JP4139058B2 - 光走査方法・光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光走査方法・光走査装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光走査装置は、デジタル複写装置や光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。
【0003】
近来、これら画像形成装置の画像形成領域の大面積化に伴ない、光走査領域も増大する傾向にある。長大な光走査領域を単一の光走査光学系で走査しようとすると、画角の増大に伴ない、fθレンズ等の走査結像光学系が大型化する問題があるほか、広画角でなおかつ光学性能の良好な光学系を実現するのが困難であるという問題もある。
【0004】
このような問題を回避する方策として、光源・光偏向器・走査結像光学系を光走査ユニットとしてユニット化し、光走査領域を複数の部分光走査領域に分け、各部分光走査領域に1ユニットずつ、光走査ユニットを対応させ、各部分光走査領域を対応する光走査ユニットで光走査することにより、長大な光走査領域を合成的に光走査することが提案されている(例えば、特開平10−68899号公報)。このような光走査方式を、以下、便宜的に「分割光走査方式」と呼ぶ。
【0005】
光走査装置に用いられる光偏向器としては回転多面鏡等、偏向反射面を回転させる方式のものが一般的である。このような光偏向器では、偏向反射面の回転に共ない偏向光束の反射角が変化するが、偏向反射面による反射率は反射角と共に変化する。また、走査結像光学系を構成するレンズに対する偏向光束の入射角も偏向に共ない変化するが、レンズ表面での反射率も入射角と共に変化する。
【0006】
このため、光源から放射された光の光量のうち、光スポットで光走査される被走査面に到達する光量は、光スポットの像高と共に変化する。即ち、被走査面を走査する光スポットの光量は光走査領域で均一にはならない。この現象は「シェーディング」として知られている。
【0007】
シェーディングは部分光走査方式においても勿論発生する。しかも部分光走査方式の場合には、各分割光走査領域毎にシェーディングが発生するので、隣接する部分光走査領域の境界部で、光スポットの光量が不連続的に変化しやすく、このような光スポット光量の不連続的な変化があると、書込まれた潜像を可視像化した場合に、上記境界部に対応する部分で、画像の濃度や解像度が不連続的に変化し画質を劣化させる。
【0008】
上記特開平10−68899号公報は、上記シェーディングに関しては何ら触れていない。
【0009】
部分光走査方式では、被走査面が分割光走査領域ごとに別個に光走査され、各分割光走査領域の光走査により光走査領域全体が合成的に光走査される。従って、1ラインの画像を書き込むための画像信号(1ライン分の画素信号の集合)は各光走査ユニットごとに分割され、対応する光走査ユニットの光源の発光強度を変調する。
【0010】
上記特開平10−68899号公報記載の光走査装置では、光走査領域が2つの部分光走査領域に分けられ、これら2つの部分光走査領域を各々光走査する2つの光走査ユニットは、その光走査の方向が互いに逆で、2つの部分光走査領域の境界部から反対側の端部に向かって光走査を行う。
【0011】
特開平10−68899号公報の光走査装置はまた、被走査面を走査する光束を被走査面に直交的に入射させるために、テレセントリックな走査結像光学系を用いている。このため、2つの光走査ユニットを互いに副走査方向に分離して配置しなければならず、2つの光走査ユニット相互の位置関係を慎重に調整しなければならない。また、被走査面上の光走査領域の同一ラインを、2つの光走査ユニットで光走査するのに長尺のハーフミラーや偏光ビームスプリッタ等の光合成手段を必要とし、このため、光スポットに必要な光量を与えるために、光源の発光量を大きくする必要があったり、高価な長尺ビームスプリッタの使用による高コスト化を招来する虞がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、分割光走査方式において、シェーディングを有効に軽減させることを課題とする。
この発明はまた、分割光走査方式の光走査装置の構築に適した光走査モジュールの実現を課題とする。
この発明はさらに、上記分割光走査方式の光走査装置で画像書込みを行う画像形成装置の実現を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査方法は「光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査する光走査方法」である。
【0014】
即ち、この発明の光走査方法は分割光走査方式であり、複数の光走査ユニットの個々により部分光走査領域を光走査する。
【0015】
個々の光走査ユニットは「光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより被走査面の一部(即ち「部分光走査領域」)を光走査」する。従って、各光走査ユニットは少なくとも、光源と、光偏向器と、走査結像光学系とを有し、光偏向器は「偏向反射面の回転により光源側からの光束を偏向させる」方式のものである。
【0016】
各光走査ユニットは被走査面の各部分光走査領域に「1以上の光スポット」を形成するので、各部分光走査領域の光走査は「通常のシングルビーム方式」で行うこともできるし、所謂「マルチビーム方式」で行うこともできる。
【0017】
「被走査面」は、実体的には、光導電性の感光体等である「感光媒体」の感光面である。
【0018】
また、「各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域が合成的に光走査」される。
【0019】
「最大被走査領域」は、全光走査ユニットにより合成的に光走査できる最大の領域である。形成すべき画像が最大サイズのものでなく、画像の1ライン長が、最大被走査領域よりも小さい場合には、全ての光走査ユニットでなく、一部の光走査ユニットのみで必要な長さの光走査領域を光走査することができる。勿論、全ての光走査ユニットを用いる場合にも、最大被走査領域より短い光走査領域を光走査できる。この場合、少なくとも1つの光走査ユニットは、対応する部分光走査領域の一部のみを光走査することになる。
【0020】
請求項1記載の光走査方法は以下の点を特徴とする。
【0021】
即ち、各光走査ユニットにおける走査結像光学系を2枚のレンズにより構成して、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでを同一の基板上に配置する。
【0022】
各光走査ユニットにおける走査結像光学系の被走査面側のレンズを、同一の基板上に配置せずに、主走査方向に配列一体化し、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるようにする。
【0023】
隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定して光走査を行う。勿論、「光強度の同一」は実質的な同一である。
【0024】
この場合「全ての光走査ユニットにおいて、光偏向器の偏向反射面の回転方向を同一方向に揃える」と、各光走査ユニットによる光走査の方向が同一になり、各光走査ユニットに供給される画像信号の「画素情報の順序」を、全ての光走査ユニットに対して同じにすることができる。
【0025】
また「隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定」するので、部分光走査領域の継目の部分に相当する画像部分で画像濃度や解像度の不連続な変化を防止できる。
【0026】
さらに、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで「主走査方向に関して互いに逆向き」となるようにすることで、シェーディングの特性を、隣接する部分光走査領域で互いに逆にすることができ、最大被走査領域に亘ってシェーディングを軽減することができる。
【0027】
光走査ユニットが光走査を受け持つ部分光走査領域の長さを「光走査領域長」と呼ぶと、この光走査領域長は、光走査ユニットによって異なってもよいが、全光走査ユニットにおいて同一とすることができる。この場合、光走査ユニットの数をnとすれば、各部分光走査領域の長さは「最大被走査領域/n」となる。
【0028】
この場合、「互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性」を、隣接する部分光走査領域の継目に対して対称的にすることが好ましい。
【0029】
上記光走査方法において、各光走査ユニットの偏向光束を、その有効走査領域外(部分光走査領域外)において、光走査開始前に受光素子により検出することができ、検出結果に基づき、各光走査ユニットの「光走査の開始の同期」をとることができる。
【0030】
また、各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査終了後に受光素子により検出することができる。このような場合、光走査ユニットの隣接部に共通の受光素子を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とを検出することができる。
【0031】
各光走査ユニットの偏向光束を光走査開始前と光走査終了後に検出する場合、光走査開始前と光走査終了後の検出時間の差に応じて、各光走査ユニットの画素クロックを調整することができる。このようにすることにより、隣接する部分光走査領域の境界部で光走査の重複や欠落が生じないようにすることができる。
【0032】
主走査方向に配置される光走査ユニットは、2ユニットとすることもできるし、3ユニットとすることもでき、勿論、4ユニット以上の光走査ユニットを主走査方向に配列してもよい。
【0033】
この発明の光走査装置は、上に説明した光走査方法を実施するためのものである。即ち、この発明の光走査装置は「光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにした光走査装置」である。
【0034】
請求項2記載の光走査装置は以下の特徴を有する。
