以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態である商品販売データ処理装置を適用したPOSシステムの概略の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、POSシステム1は、登録用POSレジスタ10と、精算用POSレジスタ20と、ストアコントローラ30と、ネットワーク40とを含む。
登録用POSレジスタ10と、精算用POSレジスタ20と、ストアコントローラ30とは、ネットワーク40を介して接続される。ネットワーク40は、例えば、インターネットプロトコル(Internet Protocol;IP)によって通信可能なコンピュータネットワークである。例えば、ネットワーク40は、店舗内に敷設されたローカルエリアネットワーク(Local Area Network;LAN)である。ネットワーク40は、例えば、他店のLANと接続されていてもよい。
なお、登録用POSレジスタ10と精算用POSレジスタ20との間、ストアコントローラ30と登録用POSレジスタ10との間、またはストアコントローラ30と精算用POSレジスタ20との間は、ネットワーク40以外の接続であってもよい。ネットワーク40を介さない通信接続の例として、電気配線を利用して高速通信を実現する電力線通信接続がある。
また、POSシステム1において、例えば、登録用POSレジスタ10に対して複数の精算用POSレジスタ20をネットワーク40に接続してもよい。この場合、登録用POSレジスタ10は、複数の精算用POSレジスタ20それぞれから自装置の状態(待機中、使用中、メンテナンス中等)を示すステータス情報を取得し、このステータス情報に応じて、待機中である(空いている)一台の精算用POSレジスタ20を選択する。
また、POSシステム1は、ストアコントローラ30の機能を登録用POSレジスタ10により実現させることによって、ストアコントローラ30を省略する構成としてもよい。
ストアコントローラ30は、POSシステム1を制御するコンピュータ装置であり、商品情報テーブル、特売情報テーブル等の種々の情報を記憶し管理する。商品情報テーブルは、販売される各商品についての、商品コード(商品識別情報)、商品名称、通常価格、総数量、残数量等の商品情報を含むデータテーブルである。特売情報テーブルは、販売制限がかかる対象の商品である販売制限商品ごと、または商品種別ごとに、会員顧客ごとの特別価格、成立条件、期間、ニアエンド数、限度数量(制限数量)、累計等の特売情報を含むデータテーブルである。商品情報テーブルおよび特売情報テーブルのデータ構成の例については、後述する。なお、商品種別ごととは、商品分類(商品を区別する部門コード(例えば、精肉、鮮魚、青果等)や、部門の中での商品を括るコード(総菜、冷食、インスタント、日配品、雑貨等の分類コード等)や、または、特定の区分コード(例えば、特売品や贈答品等を区別するコード等))に応じてということである。
ストアコントローラ30は、商品が追加または削除された場合、通常価格が改定されたり、残数量が変わったりした場合等において、商品情報テーブルを適宜更新する。そして、ストアコントローラ30は、定期的、定時、または、商品情報テーブルが更新されるたびに、登録用POSレジスタ10および精算用POSレジスタ20に、最新の商品情報テーブルを送信する。
また、ストアコントローラ30は、会員が追加または削除された場合、販売制限条件(例えば、特別価格、成立条件、期間、ニアエンド数、限度数量(制限数量))が改定されたり、累計が変わったりした場合等において、特売情報テーブルを適宜更新する。そして、ストアコントローラ30は、定期的、定時、または、特売情報テーブルが更新されるたびに、登録用POSレジスタ10および精算用POSレジスタ20に、最新の特売情報テーブルを送信する。
登録用POSレジスタ10は、顧客の買上対象の商品(買上商品ともいう。)のデータを登録する商品登録処理を実行する商品登録装置(商品販売データ処理装置)である。よって、登録用POSレジスタ10は、買上商品を登録する商品登録部を備える。具体的に、登録用POSレジスタ10は、オペレータである店員の操作によって、買上商品に付されたバーコードを読み取るスキャナを備える。買上商品に付されたバーコードには、商品コードの情報が含まれている。つまり、登録用POSレジスタ10は、商品に付されたバーコードを読み取ることによって、この商品のデータを登録する。本実施形態において、登録用POSレジスタ10によって登録され、精算用POSレジスタ20によって精算処理に用いられる商品に関するデータを、商品販売データ(取引データ)と呼ぶ。例えば、一顧客あたりの商品販売データは、当該顧客の取引についての全ての買上商品の合計金額、各買上商品の商品名称、単価、値引価格、個数の情報等(明細情報)を含む。
登録用POSレジスタ10は、商品登録処理を開始する前に、顧客が有するカード(例えば、店舗が発行した会員カード等)に含まれる会員コード(顧客識別情報)を読み取る。具体的に、例えば、顧客のカードが磁気カードである場合、登録用POSレジスタ10は、磁気カードリーダまたは磁気カードリーダライタによって、顧客の磁気カードに記録された会員コードを読み取る。また、例えば、顧客のカードが、バーコードまたは二次元コードが印刷されたカードである場合、登録用POSレジスタ10は、バーコードリーダまたは二次元コードリーダによって、顧客のカードに記録された会員コードを読み取る。
ただし、顧客が会員カードを有していない(例えば、顧客が非会員である)場合、当該顧客は、店舗から非会員用カードまたは仮会員カードを借用して買い物を行ってもよい。この非会員用カードまたは仮会員カードには、非会員用または仮会員用のユニークな識別情報(非会員コードまたは仮会員コード)が記録または印刷されている。すなわち、登録用POSレジスタ10は、媒体(例えば、会員カード等)から顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部を備える。
