JP3816178B2 - 光ケーブル接続部収納用キャビネット - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ心線とテンションメンバとを有する光ケーブルの接続や分岐配線に用いる光ケーブル接続箱、詳しくは、キャビネット内にテンションメンバを含む光ケーブルなどの各光ファイバケーブルを止着状態に保持するようにした光ケーブル接続部収納用キャビネットに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、光ファイバ心線とテンションメンバを有する光ケーブルの接続に際しては、テンションメンバを止着することが不可欠であり、光ファイバの分岐・引込接続には接続作業の失敗を見越して心線に余裕を持たせた余長処理も不可欠である。このため従来では、心線接続後に接続部や心線余長を収納する収納トレイが多数枚使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光ケーブル接続箱にあっては、特別なケースやシートを用いる余長処理部材が必要で組立部品も多く、任意の心線のハンドリングもやっかいであって、識別性も困難であるばかりか、心線の交換や増設もむずかしく、心線接続の安全性や、作業性の上でも構造が複雑化してコスト高となるほか内部空間が小さいことから心線余長が収納しにくくケーブル接続の作業性が低いという問題があった。
本発明は、これら従来の諸欠点を排除しようとするもので、心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線余長の案内も楽にでき心線落下も防止し心線余長の収容も余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好で、しかも任意の心線のハンドリングが可能で取り扱い容易であり、安全な接続処理作業が行えて、作業性を大巾に向上すると共に、変換心線の単心分離部とテープ収容部とが完全に分離状態で納められるし、心線接続部のみ固定すればよいので、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブル接続キャビネットを提供することを目的としたものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部とを備えた心線ケースをキャビネット内に配備し、該キャビネット内に導入されて前記心線余長収納部に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具を具備したキャビネットであって、前記心線ケースの心線接続部支持部が、所定間隔で立設された複数の仕切板と、該仕切板の下端から突出する半円筒状案内部とから構成され、該心線接続部支持部の両側に形成した心線余長収納部に連なると共に、案内部の下方に仕切板を複数立設し、該仕切板の先端に案内板のある案内部を備えた心線余長収納部をベースプレートに形成した心線ケースとして心線余長収納ブラケットに挿入配備したものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
この発明にかかる光ケーブル接続部収納用キャビネットは、扉を開けてキャビネット内のケーブル把持金具にケーブルを把持してテンションメンバ把持部にケーブルのテンションメンバを止着し、引き出された心線は内配線材料の心線ケースに接続し分岐配線される心線は心線係止部を経てキャビネット内に配索される。心線ケース内では、心線接続部支持部によって接続部が収納され、しかも、心線余長収納部がキャビネット外に取出せて心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線ケースの案内部を経て心線余長の案内も楽にでき心線落下も防止し心線余長の収容の余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好であると共に、任意の心線のハンドリングが容易で取扱いも簡便であり、各心線余長の収容保持も確実で、心線の捻り防止に寄与し交換及び増設もワンタッチで可能で接続、分岐の作業を安全かつ容易にすることができる。
【０００６】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図１乃至図４を参照して説明すると、光ファイバケーブル接続部収納用キャビネット本体（以下、キャビネットと略称する）は、基台１と、上方を覆う屋根部２と、側方を覆う側面扉３と前方を覆う前面扉４，５と内部品固定用背板６とから構成され、かつ両側面及び前面は、キャビネットに設けられたヒンジ（図示せず）を介して開閉自在な扉とされている。ここでキャビネットを屋外に設置した場合等におけるキャビネット内の気密性を確保するため、扉は閉鎖時に密閉されるようになっていて、閉鎖した扉の解放を阻止するロック機構７が備えられる。
