JP2005014385A - 積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供する。
【解決手段】往復移動自在に配置された、長尺の金属箔1を巻いたロール3及び、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4。金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が一方向に移動した後に逆方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に載置される折り返し治具5。金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が逆方向に移動した後に一方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に載置される折り返し治具6。これらを具備して金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】往復移動自在に配置された、長尺の金属箔1を巻いたロール3及び、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4。金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が一方向に移動した後に逆方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に載置される折り返し治具5。金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が逆方向に移動した後に一方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に載置される折り返し治具6。これらを具備して金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせて成形することによって積層板を製造する際の、金属箔と絶縁接着フィルムとの積み重ね装置及び積み重ね方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルプリント配線板のような、薄いプリント配線板は、ポリイミドフィルムなど絶縁接着フィルム2の両側に、銅箔など金属箔1,1を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属箔張り積層板を作製し、この積層板の両面の金属箔をパターニングして回路形成をすることによって製造されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。
【0003】
そして絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねて加熱加圧成形するにあたっては、図10(a)に示すように、この絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねたものを一組の組合せ材Aとし、この多数組の組合せ材Aをキャリア板9の上に多段に積み重ねると共に最上段にプレート11を重ね、これを上下の熱盤10,10の間にセットして、加熱加圧成形を行なうことによって、一度の成形で多数枚の、図10(b)のような両面金属箔張り積層板Bを製造するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−63322号公報
【特許文献2】
特開平5−114784号公報
【特許文献3】
特開2002−12846号公報
【0005】
ここで、組合せ材Aの両外面は金属箔1であり、また絶縁接着フィルム2はプリプレグのような成形時の樹脂の流動がないので、組合せ材Aの間に鏡面プレートなどを介在させる必要なく、組合せ材Aを直接上下に積み重ねて加熱加圧成形を行なうことができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そして上記のように積層板を成形するに際して、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aを多段に積み重ねる作業は、金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順の繰り返しで、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2をキャリア板9の上に一枚ずつ重ねることによって行なわれている。
【0007】
しかし、金属箔1と絶縁接着フィルム2の積み重ねの枚数は多数枚であり、しかも金属箔1や絶縁接着フィルム2は厚みが薄いために、所定の寸法にカットされた金属箔1や絶縁接着フィルム2を一枚ずつ取り扱うことは困難である。このために、この積み重ねの作業には非常な手間と時間を要するものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるために用いられる装置であって、横方向にそれぞれ往復移動自在に配置された、長尺の金属箔1を巻いたロール3及び、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が一方向に移動した後に逆方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に載置される折り返し治具5と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が逆方向に移動した後に一方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に載置される折り返し治具6とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出しながらロール3,4を往復移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを折り返し治具5で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ね合わせた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、長尺の金属箔1を巻いた一対のロール3,3の間に長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を配置し、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を移動させることによって、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねるようにして成ることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ね合わせた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0013】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロール3,4から順にロール3,4を逐次移動させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、ロール3,4を逐次移動させることによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、重ね合わせることができ、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0015】
また請求項4の発明は、請求項1又は2において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、各ロール3,4を同時に移動させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、ロール3,4を同時に移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から同時に繰り出して重ね合わせることができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる操作を迅速に行なうことができるものである。
【0017】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、折り返し治具5,6を押えて固定する治具押え具7を備えて成ることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、折り返し治具5が浮き上がったり位置ずれしたりするようなことがない状態で、金属箔1や絶縁接着フィルム2を折り返すことができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを正確につづら折りして積み重ねることができるものである。
【0019】
