JP2008024735A - 光学材料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、シクロオレフィン系樹脂に酸化ジルコニウム粒子が均一に分散されていて、光学樹脂レンズ等の比較的厚みのある成形体とした場合でも、十分透明性を確保でき、しかも、高い屈折率を示し、さらに、耐久性に優れた光学材料用組成物を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子を含有する組成物であって、該酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が1〜30nmの範囲内であり、シクロオレフィン系樹脂が100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上である光学材料用組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学樹脂レンズや光導波路、導光板等の光学部品として好適な光学材料用組成物に関するものである。
光学的に透明なプラスチックはその軽量性、成形加工性の高さから光学部品に広く用いられている。例えば、カメラ、光ピックアップ装置、OA機器等に使用される光学樹脂レンズや、LCD表示装置等の導光板には、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロポリオレフィン系樹脂等の透明熱可塑性樹脂を用いて射出成型されたプラスチック成形体が使用されている。
この中で、ポリカーボネート系樹脂は、透明性や耐熱性が高く、屈折率も1.58程度と比較的高い値を有しており、光学部品として使用されてきた。しかし、屈折率の分散性の程度を表すアッベ数が30と低く、屈折率と分散特性のバランスが悪いことにから、その用途が限られていた。一方、シクロオレフィン系樹脂は、屈折率は1.53程度とやや低い値であるが、アッベ数が56程度と高く、あわせて、高耐熱性、高耐湿性を有するという特徴から近年、光学部品として広く用途に使用されるようになっている。しかし、屈折率が1.53程度であることから、例えば、光学樹脂レンズ等に使用した場合、集光性等が不足するおそれがあった。
この問題を解決する方法として、環状オレフィン樹脂と含む環状構造を有する熱可塑性樹脂に、平均粒子直径が1nm〜200nmの範囲で、屈折率が1.50〜4.00の範囲である無機微粒子を配合することが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)しかし、ここで具体的に提案されている無機微粒子が酸化チタン微粒子や酸化亜鉛粒子であり、これらの無機微粒子は、いわゆる光触媒効果による有機物の分解劣化作用が大きく、例えば、光照射等による長期使用において、樹脂が劣化して耐久性が低いおそれがあった。
また、透明フイルム用途として、側鎖にポリシロキサン構造を有する環状オレフィン系グラフト共重合体と、平均粒子径が50nm以下のシリカ、アルミナ、およびジルコニアから選ばれた少なくとも1種の金属酸化物粒子を含有する架橋体が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
しかし、ここでは対象がフイルム用途であり、薄膜での透明性が前提とされており、金属酸化物粒子の平均粒子径があまり考慮されていない。また、具体的に屈折率を向上させるように金属酸化物粒子の種類や配合量等を検討するところにまで言及されていない。
特開2003−73563号公報 特開2005−162902号公報
本発明では、シクロオレフィン系樹脂に酸化ジルコニウムの微粒子が均一に分散されていて、光学樹脂レンズ等の比較的厚みのある成形体とした場合でも、十分透明性を確保でき、しかも、高い屈折率を示し、さらに、耐久性に優れた光学材料用組成物を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子とを含有する組成物であって、当該酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が1〜30nmの範囲内であり、当該シクロオレフィン系樹脂100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上であることにより、成形体とした際の透明性が高く、しかも、高い屈折率を示し、耐水性や耐久性にも優れる材料が得られることを見いだし、上記課題をみごと解決できることに想倒し、本発明を到達したものである。
すなわち、本発明にかかる光学材料用組成物は、シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子を含有する組成物であって、該酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が1〜30nmの範囲内であり、シクロオレフィン系樹脂が100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上である光学材料用組成物である。
