JP3977946B2 - 商品販売登録データ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流通小売業などで用いられる電子式キャッシュレジスタやPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)ターミナルなどの商品販売登録データ処理装置に関わり、特に、会員に対しては非会員よりも安い価格で商品を販売する会員サービス制度を導入した流通小売業向けの商品販売登録データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
百貨店や専門店等の流通小売業のなかには、会員を募り、会員となった買物客に対しては非会員よりも安い価格で商品を販売する制度、いわゆる会員サービス制度を導入して、顧客の安定化を図っているところがある。
従来、このような会員サービス制度を導入した流通小売業向けの商品販売登録データ処理装置としては、各会員にそれぞれ配付される会員カードに記録された会員コードなどのカード情報を読取るためのカードリーダを備えるとともに、各商品の商品コードに対応して通常価格と会員価格とを記憶した商品価格ファイルを設ける。そして、1買物客に対して販売する商品の登録開始に先立ちカードリーダで会員カードのカード情報が読取られると、買物客が会員であることを示すフラグ情報を記憶する。また、買物客に対して販売する商品の登録が行なわれると、前記フラグ情報から買物客が会員か非会員を判断し、会員であれば商品価格ファイルから該当商品の会員価格を読出して売上処理し、非会員であれば商品価格ファイルから該当商品の通常価格を読出して売上処理するようにしたものが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の商品販売登録データ処理装置においては、会員カードが読取られた商取引では会員価格が設定されている商品はいつでも会員価格で売上処理されていたので、会員カードを提示さえすればいつでもまたいくらでも会員価格で商品を購入することができ、例えば1枚の同一会員カードを非会員を含む複数人で使い回したり、会員になりすました悪質な同業者が転売目的で買ったりするような不正行為を防止することができなかった。
【0004】
このような不正行為を防止するために、会員カード提示者と会員との同一性を暗証番号の照会などにより厳密にチェックしたり、1回の商取引における同一商品購入個数に制限を設けたりするなどの方策が考えられるが、これらの方策を採用しても、正規会員が特定商品を複数の商取引にわけて購入し、結果的に特定の人が特定商品を買い占めてしまうようなことを防止することはできなかった。
【0005】
そこで本発明は、1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品を、会員毎に総販売点数までは会員価格で売上処理でき、総販売点数を超えると通常価格で売上処理することができ、1人の会員が特定のサービス商品を複数の商取引にわけてまとめ買いしてもその会員に過剰なサービスが付与されるのを禁止できる商品販売登録データ処理装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1記載の発明は、1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を記憶する会員サービス商品情報記憶手段と、各会員別にその会員に対して販売した会員サービス商品の商品別販売累積点数を記憶する会員販売実績記憶手段と、会員に対して販売する会員サービス商品の商品コード及び販売点数の登録が行なわれると、会員販売実績記憶手段による記憶情報から当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を取得するとともに、会員サービス商品情報記憶手段による記憶情報から当該会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を取得し、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と販売制限点数とを比較する点数比較手段と、この点数比較手段により販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数以下のとき、会員サービス商品を会員価格で売上処理するとともに会員販売実績記憶手段により記憶されている当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を今回の販売点数分を含む値に更新する第1の会員サービス商品登録制御手段と、点数比較手段により販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数を超えるとき、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と販売制限点数との差を超過数として算出する超過数演算手段と、この超過数演算手段により算出された超過数と今回の販売点数との差を会員販売可能数として算出する販売可能数演算手段と、この販売可能数演算手段により算出された会員販売可能数を表示して当該会員サービス商品の登録を実行するか取り消すかの選択入力を受付ける販売可能数処理受付手段と、この販売可能数処理受付手段により実行が選択入力された場合は、今回の販売点数のうち会員販売可能数分を前記会員価格で売上処理し、残りを前記通常価格で売上処理し、取消が選択された場合は、当該会員サービス商品の登録を中止する第2の会員サービス商品登録制御手段とを備えたものである。
【0008】
本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明に、会員サービス商品毎にサービス期間終了の指令を受ける指令待ち手段と、この指令待ち手段によりサービス期間終了の指令を受けると、会員販売実績記憶手段により会員別に記憶されている情報からサービス期間終了が指令された会員サービス商品の販売累積点数情報を検索して削除する情報削除手段とを備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態では、会員に対しては1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品を非会員よりも安い価格で販売する会員サービス制度を導入した店舗向けのPOSターミナルに、本発明を適用した場合について述べる。
図1は本発明に関わるPOSターミナル1を用いたPOSシステムの全体構成図であって、このPOSシステムは、登録された販売商品の売上処理機能をそれぞれ有する複数台のPOSターミナル1と、各POSターミナル1の売上処理機能を支援する1台のファイルプロセッサ2とを、インライン回線3で閉ループ状に接続してシステム化したものである。