また、前述の会員カードは、ICチップを備えた会員カードであってもよく、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)によりICチップから非接触で会員コード(顧客識別情報)をカード読取装置に読み取らせるものであってもよい。この場合、登録用POSレジスタ10は、会員カードから非接触で会員コード(顧客識別情報)等を読み取るカード読取装置を備える。また、前記の会員カードに限らず、例えば、顧客が所持する携帯電話を用いる形態であってもよい。この場合、近距離通信技術(例えば、通信距離が10cm程度であり、かざすだけで、簡単にデータ通信することを可能にする通信技術)を適用し、例えばNFC(Near Field Communication)が可能な携帯端末(携帯電話、スマートフォン等)を、登録用POSレジスタ10の読み取り装置にかざすだけで、携帯端末からユニークな識別情報(会員コード)を読み出させるようにしてもよい。
登録用POSレジスタ10は、ストアコントローラ30から取り込んだ商品情報テーブルを記憶する。
また、登録用POSレジスタ10は、ストアコントローラ30から取り込んだ特売情報テーブルを記憶する。言い換えると、登録用POSレジスタ10は、販売制限商品ごとに、会員ごとの販売制限条件および累計を記憶する。販売制限条件には、販売制限商品の販売の限度数量を表す限度数量情報が含まれている。つまり、登録用POSレジスタ10は、限度数量情報を記憶する限度数量記憶部を備える。
また、販売制限条件には、販売制限商品のニアエンド数を表すニアエンド情報が含まれている。ニアエンド数は、販売制限商品の販売の限度数量よりも少ない数量である。つまり、登録用POSレジスタ10は、販売制限商品の販売の限度数量(制限数量)よりも少ないニアエンド数を設定する設定部を備える。
また、販売制限条件には、販売制限商品の特別価格を表す特別価格情報が含まれている。特別価格は、例えば、値引価格や割引価格である。値引価格として、例えば、一定個数を買上げに対して値引きされるミックスマッチ値引きがある。つまり、登録用POSレジスタ10は、販売制限商品についての特別価格を表す特別価格情報を記憶する価格記憶部を備える。
また、登録用POSレジスタ10は、会員ごとの販売制限商品の買上数の累計を記憶することから、販売制限商品が商品登録部によって登録された場合、登録された販売制限商品の数量を累積、または、前記登録された販売制限商品の数量を前記限度数量から減算して記憶する累積数記憶部を備える。
また、登録用POSレジスタ10は、特売情報テーブルに記憶された累計の数量が販売制限条件に含まれるニアエンド数以上であり、且つ販売制限条件に含まれる限度数量情報が示す限度数量以下である場合に、所定の報知情報を報知する。言い換えると、例えば、累積数記憶部に記憶された販売制限商品の数量が、設定部で設定されたニアエンド数以上であり、且つ限度数量記憶部に記憶された限度数量情報が示す限度数量以下である場合、または、前記累積数記憶部に記憶された前記販売制限商品の数量が、零以上であり、且つ前記設定部で設定された前記ニアエンド数以下である場合に報知情報を報知する報知部を備える。例えば、報知情報は、当該会員顧客に対する、販売制限商品の残買上可能数(限度数量−累計)、通常価格、特別価格、成立条件、累計、限度数量を含む。例えば、報知部は、オペレータに向けて設置された店員用表示部である。登録用POSレジスタ10が店員用表示部に報知情報を表示させることにより、オペレータは、販売制限商品の残数が少なくなっていることを認識しつつ、顧客に対して更に買上げ可能な個数を口頭で案内することができる。
なお、報知部が報知を行うタイミングは、登録用POSレジスタ10に報知対象の商品が登録された際、あるいは、所定キー(例えば、画面におけるプリセットキー、または、オペレータが手動押下するメカキー等)が押下されたタイミングである。また、報知情報は、店員用表示部に表示させることに限らず、顧客用表示部に表示させるようにしてもよい。顧客用表示部に報知情報が表示されることにより、顧客は、残りの買上げ可能数を目視して認識することができる。また、報知部による報知は、登録用POSレジスタ10の店員用表示部や顧客用表示部に報知情報を表示させることに限らず、顧客が所持する携帯端末(例えば、スマートホンなど)に報知情報を送信し報知するようにしてもよい。また、報知部は、報知情報の内容を音声とした音声ガイドをスピーカから出力させる音声出力装置であってもよい。報知情報の具体例については、後述する。
また、報知部は、登録用POSレジスタ10が報知対象の商品を登録したときに、その商品の報知情報を報知してもよいし、あるいは、特売情報テーブルに格納されている報知対象である報知すべき報知情報を全て報知するようにしてもよい。なお、報知部が、報知すべき報知情報を全て報知する場合は、オペレータが報知された報知情報から対象の報知情報を選択し適用させるようにしてもよい。このようにオペレータに報知情報を選択させる場合は、表示する報知情報を登録用POSレジスタ10に登録がなされた商品の報知情報と未だ登録がなされていない商品の報知情報とを判別(識別または区別)容易にするために表示態様を変えて表示するとオペレータの選択が容易である。また、顧客用表示部にも報知情報を表示させるようにした場合、報知された複数の報知情報から顧客が対象の報知情報を選択できるようにしてもよく、顧客により報知情報が選択されると、この選択された報知情報を当該商品販売データ(取引データ、取引情報)に適用させるようにしてもよい。
また、登録用POSレジスタ10は、顧客識別情報取得部が取得した会員コードで特売情報テーブルを検索し、一致する会員コードが特売情報テーブルに格納されている場合は、販売制限商品の販売価格を当該会員コードに関係付けられた特別価格情報が示す特別価格に設定し、一致する会員コードが特売情報テーブルに格納されていない場合は、販売制限商品の販売価格を商品情報テーブルに格納された通常価格に設定する判定部を備える。すなわち、判定部は、顧客識別情報取得部が取得した顧客識別情報で価格記憶部を検索し、一致する顧客識別情報が価格記憶部に記憶されている場合は、販売制限商品の販売価格を顧客識別情報に関係付けられた特別価格情報が示す特別価格に設定し、一致する顧客識別情報が価格記憶部に記憶されていない場合は、販売制限商品の販売価格を通常価格に設定する。
