JP3923306B2 - 中継器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば柱上やメッセージワイヤに取り付けられて幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとの間で信号を中継する中継器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、一般加入者向けの高速且つ大容量な情報通信を実現すべく、各家庭内まで光ファイバを引きこむ光通信方式が検討されている。たとえば、柱上に設置された中継器(分岐器)を介して、幹線光ファイバから複数の支線光ファイバに信号を分岐し、これら支線光ファイバを各家庭に引き込む方式が提唱されている。このような方式はFTTH(fiber to the home )と称される。
【0003】
ちなみに、この種の中継器は、たとえば、幹線光ファイバを介して伝送されてきた光信号を、電気信号に変換し、この電気信号を増幅・分岐等して光信号に変換し、これら光信号を複数の支線光ファイバに対して伝送する機能を有する。また、この種の中継器は、各支線光ファイバを介して各家庭から伝送されてきた信号を電気信号に変換し、これら電気信号を増幅・合波等して光信号に変換し、前記幹線光ファイバに対して伝送する機能も有する。こうした光信号から電気信号への変換、増幅等の処理、電気信号から光信号への変換は、中継器が備えた中継回路部で行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした中継器は、中継回路部を外囲器に収納して、幹線光ファイバが張りわたされる柱上等に設置される。そして、前記幹線光ファイバおよび支線光ファイバの中継器への接続は、中継器が設置される柱上等において、行われる。このため、中継器の外囲器は、たとえば、筐体と、この筐体と開閉自在に取り付けられる蓋体とからなり、蓋体を開いた状態で、各光ファイバを中継回路部に接続可能とする必要がある。こうした光ファイバの布設・接続では、光ファイバを、折り曲げることは許容されず、また、一定の曲率半径以下で曲げることも許容されない。
【0005】
したがって、中継器の外囲器に引き込まれてその内部に布設・接続される幹線光ファイバおよび支線光ファイバには、折り曲げが生じないよう、且つ、各光ファイバを所定の曲率半径以上で曲げる必要があり、こうした光ファイバの布設・接続が可能、且つ容易な中継器の実現が要求される。
本発明は、上記要求を満たすべくなされたものであり、柱上等の屋外に設置され、幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとを、折り曲げることなく所定値以上の曲率半径を維持して、中継器の外囲器の内部に容易に布設・接続することができ、光ファイバ接続の作業性が良好な中継器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明によれば、請求項1では、幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとの間で信号を中継する中継回路部と、その内部に前記中継回路部を収納して密閉する外囲器とからなり、屋外に設置される防水構造の中継器であって、前記外囲器は、前記各光ファイバをそれぞれ引き込むと共に、これらの光ファイバをそれぞれ巻回して収納する光ファイバ収納部を設けた箱形の筐体と、この筐体に開閉自在に取り付けられて前記中継回路部を収納する箱形の蓋体とからなり、前記筐体と蓋体との間に布設されてその内部に光ファイバを挿通するチューブ状の可撓性部材からなり、前記光ファイバ収納部と前記中継回路部との間で前記各光ファイバを所定値以上の曲率半径を維持して導くガイド部材を備え、前記ガイド部材はその一端側が支持部材で筐体に固定され、他端側が支持部材で蓋体に固定されていることを特徴とする中継器が提供される。
【0007】