【0010】
前記各POSターミナル1は、各会員に対してそれぞれ配付される磁気カードまたはICカードなどからなる会員カード4に記録された会員コードなどのカード情報を読取るためのカードリーダ5をそれぞれ備えている。
【0011】
前記ファイルプロセッサ2は、図2に示すレコードフォーマットの会員ファイル情報を記憶する会員ファイル6、図3(a)に示すレコードフォーマットの通常商品ファイル情報を記憶する通常商品ファイル7、図3(b)に示すレコードフォーマットの会員商品ファイル情報を記憶する会員商品ファイル8、図4に示すレコードフォーマットの販売管理ファイル情報を記憶する販売管理ファイル9等の各種データファイルを備えている。また、その具体的なレコードフォーマットは例示しないが、各種データファイルに追加するレコードまたは修正するレコードを記憶した更新ファイル10や、各種データファイルから削除するレコードを記憶した削除ファイル11等を作成しファイルプロセッサ2に転送する機能を有したホスト装置12が、電話回線等のオンライン回線13を介して接続されている。
【0012】
前記会員ファイル6は、図2に示すように、各会員に対してそれぞれ設定される固有の会員コードに対応して、その会員の氏名,住所,性別,電話番号などの会員個人情報を記憶するとともに、その会員に対して販売した会員サービス商品の商品コード及びその商品の販売累積点数を販売制限制御情報として記憶するもので、会員販売実績記憶手段として機能する。なお、会員サービス商品とは、商品毎に設定されるサービス期間中に会員に対しては非会員よりも安い価格で販売される商品であり、ただしサービス期間内での1会員に対する総販売点数に制限をもたせている。
【0013】
前記通常商品ファイル7は、図3(a)に示すように、店舗で販売する全商品の商品コードに対応して、その商品の名称,通常価格,会員フラグMFなどの商品情報を記憶するファイルである。ここで、会員フラグMFとは、当該商品が会員サービス商品か否かを識別する情報であり、会員サービス商品であるとき“1”にセットされる。
【0014】
前記会員商品ファイル8は、図3(b)に示すように、店舗で販売する全商品のうち会員サービス商品に指定された商品の商品コードに対応して、その商品の会員価格,販売制限点数などの会員サービス商品情報を記憶するファイルである。ここに、会員サービス商品の通常価格は通常商品ファイル7に記憶され、会員価格及び販売制限点数は会員商品ファイル8に記憶されるので、通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8は会員サービス商品情報記憶手段として機能する。
【0015】
前記販売管理ファイル9は、図4に示すように、各会員サービス商品の商品コード別に、その会員サービス商品を購入した会員の会員コードをまとめて記憶するファイルである。
【0016】
図5は前記ファイルプロセッサ2の要部構成を示すブロック図であって、このファイルプロセッサ2は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit )21を搭載している。また、前記CPU21の演算処理等を制御するプログラムなどを予め格納したROM(Read Only Memory)22、前記各種データファイル6〜9を形成するためのメモリ領域等を備えたRAM(Random Access Memory)23、前記オンライン回線13と接続しデータの送受信を行なうMODEM(変復調装置)24、前記インライン回線3と接続しデータの送受信を行なう通信インタフェース25、キーボード,表示部,プリンタ等の入出力機器と接続しデータの送受信を行なう入出力機器インタフェース26などを搭載している。そして、前記CPU21と、ROM22,RAM23,MODEM24,通信インタフェース25及び入出力機器インタフェース26とを、アドレスバス,データバス等のバスライン27で接続して、ファイルプロセッサ2を構成している。
【0017】
図6は前記各POSターミナル1の要部構成を示すブロック図であって、各POSターミナル1は同一構成となっている。すなわち、このPOSターミナル1は、制御部本体としてCPU31を搭載している。また、プログラムなどを予め格納したROM32、商品販売データを登録処理するためのメモリ領域等を備えたRAM33、前記インライン回線3と接続しデータの送受信を行なう通信インタフェース34、前記カードリーダ5の他、スキャナ35,キーボード36,表示部37,ドロワ38,プリンタ39の各種入出力機器を接続しデータの送受信を行なう入出力機器インタフェース40などを搭載している。そして、前記CPU31と、ROM32,RAM33,通信インタフェース34及び入出力機器インタフェース40とを、アドレスバス,データバス等のバスライン41で接続して、POSターミナル1を構成している。
【0018】
前記スキャナ35は、買物客に対して販売する商品に付されたバーコード(商品コード)を例えばレーザ光のスキャンにより光学的に読取り入力するもので、商品登録手段を構成する。
前記キーボード36は、数値データを置数入力するための置数キー、この置数キーによる数値データが買物客に対して販売する商品の販売点数であることを指令する乗算キー、1人の買物客に対して販売する商品の登録終了を宣言する締め登録手段としての締めキーの他、処理の実行を指令する実行キーや、処理の取消を指令する取消キーなどを配設したものである。
【0019】
前記表示部37は、登録された販売商品の名称,販売価格や1買物客に対して販売する全商品の合計金額などの情報を表示するもので、オペレータに対して上記情報を表示するオペレータ用表示器と、買物客に対して同様な情報を表示する顧客用表示器を備えている。
前記プリンタ39は、前記表示器37に表示した情報などを記したレシート等の印字を行なうものである。
【0020】
さて、前記POSターミナル1のCPU31は、特に図7の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU31は、ST(ステップ)1としてカードリーダ5により会員カードに記録された会員コードなどのカード情報が読取られた場合には、ST2としてそのカード情報を含む会員ファイル情報問合せ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース34によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これにより、ST3として上記ファイルプロセッサ2から該当する会員ファイル情報(会員個人情報及び販売制限制御情報)の応答伝文を受信すると、その会員ファイル情報をRAM33に記憶するとともに、RAM33上の会員取引フラグCFを“1”にセットする。なお、ST3にてファイルプロセッサ2から該当する会員ファイル情報の応答伝文を受信できなかった場合には、会員カードの読取りエラーを表示して、この処理を終了する。
