JP3922761B2 - 白色高反射性塗料を用いた計器用ポインター - Google Patents
白色高反射性塗料を用いた計器用ポインター Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色高反射性塗料を用いた計器用ポインターに関する。
【0002】
【従来の技術】
反射性塗料は、種々の分野において広く使用されている。例えば、自動車等の計器類においては、夜間やトンネル内において、指針自体が発光して、視認性をよくする必要があり、この目的のために、光入射部と光出射部と光出射部の背面に設けられた白色反射性皮膜とから成るポインターが一般に使用されている(特開昭56−4011号公報)。
【0003】
この白色反射性皮膜としては、汎用樹脂中に酸化チタン等の白色顔料を分散させたものを、反射塗料として塗装或いは印刷したり、また白色箔としてホットスタンプして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の白色反射皮膜では未だ反射率が低く、ポインターとして使用したとき、十分な輝度が得られないという問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、優れた反射性を示す白色高反射性塗料を用いて形成された白色反射膜を有し、高輝度を示す計器用ポインターを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、透明樹脂から成り、光入射部と光出射部とを備え、少なくとも光出射部の背面に白色反射性塗膜が設けられているポインターにおいて、前記白色反射性塗膜が、屈折率が1.46以下の結着剤樹脂中に平均粒径が0.2〜0.3μmで屈折率が2.5以上の白色顔料を、白色顔料と結着剤樹脂とが1:2乃至5:1の重量比で存在するように分散させて成る白色高反射性塗料から形成されていることを特徴とする計器用ポインターが提供される。
本発明においては、
1.結着剤樹脂がフッ素樹脂或いは変性フッ素樹脂であること、
2.白色顔料がルチル型二酸化チタンであること、
が好ましい。
【0007】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明では、結着剤樹脂として屈折率が1.46以下の低屈折率の結着剤樹脂を選択し、白色顔料として平均粒径が0.2〜0.3μmで屈折率が2.5以上の高屈折率の白色顔料を選択し、この樹脂中に白色顔料を分散させたことが特徴であり、これにより、形成される塗膜は高い反射性を示し、この白色高反射性塗料を設けたポインターは高い輝度を示す。
【0008】
反射性塗料の場合、白色顔料を用いることは必須不可欠であるが、用いる白色顔料の屈折率が高く、結着剤樹脂の屈折率が低い方が反射性が向上することが分かった。
【0009】
例えば、二酸化チタンを屈折率が1.55のエポキシ樹脂に分散させた塗料を反射塗膜としたポインターは22.6(相対値)の輝度を示すにすぎないのに対して、この樹脂を屈折率が1.44の変性フッ素樹脂に置き換えた以外は同様の塗料を反射塗膜としたポインターは37.1(相対値)と、50%以上増加した輝度を示すのであって、樹脂の屈折率の僅かの低下による反射性能の増大が著しいものであることが了解される(詳細は後述する実施例1及び比較例1参照)。
【0010】
本発明においては、白色顔料の屈折率が2以上、特に2.5以上であることも反射性能の増大に重要であり、屈折率が上記範囲を下回る白色顔料を使用したのでは、本発明の塗料のような高反射性能は得られない。
【0011】
また、用いる白色顔料は、0.2乃至0.3μmのごく限られた狭い範囲の平均粒径を有することも反射性能の向上に重要である。一般に、白色顔料の重要な物性として隠蔽力があり、この隠蔽力は粒径が微細になると小さくなることが知られている。これに対して、本発明の白色高反射性塗料においては、白色顔料の粒径が上記の微細な範囲となることにより、意外なことに反射性能が向上しているのである。これは、後述する顔料/結着剤樹脂比(P/B)にも依存するが、塗膜表面に存在する白色顔料微細粒子が入射光線の散乱に寄与し、塗膜内での光線の吸収を少なくしているためと思われる。
【0012】
本発明の白色高反射性塗料においては、顔料/結着剤樹脂の重量比(P/B)が、0.5乃至5の範囲にあることが、反射性と塗膜強度或いは密着性の点で好ましい。このP/B比が上記範囲を下回ると、塗膜の反射性が低下し、一方、上記範囲を上回ると、塗膜強度や密着性が低下するようになる。
【0013】
[白色高反射性塗料]
本発明の白色高反射性塗料は、屈折率が1.46以下の低屈折率の結着剤樹脂中に、平均粒径が0.2〜0.3μmで、屈折率が2.5以上の高屈折率の白色顔料を分散させて成るものである。
【0014】
(1)結着剤樹脂
低屈折率の結着剤樹脂としては、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、変性エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂或いはこれらの2種以上の組み合わせの内、前述した屈折率を満足するものが使用される。これらの内、フッ素樹脂或いは変性フッ素樹脂は、屈折率が低く、本発明の目的に特に適している。尚、通常のアクリル樹脂やエポキシ樹脂は、屈折率が上記範囲よりも高く、本発明の目的に適しない。