また、登録用POSレジスタ10は、操作入力を受け付ける操作部(操作入力受付部)を備える。例えば、操作部は、数字キー、小計キー、現計キー等のキー入力部を備える。なお、店員用表示部がタッチパネル付表示装置により実現されている場合、操作部は、店員用表示部に表示されるタッチパネル上のグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface;GUI)画像(GUIキー)であってもよい。例えば、GUIキーとして、登録用POSレジスタ10が精算用POSレジスタ20に商品販売データおよび後述する案内情報(報知情報)を送信するための精算装置キーがある。
また、登録用POSレジスタ10は、操作部により所定の操作入力が受け付けられたことに応じて、特売情報テーブルに格納された、当該会員顧客についての販売制限条件および累計のうち少なくとも一つを含む案内情報を出力する出力部を備える。出力部は、例えば、登録用POSレジスタ10と精算用POSレジスタ20とが通信するための通信部である。例えば、通信部は、操作部の精算装置キーが押下(タップ)されたことに応じて、特売情報テーブルに格納された、特別価格情報および成立条件と、期間と、限度数量情報と、前記販売制限商品の累計の数量とのうち少なくとも一つの案内情報を、商品販売データとともに精算用POSレジスタ20に送信する。すなわち、例えば、出力部は、操作部により所定の操作入力が受け付けられたことに応じて、価格記憶部が記憶する特別価格情報と、限度数量記憶部が記憶する限度数量情報と、累積数記憶部が記憶する販売制限商品の数量とのうち少なくとも一つを含む案内情報を出力する。
なお、商品販売データは、一顧客の取引についての全ての買上商品の合計金額、各買上商品の商品名称、単価、値引価格、個数の情報等を識別する取引識別情報であってもよい。この場合、例えば、精算用POSレジスタ20は、その取引識別情報に基づいて、ストアコントローラ30、またはストアコントローラ30の機能を実現する登録用POSレジスタ10にリクエスト情報を送信する。そして、精算用POSレジスタ20は、リクエスト情報を受信したストアコントローラ30または登録用POSレジスタ10から、一顧客の取引についての全ての買上げ商品の合計金額、各買上商品の商品名称、単価、値引価格、個数の情報等を取得する。
また、登録用POSレジスタ10は、精算用POSレジスタ20を指定する情報と商品販売データと案内情報とをストアコントローラ30に送信し、精算用POSレジスタ20を案内する情報を印刷した精算用レシート(例えば、精算用POSレジスタ20を指定する情報がバーコード、または、当該顧客の商品販売データ(取引データ)を特定(識別)する情報(例えば、取引番号または取引識別コード)がバーコードとして印刷されたレシート)を印刷部で印刷して出力させてもよい。この場合、オペレータは、その出力された精算用レシートを顧客に手渡しする。精算用レシートが精算用POSレジスタ20のスキャナで読み取られると、精算用POSレジスタ20は、ストアコントローラ30から精算用POSレジスタ20を指定する情報、または、当該顧客の商品販売データ(取引データ)を特定(識別)する情報(例えば、取引番号または取引識別コード)をキーとして商品販売データおよび案内情報を取得する。
精算用POSレジスタ20は、顧客自身の操作に応じて精算処理を実行する精算装置(セルフレジスタ)である。精算用POSレジスタ20は、自動釣銭釣札機と、ICカードリーダ(例えば、クレジットカードまたはポイントカード用)、RF(Radio Frequency)リーダ(例えば、電子マネー用)等の決済部とを備える。また、精算用POSレジスタ20は、少なくとも、買上対象の商品についての精算情報を含むレシート(会計レシート)を印刷して出力する印刷部を備える。なお、精算用POSレジスタ20が案内情報を取得している場合には、印刷部は、その案内情報を精算情報と区分して紙媒体に印刷し、会計レシートとして出力する。
また、精算用POSレジスタ20は、案内情報を取得している場合において、少なくとも、印刷部が会計レシートを出力し終えるまでの間に、その会計レシートが案内情報を含むことを表す情報を、顧客に表示面を向けて設置された表示部に表示させてもよい。これにより、顧客は、精算用POSレジスタ20から会計レシートに案内情報が印刷されていることを知ることができる。
なお、精算用POSレジスタ20は、会計レシートが案内情報を含むことを表す情報の内容を音声とした音声情報を、スピーカから出力させてもよい。
案内情報および商品販売データを取得した場合の精算用POSレジスタ20の処理の流れは、次のようになる。
(1)精算用POSレジスタ20は、決済方法を選択する。具体的に、顧客は、現金、クレジットカード、電子マネー等のいずれか、または併用する決済方法を操作部の操作によって選択する。
(2)次に、精算用POSレジスタ20は、選択された決済方法による決済処理(精算処理)を実行する。すなわち、精算用POSレジスタ20は、自動釣銭釣札機への現金投入や釣銭の支払い、カードリーダでのカード読み取り等によって決済を実行する。
(3)次に、精算用POSレジスタ20は、印刷部から買上対象の商品についての精算情報と案内情報とを含む会計レシートを印刷して出力する。つまり、会計レシートには、例えば、買上商品全ての合計金額、各買上商品の商品名称、単価、値引価格、預かり金額、釣金額の他、案内情報が印刷される。
なお、精算用POSレジスタ20における決済方法は、登録用POSレジスタ10で申告してもよい。この場合は、登録用POSレジスタ10が、決済方法を示す情報を精算用POSレジスタ20へ送信し、決済方法を示す情報を受信した精算用POSレジスタ20が、上記(2)から処理を開始する。