【0021】
またCPU31は、ST5としてスキャナ35などの商品登録手段により客に販売する商品の商品コード及び販売点数の登録が行なわれると、ST6として前記会員取引フラグCFを調べる。そして、この会員取引フラグCFが“1”にセットされていた場合には会員に対して販売する商品の登録が行なわれたので、ST7として図8に具体的に示す会員商品登録処理を実行する。
【0022】
この会員商品登録処理では先ず、CPU31は、ST21として登録商品の商品コードを含む商品販売情報問合わせ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース34によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、ST22として上記ファイルプロセッサ2から該当する商品販売情報(商品コード,商品名称,通常価格,会員価格,販売制限点数)の応答伝文を受信したならば、ST23としてその商品販売情報中の販売制限点数を調べる。そして、販売制限点数が[0]の場合には、ST24として登録商品の販売点数分を全て通常価格で売上処理する。以上で、この会員商品登録処理を終了する。
【0023】
一方、ST22にて販売制限点数が[1]以上の場合には、ST25としてRAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品の商品コードが存在するか否かを調べる。そして、存在する場合には、その商品コードに対応する販売累積点数を読出し、この販売累積点数に登録商品の販売点数を加算して今回の登録までの販売累積点数を算出する。これに対し、存在しない場合には、登録商品の販売点数を今回の登録までの販売累積点数として算出する。
【0024】
しかる後、ST26として上記ST25の処理で算出した今回の登録までの販売累積点数と、ST22の処理で受信した商品販売情報中の販売制限点数とを比較する。ここで、今回の登録までの販売累積点数が販売制限点数以下の場合には、ST27として登録商品の販売点数分を全て会員価格で売上処理する。また、ST28としてRAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品の商品コードが存在するか否かを調べ、存在する場合にはその商品コードに対応する販売累積点数に登録商品の販売点数を加算して販売制限制御情報を更新し、存在しない場合にはRAM33の会員ファイル情報に登録商品の商品コードと販売点数とを追加して販売制限制御情報を更新する。以上で、この会員商品登録処理を終了する。
【0025】
一方、ST26にて今回の登録までの販売累積点数が販売制限点数を超える場合には、ST29としてその今回の登録までの販売累積点数から販売制限点数を減じることにより超過点数を算出する。また、ST30として今回の販売点数から前記超過点数を減じることにより会員価格での販売可能点数を算出する。しかる後、ST31としてその会員価格での販売可能点数をオペレータ及び顧客に通知するガイダンス51(図10を参照)を表示部37に表示させる。
【0026】
この状態で、ST32として実行キー及び取消キーのキー入力を待機する。ここで、実行キーが入力された場合には、ST33として登録商品の販売点数分のうち、前記販売可能点数分を会員価格で売上処理し、残りの超過点数分を通常価格で売上処理する。また、ST34としてRAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品の商品コードが存在するか否かを調べ、存在する場合にはその商品コードに対応する販売累積点数に販売可能点数を加算して販売制限制御情報を更新し、存在しない場合にはRAM33の会員ファイル情報に登録商品の商品コードと販売可能点数とを追加して販売制限制御情報を更新する。以上で、この会員商品登録処理を終了する。
【0027】
なお、ST32で取消キーが入力された場合には、ST35として登録商品の売上処理を中止して、この会員商品登録処理を終了する。
【0028】
ここに、CPU31は、会員に対して販売する会員サービス商品の登録が行なわれると、会員販売実績記憶手段としての会員ファイル6の記憶情報から当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を取得するとともに、会員サービス商品情報記憶手段としての通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8の記憶情報から当該会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を取得し、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と販売制限点数とを比較して、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数以下のときには当該会員サービス商品を会員価格で売上処理するとともに会員ファイル6に記憶されている当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を今回の販売点数分を含む値に更新し、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数を超えるときには当該会員サービス商品の登録を実行するか取り消すかを選択可能とし、実行キーの押下により実行が指令された場合には当該会員サービス商品を通常価格で売上処理し、取消キーの押下により取消が指令された場合には当該会員サービス商品の登録を中止する会員サービス商品登録制御手段を構成している。
【0029】
図7に説明を戻す。
CPU31は、ST6にて会員取引フラグが“0”にリセットされていた場合には、非会員に対して販売する商品が登録されたので、ST8として非会員商品登録処理を実行する。この非会員商品登録処理は、先ず、登録商品の商品コードを含む商品販売情報問合わせ伝文を作成し、この問合わせ伝文を前記通信インタフェース34によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、上記ファイルプロセッサ2から該当する商品販売情報(商品コード,商品名称,通常価格,会員価格,販売制限点数)の応答伝文を受信したならば、販売制限点数が幾つであるかにかかわらず登録商品の販売点数分を全て通常価格で売上処理する。以上で、この非会員商品登録処理を終了する。
【0030】