本発明の請求項6に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるための方法であって、長尺の金属箔1を巻いたロール3と、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4とを横方向に往復移動自在に配置し、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を一方向に移動させることによって金属箔1と絶縁接着フィルム2とを上下に重ねる工程と、各ロール3,4を一方向から逆方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に折り返し治具5を載置する工程と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を逆方向に移動させることによって金属箔1と絶縁接着フィルム2とを上下に重ねる工程と、各ロール3,4を逆方向から一方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に折り返し治具6を載置する工程とを、この順に繰り返して行なうことによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出しながらロール3,4を往復移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを折り返し治具5で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ね合わせた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【0021】
また請求項7の発明は、請求項6において、長尺の金属箔1を巻いた一対のロール3,3の間に長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を配置し、各ロール3,4を移動させて金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出すことによって、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねるようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ね合わせた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0023】
また請求項8の発明は、請求項6又は7において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロール3,4から順に逐次、ロール3,4を移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、ロール3,4を逐次移動させることによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、重ね合わせることができ、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0025】
また請求項9の発明は、請求項6又は7において、各ロール3,4を往復移動方向に沿って配列し、各ロール3,4を同時に移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、ロール3,4を同時に移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から同時に繰り出して重ね合わせることができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる操作を迅速に行なうことができるものである。
【0027】
また請求項10の発明は、請求項6乃至9のいずれかにおいて、キャリア板9の上において請求項6の各工程を行なうことによって、キャリア板9の上で金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0028】
この発明によれば、積層成形を行なうに先立って、積み重ねた組合せ材Aをキャリア板9の上に載置する工数を不要にすることができるものである。
【0029】
また請求項11の発明は、請求項6乃至10のいずれかにおいて、一方の端部に配置する折り返し治具5と、他方の端部に配置する折り返し治具6の間の間隔を調整して、請求項6の各工程を行なうことを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、折り返し治具5,6の間隔によって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さを調整することができ、積層成形する積層板に合わせた大きさに調整して組合せ材Aを積み重ねることができるものである。
【0031】
また請求項12の発明は、請求項6乃至11のいずれかにおいて、一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具5,6の間隔を所定の寸法に設定して、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ね、次に、一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具5,6の間隔を上記の所定寸法より広い寸法に設定して、このつづら折りに積み重ねた組合せ材Aの上で、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0032】
この発明によれば、つづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束を上下に複数束重ねるにあたって、折り返し治具5,6を用いて上の組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に、下の組合わせ材Aの束がこの折り返し治具5,6で傷付けられたりすることを防ぐことができるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図5は本発明に係る積み重ね装置を示すものである。作業台13の上には三台のロール支持体14,15,16が設けてあり、この各ロール支持体14,15,16はそれぞれ作業台13の上面に沿って略水平な横方向に往復移動自在にしてある。各ロール支持体14,15,16の移動機構は任意であるが、例えばシリンダーを駆動源とするラックとピニオンの機構で各ロール支持体14,15,16を移動させるようにすることができる。すなわち、作業台13にレールを設けると共にレールに沿って各ロール支持体14,15,16を移動自在に配置し、レールと平行に設けたラックに各ロール支持体14,15,16に設けたピニオンを噛合し、ピニオンを回転駆動させることによって、各ロール支持体14,15,16をレールに沿って移動させるようにすることができるものである。
【0035】
この各ロール支持体14,15,16は移動方向に配列されているが、両側のロール支持体14,16には、銅箔など長尺の金属箔1を巻いたロール3,3を、中央のロール支持体15にはポリイミドフィルムなど長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を、それぞれ回転自在に取り付けるようにしてある。また作業台13の中央部の上にはキャリア板9を載置するようにしてある。ロール支持体14,15,16は作業台13の一方の端部と他方の端部の間で移動されるようになっているが、各ロール支持体14,15,16に取り付けたロール3,4はキャリア板9の上方を横切って移動されるものである。
【0036】
キャリア板9は表面を鏡面に仕上げた矩形の金属板で形成されるものであり、図6及び図7に示すようにキャリア板9のロール3,4が移動する方向での両端部の上面にはそれぞれ治具受け18を取り付けることができるようにしてある。治具受け18は、細長い本体板19の両端部の上面に受けピン20,20を立設すると共に、本体板19の両端に位置決め孔21を上下に開口して設けた位置決め板22を固着することによって形成されるものである。またキャリア板9の両側縁にはロール3,4の移動方向と平行な方向で所定間隔に配列される複数の位置決めボルト孔23が穿設してあり、そして治具受け18をキャリア板9の上に載置し、図7のように、位置決め孔21を通した位置決めボルト24を位置決めボルト孔23にねじ込むことによって、キャリア板9の両端部の上にそれぞれ治具受け18を位置決め固定して取り付けることができるものである。
【0037】
また、作業台16に載置されるキャリア板9の治具受け18を取り付けた両端部の外側位置において、作業台16の上面には治具押え具7が配設してある。治具押え具7は、作業台16の上面に横L字形に突出する支持体26の先端部に回動自在に取り付けられる回動軸27と、回動軸27の外周に突設した押え板片28とから形成されるものであり、回動軸27はシリンダーなどの駆動源で、あるいは手動で回動されるようにしてある。そして、折り返し治具5,6は、図6に示すように細長い金属などの板で形成されるものであり、その両端部には上下に開口する通孔29,29が穿設してある。
【0038】
次に、上記の装置を用いて金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせると共に金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを積み重ねる方法について説明する。
【0039】
まず、上記のように両端部の上面に治具受け18,18を取り付けたキャリア板9を作業台13の上に載置し、各ロール支持体14,15,16を作業台13の一方の端部に片寄せて移動させておき、図1(a)に示すように、ロール支持体14,16のロール3,3から金属箔1,1を繰り出すと共に、ロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2を繰り出し、2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで重ねた状態でその先端を、一方の治具受け18の外側においてキャリア板9の端部に粘着テープなどで貼って固定する。
【0040】