【０００７】
前記基台１には光ケーブルの導入開口が備えられ、前記内部品固定用背板６が立設され、このキャビネット内には、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部１０と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部１１とを備えた心線ケースを複数配備し、キャビネットに導入されて前記心線余長収納部１１に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具１２，１３を具備したものであって、前記心線余長収納部１１は心線接続部支持部１０の両側に設けられ、ベースプレート１５に複数重積定着して心線余長収納ブラケット１６に挿入すると共に、該心線余長収納ブラケット１６に設けた心線係止部１４の軸方向に沿ってケーブル及びテンションメンバ把持金具１２，１３を備えて光ケーブル接続部収納用キャビネットとしてある。
【０００８】
前記心線接続部支持部１０は、図２に示すように、所定間隔で立設された複数の仕切板１０１と、該仕切板１０１の下端から突出する半円筒状案内部１０２とから構成され、該心線接続部１０の両側に形成した心線余長収納部１１に連なって設けられていて心線接続部、例えば、心線を接続したコネクタ、カセット或いはケースをそれぞれ仕切板１０１間に形成された隙間に上方から縦に挿入することで支持できるようにしたものである。
【０００９】
この場合、前記心線余長収納部１１としては、心線余長収納ブラケット１６に挿入されるガイド部１７を備え、心線余長部を複数の仕切板１８を所定巾の隙間を介して前後方向に立設させたもので、心線接続部支持部１０の仕切板１０１から円弧状に弯曲して延設される案内部１０２の下方に仕切板１８を複数立設し、該各仕切板１８の先端に案内板１１５のある案内部１１２を弯曲して備えたもので、キャビネットに内装させて用いられる。
【００１０】
また、前記心線余長収納部１１としては、図３及び図４に示すように断面略Ｕ字状のケース１１１を複数重合して両サイドを案内部１０２，１１２に組み込んで仕切られた筒状に構成して、ベースプレート１５に定着して用いられるようにしてもよく、また必要に応じ可動式にキャビネット内に内装して取扱いやすくすることもできる。なお、このケース１１１には互いに隣設されるケース１１１との対応した接合面に係合凹凸部１１３を備えて一体的に組立連結保持できるようにするのがよく、案内部１０２，１１２によって固定化できるように配慮してあり、心線収納面側にガイドリブ１１４を突設するのが心線の所定位置支持のために好ましい。
【００１１】
また心線余長収納部１１は、円弧状に弯曲した案内部１０２の両側方に垂下状態に連結され、枠状をなす心線余長収納ブラケット１６に着脱自在に支持される。この実施例では、心線余長収納体１１は、底面を開口端としてあるが必要に応じＵ字状をなす底面を有する薄い鞘状に成形してもよく、かつその内部に形成された空間の横巾は、光ファイバの最小湾曲径より大きく設定されている。また、心線余長収納部１１は、その幅広側の側面を前後方向に向けた状態で、上方からホルダなどの心線余長収納ブラケット１６内に挿入することにより支持される。さらに、この心線余長収納ブラケット１６に支持可能な心線余長収納体１１の個数は、前記心線接続部支持部１０に支持可能な接続部の個数と同数とされている。
【００１２】
なお、心線余長収納部１１に導出入端となる案内部１１２の両側縁に案内板１１ ５ を立設し案内部１１２から心線の落下を防止するようにしてある。また、ケーブル接続時の作業性を向上させるため、前記心線接続部支持部１０及び心線余長収納部１１は、その上部がキャビネットの前方側に向くよう若干傾斜して配設されている。一方、余長収納部１１の下方に接続作業中または未接続の光ファイバを掛けておくためのバー（図示せず）突設することもできる。
【００１３】
前記心線余長収納ブラケット１６としては、図５に示すように枢着部１７１で揺動自在に備えた可動ガイド部１７に配備され、キャビネット外に心線余長収納部１１を持ち出される可動式構成とするのがよく、該心線余長収納ブラケット１６が、屈折自在のリンクレバー１９でキャビネットの内部品固定用背板６に連結され、係脱自在のハンドル２０によってロック並びの解除され、キャビネット外に持ち出せ保持するタイプとすることもできる。
【００１４】