こうして、CPU31は会員商品登録処理または非会員商品登録処理を行なった後、ST9として締め登録手段としての締めキーにより1買物客に販売する商品の登録終了が宣言されると、ST10として前記会員取引フラグCFを調べる。そして、この会員取引フラグCFが“1”にセットされていた場合には1会員に販売する商品の登録終了が宣言されたので、ST11として図9に具体的に示す会員締め登録処理を実行する。
【0031】
先ず、CPU31は、ST41としてその1会員に販売する商品の合計金額に基づいて請求金額を算出し、表示部37に表示させる。次に、ST42としてその請求金額に対する支払い情報が入力されるのを待機し、キーボード36のキー操作により支払い情報が入力されると、ST43として釣銭計算などの会計処理を実行する。また、ST44としてプリンタ39を駆動してレシートを印字し発行する。
【0032】
しかる後、ST45としてRAM33に記憶している会員ファイル情報を含む更新コマンド伝文を作成し、このコマンド伝文を前記通信インタフェース34によりインライン回線3を介してファイルプロセッサ2に送信する。これに応じて、ST46として上記ファイルプロセッサ2からコマンドの受信完了を示す許諾応答伝文を受信したならば、ST47としてRAM33の会員ファイル情報をクリアする。以上で、この会員締め登録処理を終了する。
【0033】
なお、ST46にてファイルプロセッサ2からビジィ応答を受信したり、更新コマンドを送信してから一定時間を経過しても許諾応答を受信できなかった場合には、予め設定されたリトライ回数まで上記ST45の更新コマンドの送信処理を繰返す。そして、リトライ回数だけ更新コマンドを送信してもファイルプロセッサ2から許諾応答を得られなかった場合には(ST48のNO)、ST49としてRAM33の会員ファイル情報を同RAM33に形成した退避メモリファイルに転送して、この会員締め登録処理を終了する。
【0034】
以上で、各POSターミナル1におけるCPU31の主要な処理制御手順の説明を終了する。
次に、ファイルプロセッサ2におけるCPU21の主要な処理制御手順について説明する。
【0035】
はじめに、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、インライン回線3で接続された各POSターミナル1から前記会員ファイル情報問合わせ伝文を受信する毎に、図11の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
【0036】
すなわちCPU21は、通信インタフェース25を介して会員ファイル情報問合わせ伝文を受信すると、ST51としてその問合わせ伝文中の会員コードで会員ファイル6を検索する。そして、同一会員コードの会員ファイル情報を検出したならば(ST52のYES)、ST53としてその同一会員コードの会員ファイル情報(会員個人情報及び販売制限制御情報)を含む応答伝文を作成し、この応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信する。同一会員コードの会員ファイル情報を検出できなかった場合には(ST52のNO)、ST54としてエラー応答伝文を作成し、このエラー応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信する。以上で、この問合わせ伝文受信処理を終了するものとなっている。
【0037】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、各POSターミナル1から前記商品販売情報問合わせ伝文を受信する毎に、図12の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU21は、通信インタフェース25を介して商品販売情報問合わせ伝文を受信すると、ST61としてその問合わせ伝文中の商品コードで通常商品ファイル7を検索する。そして、同一商品コードの通常商品ファイル情報を検出した場合には(ST62のYES)、ST63としてその通常商品ファイル情報中の商品名称と通常価格とをRAM23の一時エリアに取得する。
【0038】
次に、ST64としてその通常商品ファイル情報中の会員フラグMFを調べる。ここで、会員フラグMFが“0”にリセットされていた場合には、問合わせがあった商品は会員サービス商品でないので、ST68の処理に進む。これに対し、会員フラグMFが“1”にセットされていた場合には、問合わせがあった商品は会員サービス商品なので、ST65として問合わせ伝文中の商品コードで会員商品ファイル8を検索する。そして、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出したならば(ST66のYES)、ST67としてその会員商品ファイル情報中の会員価格と販売制限点数とをRAM23の一時エリアに取得する。その後、ST68の処理に進む。なお、会員商品ファイル8を検索した結果、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出できなかった場合には、ST67の処理を行なわずにST68の処理に進む。
【0039】
ST68では、一時エリアに格納した情報から商品販売情報の応答伝文を作成する。すなわち、一時エリアに商品名称及び通常価格の情報に加えて会員価格と販売制限点数の情報が格納されている場合には、これらの情報を含む商品販売情報の応答伝文を作成する。これに対し、商品名称及び通常価格の情報しか格納されていない場合には、会員価格及び販売制限点数をそれぞれ[0]として商品販売情報の応答伝文を作成する。
【0040】
しかる後、ST69としてこの商品販売情報の応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信する。以上で、この問合わせ伝文受信処理を終了する。
【0041】
なお、ST62にて通常商品ファイル7を検索した結果、同一商品コードの通常商品ファイル情報を検出できなかった場合には、ST70としてエラー応答伝文を作成し、このエラー応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介して問合わせ元のPOSターミナル1に送信して、この問合わせ伝文受信処理を終了するものとなっている。
【0042】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、各POSターミナル1から前記会員ファイル情報を含む更新コマンド伝文を受信する毎に、図13の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU21は、通信インタフェース25を介して更新コマンド伝文を受信すると、先ず、ST71として更新コマンド伝文中の会員ファイル情報における会員コードで会員ファイル6を検索する。そして、会員コードが一致する会員ファイル情報を検出したならば、その会員ファイル情報中の販売制限制御情報を、更新コマンド伝文中の会員ファイル情報における販売制限制御情報に置換して更新する。