そして、移動方向の前側、つまり右端に位置するロール支持体14を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させる。このようにロール支持体14を移動させると、このロール支持体14のロール3から金属箔1が繰り出され、図1(b)のように、金属箔1は一方の治具受け18の上面からキャリア板9の上面、他方の治具受け18の上面にかけて載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出され、金属箔1の上にこの絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体16を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、絶縁接着フィルム2の上にこの金属箔1が重ね合わされる。
【0041】
このようにして、図1(c)のようにキャリア板9の上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順に重ねることができるものであり、2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができるものである。ここで、治具受け18の2本の受けピン20,20の間隔寸法は、金属箔1や絶縁接着フィルム2の幅寸法より大きく形成してあり、図3(a)のように金属箔1や絶縁接着フィルム2は受けピン20,20の間において治具受け18の上に通されるようになっている。
【0042】
上記のように作業台13の他方の端部へ各ロール支持体14,15,16を移動させて、キャリア板9の他方の端部の治具受け18の上面を金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aを通過させた後、図1(c)のようにこの治具受け18の上側位置において組合せ材Aの上に折り返し治具5を載置する。折り返し治具5の載置は手作業で行なうことができるものであり、折り返し治具5の通孔29を治具受け18の受けピン20に被挿することによって、治具受け18で位置決めした状態で折り返し治具5を載置することができるものである。このように組合せ材Aの上に折り返し治具5を載置した後、治具押え具7の回動軸27を回動させ、押え板片28で折り返し治具5の組合せ材Aより側方へ突出する端部の上面を押えて、折り返し治具5が浮き上がらないようにしてある。
【0043】
次に、作業台13の他方の端部へ移動させたロール支持体14,15,16を逆方向に折り返し移動させるのであるが、まず移動方向の前側、つまり左端に位置するロール支持体16を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させる。このようにロール支持体16を移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出されるが、金属箔1は折り返し治具5で押えられているので図1(d)のように折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、組合せ材Aの上に載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出されるが、同様に折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、金属箔1の上にこの折り返された絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体14を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させると、このロール支持体14のロール3から金属箔1が繰り出されるが、同様に折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、絶縁接着フィルム2の上にこの折り返された金属箔1が重ね合わされる。
【0044】
このようにして、図1(e)のように組合せ材Aの上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1を折り返し治具5で折り返してこの順に重ねることができるものであり、この2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができ、組合せ材A同士を折り返して積み重ねることができるものである。このとき、折り返し治具5は上記のように治具押え具7の押え板片28で押えられているので、折り返し治具5が浮き上がるようなことなく、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。
【0045】
上記のように作業台13の一方の端部へ各ロール支持体14,15,16を移動させて、キャリア板9の一方の端部の治具受け18の上を金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aを通過させた後、図1(e)のようにこの治具受け18の上側位置において組合せ材Aの上に折り返し治具6を載置する。この折り返し治具6も通孔29を治具受け18の受けピン20に被挿することによって、治具受け18で位置決めした状態で組合せ材Aの上に載置することができるものである。またこのように組合せ材Aの上に折り返し治具6を載置した後、治具押え具7の回動軸27を回動させ、押え板片28で折り返し治具6の組合せ材Aより側方へ突出する端部の上面を押えて、折り返し治具6が浮き上がらないようにしてある。
【0046】
次に、作業台13の一方の端部へ移動させたロール支持体14,15,16を逆方向に折り返し移動させるのであるが、まず移動方向の前側、つまり右端に位置するロール支持体14を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、金属箔1を押えている折り返し治具6の外側の端縁で折り返されて、組合せ材Aの上に載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出され、同様に折り返し治具6の外側の端縁で折り返され、金属箔1の上にこの折り返された絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体16を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、同様に折り返し治具6の外側の端縁で折り返され、絶縁接着フィルム2の上にこの折り返された金属箔1が重ね合わされる。
【0047】
このようにして、図1(f)のように組合せ材Aの上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1を折り返し治具5で折り返してこの順に重ねることができるものであり、この2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができ、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。このとき、折り返し治具6は上記のように治具押え具7の押え板片28で押えられているので、折り返し治具6が浮き上がるようなことなく、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。
【0048】
そして上記のような、ロール支持体14,15,16を移動させてロール3,4から繰り出した金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せて載置する工程と、この金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aの上に折り返し治具5,6を載置する工程と、ロール支持体14,15,16を逆方向に移動させてロール3,4から繰り出した金属箔1と絶縁接着フィルム2を折り返し治具5,6で折り返して組合せ材Aの上に積み重ねる工程を繰り返すことによって、図2に示すように、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aを折り返し治具5,6で折り返して幾重にもつづら折りに積み重ねることができるものである。
【0049】
上記のようにしてキャリア板9の上で金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた後、折り返し治具5,6及び治具受け18を取り外す。折り返し治具5,6や治具受け18の取り外しの作業は次のようにして行なうことができる。まず位置決めボルト24を抜いて、キャリア板9に対する治具受け18の固定を外し、図4に示すように、組合せ材Aの束の折り返し屈曲部を持ち上げて、治具受け18を図4の矢印方向に引くことによって、折り返し治具5,6の通孔29から受けピン20を抜き、さらに折り返し治具5,6を紙面と垂直な方向に引くことによって、組合せ材Aの束の折り返し屈曲部内から折り返し治具5,6を抜くことができるものである。
【0050】
そして、組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた束の上にプレート11を重ね、図9のように上下のキャリア板9とプレート11の間につづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束を挟んだ状態で熱盤10,10間にセットし、加熱加圧成形をすることによって、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。このように成形して得られた積層板Bはつづら折りに連続した状態になっているが、折り返し屈曲部を切断することによって(図9に切断箇所を鎖線で示す)、平板状の両面金属箔張り積層板Bを得ることができるものである。尚、図9に示すように、組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた束を複数束重ねて加熱加圧成形を行なうようにしてもよい。
【0051】
