JP3923669B2 - 商品販売登録データ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流通小売業などで用いられる電子式キャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)ターミナルなどの商品販売登録データ処理装置に関わり、特に、会員に対しては非会員よりも安い価格で商品を販売する会員サービス制度を導入した流通小売業向けの商品販売登録データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
百貨店や専門店等の流通小売業のなかには、会員を募り、会員となった買物客に対しては非会員よりも安い価格で商品を販売する制度、いわゆる会員サービス制度を導入して、顧客の安定化を図っているところがある。
従来、このような会員サービス制度を導入した流通小売業向けの商品販売登録データ処理装置としては、各会員にそれぞれ配付される会員カードに記録された会員コードなどのカード情報を読取るためのカードリーダを備えるとともに、各商品の商品コードに対応して通常価格と会員価格とを記憶した商品価格ファイルを設ける。そして、1買物客に対して販売する商品の登録開始に先立ちカードリーダで会員カードのカード情報が読取られると、買物客が会員であることを示すフラグ情報を記憶する。また、買物客に対して販売する商品の登録が行なわれると、前記フラグ情報から買物客が会員か非会員を判断し、会員であれば商品価格ファイルから該当商品の会員価格を読出して売上処理し、非会員であれば商品価格ファイルから該当商品の通常価格を読出して売上処理するようにしたものが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、食品だけでなく衣料品や家電製品などを取り扱う大規模なスーパーマーケット等では、会員になった各顧客がそれぞれどの商品部門(食品部門,衣料品部門.家電部門等)に属する商品をよく買上げているか、つまりは商品部門毎に店への貢献度を顧客別に調査し、特定の商品部門に対して貢献度が高い顧客にはその商品部門に属する商品をさらに値引販売することで、より効果的な販売促進サービスを実現できると考えられていた。
しかしながら、従来のこの種の商品販売登録データ処理装置においては、各商品毎に通常価格と会員価格とを設定し、会員との商取引のときには全て会員価格を読出して売上処理していたので、上記のような販売促進サービスを容易には実施できないのが実情であった。
【0004】
そこで本発明は、会員になった顧客毎に店への貢献度から商品部門別に優待レベルを設定し、特定の商品部門に対して優待レベルが高い会員に対してはその商品部門に属する商品をさらに値引して販売するという販売促進サービスを容易に実現できる商品販売登録データ処理装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明の商品販売登録データ処理装置は、各会員毎にその会員に対する商品部門別の、その商品部門に属する商品の売上累積データに基づいた優待レベル情報を記憶する会員情報記憶手段と、各商品毎にその商品が属する商品部門及び通常価格情報と優待レベル別の複数の会員価格情報とを記憶する商品情報記憶手段と、客買上商品を登録する商品登録手段と、この商品登録手段により登録された客買上商品の商品部門,通常価格情報及び優待レベル別会員価格情報を含む商品販売情報を商品情報記憶手段から取得する商品販売情報取得手段と、商品登録手段による登録が会員によって買上げられる商品の登録か非会員によって買上げられる商品の登録かを判断する会員・非会員判断手段と、この判断手段により非会員によって買上げられる商品の登録であると判断されると、商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から通常価格情報を取得する通常価格情報取得手段と、この通常価格情報取得手段により取得した通常価格情報で当該客買上商品を売上処理する非会員商品登録処理手段と、前記判断手段により会員によって買上げられる商品の登録であると判断されると、商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から商品部門を取得する商品部門取得手段と、この商品部門取得手段により商品部門を取得すると、その商品部門で会員情報記憶手段により記憶されている情報を検索して当該会員に対する該当商品部門の優待レベル情報を取得する優待レベル情報取得手段と、この優待レベル情報取得手段により優待レベル情報を取得すると、商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から当該優待レベルに対応した会員価格情報を取得する会員価格情報取得手段と、この会員価格情報取得手段により取得した会員価格情報で当該客買上商品を売上処理する会員商品登録処理手段とを備えたものである。