図2は、登録用POSレジスタ10のハードウェア構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、登録用POSレジスタ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、スキャナ104と、店員用表示部105と、顧客用表示部106と、操作部107と、通信部108と、ブザー109と、印刷部110と、カードリーダ120とを備える。
CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ104と、店員用表示部105と、顧客用表示部106と、操作部107と、通信部108と、ブザー109と、印刷部110と、カードリーダ120とは、バスおよび信号線を介して接続されている。
ROM102は、読み出し専用メモリであり、プログラムを記憶する。CPU101は、中央演算処理装置であり、ROM102に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録用POSレジスタ10の動作を制御する。スキャナ104は、商品に付されているバーコードを光学的に読み取る。RAM103は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM103は、スキャナ104によって読み取られたバーコードに関連付けられた商品情報、精算用POSレジスタ20から受信したステータス情報等を記憶する。また、例えば、RAM103は、ストアコントローラ30から取り込んだ商品情報テーブルおよび特売情報テーブルを記憶する。
店員用表示部105および顧客用表示部106は、種々の情報を表示する。例えば、店員用表示部105および顧客用表示部106は、商品情報テーブルから取得した情報(例えば、商品の名称、販売価格、値引価格等)を表示する。また、少なくとも店員用表示部105は、所定の条件にしたがって報知情報を表示する。また、店員用表示部105は、タッチパネル付表示装置により実現され、店員に対する種々の情報を表示する。例えば、店員用表示部105は、画面内の領域に表示されたGUIキー(プリセットボタン)が操作されることにより、予め設定登録された商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
報知情報は、登録用POSレジスタ10に報知対象の商品が登録されたタイミング、あるいは、所定のキー(例えば、報知情報を表示させる画面内の領域に表示されたGUIキー(プリセットボタン)、または、オペレータが手動押下する操作部107に設けられた操作ボタン等)が操作されたタイミング、精算用POSレジスタ20を指定するキーが押下されたタイミング等何れかのタイミングで報知されるようにしてもよい。なお、店員用表示部105および顧客用表示部106またはいずれかに報知させる報知情報を印字するための所定のキー(例えば、報知情報を表示させる画面内の領域に表示されたGUIキー(プリセットボタン)、または、オペレータが押下する操作部107に設けられた操作ボタン等)を設けてもよい。この場合、前記の所定のキーが操作されると、店員用表示部105および顧客用表示部106またはいずれかに報知する報知情報を印字部110より印字させるようにしてもよい。印字される報知情報(案内情報)は、例えば、販売制限商品の商品名称、期間、特別価格、成立条件、本取引での買上数、残りの買上可能数、販売上限個数(限度数量)、購入済み個数(今までに購入した個数)等を含む。なお、印字させるための所定のキーは、商品の登録途中で押下された場合に、報知情報(案内情報)を印刷部110により印字させることができる。なお、前記の所定のキーは、商品販売データ(取引データ)を精算用POSレジスタ20へ送信する(締め操作)前であればいつでも操作可能である。
操作部107は、登録用POSレジスタ10を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、プリセットキー等)を備える。例えば、操作部107は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。通信部207は、ネットワーク40を介して、他の装置と通信する。ブザー109は、店員が操作を確認することが必要な場合等に、ブザー音や合成音声を発生する。
印刷部110は、商品販売データ等を示す情報を必要に応じて印刷する。ただし、本実施形態において商品販売データの印刷は省略することができる。なお、印刷部110は、前述したように、商品販売データの送信先となる精算用POSレジスタ20を案内する情報を精算用レシートに印刷してもよい。カードリーダ120は、顧客が有するカードの会員コードを読み取る。
プログラムを実行するCPU101(制御部)は、商品登録部と、設定部と、判定部と、出力部との機能を実現する。また、店員用表示部105と、顧客用表示部106と、ブザー109とは、報知部の機能を実現する。
図3は、精算用POSレジスタ20のハードウェア構成の例を示すブロック図である。図3に示すように、精算用POSレジスタ20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ204と、表示部205と、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、決済部210と、自動釣銭釣札機211とを備える。
CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ204と、表示部205と、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、決済部210と、自動釣銭釣札機211とは、バスおよび信号線を介して接続されている。
