JP3923197B2 - 上下スライド扉機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーナビゲーションシステムなどに使用する上下スライド扉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のカーナビゲーションシステムに用いられている上下スライド扉機構の外観を示し、図4、図5はその構成を示している。図3において、11はエスカッションパネルであり、21はその開閉扉であり、エスカッションパネル11の正面部に凹面12が形成されていて、この凹面上12を開閉扉21が上下方向に移動可能に備えられている。
【0003】
図4において、エスカッションパネル11の凹面12には、2つの長穴13が所定の間隔を設定されて横方向に並べて設けられている。一方、開閉扉21の背面側には、第1、第2のアームギヤ24、25が枢支されている。開閉扉21の背面の所定の位置に2つの取付ボス22が横方向に並べて突設されていて、これらの取付ボス22にはねじ穴23が切られている。第1、第2のアームギヤ24、25は先端にギヤ部26、中間に取付用の穴27を有し、基端にスタッド28が固定されている。なお、スタッド28にはねじ穴29が切られている。各アームギヤ24、25はそれぞれ中間の穴27に各取付ボス22が通されて枢支され、相互に先端のギヤ部26を噛合されてほぼ水平に配置される。これらのアームギヤ24、25は、その上から取付板30が2つの取付ボス22にねじ止めされて保持される。そして、この開閉扉21は、第1、第2のアームギヤ24、25の各スタッド28がエスカッションパネル11の凹面12に形成された2つの長穴13に挿通され、エスカッションパネル11の背面側で各スタッド28間に板ばね40がねじ31により固定されて取り付けられる。
【0004】
ここで板ばね40は、その長手方向の中心に第1の屈曲部41を設定して鋭角に折曲され、さらに第1の屈曲部41の両側にそれぞれ、第2、第3の屈曲部42、43を設定して鋭角に折り返されている。したがって、その長手方向の中央部分が鋭角の三角形状に折り曲げられている。また、板ばね40の両端にはそれぞれ、幅方向中間部にL字形の切り起こし44が形成され、そこにねじ挿通穴45が穿たれている。これらのねじ挿通穴45にねじ31が通されて、且つ屈曲部41、42、43の部分を下方へ押して板ばね40をわずかに延ばし、エスカッションパネル11の各長穴13に通された第1、第2のアームギヤ24、25基端の各スタッド28に締結される。
【0005】
このようにして、図5に示すように、板ばね40の第1、第2、第3の屈曲部41、42、43により第1、第2のアームギヤ24、25の各スタッド28が内方(中央)に向けて付勢され、両端のL字形の切り起こし44により各スタッド28が図5中上向きに、すなわち、エスカッションパネル11の凹面12方向に付勢される。
【0006】
したがって、図4、図5において、開閉扉21が下方、すなわち矢印a方向に動作されると、この開閉扉21の動作方向に応じて第1のアームギヤ24が矢印b方向に向けて、第2のアームギヤ25が矢印c方向に向けてそれぞれ回転され、板ばね40が中央方向に、すなわち矢印f 方向、 g 方向に圧縮される。このときに、板ばね40の第1、第2、第3の屈曲部41、42、43により板ばね40が両端方向へ付勢されていて、開閉扉21に動作荷重( 戻り荷重)が得られる。また、板ばね40両端の切り起こし44により、各スタッド28が凹面12方向へ付勢されていて、開閉扉21の凹面12に対する遊びが吸収される。これにより、各アームギヤ24、25はギア部26の部分で密に噛み合い、且つ開閉扉21はスタッド28を介して凹面12に密着することによりガタつきなく開閉運動することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の上下スライド扉機構では、そこに用いている板ばねに3つの屈曲部を鋭角に設けているため、開閉扉の動作荷重が重くなっているという問題があった。また、板ばねの両端にさらにL字形の切り起こしを設けて、開閉扉のエスカッションパネルとの遊びを吸収するようにしているため、板ばねの形状が複雑になっているという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、開閉扉の動作荷重を軽減し、板ばね全体を簡素な形状にした優れた上下スライド扉機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、板ばねに1箇所または2箇所の屈曲部を鈍角に設けて、全体を山形に折曲している。
【0010】
本発明によれば、開閉扉の動作荷重を軽減し、板ばね全体を簡素な形状にした優れた上下スライド扉機構が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の上下スライド扉機構は、板ばねが1箇所または2箇所に屈曲部を鈍角に形成されて、全体が山形に折曲されたものであり、その鈍角の屈曲部により、開閉扉の動作荷重が軽減されるとともに、各スタッドとの取付部が傾斜面になって、開閉扉の遊びが吸収され、また板ばね全体の形状が簡素化されるという作用を有する。
【0012】
以下、本発明の実施例について図1、図2を用いて説明する。
(実施例)
図1、図2は本発明の一実施例の構成を示すものである。なお、この実施例においても、カーナビゲーションシステムに用いられている上下スライド扉機構を例示している。図1において、11はエスカッションパネルであり、その一部に凹面12が設けられていて、ここに開閉扉21が取り付けられる。凹面12には、2つの長穴13が所定の間隔を設定されて横方向に並べて形成されている。開閉扉21の背面には、所定の位置にねじ穴23を有する2つの取付ボス22が横に並べて突設されていて、これらの取付ボス22に第1、第2のアームギヤ24、25が枢支される。第1、第2のアームギヤ24、25はそれぞれ、先端にギヤ部、中間に取付用の穴27を有し、基端にスタッド28が固定されていて、スタッド28にはねじ穴29が切られている。各アームギヤ24、25はそれぞれ中間の穴27に各取付ボス22を通されて枢支され、相互に先端のギヤ部26を噛合されてほぼ水平に配置される。これらのアームギヤ24、25は、その上から取付板30が2つの取付ボス22にねじ止めされて、保持される。そして、この開閉扉21は、第1、第2のアームギヤ24、25の各スタッド28をエスカッションパネル11の凹面12に形成された2つの長穴13に挿通され、エスカッションパネル11の背面側で各スタッド28間に板ばね1がねじ止めされて、取り付けられる。