【0006】
本願請求項2記載の発明の商品販売登録データ処理装置は、上記請求項1記載の発明の商品販売登録データ処理装置が有する各構成要件に加えて、各会員毎にその会員が買上げた商品の商品部門別売上情報を集計する部門別売上集計手段と、この集計手段により顧客毎に集計した商品部門別売上情報に基づいて会員情報記憶手段により記憶されている各会員の商品部門別優待レベル情報を更新する優待レベル更新手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態では、衣料品,家具,家電製品,食品等の9つの商品部門に分類された商品を取り扱い、かつ会員に対して最大3段階の優待レベルL1,L2,L3を設定可能とした店舗のPOSシステムに本発明を適用した場合について述べる。
【0008】
図1は本実施の形態におけるPOSシステムの全体構成図であって、このPOSシステムは、登録された販売商品の売上処理機能をそれぞれ有する商品販売登録データ処理装置としての複数台のPOSターミナル1と、各POSターミナル1の売上処理機能を支援する1台のファイルプロセッサ2とを、インライン回線3で閉ループ状に接続してシステム化したものである。
前記各POSターミナル1は、各会員に対してそれぞれ配付される磁気カードまたはICカードなどからなる会員カード4に記録された会員コードなどのカード情報を読取るためのカードリーダ5をそれぞれ備えている。
【0009】
前記ファイルプロセッサ2は、図2に示すレコードフォーマットの会員ファイル情報を記憶する会員ファイル6、図3に示すレコードフォーマットの通常商品ファイル情報を記憶する通常商品ファイル7、図4に示すレコードフォーマットの会員商品ファイル情報を記憶する会員商品ファイル8等の各種データファイルを備えている。また、その具体的なレコードフォーマットは例示しないが、各種データファイルに追加するレコードまたは修正するレコードを記憶した更新ファイルや、各種データファイルから削除するレコードを記憶した削除ファイル等を作成しファイルプロセッサ2に転送する機能を有したホスト装置9が、電話回線等のオンライン回線10を介して接続されている。
【0010】
前記会員ファイル6は、図2に示すように、各会員に対してそれぞれ設定される固有の会員コードに対応して、その会員の氏名,住所,性別,電話番号などの会員個人情報を記憶するとともに、その会員に対して割り当てられる商品部門別の優待レベル情報と、当日より30日前までの日毎の商品部門別売上金額情報とを記憶するもので、会員情報記憶手段として機能する。
【0011】
前記通常商品ファイル7は、図3に示すように、店舗で販売する全商品の商品コードに対応して、その商品が属する商品部門の他、名称,通常価格,会員フラグMFなどの商品情報を記憶するファイルである。ここで、会員フラグMFとは、当該商品が会員サービス商品か否かを識別する情報であり、会員サービス商品であるとき“1”にセットされる。
【0012】
前記会員商品ファイル8は、図4に示すように、店舗で販売する全商品のうち会員サービス商品に指定された商品の商品コードに対応して、その商品の優待レベルL1,L2,L3別の会員価格(L1価格>L2価格>L3価格)をそれぞれ記憶するファイルである。ここに、通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8は商品情報記憶手段として機能する。
【0013】
図5は前記各POSターミナル1の要部構成を示すブロック図であって、各POSターミナル1は同一構成となっている。すなわち、このPOSターミナル1は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit )11を搭載している。また、前記CPU11が実行するプログラムなどを予め格納したROM(Read Only Memory)12、商品販売データを登録処理するためのメモリ領域等を備えたRAM(Random Access Memory)13、前記インライン回線3と接続しファイルプロセッサ2とデータの送受信を行なう通信インタフェース14、前記カードリーダ5の他、スキャナ15,キーボード16,表示部17,ドロワ18,プリンタ19の各種入出力機器を接続しデータの送受信を行なう入出力機器インタフェース110などを搭載している。そして、前記CPU11と、ROM12,RAM13,通信インタフェース14及び入出力機器インタフェース110とを、アドレスバス,データバス等のバスライン111で接続している。
