JP3920534B2 - 光走査装置・画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光走査装置・画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等に関連して広く知られた光走査装置は一般に、光源側からの光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。
被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体等である感光媒体の感光面であるが、例えば、2個の感光体に2系統の光走査装置を用いて別個の画像を色違いに形成し、これらの画像を同一の記録媒体上に転写して定着すれば、2色画像を得ることができる。このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像、カラー画像等を得るようにした画像形成装置は「タンデム式画像形成装置」として知られている(特許第2725067号公報)。このようなタンデム式画像形成装置の一種として、複数の感光媒体が単一の光偏向器を共用する方式のものが有る(上記特許27225067号公報、特開平9−127443号公報等)。
このように、複数の被走査面で光偏向器を共用すると、光偏向器の数を減らすことにより、画像形成装置をコンパクト化・低コスト化することが可能になる。複数の被走査面で光偏向器を共用する場合、共通の光偏向器を挟んで両側に被走査面が配されることになる。各被走査面を光走査する光ビームは、書込開始に先立ち受光手段により受光され、書込開始の同期が取られる。複数の被走査面で光偏向器を共用する場合、光偏向器を挟んで逆の側にある被走査面は、互いに逆向きに光走査されるから、書込開始に先立って光ビームを検出する受光素子の配置位置が逆の配置になる。このため、光偏向器の偏向反射面大きくすることなく各被走査面共通の有効書込幅を確保することが困難になる。
【0003】
また、光走査装置に樹脂製の光学素子が用いられるような場合、温・湿度等の変化により、樹脂製光学素子の光学特性が変化することがある。このような光学特性の変化が生じると、光ビームが書込む走査長さが変化する。このような走査長さの変化は、樹脂製の光学素子を用いない場合でも、機械的振動等により光学素子の位置ずれが生じたような場合にも生じ得る。
上記タンデム式画像形成装置でこのような「走査長さの変化」が生じると、形成すべき画像がカラー画像である場合に、所謂「色ずれ」が生じてしまう。
上記「走査長さの変化」の問題に対処する方法として、書込開始側と書込終了側とに各々受光手段を配し、各受光手段の受光時間差に基づき、各光ビームの画周波数を調整する方法があるが(特開平9−58053号公報)、この方式を上記「複数の被走査面で光偏向器を共用」するタンデム式画像形成装置に採用しようとすると、書込終了側に受光手段配置用のスペースを必要とするため、有効書込幅の確保がより困難になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述したところに鑑み、複数の被走査面が光偏向器を共用する方式の光走査装置において、光偏向器の偏向反射面を大きくすることなく、各被走査面に共通の有効走査幅を確保できるようにすることを課題とする。
【0005】
また、被走査面を複数の光ビームで同じ走査するマルチビーム方式の光走査を行う場合に、光走査装置を大型化することなく、走査線長さの変化を補正できるようにすることを別の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光走査装置は「回転軸から離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器を共有する複数の被走査面を光偏向器の両側に有し、各被走査面を走査するための複数の光ビームを光偏向器により偏向させ、偏向された各光ビームにより各被走査面を互いに平行に主走査して書込みを行い、書込開始に先立ち各光ビームを受光手段により受光して検出する光走査装置」であって、以下の如き特徴を有する。
即ち、光偏向器の回転軸を含み、主走査線に平行な面を「基準面」とするとき、光偏向器の両側にある被走査面を走査する基準光ビームの光偏向器による各「規準反射位置」を、基準面に対して2次元的に僅かに非対称とすることにより、各被走査面に共通の有効書込幅を確保しつつ、基準面の両側にある各被走査面の書込開始位置の外側に受光手段による検出領域を確保した。
若干付言すると上記「回転軸から離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器」は、偏向反射面を回転させ、偏向反射面による反射光ビームを等角速度的に偏向させる方式のものであるが、偏向反射面の回転における回転軸が偏向反射面から離れた位置にあるものを言う。このような光偏向器として代表的なものは「回転多面鏡」であるが、偏向反射面が1面である回転単面鏡や、偏向反射面が2面である回転2面鏡でも、回転軸が偏向反射面内に位置しないものは、この発明における「回転軸から離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器」である。
【0007】
また「偏向された各光ビームにより各被走査面を互いに平行に主走査する」における「互いに平行」は勿論、数学的に厳密な平行ではなく、誤差的に許容される平行である。従って、各被走査面に対する主走査線は何れも「基準面」に対して平行になる。
「規準反射位置」は、偏向反射面により反射された反射光ビームが主走査方向に対して垂直(走査結像光学系による結像作用は考えない)になるときの、主光線に対する反射の起点を言う。この場合、同一の偏向反射面に対し2以上の光ビームが入射し、各入射光ビームが主走査方向に角度を有するときは、それら入射光ビームの1つを基準としてこの光ビームに対して上記の定義を適用する。
この請求項1記載の光走査装置において、基準面の片側の被走査面上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、上記「片側の被走査面」を走査する光ビームの偏向反射面での基準反射点位置は、上記「他方の側の被走査面」を走査する光ビームの偏向反射面での基準反射点位置よりもプラス側にある。
上記請求項1記載の光走査装置において、各被走査面に対応して、光偏向器による偏向光ビームを被走査面に導く走査結像光学系を設け、これら走査結像光学系の少なくとも1対を、基準面に対する鏡面対称の状態から、互いに主走査方向にずらして配置し、これら少なくとも1対の走査結像光学系についてサグ量を同程度に設定できるようにすることができる。
この場合において、基準面の片側の被走査面上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、上記片側の被走査面に導光する1以上の走査結像光学系は、他方の側の被走査面に導光する走査結像光学系よりも主走査方向においてプラス側に配置される。
【0008】
走査装置は、複数の光源と、光偏向器と、走査結像光学系と、書込前受光手段と、書込後受光手段とを有する。
「複数の光源」は各々、書込用の光ビームを放射する。
「光偏向器」は、これら複数の光源からの各光ビームを偏向させる。
「走査結像光学系」は、光偏向器によって偏向された複数の偏向光ビームを被走査面に導いて副走査方向に分離した複数の光スポットを形成する。
「書込前受光手段」は、書込開始前に光ビームを受光する。