即ち、各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズにより構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでが同一の基板上に配置される。
【0035】
各光走査ユニットにおける走査結像光学系の被走査面側のレンズが、同一の基板上に配置されず主走査方向に配列一体化され、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きに設定する。
【0036】
また、各光走査ユニットの光源の発光強度は「隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となる」ように設定される。
【0037】
各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズにより構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでが同一の基板上に配置されるので、光走査ユニット相互の位置関係の調整が容易である。
【0038】
上記請求項2記載の光走査装置において、各光走査ユニットの光走査領域長を同一とすることができる(請求項3)。勿論、光走査ユニットによって光走査領域長を異ならせても良い。
【0039】
上記請求項3記載の光走査装置においては、互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性を、隣接する部分光走査領域の継目に対して対称的にすることが好ましい(請求項4)。
【0040】
上記請求項2または3または4記載の光走査装置は、各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査開始前に検出する受光素子を有することができる(請求項5)。
【0041】
上記請求項2または3または4記載の光走査装置は、各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査終了後に検出する受光素子を有することができる。
【0042】
上記請求項5記載の光走査装置も、各光走査ユニットの偏向光束を、有効走査領域外において、光走査終了後に検出する受光素子を有することができ(請求光6)、この場合、光走査ユニットの隣接部に共通の受光素子を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とを検出するようにできる(請求項7)。
【0043】
上記請求項2〜7の任意の1に記載の光走査装置において、各光走査ユニットの光源として、半導体レーザもしくは半導体レーザアレイを用いることができ(請求項8)、各光走査ユニットにより部分光走査領域を「マルチビーム方式」で光走査する場合、上記半導体レーザアレイに代えて、複数の半導体レーザからの光束を合成プリズムで合成するようにした光源を用いることもできる。
【0044】
この場合、各光走査ユニットの偏向光束を、光走査開始前に検出する受光素子と、光走査終了後に検出する受光素子とを、同一の基板上に配置でき(請求項9)、さらに、各光走査ユニット間に配置される受光素子を「その両側の光走査ユニットが共有する」ようにすることができる(請求項10)。
【0045】
請求項8または9または10記載の光走査装置は「各光走査ユニットが、光源と光偏向器との間に、光源からの光束を以後の光学系にカップリングさせるためのカップリングレンズと、ビーム整形用のアパーチュアと、シリンドリカルレンズとを有し、光源側からの光束を光偏向器の偏向反射面位置に、主走査方向に長い線像として結像させる」ことができる。勿論、これらカップリングレンズ、アパーチュア、シリンドリカルレンズは同一の基板上に配置される。
【0046】
上記光走査装置において、光偏向器として「回転多面鏡」を用いることができる。光偏向器としては、回転多面鏡以外に、回転単面鏡や回転2面鏡を用いることもできる。
【0047】
上記光走査装置において、主走査方向に配置される光走査ユニットを、2ユニットとすることもできるし、3ユニットとすることもできる。勿論、4ユニット以上を配置することも可能である。
【0048】
請求項2〜7の任意の1に記載の光走査装置では上記のごとく「各光走査ユニットにおける走査結像光学系の少なくとも一部が、同一の基板上に配置されない」ようになっており、各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズにより構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでが、同一の基板上に配置される。
【0049】
そして、各光走査ユニットにおける走査結像光学系を構成する2枚のレンズのうち、同一の基板上に配置されない方のレンズ(被走査面側のレンズ)は「主走査方向に配列一体化」された構成である。
【0050】
走査結像光学系の構成は上記の如くである。
【0051】
2枚のレンズにより走査結像光学系を構成し、そのうちの光源側の1枚が、光走査ユニットの他の部分と共に同一の基板上に配置される。
【0052】
上記請求項1〜7の任意の1に記載の光走査装置において、光走査ユニットの光源を半導体レーザもしくは半導体レーザアレイとし、「各光走査ユニットの、同一の基板に配置される部分」を、それぞれ「光走査モジュール」としてモジュール化し、各光走査モジュールを同一の基板に固定的に配置することができる(請求項11)。
【0053】
この請求項11記載の光走査装置において、光走査モジュールとして「互いに略鏡面対称な構造を持つ2種類のモジュール」を用意し、これら2種の光走査モジュールを「主走査方向に交互に配置」することができる(請求項12)。
【0054】
ここに、鏡面対称は一方のモジュールが「他方のモジュールを鏡に映した」構成となっていることを意味する。即ち、2種の光走査モジュールは形態に関しては相互に略鏡面対称である。
【0055】
請求項12記載の光走査装置において、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールには、少なくとも「光源と、カップリングレンズと、光偏向器と」を一体的に配置することができ(請求項13)、各光走査モジュールの有する光偏向器を回転多面鏡とすることができる。
【0056】
上記光走査装置においては、各光走査モジュールのカップリングレンズとして「光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には光偏向器の偏向反射面位置近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる機能」を持つものを用いることができる。また、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールが、走査結像光学系の1部を構成するレンズを有することができる。
【0057】
前記請求項12記載の光走査装置において、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールの個々を「光源と、光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズと、光偏向器と、走査結像光学系の1部を構成するレンズとを有し、全体が筐体状に形成されたもの」とすることができる(請求項14)。この場合、各光走査モジュールが「カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面」を有するようにすることができる(請求項15)。
【0058】
請求項14または15記載の光走査装置において、各光走査モジュールの有する、走査結像光学系の1部を構成するレンズを「筐体に設けられた窓を塞ぐ」ように設けることができる(請求項16)。
【0059】
請求項14または15または16記載の光走査装置は、その各光走査モジュールが「光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面」を有するようにすることができる(請求項17)。
【0060】
前記請求項14記載の光走査装置においては、各光走査モジュールを「カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面と、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面とを有する」構成とし、光偏向器を回転多面鏡とし、カップリングレンズを「光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には集束させて、回転多面鏡の偏向反射面の近傍に主走査方向に長い線像として結像させる機能を有する」ものとし、走査結像光学系の1部を構成するレンズを「筐体に設けられた窓を塞ぐように設ける」ことができる。
【0061】
この場合、各光走査モジュールに、電極基板と、中基板と、フレームと、封止板を含め、電極基板には「回転多面鏡の回転軸とリード端子等」を一体に形成し、中基板には「回転軸の貫通する貫通穴を穿設するとともに、光源と、カップリングレンズと、回転多面鏡駆動用の駆動コイル」とを設け、この中基板を電極基板上に配して貫通孔に上記回転軸を貫通させ、フレームには「折返し反射面と光路屈曲反射面と」を形成し、このフレームを中基板上に配置して、光源、カップリングレンズ、回転軸と嵌り合う回転多面鏡を収納する空間を形成し、封止板には「窓部を形成」し、この封止板をフレーム上に配して上記空間を閉ざし、上記窓部を塞ぐように「走査結像光学系の1部を構成するレンズ」を設け、光路屈曲反射面で反射された偏向光束を上記窓部に設けられたレンズを介して射出させるようにでき、各光走査モジュールの中基板を「シリコン基板」とし、光源を中基板に一体に形成することができ、各光走査モジュールのフレームを「単結晶シリコン」を材料として形成し、上記折り返し反射面と光路屈曲反射面の反射面形状を「異方性エッチング」で形成することができる。
【0062】
このような光走査装置においては「各光走査モジュールの筐体内部を機密状態とし、内部を低圧化する」ことができる。このようにすると、光偏向器の偏向反射面の回転に対する空気抵抗を低減することができ、高速偏向が容易になる。
【0063】