また、前記酸化ジルコニウム粒子が、該粒子表面が配位結合可能な有機化合物により被覆されていること、該有機化合物が、炭素数が6以上の脂肪族カルボン酸であることが、樹脂中での酸化ジルコニウム粒子の分散性が向上し、材料の透明性が高くなることから好ましく、前記酸化ジルコニウム粒子が、該粒子表面がシランカップリング剤処理されていることが、材料の耐水性や機械強度がさらに高くなることから好ましい。
さらに、本発明には、本発明の光学材料用組成物を成形した光学部品も含まれる。
本発明の光学材料用組成物は、上述の構成よりなるので、シクロオレフィン系樹脂に酸化ジルコニウム粒子が均一に分散されていて、光学樹脂レンズ等の比較的厚みのある成形体とした場合でも、十分透明性を確保でき、しかも、高い屈折率を示し、さらに、耐久性に優れた成形体を得ることが可能である。
本発明は、シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子を含有する組成物であって、該酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が1〜30nmの範囲内であり、シクロオレフィン系樹脂が100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上であることを特徴とする光学材料用組成物である。
本発明の光学材料用組成物はシクロオレフィン系樹脂と、酸化ジルコニウム粒子とを必須成分とする混合物であり、シクロオレフィン系樹脂中に酸化ジルコニウム粒子が均一に分散した混合物である。
本発明の光学材料用組成物におけるシクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子の配合量は、シクロオレフィン系樹脂が100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上である。該含有量が25質量部未満では、光学材料用組成物よりなる成形体の屈折率が低くなるおそれがある。酸化ジルコニウム粒子の含有量のより好ましい上限値は200質量部であり、100質量部が最も好ましい。また、上記含有量のより好ましい下限値は40質量部であり、50質量部が最も好ましい。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂としては脂環式構造を含有する重合体樹脂からなるものである。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィンを重合または共重合した樹脂であることが好ましい。該シクロオレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。該シクロオレフィンは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などの官能基を有していてもよい。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂は、付加重合反応、あるいはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われ、付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィンを重合または共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂としては、ノルボルネン系ポリマーも好ましく私用できる。該ノルボルネン系ポリマーは、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、ノルボルネン系モノマーとその他のモノマーを共重合したポリマーも使用できる。該ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエンなどが用いられる。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂としては、具体的には、日本ゼオン社製(商品名ゼオネックス480、ゼオネックス480R、ゼオネックスE48R、ゼオネックス330R、ゼオノア)JSR社製(商品名アートン)、三井化学社製(商品名APL8008T、APL6509T、APL6013T、APL5014DP、APL6015T)などが好ましく用いられる。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂の分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、5000〜500000、好ましくは8000〜200000、より好ましくは10000〜100000の範囲である。