「書込後受光手段」は、書込終了後に光ビームを受光する。
請求項1記載の光走査装置は「回転軸から離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器を共有する複数の被走査面を光偏向器の両側に有し、各被走査面を走査するための複数の光ビームを光偏向器により偏向させ、偏向された各光ビームにより各被走査面を互いに平行に主走査して書込みを行い、書込開始に先立ち各光ビームを受光手段により受光して検出する光走査装置」であって、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、書込前受光手段と、書込後受光手段とを有する。
「書込前受光手段」は、各被走査面ごとに書込開始前に光ビームを受光する。
「書込後受光手段」は、各被走査面ごとに書込終了後に光ビームを受光する。
被走査面のうち少なくとも1つは複数の光ビームで走査され、この被走査面に対応する書込前受光手段で複数の光ビームを検知し、書込後受光手段では1つの光ビームのみを検知する。
この請求項1記載の光走査装置において、複数の光ビームで走査される被走査面の「光偏向器でけられずに主走査される範囲」は、各光ビームについて異なる。この場合、光偏向器の回転軸を含み、主走査線に平行な面を基準面とするとき、光偏向器の両側にある被走査面を走査する基準光ビームの光偏向器による各規準反射位置を、基準面に対して2次元的に僅かに非対称とすることができる。
この請求項1記載の光走査装置において、基準面の片側の被走査面での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、上記片側の被走査面を走査する基準光ビームの偏向反射面での基準反射点位置は、他方の側の被走査面を走査する基準光ビームの偏向反射面での基準反射点位置よりもプラス側にある(請求項2)。
上記請求項1または2記載の光走査装置において「各被走査面に対応して、光偏向器による偏向光ビームを被走査面に導く走査結像光学系を設け、これら走査結像光学系の少なくとも1対を、基準面に対する鏡面対称の状態から、互いに主走査方向にずらして配置し、少なくとも上記1対の走査結像光学系についてサグ量を同程度に設定」することができる(請求項3)。
【0010】
この場合において、基準面の片側の被走査面上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、上記片側の被走査面に導光する1以上の走査結像光学系が、他方の側の被走査面に導光する走査結像光学系よりも主走査方向においてプラス側に配置される(請求項4)。
上記請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装置においては、各被走査面に対応した書込前受光手段と書込後受光手段との受光時間差に基づき、各被走査面に対応した画周波数を調整し、各被走査面の走査幅を同一にすることができる(請求項5)。
この場合、光偏向器の偏向反射面数:N(≧2)に対し、書込前受光手段と書込後受光手段の受光時間差として「N回以上の測定の平均値」を用いるのがよい(請求項6 )
様に、請求項1〜6の任意の1に記載の光走査装置においても、1つの光偏向器を共有する複数の被走査面を2つとすることができる(請求項7)。
勿論、これに限らず、3つもしくは4つ以上の被走査面が1つの光偏向器を共有するようにすることも可能である。
【0011】
上記請求項1〜7記載の任意の1に記載の光走査装置においても、複数の光ビームで走査される被走査面に対応する光源の数を2とし、これら2光源からの光ビームが主走査方向に互いに角をなし、光偏向器の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置することができる(請求項8)。
この請求項8記載の光走査装置においても、2つの被走査面の各々に対応して2つの光源を用い、各被走査面に対応する2つの光源からの各光ビームが主走査方向に互いに角をなし、光偏向器の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置することができる(請求項9)。
2つの光源を用いる場合、これら光源からの2つの光ビームを周知の「ビーム合成プリズム」を用いて合成してもよい。
【0012】
この発明の画像形成装置は、複数の感光媒体の感光面に光走査装置による光走査を行って上記感光面ごとに潜像を形成し、上記各潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であって、複数の感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置として、請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする(請求項10)。上記複数の感光媒体として「光導電性の感光体」を用い、各感光面の均一帯電と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像が、トナー画像として可視化されるようにすることができる(請求項11)。
この場合、各感光面に得られるトナー画像は、共通のシート状記録媒体(転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等)に転写されて定着される。
各感光面に形成された静電線像を異なる色のトナーで可視化するようにすると、2色画像や多色画像あるいはカラー画像を形成することができる。
請求項10記載の画像形成装置で、各感光媒体として銀塩フィルムを用いることができる。この場合、各感光媒体に形成される潜像は通常の銀塩写真の現像手法で可視化することができる。このような画像形成装置は、たとえば、カラー製版装置として実現できる。例えば、3つの感光媒体に対して、同時に光走査を行って赤版、青版、緑版を同時に形成することができる。
請求項11記載の画像形成装置は、カラー複写装置やカラープリンタ、カラープロッタ、カラーファクシミリや、2色もしくは多色の画像を形成する複写装置やプリンタ、プロッタ、ファクシミリ等として実施できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1(a)において、符号5は「光偏向器」としての回転多面鏡を示している。回転多面鏡5を挟んでその両側に被走査面9A、9Bが配されている。被走査面9A、9Bは実体的には感光媒体の感光面であり、この実施の形態では「光導電性の感光体の感光面であり、共に、図の上下方向に光走査される。即ち、図1(a)の上下方向は主走査方向(主走査線の方向)である。被走査面9A、9Bの主走査線の方向は互いに平行である。
符号PSで示す「基準面」は回転多面鏡5の回転軸を含み、上記被走査面9A、9Bの主走査線に平行な「仮想的な平面」である。
符号1A、1Bは「光源」としての半導体レーザ、符号2A、2Bはカップリングレンズ、符号3A、3Bはシリンドリカルレンズ、符号11A、11Bはビーム整形用のアパーチュアを示す。
回転多面鏡5は図示されない「防音用のハウジング」に収納されており、ハウジングには光ビームを通過させるための窓が穿設され、これらの窓を透明なガラスの平行平板による防音ガラス4A、4Bが塞いでいる。