【0014】
前記スキャナ15は、買物客に対して販売する商品に付されたバーコード(商品コード)を例えばレーザ光のスキャンにより光学的に読取り入力するもので、商品登録手段を構成する。
前記キーボード16は、数値データを置数入力するための置数キー、この置数キーによる数値データが買物客に対して販売する商品の販売点数であることを指令する乗算キー、1人の買物客に対して販売する商品の登録終了を宣言する締め登録手段としての締めキーの他、処理の実行を指令する実行キーや、処理の取消を指令する取消キーなどを配設したものである。
【0015】
前記表示部17は、登録された販売商品の名称,販売価格や1買物客に対して販売する全商品の合計金額などの情報を表示するもので、オペレータに対して上記情報を表示するオペレータ用表示器と、買物客に対して同様な情報を表示する顧客用表示器を備えている。
前記プリンタ19は、前記表示器17に表示した情報などを記したレシート等の印字を行なうものである。
【0016】
図6は前記ファイルプロセッサ2の要部構成を示すブロック図であって、このファイルプロセッサ2は、制御部本体としてCPU21を搭載している。また、プログラムなどを予め格納したROM22、前記各種データファイル6〜8を記憶するためのメモリ領域等を備えたRAM23、前記オンライン回線10と接続しホスト装置9とデータの送受信を行なうMODEM(変復調装置)24、前記インライン回線3と接続し各POSターミナル1とデータの送受信を行なう通信インタフェース25、キーボード,表示部,プリンタ等の入出力機器と接続しデータの送受信を行なう入出力機器インタフェース26などを搭載している。そして、前記CPU21と、ROM22,RAM23,MODEM24,通信インタフェース25及び入出力機器インタフェース26とを、アドレスバス,データバス等のバスライン27で接続している。
【0017】
かかるハードウェア構成の各POSターミナル1及びファイルプロセッサ2からなるPOSシステムにおいて、特に、ファイルプロセッサ2のRAM23には、図7に示すように、各商品部門別に3段階の優待レベルL1,L2,L3の各下限金額データを記憶するレベル判定テーブル31を形成している。ここで、下限金額とは、対応する優待レベルが割り当てられる会員の該当商品部門における売上集計金額の下限値である。
【0018】
一方、各POSターミナル1のRAM13には、図8に示すように、会員コード,会員個人情報,商品部門別の優待レベル及び売上金額並びにその売上金額の合計金額を記憶するエリアを有してなる会員処理テーブル41と、会員との商取引か否かを識別する会員取引フラグF(1:会員商取引,0:非会員商取引)を記憶するフラグメモリ42とを形成している。
【0019】
しかして、各POSターミナル1のCPU11は、それぞれ図9の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU11は、ST(ステップ)1としてカードリーダ5により会員カードに記録された会員コードなどのカード情報が読取られた場合には、ST2としてそのカード情報を含む会員ファイル情報問合せ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース14によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これにより、ST3として上記ファイルプロセッサ2から該当する会員ファイル情報(会員コード,会員個人情報及び商品部門別優待レベル)の応答伝文を受信すると、ST4としてその会員ファイル情報を会員処理テーブル41の該当するエリアにそれぞれ格納するとともに、フラグメモリ42の会員取引フラグFを“1”にセットする。なお、ST3にてファイルプロセッサ2から該当する会員ファイル情報の応答伝文を受信できなかった場合には、会員カードの読取りエラーを表示して、この処理を終了する。
【0020】
またCPU11は、ST5としてスキャナ15などの商品登録手段により客に販売する商品の商品コード及び販売点数の登録が行なわれると、ST6として前記会員取引フラグFを調べる(会員・非会員判断手段)。そして、この会員取引フラグFが“1”にセットされていた場合には会員に対して販売する商品の登録が行なわれたので、ST7として図10に具体的に示す会員商品登録処理を実行する。
【0021】