【0043】
次に、ST72として更新コマンド伝文中の会員ファイル情報から先頭の販売制限制御情報の商品コードを読込む。そして、ST73としてこの商品コードで販売管理ファイル9を検索する。その結果、販売管理ファイル9に該当する商品コードが未設定であった場合には(ST74のNO)、ST75として販売管理ファイル9に該当する商品コードを追加設定する。しかる後、ST77に進み、ST75の処理で販売管理ファイル9に追加設定した商品コードに対応して、更新コマンド伝文中の会員ファイル情報における会員コードを登録する。
【0044】
一方、ST73にて販売管理ファイル9を検索した結果、該当する商品コードが設定されていた場合には(ST74のYES)、ST76としてその商品コードに対応して更新コマンド伝文中の会員ファイル情報における会員コードが既に登録済か否かを判断する。そして未登録の場合にはST77に進み、当該商品コードに対応してその会員コードを登録する(ST77)。これに対し、ST76にて当該会員コードが登録済の場合には、ST77の処理を行なわない。
【0045】
しかる後、ST78として更新コマンド伝文中の会員ファイル情報に次の販売制限制御情報が存在するか否かを判断する。そして存在する場合には、ST79としてその販売制限制御情報の商品コードを読込む。そしてST73に戻り、ST73〜ST77の処理を繰返す。
こうして、更新コマンド伝文中の会員ファイル情報に含まれる全ての販売制限制御情報について、ST73〜ST77の処理を実行したならば、ST80に進む。そして、許諾応答伝文を前記通信インタフェース25によりインライン回線3を介してコマンド送信元のPOSターミナル1に送信したならば、この更新コマンド伝文受信処理を終了するものとなっている。
【0046】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、前記会員商品ファイル8に追加するレコードまたは修正するレコードを記憶した会員サービス商品の更新ファイル10をホスト装置12から受信すると、図14の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU21は、MODEM24を介して会員サービス商品の更新ファイル10を受信すると、先ず、ST81としてその受信した更新ファイル10から先頭のレコードを読込む。なお、このレコードのフォーマットは、会員商品ファイル8のレコードと同じである。
【0047】
次に、ST82として更新ファイル10から読込んだレコードの商品コードで通常商品ファイル7を検索して、同一商品コードの通常商品ファイル情報の有無を判別する。ここで、同一商品コードの通常商品ファイル情報無しを判別した場合には(ST83のNO)、ST90に進む。そして、更新ファイル10に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST91としてそのレコードを更新ファイル10から読込んだならば、ST82に戻る。
【0048】
ST82にて通常商品ファイル7を検索した結果、同一商品コードの通常商品ファイル情報有りを判別した場合には(ST83のYES)、ST84としてその同一商品コードの通常商品ファイル情報における会員フラグMFを調べる。ここで、会員フラグMFが“0”にリセットされていた場合には、更新ファイル10から読込んだレコードは会員商品ファイル8に追加するレコードなので、ST85として同一商品コードの通常商品ファイル情報における会員フラグMFを“1”にセットした後、ST86として会員商品ファイル8に更新ファイル10から読込んだレコードを追加する。その後、ST90に進み、更新ファイル10に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST91としてそのレコードを更新ファイル10から読込んだならば、ST82に戻る。
【0049】
ST84にて会員フラグMFが“1”にセットされていた場合には、更新ファイル10から読込んだレコードは会員商品ファイル8に格納されているレコードを修正するレコードなので、ST87としてこの更新ファイル10から読込んだレコードの商品コードで会員商品ファイル8を検索する。そして、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出したならば(ST88のYES)、ST89としてその同一商品コードの会員商品ファイル情報の内容を更新ファイル10から読込んだレコードの内容に置換して更新する。その後、ST90に進み、更新ファイル10に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST91としてそのレコードを更新ファイル10から読込んだならば、ST82に戻る。
【0050】
なお、ST87にて会員情報ファイル8を検索した結果、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出できなかった場合には(ST88のNO)、ST86に進み、会員商品ファイル8に更新ファイル10から読込んだレコードを追加する。その後、ST90に進み、更新ファイル10に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST91としてそのレコードを更新ファイル10から読込んだならば、ST82に戻る。
【0051】
こうして、更新ファイル10内の各レコードを順次読出し、通常商品ファイル7に商品コードが存在するレコードについては、ST86の会員商品ファイルレコード追加処理またはST89の会員商品ファイルレコード修正処理を実行する。そして、ST90にて次のレコード無しを確認したならば、この更新ファイル受信処理を終了するものとなっている。
【0052】
また、前記ファイルプロセッサ2のCPU21は、前記会員商品ファイル8から削除するレコードを記憶した会員サービス商品の削除ファイル11をホスト装置12から受信すると、図15の流れ図に示す処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU21は、MODEM24を介して会員サービス商品の削除ファイル11を受信すると、先ず、ST101としてその受信した削除ファイル11から先頭のレコードを読込む。なお、このレコードのフォーマットは、会員商品ファイル8のレコードと同じである。
【0053】