光源である半導体レーザ1Aから放射された光ビームは、カップリングレンズ2Aにより以後の光学系に適したビーム形態に変換され、アパーチュア11Aを通過し、ビーム外周部を遮断されてビーム整形されたのち、シリンドリカルレンズ3Aにより副走査方向(この明細書中において、光源から被走査面に至る光路上の任意の位置において被走査面上における副走査方向に対応する方向を言う。図1(a)において図面に直交する方向)に集束されつつ、防塵ガラス4Aを介して回転多面鏡5の偏向反射面に入射し、偏向反射面近傍に主走査方向(光源から被走査面に至る光路上の任意の位置において被走査面上における主走査方向に対応する方向を言う)に長い線像として結像する。
【0014】
偏向反射面に反射された光ビームは「走査結像光学系」を構成する走査レンズ6A、7Aと光走査装置のケーシングの防塵ガラス8Aを透過し、走査レンズ6A、7Aの作用により被走査面9Aに向かって集光され、被走査面9A上に光スポットを形成する。
同様に、光源である半導体レーザ1Bから放射された光ビームは、カップリングレンズ2Bにより以後の光学系に適したビーム形態に変換され、アパーチュア11Bを通過してビーム整形されたのち、シリンドリカルレンズ3Bにより副走査方向に集束されつつ、防塵ガラス4Bを介して回転多面鏡5の偏向反射面に入射し、偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像する。
偏向反射面に反射された光ビームは「走査結像光学系」を構成する走査レンズ6B、7Bと光走査装置のケーシングの防塵ガラス8Aを透過し、走査レンズ6B、7Bの作用により被走査面9Bに向かって集光され、被走査面9B上に光スポットを形成する。
回転多面鏡5が矢印方向(時計回り)に等速回転すると、反射された各光ビームは等角速度的に偏向する偏向光ビームとなり、各光スポットは各被走査面を主走査する。
図1(a)に示されているように、各半導体レーザ1A、1Bから回転多面鏡5に至る光路は、基準面PSに関して略対称的に設定されている。
被走査面9Aを光走査する光ビームは、書込開始に先立ち、ミラーmAにより反射されて受光素子10Aに導光されて検出される。受光素子10Aの受光信号を基準として、その所定時間後に書込開始位置CAから光走査による書込みが開始され、書込終了位置FAで書込みを終了する。
【0015】
被走査面9Bを光走査する光ビームは、書込開始に先立ち、ミラーmBにより反射されて受光素子10Bに導光されて検出される。受光素子10Bの受光信号を基準として、その所定時間後に書込開始位置CBから光走査による書込みが開始され、書込終了位置FBで書込みを終了する。
ミラーmAと受光素子10Aとは被走査面9Aに対応する「受光手段」を構成し、ミラーmBと受光素子10Bとは被走査面9Bに対応する「受光手段」を構成する。
カップリングレンズ2A、2Bによりカップリングされた各光ビームのビーム形態は「同じビーム形態」である。このビーム形態は「平行ビーム」となることも、「収束性もしくは発散性のビーム」となることもできる。
走査レンズ6A、7Aで構成される走査結像光学系、走査レンズ6B、7Bで構成される走査結像光学系ともに、光スポットによる主走査を等速化する等速化機能を有している。
図1(b)は、回転多面鏡による各光ビームの偏向の起点の近傍を説明図的に示している。
半導体レーザ1A側からの光ビームBAを偏向する位置にある偏向反射面を偏向反射面5A、半導体レーザ1B側からの光ビームBBを偏向する位置にある偏向反射面を偏向反射面5Bとして示している。
先ず、光ビームBAを考えると、偏向反射面5Aが図紙の如く基準面PSに対して角:θAをなすとき、偏向反射面5Aにより反射された光ビームBAの主光線が被走査面9Aの主光線に対して直交する状態となる(このとき走査レンズ6A,7Aの作用は考えない)。この状態において、光ビームBAの主光線が偏向反射面5Aにより反射される位置が「光ビームBAに対する基準反射位置」であり、図中に符号RAで示す。
【0016】
同様に、偏向反射面5Bが図紙の如く基準面PSに対して角:θBをなすとき、偏向反射面5Bにより反射された光ビームBBの主光線が被走査面9Bの主光線に対して直交する状態となる。この状態において、光ビームBBの主光線が偏向反射面5Bにより反射される位置が「光ビームBBに対する基準反射位置」であり、図中に符号RBで示す。
基準反射位置RA、RBの位置は、回転多面鏡5の回転軸AXを基準として、図の如く特定する。即ち、基準反射位置RAは回転軸AXから基準面PSに直交する方向へ距離:XAだけ離れ、基準面PSに平行な方向へ距離:YAだけ離れている。基準反射位置RBは回転軸AXから基準面PSに直交する方向へ距離:XBだけ離れ、基準面PSに平行な方向へ距離:YBだけ離れている。
基準面PSに平行な方向に関しては正・負を考え、図1(a)において上方(光源が存在する側)をプラス側とする。このようにプラス側・マイナス側を定めると、図1(b)に示すように、距離:YA、YBは共にプラス側にある。また、被走査面9Aの書込開始側はプラス側で、被走査面9Bの書込開始側はマイナス側である。
走査面9A、9Bに共通の有効書込幅(書込開始位置と書込終了位置の間隔)を確保しつつ、基準面PSの両側にある各被走査面9A、9Bの書込開始位置CA、CBの外側に「受光手段による検出領域(受光手段を配置する余裕)」を確保するために、回転多面鏡5による各規準反射位置RA、RBを、基準面PSに対して「2次元的に僅かに非対称」とすることができる。
即ち、XA≠XB、YA≠YBである。
【0017】
ここで図1に示した実施の形態に対する具体的な実施例を挙げる。
【0018】
【実施例】
実施例1
先ず、光源としての半導体レーザ1A,1Bから回転多面鏡に至る光路上の光学系のデータを挙げる。半導体レーザ1A、1B、カップリングレンズ2A、2B、シリンドリカルレンズ3A,3Bは、それぞれ互いに同一のものである。 以下の表記において、Rm:メリジオナル方向(主走査方向)の曲率半径、Rs:サジタル方向(副走査方向)の曲率半径、N:使用波長での屈折率、X:光軸方向の距離とする。また、上記曲率半径や距離の単位はmmである。半導体レーザ1A、1Bの発光波長は共に780nmを想定している。
面番号 Rm Rs(0) X N 備考
光源 − − 0.453 半導体レーザー
1 ∞ ∞ 0.3 1.514 カバーガラス
2 ∞ ∞ 12.0
3* 52.6 52.6 3.8 1.514 Cレンズ
4* −8.71 −8.71
5 ∞ 64.5 3.00 1.514 CYレンズ
6 ∞ ∞ 124.5
7 − − − 偏向面
備考における「半導体レーザ」は半導体レーザ1A、1B、カバーガラスは半導体レーザ1A、1Bのキャンのカバーガラス、「Cレンズ」はカップリングレンズ2A、2B、「CYレンズ」はシリンドリカルレンズ3A、3Bである。
【0019】
図1(a)に示す防音ガラス4A、4Bは共に、厚さ:1.9mm、屈折率:1.514の平行平板であり、基準面PSに対して、互いに対称的に傾き角:8度を有している。
共通の光偏向器としての回転多面鏡5は、面数:6(ポリゴン形状)、回転中心と反射面の距離(内接円半径):18mmであり、偏向反射面における有効反射部は「エッジ部から0.2mmを除いた範囲」である。
上記データにおいて、「*」を付した面(カップリングレンズ2A、2Bの両面)は共軸非球面である。数値は示さないが、これらカップリングレンズ2A,2Bによる波面収差は良好に補正されている。カップリングレンズ2A、2Bから射出する光ビームは共に「平行ビーム」である。
図1(b)に示す角:θA=θB=30度(このとき、光ビームBA、BBの偏向反射面5A、5Bへの入射角は28.45度である。)であり、基準反射位置RA、RBの位置を特定する距離:XA=16.23mm、YA=7.90mm、XB=16.43mm、YB=7.55mmである。即ち、XB−XA=0.2mm、YA−YB=0.35mmであるから、基準反射位置RA、RBは基準面PSに対し2次元的に「僅か」に非対称である。