また、「各光走査モジュールの筐体内部を機密状態とし、内部に窒素等の酸化防止用の気体を封入する」ことができる。
【0064】
上記光走査装置において、主走査方向に配置される光走査ユニットは、2ユニットとすることもできるし、3ユニットとすることもできる。勿論、4ユニット以上の光走査ユニットを用いることもできる。
【0065】
光走査モジュールは「光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにし、同一の基板上に、全光走査ユニットの、少なくとも光源から光偏向器までを配置し、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるように設定し、隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定して光走査を行う光走査装置において、各光走査ユニットの一部として用いられる光走査モジュール」である。
【0066】
光走査モジュールには2種類あり、それぞれの種類が「各光走査ユニットの一部として、半導体レーザもしくは半導体レーザアレイを光源として有するとともに、少なくとも、カップリングレンズと光偏向器とを配置されてモジュール化」される。そして、これら2種の光走査モジュールは、互いに略鏡面対称に形成され、これら2種のモジュールを組み合わせて同一の基板に固定して配置される。
【0067】
上記2種のモジュールのうちの一方をなす光走査モジュールは、他方の光走査モジュールに対して略鏡面対称に形成された光走査モジュールである。
【0068】
上記光走査モジュールにおいては、モジュール内の光偏向器を回転多面鏡とすることができる。そして、モジュール内のカップリングレンズを「光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には光偏向器の偏向反射面位置近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる機能を持つもの」とすることができる。
【0069】
また、上記光走査モジュールは「走査結像光学系の1部を構成するレンズを有する」ことができ、この場合、光走査モジュールを「光源と、光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズと、光偏向器と、走査結像光学系の1部を構成するレンズとを有し、全体が筐体状に形成」されたものとすることができる。この場合、「カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面」を有することができ、上記走査結像光学系の1部を構成するレンズを「筐体に設けられた窓を塞ぐ」ように設けることもできる。
【0070】
光走査モジュールは「光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面」を有することができる。
【0071】
光走査モジュールはまた、「カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面と、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面とを有し、光偏向器が回転多面鏡で、カップリングレンズが、光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には集束させて回転多面鏡の偏向反射面の近傍に主走査方向に長い線像として結像させる機能を有し、走査結像光学系の1部を構成するレンズが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられている」ように構成できる。この場合、光走査モジュールは電極基板と、中基板と、フレームと、封止板を有することができる。
【0072】
電極基板には、回転多面鏡の回転軸とリード端子等を一体に形成する。
【0073】
中基板には、上記回転軸の貫通する貫通穴を穿設し、光源と、カップリングレンズと、回転多面鏡駆動用の駆動コイルとを設ける。そして、この中基板を、その貫通穴に上記回転軸を貫通させて電極基板上に配する。
【0074】
フレームには、折返し反射面と光路屈曲反射面とを形成する。そしてこのフレームを中基板上に配置することにより、光源、カップリングレンズ、回転軸と嵌り合う回転多面鏡を収納する空間を形成する。
【0075】
封止板は、窓部を形成する。そしてこの封止板をフレーム上に配して上記空間を閉ざす。また、形成された窓部にはこれをを塞ぐように「走査結像光学系の1部を構成するレンズ」を設け、光路屈曲反射面で反射された偏向光束を窓部に設けられたレンズを介して射出させる。
【0076】
上記光走査モジュールは、中基板をシリコン基板とし、光源を中基板に一体に形成することができる。光走査モジュールはまた、フレームを、単結晶シリコンを材料として形成し、折り返し反射面と光路屈曲反射面の反射面形状を異方性エッチングで形成することができるし、筐体内部を機密状態とし、内部を低圧化することもできる、筐体内部を機密状態とし、内部に窒素等の酸化防止用の気体を封入することもできる。
【0077】
この発明の画像形成装置は「感光媒体の感光面に対して光走査を行って潜像を形成し、形成された潜像を可視化して画像形成する画像形成装置」であり、感光媒体の感光面を光走査する光走査装置として、前記請求項2〜17の任意の1に記載の光走査装置を用いることができる。
【0078】
感光媒体の感光面は先に説明した光走査方法・光走査装置における被走査面の実体をなすものである。
【0079】
「感光媒体」としては、銀塩フィルムや光導電性の感光体を用いることができる。銀塩フィルムを感光媒体として用いる場合、光走査装置による光走査により形成される潜像は、通常の銀塩写真プロセスに従って可視化することができる。
【0080】
この画像形成装置において、感光媒体として銀塩写真を用いる場合、画像形成装置は、周知の光製版装置や光描画装置として実施することができる。
【0081】
感光媒体として光導電性の感光体が用いられる場合、潜像は、感光体の均一帯電と光走査による書込みにより静電潜像として形成され、トナー画像として可視化される。可視化されたトナー画像は、感光体が酸化亜鉛紙のようにシート状の場合にはそのまま感光体に定着することができる。感光体が繰り返し使用されるものである場合には、トナー画像を転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)のような「シート状記録媒体」に転写・定着して画像を得る。
【0082】
このような画像形成装置は、デジタル複写装置や光プリンタ、光プロッタやファクシミリ装置等として実施することができる。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を説明する。まず、参考技術を図1、2を参照して説明する。
【0084】
図1において、符号SUA、SUBは「光走査ユニット」を示している。光走査ユニットSUAは、図示の如く、光源としての半導体レーザ1A、カップリングレンズ2A、ビーム整形用のアパーチュア3A、シリンドリカルレンズ4A、光偏向器としての回転多面鏡5A、走査結像光学系をなす走査レンズ6Aを所定の位置関係に有している。同様に、光走査ユニットSUBは、図示の如く、光源としての半導体レーザ1B、カップリングレンズ2B、ビーム整形用のアパーチュア3B、シリンドリカルレンズ4B、光偏向器としての回転多面鏡5B、走査結像光学系をなす走査レンズ6Bを所定の位置関係に有している。
【0085】
これらの光走査ユニットSUA、SUBは、同一の基板10上に配置されている。基板10上にはまた、図示の如く、ミラーm1、m2、m3、受光素子PD1、PD2、PD3が設けられ、さらにコントローラ12、信号処理部14が設けられている。
【0086】
半導体レーザ1Aを発光させると、放射された光束はカップリングレンズ2Aにより以後の光学系に適した光束形態に変換される。変換された光束形態は、平行光束でもよいし発散性を弱められた発散光束でも良く、あるいは集束光束でも良い。ここでは、説明の具体性のため、光源からの光束はカップリングレンズ2Aにより平行光束に変換されるものとする。
【0087】
カップリングレンズ2Aから射出した光束は、次いでアパーチュア3Aの開口を通過することにより光束周辺部を遮光されてビーム整形され、シリンドリカルレンズ4Aにより副走査方向(図面に直交する方向)へ集光され、回転多面鏡5Aの偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0088】
偏向反射面による反射光束は、回転多面鏡5Aの矢印方向(時計回り)への等速回転に伴ない等角速度的に偏向する偏向光束となり、走査レンズ6Aに入射し、走査レンズ6Aの作用により被走査面100上に光スポットとして集光し、部分光走査領域PAの部分を光走査する。
【0089】
同様に、半導体レーザ1Bを発光させると、放射された光束はカップリングレンズ2Bにより平行光束に変換され、アパーチュア3Bによりビーム整形され、シリンドリカルレンズ4Bの作用により、回転多面鏡5Bの偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像する。
【0090】
そして、回転多面鏡5Bの時計回りの等速回転に伴ない等角速度的に偏向され、走査レンズ6Bの作用により被走査面100上に光スポットとして集光し、部分光走査領域PBの部分を光走査する。
【0091】
光走査ユニットSUA、SUBを構成する「光源から走査レンズに至る光学素子」は互いに同一のものである。光走査ユニットSUAとSUBとは、図に示す如く互いに「略鏡面対称」に構成されている。従って、光源側から回転多面鏡の偏向反射面へ入射する光束の入射方向は、主走査方向において互いに逆向きになっている。
【0092】
光走査ユニットSUAの偏向光束は、部分光走査領域PAを光走査するに先立ち、ミラーm1により反射されて受光素子PD1により検出され、光走査終了後にミラーm2により反射されて受光素子PD2に検出される。
【0093】
光走査ユニットSUBの偏向光束は、部分光走査領域PBを光走査するに先立ち、ミラーm2により反射されて受光素子PD2により検出され、光走査終了後にミラーm3により反射されて受光素子PD3に検出される。