次に、ST102として削除ファイル11から読込んだレコードの商品コードで通常商品ファイル7を検索して、同一商品コードの通常商品ファイル情報の有無を判別する。ここで、同一商品コードの通常商品ファイル情報無しを判別した場合には(ST103のNO)、ST113に進む。そして、削除ファイル11に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST114としてそのレコードを削除ファイル11から読込んだならば、ST102に戻る。
【0054】
ST102にて通常商品ファイル7を検索した結果、同一商品コードの通常商品ファイル情報有りを判別した場合には(ST103のYES)、ST104としてその同一商品コードの通常商品ファイル情報における会員フラグMFを調べる。ここで、会員フラグMFが“0”にリセットされていた場合には、ST113に進む。そして、削除ファイル11に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合には、ST114としてそのレコードを削除ファイル11から読込んだならば、ST102に戻る。
【0055】
ST104にて会員フラグMFが“1”にセットされていた場合には、削除ファイル11から読込んだレコードは会員商品ファイル8から削除するレコードなので、ST105としてその会員フラグMFを“0”にリセットする。次に、ST106としてこの削除ファイル11から読込んだレコードの商品コードで会員商品ファイル8を検索する。そして、同一商品コードの会員商品ファイル情報を検出したならば(ST107のYES)、ST108としてその同一商品コードの会員商品ファイル情報を会員商品ファイル8から削除する。
【0056】
次に、ST109として同じく削除ファイル11から読込んだレコードの商品コードで販売管理ファイル9を検索する。そして、同一商品コードの販売管理ファイル情報を検出したならば(ST110のYES)、ST111としてその販売管理ファイル情報中の会員コードを全て取得する。そして、会員ファイル6をサーチして販売管理ファイル情報から取得した会員コードの会員ファイル情報を全て抽出し、その会員ファイル情報から同一商品コードの販売制限制御情報(商品コード,販売累積点数)を削除する。
その後、ST113に進み、削除ファイル11に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合にはそのレコードを削除ファイル11から読込んでST102に戻る。
【0057】
なお、ST106にて会員商品ファイル8を検索した結果、該当商品コードの会員商品ファイル情報を検出できなかった場合(ST107のNO)、及びST109にて販売管理ファイル109を検索した結果、該当商品コードの販売管理ファイル情報を取得できなかった場合には(ST110のNO)、直ちにST113に進み、削除ファイル11に次のレコードがあるか否かを判断し、レコード有りの場合にはそのレコードを削除ファイル11から読込んでST102に戻る。
こうして、削除ファイル11内の各レコードを順次読出し、通常商品ファイル7に商品コードが存在するレコードについては、ST104乃至ST112の処理を実行する。そして、ST113にて削除ファイル11に次のレコード無しを確認したならば、この削除ファイル受信処理を終了するものとなっている。
【0058】
ここに、CPU21は、会員サービス商品毎にサービス期間終了の指令を受ける指令待ち手段と、この指令待ち手段によりホスト装置10から削除ファイル11として会員サービス商品毎にサービス期間終了の指令を受けると、会員販売実績記憶手段としての会員ファイル6に会員別に記憶されている情報からサービス期間終了が指令された会員サービス商品の販売累積点数情報を全て検出して削除する情報削除手段とを構成している。
【0059】
このように構成された本実施の形態のPOSシステムを使用する店舗においては、予め、各商品の商品コード,名称,通常価格,会員フラグMFなどの商品情報がファイルプロセッサ2の通常商品ファイル7に設定されている。また、会員サービス期間内の会員サービス商品の商品コード,会員価格及び販売制限点数がファイルプロセッサ2の会員商品ファイル8に設定されている。
【0060】
また、会員となった顧客の会員コード,名称等の会員個人情報とともに、その会員に対して販売した会員サービス商品の商品コード及びその販売累積点数の販売制限制御情報を記憶した会員ファイル6が前記ファイルプロセッサ2に設けられている。同様に、会員サービス商品の商品コード別にその会員サービス商品を買上げた会員の会員コードを記憶した販売管理ファイル9が前記ファイルプロセッサ2に設けられている。
【0061】
この状態で、1人の会員が買物を行ないその代金の支払いをキャッシャに申し出ると、キャッシャは、先ず、会員から受け取った会員カードのカード情報をPOSターミナル1のカードリーダ5で読取らせる。そうすると、この会員の会員個人情報及び販売制限制御情報からなる会員ファイル情報がファイルプロセッサ2の会員ファイル6から読出され、POSターミナル1のRAM33に格納される。
【0062】
次に、キャッシャはPOSターミナル1のスキャナ35及びキーボード36を操作して、当該会員に販売する商品の商品コード及び販売点数の登録を行なう。そうすると、登録商品が会員サービス商品でない,つまりは通常商品ファイル7に当該商品コードに対応して設定された会員フラグMFが“0”にリセットされている商品の場合には、販売点数分が全て上記通常商品ファイル7に当該商品コードに対応して設定された通常価格で売上処理される。
【0063】
これに対し、登録商品が会員サービス商品,つまりは通常商品ファイル7に当該商品コードに対応して設定された会員フラグMFが“1”にセットされている商品の場合には、RAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品の商品コードが存在するかチェックされる。そして存在する場合には、その商品コードに対応する販売累積点数に登録商品の販売点数が加算されて今回の登録までの販売累積点数が算出される。存在しない場合には、登録商品の販売点数が今回の登録までの販売累積点数として算出される。
【0064】
次いで、今回の登録までの販売累積点数と登録商品の販売制限点数とが比較される。ここで、今回の登録までの販売累積点数が販売制限点数以下であった場合には、登録商品の販売点数分が全て会員価格で売上処理される。また、RAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品の商品コードが存在するかチェックされ、存在する場合にはその商品コードに対応する販売累積点数に登録商品の販売点数が加算され、存在しない場合には登録商品の商品コードと販売点数とが同会員ファイル情報に追加される。
【0065】
これに対し、今回の登録までの販売累積点数が販売制限点数を超えた場合には、会員価格での販売可能点数をオペレータ及び顧客に通知するガイダンス51が表示部37に表示される。