次ぎに、走査レンズ6A、7Aで構成される走査結像光学系および、走査レンズ6A、7Aで構成される走査結像光学系のデータを示す。走査レンズ6Aと6B、走査レンズ7Aと7Bとは、互いに同一のレンズであるが、基準反射位置が基準面に対して非対称であることに起因して、配置が若干異なるので、これら角走査結像光学系のデータは個別的に与える。
【0020】
走査レンズ6A、7Aによる走査結像光学系
面番号 Rm Rs(0) X N 備考
偏向反射面 ∞ ∞ 52.1 回転多面鏡
1* −312.6 −312.6 31.4 1.527 走査レンズ6A
2* −83.0 −83.0 78.0
3** −500 −47.7 3.5 1.527 走査レンズ7A
4 −1000 −23.38 142.3
5 − − − 被走査面
走査レンズ6B、7Bによる走査結像光学系
面番号 Rm Rs(0) X N 備考
偏向反射面 ∞ ∞ 51.9 回転多面鏡
1* −312.6 −312.6 31.4 1.527 走査レンズ6B
2* −83.0 −83.0 78.0
3** −500 −47.7 3.5 1.527 走査レンズ7B
4 −1000 −23.38 142.3
5 − − − 被走査面
上記のように、走査レンズ6A、7Aによる走査結像光学系では、偏向反射面5Aの基準反射位置RAから走査レンズ6Aの入射側面に至る距離が「52.1mm」であるのに対し、走査レンズ6B、7Bによる走査結像光学系では、偏向反射面5Bの基準反射位置RBから走査レンズ6Bの入射側面に至る距離が「51.9mm」であり、走査レンズ6A、7Aによる走査結像光学系における対応距離よりも0.2mm短い。これは前記:XB−XA=0.2mmに対応する。
【0021】
また、回転多面鏡5の回転中心(回転軸AXの位置)から各走査レンズの頂点までの主走査方向の距離を、走査レンズ6A、6Bにつき、それぞれHA1、HB1とし、走査レンズ7A、7Bにつき、それぞれHA2,HB2とすると、これらは、HA1=9.2mm、HA2=9.3mm、HB1=8.8mm、HB2=9.0mmである。即ち、基準面PSに対し、走査レンズ6A、7Aの配置と走査レンズ6B、7Bの配置が非対称である。このようにすることにより、所謂「サグ(光ビームBA、BBの線像の結像位置と偏向反射面5A、5Bとの動的なずれ)」の影響を同程度に設定できる。
「*」を付された面は共軸非球面であり、次式で表される。
Figure 0003920534
この式の表記で、例えば「Y^2」は「Y2」を表す。即ち「記号:^」はべき乗を表す。
面番号1の面(走査レンズ6A、6Bの入射側面)では、
K= 2.667,A= 1.79E−07,B=−1.08E−12,
C=−3.18E−14,D= 3.74E−18
面番号2の面(走査レンズ6A、6Bの射出側面)では、
K= 0.02,A= 2.50E−07,B= 9.61E−12,
C= 4.54E−15,D=−3.03E−18
である。この表記で例えば「2.50E−07」は「2.50×10-7」を表す。
【0022】
「**」を付された面は、主走査方向の形状が非円弧形状であり、副走査方向の曲率半径は主走査方向に連続的に変化する面である。
面番号3の面(走査レンズ7A、7Bの入射側面)における主走査方向の形状は前記(1)式で表現され、
K=−71.73,A= 4.33E−08,B=−5.97E−13,
C=−1.28E−16,D= 5.73E−21
である。副走査方向の曲率半径は、主走査方向における光軸からの距離:Yを変数とする(主走査方向に直交する仮想的な平断面内)曲率半径:Rs(Y)に対応する曲率:Cs(Y)を、多項式:
Cs(Y)=(1/Rs(0))+Σbj・Y^j (j=1,2,3,・・)
で表す。
面番号3の面(走査レンズ7A、7Bの入射側面)は、主走査対応方向において光軸対称で、副走査方向の曲率変化は、
Rs(0)=−47.7,b2= 1.60E−03,b4=−2.32E−07,b6= 1.60E−11,b8=−5.61E−16,b10=2.18E−20,b12=−1.25E−24
で特定される。
この実施例1に関する光学特性を図4と図5に示す。図4は走査レンズ6A、7Aによるものであり、図5は走査レンズ6B、7Bによるものである。何れも良好に補正されている。
【0023】
実施例1において、被走査面上における光スポットの主走査方向のスポット径(最大強度の1/e^2での幅)を約50μmとする場合だと、アパーチュア11A、11Bにおける主走査方向の開口径を4.5mmにする必要がある。この場合、実施例の回転多面鏡で「偏向反射面でけられずに光走査できる範囲」は
被走査面9Aに対して:−162.9〜180.8mm
被走査面9Bに対して:−171.0〜171.3mm
となる。従って、被走査面9Aと9Bとに共通の「光走査可能領域」は、162.9mm+171.3mm=334.2mmあり、例えば、A列3番の短手方向(=A列4番長手方向)である297mmを十分な余裕を持って光走査することができる。また、被走査面9Aの光走査に関しては書込開始側(プラス側)に9.5mmの余裕があり、被走査面9Bの光走査に関しては書込開始側(マイナス側)に8.1mmの余裕があり、これら余裕は「書込開始に先立ち各光ビームを検出するための受光手段」を配備するのに十分である。
即ち、実施例1においては、各被走査面9A、9Bに共通の有効書込幅を確保しつつ、基準面の両側にある各被走査面の書込開始位置の外側に受光手段による検出領域が確保されている。
【0024】
上に、図1に即して説明した実施の形態と実施例1は、光走査装置としては、回転軸AXから離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器5を共有する複数の被走査面9A、9Bを光偏向器5の両側に有し、各被走査面を走査するための複数の光ビームBA、BBを光偏向器5により偏向させ、偏向された各光ビームにより各被走査面9A、9Bを互いに平行に主走査して書込みを行い、書込開始に先立ち各光ビームを受光手段mA、10AおよびmB、10Bにより受光して検出する光走査装置において、光偏向器5の回転軸AXを含み、主走査線に平行な面を基準面PSとするとき、複数の光ビームBA、BBの光偏向器5による各規準反射位置RA、RBを、基準面PSに対して2次元的に僅かに非対称とすることにより、各被走査面9A、9Bに共通の有効書込幅を確保しつつ、基準面PSの両側にある各被走査面の書込開始位置の外側に受光手段mA、10AおよびmB、10Bによる検出領域を確保することができる。
そして、基準面PSの片側の被走査面9A上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面9B上での書込開始側をマイナス側とするとき、片側の被走査面9Aを走査する光ビームBAの偏向反射面5Aでの基準反射点位置RAが、他方の側の被走査面9Bを走査する光ビームBBの偏向反射面5Bでの基準反射点位置RBよりもプラス側(即ち、YA(=7.90mm)>YB(=7.55mm))にある。
また、各被走査面9A、9Bに対応して、光偏向器5による偏向光ビームを被走査面に導く走査結像光学系6A、7A、及び、6B、7Bを有し、これら走査結像光学系の1対は、基準面PSに対する鏡面対称の状態から、互いに主走査方向にずらして配置され(HA1(=9.2mm)>HB1(=8.8mm)、HA2(=9.3mm)>HB2(=9.0mm))、1対の走査結像光学系についてサグ量が同程度に設定されている。