ROM202は、プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算用POSレジスタ20の動作を制御する。RAM203は、種々の情報を記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。例えば、RAM203は、ストアコントローラ30から取得した商品情報テーブル、およびスキャナ204によって読み取られたバーコードまたは二次元コードによって示される商品の買上内容等を記憶する。スキャナ204によってバーコードまたは二次元コードを読み取る場合の例として、登録用POSレジスタ10において、精算用POSレジスタ20のステータス情報が何らかの事情により取得することができない(例えば、トラブル発生中の状況にある)ために、登録用POSレジスタ10が会計に用いるバーコードまたは二次元コードを精算用レシートに印字した場合等である。
また、スキャナ204は、例えば、顧客が有するカードに含まれる会員コードを読み取る。具体的に、例えば、顧客のカードが磁気カードである場合、磁気カードリーダまたは磁気カードリーダライタであるスキャナ204は、顧客の磁気カードに記録された会員コードを読み取る。また、例えば、顧客のカードが、バーコードまたは二次元コードが印刷されたカードである場合、バーコードリーダまたは二次元コードリーダであるスキャナ204は、顧客のカードに印刷された会員コードのコードを読み取る。
表示部205は、CPU201による制御に応じて、種々の情報を表示する。操作部206は、精算用POSレジスタ20を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー、プリセットキー、店員呼出ボタン等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。通信部207は、ネットワーク40を介して、他の装置と通信する。通信部207は、例えば、ストアコントローラ30と通信して、ストアコントローラ30から最新の商品情報テーブルを取得する。ブザー208は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音や合成音声を発生する。CPU201が登録用POSレジスタ10から案内情報を取得した場合、印刷部209は、精算情報の他に案内情報を印刷した会計レシートを出力する。
決済部210は、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ等と、それらの制御部とを備える。決済部210は、現金、クレジット、電子マネーにより決済処理を行う。決済部210は、自動釣銭釣札機211によって、現金による決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)をCPU201に供給する。また、決済部210は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果をCPU201に供給する。また、決済部210は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果をCPU201に供給する。自動釣銭釣札機211は、紙幣の投入および排出を行う紙幣入出口と、硬貨を投入する硬貨投入口と、お釣りの硬貨を排出する硬貨排出口とを備える。
なお、現金決済以外の決済部210は、登録用POSレジスタ10側に設けてもよい。これにより、顧客による精算用POSレジスタ20での操作を更に簡略化することができる。
図4は、ストアコントローラ30が管理する商品情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。図4に示すように、商品情報テーブルは、商品ごと、または、商品種別ごとの商品情報を含む。商品情報は、例えば、商品コード(または、商品種別コード)と、商品名称と、通常価格と、総数量と、残数量とを含む。商品コードは、商品の識別情報であり、商品に付されたバーコードに記録される情報である。商品名称は、商品の名称である。通常価格は、通常販売時(特別販売を除く)の商品の価格である。総数量は、商品の総販売数を示す情報である。残数量は、現時点での商品の残数量(在庫数量)を示す情報である。
なお、総数量は、全会員または会員毎(会員個別)に割り当てられた商品の総販売数を示す情報であってもよい。また、残数量は、現時点での全会員または会員ごと(会員個別)に割り当てられた商品の残数量(在庫数量)を示す情報であってもよい。
図4の商品情報テーブルは、商品コードが“12345678”、商品名称が“みかん”、通常価格が“300”(300円)、総数量が“500”(500個)、残数量が“50”(50個)である商品情報を含んでいる。
図5は、ストアコントローラ30が管理する特売情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。図5に示すように、特売情報テーブルは、商品ごとに、会員ごとの制限販売条件(特別価格、成立条件、期間、ニアエンド数、および限度数量)および累計を含む。商品コードは、商品の識別情報である。会員コードは、会員顧客の識別情報であり、会員カードに記録または印刷される情報である。特別価格は、特別販売時(通常販売を除く)の商品の値引き価格(マイナス記号を付して表す。)である。なお、特別価格を値引き後の価格や割引価格としてもよい。成立条件は、特別価格が適用されるための商品の組み合わせの条件を表す。期間は、特別販売が実施される期間を表す。ニアエンド数は、限度数量よりも少ない数であり、報知情報が報知されるための条件を表す。限度数量は、特別販売可能な限度数を表す。よって、報知部は、残数量がニアエンド数以上であり、且つ限度数量以下である場合に、報知情報を報知する。累計は、顧客が当該販売制限商品を買い上げた数量の累計を表す。