また、前記心線係止部１４は、図６に示す如く心線押え２１の導入用のスリット２２を形成した断面略Ｕ字状の弾性片２３または面状ファスナを多数並設したもの、或いは縦格子状のホルダーからなり、該スリット２２の凹溝にスポンジゴムの当片２４を添設して心線押え２１との間に心線を安全に挾持できるようにし、かつ前記心線余長収納ブラケット１６に設けたケーブルクランプ部２５に対向配備されている。このケーブルクランプ２５は、内側にネオプレン発泡スポンジ２６を張着しケーブル嵌挿孔に連通した切目を設け、該切目を拡開してケーブルを挿入しやすくし、また閉じることでケーブルを確実に保持するようになっている。そして、ケーブルクランプ部２５で包持したケーブルからの分岐心線を前記スリット２２に挿入し心線押え２１を弾性片２３を押し開きつつ圧入することで、心線を区分け維持して心線の識別を著しく容易となるように配線でき、心線の飛びはね防止にも役立ち取外しも簡便であるように配慮してある。
【００１５】
さらに、前記心線係止部１４としては、互いの接触面を介して着脱自在とされた布片からなる面ファスナーを用いてもよいが、心線余長収納ブラケット１６側面に固定された固定片と、これに着脱自在とされた短冊状をなし、弾性片のある複数枚の剥離片とから構成したものを用いることもできる。
【００１６】
これら構成を有するキャビネット内にケーブル接続部を収納する場合には、先ず、前面扉４，５と側面扉３を開け、基台１と屋根部２との間を開放する。次いで、入力側及び出力側の光ファイバがそれぞれ挿通されたケーブル（図示せず）を基台１のケーブル導出入部を介して下方からそれぞれキャビネット内に導入し、ケーブルの上端を把持金具１２でクランプする。また、ケーブルから導出されたテンションメンバを把持金具１３に止着し、心線の基端部を心線係止部１４上に縦に配線保持する。
【００１７】
そして、キャビネットの中央部に導出された心線の先端を、心線接続用のコネクタ内に挿入することにより、心線同士が接続される。次いで心線をそれぞれ左右に垂下させた状態で、コネクタを、心線接続部支持部１０間に形成された隙間に上方から縦に挿入することにより支持されると共に、心線の余長を案内部１０２, １１２に沿って上方から余長収納部１１内に挿入するだけで、ケーブル接続部を容易に収納することができ、心線接続部支持部１０及び心線余長収納部１１の上部がキャビネットの前方側を向いているため処理作業がきわめて容易にできる。
【００１８】
コネクタの交換及び増設は、心線余長収納ブラケット１６を移動して心線余長収納部１１をキャビネット外に導出してコネクタを差し込むだけの簡単な作業でできるようにしてあって、しかも任意の心線のハンドリングも容易にできるようにしてあり、心線余長も案内部によってＵターン収納方式で垂下収納でき捻回、巻き癖をも生じないで処理でき、一目でわかる配線形態で識別性も著しく容易にできる。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部とを備えた心線ケースをキャビネット内に配備し、該キャビネット内に導入されて前記心線余長収納部に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具を具備したキャビネットであって、前記心線ケースの心線接続部支持部が、所定間隔で立設された複数の仕切板と、該仕切板の下端から突出する半円筒状案内部とから構成され、該心線接続部支持部の両側に形成した心線余長収納部に連なると共に、案内部の下方に仕切板を複数立設し、該仕切板の先端に案内板のある案内部を備えた心線余長収納部をベースプレートに形成した心線ケースとして心線余長収納ブラケットに挿入配備したことにより、心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線余長の案内も楽にでき心線落下をも防止し心線余長の収容も余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好で、しかも任意の心線のハンドリングが可能で取り扱い容易であり、安全な接続処理作業が行えて、作業性を大巾に向上すると共に、心線接続部と心線余長収納部とが完全に分離状態で納められるし、心線接続部のみ固定すればよいので、余分な収納部材を不要とし、低コストで生産できるなど実用上の効果がある。
また、本発明では、キャビネットの内部部品のキャビネット外取り出しが可能であって、その簡素化でスペースを有効に用いられコンパクト化と作業性向上とが実現でき切替操作も容易に作業でき、しかも工具なしで作業性を大幅に向上でき、心線余長収納も簡単で安全確実なケーブル配線が可能で構成も簡単で安価な形態で取扱い容易な光ケーブル接続部収納用キャビネットとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例を示し、（ａ）は一部切欠正面図、（ｂ）はＡ−Ａ線における縦断面図、（ｃ）は一部切欠平面図である。