【0025】
さらに、基準面PSの片側の被走査面9A上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面9B上での書込開始側をマイナス側とするとき、片側の被走査面9Aに導光する走査結像光学系6A、7Aが、他方の側の被走査面9Bに導光する走査結像光学系6B、7Bよりも主走査方向においてプラス側に配置されている。このように、被走査面9Aの光走査ではプラス側に受光手段を配置し、被走査面9Bの光走査ではマイナス側に受光手段を配するので、上記の如く、各走査結像光学系を互いに非対称に配置することにより、有効書込幅を広くとることができる。
上記の如き構成により、回転多面鏡の偏向反射面を大きくすることなく、即ち、回転多面鏡を大型化することなく、各被走査面9A、9Bに共通の有効書込幅を確保しつつ、基準面の両側にある各被走査面の書込開始位置の外側に受光手段による検出領域を確保できるので、光偏向器を大型化することに伴なう「騒音、振動、消費電力、コストの増大」を有効に回避できる。
図2(a)は、光走査装置の別の実施の1形態を示している。繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図1(a)におけると同一の符号を用いた。
この実施の形態の光走査装置はマルチビーム走査方式の光走査装置であって、複数の光源1A,1A’と、これら複数の光源からの各光ビームを偏向させる光偏向器5と、この光偏向器5によって偏向された複数の偏向光ビームを被走査面に導いて副走査方向に分離した複数の光スポットを形成する走査結像光学系6A,7Aと、書込開始前に光ビームを受光する書込前受光手段mA、10Aと、書込終了後に光ビームを受光する書込後受光手段MA、12Aとを有し、書込前受光手段mA、10Aで各光ビームを検知し、書込後受光手段MA,12Aでは1つの光ビームのみを検知する。
そして、光源1A,1A’の数が2であり、各光源からの光ビームが主走査方向に互いに角:ξをなし、光偏向器5の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置されている。
【0026】
実施例2
光源1A,1A’は共に、発光波長:780nmの半導体レーザである。
半導体レーザ1A,1A’から光偏向器としての回転多面鏡5に至る光路上に配置されたカップリングレンズ2A,2A’は、実施例1におけるカップリングレンズ2Aと同一のものであり、シリンドリカルレンズ3Aも、実施例1におけるシリンドリカルレンズ3Aと同一のものである。従って、各半導体レーザ1A、1A’からの光ビームはカップリングレンズ2A、2A’により平行ビームに変換され、シリンドリカルレンズ3Aにより回転多面鏡5の偏向反射面近傍に、それぞれ、主走査方向に長い線像として結像する。各線像は副走査方向に相互に分離している。
但し、シリンドリカルレンズ3Aと回転多面鏡5の偏向反射面との間の距離は、実施例1において「124.5mm」であるが、実施例2においては「124.6mm」である。また、上記角:ξは「3.1度」である。
半導体レーザ1Aからの光ビームと、半導体レーザ1A’からの光ビームとは、これらの主光線が、主走査方向において基準反射位置RAにおいて互いに交叉するように定められている。この場合の基準反射位置RAは、半導体レーザ1Aからの光ビームを基準として定められ、半導体レーザ1Aからの光ビームの主光線が偏向反射面により反射されて被走査面9Aにおける主走査線の方向に垂直になるときの、偏向反射面への入射位置である。このとき、偏向反射面が主走査方向に対してなす角を図の如く「θ1」とすると、θ1は30度であり、この状態において、半導体レーザ1Aからの光ビームは偏向反射面に対し入射角:28.45度、半導体レーザ1A’からの光ビームは31.55度をもって入射する。
【0027】
回転多面鏡5も実施例1におけると同一のものであり、走査結像光学系を構成する走査レンズ6A、7Aおよびその配置も実施例1におけると同一である。 被走査面9A上における光スポットの主走査方向のスポット径(最大強度の1/e^2での幅)を約50μmとする場合、アパーチュア11A’(各半導体レーザからの光ビームのビーム整形を行うため、同一形状の2つの開口部を所定の位置関係で有する)の各開口部の主走査方向の径は4.5mmになる。このとき偏向反射面によりけられずに光走査できる範囲は以下のようになる。
半導体レーザ1Aからの光ビーム:−162.9〜180.8mm
半導体レーザ1A’からの光ビーム:−169.4〜172.1mm
図2(b)において、符号LA、LA’はそれぞれ、半導体レーザ1A、1A’からの光ビームが「偏向反射面によりけられずに光走査できる範囲」を模式的に示している。
図示の如く、偏向反射面によりけられずに光走査できる範囲:LA、LA’は主走査方向へ互いにずれている。
書込前受光手段・書込後受光手段を配置するのに必要な範囲を(被走査面位置に換算して)「D」とする。
図2の光走査装置では、被走査面9Aは、半導体レーザ1A、1A’からの2本の光ビームにより2走査線を同時にマルチビーム走査される。このため、各光ビームの書込開始位置を揃えるためには、2本の光ビームを、書込前受光手段により個別的に検出する必要がある。すると、書込前受光手段を配置すべき位置は、図2(b)に示すように光走査範囲LA’の範囲内で無ければならない。
【0028】
また、書込後受光手段により2本の光ビームを共に検出しようとすると、書込後受光手段を配置すべき位置は、図2(b)に示すように光走査範囲LAの範囲内で無ければならない。
即ち、書込前・書込後の各光ビームを検出しようとすると、被走査面9Aの有効書込幅は、図2(b)の範囲:L0のように狭くなってしまう。
光ビームを書込前と書込後に検出する目的は「光ビームの走査時間を検出することにより画周波数を調整し、倍率誤差を低減する」ためである。
図2(a)に示す如き光走査装置では、2本の光ビームは同一の回転多面鏡により同時に偏向されるのであるから上記走査時間は、各ビームに共通であると考えられるから「2本の光ビームのそれぞれを書込後に検出する必要」は必ずしもない。そこで、書込後受光手段MA,12Aでは1つの光ビームのみを検知するのである。この場合、書込後受光手段により検出されるのは、半導体レーザ1A’からの光ビームである。半導体レーザ1A’からの光ビームは書込前にも検出され、書込後にも検出されるから、各検出の時間差により「走査時間」を算出することができ、このようにして得られる走査時間は半導体レーザ1Aからの光ビームの走査時間と同一と考えてよい。
このようにすると、書込後受光手段は、図2(b)に示す範囲:Δ(説明中の実施例2では8.7mmの余裕がある)内に設ければ良く、被走査面9Aの有効書込幅を、図2(b)の範囲:L1のように(前記範囲:L0よりも)拡大することができる。
上述の如く、書込終了側で両方の光ビームを検出しようとすると、書込可能な範囲が範囲:L0のように狭くなり、有効書込幅を確保できなくなったり、有効書込幅を確保するために光偏向器を大きくする必要があるが、実施例2のように、書込終了側では半導体レーザ1A’からの光ビームのみ検知するようにすれば倍率調整が可能になり、しかも上記不具合を解消できる。
【0029】
請求項1記載の光走査装置の実施の1形態を、図1に倣って図3に示す。
繁雑を避けるため、混同の虞が無いと思われるものについては、図1および図2におけると同一の符号を付した。