この会員商品登録処理では先ず、CPU11は、ST71として登録商品の商品コードを含む商品販売情報問合わせ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース14によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、ST72として上記ファイルプロセッサ2から該当する商品販売情報(商品コード,商品部門,商品名称,通常価格,優待レベル別会員価格)の応答伝文を受信したならば、CPU11は、ST73としてその商品販売情報中の商品部門を取得する。次に、ST74として会員処理テーブル41を検索して、該当商品部門の優待レベルを取得する。次に、ST75として商品販売情報中の優待レベル別会員価格の中からST74の処理で取得した優待レベルの会員価格を取得し、その会員価格で登録商品の販売点数分を売上処理する。なお、優待レベルが「0」の場合には、通常価格で登録商品の販売点数分を売上処理する。しかる後、ST76として登録商品の販売点数分を売上処理した際の売上金額(販売点数×会員価格または通常価格)を、会員処理テーブル41の当該登録商品が属する商品部門の売上金額エリアと合計金額エリアとにそれぞれ加算する。以上で、この会員商品登録処理を終了する(会員商品登録処理手段)。
【0022】
一方、ST6にて会員取引フラグが“0”にリセットされていた場合には、非会員に対して販売する商品が登録されたので、CPU11は、ST8として非会員商品登録処理を実行する。この非会員商品登録処理は先ず、登録商品の商品コードを含む商品販売情報問合わせ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース14によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、上記ファイルプロセッサ2から該当する商品販売情報(商品コード,商品名称,通常価格,優待レベル別会員価格)の応答伝文を受信したならば、登録商品の販売点数分を全て通常価格で売上処理する。以上で、この非会員商品登録処理を終了する(非会員商品登録処理手段)。
【0023】
図9に説明を戻す。
こうして、CPU11は会員商品登録処理または非会員商品登録処理を終えると、ST9として締め登録手段としての締めキーにより1買物客に販売する商品の登録終了が宣言されたか否かを判断する。そして商品の登録終了が宣言されず商品登録手段により次の商品登録が行われた場合には、上記会員商品登録処理または非会員商品登録処理を繰返す。
【0024】
ST9にて商品の登録終了が宣言されたことを確認した場合には、CPU11は、ST10として前記会員取引フラグFを調べる。そして、この会員取引フラグFが“1”にセットされていた場合には1会員に販売する商品の登録終了が宣言されたので、ST11として図11に具体的に示す会員締め登録処理を実行する。
【0025】
先ず、CPU11は、ST111としてその1会員に販売する商品の合計金額に基づいて請求金額を算出し、表示部17に表示させる。次に、ST112としてその請求金額に対する支払い情報が入力されるのを待機し、キーボード16のキー操作により支払い情報が入力されると、ST113として釣銭計算などの会計処理を実行する。また、ST114としてプリンタ19を駆動してレシートを印字し発行する。
【0026】
しかる後、ST115として会員処理テーブル41に記憶している会員コードとともに部門別売上金額及び合計金額の各データを読出して更新コマンド伝文を作成し、この更新コマンド伝文を前記通信インタフェース14によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、ST116として上記ファイルプロセッサ2からコマンドの受信完了を示す許諾応答伝文を受信したならば、この会員締め登録処理を終了する。
【0027】
なお、ST116にてファイルプロセッサ2からビジィ応答を受信したり、更新コマンドを送信してから一定時間を経過しても許諾応答を受信できなかった場合には、予め設定されたリトライ回数まで上記更新コマンドの送信処理を繰返す。そして、リトライ回数だけ更新コマンドを送信してもファイルプロセッサ2から許諾応答を得られなかった場合には(ST117のNO)、ST118として会員処理テーブル41の内容を同RAM13に形成した退避メモリファイルに転送して、この会員締め登録処理を終了する。
なお、退避メモリファイルに転送され保持された会員処理ファイル41の内容は、例えば閉店後にまとめてファイルプロセッサ2に送信されるものとなっている。
【0028】
図9に説明を戻す。
こうして、CPU11は、会員締め登録処理を終了すると、ST12として会員処理テーブル41をクリアする。また、フラグメモリ42の会員取引フラグFを“0”にリセットして、次客が買上げる商品の登録開始に備える。
【0029】