【図２】 図１の例の心線余長収納部を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図である。
【図３】 本発明で用いられる他の心線余長収納部を示す正面図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ線における拡大縦断面図である。
【図５】 本発明で用いられるブラケット部の作動状態を示す側面図である。
【図６】 本発明で用いられる心線係止部の他の例で、（ａ）は正面図、（ｂ）はＣ−Ｃ線における縦断面図、（ｃ）はＤ−Ｄ線における切断平面図、（ｄ）はＥ−Ｅ線における切断平面図である。
【符号の説明】
１ 基台
２ 屋根部
３，４，５ 扉
６ 内部品固定用背板
１０ 心線接続部支持部
１０１ 仕切板
１０２ 案内部
１１ 心線余長収納部
１１１ 心線ケース
１１２ 案内部
１２ ケーブル把持金具
１３ テンションメンバ把持具
１４ 心線係止部
１５ ベースプレート
１６ 心線余長収納ブラケット
１７ ガイド部
１７１ 枢着部
１８ 仕切板
１９ リンクレバー
２０ ハンドル
２１ 心線押え
２２ スリット
２３ 弾性片
２４ 当片
２５ ケーブルクランプ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ心線とテンションメンバとを有する光ケーブルの接続や分岐配線に用いる光ケーブル接続箱、詳しくは、キャビネット内にテンションメンバを含む光ケーブルなどの各光ファイバケーブルを止着状態に保持するようにした光ケーブル接続部収納用キャビネットに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、光ファイバ心線とテンションメンバを有する光ケーブルの接続に際しては、テンションメンバを止着することが不可欠であり、光ファイバの分岐・引込接続には接続作業の失敗を見越して心線に余裕を持たせた余長処理も不可欠である。このため従来では、心線接続後に接続部や心線余長を収納する収納トレイが多数枚使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光ケーブル接続箱にあっては、特別なケースやシートを用いる余長処理部材が必要で組立部品も多く、任意の心線のハンドリングもやっかいであって、識別性も困難であるばかりか、心線の交換や増設もむずかしく、心線接続の安全性や、作業性の上でも構造が複雑化してコスト高となるほか内部空間が小さいことから心線余長が収納しにくくケーブル接続の作業性が低いという問題があった。
本発明は、これら従来の諸欠点を排除しようとするもので、心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線余長の案内も楽にでき心線落下も防止し心線余長の収容も余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好で、しかも任意の心線のハンドリングが可能で取り扱い容易であり、安全な接続処理作業が行えて、作業性を大巾に向上すると共に、変換心線の単心分離部とテープ収容部とが完全に分離状態で納められるし、心線接続部のみ固定すればよいので、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブル接続キャビネットを提供することを目的としたものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部とを備えた心線ケースをキャビネット内に配備し、該キャビネット内に導入されて前記心線余長収納部に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具を具備したキャビネットであって、前記心線ケースの心線接続部支持部が、所定間隔で立設された複数の仕切板と、該仕切板の下端から突出する半円筒状案内部とから構成され、該心線接続部支持部の両側に形成した心線余長収納部に連なると共に、案内部の下方に仕切板を複数立設し、該仕切板の先端に案内板のある案内部を備えた心線余長収納部をベースプレートに形成した心線ケースとして心線余長収納ブラケットに挿入配備したものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