このように構成される中継器であれば、前記蓋体を開くことで、箱形の筐体と、この筐体に開閉自在に取り付けられる箱形の蓋体とからなる前記外囲器の前記筐体内部に前記各光ファイバをそれぞれ引き込むことができる。そして、引き込まれた各光ファイバは、前記筐体に設けられた光ファイバ収納部に、所定値以上の曲率半径を維持して収納されることになる。また、上記光ファイバ収納部から、前記蓋体に収納された中継回路部へ接続される光ファイバは、チューブ状の可撓性部材からなるガイド部材の内部に挿通され、所定値以上の曲率半径を維持して布設されることになる。また、このようにして光ファイバが布設されれば、光ファイバは折り曲がることもない。
【0008】
請求項2では、前記蓋体は、前記筐体の一辺部にヒンジを介して傾倒自在に支持され、前記光ファイバ収納部から、前記蓋体に収納された中継回路部へ接続される光ファイバを導くチューブ状の可撓性部材からなる前記ガイド部材は、前記筐体の上記ヒンジを設けた辺部に沿って布設されると共に、その一端側を前記筐体の内壁面に沿って前記光ファイバ収納部の近傍まで布設され、他端側を前記蓋体の内壁面に沿って前記中継回路部の近傍まで布設されるところから、前記各光ファイバの曲率半径を所定値以上に維持して各光ファイバを布設できることになる。
【0009】
請求項3では、前記ガイド部材が前記筐体の辺部から前記蓋体の内壁面に沿って布設される部位には、該ガイド部材に保護部材が巻回されるので、前記蓋体を閉じたとき、各光ファイバが、この蓋体と前記筐体との間に前記ガイド部材が挟まれて、損傷を被ることを防止する。
請求項4では、前記箱形の筐体は、前記蓋体を傾倒自在に支持した下辺部の両側に位置する左右の側壁面にそれぞれ光ファイバの引き込み部を設け、前記光ファイバ収納部は、上記各側壁面の一の側壁面からそれぞれ引き込まれた各光ファイバを収納・巻回する第一の光ファイバ巻回部と、上記各側壁面の他の側壁面からそれぞれ引き込まれた各光ファイバを上記第一の光ファイバ巻回部の巻回方向と反対方向に光ケーブルを収納・巻回する第二の光ファイバ巻回部とを備えているので、各側壁面から引き込まれる各光ファイバを、各側壁面から引き込まれる各光ファイバ毎に同一の光ファイバ巻回部に巻回することができ、各光ファイバの布設が錯綜することを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るFTTH用中継器(以下「中継器」)を説明する。
この中継器は、たとえば柱上に設けられて幹線光ファイバを16本の支線光ファイバに分岐するものであって、箱型の筐体と、この筐体に開閉自在に取り付けられた箱型の蓋体とからなる外囲器と、上記筐体に取り付けられて、幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとを収納する光ファイバ収納部と、この外囲器の内部に収納される中継回路部とからなる。
【0011】
中継器に引き込まれた各光ファイバは、一旦光ファイバ収納部に収納された後に、中継回路部に接続される。中継回路部は、たとえば、幹線光ファイバと支線光ファイバとの間で信号伝送を行うメイン回路基板と、前記幹線光ファイバや支線光ファイバとのインターフェースを行う複数のサブ回路基板と、それら基板の動作を制御する制御回路基板とからなる。
【0012】
図1は、本発明に係る中継器1の全体的な概略構造を、外囲器を開いて示すものであり、10は外囲器、20は外囲器に収納される中継回路部、30は光ファイバ収納部である。
外囲器10は、図2(a)〜(d)にその正面図、底面図、左側面図及び右側面図をそれぞれ示すように、全体的にはその外表面に複数条の放熱フィンを平行に突設形成した外観形状を有する。この外囲器10は、電柱等に取り付けられる箱型の筐体11と、この筐体11の開口部に開閉自在に設けられる箱型の蓋体12との二つのブロックからなる。これらの筐体11および蓋体12はアルミ・ダイキャスト製の筐体、蓋体として製造される。そしてこれらの筐体11および蓋体12は、たとえばゴム等の防水パッキング材(図示せず)を介してその矩形状の開口部端面を互いに突き合わせて結合一体化され、その内部に前記中継回路部20と光ファイバ収納部30を収納する密閉空間を形成するものとなっている。