一方、ST11にて会員取引フラグが“0”にリセットされていた場合には、非会員に対して販売する商品の登録終了が宣言されたので、CPU11は、ST13として非会員締め登録処理を実行する。この非会員締め登録処理は、先ず、非会員に販売する商品の合計金額に基づいて請求金額を算出し、表示部17に表示させる。次に、その請求金額に対する支払い情報が入力されるのを待機し、キーボード16のキー操作により支払い情報が入力されると、釣銭計算などの会計処理を実行する。しかる後、プリンタ19を駆動してレシートを印字し発行したならば、この非会員締め登録処理を終了する。そして、次客が買上げる商品の登録開始に備える。
以上で、各POSターミナル1におけるCPU11の主要な処理制御手順の説明を終了する。
【0030】
次に、ファイルプロセッサ2におけるCPU21の主要な処理制御手順について説明する。
はじめに、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、インライン回線3で接続された各POSターミナル1から前記会員ファイル情報問合わせ伝文を受信すると、その問合わせ伝文中の会員コードで会員ファイル6を検索する。そして、同一会員コードの会員ファイル情報を検出したならば、その同一会員コードの会員ファイル情報(会員個人情報及び商品部門別優待レベル)を含む応答伝文を作成し、この応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信するものとなっている。
なお、同一会員コードの会員ファイル情報を検出できなかった場合には、エラー応答伝文を作成し、このエラー応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信するものとなっている。
【0031】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、各POSターミナル1から前記商品販売情報問合わせ伝文を受信すると、その問合わせ伝文中の商品コードで通常商品ファイル7を検索する。そして、同一商品コードの通常商品ファイル情報を検出した場合には、その通常商品ファイル情報中の商品名称と通常価格とをRAM23の一時エリアに取得する。次に、その通常商品ファイル情報中の会員フラグMFを調べる。ここで、会員フラグMFが“1”にセットされていた場合には、問合わせがあった商品は会員サービス商品なので、問合わせ伝文中の商品コードで会員商品ファイル8を検索する。そして、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出したならば、その会員商品ファイル情報中の優待レベル別会員価格情報とをRAM23の一時エリアに取得する。しかる後、一時エリアに格納した情報から商品販売情報の応答伝文を作成する。そして、この商品販売情報の応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信するものとなっている。
なお、通常商品ファイル7を検索した結果、同一商品コードの通常商品ファイル情報を検出できなかった場合には、エラー応答伝文を作成し、このエラー応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信するものとなっている。
【0032】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、各POSターミナル1から前記会員処理テーブル情報を含む更新コマンド伝文を受信すると、先ず、更新コマンド伝文中の会員処理テーブル情報における会員コードで会員ファイル6を検索する。そして、会員コードが一致する会員ファイル情報を検出したならば、その会員ファイル情報中の当日部門別売上金額エリアの内容に、更新コマンド伝文中の部門別売上金額及び合計金額をそれぞれ加算処理する。しかる後、許諾応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介してコマンド送信元のPOSターミナル1に送信するものとなっている。
【0033】
さらに、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、閉店後の夜間処理として、特に会員ファイル6に記憶した各会員ファイル情報の全てについて、図12に示すレベル更新処理を順次実行するものとなっている。