本発明における酸化ジルコニウム粒子としては結晶性の酸化ジルコニウム粒子であり、平均粒子径が1〜30nmの範囲内のものである。該平均粒子径が1nm未満では、光学材料用組成物より得られる成形物の屈折率が向上しないおそれがあり、平均粒子径が30nmを超えると光学材料用組成物より得られる成形物の透明性が低下するおそれがある。該平均粒子径のより好ましい上限値は20nmであり、15nm以下が最も好ましい。また、より好ましい下限値は5nmであり、10nm以上が最も好ましい。
本発明における酸化ジルコニウム粒子の結晶構造は、立方晶あるいは正方晶であることが好ましく、立方晶あるいは正方晶の格子構造を結晶構造全体の70%以上有することが、光学材料用組成物より得られる成形物の屈折率をより向上させることができることから好ましい。上記立方晶あるいは正方晶の格子構造の割合は75%以上であることがより好ましく、85%以上であることが最も好ましい。
本発明における酸化ジルコニウム粒子は、結晶安定化のために結晶安定化材を含有していてもよい。上記結晶安定化材としては、MgOやCaO等のアルカリ土類金属酸化物、ランタニド、Y等の希土類金属酸化物等が挙げられる。結晶安定化材の含有量は、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
本発明における酸化ジルコニウム粒子は表面が配位および/または結合可能な有機化合物により被覆されていることが好ましい。本発明における配位および/または結合とは、酸化ジルコニウムの水酸基と有機化合物が有する官能基とが、水素結合や縮合結合等を形成した状態を示す。
酸化ジルコニウム粒子の表面が有機化合物により被覆されていることにより、本来親水性である酸化ジルコニウムの粒子表面が疎水性に変化し、シクロオレフィン系樹脂中での分散性が向上し、さらに、平均粒子径が1〜30nmの範囲内であるナノレベルの粒子はその表面エネルギーが高いため、凝集性が非常に高くなる傾向にあるが、有機化合物が粒子表面に被覆することにより、保護剤として働き、粒子同士の凝集性を低下させることにより、シクロオレフィン系樹脂中での分散性が向上する。
上記酸化ジルコニウム粒子の表面に配位および/または結合可能な有機化合物としては、ジルコニア粒子に対して配位および/または結合可能な官能基を有する有機化合物であり、ジルコニア粒子の表面に配位および/または結合可能な官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシル基、アミン基、チオール基、アミド基等が挙げられ、ジルコニア粒子への結合力が強く、光学材料用組成物より得られる成形物の変色等の悪影響が少ないことから、カルボキシル基が好ましい。
上記有機化合物の配位量としては、酸化ジルコニウム粒子全体の5質量%〜50質量%の範囲内が好ましい。上記配位量が5質量%未満では、シクロオレフィン系樹脂中での粒子の分散性が低くなるおそれがあり、上記配位量が50質量%を超えると、粒子中の酸化ジルコニウムの含有量が少なくなるため、光学材料用組成物より得られる成形物の屈折率の向上が少なくなるおそれがある。上記配位量は10質量%〜40質量%の範囲内がさらに好ましく、15質量%〜30質量%の範囲内が最も好ましい。
上記有機化合物としては、炭素数が6以上の脂肪族カルボン酸が、シクロオレフィン系樹脂中での粒子の分散性が向上するため好ましい。上記脂肪族カルボン酸の炭素数が6未満では、酸化ジルコニウム粒子の表面が十分疎水性に変化することができないため、シクロオレフィン系樹脂中での粒子の分散性が低下するおそれがある。
上記炭素数が6以上の脂肪族カルボン酸としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクタン酸、サリチル酸、ナフテン酸、デカン酸、ウンデシル酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、プリスタン酸等が挙げられる。
本発明における酸化ジルコニウムの合成方法としては、公知の方法により合成すればよいが、酸化ジルコニウム粒子の表面に配位および/または結合可能な有機化合物の共存下で水熱合成して酸化ジルコニウム粒子を得る方法や、あらかじめ該表面に配位および/または結合可能な有機化合物とジルコニウム化合物から酸化ジルコニウム前駆体を合成し、該前駆体の水熱合成により酸化ジルコニウム粒子を得る方法等が配位および/または結合可能な有機化合物により保護された酸化ジルコニウム粒子が簡便に得られることから好ましい合成方法である。
本発明における酸化ジルコニウム粒子は、該粒子表面がシランカップリング剤処理されていることが、シクロオレフィン系樹脂への酸化ジルコニウム粒子の分散性が向上し、本発明の光学材料組成物より得られる成形物の耐水性や機械強度がさらに高くなることから好ましい。酸化ジルコニウム粒子の表面をシランカップリング剤処理する方法としては、公知の方法により処理すればよいが、あらかじめ酸化ジルコニウム粒子を任意の溶媒中に分散し、シランカップリング剤を配合して加熱処理する方法が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトルエトキシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシランザン等が挙げられる。
