JP3922219B2 - 積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせて成形することによって積層板を製造する際の、金属箔と絶縁接着フィルムとの積み重ね装置及び積み重ね方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルプリント配線板のような、薄いプリント配線板は、ポリイミドフィルムなど絶縁接着フィルム2の両側に、銅箔など金属箔1,1を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属箔張り積層板を作製し、この積層板の両面の金属箔をパターニングして回路形成をすることによって製造されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。
【0003】
そして絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねて加熱加圧成形するにあたっては、図9(a)に示すように、この絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねたものを一組の組合せ材Aとし、この多数組の組合せ材Aをキャリア板9の上に多段に積み重ねると共に最上段にプレート11を重ね、これを上下の熱盤10,10の間にセットして、加熱加圧成形を行なうことによって、一度の成形で多数枚の、図9(b)のような両面金属箔張り積層板Bを製造するようにしている。
【0004】
ここで、組合せ材Aの両外面は金属箔1であり、また絶縁接着フィルム2はプリプレグのような成形時の樹脂の流動がないので、組合せ材Aの間に鏡面プレートなどを介在させる必要なく、組合せ材Aを直接上下に積み重ねて加熱加圧成形を行なうことができるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開平5-63322号公報
【特許文献2】
特開平5−114784号公報
【特許文献3】
特開2002-12846号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そして上記のように積層板を成形するに際して、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aを多段に積み重ねる作業は、金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順の繰り返しで、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2をキャリア板9の上に一枚ずつ重ねることによって行なわれている。
【0007】
しかし、金属箔1と絶縁接着フィルム2の積み重ねの枚数は多数枚であり、しかも金属箔1や絶縁接着フィルム2は厚みが薄いために、所定の寸法にカットされた金属箔1や絶縁接着フィルム2を一枚ずつ取り扱うことは困難である。このために、この積み重ねの作業には非常な手間と時間を要するものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるために用いられる装置であって、長尺の金属箔1を巻いたロール3と、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4と、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを各ロール3,4から繰り出すと共に重ね合わせて巻き取る回転駆動自在な巻付け具5とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出して巻付け具5に巻き付けることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2が重ね合わされた組合せ材Aを、何重にも重ねた状態で巻付け具5に巻き付けることができるものであり、巻付け具5を回転駆動するだけで、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、長尺の金属箔1を巻いた一対のロール3,3の間に長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を配置し、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を重ねて巻付け具5に巻き取るようにして成ることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0013】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記各ロール3,4に回転制動を与えるブレーキ機構6を備えて成ることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、各ロール3,4に回転制動を与えながら金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出すことによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2に所定の張力を与えながら巻付け具5に巻き付けることができ、皺が寄るようなことなく金属箔1や絶縁接着フィルム2を重ねることができるものである。
【0015】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、巻付け具5として、分解可能な構造に形成したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、巻付け具5に金属箔1と絶縁接着フィルム2を巻き付けて組合せ材Aを積み重ねた後、巻付け具5を分解して取り外すことができ、組合せ材Aを巻付け具5から容易に外して加熱加圧成形に供することができるものである。
【0017】