この発明にかかる光ケーブル接続部収納用キャビネットは、扉を開けてキャビネット内のケーブル把持金具にケーブルを把持してテンションメンバ把持部にケーブルのテンションメンバを止着し、引き出された心線は内配線材料の心線ケースに接続し分岐配線される心線は心線係止部を経てキャビネット内に配索される。心線ケース内では、心線接続部支持部によって接続部が収納され、しかも、心線余長収納部がキャビネット外に取出せて心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線ケースの案内部を経て心線余長の案内も楽にでき心線落下も防止し心線余長の収容の余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好であると共に、任意の心線のハンドリングが容易で取扱いも簡便であり、各心線余長の収容保持も確実で、心線の捻り防止に寄与し交換及び増設もワンタッチで可能で接続、分岐の作業を安全かつ容易にすることができる。
【０００６】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図１乃至図４を参照して説明すると、光ファイバケーブル接続部収納用キャビネット本体（以下、キャビネットと略称する）は、基台１と、上方を覆う屋根部２と、側方を覆う側面扉３と前方を覆う前面扉４，５と内部品固定用背板６とから構成され、かつ両側面及び前面は、キャビネットに設けられたヒンジ（図示せず）を介して開閉自在な扉とされている。ここでキャビネットを屋外に設置した場合等におけるキャビネット内の気密性を確保するため、扉は閉鎖時に密閉されるようになっていて、閉鎖した扉の解放を阻止するロック機構７が備えられる。
【０００７】
前記基台１には光ケーブルの導入開口が備えられ、前記内部品固定用背板６が立設され、このキャビネット内には、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部１０と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部１１とを備えた心線ケースを複数配備し、キャビネットに導入されて前記心線余長収納部１１に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具１２，１３を具備したものであって、前記心線余長収納部１１は心線接続部支持部１０の両側に設けられ、ベースプレート１５に複数重積定着して心線余長収納ブラケット１６に挿入すると共に、該心線余長収納ブラケット１６に設けた心線係止部１４の軸方向に沿ってケーブル及びテンションメンバ把持金具１２，１３を備えて光ケーブル接続部収納用キャビネットとしてある。
【０００８】
前記心線接続部支持部１０は、図２に示すように、所定間隔で立設された複数の仕切板１０１と、該仕切板１０１の下端から突出する半円筒状案内部１０２とから構成され、該心線接続部１０の両側に形成した心線余長収納部１１に連なって設けられていて心線接続部、例えば、心線を接続したコネクタ、カセット或いはケースをそれぞれ仕切板１０１間に形成された隙間に上方から縦に挿入することで支持できるようにしたものである。
【０００９】
この場合、前記心線余長収納部１１としては、心線余長収納ブラケット１６に挿入されるガイド部１７を備え、心線余長部を複数の仕切板１８を所定巾の隙間を介して前後方向に立設させたもので、心線接続部支持部１０の仕切板１０１から円弧状に弯曲して延設される案内部１０２の下方に仕切板１８を複数立設し、該各仕切板１８の先端に案内板１１５のある案内部１１２を弯曲して備えたもので、キャビネットに内装させて用いられる。
【００１０】
また、前記心線余長収納部１１としては、図３及び図４に示すように断面略Ｕ字状のケース１１１を複数重合して両サイドを案内部１０２，１１２に組み込んで仕切られた筒状に構成して、ベースプレート１５に定着して用いられるようにしてもよく、また必要に応じ可動式にキャビネット内に内装して取扱いやすくすることもできる。なお、このケース１１１には互いに隣設されるケース１１１との対応した接合面に係合凹凸部１１３を備えて一体的に組立連結保持できるようにするのがよく、案内部１０２，１１２によって固定化できるように配慮してあり、心線収納面側にガイドリブ１１４を突設するのが心線の所定位置支持のために好ましい。
【００１１】
また心線余長収納部１１は、円弧状に弯曲した案内部１０２の両側方に垂下状態に連結され、枠状をなす心線余長収納ブラケット１６に着脱自在に支持される。この実施例では、心線余長収納体１１は、底面を開口端としてあるが必要に応じＵ字状をなす底面を有する薄い鞘状に成形してもよく、かつその内部に形成された空間の横巾は、光ファイバの最小湾曲径より大きく設定されている。また、心線余長収納部１１は、その幅広側の側面を前後方向に向けた状態で、上方からホルダなどの心線余長収納ブラケット１６内に挿入することにより支持される。さらに、この心線余長収納ブラケット１６に支持可能な心線余長収納体１１の個数は、前記心線接続部支持部１０に支持可能な接続部の個数と同数とされている。
【００１２】