上記シランカップリン剤処理の粒子に対するシランカップリング剤の量としては、酸化ジルコニウム粒子の100質量部に対して、1質量部〜100質量部の範囲内が好ましい。上記配位量が1質量部未満では、光学材料組成物より得られる成形物の耐久性が低くなるおそれがあり、上記配位量が100質量部を超えると、粒子中の酸化ジルコニウムの含有量が少なくなるため、光学材料用組成物より得られる成形物の屈折率の向上が少なくなるおそれがある。上記配位量は5質量部〜70質量部の範囲内がさらに好ましく、10質量部〜40質量部の範囲内が最も好ましい。
本発明におけるシクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子の分散方法としては、例えば、シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子をそれぞれ独立して合成し、その後に両者を混合させる方法、予め合成した酸化ジルコニウム粒子が存在する条件でシクロオレフィン系樹脂を合成する方法、予め合成したシクロオレフィン系樹脂中で酸化ジルコニウム粒子を合成する方法のいずれの方法をも採用できる。具体的には、例えば、シクロオレフィン系樹脂が溶解した溶液と、酸化ジルコニウム粒子が均一に分散した分散液の二液を均一に混合し、溶媒を減圧加熱除去する方法や、シクロオレフィン系樹脂を溶融した状態で酸化ジルコニウム粒子粉末をそのまま配合して溶融混練する方法、シクロオレフィン系樹脂を溶融した状態で酸化ジルコニウム粒子が均一に分散した分散液を配合して溶融混練後に溶媒を減圧加熱除去する方法等が挙げられる。
本発明の光学材料用組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。該添加剤の配合量は、本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を、それぞれ示すものとする。
合成例1(酸化ジルコニウム粒子(1)の合成)
テトラデカン600部とネオデカン酸400部を混合し、40質量%ネオデカン酸−テトラデカン溶液を調製した。その溶液に、酸化マグネシウムを67.5部添加し、60℃で1時間攪拌を行い、ネオデカン酸マグネシウム溶液を調製した。次に、オキシ塩化ジルコニウム402.8部に0.05mol/L塩酸水溶液を75部加え、純水にて溶解させて2500部とし、Zr(IV)水溶液を調製した。該Zr(IV)水溶液1125部とネオデカン酸マグネシウム溶液800部とを混合し、60℃で40分間攪拌を行い、ネオデカン酸ジルコニウム溶液を調製した。
攪拌機付きオートレーブ内に、上記ネオデカン酸ジルコニウム溶液500部と水500部を混合したものを仕込み、窒素雰囲気下、175℃まで加熱し、3時間反応させた。昇温終了時の圧力は、0.9MPaであった。反応液を取り出し、底部にたまった反応物をろ過により回収した。反応物をアセトンで洗浄し乾燥させた後、トルエンに分散させたところ、白濁の分散液となった。次に、精製工程として定量濾紙(アドバンテック東洋株式会社製 No.5C)にて再度ろ過を施し、分散液中の粗大粒子を除去し、ろ液中のトルエンを減圧加熱乾燥させることにより、白色の粉体である酸化ジルコニウム粒子(1)を得た。
得られた酸化ジルコニウム粒子(1)の粒子径をFE−SEM分析にて分析したところ、平均粒子径5nmであった。また、XRD分析(X線粉末回折分析)にて結晶構造を分析したところ、正方晶の構造であった。さらに、IR分析によりC−H由来の吸収およびCOOH由来の吸収が確認でき、酸化ジルコニウム粒子(1)は表面にネオデカン酸が被覆した粒子であり、TG−DTA分析(熱重量−示差熱分析)により350℃付近に発熱ピークが確認され、減量率よりネオデカン酸の量は18.6質量%であった。
合成例2(酸化ジルコニム粒子(2)の合成)
合成例1で得られた酸化ジルコニウム粒子(1)10部をトルエン50部に分散させた分散液に、ステアリン酸を1.5部添加し、90℃で1時間還流反応を行った。反応液にアセトンを200部添加して、凝集白濁した粒子をろ過にて分離後、乾燥してステアリン酸にて表面処理した酸化ジルコニウム粒子(2)を得た。得られた酸化ジルコニウム粒子(2)をTG−DTA分析により350℃付近と450℃付近に発熱ピークが確認され、減量率よりネオデカン酸とステアリン酸の総量は24.0質量%であった。
合成例3(酸化ジルコニウム粒子(3)の合成)