なお、累計に限らず、減算する方式でもよく、登録された制限販売条件の商品の数量を商品ごとに限度数量から減算して残数量として記憶するようにしてもよい。なお、この場合の報知情報の報知は、限度数量から減算して記憶した残数量が“0”(零)以上であり、且つ、残数量がニアエンド数以下である場合に報知するように制御を行う。
また、報知を行う際の報知情報は、ニアエンドである商品とその残数量を報知するのに限らず、例えば、ニアエンドとなった商品の代替商品を報知させるようにしてもよい。その代替商品の報知は、ニアエンドとなった商品と同種(同類)の類似商品とその数量の情報、または、ニアエンドとなった商品と別種(別類)の商品で少し値段が高い(グレードの高い)商品とその数量などのアップグレード情報などを代替商品として報知してもよい。こうすることにより、ニアエンドとなった商品を少ないながらも数多くの顧客に割り当てる(他の顧客に購入してもらえる)ようにすることができるとともに、購入する商品がニアエンドとなった商品よりもアップグレードされた商品が購入できる等のサービスを提供することになり、顧客満足度を高めることができる。
図5の特売情報テーブルは、商品コードが“12345678”、会員コードが“XXX3841-682”、特別価格が“-200”(200円引)、成立条件が“3”(3個で200円引)、期間が“2014/9/1〜2014/9/7”(2014年9月1日〜2014年9月7日)、ニアエンド数が“9”(9個)、限度数量が“15”(15個)、累計が“3”(3個)である特売情報を含んでいる。また、この特売情報テーブルは、商品コードが“12345678”、会員コードが“XXX3964-026”、特別価格が“-200”(200円引)、成立条件が“3”(3個で200円引)、期間が“2014/9/1〜2014/9/7”(2014年9月1日〜2014年9月7日)、ニアエンド数が“9”(9個)、限度数量が“15”(15個)、累計が“12”(12個)である特売情報を含んでいる。
図6は、精算用POSレジスタ10の店員用表示部105に表示される報知情報の例を示す図である。図6の商品登録画面60は、販売制限商品(図6では、ミックスマッチ商品)である“みかん”が登録される場合の表示例である。累積数記憶部に記憶された販売制限商品“みかん”の数量が、設定部により設定されたニアエンド数(例えば、“9個”)以上であり、且つ限度数量記憶部に記憶された限度数量情報が示す限度数量(図6では、“15個”)以下である場合に、例えば小計キーが押下されると、報知情報61が例えばポップアップ表示される。報知情報61は、当該顧客の残りの買上可能数が“12個”、通常価格が“300円”、特別価格が“200円引”、成立条件が“3個”(3個で200円引)、当該顧客の買上累計個数が“3個”、販売上限個数(限度数量)が“15個”であることを表している。オペレータがこの報知情報61を確認し、必要に応じて顧客に口頭で案内した後、確認キー62がタップされることにより、CPU101は、報知情報61および確認キー62を消去する。そして、精算装置キー63がタップされることにより、登録用POSレジスタ10は、商品販売データおよび案内情報を精算用POSレジスタ20に送信する。
図7は、精算用POSレジスタ20が印刷部209により印刷して出力させる会計レシートの例を示す図である。図7の会計レシート70は、上側に精算情報、下側に案内情報を区分けして印字した例である。会計レシート70には、この会計レシート70を受け取る会員顧客に対する案内情報として、販売制限商品の商品名称“みかん”、期間“2014年9/1〜9/7”、特別価格“200円引”、成立条件“3個”(3個で200円引)、本取引での買上数“3個”、残りの買上可能数(限度数量−累計)“12個”、販売上限個数(限度数量)“15個”、購入済み個数が“3個”が印刷されている。なお、印刷部209は、精算情報を印刷した第1のレシートと、案内情報を印刷した第2のレシートとを別々に出力してもよい。また、印刷部209は、精算情報と案内情報との間を例えば分断容易(例えば、ミシン目入り、部分カット)に加工した会計レシートを出力してもよい。
次に、第1の実施形態による登録用POSレジスタ10による商品登録処理について説明する。
図8は、登録用POSレジスタ10による商品登録処理の処理手順の例を示すフローチャートである。本フローチャートは、販売制限商品のみを登録する場合の例である。
ステップS1において、登録用POSレジスタ10のカードリーダ120が、顧客が有するカード(店舗が発行した会員カード等)に記録または印刷された会員コードを読み取る。
次に、ステップS2において、商品登録部は、当該顧客の買上対象の販売制限商品を登録する。
次に、ステップS3において、判定部は、ステップS1の処理で読み取った会員コードで価格記憶部を検索する。そして、一致する会員コードが価格記憶部に記憶されている場合(ステップS3:YES)はステップS4の処理に進み、一致する会員コードが価格記憶部に記憶されていない場合(ステップS3:NO)はステップS8の処理に進む。
ステップS4において、判定部は、販売制限商品の販売価格を会員コードに関係付けられた特別価格情報が示す特別価格に設定する。次に、商品登録部は、その販売価格により、販売制限商品を登録する。
次に、ステップS5において、累積数記憶部は、当該販売制限商品の数量を累積して更新する。
次に、ステップS6において、制御部は、累積数記憶部に記憶された販売制限商品の数量が、設定部により設定されたニアエンド数以上であるか否かを判定し、ニアエンド数以上であると判定した場合(ステップS6:YES)はステップS7の処理に進め、ニアエンド数に満たないと判定した場合(ステップS6:NO)はステップS9の処理に進める。
ステップS7において、報知部は、報知情報を報知する。具体的に、例えば、制御部は、当該会員顧客に対する、販売制限商品の残買上可能数(総数量−累計)、通常価格、特別価格、成立条件、累計、限度数量を含む報知情報を、店員用表示部105および顧客用表示部106のうち少なくとも店員用表示部105に表示させる。オペレータによって確認キーがタップされると報知情報は消去する。次に、ステップS9の処理に進める。