また請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、巻付け具5として、表面が平滑な平板状に形成したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、巻付け具5に金属箔1と絶縁接着フィルム2を巻き付けて組合せ材Aを積み重ねた後、巻付け具5に巻き付けたまま組合せ材Aを加熱加圧成形に供することができるものである。
【0019】
本発明の請求項6に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねる方法であって、巻付け具5を回転駆動することによって、ロール3,4から長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2をそれぞれ繰り出すと共に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせて巻付け具5に巻き取ることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出して巻付け具5に巻き付けることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2が重ね合わされた組合せ材Aを、何重にも重ねた状態で巻付け具5に巻き付けることができるものであり、巻付け具5を回転駆動するだけで、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。尚、金属箔1と絶縁接着フィルム2は巻付け具5に巻き付けることによって始めて重ね合わされるようにしてもよく、また金属箔1と絶縁接着フィルム2を予め重ね合わせておいてその状態で巻き付け具5に巻き付けるようにしても、いずれでもよい。
【0021】
また請求項7の発明は、一対のロール3,3からそれぞれ長尺の金属箔1を繰り出すと共に他のロール4から長尺の絶縁接着フィルム2を繰り出し、二枚の金属箔1の間に絶縁接着フィルム2を重ねて巻付け具5に巻き取るようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態の一例を概略的に示すものであり、回転軸12によって回転駆動される巻付け具5と、銅箔などで形成される長尺の金属箔1を巻いた回転自在なロール3と、ポリイミドフィルムなどで形成される長尺の絶縁接着フィルム2を巻いた回転自在なロール4とを備えている。金属箔1を巻いたロール3は一対備えられており、この一対のロール3,3の間に絶縁接着フィルム2を巻いたロール4が配置してある。巻付け具5としては特に限定されるものではないが、偏平な枠体あるいは板体で形成するのが好ましい。
【0025】
そして、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟むようにして金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねて一組の組合わせ材Aとし、この組合せ材Aの先端を巻付け具5の外面の一所に保持させた状態で、巻付け具5を一方向に回転駆動させることによって、金属箔1をロール3から、絶縁接着フィルム2をロール4からそれぞれ繰り出して、組合せ材Aを巻付け具5に巻き取ることができる。この二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aは、巻付け具5の外面に多数重に積み重ねた状態で巻き付けられるものであり、巻付け具5が偏平体で形成している場合には、巻付け具5の両端で折り返した状態で、巻付け具5の両面にそれぞれ組合せ材Aを積み重ねることができるものである。尚、金属箔1を巻いた一対のロール3の間に絶縁接着フィルム2を巻いた複数のロール4を配置することによって、二枚の金属箔1,1の間に複数枚の絶縁接着フィルム2を重ねた状態で挟むようにして、組合せ材Aを形成することも可能である。また一対のロール3のうち一方は、金属箔1の代りにPPSフィルムやフッ素樹脂フィルムなどの離型フィルムを巻いたものであってもよい。さらに、絶縁接着フィルム2が片面だけ接着面で他の片面が非接着面に形成されたものであるときには、金属箔1を巻いた一つのロール3と、この絶縁接着フィルム2を巻いた一つのロール4とを組合わせて用い、金属箔1に絶縁接着フィルム2を接着面で重ねた組合わせ材Aとして巻付け具5に巻き取るようにしてもよい。
【0026】
このように巻付け具5に組合せ材Aを巻き付けた後、組合せ材Aを巻付け具5から取り外すと、図2(a)のように組合せ材Aは偏平な渦巻状に巻かれた状態になっており、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aは上下に多数積み重ねられた状態になっている。このように、金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出して、巻付け具5に巻き付けることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを積み重ねることができるものであり、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2を一枚ずつ重ねる場合のような、手間や作業の困難性の問題なく、容易に且つ生産性高く組合せ材Aを積み重ねることができるものである。特に、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2を一枚ずつ重ねる場合には、積み重ねの作業時間が長くなり、金属箔1や絶縁接着フィルム2の間に異物が混入したりするおそれがあるが、組合せ材Aを積み重ねが迅速に行なわれる結果、このような異物の混入を低減することができるものである。
【0027】