すなわちCPU21は、会員ファイル6から会員ファイル情報の1レコードを読出す毎に、ST1としてその会員ファイル情報中の当日から30日前までの各部門別売上金額についてそれぞれ部門別に集計することより、当日より過去30日前までの部門別売上総額を算出する(部門別売上集計手段)。次に、ST2としてCPU内蔵の部門カウンタx及びレベルカウンタyをそれぞれ“1”に初期化した後、ST3としてST1で算出した部門別売上総額から商品部門xの売上総額Aを読出すとともに、前記レベル判定テーブル31から当該商品部門xにおける優待レベルyの下限金額Bを読出す。そして、この売上総額Aと下限金額Bとを比較する。その結果、ST4として売上総額Aが下限金額B以上の場合には、ST5として前記レベルカウンタyを+1だけカウントアップする。次に、ST6として前記レベルカウンタyが優待レベル数“3”を超えたか否かを判断し、超えていない場合にはST3に戻る。そして、前記レベル判定テーブル31から当該商品部門xにおける優待レベルyの下限金額Bを読出したならば、この売上総額Aと下限金額Bとを比較する。
【0034】
ST4にて売上総額Aが下限金額Bに満たない若しくは下限金額Bが未設定[*]の場合、またはST6にて前記レベルカウンタyが“3”を超えた場合には、ST7として当該会員ファイル情報中の各部門別優待レベルのうち、当該商品部門xにおける優待レベルを(y−1)の値に更新する(優待レベル更新手段)。
しかる後、ST8として前記部門カウンタxを+1だけカウントアップするとともに、優待レベルカウンタyを“1”に初期化する。次に、ST9として前記レベルカウンタyが商品部門数“9”を超えたか否かを判断し、超えていない場合にはST3に戻る。そして、前記レベル判定テーブル31から当該商品部門xにおける優待レベルyの下限金額Bを読出したならば、この売上総額Aと下限金額Bとを比較する。
【0035】
ST9にて前記部門カウンタxが“9”を超えた場合には、当該会員ファイル情報の当日より過去30日間の商品部門別売上総額に基づき部門1から部門9までの各部門別の優待レベルを最新のものに更新したので、ST10として会員ファイル情報中の当日から29日前までの各部門別売上金額情報を、それぞれ前日から30日前までの部門別売上情報エリアに1日ずつシフトして上書きする。しかる後、ST11として会員ファイル情報中の当日の部門別売上情報エリアをクリアしたならば、当該会員ファイル情報によるレベル更新処理を終了する。
【0036】
このように構成された本実施の形態のPOSシステムにおいては、各会員毎に当日より過去30日間分の毎日の商品部門別売上金額情報が会員ファイル6により記憶管理されている。そして、毎閉店後にファイルプロセッサ2にて実施される夜間処理において、この当日より過去30日間分の毎日の商品部門別売上金額情報から商品部門毎の売上総額が算出され、さらに商品部門毎に売上総額とレベル判定テーブル31に部門別に設定されている各優待レベル別の下限金額とがそれぞれ比較されて、商品部門毎に優待レベルが決定される。そして、この商品部門別の優待レベルも前記会員ファイル6にて記憶管理されるようになっている。
【0037】
例えば、今、レベル判定テーブル31に図7に示すデータが設定されているとした場合、過去30日間の衣料品部門の売上総額が1万円以上の会員に対しては衣料品部門の優待ランクとしてL2が設定され、1万円に満たない会員に対してはL1が設定される。同様に、過去30日間の家具部門の売上総額が6万円以上の会員に対しては家具部門の優待ランクとしてL3が設定され、2万円以上で6万円未満の会員に対してはL2が設定され、3千円以上で2万円未満の会員に対してはL1が設定される。なお、家具部門の売上総額が3千円に満たない会員対しては、たとえ会員であっても家具部門の優待ランクは設定されない。
【0038】
また、本実施の形態のPOSシステムにおいては、各商品毎にその商品が属する商品部門及び通常価格情報が通常商品ファイル7により記憶管理されるとともに、会員サービス商品につていは優待レベル別の複数の会員価格情報が会員商品ファイル8により記憶管理されている。
【0039】
しかして、POSターミナル1においては、買物客が買上げる商品の登録に先立ちカードリーダ5によって会員カード4のカード情報を読取らせると、そのカード情報を含む会員ファイル情報問合せ伝文が作成され、この問合わせ伝文がインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信される。ファイルプロセッサ2においては、問合せ伝文中の会員コードで会員ファイル6が検索され、対応する会員ファイル情報(会員コード,会員個人情報及び商品部門別優待レベル)が読出されて当該POSターミナル1に返信される。これにより、POSターミナル1においては、この会員ファイル情報が会員処理テーブル41に一時的に格納される。
【0040】
この状態で、会員サービス商品の販売登録が行われると、先ず、その会員サービス商品の商品部門とともに通常価格及び優待レベル別会員価格がファイルプロセッサ2の通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8から読出される。次に、会員処理テーブル41から当該会員サービス商品の商品部門に対応する優待レベルが取得される。