なお、心線余長収納部１１に導出入端となる案内部１１２の両側縁に案内板１１ ５ を立設し案内部１１２から心線の落下を防止するようにしてある。また、ケーブル接続時の作業性を向上させるため、前記心線接続部支持部１０及び心線余長収納部１１は、その上部がキャビネットの前方側に向くよう若干傾斜して配設されている。一方、余長収納部１１の下方に接続作業中または未接続の光ファイバを掛けておくためのバー（図示せず）突設することもできる。
【００１３】
前記心線余長収納ブラケット１６としては、図５に示すように枢着部１７１で揺動自在に備えた可動ガイド部１７に配備され、キャビネット外に心線余長収納部１１を持ち出される可動式構成とするのがよく、該心線余長収納ブラケット１６が、屈折自在のリンクレバー１９でキャビネットの内部品固定用背板６に連結され、係脱自在のハンドル２０によってロック並びの解除され、キャビネット外に持ち出せ保持するタイプとすることもできる。
【００１４】
また、前記心線係止部１４は、図６に示す如く心線押え２１の導入用のスリット２２を形成した断面略Ｕ字状の弾性片２３または面状ファスナを多数並設したもの、或いは縦格子状のホルダーからなり、該スリット２２の凹溝にスポンジゴムの当片２４を添設して心線押え２１との間に心線を安全に挾持できるようにし、かつ前記心線余長収納ブラケット１６に設けたケーブルクランプ部２５に対向配備されている。このケーブルクランプ２５は、内側にネオプレン発泡スポンジ２６を張着しケーブル嵌挿孔に連通した切目を設け、該切目を拡開してケーブルを挿入しやすくし、また閉じることでケーブルを確実に保持するようになっている。そして、ケーブルクランプ部２５で包持したケーブルからの分岐心線を前記スリット２２に挿入し心線押え２１を弾性片２３を押し開きつつ圧入することで、心線を区分け維持して心線の識別を著しく容易となるように配線でき、心線の飛びはね防止にも役立ち取外しも簡便であるように配慮してある。
【００１５】
さらに、前記心線係止部１４としては、互いの接触面を介して着脱自在とされた布片からなる面ファスナーを用いてもよいが、心線余長収納ブラケット１６側面に固定された固定片と、これに着脱自在とされた短冊状をなし、弾性片のある複数枚の剥離片とから構成したものを用いることもできる。
【００１６】
これら構成を有するキャビネット内にケーブル接続部を収納する場合には、先ず、前面扉４，５と側面扉３を開け、基台１と屋根部２との間を開放する。次いで、入力側及び出力側の光ファイバがそれぞれ挿通されたケーブル（図示せず）を基台１のケーブル導出入部を介して下方からそれぞれキャビネット内に導入し、ケーブルの上端を把持金具１２でクランプする。また、ケーブルから導出されたテンションメンバを把持金具１３に止着し、心線の基端部を心線係止部１４上に縦に配線保持する。
【００１７】
そして、キャビネットの中央部に導出された心線の先端を、心線接続用のコネクタ内に挿入することにより、心線同士が接続される。次いで心線をそれぞれ左右に垂下させた状態で、コネクタを、心線接続部支持部１０間に形成された隙間に上方から縦に挿入することにより支持されると共に、心線の余長を案内部１０２, １１２に沿って上方から余長収納部１１内に挿入するだけで、ケーブル接続部を容易に収納することができ、心線接続部支持部１０及び心線余長収納部１１の上部がキャビネットの前方側を向いているため処理作業がきわめて容易にできる。
【００１８】
コネクタの交換及び増設は、心線余長収納ブラケット１６を移動して心線余長収納部１１をキャビネット外に導出してコネクタを差し込むだけの簡単な作業でできるようにしてあって、しかも任意の心線のハンドリングも容易にできるようにしてあり、心線余長も案内部によってＵターン収納方式で垂下収納でき捻回、巻き癖をも生じないで処理でき、一目でわかる配線形態で識別性も著しく容易にできる。
【００１９】
【発明の効果】
本発明は、光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部とを備えた心線ケースをキャビネット内に配備し、該キャビネット内に導入されて前記心線余長収納部に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具を具備したキャビネットであって、前記心線ケースの心線接続部支持部が、所定間隔で立設された複数の仕切板と、該仕切板の下端から突出する半円筒状案内部とから構成され、該心線接続部支持部の両側に形成した心線余長収納部に連なると共に、案内部の下方に仕切板を複数立設し、該仕切板の先端に案内板のある案内部を備えた心線余長収納部をベースプレートに形成した心線ケースとして心線余長収納ブラケットに挿入配備したことにより、心線接続の交換並びに増設が簡単にでき、心線余長の案内も楽にでき心線落下をも防止し心線余長の収容も余分な外力のかからないで垂下収納でき捻回、巻き癖を生じないで一目でわかる配線ができて識別性良好で、しかも任意の心線のハンドリングが可能で取り扱い容易であり、安全な接続処理作業が行えて、作業性を大巾に向上すると共に、心線接続部と心線余長収納部とが完全に分離状態で納められるし、心線接続部のみ固定すればよいので、余分な収納部材を不要とし、低コストで生産できるなど実用上の効果がある。