【0094】
コントローラ12はマイクロコンピュータ等により構成され、光走査ユニットSUA、SUBや信号処理部14を制御する。
【0095】
光走査により被走査面100に書込むべき画像情報は、原稿を読み取った画素情報や、コンピュータ等で生成された画像情報あるいはフロッピディスク等から読み出された情報等であり、信号処理部14に入力される。信号処理部14はコントローラの制御を受けて、入力信号を書込み可能なイメージ画素情報とし、且つ、書込みの1ライン分の情報毎に2分割し、分割された各情報の一方は光走査ユニットSUAに印加され、半導体レーザ1Aの光強度を変調させ、部分光走査領域PAに書込まれる。
【0096】
分割された各情報の他方は光走査ユニットSUBに印加され、半導体レーザ1Bの光強度を変調させ、部分光走査領域PBに書込まれる。
【0097】
受光素子PD1、PD2、PD3の出力は何れも、コントローラ12に入力する。コントローラ12はこれらの入力に基づき、各光走査ユニットSUA、SUBの書込み開始の同期をとり、また、光走査ユニットSUA、SUBが対応する部分光走査領域PA、PBの光走査に要する時間に基づき、画素書込みのクロックを調整し、部分光走査領域PA、PBの継目部分C1において、重複書込みや書込みの欠如が生じないようにする。
【0098】
コントローラ12はまた、上記継目部分C1において、光走査ユニットSUAの光スポットの光強度と、光走査ユニットSUBの光スポットの光強度とが等しくなるように、半導体レーザ1A、1Bの発光強度を設定する。
【0099】
図2は、光走査ユニットSUA、SUB、SUCを用い、被走査部100の部分光走査領域PA、PB、PCを合成的に光走査する光走査装置の実施の形態を示している。
【0100】
光走査ユニットSUA、SUbは、図1に即して説明したものと同様のものであり、光走査ユニットSUCは光走査ユニットSUAと同じものである。符号M4はミラー、符号PD4は受光素子を示す。
【0101】
光走査ユニットSUAの偏向光束は部分光走査領域PAの光走査の前後に、受光素子PD1、PD2により受光され、光走査ユニットSUBの偏向光束は部分光走査領域PBの光走査の前後に、受光素子PD2、PD3により受光され、光走査ユニットSUCの偏向光束は部分光走査領域PCの光走査の前後に、受光素子PD3、PD4により受光される。
【0102】
光走査により被走査面100に書込むべき画像情報(原稿を読み取った画素情報や、コンピュータ等で生成された画像情報あるいはフロッピディスク等から読み出された情報等)が信号処理部14に入力されると、信号処理部14はコントローラの制御を受けて、入力信号を書込み可能なイメージ画素情報とし、書込みの1ライン分の情報毎に3分割し、3分割された各情報の1つは光走査ユニットSUAに印加されて部分光走査領域PAに書込まれる。分割された各情報の他の1つは光走査ユニットSUBに印加されて部分光走査領域PBに書込まれ、他の1つは光走査ユニットSUCに印加されて部分光走査領域PCに書込まれる。
【0103】
コントローラ12は、受光素子PD1、PD2、PD3、PD4の出力の入力を受けて、各光走査ユニットSUA、SUB、SUCの書込み開始の同期をとり、光走査ユニットSUA、SUB、SUCが対応する部分光走査領域PA、PB、PCの光走査に要する時間に基づき画素書込みのクロックを調整し、部分光走査領域PA、PB、PCの継目部分C1、C2において、重複書込みや書込みの欠如が生じないようにするとともに、上記継目部分C1、C2において、光走査ユニットSUA、SUB、SUCの光スポットの光強度とが等しくなるように、各光走査ユニットの光源(半導体レーザ)の発光強度を設定する。
【0104】
即ち、図1(図2)に実施の形態を示す光走査装置は、光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面100に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより被走査面100の一部PA、PB(およびPC)を光走査する光走査ユニットSUA、SUB(およびSUC)を、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域(PA+PBまたはPA+PB+PC)を合成的に光走査するようにした光走査装置である。そして、同一の基板10上に、全光走査ユニットの、少なくとも光源から光偏向器までを配置されている。また、基板10上に配置された全ての光偏向器の偏向反射面の回転方向は同方向(時計回り)に揃えられている。
【0105】
光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向は、隣接する光走査ユニットSUAとSUB(SUBとSUC)とで、主走査方向(図の左右方向)に関して互いに逆向きに設定されている。
【0106】
隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分C1(およびC2)における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定される。
【0107】
また、図1、図2に示す光走査装置では、各光走査ユニットSUA、SUB(およびSUC)の光走査領域長PA、PB(及びPC)は同一とされている。また、互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性は、隣接する部分光走査領域の継目に対して対称的とされている。
【0108】
各光走査ユニットSUA,SUB(およびSUC)の偏向光束を有効走査領域外において、光走査開始前に検出する受光素子PD1、PD2(およびPD3)を有する。
【0109】
さらに、各光走査ユニットSUA、SUB(およびSUC)の偏向光束を有効走査領域外において、光走査終了後に検出する受光素子PD2、PD3(およびPD4)を有し、光走査ユニットの隣接部に共通の受光素子PD2(およびPD3)を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とを検出する。
【0110】
各光走査ユニットSUA、SUB(およびSUC)の光源が半導体レーザであり、各光走査ユニットにおける光源から走査結像光学系までが、同一の基板10上に配置され、各光走査ユニットの偏向光束を、光走査開始前に検出する受光素子PD1、PD2(及びPD3)と、光走査終了後に検出する受光素子PD2、PD3(及びPD4)が、同一の基板10上に配置されている。
【0111】
各光走査ユニット間に配置される受光素子PD2、PD3は、その両側の光走査ユニットに共有される。
【0112】
各光走査ユニットSUA、SUB(光走査ユニットSUCは光走査ユニットSUAと同じものである)は、光源1A、1Bと光偏向器5A、5Bとの間に、光源からの光束を以後の光学系にカップリングさせるためのカップリングレンズ2A、2Bと、ビーム整形用のアパーチュア3A、3Bと、シリンドリカルレンズ4A、4Bとを有し、光源側からの光束を光偏向器の偏向反射面位置に、主走査方向に長い線像として結像させる。そして、光偏向器は回転多面鏡5A、5Bである。
【0113】
図1の光走査装置では、主走査方向に配置される光走査ユニットが2ユニットであり、図3の光走査装置では、主走査方向に配置される光走査ユニットが3ユニットである。
【0114】
なお、図1、図2の装置例において光源として、半導体レーザ1A、1B等に換えて、半導体レーザアレイを用いることにより、各部分光走査領域をマルチビーム方式で走査するようにしてもよい。
【0115】
図3に光走査装置の実施形態を略示する。繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図1におけると同一の符号を付した。図1におけると同一の符号を付した部分は図1におけると同様のものであるので、これらについての説明を省略する。
【0116】
この実施の形態においては、同一の基板10上に、光走査モジュールMA、MBが所定の位置関係を保って固定されている。光走査モジュールMA、MBは筐体状に形成され、後述するように、光走査ユニットにおける光源から「走査結像光学系の一部」までをモジュール化したものである。即ち、この実施の形態にいて、各光走査ユニットにおける走査結像光学素子(各光走査ユニットの光源から放射され、光偏向器により偏向される偏向光束を被走査面100における部分光走査領域に光スポットとして集光させる)は2枚の走査レンズにより構成されている。
【0117】
これら2枚の走査レンズのうち、光源側に配される走査レンズL1A、L1Bは、図示の如く光走査モジュールの「筐体に設けられた窓部」を塞ぐように設けられ、被走査面側の走査レンズは光走査モジュールと分離して設けられる。走査レンズL1A、L1Bは同一の光学特性を持つレンズである。
【0118】
図3において、符号L2A、L2Bで示すのが「被走査面側の走査レンズ」である。図3の実施の形態においては2枚の走査レンズL2A、L2BはレンズアレイLA1として一体化されている。走査レンズL2A、L2Bも同一の光学特性を持つレンズである。
【0119】
各光走査モジュールMA、MBから射出する偏向光束は、光走査モジュールMA、MBを保持する共通の基盤10に直交する面内で偏向する。偏向光束を光走査の前後に検出する受光素子PD1、PD2は基板10に設けられているが、偏向光束を受光素子PD1、PD2へ向けて反射するミラーm1、m2は基板10から離れた位置に設けられている。
【0120】
図4は、図3の実施の形態を「図2の実施の形態に倣って」3つの光走査ユニットを用いる場合に拡張した実施の形態を略示している。この図4においても、繁雑を避けるため、図2におけると同じものについては図2におけると同一の符号を付して説明を省略する。
【0121】
部分光走査領域PA、PBの光走査に用いられる光走査モジュールMA、MBは、図3のものと同じものである。また、部分光走査領域PCの光走査に用いられる光走査モジュールMCは、光走査モジュールMAと同一のものである。
また、符号L1A、L1B、L1Cで示す「走査結像光学系を構成する2枚の走査レンズのうちの光源側の走査レンズ」は同一の光学特性を有し、これらは光走査モジュールMA、MB、MCにそれぞれ設けられている。