【0041】
ここで、優待レベルがL1の場合には優待レベルL1の会員価格で売上処理され、優待レベルがL2の場合には優待レベルL2の会員価格で売上処理され、優待レベルがL3の場合には優待レベルL3の会員価格で売上処理される。なお、優待レベルが0(設定無し)の場合には通常価格で売上処理される。
【0042】
したがって、例えば衣料品部門の優待レベルがL1でかつ家具部門の優待レベルがL2の会員に対しては、衣料品部門に属する商品は優待レベルL1の会員価格で販売され、家具部門に属する商品は優待レベルL2の会員価格で売上処理される。同様に、例えば衣料品部門の優待レベルがL2でかつ家具部門の優待レベルが0の会員に対しては、衣料品部門に属する商品は優待レベルL2の会員価格で販売され、家具部門に属する商品は通常価格で売上処理される。
【0043】
このように本実施の形態によれば、各会員毎にその会員に対する商品部門別の優待レベル情報を記憶する会員ファイル6と、各商品毎にその商品が属する商品部門及び通常価格情報と優待レベル別の複数の会員価格情報とを記憶する通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8とを形成している。そして、客買上商品の登録が行われると、この登録が会員によって買上げられる商品の登録か非会員によって買上げられる商品の登録かを判断する。そして、会員によって買上げられる商品の登録の場合には、通常商品ファイル7から当該客買上商品が属する商品部門を取得し、さらに会員ファイル6から当該会員に対する該当商品部門の優待レベル情報を取得し、さらに会員商品ファイル8から当該客買上商品の当該優待レベルに対応した会員価格情報を取得して、この会員価格情報に基づいて当該客買上商品を売上処理するようにしている。
したがって、会員になった各顧客がそれぞれどの商品部門に属する商品をよく買上げているか、つまりは商品部門毎に店への貢献度を顧客別に判定し、その貢献度に応じて優待レベルを設定して、特定の商品部門に対して優待レベルが高い会員に対してはその商品部門に属する商品をさらに値引して販売するという販売促進サービスを容易に実現できるようになる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、各会員毎にその会員が買上げた商品の商品部門別売上金額を当日より過去30日間にわたり日々集計し、この集計した商品部門別の売上金額に基づいて各会員の商品部門別優待レベル情報を自動的に設定するようにしている。
したがって、各会員客の商品部門別の店への貢献度が自動的に判定され、その判定結果により商品部門別の優待レベルが自動的に設定されるので、各会員の商品部門別優待レベルを決定する作業に要する人為的負担を完全に無くすことができる。また、この作業は閉店後の夜間処理において自動的に実行されるので、この作業がシステムのパフォーマンスを低下させるおそれもない。
【0045】
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば前記一実施の形態では、本発明をPOSターミナルに適用し、会員情報記憶手段としての会員ファイル6及び商品情報記憶手段としての通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8を外部(ファイルプロセッサ2)の記憶装置に設けたが、これらのファイルをターミナル内部の記憶装置に設けて、単体で本発明の機能を実現するようにしてもよいものである。
【0047】
また前記一実施の形態では、商品部門別の店への貢献度を判定するための材料として売上金額を用いたが、ある一定の期間内の売上点数を商品部門別に累積し、その売上点数の累積結果をもとに商品部門別の優待レベルを設定するこ
とも可能である。
【0048】
また前記一実施の形態では、優待レベル別に各商品の会員価格を予め設定したが、優待レベル別に割引率または値引額を予め設定し、会員が買上げる商品の登録の際には、その商品が属する部門に対する当該会員の優待レベルに応じた割引率または値引額を取得し、当該商品の通常価格とその割引率または値引額とから割引演算または値引演算を行って割引または値引後の会員価格を算出して売上処理するようにしても本発明と同様な作用効果を奏し得るものである。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように本願請求項1記載の発明によれば、会員になった顧客毎に店への貢献度を商品部門毎に判定し、この商品部門毎の貢献度から商品部門別に優待レベルを設定し、特定の商品部門に対して優待レベルが高い会員に対してはその商品部門に属する商品をさらに値引して販売するという販売促進サービスを容易に実現できる商品販売登録データ処理装置を提供できる。