一方、ステップS8において、判定部は、販売制限商品の販売価格を通常価格に設定する。次に、商品登録部は、その販売価格により、販売制限商品を登録する。次に、ステップS9の処理に進める。
ステップS9において、現計キーが押下(タップ)された場合(ステップS9:YES)は、ステップS10の処理に進み、それ以外(まだ商品登録が残っている場合)(ステップS9:NO)はステップS2の処理に戻す。
ステップS10において、精算装置キーがタップされると、制御部は、商品販売データおよび案内情報(例えば、価格記憶部が記憶する特別価格情報と、限度数量記憶部が記憶する限度数量情報と、累積数記憶部が記憶する販売制限商品の数量とのうち少なくとも一つを含む。)を精算装置キーに対応付けられた精算用POSレジスタ20に送信する。そして、本フローチャートによる処理を終了させる。
次に、第1の実施形態による精算用POSレジスタ20による会計処理について説明する。
図9は、精算用POSレジスタ20による会計処理の処理手順の例を示すフローチャートである。本フローチャートは、顧客が有するカードの会員コードがスキャナ204によって読み取られ、または、精算用POSレジスタ20を案内する情報が印刷された精算用レシートがスキャナ204によって読み取られた場合、本フローチャートの処理が開始される。
ステップS21において、通信部207は、登録用POSレジスタ10が送信した商品販売データおよび案内情報を受信し、この商品販売データおよび案内情報をCPU201に供給する。CPU201は、商品販売データおよび案内情報を取得し、RAM203に記憶させる。
次に、ステップS22において、CPU201は、RAM203に記憶された商品販売データに基づいて精算処理を実行する。この精算処理において、精算用POSレジスタ20は、決済方法を選択する。次に、精算用POSレジスタ20は、選択された決済方法による決済処理(精算処理)を実行する。すなわち、精算用POSレジスタ20は、自動釣銭釣札機211への現金投入や釣銭の支払い、カードリーダでのカード読み取り等によって決済を実行する。
なお、ここで、CPU201は、レシートが案内情報を含むことを表す情報を表示部205に表示させてもよい。また。CPU201は、ブザー208からその情報の合成音声を出力させてもよい。
次に、ステップS23において、印刷部209は、買上対象の商品についての精算情報と案内情報とを含む会計レシートを印刷して出力する。そして、本フローチャートによる処理を終了させる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態のシステム構成およびハードウェア構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本発明の第2の実施形態において、特売情報テーブルは、販売制限がかかる対象の商品である販売制限商品ごとの特別価格、成立条件、期間、ニアエンド数、限度数量、累計等の特売情報を含むデータテーブルである。
図10は、本発明の第2の実施形態において、ストアコントローラ30が管理する特売情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。図10に示すように、特売情報テーブルは、商品ごとの制限販売条件(特別価格、成立条件、期間、ニアエンド数、および限度数量)および累計を含む。
図10の特売情報テーブルは、商品コードが“12345678”、特別価格が“-200”(200円引)、成立条件が“3”(3個で200円引)、期間が“2014/9/1〜2014/9/7”(2014年9月1日〜2014年9月7日)、ニアエンド数が“400”(400個)、限度数量が“500”(500個)、累計が“3”(3個)である特売情報を含んでいる。
図11は、精算用POSレジスタ10の店員用表示部105に表示される報知情報の例を示す図である。図11の商品登録画面80は、販売制限商品(図11では、ミックスマッチ商品)である“みかん”が登録される場合の表示例である。累積数記憶部に記憶された販売制限商品“みかん”の数量が、設定部により設定されたニアエンド数(例えば、“400個”)以上であり、且つ限度数量記憶部に記憶された限度数量情報が示す限度数量(図11では、“500個”)以下である場合に、例えば小計キーが押下されると、報知情報81が例えばポップアップ表示される。報知情報81は、販売制限商品である“みかん”の残数が“50個”、通常価格が“300円”、特別価格が“200円引”、成立条件が“3個”(3個で200円引)、販売上限個数(限度数量)が“500個”、購入済み個数が“450個”であることを表している。オペレータがこの報知情報61を確認し、必要に応じて顧客に口頭で案内した後、確認キー82がタップされることにより、CPU101は、報知情報81および確認キー82を消去する。そして、精算装置キー83がタップされることにより、登録用POSレジスタ10は、商品販売データおよび案内情報を精算用POSレジスタ20に送信する。
図12は、精算用POSレジスタ20が印刷部209により印刷して出力させる会計レシートの例を示す図である。図12の会計レシート90は、上側に精算情報、下側に案内情報を区分けして印字した例である。会計レシート90には、この会計レシート90を受け取る顧客に対する案内情報として、販売制限商品の商品名称“みかん”、期間“2014年9/1〜9/7”、特別価格“200円引”、成立条件“3個”(3個で200円引)、本取引での買上数“3個”、残りの買上可能数(残数量)“50個”、販売上限個数(限度数量)“500個”、購入済み個数が“450個”が印刷されている。なお、印刷部209は、精算情報を印刷した第1のレシートと、案内情報を印刷した第2のレシートとを別々に出力してもよい。また、印刷部209は、精算情報と案内情報との間を例えば分断容易(例えば、ミシン目入り、部分カット)に加工した会計レシートを出力してもよい。
次に、第2の実施形態による登録用POSレジスタ10による商品登録処理について説明する。