【0013】
図2に示すように、筐体11の開口端縁部には、ボルト13の先端部をそれぞれ螺合して該ボルト13を外側に向けて傾倒自在に支持した複数のヒンジ機構14がその周縁に沿って設けられている。一方、蓋体12の各開口部端面には前記ボルト13の頭部にそれぞれ結合し、ヒンジ機構14へのボルト13のねじ込みに伴って前記蓋体12を筐体11に固定するための複数の受座15a、15bがその周縁に沿って設けられている。
【0014】
ちなみに蓋体12の上端側縁部(外囲器10の上面側)に設けられた受座15aは、ボルト13をその端部から横方向に装脱可能なU字形状の溝部を形成した構造をなす。これに対して蓋体12の下端側縁部(外囲器10の底面側)に設けられた受座15bは、ボルト13の軸部を相通する孔部を形成した構造を有し、ボルト13を介して蓋体12を前記筐体11に連結する役割を果たしている。この結果、蓋体12は前記受座15aに契合したボルト13を緩めることで、図2(c)に示すように前倒し状態に開放し得るようになっている。
【0015】
なお、前記筐体11の左側面部には複数の光ファイバを引き込むために複数のケーブル導入口16a〜16cが、前記筐体11の右側面部には同じく複数のケーブル導入口16d〜16eが、それぞれ設けられている。また筐体11の左側面部には電源供給用のコネクタ17が設けられ、さらに筐体11の背面部には電柱等への取り付け部をなす脚部18が設けられている。なお、図中19は蓋体12の下端側縁部(外囲器10の底面側)に設けられた動作モニタ用の表示器である。
【0016】
さて上述した蓋体12の内部には、図1に示すように、中継回路部20が収納される。この中継回路部20は、前述したメイン回路基板21、複数のサブ回路基板22、制御回路基板23とを有し、これら回路基板21、22、23を所定構造のシャーシ(図示せず)に組込んで構成される。
筐体11に引き込まれた幹線光ファイバ40aおよび支線光ファイバ40b〜40eは、一旦光ファイバ収納部30に収納された後、中継回路部20に接続される。図3は、筐体11に収納された状態の光ファイバ収納部30の概略構成を示す図であり、図4は、中継器1の筐体11の断面構造(図3A−A断面)を示す図である。この光ファイバ収納部30は、主に光ファイバ収納部基板31、第一の光ファイバ巻回部32および第二の光ファイバ巻回部33とからなり、第一の光ファイバ巻回部32は光ファイバ収納部基板31に載置され、第二の光ファイバ巻回部33は第一の光ファイバ巻回部32に載置されている。上記光ファイバ収納部基板31はスペーサ34を介して図示しないボルトによって筐体11の内側底面に取り付けられている。
【0017】
そして、図3に示すように、第一の光ファイバ巻回部32は、その端部側32a、32bは略半円形状をなし、端部側32aと32bとの間は平坦な側面部32c、32dで連結されている。第二の光ファイバ巻回部33も同様にその端部側33a、33bは略半円形状をなし、端部側33aと33bとの間は平坦な側面部33c、33dで連結されている。
【0018】
第一の光ファイバ巻回部32は、図5に示すように、その開口部が光ファイバ収納部基板31で塞がれるようになっており、上記開口部に相対する側は天板部32eで塞がれ、光ファイバ収納部基板31と側面部32cとは蝶板35で傾倒自在に連結されている。さらに、第一の光ファイバ巻回部32の天板部32eの外側には、第二の光ファイバ巻回部33が、その開口部を第一の光ファイバ巻回部32の天板部32eで塞がれるように載置されており、上記開口部に相対する側は天板部33eで塞がれ、第一の光ファイバ巻回部32の側面部32cと第二の光ファイバ巻回部33の側面部33cとは蝶板36で傾倒自在に連結されている。
【0019】