また、本願請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、会員になった各顧客に対してそれぞれ店への商品部門毎の貢献度から決定される商品部門別の優待レベルを自動的に設定することができ、優待レベル設定作業に要する負担を無くすことができる商品販売登録データ処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態であるPOSシステムの全体構成図。
【図2】 図1における会員ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図3】 図1における通常商品ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図4】 図1における会員商品ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図5】 図1におけるPOSターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図6】 図1におけるファイルプロセッサの要部構成を示すブロック図。
【図7】 ファイルプロセッサのRAMに形成するレベル判定テーブルを示す図。
【図8】 POSターミナルのRAMに形成する会員処理テーブル及びフラグメモリを示す図。
【図9】 POSターミナルのCPUが実行する主要処理の要部を示す流れ図。
【図10】図9における会員商品登録処理を具体的に示す流れ図。
【図11】図9における会員締め登録処理を具体的に示す流れ図。
【図12】ファイルプロセッサのCPUが実行するレベル更新処理を示す流れ図。
【符号の説明】
1…POSターミナル
2…ファイルプロセッサ
4…会員カード
5…カードリーダ
6…会員ファイル
7…通常商品ファイル
8…会員商品ファイル
31…レベル判定テーブル
41…会員処理テーブル
Claims (2)
- 各会員毎にその会員に対する商品部門別の、その商品部門に属する商品の売上累積データに基づいた優待レベル情報を記憶する会員情報記憶手段と、
各商品毎にその商品が属する商品部門及び通常価格情報と優待レベル別の複数の会員価格情報とを記憶する商品情報記憶手段と、
客買上商品を登録する商品登録手段と、
この商品登録手段により登録された客買上商品の商品部門,通常価格情報及び優待レベル別会員価格情報を含む商品販売情報を前記商品情報記憶手段から取得する商品販売情報取得手段と、
前記商品登録手段による登録が会員によって買上げられる商品の登録か非会員によって買上げられる商品の登録かを判断する会員・非会員判断手段と、
この判断手段により非会員によって買上げられる商品の登録であると判断されると、前記商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から通常価格情報を取得する通常価格情報取得手段と、
この通常価格情報取得手段により取得した通常価格情報で当該客買上商品を売上処理する非会員商品登録処理手段と、
前記判断手段により会員によって買上げられる商品の登録であると判断されると、前記商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から商品部門を取得する商品部門取得手段と、
この商品部門取得手段により商品部門を取得すると、その商品部門で前記会員情報記憶手段により記憶されている情報を検索して当該会員に対する該当商品部門の優待レベル情報を取得する優待レベル情報取得手段と、
この優待レベル情報取得手段により優待レベル情報を取得すると、前記商品販売情報取得手段により取得した商品販売情報から当該優待レベルに対応した会員価格情報を取得する会員価格情報取得手段と、
この会員価格情報取得手段により取得した会員価格情報で当該客買上商品を売上処理する会員商品登録処理手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。 - 各会員毎にその会員が買上げた商品の商品部門別売上情報を集計する部門別売上集計手段と、
この集計手段により顧客毎に集計した商品部門別売上情報に基づいて会員情報記憶手段により記憶されている各会員の商品部門別優待レベル情報を更新する優待レベル更新手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載の商品販売登録データ処理装置。
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