図10は上記ガイダンス51を表示した表示部37の一画面例であって、このガイダンス51を見ることにより、当該会員は会員サービス商品「CCCC]をN点までは会員価格zzz円で購入できるもののそれ以上は通常価格z'z'z'円で購入せざるを得ないことが分かる。そこで、キャッシャは、会員にこの会員サービス商品「CCCC」の登録を実行するか取り消すかを確認する。ここで、会員が登録実行を申し出た場合には、キャッシャは実行キーを押下する。そうすると、会員サービス商品「CCCC」が会員販売可能数Nまでは会員価格zzz円で売上処理され、残りの超過点数分は通常価格z'z'z'円で売上処理される。また、RAM33に記憶した会員ファイル情報中の販売制限制御情報に登録商品「CCCC」の商品コードが存在するかチェックされ、存在する場合にはその商品コードに対応する販売累積点数に会員販売可能数Nが加算され、存在しない場合には登録商品の商品コードと会員販売可能数Nが同会員ファイル情報に追加される。これに対し、会員が登録取消を申し出た場合には取消キーを押下する。そうすると、会員サービス商品「CCCC」の登録が中止される。
【0066】
こうして、当該会員に販売する全商品の登録が終了すると、キャッシャはキーボード36の締めキーを押下して登録終了を宣言する。そうすると、当該会員に対する請求金額が表示部37に表示されるので、キャッシャは会員から支払いを受ける。そして、その支払い情報をキーボード36から入力する。そうすると、釣銭計算などの会計処理が実行され、レシートが発行されるので、キャッシャは会員に釣銭などとともにレシートを渡す。以上で、会員との1商取引を終了する。
【0067】
このとき、RAM33に記憶されていた会員ファイル情報がファイルプロセッサ2に転送され、会員ファイル6の当該会員の販売制限制御情報が最新の情報に更新される。なお、ファイルプロセッサ2がビジィ状態であったなどの理由から会員ファイル情報の転送に失敗した場合には、この会員ファイル情報が同RAM33の退避メモリファイルに移されて保持される。なお、この退避メモリファイルに保持された会員ファイル情報は、ファイルプロセッサ2との通信回復後に転送されるようになっている。
【0068】
このように本実施の形態においては、1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を記憶する会員サービス商品情報記憶手段として通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8をファイルプロセッサ2に設けている。また、各会員別にその会員に対して販売した会員サービス商品の商品別販売累積点数を記憶する会員販売実績記憶手段として会員ファイル6を同ファイルプロセッサ2に設けている。
【0069】
そして、このファイルプロセッサ2とインライン回線3で接続された各POSターミナル1においては、会員に対して販売する会員サービス商品の登録が行なわれると、会員ファイル6の記憶情報から当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を取得するとともに、通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8の記憶情報から当該会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を取得し、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と販売制限点数とを比較して、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数以下のときには当該会員サービス商品を会員価格で売上処理するとともに会員販売実績記憶手段により記憶されている当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を今回の販売点数分を含む値に更新し、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数を超えるときには当該会員サービス商品を通常価格で売上処理するようにしている。
【0070】
したがって、1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品については、会員毎に総販売点数までは会員価格で売上処理され、総販売点数を超えると通常価格で売上処理されるので、1人の会員が特定のサービス商品を複数の商取引にわけてまとめ買いしてもその会員に対して過剰なサービスが付与されるのを禁止できる。
【0071】
また、本実施の形態においては、販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が販売制限点数を超えるとき、その旨を報知するガイダンス51を表示部38に表示するとともに、当該会員サービス商品の登録を実行するか取り消すかを選択可能とし、実行が指令された場合には当該会員サービス商品を通常価格で売上処理し、取消が指令された場合には当該会員サービス商品の登録を中止するようにしている。
【0072】
したがって、1会員に対して販売する特定の会員サービス商品の総販売点数がその商品に対して設定されている販売制限点数を超えて通常価格でしか販売できない場合には、その旨が報知され、会員の意思で登録を実行するか取り消すかを選択できるので、会員価格で購入しようとしたにも拘らず通常価格で売上処理されてしまったために返品を申し出るような手間を未然に防止できるようになる。
【0073】
ところで、本実施の形態においては、会員サービス商品毎にサービス期間が定められており、サービス期間の開始時には例えば開店前に該当会員サービス商品の商品コード,会員価格,販売制限点数などを記憶した更新ファイル10がホスト装置12からファイルプロセッサ2に送信される。これにより、ファイルプロセッサ2の会員商品ファイル8に該当会員サービス商品の商品コード,会員価格,販売制限点数などが追加設定される。また、通常商品ファイル7の該当商品コードに対応する会員フラグMFが“1”にセットされる。
【0074】
同様に、サービス期間の終了時には例えば閉店後に該当会員サービス商品の商品コード,会員価格,販売制限点数などを記憶した削除ファイル11がホスト装置12からファイルプロセッサ2に送信される。これにより、ファイルプロセッサ2の会員商品ファイル8から該当会員サービス商品の商品コード,会員価格,販売制限点数などが削除される。また、通常商品ファイル7の該当商品コードに対応する会員フラグMFが“0”にリセットされる。さらに、会員ファイル6に会員別に記憶されている販売制限制御情報から、該当会員サービス商品の商品コード及びこれまでの総販売点数が全て検出され削除されるものとなっている。