そしてこの組合せ材Aを積み重ねたものを、金属板で形成されるキャリア板9とプレート板11の間に図2(b)のように挟み込み(必要に応じて、キャリア板9とプレート11の間に複数組の組合せ材Aを重ねて挟み込んでもよい)、さらにこれを熱盤10,10間にセットすることによって、加熱加圧成形をすることができるものであり、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。このように成形して得られた積層板Bは偏平な渦巻き状になっているが、屈曲部を切断することによって(図2(b)に切断箇所を鎖線で示す)、平板状の両面金属箔張り積層板Bを得ることができるものである。
【0028】
ここで、ロール3,4から金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出して巻付け具5に巻き取るにあたって、ロール3,4がフリー回転すると、巻付け具5の回転によって金属箔1や絶縁接着フィルム2が引き取られる速度よりも速くロール3,4が惰性で回転するおそれがあり、このときには巻付け具5に巻き付けられる金属箔1や絶縁接着フィルム2に皺が寄るおそれがある。特に巻付け具5が偏平体である場合、巻付け具5の回転角度によって金属箔1や絶縁接着フィルム2が引き取られる速度が変化するので、このような問題が起こり易い。
【0029】
そこで、上記の各ロール3,4には図3のようにブレーキ機構6を設けて回転を制動するようにしてある。ブレーキ機構6はロール3,4の回転軸13を支持する軸受け18に設けてあり、例えばエアーブレーキやパウダーブレーキでブレーキ機構6を形成するようにしてある。エアーブレーキはエアー圧の調整によって回転制動の強さを調整することができるものであり、パウダーブレーキは電圧の調整で回転制動の強さを調整することができるものである。また巻付け具5の回転軸12を支持する軸受け19にはエンコーダーや近接スイッチなどの回転角度検出具14が設けてあり、巻付け具5の回転角度を回転角度検出具14で検出し、巻付け具5の回転角度に応じてブレーキ機構6による制動強さを制御するようにしてある。
【0030】
そして図3のように巻付け具5を回転駆動し、ロール3,4から金属箔1や絶縁接着フィルム2を引き取るように繰り出して巻付け具5に巻き取るにあたって、ロール3,4の回転にブレーキ機構6で制動を与えることによって、巻付け具5の回転に伴なって金属箔1や絶縁接着フィルム2が引き取られる速度よりも速くロール3,4が惰性で回転するようなことがなくなり、金属箔1や絶縁接着フィルム2に張力を与えた状態で巻付け具5に巻き取ることができるものであり、皺が生じることなく金属箔1や絶縁接着フィルム2を巻付け具5に巻き取ることができるものである。
【0031】
このとき、巻付け具5の回転角度によって金属箔1や絶縁接着フィルム2が引き取られる速度が変化するが、巻付け具5の回転角度を回転角度検出具14で検出し、金属箔1や絶縁接着フィルム2を引き取る速度が速い回転角度のときは、ブレーキ機構6による制動強さを弱くすると共に、金属箔1や絶縁接着フィルム2を引き取る速度が遅い回転角度のときは、ブレーキ機構6による制動強さを強くするように、巻付け具5で金属箔1や絶縁接着フィルム2を引き取る速度に反比例して、ロール3,4の回転制動の強さを制御することによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2に一定の張力を与えた状態で巻付け具5に巻き取ることができるものである。従ってこの場合には、金属箔1や絶縁接着フィルム2を皺が生じることなく、しかも金属箔1や絶縁接着フィルム2を破損することなく、巻付け具5に巻き取ることができるものである。
【0032】
図4は巻付け具5として分解可能なものを用いるようにした実施の形態を示すものである。この巻付け具5は例えば、回転軸12を中央に設けた一対の縦枠体16,16を平行に配置し、この縦枠体16,16の両端間にそれぞれ横枠体17,17を組み付けることによって形成されるものであり、縦枠体16に対して横枠体17をネジ止めの手段やはめ合わせの手段などで脱着自在に結合してある。
【0033】
そして回転軸12を中心に巻付け具5を回転駆動することによって、横枠体17,17の外側間に金属箔1や絶縁接着フィルム2を巻き取って、上記と同様に金属箔1と絶縁接着フィルム2からなる組合せ材Aを積み重ねるように渦巻状に巻くことができる。この後、図5(a)のように組合せ材Aを巻付け具5と共にキャリア板9の上に載置し、図5(b)のように横枠体17と縦枠体16の結合を外して分解することによって、図5(c)のように渦巻状の組合せ材Aから横枠体17を抜いて外すことができるものである。
【0034】
このように、渦巻状に巻いて組合せ材Aを積み重ねたものから、巻付け具5を容易に外すことができるものであり、後は、組合せ材Aの上にプレート11を重ね、これを図2(b)と同様に熱盤10,10の間にセットして、加熱加圧成形をすることによって、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。
【0035】
図6は巻付け具5を表面が平滑な平板状に形成した実施の形態を示すものである。この巻付け具5は例えば矩形の金属板で形成されるものであり、対向する二辺の中央にそれぞれ回転軸12が設けてある。そしてこのものにあって、回転軸12を中心に巻付け具5を回転駆動することによって、巻付け具5の対向する端縁間に金属箔1や絶縁接着フィルム2を巻き取って、上記と同様に金属箔1と絶縁接着フィルム2からなる組合せ材Aを積み重ねるように偏平渦巻状に巻くことができる。
【0036】
このものでは、巻付け具5は平板状に形成してあるため、組合せ材Aを加熱加圧成形する際の支障にならない。このため、図7に示すように、巻付け具5に組合せ材Aを偏平渦巻き状に巻いた状態のまま、キャリア板9とプレート11の間に挟み込み(必要に応じて、キャリア板9とプレート11の間に複数組の組合せ材Aを重ねて挟み込んでもよい)、さらにこれを熱盤10,10間にセットして加熱加圧成形を行なうことによって、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。
【0037】