【0122】
符号LA2は、被走査面側の走査レンズL2A、L2B、L2C(同一の光学特性を有する)を一体化したレンズアレイを示す。
【0123】
図5は、光走査モジュール内部の光学配置(光源側の走査レンズを除く)を説明図的に示している。
【0124】
図5(a)は光走査モジュールMAのものであり、(b)は光走査モジュールMBに関するものである。
【0125】
符号1A、1Bは光源としての半導体レーザ、符号2A’、2B’はカップリングレンズ、符号5A、5Bは光偏向器としての回転多面鏡、符号ML1A、ML1Bは「カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面」を示し、符号ML2A、ML2Bは「光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面」を示す。
【0126】
光源1A、1Bから放射された発散性の光束は、カップリングレンズ゛2A’、2B’により以後の光学系に適した光束形態に変換される。説明中の実施の形態にあっては、カップリングレンズ2A’、2B’から射出する光束は、主走査方向に関しては略平行光束となり、副走査方向に関しては集束光束となる。
【0127】
カップリングレンズ2A’、2B’から射出した各光束は折り返し反射面ML1A、ML1Bにより回転多面鏡5A、5Bの偏向反射面に向けて反射され、各回転多面鏡の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0128】
回転多面鏡5A、5Bの矢印方向(時計方向)への回転に伴ない偏向される光束は、光路屈曲反射面ML2A、ML2Bにより、図5の図面に直交する方向へ反射され、図3、図4に示す走査レンズL1A、L1B、L1Cを介して光走査モジュールから射出する。
【0129】
図5に示すように、光走査モジュールMA、MBは互いに略鏡面対称に形成されており、前述したように、図4における光走査モジュールMCは光走査モジュールMAと同一のものである。
【0130】
図3および図4を参照すると、光走査モジュールMA、MB(およびMC)から射出した偏向光束は、各々対応する走査レンズL2A、L2B(およびL2C)を透過し、被走査面100上に光スポットを形成し、それぞれ部分光走査領域PA、PB(およびPC)を光走査する。
【0131】
走査レンズL1AとL2A、L1BとL2B(およびL1CとL2C)で構成される各走査結像光学系は「アナモルフィックなfθレンズ」を構成し、各回転多面鏡における面倒れの補正とともに、光走査を等速化する機能を有する。
【0132】
各部分光走査領域の光走査の前後に、各偏向光束は受光素子PD1、PD2(およびPD3、PD4)により検出され、光走査開始の同期がとられ、また、画素クロックの調整により、部分光走査領域の継目の部分C1(およびC2)における重複書込みや書込みの欠落が生じないようにされる。書込みのための画像信号の処理は、図1及び図2の場合と同様である。
【0133】
また、図3、図4の実施の形態においても、コントローラ(図3、図4に図示されていない)の制御により、各半導体レーザの発光強度は、部分光走査領域の継目の部分C1(およびC2)における光スポットの光強度が同一となるように設定される。
【0134】
光走査モジュールMA(およびMC)と光走査モジュールMBとは、上に説明したように互いに略鏡面対称な構成となっているから、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向は、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きである。
【0135】
即ち、図3〜図5に即して実施の形態を説明した光走査装置は、光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにした光走査装置において、同一の基板10上に、全光走査ユニットの、少なくとも光源から光偏向器までを配置し、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるように設定し、隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定した光走査装置(請求項2)である。
【0136】
そして、各光走査ユニットの光走査領域長PA、PB(およびPC)は同一で(請求項3)、互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性は、隣接する部分光走査領域の継目C1(およびC2)に対して対称的であり(請求項4)、各光走査ユニットの偏向光束は、有効走査領域外において、光走査開始前に受光素子PD1、PD2(およびPD3)により検出され(請求項5)、光走査終了後に受光素子PD2、PD3(およびPD4)により検出される(請求項6)。
【0137】
また、光走査ユニットの隣接部には、共通の受光素子PD2(およびPD3)を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とが検出される(請求項7)。
【0138】
そして、各光走査ユニットの光源が半導体レーザである。
【0139】
さらに、図3、図4の実施の形態の光走査装置では、各光走査ユニットにおける走査結像光学系の少なくとも一部(走査レンズL2A、L2B(およびL2C))が、同一の基板10上に配置されず(請求項1、2)、各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズL1AとL2A、L1BとL2B(およびL1CとL2C)により構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズL1A、L1B(およびL1C)までが、同一の基板10上に配置されている(請求項1、2)。
【0140】
また、各光走査ユニットにおける走査結像光学系を構成する2枚のレンズのうち、同一の基板10上に配置されない方のレンズL2A、L2B(およびL2C)が、主走査方向に配列一体化されている(請求項1、2)。
【0141】
さらに、光走査ユニットの光源が半導体レーザであり、各光走査ユニットの、同一の基板10に配置される部分が、それぞれ光走査モジュールMA、MB(およびMC)としてモジュール化され、各光走査モジュールが同一の基板10に固定的に配置される(請求項11)。
【0142】
図5に示したように、光走査モジュールには、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種類のモジュールがあり、これら2種の光走査モジュールが、主走査方向に交互に配置され(請求項12)、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールには、少なくとも光源1A、1Bと、カップリングレンズ2A'、2B'と、光偏向器5A、5Bとが一体的に配置され(請求項13)、各光走査モジュールの有する光偏向器は回転多面鏡である。
【0143】
また、各光走査モジュールMA、MBのカップリングレンズ2A’、2B’は、光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には光偏向器の偏向反射面位置近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる機能を持ち、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールMA、MBは、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bを有する。
【0144】
また、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールMA、MBの個々は、光源1A、1Bと、光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズ2A'、2B'と、光偏向器5A、5Bと、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bとを有し、全体が筐体状に形成され(請求項14)、各光走査モジュールMA、MBは、カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面ML1A、ML1Bを有し(請求項15)、各光走査モジュールの有する、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられる(請求項16)。
【0145】
各光走査モジュールMA、MBが、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板10に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面ML2A、ML2Bを有する。
【0146】
即ち、図3〜図5に即して説明した各光走査モジュールMA、MBは、カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面ML1A、ML2Aと、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面ML2A、ML2Bとを有し、光偏向器5A、5Bが回転多面鏡で、カップリングレンズ2A’、2B’は、光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には集束させて、回転多面鏡5A、5Bの偏向反射面の近傍に主走査方向に長い線像として結像させる機能を有し、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられている。
【0147】