【0015】
フッ素樹脂系の結着剤樹脂としては、熱可塑性フッ素樹脂塗料と呼ばれるものでも、熱硬化性フッ素樹脂塗料と呼ばれるものでも使用される。
【0016】
前者の例として、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のホモポリマーや、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニル共重合体、フッ化ビニリデン−ペルフルオロアルキルビニル共重合体等が挙げられる。
【0017】
用いるフッ素樹脂は、溶媒への溶解性や基体への密着性の点で、水酸基、エーテル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を有していてもよく、このような官能基含有共重合体は、官能基含有エチレン系不飽和単量体を共重合させることにより得られる。
【0018】
水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、10−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2−メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、α−メチロールアクリルアミド、2−(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、グリセリンモノアルコールなとが挙げられる。
【0019】
エーテル基含有エチレン性不飽和化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、へキシルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテルなどが挙げられる。
【0020】
不飽和カルボン酸類としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体(たとえば酸無水物、酸ハライド、ハーフエステルなど)が挙げられる。
この誘導体としては、たとえば、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸エチル、イタコン酸メチル、シトラコン酸エチル、テトラヒドロフタル酸メチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸メチル等が挙げられる。
【0021】
不飽和エステル単量体としては、一例として、アクリル酸やメタクリル酸のエステルが挙げられ、このようなエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等がある。ただし上記の(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。上記(メタ)アクリル酸エステルは単独でも組み合わせても使用でき、また他の単量体との共重合体でもよい。好適なエステルは、メタクリル酸メチル(MMA)である。
【0022】
不飽和エステル単量体の他の例は、ビニルエステル化合物であり、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロヘキサンカルボン酸ビニルなどが挙げられる。
【0023】
アミド基含有単量体としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ビスマレイミド等がある。
【0024】
アミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、窒素原子が置換乃至未置換のものであってよく、ここで置換基としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基や炭素数6〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキル基であるようなビニル系単量体を挙げることができる。
このようなアミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアリルアミン系誘導体、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレンなどのアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミドなどが挙げられる。
【0025】
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基を少なくとも1個以上有するモノマーが用いられる。
このようなエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびグシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびジグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。