一方、第一の光ファイバ巻回部32の側面部32dが光ファイバ収納部基板31と当接する側には、受座32fが設けられ、たとえば、この受座32fを光ファイバ収納部基板31に当接してボルトによって固定することで、光ファイバ収納部基板31により、第一の光ファイバ巻回部32の開口部が塞がれる。
同様に、第二の光ファイバ巻回部33の側面部33dが第一の光ファイバ巻回部32の側面部32dと当接する側には、受座33fが設けられ、この受座33fが、第一の光ファイバ巻回部32の側面部32dに設けられた受座32gと当接して、ボルトによって固定されることで、第二の光ファイバ巻回部33の開口部が、第一の光ファイバ巻回部32の天板部32eにより塞がれる。
【0020】
なお、光ファイバ収納部基板31に一端側を貼り付けられて、第二の光ファイバ巻回部33の天板部33eの外面に他端側を張り渡すマジックテープ(登録商標)によって、第一、第二の光ファイバ巻回部32,33を光ファイバ収納部基板31に対して固定するようにしてもよい。
このようにして、図5(b)に示すように、第二の光ファイバ巻回部33は第一の光ファイバ巻回部32から自在に傾倒することができ、同様に、図5(c)に示すように、第一の光ファイバ巻回部32も光ファイバ収納部基板31から自在に傾倒することができる。
【0021】
ところで、図5(a)に示すように、各光ファイバ巻回部32、33の天板部32e、33eには、それぞれ光ファイバを巻回する巻き枠32h、33hが設けられている。巻き枠32hの端部側は、図3に示すように、第一の光ファイバ巻回部32の端部側32a、32bと略同一の中心点を有する所定の半径の半円形状壁部をなし、これらの半円形状壁部の間は平坦な形状の壁部をなして連結されている。ここで、上記半円形状壁部は、該半円形状壁部に巻回される光ファイバが、その光信号伝送に支障をきたさないような半径を有している。そして、この巻き枠32hは、図5(a)に示すように、その高さが第一の光ファイバ巻回部32の厚さより若干低く、第一の光ファイバ巻回部32が光ファイバ収納部基板31で塞がれて固定されたときに、第一の光ファイバ巻回部32の開口部に遮蔽板32iを挿入することができる高さとなっている。巻き枠33hについても同様に構成され、第二の光ファイバ巻回部33の開口部に遮蔽板33iを挿入することができる。
【0022】
また、図3に示すように、巻き枠32hの平坦形状の壁部と第一の光ファイバ巻回部32の側面部32c、32dとの間には、光ファイバの巻回を規定する複数の仕切板32jが設けられている。これら仕切板32jは、巻き枠32hの平坦形状の壁部と半円形状壁部とが接する位置(四ヶ所)の近傍で、且つ平坦形状の壁部側に寄った位置に、それぞれ3枚平行して設けられている。これら仕切板32jは、たとえば、幹線光ファイバを巻き枠32hと仕切板32jの一番内側の仕切板との間に巻回する等、第一の光ファイバ巻回部32に巻回される光ファイバの巻回を規定することができる。第二の光ファイバ巻回部33の巻き枠33h、仕切板33jも同様に形成されている。
【0023】
光ファイバ巻回部32から引き出される光ファイバ40a〜40cを挿通するチューブ状の可撓性部材からなるガイド部材41aは、図1、6に示すように、受座15bが設けられた筐体11の辺部に沿って布設されると共に、その一端側が筐体11の内壁面に沿って光ファイバ収納部30の近傍まで所定値以上の曲率半径を維持して布設されており、上記一端側は支持部材42aで筐体11に固定される。一方、他端側は蓋体12の内壁面に沿って中継回路部20の近傍まで所定値以上の曲率半径を維持して布設され、この他端側は支持部材42bで蓋体12に固定される。
【0024】
一方、光ファイバ巻回部33から引き出される光ファイバ40d、40eを挿通するガイド部材41bは、図6に示すように、第二の光ファイバ巻回部33の端部側33aから所定値以上の曲率半径を維持して受座15aが設けられた筐体11の辺部に沿って端部側33bに向け布設され、さらに、端部側33bの外方を円弧状に布設されて受座15bが設けられた筐体11の辺部に達した後、この筐体11の辺部に沿って布設されたうえ、蓋体12の内壁面に沿って中継回路部20の近傍まで所定値以上の曲率半径を維持して布設される。ここで、端部側33a側のガイド部材41bの一端は支持部材42cで筐体11に固定され、一方、他端側は支持部材42dで蓋体12に固定される。