従って、図3、図4に実施の形態を示した光走査装置によれば、光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面100に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、光スポットにより被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査する光走査方法において、同一の基板10上に、全光走査ユニットの、少なくとも光源から光偏向器までを配置し、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向が、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるようにし、隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分C1(及びC2)における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定して光走査を行う光走査方法が実施される。
【0148】
各光走査ユニットの光走査領域長が同一で、互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性は、隣接する部分光走査領域の継目に対して対称的であり、各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査開始前に受光素子PD1等により検出し、走査開始側での検出に基づき、各光走査ユニットの光走査の開始の同期をとる。
【0149】
また、各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査終了後に受光素子PD2等により検出し、光走査ユニットの隣接部に共通の受光素子PD2(およびPD3)を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とを検出し、光走査開始前と光走査終了後の検出時間差に応じて、各光走査ユニットの画素クロックを調整する。
【0150】
図1、図3の実施の形態では、主走査方向に配置される光走査ユニットが2ユニットであり、図2、図4の実施の形態では、主走査方向に配置される光走査ユニットが3ユニットである。
【0151】
以下、図6を参照して、前記光走査モジュールMA、MBを詳細に説明する。
図6は、光走査モジュールの分解斜視図である。(a)が光走査モジュールMAを示し、(b)が光走査モジュールMBを示している。光走査モジュールMAとMBとは、前述したように互いに略鏡面対称となっていることを除けば、同一の構成であり、用いられている各光学素子も同一のものであるので、以下では、これらを一まとめにして説明する。
【0152】
光走査モジュールMA、MBは、電極基板50A、50Bと、中基板60A,60Bと、フレーム70A、70Bと、封止板80A、80Bを有する。
【0153】
電極基板50A、50Bは、回転多面鏡の回転軸5AX、5BXとリード端子51A、51B等が一体に形成され、中基板60A、60Bには、回転軸5AX、5BXの貫通する貫通穴HLA、HLBが穿設されるとともに、光源1A、1Bと、カップリングレンズ2A’、2B’と、回転多面鏡駆動用の駆動コイルCLA、CLBとを有し、電極基板50A、50B上に配されて、貫通孔HLA、HLBに回転軸5AX、5BXを貫通される。
【0154】
フレーム70A、70Bは、折返し反射面ML1A、ML1Bと光路屈曲反射面ML2A、ML2Bとを形成されて中基板60A、60B上に配置され、光源1A、1B、カップリングレンズ2A’,2B’、回転軸と嵌り合う回転多面鏡5A,5Bを収納する空間を形成する。
【0155】
封止板80A、80Bは、窓部を形成され、フレーム70A、70B上に配されて上記「空間」を閉ざし、窓部を塞ぐように、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bを設けられており、光路屈曲反射面ML2A、ML2Bで反射された偏向光束をレンズL1A、L1Bを介して射出させるように構成されている。
【0156】
上記電極基板50A、50Bは「セラミック成形」により形成されている。また、中基板60A、60Bはシリコン基板であり、金属被膜の蒸着により電極と配線パターン(図示されず)が形成され、リード端子51A、51Bとワイヤーボンディング等により接続されている。
【0157】
回転多面鏡5A、5Bを回転駆動するコイル部CLA、CLBも、配線パターンの一部として「渦巻き状のパターン」を形成してなる。この例では、渦巻き状のパターンは、窒化膜等の絶縁層を介して回転多面鏡5A、5Bの回転方向に位相を変え3層に形成し、位相の異なる電流を加えることで回転多面鏡を駆動している。
【0158】
回転多面鏡5A、5Bは、アルミニウム板のプレス加工により成形され、各側面を鏡面加工し、中央部穴にスリーブ5A1、5B1を挿入している。下面には前記コイル部CLA、CLBに対向するように板状の環状マグネットMGA、MGBを接合する。そして、回転軸5AX、5BXにスリーブ5A1、5B1で係合させ、数μm程度のクリアランスを持たせて回転軸支する。スリーブ内側にヘリングボーン溝を設けることで動圧空気軸受を形成することも可能である。
【0159】
図6の例では、半導体レーザ(チップ)1A、1Bは、サブマウントを介して中基板60A、60Bに実装しているが、中基板60A、60Bは、シリコン基板であるので、光源となる半導体レーザ1A、1Bは、シリコン基板上にエピタキシャル技術を用い直接AlGaAs層を堆積させ、半導体レーザを構成するクラッド層、活性層を形成することもできる。
【0160】
実際、半導体レーザ1A、1Bの背面光を検出するモニタ用のフォトダイオード1a、1bは、シリコン基板上に直接GaAs層を堆積させて形成している。
カップリングレンズ2A’,2B’は、シリコン基板と別体のものを実装しているが、ポリイミド膜やSiO2膜等をシリコン基板に直接堆積して形成することも可能である。
【0161】
図6において、符号61A、61B、62A、62Bは各々、半導体レーザ1A、1B、コイル部CLA、CLBへの電流供給を制御する回路で、中基板上に直接形成している。
【0162】
フレーム70A、70Bも「単結晶シリコン」を材料として形成され、折り返し反射面ML1A、ML1Bと光路屈曲反射面ML2A、ML2Bの反射面形状は異方性エッチングで形成されている。
【0163】
封止板80A、80Bは樹脂材料により構成され、偏向光束を取り出すための窓部を形成され、走査レンズL1A、L1Bでこの部分を塞いでいる。封止板80A、80Bの材料を透明樹脂とし、封止板の一部として、走査レンズL1A、L1Bをフォトリソグラフィイ等により形成することもできるし、走査レンズL1A、L1Bを屈折率分布レンズとして構成することもできる。
【0164】
別の実施の形態として、封止板の窓部を単なる平行透明板としてもよい。即ち、光走査モジュールには、走査結像光学系の一部を設けなくてもよい。
【0165】
光走査モジュールMA、MBは、封止板80A、80Bにより密閉されるので、内部空間は機密状態となる。このとき、機密状態の内部空間を「低圧化」し、回転多面鏡の回転に対する空気抵抗を低減することができる。あるいは、機密状態の内部空間に「窒素等の酸化防止用の気体」を封入し、回転多面鏡の鏡面の酸化を防止することもできる。
【0166】
図3に示した光走査装置では、主走査方向に配置される光走査ユニットは2ユニットであり、図4に実施の形態を示した光走査装置では、主走査方向に配置される光走査ユニットが3ユニットである。
【0167】
また、図5、図6に即して実施の形態を説明した光走査モジュールは、光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に1以上の光スポットを形成し、光スポットにより上記被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにし、同一の基板上に、全光走査ユニットの、少なくとも光源から光偏向器までを配置し、光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるように設定し、隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定して光走査を行う光走査装置において、各光走査ユニットの一部として用いられる光走査モジュールであって、各光走査ユニットの一部として、半導体レーザもしくは半導体レーザアレイを光源として有するとともに、少なくとも、カップリングレンズと光偏向器とを配置されてモジュール化され、互いに略鏡面対称に形成された2種のモジュールMA、MBを組み合わせて同一の基板に固定して配置される。
【0168】
例えば、光走査モジュールMAは、1種の光走査モジュールであり、この光走査モジュールMAと略鏡面対称な光走査モジュールMBは別種の光走査モジュールである。
【0169】
光走査モジュールMA、MBにおいては、モジュール内の光偏向器が回転多面鏡5A、5Bであり、モジュール内のカップリングレンズ2A’、2B’は、光源1A、1Bからの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には光偏向器の偏向反射面位置近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる機能を持ち、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bを有する。
【0170】
光走査モジュールMA、MBはまた、光源1A、1Bと、光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズ2A、2Bと、光偏向器5A、5Bと、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bとを有し、全体が筐体状に形成され、カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面ML1A、ML1Bを有し、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられている。
【0171】
図3、図4に示した光走査装置に用いられている光走査モジュールMA、MBは、光偏向器5A、5Bにより偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板10に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面ML2A、ML2Bを有するが、このようにする代わりに、偏向光束をモジュールの側面部分から射出させるようにしてもよい。