【0026】
また、極性基含有単量体としては、ペルフロオロ単量体、例えば、下記式(1)
式中、Xは水酸基、エーテル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコキシカルボニル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の官
能基であり、
nは1乃至5の数である、
で表される単量体を用いることもできる。
【0027】
極性基含有フッ素樹脂中における前記極性基の量は、極性基の種類によっても変化するが、一般に、100g当たり1乃至300ミリモル、特に5乃至200ミリモルの範囲にあるのが望ましい。極性基の濃度があまり高いと樹脂の屈折率が高くなる傾向があり、一方あまりに低いと溶媒への溶解性や基体への密着性が低下する傾向がある。
【0028】
用いるフッ素樹脂は、それ自体公知の製造法で製造されたものでよく、前述したフッ素系単量体、或いは更に共単量体を、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等で開始剤の存在下に重合させるのがよい。
【0029】
溶液重合法の場合、用いる溶媒は特に制限されないが、フッ素系溶媒が好ましく、例えば、ペルフルオロアルカン類、ペルフルオロシクロアルカン類、ペルフルオロエーテル類、ペルフルオロ3級アミン類等を用いることができる。乳化重合や懸濁重合の場合は、媒体として水を使用するのが一般的である。
【0030】
開始剤としては、ラジカル開始剤が触媒量で使用され、溶液重合乃至懸濁重合では、有機過酸化物、特にフッ素系のジアシルペルオキシドが使用され、乳化重合では、過硫酸鉛が使用される。
【0031】
重合条件は、特に制限はないが、単量体の種類や、開始剤の種類に応じて、0乃至100℃の温度、1乃至40kg/cm2 の圧力下に行うのがよい。
【0032】
上記のフッ素樹脂は、単独で使用する代わりに、他の樹脂、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、ウレタン樹脂、ポリフェニレンスルフィド等の少なくとも1種をブレンドして、変性樹脂として用いることもできる。これらの変性樹脂は、一般に50重量%よりも少ない量、特に30重量%以下の量で用いるのが好適である。
【0033】
また、前述した熱硬化性フッ素樹脂としては、前述した極性基(官能基)含有フッ素樹脂共重合体、特に水酸基含有フッ素樹脂共重合体を基体樹脂とし、これに、硬化剤樹脂、特にメラミン樹脂、ウレタン等を配合したものである。この樹脂は溶液での塗布が可能であると共に、耐久性に優れた白色高反射性塗膜を形成できるので特に有利である。硬化剤樹脂は、基体樹脂に対して、0.1乃至20重量部配合するのがよい。
【0034】
(2)白色顔料
本発明に用いる白色顔料は、0.2乃至0.3μmの平均粒径と2.5以上の屈折率とを有するものである。白色顔料としては、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、三酸化二アンチモン(Sb2O3)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化セリウム(CeO2)硫化亜鉛(ZnS)等が知られており、これらの内上記条件を満足するものが使用される。
【0035】
これらの内でも、二酸化チタンが好適である。二酸化チタンには、アナターゼ型(屈折率 2.55)とルチル型(屈折率 2.70)の2種類があるが、これらの内では、屈折率が高い点でルチル型が優れている。
【0036】
用いる白色顔料は、未処理のものでも或いは表面処理されたものでもよい。表面処理には、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、樹脂酸、金属石鹸、樹脂の初期縮合物等が使用される。
【0037】
(3)塗料
本発明の塗料においては、白色顔料と結着剤樹脂とを1:2乃至5:1の重量比で使用する。
【0038】
この塗料は、水性塗料として用いることもできるが、一般には有機溶媒系の塗料として用いることが好ましい。有機溶剤としては、前述したフッ素系溶媒の他に、汎用の塗料用有機溶媒、例えばウンデカン、ドデカン等の炭化水素系溶剤、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、イソホロン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド等のアミド系溶剤等が単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。
【0039】
この塗料には、それ自体公知の塗料用配合剤、例えば、レベリング剤、消泡剤、原減粘剤等をそれ自体公知の処方に従って配合することができる。
【0040】
レベリング剤としては、各種シリコン類、特にポリアルキレンオキシ基を有するオルガノポリシロキサンが使用される。消泡剤としては、上記オルガノポリシロキサンの他に、各種界面活性剤が使用される。
【0041】