上記の実施の形態では、ロール支持体14,15,16を個々に逐次移動させることによって、各ロール支持体14,15,16に設けたロール3,4,3をこの順に逐次、移動させるようにしている。このため、例えば先ずロール支持体14のロール3を移動させて金属箔1を繰り出した後、繰り出した金属箔1にシワなどの不良発生がないのを確認した後、あるいはシワなどの不良発生がある場合はそれを矯正した後、次にロール支持体15のロール4を移動させて絶縁接着フィルム2を繰り出し、繰り出した絶縁接着フィルム2にシワなどの不良発生がないのを確認した後、あるいはシワなどの不良発生がある場合はそれを矯正した後、最後にロール支持体16のロール3を移動させて金属箔1を繰り出すというように、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、あるいは矯正しながら、重ね合わせることができるものであり、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0052】
一方、ロール支持体14,15,16を同時に移動させて、各ロール支持体14,15,16に設けたロール3,4,3を同時に移動させるようにしてもよい。この場合には、各ロール3,4から同時に金属箔1と絶縁接着フィルム2が繰り出されて重ね合わされるので、図1(a)、図1(c)、図1(e)の順に積み重ねの工程が進行し、図1(b)や図1(d)の工程を省略することができるものであり、生産性を高めることができるものである。
【0053】
また、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さLは、図2に示すように、組合せ材Aの折り返しの両端部に重ねる折り返し治具5,6の外側縁の間の間隔によって決まる。そして既述のように、キャリア板9の両側縁にはロール3,4の移動方向と平行な方向で所定間隔に配列して複数の位置決めボルト孔23が穿設してあり、位置決めボルト24をねじ込む位置決めボルト孔23を選択することによって、キャリア板9の上に治具受け18を位置決め固定する位置を図7の実線で記載した位置や二点鎖線で記載した位置のように変更することができ、治具受け18で位置決めされる折り返し治具5,6の間隔も変更することができるものであり、折り返し治具5,6の間隔をこのようにして調整することができるものである。そして折り返し治具5,6の間隔をこのように調整することによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さLを調整することができるものであり、積層成形する積層板Bに合わせた大きさに調整して組合せ材Aを積み重ねることができるものである。
【0054】
図8は本発明の他の実施の形態を示すものであり、既述の図1(a)〜図1(f)及び図2の工程と同様にして、まず図8(a)に示すようにキャリア板9の上で組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる。次に、このつづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束Cから図4のように折り返し治具5,6を抜き外した後、この組み合わせ材Aの束Cの上で、さらに既述の図1(a)〜図1(f)及び図2の工程と同様にして、図8(b)に示すように組合せ材Aをつら折りに積み重ね、そしてこの組み合わせ材Aの束Cから折り返し治具5,6を抜き外す。これを繰り返すことによって、キャリア板9の上で組合せ材Aの束Cを複数束、上下に積み重ねながら金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる作業を行なうことができるものである。従ってこのものでは、複数束の組合せ材Aをキャリア板9の上に積み重ねて載置した状態で、既述の図9のように加熱加圧成形に供することができるものである。
【0055】
ここで、下側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6の間隔は図8(a)のように小さく、上側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6の間隔は図8(b)のように大きく設定してあり、上側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6が下側の組合せ材Aの束Cの外側に配置されるようにしてある。従って、つづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束Cを上下に重ねるにあたって、折り返し治具5,6を用いて上の組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に、下の組合わせ材Aの束がこの折り返し治具5,6で傷付けられることを防ぐことができるものである。
【0056】
尚、上記の各実施の形態において、一対のロール3のうち一方は、金属箔1の代りにPPSフィルムやフッ素樹脂フィルムなどの離型フィルムを巻いたものであってもよい。さらに、絶縁接着フィルム2が片面だけ接着面で他の片面が非接着面に形成されたものであるときには、金属箔1を巻いた一つのロール3と、この絶縁接着フィルム2を巻いた一つのロール4とを組合わせて用い、金属箔1に絶縁接着フィルム2を接着面で重ねた組合わせ材Aを形成するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、長尺の金属箔と絶縁接着フィルムを繰り出しながらロールを往復移動させることによって、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせた組合せ材を折り返し治具で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(f)は概略正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す概略正面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示す一部の概略正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図9】積層板の積層成形を示す概略断面図である。
【図10】従来例を示すものであり、(a),(b)は概略断面図である。
【符号の説明】
1 金属箔
2 絶縁接着フィルム
3 ロール
4 ロール
5 折り返し治具
6 折り返し治具
7 治具押え具
9 キャリア板
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせて成形することによって積層板を製造する際の、金属箔と絶縁接着フィルムとの積み重ね装置及び積み重ね方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルプリント配線板のような、薄いプリント配線板は、ポリイミドフィルムなど絶縁接着フィルム2の両側に、銅箔など金属箔1,1を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属箔張り積層板を作製し、この積層板の両面の金属箔をパターニングして回路形成をすることによって製造されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。
【0003】
そして絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねて加熱加圧成形するにあたっては、図10(a)に示すように、この絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねたものを一組の組合せ材Aとし、この多数組の組合せ材Aをキャリア板9の上に多段に積み重ねると共に最上段にプレート11を重ね、これを上下の熱盤10,10の間にセットして、加熱加圧成形を行なうことによって、一度の成形で多数枚の、図10(b)のような両面金属箔張り積層板Bを製造するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−63322号公報
【特許文献2】
特開平5−114784号公報
【特許文献3】
特開2002−12846号公報
【0005】
ここで、組合せ材Aの両外面は金属箔1であり、また絶縁接着フィルム2はプリプレグのような成形時の樹脂の流動がないので、組合せ材Aの間に鏡面プレートなどを介在させる必要なく、組合せ材Aを直接上下に積み重ねて加熱加圧成形を行なうことができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そして上記のように積層板を成形するに際して、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aを多段に積み重ねる作業は、金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順の繰り返しで、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2をキャリア板9の上に一枚ずつ重ねることによって行なわれている。
【0007】