【0172】
また、上に実施の形態を説明した光走査モジュールMA、MBは、カップリングレンズ2A’、2B’から射出する光束を光偏向器5A、5Bの偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面ML1A、ML1Bと、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板10に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面ML2A、ML2Bとを有し、光偏向器が回転多面鏡であり、カップリングレンズ2A’、2B’は、光源からの光束を主走査方向には略平行光束とし、副走査方向には集束させて、回転多面鏡の偏向反射面の近傍に主走査方向に長い線像として結像させる機能を有し、走査結像光学系の1部を構成するレンズL1A、L1Bが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられている。
【0173】
なお、図3、図4に即して実施の形態を説明した光走査装置においても、例えば、光走査モジュール内に配置する光源として半導体レーザ1A、1Bを用いたが、これらに換えて例えば半導体レーザアレイを用い、各部分光走査領域をマルチビーム方式で光走査するようにできることは言うまでもない。
【0174】
【実施例】
具体的な実施例として、図3に示す光走査装置に関するものを挙げる。
光走査モジュールMAと走査レンズL2Aにより構成される光走査ユニットを例に取ると、半導体レーザ1Aは光源波長:780nmのものである。また、半導体レーザ1Aは、回転多面鏡5Aの偏向反射面への入射光束の偏光状態がS偏光となるように、発光部の態位を設定されている。
【0175】
回転多面鏡5Aは、偏向反射面数:6面、内接円半径:18mmで、アルミニウム鏡面上にSiOを「λ/2(λ=780nm)の光学的厚さに単層コートしたものである。走査レンズL1A、L2Aは共にコートなしである。
光源側から回転多面鏡5Aに入射する光束の主光線と、偏向光束が被走査面上の走査線に直交するときの主光線との成す角は60度に設定した。なお、光源側からの光束は、回転多面鏡5Aに対し、図4において図の左方から入射する。
走査レンズL1A、L2Aのデータは以下の通りである。
【0176】
走査レンズL1Aは、入射側面・射出側面ともに「共軸非球面(光軸に対して回転対称な非球面)」である。共軸非球面は良く知られたように、光軸方向の座標をx、光軸に直交する方向の座標をr、近軸曲率半径をRn、円錐定数をKn、An、Bn、Cn、Dn、..を高次の係数として、
x=r^2/[Rn+Rn・√{1-(1+Kn)r^2/r^2}
+An・r^4+Bn・r^6+Cn・r^8+Dn・r^10
で表される。この式において、例えば「r^4」は「rの4乗」を表す。以下の式においても同様である。また、Rn、Kn、An、Bn、Cn、Dn等におけるnは、走査結像光学系を構成する走査レンズL1Aの、光偏向器の側から数えたレンズ面の面番号(n=1ないし2 走査レンズL1Aの入射面につきn=1、射出面につきn=2)を表す。なお、長さの次元を持つものの単位はmmである。
【0177】
走査レンズL1A
入射側面(n=1):
R1=-264.0、K1=2.449、A1=2.594E-07、B1=1.256E-11、C1=-2.416E-13、
D1=4.910E-17
光軸上の肉厚:D=23.3
材質の屈折率:N=1.52441
射出側面(n=2):
R2=-61.3、K2=-0.0213、A2=5.949E-07、B2=1.120E-12、C2=2.452E-14、
D2=-3.969E-17
上記において、例えば「5.949E-07」は「5.949に10の-7乗を掛けたもの」を表す。以下の表記においても同様である。
【0178】
走査レンズL2Aは、入射側面・射出側面ともに「主走査方向に非円弧形状」となっている。即ち、光軸方向の座標をX、光軸を含み主走査方向に平行な平面(主走査断面という)内における主走査方向の座標を、光軸位置を原点としてY、上記主走査断面内における近軸曲率半径をRmn、円錐定数をKmn、高次の係数をan、bn、cn、dn、…として以下のように表現できる。
【0179】
X=Y^2/[Rmn+Rmn・√{1-(1+Kmn)Y^2/Rmn^2}
+an・Y^4+bn・Y^6+cn・Y^8+dn・Y^10
Rmn、Kmn、an、bn、cn、dn等におけるnは、走査結像光学系を構成する走査レンズL2Aの、光偏向器の側から数えたレンズ面の面番号(n=1ないし2 走査レンズL2Aの入射面につきn=1、射出面につきn=2)を表す。
【0180】
また、主走査方向に直交する平断面(副走査断面という)内における曲率半径:Rnsは、副走査断面のY座標に応じて、以下のように表すことができる。
【0181】
Rns(Y)=RnS+en・Y^2+fn・Y^4+gn・Y^6+hn・Y^8+in・Y^10+jn・Y^12
上の式において、「RnS」は、Y=0の副走査断面(光軸を含む副走査断面)内における曲率半径を表す。
【0182】
走査レンズL2A
入射側面(n=1):
(主走査断面内の形状):
Rm1=-340.0、Km1=-62.03、a1=-1.047E-08、b1=-9.302E-12、
c1=-1.271E-15、d1=1.863E-19
(副走査断面内の形状):
R1S=-32.01、e1=1.385E-03、f1=-4.354E-07、g1=2.324E-11、
h1=3.250E-15、I=-2.023E-19、j1=-6.203E-23
光軸上の肉厚:D=3.5
材質の屈折率:N=1.52441
射出側面(n=2):
(主走査断面内の形状):
Rm2=-680.0、Km2=19.12、a2=-1.314E-07、b2=-2.256E-12、
c2=1.004E-16、d2=-2.522E-20
(副走査断面内の形状):
R2S=-16.97、e2=f2=g2=・・・=0
偏向反射面での反射点と走査レンズL1Aの入射側面との距離:44.4mm
走査レンズL1Aの射出側面と走査レンズL2Aの入射側面との距離:50.4mm
走査レンズL2Aの射出側面と被走査面との距離:107.1mm
前述したように、光走査モジュールMCは光走査モジュールMAと同一のものであり、光走査モジュールMBは光走査モジュールMAと鏡面対称であり、光源側から回転多面鏡への入射が、図3で図の右側から行われる点を除けば、光走査モジュールMAと同じである。
【0183】
光走査モジュールMA、MCを有する光走査ユニットの像面湾曲を、図7に示す。図からわかるように、主走査・副走査方向とも像面湾曲は良好に補正されているが、回転多面鏡のサグの影響による非対称性は残存する。光走査モジュールMBを有する光走査ユニットは、光源側からの光束の回転多面鏡へ入射の方向が、主走査方向において光走査モジュールと逆であるので、その像面湾曲は、図7に示す像面湾鏡を、像高方向に反転させたものとなる。
【0184】
図8には、最大被走査領域(部分光走査領域PA+PB+PC)におけるシェーディング特性を示す。
【0185】
部分光走査領域は、光走査モジュールMA、MB、MCからの偏向光束でそれぞれ光走査されるが、部分光走査領域PA、PCを光走査する光走査ユニットは同一のものであるので、シェーディング特性は部分光走査領域PA、PCにおいて同じものとなる。
【0186】
部分光走査領域PBを光走査する光走査ユニットに用いられる光走査モジュールは、光走査モジュールMA、MCと鏡面対称であるので、シェーディング特性は、部分光走査領域PAあるいはPCのものを、これら部分光走査領域PA、PCと部分光走査領域PBとの継目に関して対称的に折返したものになる。
【0187】
そして、上記継目の部分において「各部分光走査領域を光走査する光スポットの光強度を(実質的に)同一とする」ように各半導体レーザの発光強度を設定するので、最大被走査領域のシェーディング特性は、図8に示すように良好なものとなる。
【0188】
比較のために、光走査モジュールMAを用いる同一の光走査ユニットを3ユニット、主走査方向へ並べて、光走査を行い、各部分光走査領域の継目の部分で、光スポットの光強度を(実質的に)同一とするように、各半導体レーザの発光強度を設定した場合の最大被走査領域のシェーディング補正は、図9に示す如きものとなり、部分光走査領域PAの書出し部分と、部分光走査領域PCの書き込み終了部分とでは、略25%ものシェーディング差が派生してしまう。これに対し、上記実施例のものでは、シェーディング特性の変動は10%以下である。
【0189】
上には、全ての光走査ユニットあるいは光走査モジュールにおいて、光偏向器の偏向反射面の回転方向を同方向に揃える場合を説明したが、偏向反射面の回転方向は、光走査ユニット毎あるいは光走査モジュール毎に適宜に定めても良く、これらを同一に揃える必要は必ずしもない。しかし、各偏向反射面の回転方向を同方向に定めると、各光走査ユニットに供給される画像信号の「画素情報の順序」を、全ての光走査ユニットに対して同じにすることができるので、画像情報信号の処理が容易である。
【0190】
最後に、図10を参照して、この発明の画像形成装置の実施の1形態を説明する。図において、符号100は、上の説明において説明した被走査面の実態をなす「感光媒体」としての光導電性の感光体を示す。感光体100は円筒状に形成され、矢印方向(時計回り)に回転可能である。
【0191】
感光体100の周囲には、帯電器111(コロナ放電式のものを示したが、これに限らず、帯電ローラや帯電ブラシ等の接触式のものを用いても良い。)、現像装置115、転写器117(コロナ放電式のものを示したが、転写ローラ等の接触式のものを用いても良い。)、クリーニング装置119が配置されている。
また、光走査装置113が設けられ、帯電器111と現像装置115地の間で光走査により画像の書込みを行うようになっている。図10において、符号Sはシート状記録媒体、符号121は定着装置を示す。
【0192】
光走査装置113は、この発明のものであり上に実施の形態を説明したもののなかから適宜のものを選択して用いることができる。
【0193】