図3(a)に新たに現れた符号を説明すると、符号1B’は半導体レーザを示す。半導体レーザ1B’は半導体レーザ1Bと同一のものである。符号2B’をもって示すカップリングレンズはカップリングレンズ2Bと同一のものである。
また、ミラーMBと受光素子12Bとは、被走査面9Bの光走査において書込終了後の光ビームを検出する書込後受光手段を構成する。
アパーチュア11A’、11B’は、図2に示したアパーチュア11A’と同一のものである。
実施例3
図3において、半導体レーザ1A’、1B’、カップリングレンズ2A’、2B’アパーチュア11A’、11B’、書込後受光手段MA、12A、MB、12Bを除く他の部分の光学的構成を、実施例1の光学的構成と同一にする。
図3(b)に示すように、半導体レーザ1A’からの光ビームBA’は、半導体レーザ1Aからの光ビームBAと、それぞれの主光線が基準反射位置RA(光ビームBAを基準として定められる)において主走査方向に交叉し、半導体レーザ1B’からの光ビームBB’は、半導体レーザ1Bからの光ビームBBと、それぞれの主光線が基準反射位置RB(光ビームBBを基準として定められる)において主走査方向に交叉している。光ビームBAとBA’、光ビームBBとBB’とが主走査方向になす角:ξは、実施例2におけると同じく3.1度である。
【0030】
基準反射位置RA、RBの位置を回転多面鏡5の回転軸AXに関連して特定する、図3(b)の各距離:XA、XB、YA、YBは、実施例1におけると同様にXA=16.23mm、YA=7.90mm、XB=16.43mm、YB=7.55mmであり、従って基準反射位置RA、RBの位置は、基準面PSに対し2次元的に僅かに非対称である。
偏向反射面5Aが被走査面9Aにおける主走査方向と平行な方向に対して角:θAとなる時の光ビームBAの偏向反射面5Aへの入射角は28.45度は、光ビームBA’の入射角は31.55度である。同じく、偏向反射面5Bが被走査面9Bにおける主走査方向と平行な方向に対して角:θBとなる時の光ビームBBの偏向反射面5Bへの入射角は28.45度は、光ビームBB’の入射角は31.55度である。
被走査面9A、9Bとも、2本の光ビームによりマルチビーム走査される。このとき、各被走査面上における各光スポットの主走査方向のスポット径(最大強度の1/e^2での幅)を約50μmと設定する場合、アパーチュア11A’,1B’における各開口の径は4.5mmとなり、このとき偏向反射面5A、5Bでけられずに走査できる範囲は以下のようになる。
半導体レーザ1Aからの光ビーム:−163〜180mm
半導体レーザ1A’からの光ビーム:−169〜172mm
半導体レーザ1B’からの光ビーム:−171〜171mm
半導体レーザ1Bからの光ビーム:−178〜162mm
書込前受光手段mA、10Aは、書込開始前に、光ビームBAとBA’を検出するが、書込後受光手段MA、12Aは、実施例2と同様、光ビームBA’のみを検出する。
【0031】
同様に、書込前受光手段mB、10Bは、書込開始前に光ビームBBとBB’を検出するが、書込後受光手段MB、12Bは、光ビームBBのみを検出する。また、上記の如く、YA>YBであり、被走査面9A側に関する基準反射位置:RAは被走査面9B側に関する基準反射位置RBよりも「プラス側」にある。また、実施例1において前述した、回転多面鏡5の回転中心(回転軸AXの位置)から各走査レンズの頂点までの主走査方向の距離:HA1、HB1、HA2、HB2は、実施例1におけると全く同様に、HA1=9.2mm、HA2=9.3mm、HB1=8.8mm、HB2=9.0mmである。即ち、基準面PSに対し、走査レンズ6A、7Aの配置と走査レンズ6B、7Bの配置が非対称である。HA1>HB1,HA2>HB2であるから、被走査面9A側の走査レンズ6A、7Aは、被走査面9B側の走査レンズ6B、7Bに比して主走査方向に「プラス側」にある。
実施例3において、半導体レーザ1A、1Bからの光ビームBA,BBに関する光学的構成は実施例1のものと全く同一であるから、光ビームBA,BBに関する光学特性は図4と図5に示したものと同じである。半導体レーザ1A’、1B’ からの光ビームBA’,BB’に関する光学特性を、図4、図5に倣って図6、図7に示す。図6は走査レンズ6A、7Aによるものであり、図7は走査レンズ6A、7Aによるものである。何れも良好に補正されている。
【0032】
即ち、図3に示した実施の形態および実施例3の光走査装置は、回転軸AXから離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器5を共有する複数の被走査面9A、9Bを光偏向器5の両側に有し、各被走査面を走査するための複数の光ビームを光偏向器5により偏向させ、偏向された各光ビームにより各被走査面9A、9Bを互いに平行に主走査して書込みを行い、書込開始に先立ち各光ビームを受光手段により受光して検出する光走査装置において、各被走査面ごとに、書込開始前に光ビームを受光する書込前受光手段mA,10AおよびmB、10Bと、各被走査面ごとに、書込終了後に光ビームを受光する書込後受光手段MA、12AおよびMB、12Bとを有し、被走査面9A、9Bは複数の光ビームで走査され、被走査面9A、9Bに対応する書込前受光手段で複数の光ビームを検知し、書込後受光手段では1つの光ビームのみを検知する光走査装置(請求項1)である。
書込終了側で1光ビームのみを検知するので、書込後受光手段の配置が容易で、有効書込幅を大きく確保できる。
また、複数の光ビームで走査される被走査面の「光偏向器でけられずに主走査される範囲」が各光ビームについて異なり、光偏向器5の両側にある被走査面9A、9Bを走査する基準光ビームBA、BBの上記光偏向器による各規準反射位置RA,RBが基準面PSに対して2次元的に僅かに非対称である(請求項1)。
【0033】
そして、基準面PSの片側の被走査面9Aでの書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面9B上での書込開始側をマイナス側とするとき、被走査面9Aを走査する基準光ビームBAの偏向反射面5Aでの基準反射点位置RAが、他方の側の被走査面9Bを走査する基準光ビームBBの偏向反射面5Bでの基準反射点位置RBよりもプラス側にあり(請求項2)、各被走査面に対応して、光偏向器による偏向光ビームを被走査面に導く走査結像光学系6Aと7A、および6Bと7Bを有し、これら走査結像光学系の1対は基準面PSに対する鏡面対称の状態から、互いに主走査方向にずらして配置され、サグ量を同程度に設定されている(請求項3)。
そして、基準面PSの片側の被走査面9A上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面9B上での書込開始側をマイナス側とするとき、片側の被走査面9Aに導光する1以上の走査結像光学系6A、7Aが、他方の側の被走査面9Bに導光する走査結像光学系6B、7Bよりも主走査方向においてプラス側にされている(請求項4)。
このような構成の結果、各被走査面上における書込開始側と終了側とで走査範囲が異なることになるので有効書込幅を大きくできる。
図8に、請求項5記載の光走査装置の実施の1形態を特徴部分のみ説明図として示す。
請求項1記載の光走査装置は、上に説明した請求項2〜4の任意の1に記載の光走査装置において、各被走査面に対応した書込前受光手段と書込後受光手段との受光時間差に基づき、各被走査面に対応した画周波数を調整し、各被走査面の走査幅を同一にすることを特徴とする。
光学的構成としては図3(a)に示すものを前提とする。
【0034】