しかし、金属箔1と絶縁接着フィルム2の積み重ねの枚数は多数枚であり、しかも金属箔1や絶縁接着フィルム2は厚みが薄いために、所定の寸法にカットされた金属箔1や絶縁接着フィルム2を一枚ずつ取り扱うことは困難である。このために、この積み重ねの作業には非常な手間と時間を要するものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるために用いられる装置であって、横方向にそれぞれ往復移動自在に配置された、長尺の金属箔1を巻いたロール3及び、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が一方向に移動した後に逆方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に載置される折り返し治具5と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出して上下に重ねながら各ロール3,4が逆方向に移動した後に一方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に載置される折り返し治具6とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出しながらロール3,4を往復移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを折り返し治具5で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ね合わせた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、長尺の金属箔1を巻いた一対のロール3,3の間に長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を配置し、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を移動させることによって、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねるようにして成ることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ね合わせた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0013】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロール3,4から順にロール3,4を逐次移動させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、ロール3,4を逐次移動させることによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、重ね合わせることができ、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0015】
また請求項4の発明は、請求項1又は2において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、各ロール3,4を同時に移動させるようにして成ることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、ロール3,4を同時に移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から同時に繰り出して重ね合わせることができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる操作を迅速に行なうことができるものである。
【0017】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、折り返し治具5,6を押えて固定する治具押え具7を備えて成ることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、折り返し治具5が浮き上がったり位置ずれしたりするようなことがない状態で、金属箔1や絶縁接着フィルム2を折り返すことができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを正確につづら折りして積み重ねることができるものである。
【0019】
本発明の請求項6に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるための方法であって、長尺の金属箔1を巻いたロール3と、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4とを横方向に往復移動自在に配置し、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を一方向に移動させることによって金属箔1と絶縁接着フィルム2とを上下に重ねる工程と、各ロール3,4を一方向から逆方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す一方の端部の上に折り返し治具5を載置する工程と、金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出しながら各ロール3,4を逆方向に移動させることによって金属箔1と絶縁接着フィルム2とを上下に重ねる工程と、各ロール3,4を逆方向から一方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔1と絶縁接着フィルム2の折り返す他方の端部の上に折り返し治具6を載置する工程とを、この順に繰り返して行なうことによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によれば、長尺の金属箔1と絶縁接着フィルム2を繰り出しながらロール3,4を往復移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを折り返し治具5で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ね合わせた組合せ材Aを容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【0021】
また請求項7の発明は、請求項6において、長尺の金属箔1を巻いた一対のロール3,3の間に長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を配置し、各ロール3,4を移動させて金属箔1や絶縁接着フィルム2を繰り出すことによって、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねるようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この発明によれば、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ね合わせた組合せ材Aの積み重ねを行なうことができ、両面金属箔張り積層板の製造に適用することができるものである。
【0023】
また請求項8の発明は、請求項6又は7において、各ロール3,4を往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロール3,4から順に逐次、ロール3,4を移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0024】
この発明によれば、ロール3,4を逐次移動させることによって、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、重ね合わせることができ、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0025】
また請求項9の発明は、請求項6又は7において、各ロール3,4を往復移動方向に沿って配列し、各ロール3,4を同時に移動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
この発明によれば、ロール3,4を同時に移動させることによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2をロール3,4から同時に繰り出して重ね合わせることができ、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる操作を迅速に行なうことができるものである。
【0027】
また請求項10の発明は、請求項6乃至9のいずれかにおいて、キャリア板9の上において請求項6の各工程を行なうことによって、キャリア板9の上で金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0028】
この発明によれば、積層成形を行なうに先立って、積み重ねた組合せ材Aをキャリア板9の上に載置する工数を不要にすることができるものである。
【0029】
また請求項11の発明は、請求項6乃至10のいずれかにおいて、一方の端部に配置する折り返し治具5と、他方の端部に配置する折り返し治具6の間の間隔を調整して、請求項6の各工程を行なうことを特徴とするものである。
【0030】
この発明によれば、折り返し治具5,6の間隔によって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さを調整することができ、積層成形する積層板に合わせた大きさに調整して組合せ材Aを積み重ねることができるものである。
【0031】
また請求項12の発明は、請求項6乃至11のいずれかにおいて、一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具5,6の間隔を所定の寸法に設定して、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ね、次に、一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具5,6の間隔を上記の所定寸法より広い寸法に設定して、このつづら折りに積み重ねた組合せ材Aの上で、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねることを特徴とするものである。