また、本発明では、キャビネットの内部部品のキャビネット外取り出しが可能であって、その簡素化でスペースを有効に用いられコンパクト化と作業性向上とが実現でき切替操作も容易に作業でき、しかも工具なしで作業性を大幅に向上でき、心線余長収納も簡単で安全確実なケーブル配線が可能で構成も簡単で安価な形態で取扱い容易な光ケーブル接続部収納用キャビネットとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例を示し、（ａ）は一部切欠正面図、（ｂ）はＡ−Ａ線における縦断面図、（ｃ）は一部切欠平面図である。
【図２】 図１の例の心線余長収納部を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図である。
【図３】 本発明で用いられる他の心線余長収納部を示す正面図である。
【図４】 図３のＢ−Ｂ線における拡大縦断面図である。
【図５】 本発明で用いられるブラケット部の作動状態を示す側面図である。
【図６】 本発明で用いられる心線係止部の他の例で、（ａ）は正面図、（ｂ）はＣ−Ｃ線における縦断面図、（ｃ）はＤ−Ｄ線における切断平面図、（ｄ）はＥ−Ｅ線における切断平面図である。
【符号の説明】
１ 基台
２ 屋根部
３，４，５ 扉
６ 内部品固定用背板
１０ 心線接続部支持部
１０１ 仕切板
１０２ 案内部
１１ 心線余長収納部
１１１ 心線ケース
１１２ 案内部
１２ ケーブル把持金具
１３ テンションメンバ把持具
１４ 心線係止部
１５ ベースプレート
１６ 心線余長収納ブラケット
１７ ガイド部
１７１ 枢着部
１８ 仕切板
１９ リンクレバー
２０ ハンドル
２１ 心線押え
２２ スリット
２３ 弾性片
２４ 当片
２５ ケーブルクランプ部
Claims (5)
- 光ケーブルの心線接続部を着脱自在に支持する心線接続部支持部１０と、前記心線接続部から延びる心線余長を収納する心線余長収納部１１とを備えた心線ケースをキャビネット内に配備し、該キャビネット内に導入されて前記心線余長収納部１１に至る光ケーブル及びテンションメンバを保持する把持金具１２，１３を具備したキャビネットであって、前記心線ケースの心線接続部支持部１０が、所定間隔で立設された複数の仕切板１０１と、該仕切板１０１の下端から突出する半円筒状案内部１０２とから構成され、該心線接続部支持部１０の両側に形成した心線余長収納部１１に連なると共に、案内部１０２の下方に仕切板１８を複数立設し、該仕切板１８の先端に案内板１１５のある案内部１１２を備えた心線余長収納部１１をベースプレート１５に形成した心線ケースとして心線余長収納ブラケット１６に挿入配備したことを特徴とする光ケーブル接続部収納用キャビネット。
- 前記心線ケースの心線余長収納部１１が、断面略Ｕ字状の心線ケース１１１を複数重合して両サイドを案内部１０２，１１２に組み立て仕切られ構成されているものであって、ベースプレート１５に定着したものである請求項１記載の光ケーブル接続部収納用キャビネット。
- 前記心線余長収納ブラケット１６が、枢着部１７ １ で揺動自在に備えた可動ガイド部１７に配備され、キャビネット外に心線余長収納部１１を持ち出される構成となっている請求項１または２記載の光ケーブル接続部収納用キャビネット。
- 前記心線余長収納ブラケット１６が、屈折自在のリンクレバー１９でキャビネット内に連結され、係脱自在のハンドル２０によってロック並びに解除される請求項１，２または３記載の光ケーブル接続部収納用キャビネット。
- 前記心線余長収納ブラケット１６が、心線押え導入用のスリット２２を形成した断面略Ｕ字状の弾性片２３を多数並設した心線係止部１４を備えている請求項１，２，３または４記載の光ケーブル接続部収納用キャビネット。
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| JP04691097A JP3816178B2 (ja) | 1997-02-17 | 1997-02-17 | 光ケーブル接続部収納用キャビネット |
Applications Claiming Priority (1)
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1997
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