されるように、半導体基板1の内部にパワートランジスタなどのパワー素子(領域8で示す)が形成されており、このパワー素子8のソース側、ドレイン側各々にソースパッド2a及びドレインパッド2b(本発明で言う、接続パッド)が設けられている。
【0020】
そして、ソース側においては、ソースパッド2a1つに対して複数個のバンプ電極6aが設定されており、再配線5を介して相互に接続されている。また、ドレイン側も同様に、ドレインパッド2b1つに対して複数個のバンプ電極6aが設定されており、再配線5を介して相互に接続されている。
【0021】
具体的に説明すると、本実施形態の半導体装置20は、半導体基板1の表面側にアルミ電極等からなり、同一の電位(例えば、ソース電位あるいはドレイン電位)を扱うソースパッド2a及びドレインパッド2bを有しており、これらソースパッド2a及びドレインパッド2bの上面側にはソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が露出するように、酸化シリコンあるいは窒化シリコン等からなるパッシベーション膜3が形成されている。
【0022】
そして、CSP構造を構成するように、このパッシベーション膜3の上面側には、ソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が開口するとともに、後述する電極6の下方に位置するようにポリイミド樹脂等からなる絶縁膜4が形成されている。
【0023】
また、絶縁膜4上には、ソースパッド2a及びドレインパッド2bと後述する電極6とを電気的に接続する再配線5(本発明で言う、配線)が各々形成され、各再配線5上の所定箇所には電極6が設定されている。そして、半導体基板1の表面全体には、例えばエポキシ樹脂等からなる封止膜7が電極6を覆うように形成されている。
【0024】
また、封止膜7の上端面は切削研磨されて電極6の端面が露出され、この露出された電極6上には、外部接続端子であるバンプ電極6aが設けられている。
【0025】
さらに、半導体基板1の表面にはパワー素子8が形成されており、このパワー素子8は、ソースパッド2a及びドレインパッド2b、再配線5及び電極6を介してバンプ電極6aと電気的に接続され、外部と接続されることとなる。
【0026】
ここで、図3を参照して、本実施形態の半導体装置20の製造工程について説明する。
【0027】
まず、図3(a)に示されるように、半導体基板1の表面にパワートランジスタなどのパワー素子8を形成する。次に、半導体基板1の表面側にアルミ電極等からなるソースパッド2a及びドレインパッド2bを設けて、これらソースパッド2a及びドレインパッド2bの上面側に、ソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部が露出するように、酸化シリコンあるいは窒化シリコン等からなる絶縁膜をパッシベーション膜3として形成する。次に、このパッシベーション膜3の上面側に、ソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が開口するとともに、後述する電極6の下方に位置するようにポリイミド樹脂等からなる絶縁膜4を形成する。尚、この絶縁膜4は、例えば半導体基板1の表面側全面にポリイミド系樹脂を塗布硬化させた後に、所定のレジストパターンを用いて絶縁パターニングを施すことで形成される。
【0028】
続いて、レジスト剥離後、図3(b)に示されるように、絶縁膜4に形成された開口部を介して露出されるソースパッド2a及びドレインパッド2b上に、銅あるいはアルミ等からなる再配線5を各々形成する。各再配線5は、導体層用のフォトレジストを塗布硬化させ、フォトリソグラフィ技術により所定形状の開口を有するパターニングを施した後、このレジストによって開口された部分に電解メッキを施すことで形成される。
【0029】
続いて、図3(c)に示されるように、再配線5上の所定箇所に、良好な導電特性を備える銅あるいははんだ等からなる電極6を設ける。この電極6は、電極形成用のフォトレジストを塗布硬化させた後、再配線5の所定箇所を露出する開口部を形成し、この開口部内に電解メッキを施すことで形成される。
【0030】
続いて、図3(d)に示されるように、半導体基板1の表面全体に、例えばエポキシ樹脂を塗布した後に硬化させて、電極6を覆うように封止膜7を形成する。
【0031】
続いて、図3(e)に示されるように、封止膜7の上端面を切削研磨して電極6の端面を露出させ、この露出した領域にはんだ等などからなるバンプ電極6aを形成することによって、図1に示すような半導体装置20が完成する。
【0032】
ここで、半導体基板1の表面にパワートランジスタなどのパワー素子8が形成される場合、このパワー素子8は、上述のように、通常100mA以上の大電流で駆動するものが多く、そのため、パワー素子8が接続されるソースパッド2a及びドレインパッド2bには大きな電流を流す必要がある。
【0033】
しかしながら、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対して各々1つのバンプ電極6aが再配線5を介してそれぞれ相互に接続される構成では、パワー素子8を駆動させるためにパワー素子8が接続されたバンプ電極6aに対して大電流を流すと、バンプ電極6aに流れる電流が許容電流量を超えてしまい、過電流によりバンプ電極6aが破損してしまうという問題があった。
【0034】
そこで、本実施形態では、図2に示されるように、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対してバンプ電極6aが各々複数設定され、再配線5を介してそれぞれ相互に接続されていることを特徴としている。尚、本実施形態では、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対して3つのバンプ電極6aがそれぞれ再配線5により接続されている。