【0032】
この発明によれば、つづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束を上下に複数束重ねるにあたって、折り返し治具5,6を用いて上の組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に、下の組合わせ材Aの束がこの折り返し治具5,6で傷付けられたりすることを防ぐことができるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
図5は本発明に係る積み重ね装置を示すものである。作業台13の上には三台のロール支持体14,15,16が設けてあり、この各ロール支持体14,15,16はそれぞれ作業台13の上面に沿って略水平な横方向に往復移動自在にしてある。各ロール支持体14,15,16の移動機構は任意であるが、例えばシリンダーを駆動源とするラックとピニオンの機構で各ロール支持体14,15,16を移動させるようにすることができる。すなわち、作業台13にレールを設けると共にレールに沿って各ロール支持体14,15,16を移動自在に配置し、レールと平行に設けたラックに各ロール支持体14,15,16に設けたピニオンを噛合し、ピニオンを回転駆動させることによって、各ロール支持体14,15,16をレールに沿って移動させるようにすることができるものである。
【0035】
この各ロール支持体14,15,16は移動方向に配列されているが、両側のロール支持体14,16には、銅箔など長尺の金属箔1を巻いたロール3,3を、中央のロール支持体15にはポリイミドフィルムなど長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4を、それぞれ回転自在に取り付けるようにしてある。また作業台13の中央部の上にはキャリア板9を載置するようにしてある。ロール支持体14,15,16は作業台13の一方の端部と他方の端部の間で移動されるようになっているが、各ロール支持体14,15,16に取り付けたロール3,4はキャリア板9の上方を横切って移動されるものである。
【0036】
キャリア板9は表面を鏡面に仕上げた矩形の金属板で形成されるものであり、図6及び図7に示すようにキャリア板9のロール3,4が移動する方向での両端部の上面にはそれぞれ治具受け18を取り付けることができるようにしてある。治具受け18は、細長い本体板19の両端部の上面に受けピン20,20を立設すると共に、本体板19の両端に位置決め孔21を上下に開口して設けた位置決め板22を固着することによって形成されるものである。またキャリア板9の両側縁にはロール3,4の移動方向と平行な方向で所定間隔に配列される複数の位置決めボルト孔23が穿設してあり、そして治具受け18をキャリア板9の上に載置し、図7のように、位置決め孔21を通した位置決めボルト24を位置決めボルト孔23にねじ込むことによって、キャリア板9の両端部の上にそれぞれ治具受け18を位置決め固定して取り付けることができるものである。
【0037】
また、作業台16に載置されるキャリア板9の治具受け18を取り付けた両端部の外側位置において、作業台16の上面には治具押え具7が配設してある。治具押え具7は、作業台16の上面に横L字形に突出する支持体26の先端部に回動自在に取り付けられる回動軸27と、回動軸27の外周に突設した押え板片28とから形成されるものであり、回動軸27はシリンダーなどの駆動源で、あるいは手動で回動されるようにしてある。そして、折り返し治具5,6は、図6に示すように細長い金属などの板で形成されるものであり、その両端部には上下に開口する通孔29,29が穿設してある。
【0038】
次に、上記の装置を用いて金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせると共に金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせた組合せ材Aを積み重ねる方法について説明する。
【0039】
まず、上記のように両端部の上面に治具受け18,18を取り付けたキャリア板9を作業台13の上に載置し、各ロール支持体14,15,16を作業台13の一方の端部に片寄せて移動させておき、図1(a)に示すように、ロール支持体14,16のロール3,3から金属箔1,1を繰り出すと共に、ロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2を繰り出し、2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟み込んで重ねた状態でその先端を、一方の治具受け18の外側においてキャリア板9の端部に粘着テープなどで貼って固定する。
【0040】
そして、移動方向の前側、つまり右端に位置するロール支持体14を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させる。このようにロール支持体14を移動させると、このロール支持体14のロール3から金属箔1が繰り出され、図1(b)のように、金属箔1は一方の治具受け18の上面からキャリア板9の上面、他方の治具受け18の上面にかけて載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出され、金属箔1の上にこの絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体16を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、絶縁接着フィルム2の上にこの金属箔1が重ね合わされる。
【0041】
このようにして、図1(c)のようにキャリア板9の上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順に重ねることができるものであり、2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができるものである。ここで、治具受け18の2本の受けピン20,20の間隔寸法は、金属箔1や絶縁接着フィルム2の幅寸法より大きく形成してあり、図3(a)のように金属箔1や絶縁接着フィルム2は受けピン20,20の間において治具受け18の上に通されるようになっている。
【0042】
上記のように作業台13の他方の端部へ各ロール支持体14,15,16を移動させて、キャリア板9の他方の端部の治具受け18の上面を金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aを通過させた後、図1(c)のようにこの治具受け18の上側位置において組合せ材Aの上に折り返し治具5を載置する。折り返し治具5の載置は手作業で行なうことができるものであり、折り返し治具5の通孔29を治具受け18の受けピン20に被挿することによって、治具受け18で位置決めした状態で折り返し治具5を載置することができるものである。このように組合せ材Aの上に折り返し治具5を載置した後、治具押え具7の回動軸27を回動させ、押え板片28で折り返し治具5の組合せ材Aより側方へ突出する端部の上面を押えて、折り返し治具5が浮き上がらないようにしてある。
【0043】
次に、作業台13の他方の端部へ移動させたロール支持体14,15,16を逆方向に折り返し移動させるのであるが、まず移動方向の前側、つまり左端に位置するロール支持体16を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させる。このようにロール支持体16を移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出されるが、金属箔1は折り返し治具5で押えられているので図1(d)のように折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、組合せ材Aの上に載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出されるが、同様に折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、金属箔1の上にこの折り返された絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体14を作業台13の一方の端部へと左方向に移動させると、このロール支持体14のロール3から金属箔1が繰り出されるが、同様に折り返し治具5の外側の端縁で折り返され、絶縁接着フィルム2の上にこの折り返された金属箔1が重ね合わされる。
【0044】
このようにして、図1(e)のように組合せ材Aの上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1を折り返し治具5で折り返してこの順に重ねることができるものであり、この2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができ、組合せ材A同士を折り返して積み重ねることができるものである。このとき、折り返し治具5は上記のように治具押え具7の押え板片28で押えられているので、折り返し治具5が浮き上がるようなことなく、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。
【0045】
上記のように作業台13の一方の端部へ各ロール支持体14,15,16を移動させて、キャリア板9の一方の端部の治具受け18の上を金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aを通過させた後、図1(e)のようにこの治具受け18の上側位置において組合せ材Aの上に折り返し治具6を載置する。この折り返し治具6も通孔29を治具受け18の受けピン20に被挿することによって、治具受け18で位置決めした状態で組合せ材Aの上に載置することができるものである。またこのように組合せ材Aの上に折り返し治具6を載置した後、治具押え具7の回動軸27を回動させ、押え板片28で折り返し治具6の組合せ材Aより側方へ突出する端部の上面を押えて、折り返し治具6が浮き上がらないようにしてある。