【0025】
さらに、ガイド部材41a、41bが、筐体11の辺部から蓋体12の内壁面に沿って布設される部位には、ガイド部材41a、41bにさらに保護部材44a、44bをそれぞれ巻回することが好ましい(図6)。そうすると、蓋体12を閉じたとき、この蓋体12と筐体11との間にガイド部材41a、41bが挟まれることによって生じる幹線光ファイバ40aや支線光ファイバ40b〜40eの損傷を防止できる。なお、図6では、たとえば、スパイラル状に、ガイド部材41a、41bの表面に巻回される保護部材を、保護部材44a、44bとして用いた場合を示す。
【0026】
次に、中継器1へ引き込まれる幹線光ファイバ40aの光ファイバ収納部30による収納とガイド部材による布設について説明する。
柱上等に設置された中継器1には、メッセージワイヤ等に架設された幹線光ファイバが引きこまれる。図1、6に示すように、幹線光ファイバ40aは、筐体11の左側面部に設けられて、図示しない防水パッキングによって防水されるケーブル導入口16aから筐体11の内部に引きこまれた後に、光ファイバ収納部30が有する第一の光ファイバ巻回部32に収納・巻回される。このとき、幹線光ファイバ40aは、第一の光ファイバ巻回部32の端部側であって、ケーブル導入口16a〜16c側に位置する端部側32aに引き込まれ、第一の光ファイバ巻回部32で巻回されて、ケーブル導入口16d〜16e側に位置する端部側32bから引き出される。
【0027】
より具体的には、第一の光ファイバ巻回部32への幹線光ファイバ40aの巻回で、先ず、図5(c)に示すように、第一の光ファイバ巻回部32を傾倒して、巻き枠32hに幹線光ファイバ40aを巻回して収納する。こうした巻回により、幹線光ファイバ40aの先端側を中継回路部20のメイン回路基板21への接続に適した長さに設定して、第一の光ファイバ巻回部32から引き出すことができる。
【0028】
さらに、支線光ファイバ40b、40cの巻回作業を、幹線光ファイバ40aと同様に行った後、受座32fを光ファイバ収納部基板31にボルトで固定する。
かくして第一の光ファイバ巻回部32から引き出された幹線光ファイバ40a、各支線光ファイバ40b、40cをガイド部材41aに挿通する。そして、図1および6に示すように、幹線光ファイバ40aの先端部に取り付けられたコネクタ43aを中継回路部20のメイン回路基板21に接続し、各支線光ファイバ40b、40cの先端部に取り付けられたコネクタ43b、43cを中継回路部20のサブ回路基板22に接続する。
【0029】
同様に、ケーブル導入口16d、16eから中継器1に導入される支線光ファイバ40d、40eを、第二の光ファイバ巻回部33に収納・巻回し、ガイド部材41bに挿通し、中継回路部20に接続する。
したがって、各光ファイバ40a〜40eはガイド部材41a、41bの作用によって、所定値以上の曲率半径を維持して布設されることになる。
【0030】
また、上記のように第一の光ファイバ巻回部32と第二の光ファイバ巻回部33とに巻回される各光ファイバを互いに逆方向に巻回することで、ガイド部材のの布設を錯綜なく行うことができる。
なお、前述した支持部材42a〜42dは、たとえば、ガイド部材41aの外周を挟持する挟持金具を、スペーサを介して筐体11または蓋体12へ連接するように構成される。
【0031】
かくして、柱上等において、各光ファイバの中継器への接続を容易に行うことができ、また各光ファイバの折れ曲がりが防止されると共に、所定の曲率半径以下で各光ファイバが曲がることも防止される。
また上述したように、幹線光ファイバ、各支線光ファイバを容易に中継回路部に接続することができるので、中継器の設置時の作業と中継器の保守の作業性とが向上する。