図13は、登録用POSレジスタ10による商品登録処理の処理手順の例を示すフローチャートである。本フローチャートは、販売制限商品のみを登録する場合の例である。
ステップS41において、商品登録部は、買上対象の販売制限商品を登録する。
次に、ステップS42において、制御部は、販売制限商品の販売価格を特別価格情報が示す特別価格に設定する。次に、商品登録部は、その販売価格により、販売制限商品を登録する。
次に、ステップS43において、累積数記憶部は、当該販売制限商品の数量を累積して更新する。
次に、ステップS44において、制御部は、累積数記憶部に記憶された販売制限商品の数量が、設定部により設定されたニアエンド数以上であるか否かを判定し、ニアエンド数以上であると判定した場合(ステップS44:YES)はステップS45の処理に進め、ニアエンド数に満たないと判定した場合(ステップS44:NO)はステップS46の処理に進める。
ステップS45において、報知部は、報知情報を報知する。具体的に、例えば、制御部は、販売制限商品の残買上可能数(総数量−累計)、通常価格、特別価格、成立条件、累計、限度数量を含む報知情報を、店員用表示部105および顧客用表示部106のうち少なくとも店員用表示部105に表示させる。オペレータによって確認キーがタップされると報知情報は消去する。次に、ステップS46の処理に進める。
ステップS46において、現計キーが押下(タップ)された場合(ステップS46:YES)は、ステップS47の処理に進み、それ以外(まだ商品登録が残っている場合)(ステップS46:NO)はステップS41の処理に戻す。
ステップS47において、精算装置キーがタップされると、制御部は、商品販売データおよび案内情報(例えば、価格記憶部が記憶する特別価格情報と、限度数量記憶部が記憶する限度数量情報と、累積数記憶部が記憶する販売制限商品の数量とのうち少なくとも一つを含む。)を精算装置キーに対応付けられた精算用POSレジスタ20に送信する。そして、本フローチャートによる処理を終了させる。
以上、詳述したとおり、実施形態である商品販売データ処理装置は、商品を登録する商品登録部と、販売制限がかかる対象の商品である販売制限商品の限度数量を表す限度数量情報を記憶する限度数量記憶部と、限度数量よりも少ないニアエンド数を設定する設定部と、販売制限商品が商品登録部によって登録された場合、登録された販売制限商品の数量を累積、または、登録された販売制限商品の数量を限度数量から減算して記憶する累積数記憶部と、累積数記憶部に記憶された販売制限商品の数量が、設定部で設定されたニアエンド数以上であり、且つ限度数量記憶部に記憶された限度数量情報が示す限度数量以下である場合、または、前記累積数記憶部に記憶された前記販売制限商品の数量が、零以上であり、且つ前記設定部で設定された前記ニアエンド数以下である場合に報知する報知部と、を備える。
この構成により、販売制限商品の販売可能な残数が残り少なくなったときに、例えば報知情報を報知することができる。よって、例えば、オペレータがその報知情報を確認した場合は、販売制限商品の販売可能な残数が残り少なくなったこと等の案内を顧客に対して行うことができる。
また、商品販売データ処理装置において、販売制限商品についての、特別価格を表す特別価格情報を記憶する価格記憶部、を更に備え、累積数記憶部は、販売制限商品が価格記憶部に記憶された特別価格を適用して商品登録部により登録された場合に、販売制限商品の数量を累積、または、前記登録された販売制限商品の数量を前記限度数量から減算して記憶するようにしてもよい。
これにより、特別価格を適用して販売する特別販売について、報知情報を報知させることができる。
また、商品販売データ処理装置において、設定部は、顧客ごとにニアエンド数を設定し、累積数記憶部は、顧客ごとに、登録された販売制限商品の数量を商品ごとまたは商品種別ごとに累積して記憶する、または、前記顧客ごとに、前記登録された販売制限商品の数量を商品ごとまたは商品種別ごとに前記限度数量から減算して記憶してもよい。
これにより、例えば会員コードで識別される顧客ごとに、販売制限条件が設定されるため、顧客別に報知情報を報知させることができる。
また、商品販売データ処理装置において、価格記憶部は、顧客を識別する顧客識別情報ごとに特別価格情報を記憶し、媒体から顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、顧客識別情報取得部が取得した顧客識別情報で価格記憶部を検索し、一致する顧客識別情報が価格記憶部に記憶されている場合は、販売制限商品の販売価格を顧客識別情報に関係付けられた特別価格情報が示す特別価格に設定し、一致する顧客識別情報が価格記憶部に記憶されていない場合は、販売制限商品の販売価格を通常価格に設定する判定部と、を更に備えてもよい。
この構成により、例えば、会員コードが識別される会員顧客向けに、特別価格での商品販売を行うことができる。
また、商品販売データ処理装置において、操作入力を受け付ける操作入力受付部と、操作入力受付部により所定の操作入力が受け付けられたことに応じて、価格記憶部が記憶する特別価格情報と、限度数量記憶部が記憶する限度数量情報と、累積数記憶部が記憶する販売制限商品の数量とのうち少なくとも一つの情報を出力する出力部と、を更に備えてもよい。
この構成により、販売制限商品の特別販売に関する案内情報を顧客に提供することができる。
なお、本実施形態では、登録用POSレジスタ10と精算用POSレジスタ20とが分離された装置である例としたが、登録用POSレジスタ10に、精算用POSレジスタ20の機能を実現させてもよい。すなわち、登録用POSレジスタ10の商品登録処理と精算用POSレジスタ20の会計処理とを一体のPOSレジスタに実行させてもよい。この場合、一体型のPOSレジスタは、精算情報および案内情報を印刷した会計レシートを、出力部から出力する。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。