【0046】
次に、作業台13の一方の端部へ移動させたロール支持体14,15,16を逆方向に折り返し移動させるのであるが、まず移動方向の前側、つまり右端に位置するロール支持体14を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、金属箔1を押えている折り返し治具6の外側の端縁で折り返されて、組合せ材Aの上に載置される。次いで、ロール支持体15を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体15のロール4から絶縁接着フィルム2が繰り出され、同様に折り返し治具6の外側の端縁で折り返され、金属箔1の上にこの折り返された絶縁接着フィルム2が重ね合わされる。さらに最後のロール支持体16を作業台13の他方の端部へと右方向に移動させると、このロール支持体16のロール3から金属箔1が繰り出され、同様に折り返し治具6の外側の端縁で折り返され、絶縁接着フィルム2の上にこの折り返された金属箔1が重ね合わされる。
【0047】
このようにして、図1(f)のように組合せ材Aの上において金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1を折り返し治具5で折り返してこの順に重ねることができるものであり、この2枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んで重ねた組合せ材Aを形成することができ、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。このとき、折り返し治具6は上記のように治具押え具7の押え板片28で押えられているので、折り返し治具6が浮き上がるようなことなく、組合せ材Aを折り返して積み重ねることができるものである。
【0048】
そして上記のような、ロール支持体14,15,16を移動させてロール3,4から繰り出した金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せて載置する工程と、この金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aの上に折り返し治具5,6を載置する工程と、ロール支持体14,15,16を逆方向に移動させてロール3,4から繰り出した金属箔1と絶縁接着フィルム2を折り返し治具5,6で折り返して組合せ材Aの上に積み重ねる工程を繰り返すことによって、図2に示すように、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aを折り返し治具5,6で折り返して幾重にもつづら折りに積み重ねることができるものである。
【0049】
上記のようにしてキャリア板9の上で金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合せた組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた後、折り返し治具5,6及び治具受け18を取り外す。折り返し治具5,6や治具受け18の取り外しの作業は次のようにして行なうことができる。まず位置決めボルト24を抜いて、キャリア板9に対する治具受け18の固定を外し、図4に示すように、組合せ材Aの束の折り返し屈曲部を持ち上げて、治具受け18を図4の矢印方向に引くことによって、折り返し治具5,6の通孔29から受けピン20を抜き、さらに折り返し治具5,6を紙面と垂直な方向に引くことによって、組合せ材Aの束の折り返し屈曲部内から折り返し治具5,6を抜くことができるものである。
【0050】
そして、組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた束の上にプレート11を重ね、図9のように上下のキャリア板9とプレート11の間につづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束を挟んだ状態で熱盤10,10間にセットし、加熱加圧成形をすることによって、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。このように成形して得られた積層板Bはつづら折りに連続した状態になっているが、折り返し屈曲部を切断することによって(図9に切断箇所を鎖線で示す)、平板状の両面金属箔張り積層板Bを得ることができるものである。尚、図9に示すように、組合せ材Aをつづら折りに積み重ねた束を複数束重ねて加熱加圧成形を行なうようにしてもよい。
【0051】
上記の実施の形態では、ロール支持体14,15,16を個々に逐次移動させることによって、各ロール支持体14,15,16に設けたロール3,4,3をこの順に逐次、移動させるようにしている。このため、例えば先ずロール支持体14のロール3を移動させて金属箔1を繰り出した後、繰り出した金属箔1にシワなどの不良発生がないのを確認した後、あるいはシワなどの不良発生がある場合はそれを矯正した後、次にロール支持体15のロール4を移動させて絶縁接着フィルム2を繰り出し、繰り出した絶縁接着フィルム2にシワなどの不良発生がないのを確認した後、あるいはシワなどの不良発生がある場合はそれを矯正した後、最後にロール支持体16のロール3を移動させて金属箔1を繰り出すというように、金属箔1や絶縁接着フィルム2をロール3,4から繰り出した状態を確認しながら、あるいは矯正しながら、重ね合わせることができるものであり、しわなどが発生することなく金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせることができるものである。
【0052】
一方、ロール支持体14,15,16を同時に移動させて、各ロール支持体14,15,16に設けたロール3,4,3を同時に移動させるようにしてもよい。この場合には、各ロール3,4から同時に金属箔1と絶縁接着フィルム2が繰り出されて重ね合わされるので、図1(a)、図1(c)、図1(e)の順に積み重ねの工程が進行し、図1(b)や図1(d)の工程を省略することができるものであり、生産性を高めることができるものである。
【0053】
また、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さLは、図2に示すように、組合せ材Aの折り返しの両端部に重ねる折り返し治具5,6の外側縁の間の間隔によって決まる。そして既述のように、キャリア板9の両側縁にはロール3,4の移動方向と平行な方向で所定間隔に配列して複数の位置決めボルト孔23が穿設してあり、位置決めボルト24をねじ込む位置決めボルト孔23を選択することによって、キャリア板9の上に治具受け18を位置決め固定する位置を図7の実線で記載した位置や二点鎖線で記載した位置のように変更することができ、治具受け18で位置決めされる折り返し治具5,6の間隔も変更することができるものであり、折り返し治具5,6の間隔をこのようにして調整することができるものである。そして折り返し治具5,6の間隔をこのように調整することによって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aをつづら折りに折り返す長さLを調整することができるものであり、積層成形する積層板Bに合わせた大きさに調整して組合せ材Aを積み重ねることができるものである。
【0054】
図8は本発明の他の実施の形態を示すものであり、既述の図1(a)〜図1(f)及び図2の工程と同様にして、まず図8(a)に示すようにキャリア板9の上で組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる。次に、このつづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束Cから図4のように折り返し治具5,6を抜き外した後、この組み合わせ材Aの束Cの上で、さらに既述の図1(a)〜図1(f)及び図2の工程と同様にして、図8(b)に示すように組合せ材Aをつら折りに積み重ね、そしてこの組み合わせ材Aの束Cから折り返し治具5,6を抜き外す。これを繰り返すことによって、キャリア板9の上で組合せ材Aの束Cを複数束、上下に積み重ねながら金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ね合わせる作業を行なうことができるものである。従ってこのものでは、複数束の組合せ材Aをキャリア板9の上に積み重ねて載置した状態で、既述の図9のように加熱加圧成形に供することができるものである。
【0055】
ここで、下側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6の間隔は図8(a)のように小さく、上側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6の間隔は図8(b)のように大きく設定してあり、上側になる組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に用いる折り返し治具5,6が下側の組合せ材Aの束Cの外側に配置されるようにしてある。従って、つづら折りに積み重ねた組合せ材Aの束Cを上下に重ねるにあたって、折り返し治具5,6を用いて上の組合せ材Aをつづら折りに積み重ねる際に、下の組合わせ材Aの束がこの折り返し治具5,6で傷付けられることを防ぐことができるものである。
【0056】