合成例1で得られた酸化ジルコニウム粒子(1)10部をトルエン90部に分散させた分散液に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越化学工業社製)を1.5部添加し、80℃で1時間還流反応を行った。反応液にアセトンを200部添加して、凝集白濁した粒子をろ過にて分離後、乾燥して3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランにて表面処理を施した酸化ジルコニウム粒子(3)を得た。得られた酸化ジルコニウム粒子(3)のIR分析によりC−H由来の吸収およびCOOH由来の吸収、さらに、Si−O−C由来の吸収、C=C由来の吸収が確認でき、酸化ジルコニウム粒子(3)は表面にネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが被覆した粒子であり、TG−DTA分析(熱重量−示差熱分析)による減量率よりネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの総量は23.0質量%であった。
(実施例)
表1に示す配合量で合成例1〜3で得られた酸化ジルコニウム粒子(1)〜(3)をトルエンに分散させ、該分散液にシクロオレフィン樹脂(商品名:ゼオネックス330R 日本ゼオン社製)樹脂を加え、超音波処理を30分間行って溶解し、実施例1〜4の分散液を得た。得られた分散液をメタノールと蒸留水の等容量混合液中に析出させ、酸化ジルコニウム粒子がシクロオレフィン樹脂中に分散した本発明の光学材料用組成物(実施例1〜4)を得た。上記組成物を加熱成形して、厚さ3.0mmの基板を作製したところ、この透明な基板が得られた。TEM(透過型電子顕微鏡)により断面観察を行ったところ、酸化ジルコニウム粒子が樹脂中に均一に分散していることを確認した。本発明の材料組成物について、屈折率、アッベ数、光線透過率の測定および、耐光性試験、耐熱性試験を行い、その結果を表に示した。結果からわかるように、本発明の材料組成物は光学特性および耐久性に優れた組成物であり、従って、光学部品に適した材料組成物である。
実施例中の光学特性は以下の方法により測定した。
(1)屈折率及びアッベ数
材料組成物を加熱成形して厚さ3mmの基板を作製し、アッベ屈折計(アタゴ社DR−M2)により測定した。
(2)光線透過率
材料組成物を加熱成形して厚さ3mmの基板を作製し、ASTM D1003に従って測定した。
(3)耐光性試験
材料組成物を加熱成形して厚さ3mmの基板を作製し、スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製)で63℃(BPT)・50%RH、照度180W/mの条件で試験を行い、200時間後の波長400nmの光線透過率を測定した。
(4)耐熱性試験
材料組成物を加熱成形して厚さ3mmの基板を作製し、150℃のオーブン中に入れ、72時間後の波長400nmの光線透過率を測定した。
(比較例)
実施例において、酸化ジルコニウムに変えて、表1に示す配合量で市販の平均粒子径が大きい酸化ジルコニウム粒子(比較例1)または酸化チタン粒子(比較例2)とした以外は実施例と同様にして、シクロオレフィン樹脂中に分散した比較の光学材料用組成物を得た。実施例と同様にして、屈折率、アッベ数、光線透過率の測定および、耐光性試験、耐熱性試験を行い、その結果を表に示した。粒子径の大きい酸化ジルコニウム粒子では、組成物より得られた成形物の光線透過率が低く、透明性に劣る結果となった。また、酸化チタン粒子では、屈折率や光線透過率については高い値を示すものの、耐光性試験においてバインダーの分解により光線透過率が低下し、耐久性に劣ることがわかった。
Figure 2008024735
本発明の光学材料用組成物は、シクロオレフィン系樹脂に酸化ジルコニウム粒子が均一に分散されていて、成形体とした際に十分透明性を確保でき、さらに、高い屈折率を示し、耐久性にも優れる。したがって、本発明の光学材料用組成物は、カメラ、光ピックアップ装置、OA機器等に使用される光学樹脂レンズや、LCD表示装置等の導光板、光導波路用途に有効に利用することができる。

Claims (5)

  1. シクロオレフィン系樹脂と酸化ジルコニウム粒子を含有する組成物であって、該酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径が1〜30nmの範囲内であり、シクロオレフィン系樹脂が100質量部に対して、酸化ジルコニウム粒子が25質量部以上であることを特徴とする光学材料用組成物。
  2. 当該酸化ジルコニウム粒子が、該粒子表面に配位および/または結合可能な有機化合物により被覆されている請求項1記載の光学材料用組成物。
  3. 当該有機化合物が、炭素数が6以上の脂肪族カルボン酸である請求項2記載の光学材料用組成物。
  4. 請求項1〜3記載の酸化ジルコニウム粒子表面がシランカップリング剤処理されている請求項1〜3記載の光学材料用組成物。
  5. 請求項1〜4記載の光学材料用組成物を成形して得られることを特徴とする光学部品。
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