このように、巻付け具5に組合せ材Aを巻いた状態のまま加熱加圧成形を行なうことができるので、組合せ材Aを巻付け具5から取り外す手間が不要になるものである。また巻付け具5を金属板で形成することによって、加熱加圧成形の際の熱を金属板による伝熱で均一化することができ、加熱温度を均一化して安定した品質の積層板Bを製造することができるものであり、さらに、巻付け具5の片側において異物が存在していても、異物の存在による成形不良は巻付け具5の他方の側には及ばず、不良発生を低減することができるものである。
【0038】
またこのように巻付け具5を表面が平滑な平板で形成する場合、巻付け具5と回転軸12とを別体に形成するようにしてもよい。例えば図8の実施の形態では、チャック具などで形成されるコ字形の挟み込み治具22に回転軸12を設け、挟み込み治具22を巻付け具5の両側部に脱着自在に取り付けることによって、巻付け具5に取り付けるようにしてある。図6の実施の形態のように、巻付け具5の両側面に回転軸12を一体に設けた場合には、巻付け具5の厚みは回転軸12の直径に応じて厚く形成する必要があるが、図8の実施の形態のように、巻付け具5と回転軸12とを別体に形成しておけば、巻付け具5の厚みを薄く形成することが可能になるものである。従ってこの場合には、巻付け具5に組合せ材Aを巻き付ける際の折り返し屈曲部が薄くなり、積層成形後に切断して廃棄する部分が少なくなって、材料ロスを低減できるものである。また組合せ材Aを巻き付けた巻付け具5を上下に複数段重ねて、図7のような積層成形を行なう場合、組合せ材Aを巻き付けた巻付け具5の積み重ね段数を多くすることができ、積層成形の生産性を高めることができるものである。
【0039】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、長尺の金属箔と絶縁接着フィルムをロールから繰り出して巻付け具に巻き付けることによって、金属箔と絶縁接着フィルムが重ね合わされた組合せ材を、何重にも重ねた状態で巻付け具に巻き付けることができるものであり、巻付け具を回転駆動するだけで、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略正面図である。
【図2】(a)は同上で積み重ねた組合せ材の正面図、(b)は組合せ材の加熱加圧成形を示す正面図である。
【図3】同上の概略図である。
【図4】巻付け具の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図5】(a),(b),(c)は同上の実施の形態の概略図である。
【図6】巻付け具の実施の形態の他の一例を示す概略図である。
【図7】同上の実施の形態における加熱加圧成形の正面図である。
【図8】巻付け具の実施の形態の他の一例を示す概略図である。
【図9】従来例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【符号の説明】
1 金属箔
2 絶縁接着フィルム
3 ロール
4 ロール
5 巻付け具
6 ブレーキ機構
A 組合せ材
Claims (7)
- 金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材の金属箔と絶縁接着フィルムを積層一体化した積層板を製造する際に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねると共に組合せ材を積み重ねるために用いられる装置であって、長尺の金属箔を巻いたロールと、長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールと、金属箔と絶縁接着フィルムとを各ロールから繰り出すと共に重ね合わせて巻き取る回転駆動自在な巻付け具とを具備して成ることを特徴とする積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 長尺の金属箔を巻いた一対のロールの間に長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールを配置し、二枚の金属箔の間に絶縁接着フィルムを重ねて巻付け具に巻き取るようにして成ることを特徴とする請求項1に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 上記各ロールに回転制動を与えるブレーキ機構を備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 巻付け具として、分解可能な構造に形成したものを用いて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 巻付け具として、表面が平滑な平板状に形成したものを用いて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材の金属箔と絶縁接着フィルムを積層一体化した積層板を製造する際に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねると共に組合せ材を積み重ねる方法であって、巻付け具を回転駆動することによって、ロールから長尺の金属箔と絶縁接着フィルムをそれぞれ繰り出すと共に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ね合わせて巻付け具に巻き取ることを特徴とする積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 一対のロールからそれぞれ長尺の金属箔を繰り出すと共に他のロールから長尺の絶縁接着フィルムを繰り出し、二枚の金属箔の間に絶縁接着フィルムを重ねて巻付け具に巻き取るようにしたことを特徴とする請求項6に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
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