尚、上記の各実施の形態において、一対のロール3のうち一方は、金属箔1の代りにPPSフィルムやフッ素樹脂フィルムなどの離型フィルムを巻いたものであってもよい。さらに、絶縁接着フィルム2が片面だけ接着面で他の片面が非接着面に形成されたものであるときには、金属箔1を巻いた一つのロール3と、この絶縁接着フィルム2を巻いた一つのロール4とを組合わせて用い、金属箔1に絶縁接着フィルム2を接着面で重ねた組合わせ材Aを形成するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、長尺の金属箔と絶縁接着フィルムを繰り出しながらロールを往復移動させることによって、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせた組合せ材を折り返し治具で折り返して、つづら折り状に上下に重ねることができるものであり、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(f)は概略正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す概略正面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示す一部の概略正面図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図9】積層板の積層成形を示す概略断面図である。
【図10】従来例を示すものであり、(a),(b)は概略断面図である。
【符号の説明】
1 金属箔
2 絶縁接着フィルム
3 ロール
4 ロール
5 折り返し治具
6 折り返し治具
7 治具押え具
9 キャリア板
Claims (12)
- 金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材の金属箔と絶縁接着フィルムを積層一体化した積層板を製造する際に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねると共に組合せ材を積み重ねるために用いられる装置であって、横方向にそれぞれ往復移動自在に配置された、長尺の金属箔を巻いたロール及び、長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールと、金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出して上下に重ねながら各ロールが一方向に移動した後に逆方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔と絶縁接着フィルムの折り返す一方の端部の上に載置される折り返し治具と、金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出して上下に重ねながら各ロールが逆方向に移動した後に一方向へ折り返し移動する前に、上下に重ねられた金属箔と絶縁接着フィルムの折り返す他方の端部の上に載置される折り返し治具とを具備して成ることを特徴とする積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 長尺の金属箔を巻いた一対のロールの間に長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールを配置し、金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出しながら各ロールを移動させることによって、二枚の金属箔の間に絶縁接着フィルムを挟み込んで金属箔と絶縁接着フィルムを重ねるようにして成ることを特徴とする請求項1に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 各ロールを往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロールから順にロールを逐次移動させるようにして成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 各ロールを往復移動方向に配列し、各ロールを同時に移動させるようにして成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 折り返し治具を押えて固定する治具押え具を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
- 金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材の金属箔と絶縁接着フィルムを積層一体化した積層板を製造する際に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねると共に組合せ材を積み重ねるための方法であって、長尺の金属箔を巻いたロールと、長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールとを横方向に往復移動自在に配置し、金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出しながら各ロールを一方向に移動させることによって金属箔と絶縁接着フィルムとを上下に重ねる工程と、各ロールを一方向から逆方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔と絶縁接着フィルムの折り返す一方の端部の上に折り返し治具を載置する工程と、金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出しながら各ロールを逆方向に移動させることによって金属箔と絶縁接着フィルムとを上下に重ねる工程と、各ロールを逆方向から一方向へ折り返し移動させる前に上下に重ねた金属箔と絶縁接着フィルムの折り返す他方の端部の上に折り返し治具を載置する工程とを、この順に繰り返して行なうことによって、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねた組合せ材をつづら折りに積み重ねることを特徴とする積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 長尺の金属箔を巻いた一対のロールの間に長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロールを配置し、各ロールを移動させて金属箔や絶縁接着フィルムを繰り出すことによって、二枚の金属箔の間に絶縁接着フィルムを挟み込んで金属箔と絶縁接着フィルムを重ねるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 各ロールを往復移動方向に配列し、移動方向の前側に配置されたロールから順に逐次、ロールを移動させるようにしたことを特徴とする請求項6又は7に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 各ロールを往復移動方向に沿って配列し、各ロールを同時に移動させるようにしたことを特徴とする請求項6又は7に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- キャリア板の上において請求項6の各工程を行なうことによって、キャリア板の上で金属箔と絶縁接着フィルムを重ねた組合せ材をつづら折りに積み重ねることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 一方の端部に配置する折り返し治具と、他方の端部に配置する折り返し治具の間の間隔を調整して、請求項6の各工程を行なうことを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
- 一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具の間隔を所定の寸法に設定して、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔と絶縁接着フィルムを重ねた組合せ材をつづら折りに積み重ね、次に、一方の端部と他方の端部に配置する折り返し治具の間隔を上記の所定寸法より広い寸法に設定して、このつづら折りに積み重ねた組合せ材の上で、請求項6の各工程を行なうことによって金属箔と絶縁接着フィルムを重ねた組合せ材をつづら折りに積み重ねることを特徴とする請求項6乃至11に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね方法。
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JP2003181830A JP2005014385A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法 |
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JP2003181830A JP2005014385A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置及び積み重ね方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008105323A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Matsushita Electric Works Ltd | 組合せ材のシワ取り装置 |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181830A patent/JP2005014385A/ja not_active Withdrawn
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