【0075】
したがって、会員ファイル6に販売制限制御情報として記憶される情報には、会員サービス期間をすぎて無用となった商品に関する情報が削除されるので、記憶容量の効率化を図ることができる。
【0076】
なお、前記一実施の形態では、本発明をPOSターミナルに適用し、ただし会員サービス商品情報記憶手段としての通常商品ファイル7及び会員商品ファイル8と会員販売実績記憶手段としての会員ファイル6とを外部の記憶装置に設けたが、これらのファイルをターミナル内部の記憶装置に設けて、単体で本発明の機能を実現するようにしてもよいものである。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述したように本願請求項1記載の発明によれば、1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品を、会員毎に総販売点数までは会員価格で売上処理でき、総販売点数を超えると通常価格で売上処理することができ、1人の会員が特定のサービス商品を複数の商取引にわけてまとめ買いしてもその会員に過剰なサービスが付与されるのを禁止できる。また、1会員に対して販売する特定の会員サービス商品の総販売点数がその商品に対して設定されている販売制限点数を超えて通常価格でしか販売できない場合には、会員の意思で登録を実行するか取り消すかを選択できるので、会員価格で購入しようとしたにも拘らず通常価格で売上処理されてしまったために返品を申し出るような手間を未然に防止でき、サービス性の向上を図り得る効果を奏する。
さらに、本願請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明と同等な作用効果を奏することはもとより、記憶容量の効率化を図ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態であるPOSシステムの全体構成図。
【図2】 図1における会員ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図3】 図1における通常商品ファイル及び会員商品ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図4】 図1における販売管理ファイルのレコードフォーマットを示す図。
【図5】 図1におけるファイルプロセッサの要部構成を示すブロック図。
【図6】 図1におけるPOSターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図7】 POSターミナルのCPUが実行する主要な処理を示す流れ図。
【図8】 図7における会員商品登録処理を具体的に示す流れ図。
【図9】 図7における会員締め登録処理を具体的に示す流れ図。
【図10】ガイダンスを表示した表示部の一画面例を示す図。
【図11】ファイルプロセッサのCPUが実行する会員ファイル情報問合わせ伝文受信処理を示す流れ図。
【図12】同ファイルプロセッサのCPUが実行する商品販売情報問合わせ伝文受信処理を示す流れ図。
【図13】同ファイルプロセッサのCPUが実行する更新コマンド伝文受信処理を示す流れ図。
【図14】同ファイルプロセッサのCPUが実行する会員サービス商品更新ファイル受信処理を示す流れ図。
【図15】同ファイルプロセッサのCPUが実行する会員サービス商品削除ファイル受信処理を示す流れ図。
【符号の説明】
1…POSターミナル
2…ファイルプロセッサ
4…会員カード
5…カードリーダ
6…会員ファイル
7…通常商品ファイル
8…会員商品ファイル
9…販売管理ファイル
10…更新ファイル
11…削除ファイル
12…ホスト装置
Claims (2)
- 1会員に対する総販売点数に制限をもたせる会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を記憶する会員サービス商品情報記憶手段と、
各会員別にその会員に対して販売した前記会員サービス商品の商品別販売累積点数を記憶する会員販売実績記憶手段と、
前記会員に対して販売する前記会員サービス商品の商品コード及び販売点数の登録が行なわれると、前記会員販売実績記憶手段による記憶情報から当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を取得するとともに、前記会員サービス商品情報記憶手段による記憶情報から当該会員サービス商品の通常価格,会員価格及び販売制限点数を取得し、前記販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と前記販売制限点数とを比較する点数比較手段と、
この点数比較手段により前記販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が前記販売制限点数以下のとき、前記会員サービス商品を前記会員価格で売上処理するとともに前記会員販売実績記憶手段により記憶されている当該会員における当該会員サービス商品の販売累積点数を今回の販売点数分を含む値に更新する第1の会員サービス商品登録制御手段と、
前記点数比較手段により前記販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数が前記販売制限点数を超えるとき、前記販売累積点数に今回の販売点数を加算した点数と前記販売制限点数との差を超過数として算出する超過数演算手段と、
この超過数演算手段により算出された超過数と前記今回の販売点数との差を会員販売可能数として算出する販売可能数演算手段と、
この販売可能数演算手段により算出された会員販売可能数を表示して当該会員サービス商品の登録を実行するか取り消すかの選択入力を受付ける販売可能数処理受付手段と、
この販売可能数処理受付手段により実行が選択入力された場合は、前記今回の販売点数のうち会員販売可能数分を前記会員価格で売上処理し、残りを前記通常価格で売上処理し、取消が選択された場合は、当該会員サービス商品の登録を中止する第2の会員サービス商品登録制御手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。 - 前記会員サービス商品毎にサービス期間終了の指令を受ける指令待ち手段と、この指令待ち手段によりサービス期間終了の指令を受けると、前記会員販売実績記憶手段により会員別に記憶されている情報から前記サービス期間終了が指令された会員サービス商品の販売累積点数情報を全て検出して削除する情報削除手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の商品販売登録データ処理装置。
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