【0013】
ここで板ばね1は、その長手方向中心から両端方向に所定の寸法を採って、そこに第1、第2の屈曲部201、202を設定して鈍角に折曲され、中央が平坦面3、その両側が傾斜面4の全体が山形に形成されている。また、板ばね1の両端、すなわち各傾斜面4の端部には、ねじ挿通穴5が円形に穿たれている。これらのねじ挿通穴5にねじが挿通されて、且つ平坦面3の部分を下方へ押して板ばね1をわずかに延ばし、エスカッションパネル11の各長穴13に通された第1、第2のアームギヤ24、25の各スタッド28に締結される。
【0014】
このようにして、図2に示すように、第1、第2の屈曲部201、202により全体が山形に形成された板ばね1により、第1、第2のアームギヤ24、25の各スタッド28が内方(中央)に向けて付勢される。また両側の傾斜面4に各スタッド28が取り付けられていて、各スタッド28が図2中上向きに、すなわち、エスカッションパネル11の凹面12方向に付勢される。
【0015】
したがって、開閉扉21が下方、すなわち矢印a方向に動作されると、この開閉扉21の動作方向に応じて第1のアームギヤ24が矢印b方向へ、第2のアームギヤ25が矢印c方向へそれぞれ回転されて、板ばね1が矢印f 方向、 g 方向に圧縮される。このとき、板ばね1が両端方向へ付勢されていて、これが開閉扉21の動作荷重となる。板ばね1の第1、第2の屈曲部201、202が鈍角になっているから、開閉扉21に軽減された動作荷重( 戻り荷重)が得られる。また、各スタッド28が板ばね1の傾斜面4に取り付けられていて、各スタッド28がエスカッションパネル11の凹面12方向に付勢されているから、開閉扉21の凹面12に対する遊びが吸収される。これにより、各アームギヤ24、25はギア部26の部分で密に噛み合い、且つ開閉扉21はスタッド28を介して凹面12に密着することによりガタつきなく開閉運動することができる。
【0016】
なお、本実施例では、板ばね1に第1、第2の屈曲部201、202を設定して鈍角に折曲し、全体を山形に形成しているが、板ばねの長手方向中心に1箇所、屈曲部を設定し、これを鈍角に折曲して、全体を山形に形成してもよく、同様の作用効果を奏することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、上記実施例から明らかなように、上下スライド扉機構において、板ばねに1箇所または2箇所の屈曲部を鈍角に設けて、全体を山形に折曲しているので、開閉扉の動作荷重を軽減されるとともに、各スタッドとの取付部が傾斜面になって、開閉扉の遊びが吸収され、また、板ばね全体を簡素な形状にすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における上下スライド扉機構の構成を示す分解斜視図
【図2】同上下スライド扉機構の構成を示す平面断面図
【図3】従来のカーナビゲーションシステムに備えた上下スライド扉機構の正面図
【図4】従来の上下スライド扉機構の構成を示す分解斜視図
【図5】同上下スライド扉機構の構成を示す平面断面図
【符号の説明】
1 板ばね
201 第1の屈曲部
202 第2の屈曲部
3 平坦面
4 傾斜面
5 ねじ挿通穴
11 エスカッションパネル
12 凹面
13 長穴
21 開閉扉
22 取付ボス
23 ねじ穴
24 第1のアームギヤ
25 第2のアームギヤ
26 ギヤ部
27 穴
28 スタッド
29 ねじ穴
30 取付板
Claims (1)
- 凹面を有した表面のパネルと、前記表面パネルの凹面を上下方向に移動可能な開閉扉と、先端にギヤ部を有し基端にスタッドを突設し中間部を前記開閉扉に枢支された第1のアームギヤと、先端にギヤ部を有し基端にスタッドを突設し中間部を前記開閉扉に枢支された第2のアームギヤと、前記第1のアームギヤおよび前記第2のアームギヤを付勢する板ばねとを備え、
前記第1のアームギヤと前記第2のアームギヤとが、相互にギヤ部を噛合されて前記開閉扉の背面に設けられ、かつ、前記表面パネルを挟んで前記板ばねの一端に前記第1のアームギヤのスタッドが固定され前記板ばねの他端に前記第2のアームギヤのスタッドが固定され、開閉扉の動作方向に応じて第1のアームギヤ、第2のアームギヤがそれぞれ回転する上下スライド扉機構において、
前記板ばねは、その長手方向中心に1箇所またはその長手方向中心から両端方向に所定の寸法を採った位置の2箇所に屈曲部が鈍角に形成され全体が山形に折曲されて、前記スタッドが前記表面パネルの凹面方向に付勢されることを特徴とする上下スライド扉機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28581098A JP3923197B2 (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 上下スライド扉機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28581098A JP3923197B2 (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 上下スライド扉機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000114741A JP2000114741A (ja) | 2000-04-21 |
JP3923197B2 true JP3923197B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=17696389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28581098A Expired - Fee Related JP3923197B2 (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 上下スライド扉機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3923197B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-08 JP JP28581098A patent/JP3923197B2/ja not_active Expired - Fee Related
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