樹脂溶液に対する白色顔料の分散は、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ホモジナイザー、超音波分散等のそれ自体公知の分散手段を用いて行うことができる。
【0042】
[用途]
本発明の白色高反射性塗料は、透明基体の背面に塗装して、反射を行わせる用途に使用できる。
【0043】
透明性基体としては、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、ポリ4−メチル−1−ペンテン系重合体等が挙げられ、これらは、シート、小球状成形体、レンズ、その他の成形体であってよい。
【0044】
白色高反射性塗膜の形成には、公知の塗装乃至印刷方法、例えば、スプレー塗り・ロールコート・フローコート・バーコート・デップコート・パッド印刷等を用いることができる。
【0045】
本発明の白色高反射性塗料は、自動車等の計器類においては、夜間やトンネル内において、指針自体が発光して、視認性をよくするためのポインターの反射性塗膜として特に有用である。
【0046】
このポインターの一例を示す図1(正面図)及び図2(側断面図)において、このポインター1は、前述した透明性樹脂から形成されており、ボス2、指針本体3、及び指針本体の反対側に位置するバランスウェイト4から成っている。
【0047】
指針本体3の前面には、細幅の光出射部5が指針本体の長手方向に延びており、光出射部以外の前面及び側面は遮光膜6で覆われている。指針本体3の背面側には、ボス2に近接して光入射部7がある。指針本体背面には、この光入射部を除いて、本発明の白色高反射性塗料から成る反射膜8を設ける。白色高反射性塗料の塗布はパッド印刷により行うことができる。遮光膜6の内面にもこの白色高反射性塗料を設けうることは勿論である。
【0048】
このポインターにおいて、光源、例えば冷陰極管(図示せず)からの光は、光入射部7を経て指針本体3内に入射され、反射膜8で反射された光と共に、光射出部5を経て光が射出され、ポインターに優れた輝度を与えることができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0050】
実施例1
平均粒径0.28μmで屈折率が2.7の二酸化チタン(CR−95:石原産業(株)製)と、フッ素樹脂とアクリル樹脂との共重合体(屈折率 nd=1.44)のワニスとを、固形分重量比(P:B)で15:10で調合し、白色塗料1を調製した。
【0051】
この白色塗料を、シリコーンガム製のパッドに含浸させて、図1及び図2に示すポインターの背面に、パッド印刷により施した。乾燥後の膜厚は24μmであった。
【0052】
実施例2
平均粒径0.28μmで屈折率が2.7の二酸化チタン(CR−95:石原産業(株)製)と、フッ素樹脂(屈折率 nd=1.34)とを固形分布量比(P:B)で1:1で調合し、白色塗料2を調製した。
【0053】
この白色塗料を、シリコーンガム製のパッドに含浸させて、図1及び図2に示すポインターの背面に、パッド印刷により施した。乾燥後の膜厚は24μmであった。
【0054】
比較例1
比較のため、エポキシ樹脂(屈折率 nd=1.55)に、実施例1の二酸化チタンを実施例1と同様に配合して、白色塗料3を製造した。この白色塗料3を用いて、実施例1と同様にして、ポインターの反射膜を形成した。
【0055】
ポインターに、冷陰極管からの光線を入射させ、ポインターの輝度を光電計で測定した。得られた結果を下記表1に示す。
【表1】
塗料種類 輝度
白色塗料1 37.1
白色塗料2 42.8
白色塗料3 22.6
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、結着剤樹脂として屈折率が1.48以下、好適には1.46以下の低屈折率の結着剤樹脂を選択し、白色顔料として平均粒径が0.1〜0.9μmで屈折率が2以上、好適には2.5以上の高屈折率の白色顔料を選択し、この樹脂中に白色顔料を分散させたことにより、形成される塗膜は高い反射性を示し、この白色高反射性塗料を設けたポインターは高い輝度を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポインターの一例の前面を示す正面図である。
【図2】図1のポインターの側断面図である。
【記号の説明】
1 ポインター
2 ボス
3 指針本体
4 バランスウェイト
5 光出射部
6 遮光膜
7 光入射部
8 白色高反射性塗膜
Claims (3)
- 透明樹脂から成り、光入射部と光出射部とを備え、少なくとも光出射部の背面に白色反射性塗膜が設けられているポインターにおいて、前記白色反射性塗膜が、屈折率が1.46以下の結着剤樹脂中に平均粒径が0.2〜0.3μmで屈折率が2.5以上の白色顔料を、白色顔料と結着剤樹脂とが1:2乃至5:1の重量比で存在するように分散させて成る白色高反射性塗料から形成されていることを特徴とする計器用ポインター。
- 前記白色高反射性塗料中の結着剤樹脂がフッ素樹脂或いは変性フッ素樹脂である請求項1記載の計器用ポインター。
- 前記白色高反射性塗料中の白色顔料がルチル型二酸化チタンである請求項1または2記載の計器用ポインター。
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