図8において、符号10A、12Aはそれぞれ被走査面9Aの走査開始側および走査終了側に設けられた受光素子を示している。受光素子10Aは、光ビームBAとBA’を検出し、受光素子12Aは、光ビームBA’のみを検出する。従って、受光素子10A、12Aからは1回のマルチビーム走査に伴い3つの受光信号が発生する。これらをSC、SC’およびSF’とする。受光信号SC、SC’は、光ビームBA、BA’が受光素子10Aに発生させるものであり、受光信号SF’は光ビームBA’が受光素子12Aに発生させるものである。
受光信号SC、SC’は、図示されない制御回路へ入力し、光ビームBA、BA’によるひ書込開始の同期を取るのに使用される。
それとは別に、図8に示すように信号SC,SC’、SF’はカウンタ30に入力し、カウンタ30は入力してくる信号をカウントし、そのカウント数を演算器31に入力する。演算器31は入力信号に基づき、受光信号SC’とSF’との時間差を算出する。このように算出された時間差は「光ビームBA、BA’が受光素子10A、12A間を走査する走査時間」に等しく、この走査時間の変動は走査結像光学系の倍率誤差に起因する。
そこで、演算器31は、算出した走査時間が設計で定められた基準値と異なるとき、基準値との差に応じ、倍率誤差を補正するような画周波数を算出し、算出された画周波数を実現するクロック信号をクロック発生器32に発生させる。
このように発生されたクロック信号は、半導体レーザ1A,1A’を駆動するLD駆動回路33、34に印加される。このようにして、光ビームBA、BA’の書込みにおける倍率誤差が補正される。
【0035】
上の説明はそのまま、被走査面9Bの側における倍率誤差の補正についての説明になる。
従って、図3に示す如き光学的構成の光走査装置に、請求項5記載の発明を適用することにより、機械的な経時変化や環境変動に拘わらず、被走査面9A、9Bに書込まれる画像の主走査方向の幅を同一に揃えることができる。
なお、光偏向器の偏向反射面数:Nが2以上である場合には、書込前受光手段と書込後受光手段の受光時間差(走査時間)として、個々の走査ごとの測定値ではなく、N回以上の測定の平均値を用いるのが良い(請求項6)。
図1に即して説明した実施の形態および実施例1では、1つの光偏向器を5共有する複数の被走査面9A、9Bが2つであり、図3に即して説明した実施の形態および実施例3では、1つの光偏向器5を共有する複数の被走査面9A、9Bが2つである(請求項7)。
また、図2に即して説明した光走査装置の実施の形態および実施例2では、光源1A、1A’の数が2であり、各光源からの光ビームが主走査方向に互いに角:ξ(=3.1度)をなし、光偏向器5の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置されている。
また、図3に即して説明した光走査装置および実施例3では、複数の光ビームで走査される被走査面9A、9Bに対応する光源の数が2であり、これら2光源からの各光ビームが主走査方向に互いに角:ξ(=3.1度)をなし、光偏向器5の同一の偏向反射面5A、5Bの近傍で互いに交叉するように配置されている(請求項8、9)。
【0036】
最後に、図9を参照して画像形成装置の実施の1形態を説明する。
この画像形成装置は「カラーレーザプリンタ」である。
カラーレーザプリンタ100は感光媒体111R、111G、111B、111Kとして「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。感光媒体111R(111G、111B、111K)の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112R(112G、112B、112K)、現像装置113R(113G、113B、113K)が設けられている。
感光媒体111R、112G、112B、112Kの下方には、これらに共通の転写ベルト114が設けられ、この転写ベルト114の内周の、各感光媒体に対応する部位に、転写用のコロナチャージャ114R、114G、114B、114Kが配置されている。
感光媒体111R、112G、112B、112Kの上方には、光走査装置117が設けられている。
光走査装置117は、例えば、図1に実施の形態を示したもの、あるいは図3に実施の形態を示したものを2組、図の左右方向へタンデム式に並べて構成することもできるし、上記実施の形態のものを2組、特開平9−58−53号公報の図2に示されたような具合に、上下方向に組み合わせて構成することもできる。2組の光走査装置として図1に示すものを組み合わせれば、各感光媒体はシングルビーム方式の光走査で画像を書き込まれる。また、2組の光走査装置として図3に示すものを組み合わせれば、各感光媒体はマルチビーム方式の光走査で画像を書き込まれる。
図9において、符号116は定着装置、符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。
【0037】
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である感光媒体111R〜111Kがそれぞれ時計回りに等速回転され、各表面が帯電ローラ112R〜112Kにより均一帯電される。
光走査装置117は、感光媒体111Rには赤成分画像に対応する赤成分潜像を書込み、感光媒体111G、111B、111Kには、それぞれ緑・青・黒成分画像に対応する緑・青・黒成分潜像を書込む。書込み形成された各色成分潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。
これら各色成分潜像は、現像装置113R〜113Kにより、それぞれ赤.緑・青・黒色のトナーで反転現像され、各感光媒体111R〜113K上に上記各色のトナー画像が形成される。
転写紙Pは、転写ベルト114により各感光媒体に対する転写位置を順次に搬送され、転写用のコロナチャージャ114R、114G、114B、114Kにより順次、感光媒体111Rからは赤トナー画像、感光媒体111Gからは緑トナー画像、感光媒体111Bからは青トナー画像、感光媒体111Rからは黒トナー画像を転写される。このように転写された各色トナー画像の合成画像として「カラー画像」が形成される。
光走査装置として図3に示す如きものを組み合わせて用いると、各色トナー画像相互の大きさのずれを有効に防止できる。
このようにカラー画像を形成された転写紙Pは定着装置116においてカラ^画像を定着されて装置外へ排出される。トナー画像が転写された後の各感光媒体111R〜111Kの表面は、図示されないクリーニング装置により、それぞれクリーニングされて残留トナーや紙粉等が除去される。
【0038】
なお、転写紙Pに代えて前述のOHPシート等を用いることもでき、トナー画像の転写は、中間転写ベルト等の「中間転写媒体」を介して行うようにすることもできる。
なお、光走査装置117として、図2に実施の形態を示した光走査装置を4基、タンデム式に配置した構成とすることもできる。
従って、図9に実施の形態を示す画像形成装置は、複数の感光媒体111R〜111Kの感光面に光走査装置117による光走査を行って感光面ごとに潜像を形成し、各潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であって、複数の感光媒体111R〜111Kの感光面の光走査を行う光走査装置として、請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置を用いて実施できるものであり(請求項10)、各感光媒体111R〜111Kが光導電性の感光体であり、各感光面の均一帯電と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像が、トナー画像として可視化されるものである(請求項11)。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な光走査装置および画像形成装置を実現することができる。