【0035】
従って、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対して各々1つのバンプ電極6aが再配線5を介してそれぞれ相互に接続された場合と比較して、ドレイン側においては、バンプ電極6a1つ当たりのドレインパッド2bに対して流す電流量を小さくすることができ、ソース側においては、ドレインパッド2bからバンプ電極6a1つ当たりに対して流す電流量を小さくすることができる。
【0036】
その結果、パワー素子8を駆動させるためにバンプ電極6aに大電流を流したとしても、過電流によるバンプ電極6aの破損を防止することができる。
【0037】
さらに、図4に示されるように、ソースパッド2a及びドレインパッド2bと各バンプ電極6aとを接続する再配線5を、各バンプ電極6aとソースパッド2a及びドレインパッド2bとを囲むパターン(所謂、ベタ配線)を有して設けると好ましい。尚、この場合、効率よく電流を流すために、バンプ電極6aとソースパッド2a及びドレインパッド2bとの間には、その他のバンプ電極6aが配されないように、各バンプ電極6aとソースパッド2a及びドレインパッド2bを配置する必要がある。
【0038】
それによって、図2に示すような1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対してバンプ電極6aを各々複数設定し、再配線5を介してそれぞれ相互に接続した場合と比較して、再配線5の配線抵抗のばらつきを防止することができるため、特定のバンプ電極6aへの電流集中を防止することができ、電流集中によるバンプ電極6aの破損を防止することができる。また、半導体装置20から発生する熱を再配線5により放熱させることができるため、半導体装置20の放熱性を向上させることができる。
【0039】
この場合、各バンプ電極6aとソースパッド2aあるいはドレインパッド2bとを囲むパターンを有して設けられた再配線5の角部に面取りを施すと、再配線5の角部における電流集中を抑制することができるため、電流集中による再配線5の劣化を抑制することができる。
【0040】
尚、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な態様に適用可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、図2及び図4に示されるように、1つのソースパッド2a及びドレインパッド2bに対して各々3つのバンプ電極6aを設けた例について説明したが、これに限られるものではなく、バンプ電極6a、ソースパッド2a及びドレインパッド2bの数は上記実施形態に限定されるものではない。要は、ソースパッド2a、ドレインパッド2bの個数よりも、それに対応するバンプ電極6aの個数を多くすることにより、バンプ電極6a1つ当たりに流れる電流を小さくすることができ、過電流によるバンプ電極の破損を防止することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、パッシベーション膜3の上面側にソースパッド2a及びドレインパッド2bの中央部分が開口するように絶縁膜4を形成したが、この絶縁膜4は必ず必要なものではなく、絶縁膜4をパッシベーション膜3で代用させるようにしてもよい。この場合、再配線5や封止膜7はパッシベーション膜3上に形成されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面構造を示す図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】(a)から(e)は、本実施形態の半導体装置の製造方法を示す図である。
【図4】再配線の形状をベタ配線にした例を示す図である。
【図5】従来技術の半導体装置の断面構造を示す図である。
【図6】図5におけるB矢視図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、
2a…ソースパッド、
2b…ドレインパッド、
3…パッシベーション膜、
4…絶縁膜、
5…再配線、
6…電極、
6a…バンプ電極、
7…封止膜、
8…パワー素子、
20…半導体装置。
Claims (4)
- 半導体基板上に形成されたパワー素子が備えた接続パッドに対して配線を介してバンプ電極が電気的に接続された半導体装置において、
前記接続パッドとそれと対応する前記複数のバンプ電極とを相互に接続する前記配線は、前記各バンプ電極及び前記接続パッドを囲むパターンを有して設けられているものであって、
前記接続パッド1つに対して前記バンプ電極が複数設定されており、前記配線を介して前記1つ接続パッドと前記複数のバンプ電極とが相互に電気的に接続されることにより、前記接続パッドに対して流れる電流量よりも前記バンプ電極1つ当たりに対して流れる電流量を小さくしたことを特徴とする半導体装置。 - 前記配線の角部には面取りが施されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記パワー素子が備えた接続パッドは、ソースパッド及びドレインパッドであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 請求項1乃至3の何れか1つに記載の半導体装置において、前記半導体はCSP構造であることを特徴とする半導体装置。
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