画像形成を行うときには、感光体110を時計回りに等速回転させ、その周面を帯電器111により均一帯電する。続いて光走査装置113により光走査を行い、画像を書込んで静電潜像を形成する。このようにして形成される静電潜像は所謂ネガ潜像であり、画像部が露光されている。
【0194】
形成された静電潜像は、現像装置115により磁気ブラシ現像方式で反転現像され、トナー画像として可視化される。
【0195】
転写紙やOHPシート等であるシート状記録媒体Sは矢印方向へ搬送され、転写部において転写器117の作用によりトナー画像を転写され、定着装置121でトナー画像を定着されて装置外部へ排出される。
【0196】
トナー画像転写後の感光体110の表面はクリーニング装置119によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉を除去されて清浄な面となる。
【0197】
即ち、図10に実施の形態を示す画像形成装置は、感光媒体100の感光面に対して光走査を行って潜像を形成し、形成された潜像を可視化して画像形成する画像形成装置において、感光媒体100の感光面を光走査する光走査装置113として、前記請求項2〜17の任意の1に記載の光走査装置を用いるものであり(請求項18)、感光媒体100が光導電性の感光体であり、潜像として形成される静電潜像がトナー画像として可視化される。
【0198】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば新規な、光走査方法・光走査装置及び画像形成装置を実現できる。
【0199】
上述のように、この発明の光走査方法・光走査装置によれば、分割光走査方式において、シェーディングを有効に軽減させることができる。また、この明細書記載の光走査モジュールを用いることにより、分割光走査方式の光走査装置の構築が容易となる。
【0200】
そして、この発明の画像形成装置は、この発明の光走査装置を用いることにより、無理なく大面積の画像を良好に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査装置の参考例を説明するための図である。
【図2】光走査装置の別の参考例を説明するための図である。
【図3】この発明の光走査装置の実施の形態を説明するための図である。
【図4】この発明の光走査装置の実施の他の形態を説明するための図である。
【図5】光走査モジュールにおける光学配置を説明するための図である。
【図6】光走査モジュールの構造の1例を説明するための図である。
【図7】実施例における1つの光走査ユニットの像面湾曲を示す図である。
【図8】実施例における最大被走査領域におけるシェーディング特性を示す図である。
【図9】比較例における最大被走査領域におけるシェーディング特性を示す図である。
【図10】画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【符号の説明】
SUA、SUB 光走査ユニット
5A、5B 回転多面鏡
PA、PB 部分光走査領域
C1 部分走査領域の継目の部分
1A、1B 光源(半導体レーザ)
Claims (18)
- 光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して上記被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより上記被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにした光走査方法において、
各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズにより構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでが同一の基板上に配置され、
各光走査ユニットにおける走査結像光学系の被走査面側のレンズが、上記同一の基板上に配置されず、主走査方向に配列一体化され、
光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるようにし、
上記隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定して光走査を行うことを特徴とする光走査方法。 - 光源からの光束を、光偏向器の偏向反射面の回転により偏向させ、偏向された光束を走査結像光学系により被走査面に向けて集光して上記被走査面上に1以上の光スポットを形成し、上記光スポットにより上記被走査面の一部を光走査する光走査ユニットを、主走査方向に複数ユニット配置し、各光走査ユニットによる光走査により、最大被走査領域を合成的に光走査するようにした光走査装置において、
各光走査ユニットにおける走査結像光学系が2枚のレンズにより構成され、各光走査ユニットにおける、光源から走査結像光学系の光源側のレンズまでが同一の基板上に配置され、
各光走査ユニットにおける走査結像光学系の被走査面側のレンズが、同一の基板上に配置されず主走査方向に配列一体化され、
光源側から対応する光偏向器の偏向反射面へ入射する光束の入射方向を、隣接する光走査ユニットで、主走査方向に関して互いに逆向きとなるように設定し、
隣接する光走査ユニットにより光走査される部分光走査領域の継目の部分における光スポットの光強度が同一となるように、各光走査ユニットの光源の発光強度を設定したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2記載の光走査装置において、
各光走査ユニットの光走査領域長を同一としたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項3記載の光走査装置において、
互いに隣接する2つの光走査ユニットの光学特性を、隣接する部分光走査領域の継目に対して対称的にしたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2または3または4記載の光走査装置において、
各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査開始前に検出する受光素子を有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項5記載の光走査装置において、
各光走査ユニットの偏向光束を有効走査領域外において、光走査終了後に検出する受光素子を有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項6記載の光走査装置において、
光走査ユニットの隣接部に共通の受光素子を用い、この共通の受光素子により、一方の光走査ユニットにおける光走査終了後の偏向光束と、他方の光走査ユニットにおける走査開始前の光束とを検出するようにしたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜7の任意の1に記載の光走査装置において、
各光走査ユニットの光源が半導体レーザもしくは半導体レーザアレイであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項8記載の光走査装置において、
各光走査ユニットの偏向光束を、光走査開始前に検出する受光素子と、光走査終了後に検出する受光素子とが、同一の基板上に配置されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項9記載の光走査装置において、
各光走査ユニット間に配置される受光素子が、その両側の光走査ユニットに共有されることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜7の任意の1に記載の光走査装置において、
光走査ユニットの光源が半導体レーザもしくは半導体レーザアレイであり、
各光走査ユニットの、同一の基板に配置される部分が、それぞれ光走査モジュールとしてモジュール化され、各光走査モジュールが同一の基板に固定的に配置されたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項11記載の光走査装置において、
光走査モジュールには、互いに略鏡面対称な構造を持つ2種類のモジュールがあり、これら2種の光走査モジュールが、主走査方向に交互に配置されることを特徴とする光走査装置。 - 請求項12記載の光走査装置において、
互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールには、少なくとも光源と、カップリングレンズと、光偏向器とが一体的に配置されることを特徴とする光走査装置。 - 請求項12記載の光走査装置において、
互いに略鏡面対称な構造を持つ2種の光走査モジュールの個々が、光源と、光源からの光束を以後の光学系にカップリングするカップリングレンズと、光偏向器と、走査結像光学系の1部を構成するレンズとを有し、全体が筐体状に形成されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項14記載の光走査装置において、
各光走査モジュールは、カップリングレンズから射出する光束を光偏向器の偏向反射面へ向けており返し反射する折返し反射面を有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項14または15記載の光走査装置において、
各光走査モジュールの有する、走査結像光学系の1部を構成するレンズが、筐体に設けられた窓を塞ぐように設けられていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項14または15または16記載の光走査装置において、
各光走査モジュールが、光偏向器により偏向された偏向光束の光路を、各光走査ユニットが設けられる同一の基板に対し傾く方向へ折り曲げる光路屈曲反射面を有することを特徴とする光走査装置。 - 感光媒体の感光面に対して光走査を行って潜像を形成し、形成された潜像を可視化して画像形成する画像形成装置であって、
感光媒体の感光面を光走査する光走査装置として、請求項2〜17の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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