【0032】
なお、光ファイバ収納部ら引き出された光ファイバを挿通させてガイドするガイド部材は、一端側と他端側の支持部材に加え、さらに多くの支持部材によって筐体または/および蓋体に固定手段で固定されるものであってもよい。このように各ガイド部材を固定すれば、光ファイバが所定値以下の曲率半径で曲がることを、さらに確実に防止することができる。
【0033】
以上、本発明に係る中継器は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の中継器よれば、柱上等の屋外に設置される中継器に、幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとを、折り曲げを防止し、且つ一定の曲率半径以上に確実に維持して、中継器の外囲器の内部に容易に布設でき、また、中継器の保守作業性も向上できるという実用上極めて重要な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中継器の全体的な概略構造を、外囲器を開いた状態で斜視図で示したものである。
【図2】図1に示す中継器における外囲器の概略外観構成を示す図である。
【図3】図1に示す中継器の筐体とそこに収納された光ファイバ収納部の概略構成を示す図である。
【図4】図3に示す中継器の筐体の断面構造示す図である(図3A−A断面)。
【図5】光ファイバ収納部の断面構造を示す断面図である。
【図6】ガイド部材に挿通される各光ファイバが筐体の辺部に沿って蓋体へと布設される様子を示す図である。
【符号の説明】
1 中継器
10 外囲器
11 筐体
12 蓋体
14 ヒンジ機構
20 中継回路部
30 光ファイバ収納部
32 第一の光ファイバ巻回器
33 第二の光ファイバ巻回器
41a、41b ガイド部材
44a、44b 保護部材

Claims (4)

  1. 幹線光ファイバと複数の支線光ファイバとの間で信号を中継する中継回路部と、その内部に前記中継回路部を収納して密閉する外囲器とからなり、屋外に設置される防水構造の中継器であって、
    前記外囲器は、前記各光ファイバをそれぞれ引き込むと共に、これらの光ファイバをそれぞれ巻回して収納する光ファイバ収納部を設けた箱形の筐体と、この筐体に開閉自在に取り付けられて前記中継回路部を収納する箱形の蓋体とからなり、前記筐体と蓋体との間に布設されてその内部に光ファイバを挿通するチューブ状の可撓性部材からなり、前記光ファイバ収納部と前記中継回路部との間で前記各光ファイバを所定値以上の曲率半径を維持して導くガイド部材を備え
    前記ガイド部材はその一端側が支持部材で筐体に固定され、他端側が支持部材で蓋体に固定されていることを特徴とする中継器。
  2. 前記蓋体は、前記筐体の一辺部にヒンジを介して傾倒自在に支持されたものであって、前記ガイド部材は、前記筐体の上記ヒンジを設けた辺部に沿って布設されると共に、その一端側を前記筐体の内壁面に沿って前記光ファイバ収納部の近傍まで布設され、他端側を前記蓋体の内壁面に沿って前記中継回路部の近傍まで布設されるものである請求項1に記載の中継器。
  3. 前記ガイド部材の、前記筐体の辺部から前記蓋体の内壁面に沿って布設される部位には、該ガイド部材の保護部材が巻回されることを特徴とする請求項2に記載の中継器。
  4. 前記箱形の筐体は、前記蓋体を傾倒自在に支持した下辺部の両側に位置する左右の側壁面にそれぞれ光ケーブルの引き込み部を設けたものであって、前記光ファイバ収納部は、上記各側壁面の一の側壁面からそれぞれ引き込まれた光ファイバを巻回する第一の光ファイバ巻回部と、上記各側壁面の他の側壁面からそれぞれ引き込まれた光ファイバを上記第一の光ファイバ巻回部の巻回方向と反対方向に光ケーブルを巻回する第二の光ファイバ巻回部とを備えてなる請求項1に記載の中継器。
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