請求項1〜4に記載の光走査装置は、回転多面鏡の偏向反射面を大きくすることなく、即ち、回転多面鏡を大型化することなく、各被走査面に共通の有効書込幅を確保しつつ、基準面の両側にある各被走査面の書込開始位置の外側に受光手段による検出領域を確保できるので、光偏向器を大型化することに伴なう「騒音、振動、消費電力、コストの増大」を有効に回避できる。
また、請求項1〜4、7〜9に記載の光走査装置では、マルチビーム走査において有効書込幅を確保しつつ、倍率誤差の補正に必要な走査時間の検出を行うことができる。そして、請求項5、6に記載の光走査装置では、光学系の機械的な経時変化や環境変動による倍率誤差を補正することができる。
そして、この発明の画像形成装置は、この発明の上記光走査装置を用いることにより「騒音、振動、消費電力、コストの増大」を有効に回避しつつ、良好な画像形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】 光走査装置の別の実施の1形態を説明するための図である。
【図3】 請求項1記載の光走査装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図4】 実施例1に関する光学特性を示す図である。
【図5】 実施例1に関する光学特性を示す図である。
【図6】 実施例3に関する光学特性を示す図である。
【図7】 実施例3に関する光学特性を示す図である。
【図8】 請求項5記載の発明の実施の1形態を特徴部分のみ示す図である。
【図9】 画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B 半導体レーザ(光源)
2A、2B カップリングレンズ
3A、3B シリンドリカルレンズ
4A、4B 防音ガラス
AX 回転軸
5A、5B 偏向反射面
5 回転多面鏡(光偏向器)
6A、7A 走査レンズ(走査結像光学系)
6B、7B 走査レンズ(走査結像光学系)
9A、9B 被走査面

Claims (11)

  1. 回転軸から離れた位置に偏向反射面を有する光偏向器を共有する複数の被走査面を上記光偏向器の両側に有し、各被走査面を走査するための複数の光ビームを上記光偏向器により偏向させ、偏向された各光ビームにより各被走査面を互いに平行に主走査して書込みを行い、書込開始に先立ち各光ビームを受光手段により受光して検出する光走査装置において、
    各被走査面ごとに、書込開始前に光ビームを受光する書込前受光手段と、
    各被走査面ごとに、書込終了後に光ビームを受光する書込後受光手段と、を有し、上記被走査面のうち少なくとも1つは複数の光ビームで走査され、該被走査面に対応する書込前受光手段で複数の光ビームを検知し、書込後受光手段では1つの光ビームのみを検知し、
    複数の光ビームで走査される被走査面の、光偏向器でけられずに主走査される範囲が、各光ビームについて異なり、
    偏向器の回転軸を含み、主走査線に平行な面を基準面とするとき、
    光偏向器の両側にある被走査面を走査する基準光ビームの上記光偏向器による各規準反射位置を、上記基準面に対して2次元的に僅かに非対称としたことを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    基準面の片側の被走査面での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、上記片側の被走査面を走査する基準光ビームの偏向反射面での基準反射点位置が、他方の側の被走査面を走査する基準光ビームの偏向反射面での基準反射点位置よりも、プラス側にあることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2記載の光走査装置において
    各被走査面に対応して、光偏向器による偏向光ビームを被走査面に導く走査結像光学系を有し、
    これら走査結像光学系の少なくとも1対を、基準面に対する鏡面対称の状態から、互いに主走査方向にずらして配置し、上記少なくとも1対の走査結像光学系についてサグ量を同程度に設定したことを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3記載の光走査装置において、
    基準面の片側の被走査面上での書込開始側をプラス側、他方の側の被走査面上での書込開始側をマイナス側とするとき、
    上記片側の被走査面に導光する1以上の走査結像光学系が、他方の側の被走査面に導光する走査結像光学系よりも主走査方向においてプラス側に配置されることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の光走査装置において、
    各被走査面に対応した書込前受光手段と書込後受光手段との受光時間差に基づき、各被走査面に対応した画周波数を調整し、各被走査面の走査幅を同一にすることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項5記載の光走査装置において
    光偏向器の偏向反射面数:N(≧2)に対し、
    書込前受光手段と書込後受光手段の受光時間差として、N回以上の測定の平均値を用いることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1〜6の任意の1に記載の光走査装置において、
    1つの光偏向器を共有する複数の被走査面が2つであることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1〜7の任意の1に記載の光走査装置において、
    複数の光ビームで走査される被走査面に対応する光源の数が2であり、これら2光源からの各光ビームが主走査方向に互いに角をなし、光偏向器の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置されていることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項8記載の光走査装置において、
    2つの被走査面の各々に対応して2つの光源が用いられ、
    各被走査面に対応する2つの光源からの各光ビームが主走査方向に互いに角をなし、光偏向器の同一の偏向反射面の近傍で互いに交叉するように配置されていることを特徴とする光走査装置。
  10. 複数の感光媒体の感光面に光走査装置による光走査を行って上記感光面ごとに潜像を形成し、上記各潜像を可視化して画像を得る画像形成装置であって、
    複数の感光媒体の感光面の光走査を行う光走査装置として、請求項1〜9の任意の1に記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10記載の画像形成装置において、
    各感光媒体が光導電性の感光体であり、各感光面の均一帯電と光走査装置の光走査とにより形成される静電潜像が、トナー画像として可視化されることを特徴とする画像形成装置。
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